JP2000164171A - 放電灯 - Google Patents
放電灯Info
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Abstract
対の電極3を備える放電灯において、放電空間には金属
ハロゲン化物と希ガスを封入し、希ガスを高圧封入して
高温高圧の熱プラズマを発生させるとともに、発光管の
熱容量と熱損失を抑制して、管壁温度の上昇を促進し、
金属ハロゲン化物を蒸発させ金属発光を得ることを特徴
とする放電灯であり、希ガスは少なくともキセノンを含
有している。また、金属ハロゲン化物は、少なくともヨ
ウ化スカンジウムとヨウ化ナトリウムを含有している。
発光管構成材料は石英ガラスまたは透光性セラミックス
からなり、100W以下の交流または直流電流で駆動さ
れている。 【効果】水銀を発光管内に封入しないメタルハライドラ
ンプを提供することで、水銀による紫外線が放出され
ず、水銀廃棄の必要もない。また、発光管の始動過程に
おいても、発光色が青味を帯び、演色性が低下すること
もない。
Description
するもので特に水銀を封入しない新規のメタルハライド
ランプに関するものである。
イドランプは、高圧水銀ランプの発光管に各種のメタル
ハライドを添加し、所望の発光スペクトル分布を得られ
るようにしたものである。メタルハライドは常温におい
て固体であり、放電ア−クの熱によって発光管管壁が加
熱され、管壁に凝固していたメタルハライドが蒸発して
初めて金属固有の発光が得られる。
質の圧力に依存するため、比較的蒸気圧の高い水銀を蒸
発させて発光管内の圧力と温度を高め、メタルハライド
を蒸発させている。そのため従来のメタルハライドラン
プでは、放電を開始させるための希ガス(スタートガ
ス)とともに、発光管内を高圧化し管壁温度を高めるた
めに水銀が必須成分となっていた。
スであり、通常はアルゴンガスが1kPaから10kP
a程度の範囲で封入されている。この圧力範囲では、放
電している部分の中性ガスやイオンの温度は室温とさほ
ど変わらず、放電の開始から発光管の管壁の温度はゆっ
くりと上昇を続け、やがて管壁温度が300℃を超える
あたりから水銀の蒸気圧が高まり高温のアーク(熱プラ
ズマ)が生成し、管壁温度を急速に上昇させて金属ハロ
ゲン化物が蒸発するようになる。したがって、水銀を含
有しない場合には、金属ハロゲン化物の蒸気圧が高まる
温度まで管壁が加熱されず、有効な光束を得ることはで
きない。
電力化が進み、35Wの発光管は自動車の前照灯に採用
されるようになった。自動車用の発光管では、瞬時に光
出力が立ち上がることが安全上の必要条件であるため、
スタートガスとして数atmのキセノンガスを封入し、
点灯と同時にキセノンを発光させるとともに、初期から
熱プラズマを生成して発光管を急速加熱することによ
り、実用的な瞬時点灯性が実現された。
も、水銀は発光管内を高圧化して管壁の温度を十分に高
めるための必須成分とされてきた。しかしながら、水銀
は有毒物質であるため、発光管に万一の破損が生じたと
きに周囲の環境に水銀が拡散してしまう危険があるが、
他に適当な代替品がなく広く用いられてきた。近年、有
毒物質拡散防止の観点から、水銀などの有毒物質を含ま
ない発光管が望まれている。発光管の廃棄に当たって
は、発光管を破砕して水銀を回収する必要があるため、
コストを高める原因になっている。
必要であるが、水銀を含む金属蒸気放電灯は水銀の紫外
線放射により被照射物に障害を与えることがあるため、
紫外線のカットに多大な労力やコストがかけられてき
た。更に、発光管の始動過程において、水銀蒸気圧が急
速に上昇している期間は、発光色が青味を帯び、演色性
が低下するという現象があるが、水銀を用いる限り不可
避の問題と考えられてきた。水銀を含まない高輝度放電
灯としては、ショ−トア−クキセノンランプがあるが、
ランプ効率が1ワット当たり約30ルーメン以下と低
く、効率を重視する用途には用いられない。
鑑みた放電灯であり詳細には、水銀を発光管内に封入し
ないメタルハライドランプを提供することで、水銀によ
る紫外線が放出されず紫外線カットなどに多大の労力を
必要とせず、水銀廃棄の必要もない。従って、コスト的
