JP4256874B2 - 組織レトラクタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、組織レトラクタ装置(牽引器)、とくに、内視鏡の作動チャンネルを通過させ、内視鏡装置として使用する可撓性の組織レトラクタ装置に関するものである。この組織レトラクタ装置は、内視鏡関連で、可撓性の内視鏡手術、腹腔鏡手術、および一般的な外科手術を含む切開手術の用途がある。レトラクタ装置は、外科分野での要件に適合するよう、剛性または可撓性、また長さと直径を有するものとすることができる。可撓性の内視鏡における組織レトラクタ装置は、胃腸組織を保持するのに使用し、この組織を牽引したり、操作したりすることができる。組織レトラクタ装置は、装置の末端チップにおけるニードルおよびニードルの出口ポイントの形状及び/又は長さを調整することにより、胃腸壁の特別な層を把持することができるよう形成することができる。例えば、粘膜層を経て筋膜に進入し、より確実な組織との結合を行って把持し、組織全体の厚さを操作することができる構成にする。代案として、粘膜層のみを操作できるよう粘膜層を把持するよう構成することもできる。
胃食道逆流症(GERD)治療のための内視鏡外科手術を行う間に組織を操作するのに使用される多くの従来の装置が存在する。例えば、ラウファー(Laufer))氏らの米国特許第6,494,888号(以下「ラウファー特許」と称する)には、胃組織を再構成する器具が記載されている。組織マニピュレータ700は、細長いケーブル組立体716と、このケーブル組立体716によって操作される末端の端部エフェクタ718とを有し、組織再構成手術で種々の操作ステップを行う。ラウファー特許の図9Aおよび9Bを参照されたい。端部エフェクタ718は、組織、とくに、胃食道結合部(GEJ)の組織に掛合する2個のジョー部材720,722を有する。2部分構成のファスナ732,734を植設するプロセス中(ラウファー特許の図8参照)、コイル740をGEJ組織に回し込み、十分な範囲にわたりねじ込んだ後、このコイルを使用して、2個のジョー部材720,722によって画成される開口(例えば、図9Dおよび9Eに示される開放した状態)間にGEJ組織を引き込む。コイル式組織引っ張り器(プラー)740,741,742は、とくに、図3Dに示されている。しかし、コイル式組織プラーには幾つかの欠点がある。 コイル740は深く貫入し過ぎて、胃が(粘膜層、筋膜層、および漿膜層にわたり)全体的に荒れているには、悪影響を生ずる。大動脈、肝臓、横隔膜、および他の生命維持器官は胃の基底部に隣接しているため、コイル740が漿膜を貫通してしまうと、生命維持器官に損傷を与える恐れがある。さらに、コイル740を引き戻す際にも、コイルの固有の形状のため、組織内での膠着状態を生じて、ユーザーが組立体718の全体を強く牽引しなければならないときに組織に損傷を与えることになる。進入角度に基づいて、コイル740は粘膜にのみ進入する可能性がある。粘膜は極めて薄く、ゆるく付着している層であるため、このことが生じる場合、ファスナ732,734が粘膜にのみ植設され、したがって、植設手術が失敗する可能性が高い。さらに、組織に螺旋状に食い込むファスナに関しては、コイルを組織内にねじ込むとき、コイルの回転によって組織を捩じるため、組織が好ましくないほど圧縮され、この捩じれは、組織に損傷を与え、組織を弱めてしまう。さらに、コイルを組織内に進入させるためにはコイルを回転させねばならない。また、細くて可撓性のある装置にトルクを伝達するには、本来的に、スラスト荷重を伝達するよりも一層困難であり、したがって、ニードルを組織内に押し込むことの方が、組織にコイルをねじ込むよりも一層信頼性の高い処置操作である。さらにまた、装置の掛合ポイントで組織に加わる力は、装置の他の掛合ポイントにおける半作用力を伴わないため、すべての反作用は、装置のシャフトを介して生ずるようにしなければならない。
一般的な可撓性内視鏡組織把持器(グラスパー)は、最近、胃腸組織を操作するのに最も広く使用されている。(例えば、オリンパス社によって製造され、オリンパス・グラスピング・フォーセプス(Olympus Grasping Forceps)の商品名[カタログ番号FG-49L-1]で市販されているものがある。)このオリンパス社のグラスパーには、粘膜層を経て筋膜を信頼性高く把持することができないという欠点がある。他の欠点として、組織を把持している間にハンドルに対する圧力を維持しなければならない点がある。このことは、ユーザーの手を拘束し、不慮に組織を手放してしまう恐れがある。
従来装置は、外科的手術中に組織を簡単、確実、選択的、また精密に掛合することができない構造である。
消化管組織は、最内側層から最外側層までに3つの主な層、即ち、粘膜層、筋膜層、漿膜層があることはよく知られている。粘膜は、比較的薄い層であり、筋膜にゆるく付着しており、粘膜の牽引によっては、GERD治療でファスナ装着のためのひだ形成を十分に行うことができない。
胃壁の厚さ全体を牽引するのが好ましい場合がある。例えば、GERD治療用ひだ形成ファスナ装着には有益なひだ形成を行うのに牽引する。しかし、漿膜層に孔を明けることは好ましくない。この大きな理由の一つとしては、漿膜の孔が十分大きくて封止されていないと、胃の内容物が腹膜もしくは胸部キャビティに漏れ出し、潜在的な致命的感染症を引き起こすことがある点である。
したがって、本発明の目的は、手術中に消化管組織を有効に把持することができ、漿膜に達するのを回避し、また組織を圧迫及び/又は破壊することなく組織を把持することができ、従来一般的タイプの装置および方法における上述の欠点を克服する組織レトラクタ装置およびこの組織レトラクタを使用する方法を得るにある。
種々の内視鏡手術は、胃壁における特定の層を操作する必要がある。例えば、粘膜切除をする場合、粘膜を筋膜から引き離し切除する。この手術は、現在は、粘膜の下側に流体を注入し、粘膜を筋膜から持ち上げることによって行っている。このとき、電気メスを使用して粘膜組織を切除する。本発明組織レトラクタ装置は、粘膜を選択的に把持し、筋膜から持ち上げておくのに使用することができ、したがって、粘膜切除を簡単に行うことができる。胃に十分な厚さのひだを形成する場合、十分な厚さの胃壁を牽引してひだを形成することを確実にするため、胃壁における一層強い筋肉層を把持しなければならない。ニードルを仕立て、またこのニードルをレトラクタの先端から突出させるやり方によってレトラクタ装置は、胃壁における異なる層を選択的に把持することができるようになる。胃腸壁の特別な層を把持できることは、行っている特定手術の要件に基づいて有利なことである。
本発明組織レトラクタは、内視鏡手術および一般的な外科手術に適用できる。本発明による器官レトラクタもしくは組織並置装置は、組織をクランプすることなく組織を保持することができる。組織レトラクタは、細いニードルを組織内に貫入させることによって、組織の損傷を最小にして保持することができる。組織への外傷を一層減少するためには、ニードルの先端を切り子面的なポイントにする代わりに円錐形ポイントで形成する。このことは、膵臓のような傷つきやすい器官を牽引するときに有利である。現在利用できる組織グラスパー(把持器)は、より侵襲性の高い鋸歯状関節を有する端部エフェクタを使用し、このことは組織を保持するのにクランプ力を必要とし、したがって、潜在的にこのプロセスで外傷を生ずる可能性がある。
可撓性内視鏡を使用する一般的な手術では、手術中に内視鏡を交換することがある。第1内視鏡を消化管内に位置決めし(このことは行うのが困難であった)、(交換)第2内視鏡を同一の箇所に配置する場合、組織レトラクタ装置を使用して、第2内視鏡を第1内視鏡の胃に案内する。本発明によるレトラクタ装置の可撓性内視鏡バージョンには、着脱自在のハンドルを設ける。したがって、内視鏡交換が必要なとき、組織レトラクタ装置を第1内視鏡に通通し、所望部位の組織内で展開させる。この後、組織レトラクタのハンドルを取り外す。つぎに、レトラクタシャフトを所定位置に残したまま、第1内視鏡を組織レトラクタのシャフト上で摺動させ、取り外す。このとき、第2内視鏡を組織レトラクタのシャフト上に装着し、このシャフトをガイドワイヤとして元の位置に前進させる。この後、シャフトを釈放し、所要に応じて取り外す。
レトラクタ装置の末端チップを組織内に展開することができるようにしたバージョンにすることもでき、このバージョンでは主シャフトから取り外す。このような実施例においては、装置の末端チップをシャフトに対して着脱自在に連結し、操作ワイヤをニードルに着脱自在に連結する。ニードルは、目標組織で展開し、装置のシャフトを基端側から引っ張り、したがって、ニードルに対して操作ワイヤを自由に摺動させるたとができ、また末端チップをシャフトに対して自由に摺動させることができる。組織に強固に結合して釈放した末端チップは、マーカー、引き絞り閉止用の縫合ポイント、組織並置縫合、pHプローブ、ミニチュアカプセルカメラ、供給チューブのような種々の物品のための係止ポイントとして使用することができる。
