JP4257555B2 - 真空溶解装置及び方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、材料供給、サンプリング、タンディシュ交換、モールド交換、鋳込み、成品搬出等を行うことができる真空溶解装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空溶解炉は、真空溶解室と鋳込室が一体構造となっており、かつ、原材料等を溶解炉上方に設けた投入口より供給するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、従来の真空溶解炉には、以下の問題点であった。
▲1▼原材料投入室と真空溶解室の間の遮断はゲート弁などを用いて行っているが、投入口が溶解炉上方に設置してあるため、溶解炉の輻射熱,スプラッシュ,ゴミ等によりゲート弁の寿命低下を招く。またゲート弁の開閉に支障をきたす場合もある。
▲2▼原材料投入室と副原材料投入装置が別々に設置されており、空間的合理生が悪く,設備コストも高いものとなる。すなわち、空間合理性が悪い。
▲3▼タンディシュの交換や清掃が必要となる真空溶解炉においてこれを行う場合に、その都度、炉内の真空度又は雰囲気を外気雰囲気に戻す必要があり、連続操業ができない。
特に、タンディシュは溶湯を冷却しないため、またタンディシュに内張りしている耐火物の溶湯による熱衝撃を低減するために事前加熱が必要であるが、従来の構成では、加熱したタンディシュを搬入できないため、内部に加熱装置を必要とし、真空溶解室自体が大型となる。
▲4▼真空溶解室と鋳込み室が同一チャンバ内にあるため、溶解時の発生ガスやスプラッシュなどにより鋳込み室が汚染され、各構成機器の寿命が低下する。
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、材料供給、サンプリング、タンディシュ交換、モールド交換、鋳込み、成品搬出等を行うことができる真空溶解装置及び方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、溶解炉の輻射熱,スプラッシュ,ゴミ等の影響を受けにくい状態で、溶解する材料として、原材料の他に追加材料及び副材料をも単独に供給できる真空溶解装置及び方法を提供することにある。更に、本発明の別の目的は、外部で事前加熱したタンディシュを真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、搬入し所定の位置に設置することができる真空溶解装置及び方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、真空溶解室、装入準備室及び鋳込室と、前記真空溶解室の異なる側面に取り付けられ前記装入準備室と前記鋳込室との間をそれぞれ開閉する搬入ゲート弁及び鋳込ゲート弁と、前記真空溶解室内に設置され前記鋳込ゲート弁に向かって水平移動可能かつ傾動して溶湯を排出可能な溶解炉と、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室から前記真空溶解室内に材料及び治具を搬入可能なクレーンと、原材料を内部に収容し前記クレーンで搬入して前記溶解炉内に原材料を供給可能なバケットと、前記溶解炉から排出された溶湯を前記鋳込ゲート弁を通して前記鋳込室内まで案内するタンディシュと、前記タンディシュから流出する溶湯を鋳込むためのモールドと、前記鋳込室と外部との間を開閉する搬出扉と、前記モールドを前記タンディシュから溶湯を受ける鋳込み位置に位置決めしかつ前記搬出扉を通して外部に移動可能なモールド台車と、を備え、
前記真空溶解室、前記装入準備室及び前記鋳込室の各々は、独立してその内部を真空または所定の雰囲気にすることが可能となっており、追加原材料を内部に収容し前記クレーンで搬入して前記溶解炉内に追加原材料を供給可能なバーンアウト容器と、前記クレーンで搬入して前記溶解炉の溶湯をサンプリング可能なサンプリングバケットと、前記タンディシュに取り付けられるタンディシュ設置治具と、前記タンディシュ設置治具に着脱可能に取り付けられ前記クレーンで前記溶解炉内に最終調整用添加材を供給可能な添加材容器と、前記モールド台車を前記搬出扉を通して外部に搬出する牽引台車と、を備え、前記クレーンが、前記タンディシュ設置治具を介して前記タンディシュを吊るして該タンディシュを前記真空溶解室内の所定位置まで搬送可能となっていることを特徴とする真空溶解装置が提供される。好ましくは、この真空溶解装置は、前記モールド台車を前記搬出扉を通して外部に搬出する牽引台車を備える。さらに、好ましくは、前記装入準備室は、前記真空溶解室に対し移動可能となっている