にも安全面でも従来のメタルハライドランプの問題点を
改良した新規の放電灯を提供している。また、発光管の
始動過程においても、発光色が青味を帯び、演色性が低
下することもない。
の放電空間に対向する一対の電極を備える放電灯におい
て、前記放電空間には金属ハロゲン化物と希ガスを封入
し、前記希ガスを高圧封入して高温高圧の熱プラズマを
発生させるとともに、前記発光管の熱容量と熱損失を抑
制して、管壁温度の上昇を促進し、前記金属ハロゲン化
物を蒸発させ金属発光を得ることを特徴とする放電灯で
あり、前記希ガスは少なくともキセノンを含有してい
る。また、前記金属ハロゲン化物が、少なくともヨウ化
スカンジウムとヨウ化ナトリウムを含有することを特徴
としている。
厚をt[mm]、前記キセノンガスの室温における圧力
をP[atm]としたとき P/(Q・t)≧0.20 であり、前記発光管の放電空間の最大内径部分の断面積
をS1[mm2]、最大内径部分の発光管構成材料の断
面積をS2[mm2]としたとき P/S1/S2≧0.06 としている。更に、前記発光管構成材料は石英ガラスま
たは透光性セラミックスからなり、100W以下の交流
または直流電流で駆動されている。
作する放電灯を提供することを目的とする。さらには、
自動車の前照灯などの光学的目的に用いる光源として好
適で、高効率、長寿命、瞬時立上りなどの特性を兼ね備
える放電灯を実現することを目的とするものである。ま
た、これらの目的を、発光管を著しく小型化して管壁温
度の上昇を促進するとともに、スタートガスとしてキセ
ノンガスを従来になく高い圧力で封入することによっ
て、水銀を用いずに発光管の動作温度を十分に高めるこ
とにより達成するものである。
概略図であり本発明者等が、実験で使用した放電灯であ
る。発光管1は、石英ガラス管で成形され、内部に放電
空間2を有し、前記放電空間2の両端から突出するよう
に埋設されたタングステンなどの高融点金属からなる一
対の電極3を備え、前記電極3の前記放電空間2と反対
の端にはモリブデンなどからなる箔4を溶接などの手段
で連接し、さらに、前記箔4の放電空間と反対側の端に
はモリブデンなどからなるリードワイヤ5を溶接などの
手段で連接し、前記放電空間2内への突出部分を除く前
記電極3からリードワイヤ5のある部分までをピンチシ
ールなどの手法で石英ガラス内に埋め込むことにより前
記放電空間2を気密にシールするとともに前記電極3へ
の電気伝導を成している。リードワイヤ5は図示しない
口金および駆動電源に接続され給電を行う。前記放電空
間2の内部には、少なくとも一種類の金属ハロゲン化物
とキセノンガスが高圧封入されており、水銀は含まれて
いない。
空間への突出長は1.7mm、電極間の距離は3.7m
mである。本発明者等は、発光管管壁の温度が、発光管
内径、肉厚およびキセノンガス圧力によって大きく変動
することに着目し、水銀を用いずに金属ハロゲン化物を
蒸発させるのに必要な温度まで管壁を加熱する方法を検
討した。発光管内にヨウ化ナトリウムとヨウ化スカンジ
ウムおよびキセノンガスを封入し、発光管の内容積Q
[μl]、最大肉厚をt[mm]およびキセノンガス圧
力をP[atm]をパラメータとして発光管を製作し
て、発光出力を調べた。その結果を表1に示す。
lm/W以上となる条件を解析した。金属ハロゲン化物
の蒸発は、キセノンによる熱プラズマの高密度化や、発
光管の熱容量や熱損失を抑制することにより、促進され
るものと考えられる。
キセノンガスの圧力P[atm]、発光管内容積Q[μ
l]および管壁の最大肉厚t[mm]を選択し、関数P
/(Q・t)に対して可視光発光効率をプロットしたも
のである。可視光発光効率が70lm/W以上となるの
は、関数P/(Q・t)が次式の関係にある場合であ
ることが明らかになった。 P/(Q・t)≧0.20 式 当然のことながら、発光管の形状や長さ、発光管の消費
電力、金属ハロゲン化物の種類、また、電極封着部の大
きさなどが変わると、金属ハロゲン化物の実効的な蒸気
圧を発生させるP/(Q・t)の最小値は変化する。し
かし、そのような場合でも、ここで行ったのと同様の方
法で、容易に発光管最大内径、最大肉厚およびキセノン
圧力の適切な値を見つけ出すことができる。
て、発光管の最大内径部分の放電空間の断面積S1と発
