JP4257650B2 - 画像信号処理回路 - Google Patents
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Description
一例として、アスペクト比4:3の画像を横方向に拡大して16:9の画面に表示する時に、中央付近は拡大量を少なくし、左右に行くほど拡大量を多くすることで見易い画像のアスペクト変換を実現している手法がある(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、この特許文献1では、縦方向の拡大量を中央付近は多くし、上下に行くほど少なくすることで見易い画像のアスペクト変換を実現する手法も合わせて開示している。
この図において、(A)は4:3の入力画像を4:3の表示画面に表示させたもので、(B)はこの入力画像を16:9の表示画面に横方向を均一に拡大して表示させたものである。この状態では横方向の画像歪が非常に多くなることが分かる。
同図(C)は(B)の歪を補正するために、横方向の拡大では中央の拡大率を少なくし、左右に行くほど拡大率を多くしたもので、さらに縦方向にも若干拡大するようにして中央付近の歪を減少させたものである。しかし、縦方向を均一に拡大したために、上下の端が欠如してしまう欠点が生ずることになる。
同図(D)は、さらに縦方向の拡大量を上下の端に行くほど少なくしたもので、これにより上下の欠如部分がなく、中央付近は真円率の良いバランスの取れたアスペクト変換画像が得られるようになる。
この文献は、アスペクト比4:3の信号からアスペクト比16:9の画像に変換すると共に、まずインターレース走査の原信号をノンインターレース走査の信号(1フィールドの走査線数を約2倍にする)に変換して、きめの細かさを実現し、さらにこのノンインターレース走査の信号をインターレース走査の信号に再変換し、走査線の形態をハイビジョン信号に近づけるのであり、この時、特にフィールド間の画像が正確なインターレース関係になるように画像信号を生成する技術について開示している。
同図の縦方向に並んだ丸印は、夫々フィールドを構成する画像信号中のライン信号を表している。なお、煩雑を避けるために一部のライン信号のみを表示してある。
同図のa、bはノンインターレス走査の入力画像信号の各フィールドを示しており、ライン信号は等間隔に並んでいる。この信号から縦方向の拡大率を部分的に異ならせ、そのためにライン信号の間隔が非等間隔となるインターレース走査の出力画像信号c、dを生成することとする。
まずフィールドcのライン信号「1」がフィールドaのライン信号[1]と同じ位置に生成され、次いで画面上部の拡大(または縮小)倍率によって求まる倍率係数K1(40)から決まる位置にcのライン信号[2]が、図示したようにフィールドaのライン信号[2]と[3]との合成によって新たに生成される。
以下同様に、倍率係数K2(36)を使って「3」が生成され、続いて倍率係数K3(32)を使って「4」が、倍率係数K4(28)を使って「5」が夫々生成される。
以後は図示したように、フィールドcで用いた倍率係数と同じ値を順次使用してライン信号「2」以降が生成される。こうしてノンインターレース走査信号a、bから、縦方向の拡大率が均一でないインターレース走査信号c、dが生成される。
なお、本図の説明で用いている倍率係数の値や各ライン信号が生成される位置、生成の方法等についての詳細は後述する。
ノンインターレース走査の画像信号をインターレース走査の画像信号に変換する画像信号処理回路において、
前記インターレース走査の画像信号の第1のフィールドの各ライン信号間の表示画面上における各距離を、その各距離のうちの一部が異なる距離となるように定めるKn(但し、nは1ずつ増加する自然数)としたとき、前記インターレース走査の画像信号の第2のフィールドの各ライン信号間の表示画面上における、前記Knに対応する距離を(Kn+K(n−1))/2とするとともに、
