JP4257425B2 - 新規な無機化合物、それを用いた超硬材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、新規な無機化合物、特に金属オキシカーバイド、それを用いた超硬材料及びその超硬材料の製造方法に関するものである。
これまで、工具、金型、摩耗性機械部品に対し、使用寿命、耐摩耗性などを付与するために高硬度を有する被覆を施すことは、いわゆるハードコーティングとして広く知られている。
そして、このハードコーティングの被覆材料としては、金属や合金の酸化物、窒化物、炭化物などが用いられているが、その中の1つとして金属オキシカーバイドがある。この金属オキシカーバイドとしては、これまでにクロム、モリブデン又はタングステンなどの周期表6A族の金属のオキシカーバイドが知られており(特許文献1、2及び3)、それ以外の金属のオキシカーバイドは知られていなかった。
特許第3015890号明細書(特許請求の範囲その他) 特開2001−279426号公報(特許請求の範囲その他) 特開2003−231962号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、これまで知られていなかった新規な無機化合物、すなわち特定のX線回折パターンをもつニオブのオキシカーバイドを提供するとともに、それを用いて11GPa以上の高い高度を有する超硬材料を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、超硬材料として使用される金属オキシカーバイドについて種々研究を重ねた結果、周期表5A族の金属であるニオブがオキシカーバイドを形成し得ること、及びこれで基体を被覆すれば11GPa以上の高い硬度を有する超硬材料が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、ニオブ28%、炭素61%及び酸素11%の原子割合を有する立方晶ニオブオキシカーバイド、基体表面にこの立方晶ニオブオキシカーバイド覆層を形成させてなる超硬材料、及び300〜450℃に保った基板に、炭素供給源及び酸素供給源の存在下、ニオブ物理蒸着させることを特徴とする上記超硬材料の製造方法を提供するものである。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明のニオブオキシカーバイドは、文献未載の新規な無機化合物であって、基板上に(200)方向に配向した立方晶(格子定数0.452nm)結晶層として形成される。このニオブオキシカーバイドは、特定のX線回折パターンを有し、炭素含有量が多い点に特徴がある。
このものは、基板温度を300〜450℃に保ち、一酸化炭素又は二酸化炭素或いはその両方の存在下、ニオブをプラズマ処理又はスパッタリング処理により物理蒸着させることによって形成される。
この際用いる基板の材料としては、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼などの鉄又はそれらの合金、銅、銀、金、スズ、アルミニウムなどの非鉄金属又はそれらの合金、及び金属の酸化物、窒化物、酸化物、フッ化物、ケイ化物などのセラミックスやガラスを挙げることができる。
また、この基板上にニオブオキシカーバイド被覆を形成させるためのニオブ供給源としては、ニオブ単体のみでなく、ニオブを主体とする合金を用いることもできる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の立方晶ニオブオキシカーバイドを製造する際のニオブの物理蒸着は、プラズマ処理又はスパッタリング処理によって行われる。
このプラズマ処理は、例えば炭素供給源及び酸素供給源として、二酸化炭素及び一酸化炭素の中から選ばれた少なくとも1種すなわち二酸化炭素単独、一酸化炭素単独又は二酸化炭素と一酸化炭素との混合物からなる反応ガスを用いて行われる。この際、二酸化炭素又は一酸化炭素は炭素供給源及び酸素供給源の両方の役割を果すが、炭素供給源と酸素供給源とを別々に用いてもよい。
二酸化炭素を用いる場合、被膜中の炭素量を増加させるため、反応ガス中に通常、メタン、エタン、プロパン、ブタンのような炭素数4以下の低級炭化水素を加えるのが好ましいが、ニオブオキシカーバイド皮膜は炭素過剰になる傾向があるため、必ずしも加える必要はない。
この反応ガス中への低級炭化水素の混合量は、通常反応ガス全体に対する流量比で1〜20体積%、好ましくは1〜15体積%の範囲内で選ばれる。
また、この反応ガス中には、所望の被覆中の酸素量を調節するために、少量例えば反応ガス全体に対する流量比で10体積%以下の酸素を加えることもできる。
プラズマ処理による物理蒸着は、例えば反応性イオンプレーティング法、プラズマ雰囲気中での反応性蒸着法や反応性レーザアブレーション法などによって行うことができる。
他方、スパッタリング処理による物理蒸着は、反応性スパッタリング法、高周波励起反応性スパッタリング法(以下RF反応性スパッタリング法という)などによって行われる。反応性スパッタリング法においては基板電極に負の直流バイアスを印加するため、接地しないような条件を用いると、膜質が向上するので好ましい。
RF反応性スパッタリング法においては、プレーナマグネトロン型ターゲット電極を備えた装置を用いるが、この際、別系統のプラズマ発生用の誘導結合式RF電極を組み込めば、さらに良質の皮膜を形成させることができる。
この物理蒸着に際しては、基板温度を300〜450℃、好ましくは350〜400℃に保つことが必要である。この範囲を逸脱すると十分な膜厚の被覆が得られない。
