JP4256755B2 - 連続鋳造設備における鋳片圧下装置及び連続鋳造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造設備に関し、特には連続鋳造される鋳片の凝固末期域を圧下する鋳片圧下装置に関するものである。
従来、鋼の連続鋳造においては、鋳片の中心偏析の改善が図れることから、鋳型及びその下の二次冷却帯より連続して引き抜かれてくる鋳片に対し、その凝固末期域で圧下を加えて鋳造することが行われている。
この凝固末期の鋳片圧下は、鋳片の中心偏析の主原因である凝固収縮による残溶鋼の流動を防止して偏析改善を図る技術であり、凝固収縮量に見合った収縮補償を実現する圧下条件とすることが重要である、とされている[鉄と鋼,Vol.80(1994)No.1,第45頁(非特許文献1)参照]。そして、その具体的な連続鋳造方法としては、例えば特開平4−309446号公報(特許文献1)などに提案されたものがある。
上記文献等によれば、凝固末期の鋳片圧下は、鋳片寸法、鋳造速度、鋼種、二次冷却条件等の操業条件により、圧下すべき最適な位置と最適な圧下量が存在しており、中心偏析改善のため、鋳片に対して適正位置で適正量の圧下を加えることが肝要であることが分かる。一方、鋳片凝固の最終段階(クレータエンド)の鋳片厚み中心部には固液共存層が存在し、この固液共存層はやがて100%固相へと変化し完全凝固する。圧下が早過ぎる(圧下位置が上流過ぎる)と、固液共存層の樹間に存在する濃化溶鋼が圧下により流動し、かえって鋳片の品質劣化を招く。また逆に圧下が遅過ぎる(圧下位置が下流過ぎる)と、中心偏析が形成された後の鋳片圧下となり、意味を成さない。すなわち、過度の圧下量や適正位置でない圧下は、かえって鋳片品質を損なうとされている。
上記凝固末期の鋳片圧下には、通常、図3に示すような構造の鋳片圧下装置が使用される。すなわち、この鋳片圧下装置Bは、パスラインPの下方の下ロール41とパスラインPの上方の上ロール42で構成される。通常、下ロール41はロール天端43をパスラインPと一致させるため固設とし、上ロール42を油圧シリンダ44などで下方に加圧して鋳片Cを圧下する。上ロール42の軸箱45はU字状のサイドフレーム46に嵌合し、上下方向に自在に摺動する。上ロール42の左右の軸箱45、45は、圧下フレーム47に取付けられており、その圧下フレーム47の中央部を油圧シリンダ44で下方に押下げて加圧する。なお、油圧シリンダ44は、サイドフレーム46の上部に設けた架台フレーム48に設けられている。また、符号49は上下ロール41、42の間隔を調整するための駆動モータである。この駆動モータ49は、伝動機構50を介在せしめて上ロール42の軸箱45を設けた圧下フレーム47に連結されている。
ところで、中心偏析の改善にとって重要な鋳片の凝固末期域は、上述のように鋳片寸法、鋳造速度、鋼種、二次冷却などの条件により異なる。また、その凝固末期域の引き抜き方向の前後には、通常、鋳造初期に鋳片を引き抜いてくるダミーバーを格納装置へ誘導するためのダミーバー誘導ガイド、鋳片やダミーバーを引き抜くためのピンチロール、鋳片を所定長さに切断するための切断装置が設置されている。上記鋳片圧下装置Bは、これらの装置類やダミーバーと干渉しないように設置される。
ところが、上記のようにダミーバーの格納装置には、格納装置にダミーバーを誘導するためのダミーバー誘導ガイドを設ける場合が多い(特にリンク式ダミーバーの場合)。このダミーバー誘導ガイドが上述の鋳片の適正圧下域に存在すると、鋳片圧下装置Bがダミーバー誘導ガイドに干渉するため、この領域には鋳片圧下装置Bを設置することができない。特に、鋳片パスラインとその鋳片パスラインに臨むダミーバー誘導ガイドとの角度が浅い場合には、ダミーバー誘導ガイドと鋳片圧下装置Bとの干渉する領域が広くなるため、鋳片圧下装置Bを配置できないエリアが広範になる。
一方、特開平7−328751号公報(特許文献2)に記載のようにソリッドダミーバーの場合には、ダミーバーの案内ローラが設けられるものの、大掛かりなダミーバー誘導ガイドが無い場合が多い。このような場合でも、格納時あるいは挿入時のダミーバーの軌道と鋳片圧下装置Bが干渉するため、この領域に鋳片圧下装置Bを設置することが難しい。また、この場合でも、設備の湾曲軌跡通りに湾曲した剛体ダミーバーとなるため、ダミーバーの円弧半径が大きくならざるを得ず、格納時のダミーバー軌道が鋳片軌道に大きく侵食するため、やはり上記同様に鋳片圧下装置Bを配置できないエリアが広範になる。比較的小さな断面鋳片の連続鋳造設備では、この形式のダミーバー格納方式が多く採用されているため、鋳片圧下装置Bの導入が難しい。これに対応させる鋳片圧下装置としては、特許文献2に提案されているような上ロールを上方に大きく退避させる構造とする必要があり、装置が大掛かりになり、設備コストが高くなる。