本発明装置および方法によれば、ニードルを粘膜に深く貫入して筋膜に達し、組織により確実に結合し、しかも漿膜を穿刺する恐れがほとんどなく、もしくは粘膜層のみ把持するよう深くない貫入をすることができるようにニードルを構成することができる。本発明の2ニードル実施例の場合、2個のの互いに対向するポイントで組織に掛合し、各ポイントの組織掛合力が、他方の力に対する反作用を生じ、装置の可撓性シャフトに伝達される反作用荷重がほとんどないという結果が得られる。この装置の展開には、シャフトに加えるべき大きなトルクやスラスト荷重は必要でない。本発明によれば、牽引部位の視界を阻害するジョーを使用することがないため、レトラクタ装置の移動中における視認性がよくなる。さらに、ニードルの直径が細くかつ切り込みポイントがないことから、従来の関節連結したグラスパーよりも組織に対する外傷を生ずる恐れが少ない。ハンドルは、ニードルを展開した後に、組織への確実な結合状態を維持したまま、ユーザーの手から離すことができ、組織を操作した後もしくは操作しいいる間、ユーザーの手を他の作業に振り向ける自由がある。組織レトラクタ装置は、内視鏡の作動チャンネルないに嵌合する寸法を有するものとし、内視鏡から分離することができる。
本発明の他の特徴は特許請求の範囲に記載されている。
本明細書中、可撓性組織レトラクタ装置およびこの組織レトラクタ装置を使用する方法の実施例を説明するが、図示の詳細に限定することを意味するものではなく、本発明の精神から逸脱することなく、特許請求の範囲ないで種々の変更および構造上の改変を行うことができる。
本発明の構造および本発明による手術方法を、本発明の他の目的および利点とともに、添付図面を参照して特別な実施例に関連して説明する。
発明を実施する最良の形態
本明細書は、新規であると認められる本発明の特徴を規定する特許請求の範囲で結論づけられるが、以下の図面の説明に関連して参照符号を付すことによってよりよく理解されるであろう。
本発明を説明する前に、本明細書に使用される用語は、単に特別な実施例を説明するためにだけ使用されるものであり、これに限定されるものではないことを理解されたい。本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形態の不定冠詞、および冠詞は、文脈上明確に定義しない限り、複数形態も含むものと理解されたい。
まず、図面、とくに、図1の詳細を説明すると、本発明による可撓性組織レトラクタ1の末端部分で、ニードル4が展開または突出した状態を示す斜視図である。レトラクタ1の末端チップ5は、以下に詳細に説明する理由で基端部を中空にする。
図2は、可撓性の組織レトラクタ1の末端の構成部材を分解して示す。この末端の構成部材は、操作ワイヤ2と、スリーブ3と、2個のニードル4と、末端チップ5を形成する2個のチップハーフ51,52と、シム6と、コイル巻回部7と、基端止め部12とを有する。
レトラクタ1の大部分は、図3に分解して示し、外側ジャケット8がコイル巻回部7を包囲する。さらに、シース9(好適には、ポリエチレンもしくは登録商標TEFLON製とする)、コイルコネクタ10、ひずみ逃がし11を示し、これらの各々を以下に詳細に説明する。
図4は、操作ワイヤ2とニードル4との間の連結状態を示す。2個のニードル4を中空スリーブ3の末端部31に挿入する。さらに、この末端部31には操作ワイヤ2を挿入する。操作ワイヤ2の最も末端部に曲げ部(ベント)として形成するのが好ましいキャッチ21により、操作ワイヤ2がスリーブ3から全体的に抜け出すのを防止する。挿入後に、操作ワイヤ2およびニードル4をスリーブに固着する。レトラクタ1の好適な実施例においては、2個のニードル4を設ける。しかし、ニードルの数は、特定の要求に合致するよう減少させたり、増加させたりすることができる。
好適には、スリーブ3をクリップスリーブとし、機械的応力を加えて絞り込み、操作ワイヤ2をニードル4に固着する。代案として、スリーブ3は熱接触スリーブとし、熱によって溶接、熱形成、熱成形、もしくは他の方法でスリーブ3の本体を成形し、スリーブ3を操作ワイヤ2およびニードル4の双方に固着させる。図4は、さらに、ニードル4が互いに整列した特別な状態を示し、このことは以下の詳細に説明する。
図1に示した末端部は、部分的に切除して内部構造が見えるようにした図5に詳細に示す。操作ワイヤ2、スリーブ3およびニードル4よりなる図4の組立体は、コイル巻回部7の内部に配置し、このコイル巻回部7は外側ジャケット8内に同軸状に配置する。以下に詳細に説明するように、二枚貝のように合体させる2個のチップハーフ51,52間にニードル4をクランプする。基端止め部12を末端部の基端側に配置し、ニードル4の後退範囲を制限する。
コイル巻回部7は、好適には、卵形断面もしくは円形断面のワイヤを密なコイルばねのように巻回して形成し、長手方向の強度を持たせるとともに、長手方向に僅かな伸張性を持たせ、同時に半径方向の可撓性もしくは鞭のようなしなりを生ずるようにする。好適なコイル形成によってコイル巻回部7の内部は、自ずと雌ねじ71を有するようになる。
止め部12は中空であり、操作ワイヤ2を摺動自在に収容する(好適な実施例においては、シース9は止め部12を通過できないようにする)。このようにして、止め部12の内径は、操作ワイヤ2の外径よりも少なくとも僅かに大きい。止め部12の外面に雄ねじ部121を設ける。止め部12の末端部に溝122を設け、この溝122は、フラットヘッドのねじ回しの作動端部を収容する形状にする。
図4の組立体を外側ジャケット8およびコイル巻回部7の末端部に装着するため、チップハーフ51,52をニードル4にクランプする。止め部12をコイル巻回部7の内部に(溝122に当てたねじ回しを回転させてねじ込むことにより)所定距離まで挿入する。操作ワイヤ2の基端部を、コイル巻回部7の末端部および止め部12の中空内部に挿通する。このようにして、操作ワイヤを基端部方向に移動させるとき、スリーブ3の基端表面31が最終的に止め部12の末端表面に接触し、操作ワイヤ2のそれ以上の基端側への移動を阻止し、ニードル4の後退を停止する。
末端チップ5は、薄い壁厚のものを深絞りした丸みのある端部を有する部分で形成し、末端チップ5の内径を最大にし、弦高の大きい(短く小さい半径)弓形ニードルが嵌合できるようにする。ニードル4の出口窓を、深絞り工程の一部として、もしくは種々の方法例えば、ワイヤEDM、レーザ、通常のミリング加工等で機械加工して壁に貫通させることができる。
操作ワイヤ2は、ニードル4の展開および後退を行う。図5から明らかなように、ニードル4は、末端チップ5から突出するようチップの開口に通過させる。末端チップ5から突出するニードル4の移動を説明するため、図6に、操作ワイヤ2、スリーブ3およびニードル4よりなる組立体の好適な実施形態を、チップハーフ52およびシム6に関連して示す。図1〜図8は、後退位置と突出位置との間で移動することができるニードル4の異なる各種の状態を示す。ニードルの操作は、ユーザーによって完全に後退した位置と完全に突出した位置との間の任意の位置を選択できるため、このような移動の全体は選択的移動と称する。
このような構成において、操作ワイヤ2を基端側に移動するとき、ニードル4は、末端チップ5内に引き込まれる。ニードル4がどのようにして末端チップ5を移動するかを説明するため、図7および図8にチップハーフ52の一部を示す。
図7は、一方のチップハーフ52の最も末端部のニードル4をトラック521に収容する一部を拡大して示す。図8は、図7と同様であるが、第1ニードル4と、他方のチップハーフ51に関連する第2ニードル4′との関係をも示す。図7に示すように、トラック521はニードル4を収容する。このようにして、ニードル4が基端側に移動するとき、ニードル本体41はトラック521に案内され、トラック521から矢印43で示す基端方向に退出するときニードル本体41は真っ直ぐになる。これよりさらに基端側に移動すると、ニードルの先端42は、最終的にトラック521内に完全に後退する。止め部12は、ニードルの先端42がチップ5の基端部から完全に抜け出るのを防止するよう、したがって、レトラクタ1が機能しなくなるのを防止するよう位置決めする。なぜレトラクタ1が機能しなくなるかの理由は、ニードル4の独特な性質に由来する。好適な実施例においては、ニードル4は、可撓性の記憶形状を有する形状記憶材料、とくに、温度および応力が減少したマルテンサイトを示す材料とする。好適な材料としては、例えば、ジァービス(Jervis)氏の米国特許第4,665,906号明細書、同第5,067,957号明細書、および同第5,597,378号明細書に記載されているような上述の形状記憶特性を有するニチノール、超弾性ニッケル‐チタン合金する。ニードル4は、少なくとも室温および体温で、とくに、約10゜C以上の温度で図1〜図8に示すような記憶形状を有するよう形成する。このように、ニードルの先端42がチップハーフ52(およびチップハーフ51)の基端表面524を越えて後退する場合、ニードルの先端42は、記憶形状に弾発的に戻り、トラック521から逸脱し、コイル巻回部7と基端表面524との間に画成されるコーナーに係止することになる。このような状況では、形状記憶で生ずるバイアス力は、少なくともレトラクタ装置を分解し、元に戻し、その後に再組立するまではレトラクタ1を機能させないように作用する。