【0006】
本発明の構成によれば、真空溶解室(1)と装入準備室(2)、及び真空溶解室(1)と鋳込室(3)とがそれぞれ搬入ゲート弁(10)と鋳込ゲート弁(11)を介して連通しているので、搬入ゲート弁(10)と鋳込ゲート弁(11)のいずれかを閉じた状態で、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、装入準備室(2)又は鋳込室(3)を大気開放することができる。
また、搬入ゲート弁を通して装入準備室から真空溶解室内に材料及び治具を搬入可能なクレーン(9)と、原材料を内部に収容しクレーンで搬入して溶解炉内に原材料を供給可能なバケット(12)と、を備えているので、鋳込ゲート弁(11)を閉じ、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、装入準備室で準備した材料を溶解炉内に供給し溶解させることができる。
また、真空溶解室内に設置され鋳込ゲート弁に向かって水平移動可能かつ傾動して溶湯を排出可能な溶解炉(4)と、溶解炉から排出された溶湯を鋳込ゲート弁を通して鋳込室内まで案内するタンディシュ(5)とを備えているので、搬入ゲート弁(10)を閉じ、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、溶解炉で溶解した溶湯をタンディシュを介して鋳込室内のモールドに鋳込むことができる。
更に、鋳込室と外部との間を開閉する搬出扉(8)と、モールドをタンディシュから溶湯を受ける鋳込み位置に位置決めしかつ搬出扉を通して外部に移動可能なモールド台車(7)とを備えているので、鋳込ゲート弁(11)を閉じ、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、モールド台車と共にモーヒルドを外部に搬出し、別のモールドに交換することができる。
従って、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、材料供給、モールド交換、鋳込み、成品搬出等を行うことができる。
【0007】
バーンアウト容器(13)を別個に設けることにより、バケット(12)を用いることなく、より簡便に追加原材料を溶解炉内に供給することができる。また、サンプリングバケット(14)を設けることにより、同じクレーンを用いて溶湯をサンプリングできる。また、真空溶解室の側面に取り付けらた搬入ゲート弁(10)及び鋳込ゲート弁(11)を通して、原材料、追加材料及び副材料を供給するので、溶解炉の輻射熱,スプラッシュ,ゴミ等の影響を受けにくい。
更に、タンディシュに取り付けられるタンディシュ設置治具(16)と、タンディシュ設置治具に着脱可能に取り付けられクレーンで溶解炉内に最終調整用添加材を供給可能な添加材容器(17)とを備え、クレーンが、タンディシュ設置治具を介してタンディシュを吊るして該タンディシュを真空溶解室内の所定位置まで搬送可能となっていることにより、外部で事前加熱したタンディシュを真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、搬入し所定の位置に設置することができ、かつその戻り工程において最終調整用添加材を溶解炉内に供給することができる。
【0008】