光管構成材料の断面積S2を示したものである。図1の
A−A断面で示した発光管の最大内径部分における断面
図である。
を、前記したS1およびS2で除した値に対して、発光
管の発光効率をプロットしたものであり P/S1/S2≧0.06 式 の場合に80 lm/W以上の高い発光効率が得られて
いる。これは、発光管の放電空間の断面積すなわち内径
が小さいほど、管壁が高温のアークに接近し、また、発
光管構成材料の断面積が小さいほど、熱伝導による損失
や熱容量が減少して管壁の温度が上昇するため、金属ハ
ロゲン化物の蒸気圧が上昇し可視域の発光が増大したこ
とによると考えられる。
明する。図1に示した発光管1と同一の構成で、発光管
の最大外径を6.00mm、最大内径を2.70mm、
内容積を25.4μlmm、最大肉厚を1.65mm、
発光管の長さを7.1mm、電極間距離を3.7mmと
し、発光管内には、ヨウ化ナトリウムとヨウ化スカンジ
ウムを重量比で3:1の割合で合計0.4mgと、キセ
ノンガスを10atm封入した。このとき P/(Q・t)=0.239 となり、式の関係が満たされている。また、S1=
5.723[mm2]、S2=22.54[mm2]より P/S1/S2=0.078 であるから、式の関係も同時に満たされている。
ル分布を図4に示す。図4には、比較のため、水銀を含
んでいる発光管のスペクトル分布も破線で示した。本発
明の無水銀発光管は、水銀による発光ラインがないこと
を除くと、従来の水銀を含有する発光管と同等の金属蒸
気発光が得られていることがわかる。主要な発光特性を
表3に示す。
電極3の先端部の大きさ形状の異なる陽極3aおよび陰
極3bを備え直流で駆動される。電極を除き、発光管1
や封入材料などは第一の実施形態と略同一である。この
実施形態の発光管の発光特性は表4に示すように、交流
駆動における発光特性とほぼ同等であった。
電流が相対的に大きくなるため、陽極と陰極の機能を分
離することのできる直流駆動も好適である。
用しない高効率の放電灯を製作することに成功した。こ
れは、近年急速に高まってきている有毒物質の拡散防止
の要求に応えるものである。また、実施形態では、電極
形状などについて細かくふれてないが、直流駆動の場合
は、陽極側の電極先端部を球状としたりして大きくする
などの放熱作用が必要となる。更に、希ガスとしてキセ
ノンを封入して説明しているが、キセノンに他のガスを
混入する場合もある。例えは、ネオンやアルゴン等を混
入することもある。それによって、ランプ電圧やランプ
効率を向上することが可能である。
用しない高効率の放電灯を製作するこで、近年急速に高
まってきている有毒物質の拡散防止の要求に応えるもの
であり、有毒物質を全く使用しない発光管の製造が可能
になることを意味する。
光の発生源であったが、水銀レス化により紫外光の発生
量が著しく減少したため、従来紫外光の遮断に用いられ
てきた外管やコーティングにかかる多大な労力を低減で
きるだけでなく、ランプ電圧が低いため、自動車などの
低電圧電源から駆動する場合、昇圧レベルを低下させる
ことができ、駆動回路の簡素化や小型化に有利である。
の水銀の回収が義務付けられる見通しであるが、水銀を
含有していないので、回収に要するコストアップなどの
問題を回避することができる。従って、低コスト化が可
能になる。従来品のように、始動期間の発光色変化や演
色性の低下が起こらず、発光管の始動から安定に至るま
で常に白色の光を発生させる。
要部A−A断面を示す図である。
ン圧力P[atm]、発光管内容積Q[μl]および管
壁の最大肉厚t[mm]を、関数P/(Q・t)に対し
て可視光発光効率をプロットしたグラフである。
圧力Pを、S1およびS2で除した値に対して、発光管
の発光効率をプロットしたグラフである。
ル分布(実線)と水銀を含んでいる放電灯のスペクトル
分布(破線)を示す。
図である。
2] S2…発光管の最大内径部分の発光管構成材料の断面積
[mm2]
Claims (7)
- 【請求項1】発光管の内部の放電空間に対向する一対の
電極を備える放電灯において、前記放電空間には金属ハ
ロゲン化物と希ガスを高圧封入し、高温高圧の熱プラズ
マを発生させるとともに、管壁温度の上昇を促進し、前