チップハーフ51,52をニードル4の周囲に自己ロックすることができるようにするため、チップハーフ52に、2個の孔522と、2個のピン523とを形成する。チップハーフ52に形成した孔522およびピン523は、それぞれ他方のチップハーフ51に形成した対応のピンおよび孔に嵌合し、2個のチップハーフ51,52を互いに固定するようにする。図示の実施例では、チップハーフ51,52は鏡対称ではない。孔およびピンの形状に関しては同一にする。任意の類似の固定装置、もしくはこれらの組み合わせを使用し、チップハーフ51,52を互いにロックすることができ、例えば、ねじ、リベット、キャッチタブ、スロット及び/又はキャッチシリンダおよび孔を使用することができる。
他の実施例において、スリーブ3を操作ワイヤ2から選択的に分離できるようにすることが望ましい場合がある。このような実施例では、レトラクタ1の末端チップ5を組織内に展開させた後、末端チップ5をメインシャフト(操作ワイヤ2、コイル巻回部7、外側ジャケット8、およびシース9を含む)から分離することができる。選択的な分離を行うためには、末端チップ5をコイル巻回部7および外側ジャケット8のうちの少なくとも一方にゆるく保持し、また操作ワイヤをスリーブ3に着脱自在に連結する。例えば、操作ワイヤ2には、スリーブ3の基端部における雌ねじ孔にねじ込む雄ねじ付き末端部を有するものとすることができ、ニードル4を組織内に展開した後、操作ワイヤ2のねじを外し、つぎにスリーブ3をニードル4および末端チップ5とともにレトラクタ1から釈放する。他の釈放装置、例えば、操作ワイヤ2に対するロッド3のかしめを使用することができ、しかし、基端方向への力がかしめ力に打ち勝てるようにする。釈放した先端部(3,4,5)が組織に強固に取りついているとき、この末端部は、マーカー、しぼり糸閉止用の縫合取付位置、組織付加縫合、また、例えば、pHプローブ、ミニチュアカプセルカメラ、供給チューブ等の種々の物品のための係止ポイント、として使用することができる。
図6は、ニードル4をスリーブ3、シム6、およびチップハーフ5と組み合わせた状態を示す。上述したように、ニードル4の形状記憶は、いかなる構造がニードル4に規定される記憶形状をとらないように阻止するとしても、力を付与する。この力は、ニードル4がトラック(溝)521内に後退することによって少なくとも部分的に変形するとき、ニードル4に対してトルクを付与する。付与されるトルクは、チェックされないでいる場合、ニードル4をチャンネル521から逸脱させようとする。したがって、シム6がない場合、2個のニードル4は互いにねじり付き、他方のトラック(溝)に飛び込むこともありうる。この移動を防止するため、また各ニードル4が対応のトラック(溝)521内に留まるようにするため、シム6を2個のニードル4間に配置する。このような位置において、平坦なシム6は、各ニードル4のための内側第1支持面61をなし、トラック(溝)521は、各ニードル4のためのほぼ円形断面の外側第2支持面をなす。代案として、シム6は、各チップハーフ51,52におけるトラック(溝)521に対応する図示しない半円形断面の溝を有するものとすることができる。このようにすることにより、トラック(溝)521をチップハーフ51,52に深く貫入させる必要がなくなる。
シム6は、他の大きな特徴も有する。第1に、図1に示すように、シム6の最も末端側の端部に、係止スパイク62を設けることができ、この係止スパイク62は、末端チップ5の最も末端側の端部における中空部53の中心に配置する。この係止スパイク62の機能は、組織レトラクタ1の末端チップ5が組織表面(例えば、人体の組織、とくに、胃壁の組織)に初期的に押し付けられるとき、組織表面の所定位置に末端チップ5を保持し、また斜めに跳ね返るのを防止する。中空部53は、組織表面を内部に押し込み、係止スパイク62に圧着させ、レトラクタ1が組織表面の把持位置に固定し、スパイク62に対して半径方向に移動するのを阻止する作用を行うことに注意されたい。
機械的効率がよくなるよう、シム6には、コイル巻回部7の内部雌ねじ部71のピッチに等しいか、もしくは僅かに異なるピッチを有するねじポイント63を設けることができる。したがって、末端チップ5を、シム6およびニードル4に完全に組み付けたるとき、ねじポイント63は、末端チップ5をコイル巻回部の末端部に固定する雄ねじ部として使用することができる。
シム6には、さらに、孔522およびピン523を収容する切欠き64を設ける。これら切欠き64は、孔を含む任意の種類の固定具522,523を収容する任意の形状にすることができる。
シム6は、図9〜図13に示す種々の輪郭および特徴にすることができる。図10,図12、および図13は、種々の係止スパイク62の形態を示し、図11は、係止スパイク62のないシム6を示す。
好適な実施例においては、可撓性の組織レトラクタ1は、可撓性内視鏡4000の作動チャンネルを通過する内視鏡装置とすることができる。このような内視鏡レトラクタ1を使用することについては以下に説明する。この手術において、レトラクタ1を使用して食道もしくは他の胃腸内組織4100,9100を保持し、いずれかの方法で移動もしくは操作することができるようにする。レトラクタ1を内視鏡4000(図31参照)の作動チャンネル4080の一つに通過させるとき、ニードル4を末端チップ5の完全に後退した位置にする。末端チップ5を所定位置にセットした後、この末端チップ5を組織4100もしくは9100に押し付ける(図20〜図27参照)。好適には、シム6は係止スパイク62(図1、図10、図12、図13および図31参照)を有し、組織を所定位置に配置し、末端チップ5を所要位置に位置決めする。次に、ニードル4を操作し、先端チップ5から突出させ、組織4100,9100に貫通させる。ニードル4が組織4100,9100に突入して巻き付いたとき、確実に保持される(図42および図43参照)。このとき、組織4100,9100を必要に応じて操作する。組織4100,9100を釈放するためには、ニードル4を単に末端チップ5内に引き戻すだけでよい。これは、ニードル4をほぼ堅固な弓形記憶形状に予形成してあるためであり、繰り返しの後退/展開でもこの記憶形状を保持する。
図14は、ニードル4の突出および後退を制御する可撓性組織レトラクタ1のハンドル100を示す。ハンドル100は、ノーズ組立体200と、ハンドル組立体300と、プッシュロッド組立体400と、ロック組立体500を有する。
図15から明らかなように、ノーズ組立体200は、末端側開口210と、互いに同軸状に連通する末端中空部212および基端中空部214を設けた円筒形中空部とを画定するノーズ220とを有する。ノーズ220は、周方向に止め雄ねじ溝221を有する。ノーズ220は、さらに、中空円筒形内部空間222(基端中空部214に連通する)を画定し、この中空円筒形内部空間222にオーバーストロークばね230(このばねの外面は内部空間222の円筒形形状にほぼ対応する円筒形形状を有する)を収容する。内部空間222は、末端側端部表面226を有し、ノーズ220の基端側端部表面224によって基端部を画定する。基端側端部表面224に隣接して、内部空間222に溝228を画定し、この溝228を好適には、内部空間222の全周にわたり形成する。溝228は、保持リング240を着座させるのに使用し、この保持リング240は内部空間222内にコイルコネクタ10を保持するのに使用し、これにより、オーバーストロークばね230は、ノーズ220の内部空間222内の所定位置に保持される。
ハンドル組立体300は、ハンドル本体310を有し、このハンドル本体310は、ハンドル本体310の軸線301に沿うハンドル中空部320を画定する。後退ばね330をハンドル中空部320の内部に配置する。ハンドル本体310は、さらに、基端側端部340の近傍に、プッシュロッド中空部350と、ボタン中空部360を画定する。ノーズ220を中空本体310に対して着脱自在に連結し、この連結は、2個の止めねじ321を中空本体310にねじ込んで、ハンドル中空部320を経て、止めねじ溝221内に突入させる(図16参照)ことによって行う。ノーズ220の基端側端部表面224に、後退ばね330の末端部を支持する。
プッシュロッド組立体400は、プッシュロッド410と、ピストン420と、クロスピン430と、クロスピンチューブ432(以下、「ハイポチューブ(hypo-tube)」と称する)と、ノブ440とにより構成する。ピストン420は、ピストン中空部422(図16参照)を画定し、好適には、クロスピン430の外形にほぼ対応する形状を有するものとする。ピストン420は、さらに、ピストン中空部422からピストン420の最末端まで延在する長手方向溝もしくはスロット424を画定し、このスロット424は、クロスピンチューブ432を収容する形状にする。クロスピン430は、クロスピンチューブ432を収容する軸孔を有する。この軸孔は、ハンドル本体310の軸線301に沿って延在する。クロスピン430には、さらに、雌ねじ孔434を画定し、この雌ねじ孔434は、半径方向の少なくとも半分の長さまで延在する(クロスピン430をピストン中空部422内に挿入するとき、軸線301に対して直交するラインで画定される)。好適には、この雌ねじ孔434は全体にわたり形成し、クロスピン430をいずれの向きでもピストン中空部422内に挿入できるようにする。クロスピン止めねじ436を雌ねじ孔434にねじ込みハイポチューブ432および操作ワイヤ2(操作ワイヤ2とともにハイポチューブ432をクロスピン430の軸孔に挿通したとき)を締め付け、これらハイポチューブおよび操作ワイヤをクロスピン430に固定的に保持する。