また、本発明によれば、真空溶解室、装入準備室及び鋳込室と、前記真空溶解室の異なる側面に取り付けられ前記装入準備室と前記鋳込室との間をそれぞれ開閉する搬入ゲート弁及び鋳込ゲート弁と、前記真空溶解室内に設置され前記鋳込ゲート弁に向かって水平移動可能かつ傾動して溶湯を排出可能な溶解炉と、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室から前記真空溶解室内に材料及び治具を搬入可能なクレーンと、原材料を内部に収容し前記クレーンで搬入して前記溶解炉内に原材料を供給可能なバケットと、前記溶解炉から排出された溶湯を前記鋳込ゲート弁を通して前記鋳込室内まで案内するタンディシュと、前記タンディシュから流出する溶湯を鋳込むためのモールドと、前記鋳込室と外部との間を開閉する搬出扉と、前記モールドを前記タンディシュから溶湯を受ける鋳込み位置に位置決めしかつ前記搬出扉を通して外部に移動可能なモールド台車と、を備え、前記真空溶解室、前記装入準備室及び前記鋳込室の各々は、独立してその内部を真空または所定の雰囲気にすることが可能となっており、前記タンディシュに取り付けられるタンディシュ設置治具を備え、前記クレーンが、前記タンディシュ設置治具を介して前記タンディシュを吊るして該タンディシュを前記真空溶解室内の所定位置まで搬送可能となっていることを特徴とする真空溶解装置が提供される。好ましくは、この真空溶解装置は、前記タンディシュ設置治具に着脱可能に取り付けられ前記クレーンで前記溶解炉内に最終調整用添加材を供給可能な添加材容器を備える。また、好ましくは、この真空溶解装置は、前記モールド台車を前記搬出扉を通して外部に搬出する牽引台車を備える。さらに、好ましくは、前記装入準備室は、前記真空溶解室に対し移動可能となっている
【0010】
また、本発明によれば、
(A)独立してその内部を真空または所定の雰囲気にすることが可能な真空溶解室、装入準備室及び鋳込室を用意し、
(B)前記真空溶解室と前記装入準備室との間の搬入ゲート弁を閉じた状態で、前記装入準備室内に金属材料を搬入し、
(C)前記真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室内の金属材料を前記真空溶解室内の溶解炉内に供給し溶解させ、
(D)前記真空溶解室と前記鋳込室との間を開閉する鋳込ゲート弁に向かって前記溶解炉を水平移動かつ傾動して溶湯を排出し、タンディシュにより前記溶解炉から排出された溶湯を前記鋳込ゲート弁を通して前記鋳込室内まで案内し、前記真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、前記鋳込室内のモールド台車上のモールドに前記タンディシュから流出する溶湯を鋳込み、
(E)前記真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、前記鋳込室と外部との間を開閉する搬出扉を通して前記モールドを外部に移動する真空溶解方法であって、
前記タンディシュとは、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室から前記真空溶解室内に前記金属材料を搬入することに用いるクレーンにより、タンディシュ設置治具を介して吊るされて前記真空溶解室内の所定位置まで搬送されたものである、ことを特徴とする真空溶解方法が提供される。
好ましくは、前記クレーンとは、サンプリングバケットを搬入して前記溶解炉の溶湯をサンプリングすることにも利用可能なものである。また、好ましくは、前記クレーンとは、前記タンディシュ設置治具に着脱可能に取り付けられる添加材容器を前記溶解炉内に搬入して最終調整用添加材を前記溶解炉内に供給することにも利用可能なものである。さらに、好ましくは、前記(E)において、前記モールドが積載された前記モールド台車を、牽引台車により前記搬出扉を通して外部に搬出することで、前記モールドを外部に搬出する。好ましくは、前記装入準備室とは、前記真空溶解室に対し移動可能となっているものであり、前記(B)において、前記装入準備室を前記真空溶解室から離間させた状態で、前記装入準備室と前記真空溶解室との間から前記金属材料を前記装入準備室に搬入する
【0011】