また、本発明方法においては、被覆の密着性を向上させるために、あらかじめ基板材料の表面を、アルゴン又はアルゴンと水素との混合ガスによりボンバードメントするのが好ましい。このボンバードメントの条件として、真空度5〜100Pa、RFパワー100〜300W、アルゴン流量20〜150sccm、基板バイアス−50〜−400V、基板温度350〜500℃を用いれば、形成する被覆の剥離を十分に防ぐことができるが、真空度を10Pa、RFパワーを200W、アルゴン流量を20sccm、基板バイアスを−150V、基板温度を400℃として15〜30分間行ったときに最も密着性のよい被覆が得られる。
本発明方法においては、スパッタリングガスとして特にアルゴンを用い、かつ補助ガスとしてアルゴン以外の希ガス、すなわちヘリウム、ネオン、クリプトン及びラドンの中から選ばれた少なくとも1種を併用してもよい。
希ガスを補助ガスとして用いることにより、プラズマガスの電離度が向上し、より高硬度のニオブオキシカーバイド被覆を得ることができる。この補助ガスの混合量は、全ガス流量すなわちスパッタリングガス、反応ガス及び補助ガスの合計流量に基づき10〜30体積%、好ましくは15〜20体積%の範囲で選ばれる。
本発明方法を好適に実施するには、ボンバードメント終了後、同じ基板温度で、真空度0.1〜2Pa、好ましくは約0.7Pa、RFパワー10〜150W、好ましくは40W、スパッタ電源出力0.2〜1.0kW、好ましくは約0.3kW、基板バイアス0〜−450V、好ましくは約−250V、基板温度300〜410℃、好ましくは約400℃の条件下、アルゴン流量8〜15sccm、好ましくは約11sccm、二酸化炭素流量1〜4sccm、好ましくは約3sccm、メタン流量0〜1sccm、好ましくは0〜0.3sccm、ヘリウム流量1〜8sccm、好ましくは4.2sccmの混合ガス流下で反応性プラズマ処理する。このような条件下で約60分間処理することにより、膜厚1〜1.8μmのニオブオキシカーバイド被覆が得られる。
このようにして得られる、その表面にニオブオキシカーバイド被覆を有する基板は、そのまま超硬材料として用いることができる。この場合、被覆の膜厚は0.5〜3.0μm、好ましくは1.5〜2.5μmの範囲に選ばれる。これが0.5μm未満では十分な硬度が得られないし、また3.0μmよりも厚くなると基板との密着性が低下する。
本発明によると、金属、合金又はセラミックスなどから成る基体表面を新規な硬質ニオブオキシカーバイドで被覆し、超硬質の材料とすることができるので、工具、金型、機械部品の耐摩耗性、耐食性を向上させ、使用寿命を延ばすという効果が奏される。
次に実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
3ターンのコイルからなるRF電極を備え、ラジオ周波数13.56MHzでプラズマをスパッタ電極と独立に発生しうるディポジションアップ方式の装置を用い、タングステンをプレーナマグネトロン型ターゲット電極とし、ターゲット電極の約10cm上方にステンレス鋼(SUS304)基板及びガラス基板を配置し、以下に示す条件でRF活性化反応スパッタリング処理を行った。
真空度;0.7Pa
スパッタ電源出力;0.3kW
基板温度;400℃
RF出力;40W
基板バイアス;−250V
ガス流量比;Ar:CO2:CH4:He=10.8:1.2:0.3:4.2(sccm)
処理時間;1時間
このようにして、基板上に金属光沢を有するニオブオキシカーバイド被覆が厚さ2.3μmで形成された。この皮膜のビッカース硬度はガラス基板上の皮膜で11.9GPa及びステンレス鋼基板上の皮膜で9.5GPaであった。この例でガラス基板上に得られたニオブオキシカーバイド被覆のX線回折パターンを図1に示す。これより立方晶(格子定数0.452nm)のニオブオキシカーバイドが合成されていることが分る。このニオブオキシカーバイドの組成は、炭素成分が多いのが特徴である。
メタンを含まない混合ガスを用いた他は実施例1と同様な条件で、RF活性化反応スパッタリング処理を行った。ガス流量比はAr:CO2:He=10.8:1.2:4.2(sccm)であった。
このようにして作製された、金属光沢を有するニオブオキシカーバイド皮膜のビッカース硬度はガラス基板上の皮膜で12.4GPa及びステンレス鋼基板上の皮膜で10.0GPaであった。皮膜のX線回折パターンには立方晶ニオブオキシカーバイドNb(C,O)の(111)(200)(220)反射が認められたが、特に(200)反射強度が強く、皮膜の結晶は[200]方向に配向していることが分った。
本発明の超硬材料は、工具、金型、機械部品として有用である。
本発明の立方晶ニオブオキシカーバイドのX線回折パターン。

Claims (9)

  1. ニオブ28%、炭素61%及び酸素11%の原子割合を有する立方晶ニオブオキシカーバイド。
  2. 皮膜のX線回折パターンにおいて(111)、(200)及び(220)反射が認められる請求項1記載の立方晶ニオブオキシカーバイド。
  3. 基体表面に請求項1又は2記載の立方晶ニオブオキシカーバイド覆層を形成させてなる超硬材料。
  4. 300〜450℃に保った基板に、炭素供給源及び酸素供給源の存在下、ニオブ物理蒸着させることを特徴とする請求項記載の超硬材料の製造方法。
  5. 物理蒸着がプラズマ処理又はスパッタリング処理により行われる請求項4記載の超硬材料の製造方法。
  6. 炭素供給源及び酸素供給源が一酸化炭素又は二酸化炭素或いはその両方である請求項4又は5記載の超硬材料の製造方法。
  7. らに低級炭化水素を存在させて行う請求項4、5又は6記載の超硬材料の製造方法。
  8. 低級炭化水素が炭素数4以下の炭化水素である請求項7記載の超硬材料の製造方法。
  9. 炭素数4以下の炭化水素がメタン、エタン、プロパン又はブタンである請求項記載の超硬材料の製造方法。
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