プッシュロッド410をロックするためのボタン510を、ハンドル本体310の基端部の近傍に形成したボタン中空部360に装着する。ボタン510は、図19に示す弓形形状の孔516を画定する。ボタン510は、ボタン中空部360に収容したボタンばね520上に配置する。ボタン510は、キャッチピン530を収容する横孔512を有する。装着状態では、キャッチピン530およびボタン510内の孔516の内面によって画定される拘束空間514が、プッシュロッド410を包囲し、したがって、ボタン510をハンドル本体310に保持する。
ノーズ組立体200、ハンドル組立体300、プッシュロッド組立体400、およびロック組立体500を組み立てるため、シース9を操作ワイヤ2上に挿通し、操作ワイヤの約7〜10cm(3〜4インチ)の長さをシース9から基端側に突出させ、コイル巻回部7をシース9上に挿通し、外側ジャケット8をコイル巻回部7上に挿通し、またひずみ逃がし11を外側ジャケット8上に挿通する。ノーズ220をひずみ逃がし11上に挿通する。末端中空部212の内径は、ひずみ逃がし11の外径よりも大きい。したがって、ノーズ220とひずみ逃がし11との間にはあそびが存在する。このときオーバーストロークばね230をひずみ逃がし11上に挿通し、ノーズ220の中空内部222内に自由に移動できる。好適には、操作ワイヤ2、コイル巻回部7およびハイポチューブ432を、ステンレススチールで形成する。したがって、シースは、スチール製のコイル巻回部7に対してスチール製の操作ワイヤ2が擦れるのを防止するのに使用する。
次に、コイルコネクタ10を、ひずみ逃がし11、外側ジャケット8、コイル巻回部7、シース9および操作ワイヤよりなる副組立体に固着する。この取り付けは、好適には、コイルコネクタ10の末端部をかしめ部101によって行う。コイルコネクタ10を包囲する領域の縦断面を図18に示す。このかしめは、操作ワイヤ2に対して半径方向力を与えない。したがって、操作ワイヤ2はシース9の内部で、また、ひずみ逃がし11、外側ジャケット8、コイル巻回部7、シース9よりなる固定の副組立体に対して、容易に摺動する。
外側ジャケット8は、好適には、熱収縮管材料により形成し、またコイル巻回部7上に緊密に熱収縮させる。このような構成によれば、レトラクタ装置の外面を滑らかにし、さらに、シャフトに対して長手方向の剛性を与える。この長手方向の剛性は、ニードル4が操作ワイヤ2を装置のシャフトから押し出して展開し、シャフトを有効に緊張状態にするために重要である。外側ジャケット8がコイル巻回部7に対して緊密に収縮していない場合、コイル巻回部7は伸張して装置が動作しなくなる。このため、コイルコネクタ10をコイル巻回部7上の外側ジャケット8に対してかしめ、コイル巻回部7が操作中に伸張しないようにすることが重要である。
したがって、完全に組み立てたとき、末端中空部212および基端中空部214は、ひずみ逃がし11、外側ジャケット8、コイル巻回部7、シース9、操作ワイヤ2の一部を収容する。ひずみ逃がし11は、開口210から末端側に約10〜15cm(4〜6インチ)の長さにわたり突出させる寸法にし、開口210に隣接する外側ジャケット8およびコイル巻回部7のルーメンの容認できない曲げに対する抵抗を生ずるようにする。さらに、末端中空部212よりも直径が大きい基端中空部214は、ノブ440を押し込んでニードル4が完全に突出するようなハンドル本体310内における位置を越えて押し込むときコイルコネクタ10の末端部を収容するように形成する。このような突出位置を本明細書中「オーバーストローク」と称し、後に詳細に説明する。
ノーズ220内にコイルコネクタ10を装着するため、コイルコネクタ10の基端表面を押し込んで、オーバーストロークばね230を圧縮させ、基端表面がノーズ220の中空内部222内に、溝228から越える位置まで末端側に突入させる。この位置にコイルコネクタ10を保持する間に、保持リング240(好適には、C字状リングとし、「C」字の各端部に、例えば、ニードル‐ノーズ形状のプライヤ端部を収容するアイレットを有するものとする)を圧縮し、溝228に挿入する。保持リング240は、溝228の最内側端縁を越えて内方に突出するに十分な半径方向の広がりを有するため、コイルコネクタ10が保持リング240を越えて基端側に移動するのを阻止する基端側止め部として作用する。
コイルコネクタ10の装着位置において、操作ワイヤ2はノーズ220の基端表面224から基端側に突出する。ハイポチューブ432をこの突出部分に挿通し、2個の基端部が互いに整列するようにする。次に整列した端部をクロスピン430の軸孔内に、少なくとも雌ねじ部434に達するまで挿通し、雌ねじ部の反対側まで完全に達せしめ、軸孔を横切らせる。整列した端部は、軸孔の基端側から僅かに突出し、これは、クロスピン430の基端側と、装着したプッシュロッド410の末端との間に距離があるためである。操作ワイヤ2およびハイポチューブ432をクロスピン430に固着するため、クロスピン止めねじ436を内方に回転し、十分な力がハイポチューブ432に加わり、ハイポチューブ432および操作ワイヤ2がクロスピン430から外れないようにする。
クロスピン430をハイポチューブ432に固定する前、もしくは後に、後退ばね330を操作ワイヤ2上に挿通する。これは,後退ばね330の内径がクロスピン430の直径方向の寸法(クロスピン430の長さは、操作ワイヤ2および軸線301に直交する直径に沿う長さ)に等しいか、もしくは大きいためである。このとき、後退ばね330を十分圧縮し、クロスピン430をピストン中空部422内に挿入できるようにし、これにより、ハイポチューブ432をピストン420の長手方向溝424内に摺動させる。このような位置において、オーバーストロークばね230および後退ばね330の双方に予負荷を生ずる。後退ばねの予圧縮は、この予圧縮力がレトラクタ装置の使用中常にニードルを後退させるに十分な大きさとなるように設定する。オーバーストロークばね230の予圧縮は、ニードル4を前進させるに必要な力が予圧縮力を越えない程度に設定する。このようにして、ニードル4は、オーバーストロークばね230が行程を越えて圧縮し始める前に確実かつ十分に前進する。このような構成において、後退ばね330は、ノーズ220の基端表面224と、ピストン420の末端表面429との間に位置し、ピストン420をノブ440に向けてバイアスする。
プッシュロッド410の末端側の雄ねじ端部412を、ピストン420の基端部の雌ねじ部428にねじ込む。このようにして、ピストン420は形状ロックによってプッシュロッド410に掛合する。形状ロック連結は、素子の形状自体に基づいて2個の素子を互いに連結する連結方法であり、素子に外部から力を加えることにより素子相互ロックする力ロック連結とは異なる。このようにして、操作ワイヤ2の軸線方向の移動は、ピストン420の軸線方向移動に線形的に追従する。
ハンドル本体310をプッシュロッド410の基端部上、ピストン410上、後退ばね330上、そして最後にノーズ220の基端スタブ223上に末端方向に挿通し、少なくとも1個の止めねじ321によって固定する(図12参照)。プッシュロッド410の基端部がボタン中空部360内に進入する前に、ボタンばね520をボタン中空部360内に挿入し、予組み立てしたボタン510(キャッチピン530を図15に示すように横孔512内に挿入した状態)をボタンばね520に押し付け、このばねを圧縮し、拘束空間514(キャッチピン530とボタン510の内面516との間)が軸線301に、したがって、プッシュロッド410の軸線にほぼ整列させる。この位置において、プッシュロッド410の基端部は大きな摩擦なしに拘束空間514を通過し、ハンドル本体310の基端部から突出する。プッシュロッド410の基端部がハンドル本体310の基端部内に挿通しやすくするため、ハンドル本体中空部320の基端表面322をプッシュロッド中空部350に向かってテーパを付けることに注意されたい。