この方法により、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、装入準備室(2)又は鋳込室(3)を大気開放することができ、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、装入準備室で準備した材料を溶解炉内に供給し溶解させることができる。また、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、溶解炉で溶解した溶湯をタンディシュを介して鋳込室内のモールドに鋳込むことができる。更に、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、モールド台車と共にモーヒルドを外部に搬出し、別のモールドに交換することができる。従って、真空溶解室(1)内の真空度又は雰囲気を維持したままで、材料供給、モールド交換、鋳込み、成品搬出等を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の真空溶解装置の全体構成図である。この図に示すように、本発明の真空溶解装置は、搬入ゲート弁10と鋳込ゲート弁11を介して真空溶解室1、装入準備室2、及び鋳込室3に別れている。また各室1,2,3は搬入ゲート弁10と鋳込ゲート弁11で仕切られているため独立した圧力・雰囲気状態に保てるようになっている。原材料,追加原材料,副材料,タンディシュ等は装入準備室2に設けてある搬送用クレーン9によって真空溶解炉1内に搬送,装入及びタンディシュの設置ができるようになっている。
【0013】
すなわち、図1に示すように、本発明の真空溶解装置は、真空溶解室1、装入準備室2、鋳込室3、溶解炉4、タンディシュ5、モールド6、モールド台車7搬出扉8、クレーン9、搬入ゲート弁10、鋳込ゲート弁11及び牽引台車15を備える。
【0014】
真空溶解室1、装入準備室2及び鋳込室3は、内部を真空又は所定の雰囲気に独立して保持可能な気密チャンバである。なお、溶解室1と鋳込室3の天蓋はスライド開閉式(図示せず)になっており、溶解炉交換等のメンテナンス時に炉内作業性を妨げない構造となっている。
搬入ゲート弁10及び鋳込ゲート弁11は、真空溶解室1の異なる側面に取り付けられ装入準備室2と鋳込室3との間をそれぞれ開閉する。
溶解炉4は、真空溶解室1内に設置されており、鋳込ゲート弁11に向かって図示しない駆動装置で水平移動可能であり、かつ鋳込ゲート弁11の付近で図示しない傾動装置により傾動して溶湯を下方に排出できるようになっている。
クレーン9は、搬入ゲート弁10と装入準備室2との間に設けられている。このクレーン9は、搬入ゲート弁10を通して真空溶解室1の内部に移動可能な水平ビーム9aと、このビーム9aに沿って移動でき下方に材料及び治具等を吊り下げることができる複数のウインチ9bとからなり、搬入ゲート弁10を通して装入準備室2から真空溶解室1内に材料及び治具を搬入することができる。また、装入準備室2は、搬入ゲート弁10及びクレーン9より外方で、気密に着脱可能であり、この図に示すように、搬入ゲート弁10から離脱してその間から材料及び治具を装入準備室2内に搬入することができる。
【0015】
タンディシュ5は、溶解炉4から排出された溶湯を鋳込ゲート弁11を通して鋳込室3内まで案内するように寸法が設定されている。搬出扉8は、鋳込室3と外部との間を開閉する。この搬出扉8は搬入ゲート弁10及び鋳込ゲート弁11と同様のゲート弁でもよく、或いは、別の形式の開閉扉であってもよい。
【0016】
モールド6は、鋳込室3内に設置され、タンディシュ5から流出する溶湯を鋳込むための鋳型である。なお、この図に示すモールド6は、リボルバタイプであり、モールド台車7により複数の鋳型が順次回転して溶湯位置に位置するようになっている。また、このモールド台車7は、牽引台車15により牽引され、搬出扉8を通して外部に移動可能なっている。
【0017】
図2は、本発明の真空溶解装置における材料供給工程の模式図である。この図において、バケット12は、クレーン9の2台のウインチ9bにより吊り下げられ、原材料を内部に収容し、次いで2台のウインチ9bの操作により12′のように傾動させて溶解炉1内に原材料を供給できるようになっている。また、上述したように、搬入ゲート弁10は、真空溶解室1の側面に取り付けられ装入準備室2との間を開閉し、かつ装入準備室2は、搬入ゲート弁10から離脱してその間から材料及び治具を装入準備室2内に搬入するようになっている。従って、搬入ゲート弁10を閉じた状態で装入準備室2に原材料を収容したバケット12を搬入し、次いで、装入準備室2内を真空溶解室1と同一の真空又は雰囲気にした後に搬入ゲート弁10を開いて、クレーン9により溶解炉1内に原材料を供給することができる。