これらの距離によって表示画面上における垂直方向の位置が定まる前記第1及び第2のフィールドの各ライン信号の前記位置と前記表示画面上における垂直方向の距離が近い順に前記ノンインターレース走査の画像信号における2つのライン信号を選択し、この選択した2つのライン信号を用いた直線補間によって、前記第1及び第2のフィールドの各ライン信号を生成する補間手段
を備えたことを特徴とする画像信号処理回路。
なお、前述の横方向の拡大に関しては、本発明の主体であるインターレース走査のライン信号生成とは直接関係がないので、本実施例では簡略化のため説明を省略する。
同図のa、bはノンインターレス走査の入力画像信号の各フィールドを示しており、ライン信号は等間隔に並んでいる。本実施例では、この信号から縦方向の拡大率を部分的に異ならせ、そのためにライン信号の間隔が非等間隔となるインターレース走査の出力画像信号c、dが正しく補間された状態で生成されるようにするものである。
同図で、インターレース走査の一方のフィールドcを構成するライン信号はフィールドaから次のように生成される。
まずフィールドcのライン信号「1」がフィールドaのライン信号[1]と同じ位置に生成され、次いで画面上部の拡大(または縮小)倍率によって求まる倍率係数K1(40)から決まる位置にcのライン信号[2]が、図示したようにフィールドaのライン信号[2]と[3]との合成によって新たに生成される。
以下同様に、倍率係数K2(36)を使って「3」が生成され、続いて倍率係数K3(32)を使って「4」が、倍率係数K4(28)を使って「5」が夫々生成される。なお、ここまでは、背景技術の項で説明した従来の一般的な方法と同一である。
本実施例では、入力信号の各ライン信号の間隔を32とし、この数値を基準に倍率係数を設定している。なお、この32の値は、入力ノンインターレース走査信号の2ライン信号間を32分割し、新たにライン補間によって生成するインターレース走査のライン信号を、この1/32の間隔上の位置に生成させることを表している。すなわち、ライン補間の位置の精細度に関係する数値で設計者が任意に決める値である。
したがって、本実施例では画面の縦方向の拡大(縮小)倍率と倍率係数Kn(n=1、2、・・)の関係は次の通りである。
倍率係数Kn=32×(1/倍率)
例えば、倍率が4/5(=縮小)の時の倍率係数は、「32×5/4=40」となる。図1、図5で使われる倍率係数の値は、このようにして決められている。なお、拡大(縮小)倍率は画面上の縦方向の一部を伸張(縮小)させるもので、位置と変化量は画像の歪を補正する目的で設計者が任意に決める事項である。
ライン信号[5]の位置=(K1+K2+K3+K4)=136
この値は、ライン信号の間隔では 136/32=4+8/32 となり、この位置の信号の生成はフィールドaの最も近いライン信号を用いて補間により、同図の破線で示したようにフィールドaのライン「5」から24/32と、同じく「6」から8/32の信号成分を使って合成し生成する。フィールドcのほかのライン信号も同様に生成される。
なお、本実施例では図示したように、新しいライン信号は2点間の直線補間で生成しているが、これに限ることなく、例えば画像成分の精度を高めるために4ライン以上を用いる構成としても良い。ただし、この場合にも生成された画像の補間の重心位置が変わらないように、使用するラインの画像成分を適正配分する必要がある。
本実施例によるフィールドdの倍率係数は、フィールドcで用いた倍率係数と同一のものを使い、演算によって求めたものを用いている。すなわち、図1において、フィールドdの倍率係数Kn’は、
倍率係数Kn’=(Kn+K(n−1))/2
(ただし、Knはフィールドcと同一の倍率係数、K(n−1)はその1データ前の倍率係数である。また、K1’については、K1の1/2としている。)
この倍率係数Kn’を用いて生成したのが、同図のフィールドdのライン信号である。この図を見ると、フィールドdの各ライン信号の位置は、フィールドcのライン信号の中間位置になっていることが分かる。
図2において、ノンインターレース走査の入力画像信号は、画像メモリ1に入力される。この画像メモリ1は、1ないし2フィールド分の蓄積容量を持ったメモリである。画像メモリ1に入力され、蓄積された画像信号は、次に読み出しアドレスに応じて、指定されたライン信号1とその直後のライン信号2が読み出され、補間フィルタ2に供給される。