プッシュロッド410の基端部には、ノブセットピン442を収容する周方向のセットピン用の溝414を形成し、このセットピン442によってノブ440をプッシュロッド410に固着する。他の図示しない実施例においては、プッシュロッド410の基端部に雄ねじ部を形成することができ、この雄ねじ部をノブ440の雌ねじ部に対応させ、ノブ440をプッシュロッド410にねじ付けることができるようにする。さらに、プッシュロッド410には、図14および図17に示す基端位置からプッシュロッド410を、図1、図5,および図15に示す末端位置に押し込むときキャッチピン530を捕捉するのに使用する周方向のキャッチピン用溝416を形成する。基端位置では、ニードル4は末端チップ5内に後退し、末端位置ではニードル4は末端チップ5から突出する。キャッチピン530が溝416内にあるとき、ニードル4は末端位置をとり、ノブ440は僅かに移動するだけである。この移動は、溝416の長さによって生ずるあそびだけプッシュロッド410の長さ方向に沿って許容される。ユーザーは、ボタン510を選択的に掛合してプッシュロッド410をキャッチピン530に捕捉し、ボタン510を押し込むことによってプッシュロッド410を長手方向に自由に移動させ、キャッチピン530を移動させ、溝416がキャッチピン530に掛合しないようにする。したがって、ボタン510のロック機能はニードル4を所定位置に選択的に保持するものと言える。勿論、互いに離れた複数個の溝416を設け、例えば、図15に示す位置とは異なる状態を持つことができるようにすることができる。
ピストン420が最も基端側位置にあるとき、ハイポチューブ432の末端部はコイルコネクタ10の末端部の基端側に休止し、また、(図15に示すように)キャッチピン530がキャッチピン416に掛合し、図1に示すようにニードルが完全に突出する位置に対応する末端位置にノブ440を押し込むとき、ハイポチューブ432の末端部はノーズ220の末端開口210の末端に休止する。しかし、図15に示す末端位置は、ノブ440の最も末端位置ではない。この特徴は意図的なものである。即ち、レトラクタ1の性質は、患者に(とくに、内視鏡を経て)挿入しようとする組立体であるためであり、したがって、患者および内視鏡の性質上湾曲する。
操作ワイヤ2、シース9、コイル巻回部7、外側ジャケット8を同軸状に配置する構成は、外側ジャケット8及び/又はコイル巻回部7を曲げるとき(例えば、内視鏡内を通過させるとき)、湾曲したコイル巻回部7および外側ジャケット8のルーメンを通過するに必要な操作ワイヤ2の長さは、増大する。したがって、操作ワイヤ2は、コイル巻回部7および外側ジャケット8のルーメンが使用中に湾曲するときオーバーストロークが生じない十分な長さを有する構成とする。しかし、コイル巻回部7および外側ジャケット8が真っ直ぐであるとき、プッシュロッド410の操作により、オーバーストロークを生ずる。即ち、操作ワイヤ2は、この操作ワイヤ2を包囲するコイル巻回部7および外側ジャケット8のルーメンよりも長いからである。この場合、ニードルが過剰に突出する上述の危険を生じ、この場合、牽引すべき組織またはニードル自体に損傷を与える恐れがある。このオーバーストロークを補償するため、ノーズ組立体200には、ノーズ220の中空内部222内に配置するオーバーストロークばね230を設ける。このオーバーストロークばね230の末端部を、中空内部222の末端表面226により支持し、オーバーストロークばね230の基端部を、コイルコネクタ10のヘッド102の末端表面104により支持する(図18参照)。このような構成は、コイル巻回部7、外側ジャケット8およびシース9のルーメンを操作ワイヤ2から確実に分離する。ニードル4をオーバーストローク位置に完全に展開するためには、ノブ440を、コイル巻回部7および外側ジャケット8のルーメンが湾曲するよりも一層押し込まねばならない。したがって、オーバーストロークばね230は、ニードル4の完全展開し、この後、さらなる末端方向への移動まで圧縮し、オーバーストロークを補償できるよう調整したk係数を有するものとする。オーバーストロークばね230のこの調整によって、コイル巻回部7は、コイルコネクタ10を介してオーバーストロークばね230を圧縮し、コイル巻回部7、外側ジャケット8およびシース9のルーメンの副組立体全体を移動し、したがって、プッシュロッド410のオーバーストロークを吸収する。このようにして、オーバーストロークばね230は、プッシュロッド410のいかなるオーバーストロークをも吸収するバッファとして機能し、使用時の不利な作用を防止する。とくに、オーバーストロークばね230は、ニードル4が過剰に突出するのを保護し、コイル巻回部7が過剰に伸張するのを保護する。コイル巻回部7および外側ジャケット8は、多くの場合、操作中に湾曲する。この場合、コイル巻回部7および後退ばね330は、ニードル4の適正な突出を生ずるよう構成する。
ノブ440を押すとき、後退ばね330は圧縮され、ニードル4は操作ワイヤ2によって末端チップ5から突出する。ニードル4が所定距離突出した後、キャッチピン530はプッシュロッド410に形成したキャッチピン用溝416内に落ち込み、プッシュロッド410がさらに移動するのを阻止し、ニードル4を展開位置にロックする(ボタン510が押されていないと仮定して)。ニードル4は、展開位置に保持されるため、このきときユーザーは、ニードル4を後退させることなく自由にハンドルを離することができ、ニードル4を後退させるのが望ましいときがくるまで、ユーザーの手は他の外科的手術のために使用できる。ボタン510を押し込むことによってキャッチピン530はキャッチピン用溝416から押し出され、このとき、プッシュロッド410のロックが解除され、ニードル4は自動的に後退する。即ち、後退ばね330がピストン420に対して基端側に指向するバイアス力を加えるからである。
単に例として示すハンドル100の好適な寸法を、以下に説明する。ハンドル100の長手方向の全長は、好適には、約17cm(6.74インチ)である。好適なハンドル本体310の長手方向長さは、約13〜14cm(5.29インチ)である。ノブ440の末端表面とハンドル本体310の基端表面との好適距離は、約2.5〜3cm(1.05インチ)である。
本発明の可撓性組織レトラクタ1の操作を以下に、図20〜図27につき説明する。
レトラクタ1を内視鏡内に通過させるとき、ニードル4をレトラクタ1の末端チップ5内に完全に後退させておく。内視鏡のカメラを使用して、末端チップ5を所要部位、とくに、胃壁の選択した位置に位置決めする。末端チップ5が、胃の最内側層の粘膜202に接触するよう前進させたとき、スパイク62を使用して所定位置に先端チップ5を維持する。
胃食道逆流症の治療では、粘膜202の次の中間層である筋組織204を掴むことが最も重要である。上述の理由で、胃の漿膜206(最外側層)を掴むことは好ましくない。したがって、ニードル4の形状記憶の湾曲は、貫入が筋組織204よりも大きい深さにならない構成にする。このことが保証されることを図20〜図27につき説明する。
末端チップが胃に到達したら、末端チップ5を粘膜202に押し当て、ニードル4を末端チップ5から突出させ、筋組織204に達することを目標に胃の組織に穿刺する。ニードル4の穿刺深さは、末端チップ5を粘膜に押し付ける度合いに依存する。
図20に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して160゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、単に粘膜202に貫入するだけで、粘膜202に完全に突き抜けることはない。
図21に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して120゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、単に粘膜202に貫入するだけで、筋組織204には単に食い込むが、完全に筋組織に貫入しない。
図22に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して90゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、適正な引き込みを行うのに十分な程度に筋組織204に貫入する。
図23に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して75゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、適正な引き込みを行うのに十分な程度に筋組織204に貫入する。
図24に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して60゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、適正な引き込みを行うのに十分な程度に筋組織204に貫入する。
図25に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して45゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、漿膜206に達するには依然として十分な距離を残したまま、適正な引き込みを行うのに十分な程度に、筋組織204の大部分に貫入する。