【0018】
図3は、別の材料供給工程(A)とサンプリング工程(B)を示す図である。この図において,(A)では図2のバケット12の代わりにバーンアウト容器13を用い、(B)では同様にバケット12の代わりにサンプリングバケット14を用いている。
バーンアウト容器13は、例えば溶解炉の熱で容易に溶けるアルミニウム製のネットであり、追加原材料を内部に収容しクレーン9で搬入して溶解炉4の上方に近づけることにより、溶解して内部に追加原材料を簡便に供給することができる。
サンプリングバケット14は、クレーン9で吊り下げ可能な耐熱容器であり、クレーン9で搬入して溶解炉4の溶湯をサンプリングするようになっている。
【0019】
図4(A)は、タンディシュ搬入工程を示す図である。この図に示すように、タンディシュ設置治具16を用い、これをタンディシュ5に取り付け、上述のクレーン9を用いて真空溶解室内の所定位置(5′で示す)までタンディシュ5を搬入し設置することができる。また、この図に示すように、添加材容器17をタンディシュ設置治具16に着脱可能に取り付け、タンディシュ5の設置後にクレーン9を用いて溶解炉4内に最終調整用添加材を供給することもできる。
【0020】
図4(B)は、鋳込み工程を示す図である。この図に示すように、タンディシュ搬入工程(図4A)の後、搬入ゲート弁10と搬出扉8を閉じた状態で、鋳込ゲート弁11を開き、タンディシュ5を、溶解炉4からの溶湯を鋳込ゲート弁11を通して鋳込室3内まで案内する位置に移動し、かつ溶解炉4を鋳込ゲート弁11の付近まで移動して傾動させることにより溶湯を鋳込室3内のモールド6に鋳込むことができる。
【0021】
次に、図1乃至図4を用いて、本発明の真空溶解装置の作動工程を説明する。
1.原材料投入
図2に示すように、装入準備室2内に準備された原材料投入バケット12は、装入準備室2と真空溶解室1を同一圧力,同一雰囲気とした後に搬入ゲート弁10を開いて溶解炉4上へと搬送される。搬送されたバケット12はクレーン操作によって傾動され、積載していた原材料を溶解炉4内へと投入する。
2.追加原材料・副原材料投入
追加原材料と副原材料は底部開閉式バケット方式或いは図3(A)に示したバーンアウト容器13で供給することもできる。溶解炉4上までの搬送方法は原材料と同じ。原材料・副原材料の投入方法は、投入材の形状によって決める。
3.サンプリング
溶湯成分の確認・調整のためサンプリングを行う。図3(B)に示したように、サンプリング時はサンプリングバケット14をクレーンフックに取り付けて昇降させた後、サンプリングする。
【0022】
4.モールド設置
図1に示すように、モールド6は牽引台車15によって鋳込室3内に設置される。この際、鋳込ゲート弁11を閉じておくことにより、真空溶解室1を同一圧力,同一雰囲気に保持することができる。なお、鋳込み後のモールド6の搬出も同様にしてできる。
5.タンディシュ設置,注湯
図4(A)に示すように、タンディシュ5は治具16を介して搬送用クレーン9に吊るされ、真空溶解室1内に搬送される。また、注湯直前に添加したい材料等はあらかじめ治具17に搭載しておき、クレーン回収途中で溶解炉4へと投入する。
溶湯の調整が終了後、真空溶解室1内と同圧同雰囲気とした鋳込室3を隔てるゲート弁11を開け、タンディシュ5と溶解炉4を鋳込み室側に移動させて注湯開始を開始する。
【0023】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
上述した真空溶解装置は、以下の特徴を有する。
▲1▼原材料投入,副材料投入,タンディシュ交換を1つの装置で行うことによりハンドリング性の向上,イニシャルコストの削減,空間的合理性の良化が期待できる。
▲2▼ゲート弁により装入準備室2,真空溶解室1,鋳込み室を区切ることにより発生ガス,スプラッシュ等による汚染を最小限に留めることができ、各種装置の長寿命化,清掃・メンテナンスの回数削減による生産性の向上を図れる。
▲3▼真空溶解室1の雰囲気をブレークすることなくタンディシュ,モールドの交換ができるため、連続操業が可能となり作業効率(生産性)の向上が図れる。
▲4▼バッチ毎に異なる形状のタンディシュ,モールドを使用する場合においても連続操業が可能であり生産性の向上が図れる。