補間フィルタ2は、内部が図3に示すごとく構成されており、入力のライン信号1は、乗算回路21の一方に接続され、他方には、補間係数発生回路3から供給される補間係数1が接続される。同様に入力のライン信号2は、乗算回路22の一方に接続され、他方には、補間係数発生回路3から供給される補間係数2が接続される。夫々の乗算回路の出力は、次の加算回路23に供給され、ここで両信号は加算されて新たなライン信号が生成される。このライン信号は出力画像信号として外部に出力される。
上記読み出しアドレスと補間係数発生回路3および補間係数1、2については後述する。
ノンリニア係数発生回路6は、画面を縦方向に拡大(縮小)する量を決める係数を発生させる部分である。この部分は、アスペクト比4:3を16:9にする場合に、縦方向について、前記図4で説明した画面歪が少なく見えるように、あらかじめライン信号を生成するための1画面分の倍率係数データがROMやプログラム等に保存されているものを読み出すことで行われる。
ノンリニア係数発生回路6で発生した倍率係数は、次に補間アドレス生成部5に供給され、ここでフィールド毎に異なる値の倍率係数になる。
まずフィルドcを生成する場合は、補間アドレス生成部5内の切換え回路54は上側に接続されて、ノンリニア係数発生回路6からの倍率係数はそのままアドレス加算回路4に供給される。
前記ノンリニア係数発生回路6から供給された倍率係数は、遅延回路51を経由した倍率係数と加算回路52で両者が加算される。遅延回路51は1ライン分の時間を遅延する回路であり、したがって、ここでは現時点の倍率係数と1データ前の倍率係数とが加算されることになる。次の1/2演算回路53は、加算によって2倍になった倍率係数値を戻す部分である。
なお、フィールドの最初の倍率係数を求める場合には、1データ前の倍率係数としてリセットによるOを入れて演算しても良いし、最初の倍率係数の1/2としても良い。
このようにして作成された2つの倍率係数は、フィールドパルスにより、フィールドcとフィールドdを作成する時とで交互に選択されアドレス加算回路4に供給される。
補間係数発生回路3では、この加算された倍率係数を用いて、前記読み出しアドレスと補間係数1、2が次のように作成される。
読み出しアドレス=「加算された倍率係数/32」の整数部分
補間係数1=(32−(加算された倍率係数−読み出しアドレス))/32
補間係数2=(加算された倍率係数−読み出しアドレス)/32
上記のこれらの関係は、前記図1の説明で述べた通りである。
なお、本実施例では、入力信号のライン信号間隔を32として、これに基づいて倍率係数を設定しているが、この数値に限ることなく、任意の値を用いることが出来る。
2 補間フィルタ
3 補間係数発生回路
4 アドレス加算回路
5 補間アドレス生成部
6 ノンリニア係数発生回路
21 乗算回路
22 乗算回路
23 加算回路
51 1ライン分遅延回路
52 加算回路
53 1/2演算回路
54 切換え回路
Claims (1)
- ノンインターレース走査の画像信号をインターレース走査の画像信号に変換する画像信号処理回路において、
前記インターレース走査の画像信号の第1のフィールドの各ライン信号間の表示画面上における各距離を、その各距離のうちの一部が異なる距離となるように定めるKn(但し、nは1ずつ増加する自然数)としたとき、前記インターレース走査の画像信号の第2のフィールドの各ライン信号間の表示画面上における、前記Knに対応する距離を(Kn+K(n−1))/2とするとともに、
これらの距離によって表示画面上における垂直方向の位置が定まる前記第1及び第2のフィールドの各ライン信号の前記位置と前記表示画面上における垂直方向の距離が近い順に前記ノンインターレース走査の画像信号における2つのライン信号を選択し、この選択した2つのライン信号を用いた直線補間によって、前記第1及び第2のフィールドの各ライン信号を生成する補間手段
を備えたことを特徴とする画像信号処理回路。
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