図26に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して30゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、漿膜206に達するには依然として僅かな距離を残したまま、適正な引き込みを行うのに十分な程度に、筋組織204の大部分に深く貫入する。
図27に示すように、粘膜202が末端チップ5の末端面に対して5゜の角度をなすよう末端チップ5を粘膜202に押し付ける場合、ニードル4は、漿膜206の直前で、適正な引き込みを行うのに十分な程度に、筋組織204の大部分により深く貫入する。
勿論、実際の貫入度合いは、所定の引き込み部位における粘膜202の厚さおよび患者の胃壁の層202,204,206の各層厚に依存する。にもかかわらず、ニードルの曲率の大きさは、通常の患者にとって上述のように挙動する。
レトラクタ1は、ニードル4の湾曲およびトラック521の出口における寸法及び/又は指向性に基づいて、所要な数の層(202,204,206)を選択的に掴むよう形成することができる。とくに、胃の組織に関しては、レトラクタ1は、粘膜202(図20〜図27参照)を選択的に掴み、筋肉組織204から持ち上げ、粘膜切除を可能かつ簡素化できる。胃において、胃壁厚さ全体にわたりひだを形成する場合に、胃壁のより強い筋肉層を掴み、ひだを形成するとき(図32、図33および図43〜図45参照)、胃壁の厚さ全体を確実に後退させるよう掴むことができなければならない。ニードル4の仕立て、およびニードルをレトラクタ1の末端チップ5からの突出の仕方によって、レトラクタ1は、胃壁における異なる層を選択的に掴むことができるようになる。胃腸壁の特別な層を掴むことができることは、特別な手術を行う際の必要条件に応じて有利である。
適正に引き込みが行われるとき、組織は、要求通りに操作でき、もしくは移動できる。ニードル4を末端チップ5内に後退させることによる組織の釈放は、単にボタン510を押し込むことによって生ずる。
ニードル4は漿膜206に進入する恐れがない寸法および形状にする。図20〜図27に示すように、末端チップ5をどんなに強く胃の組織に押し付けても、ニードル4は、漿膜206の手前に留まり、粘膜202および筋組織204にのみ穿刺し、GERD緊締クリップの挿入が患者の最適位置に植設することを確実にする。
レトラクタ1の末端チップにおけるニードルの出口位置及び/又は出口角度を変化させることにより、ニードル4は、レトラクタ1の末端平面に対して末端チップの長手方向に直交する方向に基端側に突出し、もしくはこの末端平面に対して末端側に突出するようにすることができる。さらに、ニードルの長さ及び/又は曲率半径を変化させることによって、組織内への貫入深さを制限したり、増大したりすることができる。ニードル4が末端チップ平面に対して基端寄り側から突出する場合、貫入深さは制限される。このような実施例を図28に示す。逆に、ニードル4がチップ平面を越えて突出する場合には、貫入深さは増大する。ニードル4がより長く、またより大きな曲率半径を有する場合、貫入深さは増大し、逆にニードルが短くかつ曲率半径が小さいと、貫入深さは制限される。これらパラメータの組み合わせおよび大きさを変化させることにより、レトラクタ1を組織内に異なる状況で貫入させるよう仕立てることができ、組織の特別な層の把持を、手術上の必要条件に適合させることができる。
内視鏡によるGERD治療の場合、壁の引き込みが適正であるかないかをユーザーは見分けることができる、換言すれば、粘膜202および筋組織204の双方を引き込んだか否かを見分けられることが経験上分かっている。引き込んだ胃の組織は、粘膜202および筋組織204の双方を引き込んだときと、粘膜202だけを引き込んだときとでは明らかに異なる形状を呈する。粘膜202は、筋組織204に真に付着しているものでない点で、バッグ内のバッグに類似し、したがって、粘膜202だけを引き込んだときには、引き込んだ粘膜202によって、明確に視認できる急峻な傾斜ピークを生ずる。これに対し、粘膜202および筋組織204の双方を引き込んだときには、明確に視認できる滑らかなスロープを有する丘状のものが形成される。目視確認によって少なくとも筋組織204を掴んだことを確実にし、ニードル4の寸法および形状が漿膜206を穿孔する可能性を減少するのを確実にする。漿膜206は粘膜202とは異なり、真に筋組織204に付着している。この漿膜は極めて薄い層であり、したがって、筋組織層と一緒に移動する。
本発明方法によれば、レトラクタ1は、GERD治療に関して以下のように操作する。図29に示すように、端部エフェクタ2020のスリーブ3200を内視鏡4000の末端上に摺動自在に連結し、この端部エフェクタ2020を内視鏡4000上に基端側に摺動させる。この内視鏡4000の末端を、胃食道の経路内に挿入し、食道4140を経て胃4160の内部に挿入し、ひだ形成装置の端部エフェクタ2020を内視鏡4000の末端から約20cm基端側に寄った位置に取り付けるのが好ましい。次に、操作ハンドル及び/又は制御シャフト2060を操作し、挿入した内視鏡4000の末端上で端部エフェクタ2020を摺動させ、胃4160の内部に挿入する。内視鏡4000はスリーブ3200のためのガイドワイヤとして機能する。随意に、内視鏡4000は、食道4140のLES4020を返り見るよう後屈させたものとし、端部エフェクタ2020の進行を視覚化するものとすることができる。
端部エフェクタ2020の挿入中に内視鏡を後屈させる場合、端部エフェクタ2020の胃4160内への通過は、内視鏡4000の映像の下に行う。端部エフェクタ20202が胃4160内で位置決めしたとき、後屈させている場合には内視鏡4000を真っ直ぐにし、端部エフェクタ2020を内視鏡4000から末端方向に抜き出し、内視鏡4000とクリップ植設装置とを完全に分離する。次に、図30に示すように、内視鏡4000を再び後屈させ、操作ハンドルを操作して端部エフェクタ2020のジョー2260,2280を開く。
本発明によるレトラクタ1は、好適には、図31に示すように、内視鏡4000の作動チャンネル4080内に挿入し、ひだ形成の中心が位置するLES4020に隣接する胃4160内で目標組織4100に指向させ、1〜3cm突出させる。レトラクタ1を、組織4100に掛合させ、クリップ植設装置の端部エフェクタ2020のジョー2260,2280の間にで組織4100を引き戻す。レトラクタ1は、胃壁の筋肉に深く掛合し、ジョー間で胃壁の十分な厚さのひだを引き込む。さらに、クリップ植設装置の操作ハンドル及び/又は制御シャフト2060を全体的に、引き込み方向に引き戻し、ジョー2260,2280を食道4140にほぼ平行な方向に組織4100に接近させる。このことは極めて好ましいアングルからのアプローチであり、内視鏡GERD手術装置では従来は得られなかったものである。即ち、後屈するいかなる装置も最小半径の円弧にわたって突出しなければならない。この半径は、この半径にわたり後屈するとき、装置の末端はずれてしまい、端部エフェクタは、後屈を必要としない装置からよりも、GEJから一層遠ざかる。したがって、後屈した装置は、全体移動経路に平行になることは不可能であり、また全体経路から少なくとも数センチメートルずれないでいるということも不可能である。
このとき、基端側の操作ハンドルを、図32に示すように、ジョー2260,2280を閉じるように操作する。ジョー2260,2280の移動中、レトラクタ1によって、組織4100の中心ポイントをジョー2260,2280間で固定位置に保持するとき、組織のひだ形成部分4120がジョー2260,2280により生じ、ファスナ1000の雄部分1200および雌部分1400が合体してひだ形成部分4120をクランプする。ジョー2260,2280が組織のひだ形成部分4120の周りに閉じるとき、ファスナ1000の雄部分1200におけるポスト3200,3400が、好ましくは、ひだ形成部分の内側で漿膜‐漿膜接触を生ずるひだの漿膜層を経て組織4100に穿刺する。雌ジョー2280の穿刺ポスト2560は、好ましくは、ジョーを閉じる間に組織4100を所定位置に保持するに十分な深さで組織4100の筋組織に穿刺する。経験的には、このような接触は、治癒後に組織付着を生じ、ファスナ1000をあとで除去したとしても、組織4100は永久的に再構成されることが分かっている。このようにして、コンプライアンスが減少したゾーンがLES4020の近傍に生ずる。
ひだ形成部分4120の位置およびサイズ、並びにファスナ部分1200,1400の相対位置は、内視鏡4000によって観察する。さらに、多少のクランプ圧力は、雄ポストが完全に貫入するまで基端側の操作ハンドルを制御することによってひだ形成した組織に加えることができる。
図33につき説明すると、ひだ形成部分4120が満足のいくものである場合、基端側の操作ハンドルを操作してファスナ1000の雄部分1200および雌部分1400をロックし、結合したファスナ1000をジョー2260,2280から釈放する。ひだ形成もしくはファスナ位置が満足のいかないものである場合、ロックおよび釈放する前に、ジョー2260,2280を開き、必要に応じて向きを変え、他のひだ形成部分4120を形成する。