▲5▼タンディシュは溶湯を冷却しないため、またタンディシュに内張りしている耐火物の溶湯による熱衝撃を低減するために事前加熱しておく。本構成により、事前に外で(或いは図示されていないが、装入準備室2と真空ゲート弁を介して接続されたタンディシュ加熱室)で加熱されたタンディシュを直前に所定の場所まで搬送でき、加熱タンディシュの温度低下も防止できる。
【0025】
従って、本発明の真空溶解装置及び方法は、真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、材料供給、サンプリング、タンディシュ交換、モールド交換、鋳込み、成品搬出等を行うことができ、かつ溶解炉の輻射熱,スプラッシュ,ゴミ等の影響を受けにくい状態で、溶解する材料として、原材料の他に追加材料及び副材料をも単独に供給でき、更に、外部で事前加熱したタンディシュを真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、搬入し所定の位置に設置することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空溶解装置の全体構成図である。
【図2】本発明の真空溶解装置における材料供給工程の模式図である。
【図3】別の材料供給工程(A)とサンプリング工程(B)を示す図である。
【図4】タンディシュ搬入工程(A)と鋳込み工程(B)を示す図である。
【符号の説明】
1 真空溶解室
2 装入準備室
3 鋳込室
4 溶解炉
5 タンディシュ
6 モールド
7 モールド台車
8 搬出扉
9 クレーン
10 搬入ゲート弁
11 鋳込ゲート弁
12 バケット
13 追加原材料
14 サンプリングバケット
15 牽引台車
16 タンディシュ設置治具
17 最終調整用添加材

Claims (10)

  1. 真空溶解室、装入準備室及び鋳込室と、前記真空溶解室の異なる側面に取り付けられ前記装入準備室と前記鋳込室との間をそれぞれ開閉する搬入ゲート弁及び鋳込ゲート弁と、前記真空溶解室内に設置され前記鋳込ゲート弁に向かって水平移動可能かつ傾動して溶湯を排出可能な溶解炉と、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室から前記真空溶解室内に材料及び治具を搬入可能なクレーンと、原材料を内部に収容し前記クレーンで搬入して前記溶解炉内に原材料を供給可能なバケットと、前記溶解炉から排出された溶湯を前記鋳込ゲート弁を通して前記鋳込室内まで案内するタンディシュと、前記タンディシュから流出する溶湯を鋳込むためのモールドと、前記鋳込室と外部との間を開閉する搬出扉と、前記モールドを前記タンディシュから溶湯を受ける鋳込み位置に位置決めしかつ前記搬出扉を通して外部に移動可能なモールド台車と、を備え、
    前記真空溶解室、前記装入準備室及び前記鋳込室の各々は、独立してその内部を真空または所定の雰囲気にすることが可能となっており、
    追加原材料を内部に収容し前記クレーンで搬入して前記溶解炉内に追加原材料を供給可能なバーンアウト容器と、前記クレーンで搬入して前記溶解炉の溶湯をサンプリング可能なサンプリングバケットと、前記タンディシュに取り付けられるタンディシュ設置治具と、前記タンディシュ設置治具に着脱可能に取り付けられ前記クレーンで前記溶解炉内に最終調整用添加材を供給可能な添加材容器と、前記モールド台車を前記搬出扉を通して外部に搬出する牽引台車と、を備え、
    前記クレーンが、前記タンディシュ設置治具を介して前記タンディシュを吊るして該タンディシュを前記真空溶解室内の所定位置まで搬送可能となっていることを特徴とする真空溶解装置。
  2. 真空溶解室、装入準備室及び鋳込室と、前記真空溶解室の異なる側面に取り付けられ前記装入準備室と前記鋳込室との間をそれぞれ開閉する搬入ゲート弁及び鋳込ゲート弁と、前記真空溶解室内に設置され前記鋳込ゲート弁に向かって水平移動可能かつ傾動して溶湯を排出可能な溶解炉と、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室から前記真空溶解室内に材料及び治具を搬入可能なクレーンと、原材料を内部に収容し前記クレーンで搬入して前記溶解炉内に原材料を供給可能なバケットと、前記溶解炉から排出された溶湯を前記鋳込ゲート弁を通して前記鋳込室内まで案内するタンディシュと、前記タンディシュから流出する溶湯を鋳込むためのモールドと、前記鋳込室と外部との間を開閉する搬出扉と、前記モールドを前記タンディシュから溶湯を受ける鋳込み位置に位置決めしかつ前記搬出扉を通して外部に移動可能なモールド台車と、を備え、