記金属ハロゲン化物を蒸発させ金属発光を得ることを特
徴とする放電灯。 - 【請求項2】前記希ガスは少なくともキセノンを含有す
ることを特徴とする請求項1記載の放電灯。 - 【請求項3】前記金属ハロゲン化物が、少なくともヨウ
化スカンジウムとヨウ化ナトリウムを含有することを特
徴とする請求項1〜2記載の放電灯。 - 【請求項4】前記発光管の内容積をQ[μl]、最大肉
厚をt[mm]、前記キセノンガスの室温における圧力
をP[atm]としたとき P/(Q・t)≧0.20 であることを特徴とする請求項1〜3記載の放電灯。 - 【請求項5】前記発光管の放電空間の最大内径部分の断
面積をS1[mm2]、最大内径部分の発光管構成材料
の断面積をS2[mm2]としたとき P/S1/S2≧0.06 であることを特徴とする請求項1〜4記載の放電灯。 - 【請求項6】前記発光管構成材料は石英ガラスまたは透
光性セラミックスであることを特徴とする請求項1〜5
記載の放電灯。 - 【請求項7】前記発光管は、100W以下の交流または
直流電流で駆動されることを特徴とする請求項1〜6記
載の放電灯。
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JP33639598A JP3679256B2 (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 放電灯 |
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JP33639598A JP3679256B2 (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 放電灯 |
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JP2000164171A true JP2000164171A (ja) | 2000-06-16 |
JP3679256B2 JP3679256B2 (ja) | 2005-08-03 |
Family
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JP33639598A Expired - Fee Related JP3679256B2 (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 放電灯 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003030211A1 (fr) * | 2001-09-28 | 2003-04-10 | Harison Toshiba Lighting Corp. | Lampe a halogenure metallise, dispositif de commande de lampe a halogenure metallise et dispositif de phare avant d'automobile |
US6724145B1 (en) | 1999-06-25 | 2004-04-20 | Stanley Electric Co., Ltd. | Discharge lamp |
JP2004528686A (ja) * | 2001-03-23 | 2004-09-16 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 高圧ガス放電ランプ |
JP2009129883A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Koito Mfg Co Ltd | 車輌用放電灯 |
CN103021788A (zh) * | 2012-12-19 | 2013-04-03 | 浙江宇光照明科技有限公司 | 陶瓷金属卤化物灯电极 |
-
1998
- 1998-11-26 JP JP33639598A patent/JP3679256B2/ja not_active Expired - Fee Related
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