ファスナ1000を取り付けた後、ジョー2260,2280を閉じ、内視鏡を真っ直ぐにし、端部エフェクタ2020を内視鏡4000の末端上に再合体させる。クリップ植設装置および内視鏡4000を一緒に食道を経て患者から抜き出す。代案として、内視鏡4000をまず引き出し、この後、好ましくは内視鏡の映像を見ながら、クリップ植設装置を抜き出すこともできる。
この手術中、クリップ植設装置を内視鏡4000から分離することが好ましいが、クリップ植設装置を内視鏡に組み合わせたまま操作することもできる。即ち、図34に示すように、ジョー2260,2280を開いた状態で目標組織に接近し、LES4020の近傍の組織4100に接触するまで内視鏡4000に沿って端部エフェクタ2020を単に後退させる。この後、ジョー2260,2280を閉じ、上述したように、ファスナ1000を取り付ける。この手術を行うには、クリップ植設装置のスリーブ3200をジョー2260,2280に対してオフセットし、ジョー2260,2280を開閉するとき、内視鏡4000にぶつからないようにする。
クリップ植設装置は内視鏡に合体しうるよう示したが、クリップ植設装置を常に内視鏡4000から分離した状態で使用することもできる。
図38〜図45にクリップ植設装置200の端部エフェクタ7020の他の実施例を示す。端部エフェクタ7020のハウジング7900に、ガイドワイヤ8240を収容する寸法の長手方向通路8220を画定するテーパ付きのノーズピース8200を設ける。ガイドワイヤ8240は、1ミリメートルよりも小さい直径を有するものとする。好ましくは、ノーズピース8200をシリコーンのような可撓性の高い材料により形成する。
好適な使用方法によれば、図35に示すように、内視鏡4000を、まず既知の手術に従って気管食道通路4140に挿入し、胃4160内に進入させる。次に、図36に示すように、ガイドワイヤ8240を内視鏡から胃4160内に前進させる。つぎに、図37に示すように、内視鏡4000をガイドワイヤ8240から引き抜く。この後、図38に示すように端部エフェクタ7020をガイドワイヤ3240に沿って手さぐりで前進させ、胃4160内に導入する。テーパ付きのノーズピース8200およびこのシステムの比較的小さい正面断面積により導入は容易である。図39に示すように、端部エフェクタ7020を胃4160内に位置決めした後、好ましくは、ガイドワイヤ8240を胃4160から引き抜く。つぎに、図40および図41に示すように、内視鏡4000を、クリップ植設装置の制御シャフト2060の脇に沿って再導入し、胃4160内に前進させ、端部エフェクタ7020を見るように後屈させる。このとき、端部エフェクタ7020のジョー7260,7280を開き、ひだを形成すべき組織に隣接させる。図42に示すように、レトラクタ1を内視鏡4000の作動チャンネル4080から展開させ、ひだ形成部分4120を形成するのが望ましい位置で、組織4100に掛合するよう操作する。上述したように、レトラクタ1のニードル4を、粘膜202および筋組織(深筋)204に突入させ、これら層を互いに保持し、剥離を生じないようにする。図43に示すように、端部エフェクタ7020のジョーを閉じ、掛合した組織4100の周りにひだ形成部分4120を形成し、このひだ形成部分4120を食道4140にほぼ平行となるようにする。ひだ形成部分4120はレトラクタ1によって保持された位置からクリップ植設装置のジョー7260,7280の端部まで延在する。図44に示すように、ファスナ1000を展開し、端部エフェクタ7020のジョー7260,7280を開く。つぎに、図45に示すように、端部エフェクタ7020のジョー7260,7280を閉じ、内視鏡4000の映像の下に、端部エフェクタ7020を食道4140から引き出す。即ち、端部エフェクタ7020の閉じたジョーは、好ましくは、内視鏡/クリップ植設装置の断面積が最小となるよう、また内視鏡による端部エフェクタの食道4140における後退中に端部エフェクタの映像を常に見られるよう、内視鏡4000の末端に直接位置決めする。
可撓性内視鏡を使用する手術は、一般的に、操作中に内視鏡を交換する。第1の内視鏡4000を消化管内の所定位置に配置し(このことを行うのは困難であった)、また第2の(交換用)内視鏡を同一位置に配置するのが望ましい場合、組織レトラクタ1を使用して第2内視鏡を第1内視鏡の位置に案内する。本発明によるレトラクタ1の可撓性内規バージョンに着脱式ハンドル100を設けることができる。したがって、第2内視鏡交換を必要とするとき、組織レトラクタ1を、第1内視鏡に沿って通過させ、例えば、図31,図42および図43で示すような所望部位における組織で展開させる。つぎに、ハンドル100を取り外す。第1内視鏡4000を、組織レトラクタのシャフト8に沿って摺動させ、このレトラクタシャフト8を所定位置に残したまま取り外す。そして、図36、図37、および図38で示したガイドワイヤ8240のように、組織レトラクタのシャフト8に沿って第2内視鏡を送り込み、元の位置に前進させる。この後、シャフト8を釈放し、好ましい時点で取り出す。
本発明の他の実施例は、本明細書の記載および実施例を考慮して当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は単に例示に過ぎないものと理解されたい。
図面につき本発明の好適な実施例を説明したが、本発明はこれに限定するものではないこと明らかである。種々の変更、改変、代用、等価のものは、添付した特許請求の範囲に規定した本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者にとって容易に実施できるであろう。
本明細書では、胃食道逆流症(GERD)に対する内腔治療のためのレトラクタおよび方法の幾つかの実施例を説明した。このような本発明の特別な実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、特許請求の範囲内で広く解釈されるべきである。例えば、レトラクタの特別な好適寸法を示したが、システムおよび素子は異なる相対寸法を有するものとすることができる。例えば、小児用内視鏡(4〜6mm)を使用する場合には断面積をより小さいものとすることができる。さらに、「後ろ向き」クリップ植設装置を、GERD治療用に設計したファスナ取付け向けに開示したが、同様のジョー組立体を有する「前向き」のストレートな装置を使用し、ファスナを、例えば、過剰肥満、潰瘍、胃ガン、pH測定もしくはモニタ装置、送給管等の移植のような他の条件の治療に適用することができる。さらに、真っ直ぐな装置の直径をより小さくし、内視鏡の作動チャンネルに通過できるようにする。さらにまた、特許請求の範囲に記載した精神および範囲から逸脱することなく他の変更を加えることは当業者にとって理解できるであろう。
本発明による可撓性組織レトラクタ装置のニードルを展開させた状態の末端部における部分斜視図である。 図1のレトラクタ装置の末端部の構成部材を示す分解斜視図である。 図2のレトラクタ装置のより大きい部分における構成部材を示す分解斜視図である。 図2および図3に示す末端部構成部材による部分的組立体を示す部分斜視図である。 図1〜図3に示すレトラクタ装置の末端部における一部を切除して示す部分斜視図である。 図2および図3のシムとチップハーフとともに図4の構成部材を示す部分斜視図である。 図2および図3のチップハーフのうちの一方におけるニードルを収容した状態の部分斜視図である。 図1〜図5に示すニードルとともに、図6のチップハーフ部分を示す拡大部分斜視図である。 図6に示すシムの他の実施例の正面図である。 図6に示すシムの他の実施例の正面図である。 図6に示すシムの他の実施例の正面図である。 図6に示すシムの他の実施例の正面図である。 図6に示すシムの他の実施例の正面図である。 本発明によるレトラクタ装置の後退した状態である基端部におけるハンドルの斜視図である。 図14に示すハンドルの幾つかの構成部材の展開状態を示す部分縦断面図である。 図14に示すハンドルの幾つかの構成部材を示す分解斜視図である。 図14に示すハンドルの幾つかの構成部材の後退した状態を示す部分縦断面図である。 図17に示すハンドルにおける末端側構成部材を拡大して示す部分縦断面図である。 図14のハンドルのボタン組立体における19‐19線上の断面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 本発明レトラクタ装置を使用して異なる牽引角度で組織を牽引する状態を示す一部断面とする部分平面図である。 図20〜図27におけるよりも基端側に寄った末端チップにおけるニードル出口窓を設けた本発明によるレトラクタ装置を使用する方法を示す一部断面とする部分平面図である。 内視鏡に連結したひだ形成装置の双方を胃の内部に挿入するときの状態を示す部分側面図である。 内視鏡から分離してジョーを開いた状態のひだ形成装置を示す部分斜視図である。 本発明によるレトラクタ装置を内視鏡から前進させ、ひだを形成しようとする目標組織に掛合しようとしている状態を示す図30と類似の部分斜視図である。 ひだ形成装置のジョーが目標組織にひだを形成する状態と、この状態をロックするひだ形成ファスナとを示す部分斜視図である。 ひだ形成装置のジョーを目標組織の周りで開放させ、ファスナーが目標組織にひだを形成した状態を示す部分斜視図である。 ひだ形成装置のジョーを開放状態にし、またファスナをこのジョーに配置した状態の部分斜視図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。 本発明レトラクタ装置を内視鏡の作動チャンネルを経て胃の内部に進入させて内視鏡の視野の下に処置をする手術の一段階を示す一部断面とする側面図である。