    前記真空溶解室、前記装入準備室及び前記鋳込室の各々は、独立してその内部を真空または所定の雰囲気にすることが可能となっており、
    前記タンディシュに取り付けられるタンディシュ設置治具を備え、
    前記クレーンが、前記タンディシュ設置治具を介して前記タンディシュを吊るして該タンディシュを前記真空溶解室内の所定位置まで搬送可能となっていることを特徴とする真空溶解装置。
  3. 前記タンディシュ設置治具に着脱可能に取り付けられ前記クレーンで前記溶解炉内に最終調整用添加材を供給可能な添加材容器を備えたことを特徴とする請求項に記載の真空溶解装置。
  4. 前記モールド台車を前記搬出扉を通して外部に搬出する牽引台車を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の真空溶解装置。
  5. 前記装入準備室は、前記真空溶解室に対し移動可能となっている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空溶解装置。
  6. (A)独立してその内部を真空または所定の雰囲気にすることが可能な真空溶解室、装入準備室及び鋳込室を用意し、
    (B)前記真空溶解室と前記装入準備室との間の搬入ゲート弁を閉じた状態で、前記装入準備室内に金属材料を搬入し、
    (C)前記真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室内の金属材料を前記真空溶解室内の溶解炉内に供給し溶解させ、
    (D)前記真空溶解室と前記鋳込室との間を開閉する鋳込ゲート弁に向かって前記溶解炉を水平移動かつ傾動して溶湯を排出し、タンディシュにより前記溶解炉から排出された溶湯を前記鋳込ゲート弁を通して前記鋳込室内まで案内し、前記真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、前記鋳込室内のモールド台車上のモールドに前記タンディシュから流出する溶湯を鋳込み、
    (E)前記真空溶解室内の真空度又は雰囲気を維持したままで、前記鋳込室と外部との間を開閉する搬出扉を通して前記モールドを外部に移動する真空溶解方法であって、
    前記タンディシュとは、前記搬入ゲート弁を通して前記装入準備室から前記真空溶解室内に前記金属材料を搬入することに用いるクレーンにより、タンディシュ設置治具を介して吊るされて前記真空溶解室内の所定位置まで搬送されたものである、ことを特徴とする真空溶解方法。
  7. 前記クレーンとは、サンプリングバケットを搬入して前記溶解炉の溶湯をサンプリングすることにも利用可能なものである、ことを特徴とする請求項に記載の真空溶解方法。
  8. 前記クレーンとは、前記タンディシュ設置治具に着脱可能に取り付けられる添加材容器を前記溶解炉内に搬入して最終調整用添加材を前記溶解炉内に供給することにも利用可能なものである、ことを特徴とする請求項6または7に記載の真空溶解方法。
  9. 前記(E)において、前記モールドが積載された前記モールド台車を、牽引台車により前記搬出扉を通して外部に搬出することで、前記モールドを外部に搬出する、ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に真空溶解方法。
  10. 前記装入準備室とは、前記真空溶解室に対し移動可能となっているものであり、
    前記(B)において、前記装入準備室を前記真空溶解室から離間させた状態で、前記装入準備室と前記真空溶解室との間から前記金属材料を前記装入準備室に搬入する、ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の真空溶解方法
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