Claims (28)

  1. 対象物を操作するためのレトラクタ装置において:
    基端部及び末端部を有する可撓性の本体と;
    後退装置であって、
    前記本体の前記末端部に連結したヘッドであって、湾曲したトラックセットの少なくとも一部を規定し、各トラックが弓形セグメントを有する、ヘッドと;
    前記本体に移動可能に配置したコネクタと、
    弓形形状を伴う部分を含む記憶形状を有する形状記憶金属でできた可撓性ニードルであって、前記本体に対して移動可能に前記コネクタに連結され、各ニードルがそれぞれ前記弓形セグメントの一つに摺動可能に配置されているニードルと;
    を有する、後退装置と;
    前記本体の基端部に連結し、前記本体を介して前記ニードルを動作させるよう連結した操作装置であって、この操作装置の動作の際に、前記ニードルを移動して前記ニードルを前記弓形セグメントを通って、選択的に前記ヘッドの外へ突出させたり、前記ヘッドの中へ後退させたりする操作装置と;
    を具えることを特徴とするレトラクタ装置。
  2. 少なくとも1個の作動チャンネルを有する可撓性内視鏡と組み合わせて使用し、患者内の組織を操作する組織レトラクタ装置において:
    基端部及び末端部を有する可撓性の本体と;
    後退装置であって、
    前記本体の前記末端部に連結したヘッドであって、湾曲したトラックセットの少なくとも一部を規定し、各トラックが弓形セグメントを有する、ヘッドと;
    前記本体に移動自在に配置したコネクタと、
    弓形形状を伴う部分を含む記憶形状を有する形状記憶金属でできた可撓性ニードルであって、各ニードルがそれぞれ前記弓形セグメントの一つに摺動可能に配置されているニードルと;
    を有する、後退装置と;
    前記本体の基端部に連結し、前記本体を介して前記ニードルを動作させるよう連結した操作装置であって、この操作装置の動作の際に、前記ニードルを移動して前記ニードルを選択的に前記弓形セグメントを通って、前記ヘッドの外へ選択的に突出させたり、前記ヘッドの中へ後退させたりする操作装置と;
    を具え、
    前記本体と前記後退装置が、前記内視鏡の作動チャンネルに嵌るサイズである;
    ことを特徴とするレトラクタ装置。
  3. 前記本体は、長手方向を規定する長手方向範囲を有し;
    前記ニードルは、前記長手方向にほぼ直交する方向に前記ヘッドから突出する;
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレトラクタ装置。
  4. 前記ヘッドを前記本体の前記末端部に着脱自在に連結したことを特徴とする請求項1又は2に記載のレトラクタ装置。
  5. 前記ヘッドが、前記長手方向に対して角度をなす方向に開口したトラック出口を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレトラクタ装置。
  6. 前記ヘッドが、前記長手方向に対してほぼ直交する方向に開口したトラック出口を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレトラクタ装置。
  7. 前記ヘッドが、前記ヘッドの対向する側部に配置したトラック出口を有し、前記トラックが前記トラック出口を通って前記ニードルを案内することを特徴とする請求項1に記載のレトラクタ装置。
  8. 前記トラックの少なくとも一の表面が、前記操作装置の移動方向にほぼ直交する方向に前記ニードルを案内することを特徴とする請求項1に記載のレトラクタ装置。
  9. 前記ヘッドが、2個のヘッドハーフを有し、これらのヘッドハーフの間に前記ニードルをクランプすることを特徴とする請求項1に記載のレトラクタ装置。
  10. 前記ヘッドが前記2個のヘッドハーフの間に配置したシムを有することを特徴とする請求項1に記載のレトラクタ装置。
  11. 前記2個のヘッドハーフが前記トラックを画成することを特徴とする請求項9に記載のレトラクタ装置。
  12. 前記トラックが、前記ニードルの一部の記憶形状に対応する形状を有することを特徴とする請求項1に記載のレトラクタ装置。
  13. 前記ニードルの記憶形状が、ほぼ直線状の基端部分と弓形の末端部分を含むことを特徴とする請求項12に記載のレトラクタ装置。
  14. 前記トラックの前記形状が、前記基端部分の前記記憶形状と前記弓形の末端部分の一部の前記記憶形状に対応することを特徴とする請求項13に記載のレトラクタ装置。
  15. 前記弓形の末端部分の前記弓形形状は、半円より大きく、円より大きくないことを特徴とする請求項13に記載のレトラクタ装置。
  16. 前記ニードルの材料が、擬似弾性金属、ニチノール、及びニッケル−チタン合金よりなる群から選択した少なくとも一の材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレトラクタ装置。
  17. 前記操作装置が前記本体の前記基端部分に着脱自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のレトラクタ装置。
  18. 前記操作装置がロッドを有し;
    当該ロッドが前記本体を通過して、前記ニードルを移動させるように前記ニードルに連結されており;
    前記ロッドが:
    前記ニードルと一体的に形成されている;
    前記ニードルに着脱自在に連結されている;
    のうちの一方である;
    ことを特徴とする請求項1に記載のレトラクタ装置。
  19. 前記操作装置が、前記ニードルが前記ヘッドから突出する距離を制限するオーバーストローク阻止体を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレトラクタ装置。
  20. 前記ニードルの記憶形状が、ほぼ直線状の基端部分と弓形の末端部分を含み;
    前記ニードルが前記ヘッドから突出し前記ヘッドの中に後退する間に、前記弓形末端部分の一セグメントが前記トラックの一本にそれぞれ残っていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレトラクタ装置。
  21. 前記各ニードルの前記弓形末端部分が、前記弓形セグメントの一つの形状にそれぞれ実質的に対応した形状であることを特徴とする、請求項20に記載のレトラクタ装置。
  22. 前記ニードルが、消化管組織を選択的に把持する寸法であることを特徴とする請求項2に記載のレトラクタ装置。
  23. 前記ニードルが、筋膜に突入することなく粘膜に突入する寸法であることを特徴とする請求項2に記載のレトラクタ装置。
  24. 前記ニードルが、粘膜を経て筋膜に突入する寸法であることを特徴とする請求項2に記載のレトラクタ装置。
  25. 前記ニードルが、漿膜に突入することなく粘膜及び筋膜に突入する寸法であることを特徴とする請求項2に記載のレトラクタ装置。
  26. 前記ニードルが、胃壁の異なる層に選択的に突入する寸法であることを特徴とする請求項2に記載のレトラクタ装置。
  27. 前記ヘッドが、当該ヘッドの対向する側部に開口を画成し;
    前記ニードルの記憶形状が、前記ニードルの対向する側部から離れるように湾曲することを特徴とする請求項2に記載のレトラクタ装置。
  28. 組織レトラクタ装置において:
    基端部と末端部を有する可撓性の本体と;
    後退装置であって、
    前記本体の前記末端部に連結し、対向する2個の開口と湾曲したトラックセットの少なくとも一部を画成し、各トラックがそれぞれ弓形セグメントを有する、ヘッドと;
    前記本体に移動自在に配置したコネクタと、
    弓形形状部分を含む記憶形状を有する形状記憶金属でできた可撓性ニードルであって、当該ニードルの各々が、前記弓形セグメントの一つにそれぞれ摺動可能に配置されている、可撓性ニードルと;
    を有する後退装置と;
    前記本体の前記基端部に連結され、前記本体を介して前記ニードルを動作させるように前記ニードルに連結した片手操作の操作装置であって、この操作装置を動作させると、前記ニードルが移動して、選択的に、前記弓形セグメントを介して前記ニードルを前記ヘッドの外に突出させたり、前記ヘッドの中に前記ニードルを後退させたりする、操作装置と;
    を具えることを特徴とする組織レトラクタ装置。
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