しかし近年、鋳片品質が益々厳格化する中、小断面鋳片においても中心偏析の改善が強く求められる状況になっており、ビレット連鋳設備のような小規模の連続鋳造設備においても中心偏析の改善を目的とし、鋳片圧下装置Bの導入ニーズが多い。また、生産性を向上するため鋳造速度が高速化しつつあるが、鋳造速度を高めるほど、凝固末期の鋳片厚み中心部近傍の固液共存層の範囲が鋳片引き抜き方向に拡がるため、最適圧下領域も鋳片引き抜き方向に拡がる。すなわち、鋳片圧下装置を広範に多数設けなければならなくなる。しかし、上述の「ダミーバー格納装置と鋳片圧下装置との干渉」あるいは「ダミーバー格納時のダミーバーの軌道と鋳片圧下装置との干渉」のため、鋳片圧下装置Bを設置できにくい領域があり、鋳片圧下装置Bの導入を断念せざるを得ない場合が起こる。また、鋳片圧下装置Bを導入しても、物理的に干渉するこの領域には鋳片圧下装置を適正に設置することが難しく、中心偏析の改善効果が期待できない。
また、上記したようにパスライン上には鋳片切断装置が設置されている。鋳片の切断は、切断面から溶鋼が流出することを防止するため鋳片が完全凝固してから実施される。通常、メニスカスから切断位置までの距離を過剰に確保する(切断位置を下流にする)ことは、不経済である上に、鋳片の温度低下を招く。特に、直送圧延を実施している場合には、鋳片の温度低下は問題になる。従って、鋳片切断位置は、鋳片完全凝固位置のやや下流とすることが一般的である。一方、鋳片の適正圧下域は、鋳片が完全凝固する位置から上流側にある。
上述したように、鋼の含有炭素量が高くなると固相と液相とが共存する領域の鋳造方向の長さが長くなる。鋼種によって鋳造速度を変えるケースも多い。上流工程や下流工程とのマッチングのために、鋳造速度を低下させることもある。このように鋼種や鋳造速度により適正圧下域は変動する。すなわち、多くの鋼種を対象に高速から低速までの鋳造速度をカバーしようとすれば、適正に圧下すべき領域が広くなり、鋳片切断装置までのパスライン上で鋳片圧下装置の設置領域と設置台数が多くなる。また、ダミーバー格納方式には種々の形式があり、剛体ダミーバーの場合には、連鋳機の基準円弧の延長軌跡上にダミーバーを誘導して格納する。他の方式では、切断位置のやや上流側に設置するのが一般的であり合理的である。ところが、従来の鋳片圧下装置は、上方部に圧下のための油圧モータなどがあり、その設置すべき位置と、ダミーバー格納装置あるいはダミーバー格納挿入時の軌道とが干渉してしまう。
特開平4−309446号公報 特開平7−328751号公報 鉄と鋼,Vol.80(1994)No.1,第45頁
本発明は、上記の背景技術における問題点を解消するためになしたものであって、その目的は、ダミーバー誘導ガイドや格納時、挿入時のダミーバー軌道との干渉を回避し得るとともに、適正圧下域に設置容易な、連続鋳造設備における鋳片圧下装置を提供するものであり、またそのような鋳片圧下装置を備える連続鋳造設備を提供するものである。
本発明(請求項1)に係る連続鋳造設備における鋳片圧下装置は、上ロールを回転自在に支持する上フレームを、下ロールを回転自在に支持する下フレームに、ロール軸に平行な回動軸を介して回動可能に設けてなり、且つ上フレームの上方には、上ロールを昇降させるための油圧シリンダを含む一切の干渉物がない連続鋳造設備における鋳片圧下装置において、上フレームの回動軸側における鋳片パスラインに略平行になる側面、又は下フレームの回動軸側の一部を上方に延長して鋳片パスラインに略平行になるように形成されたサイドベースフレームの頂部の側面のうちの何れか一方に、その上方側に位置する一端が枢支された上下方向に伸縮可能な駆動装置と、この駆動装置の下方側に位置する他端、その一端を枢支され且つその他端を下フレームの前記下ロールの回転中心よりも前記駆動装置の他端から離れた位置における鋳片パスラインに略平行になる側面に枢支された第1リンク部材と、この第1リンク部材の中間部分に一端を枢支され且つ他端を、第1リンク部材の他端が枢支される側面に対して上方向に対峙する上フレームの前記上ロールの回転中心よりも前記回動軸から離れた位置の側面に枢支された第2リンク部材と、第1リンク部材と駆動装置の枢支部を上下動可能に位置規制する昇降装置とを備えてなるものである。そして、この連続鋳造設備における鋳片圧下装置において、前記第2リンク部材は、伸縮自在な部材からなるものが好ましい(請求項2)。また、伸縮可能な駆動装置としては、液圧(油圧)シリンダ、電動パワージャッキ、ステッピングシリンダなどが使用できる。
本発明者等は、上記の構成を見出すまでの課程で、上フレームと下フレームを枢支するとともに、反枢支側の上フレームの側面と下フレームの側面の間、又は下フレームの一部を上方に延長し、その延長した部分の上部に液圧シリンダを設けて、下フレームに対して上フレームを回動させて昇降させることを検討したが、この方式では、大きな能力の液圧シリンダが必要となること、またロール間隔の調整が行い難いことを知見した。これに対して、上記構成では、伸縮可能な駆動装置(例えば液圧シリンダ)、第1リンク部材及び第2リンク部材を用いて倍力リンク機構を構成したので、液圧シリンダの能力を小さくでき、上述した従来の鋳片圧下装置はもとより前記大きな能力の液圧シリンダを備える鋳片圧下装置よりもコンパクトな構造にでき、ダミーバー誘導ガイドや格納時、挿入時のダミーバー軌道との干渉が回避できる。その上、上フレームの上方には加圧機構などが無いので狭い設置スペースに対応でき、適正な圧下域への設置が可能になる。
本発明(請求項3)に係る連続鋳造設備は、対向配置された一対の上ロールと下ロールにより鋳片を圧下する請求項1又は2に記載の鋳片圧下装置を備える連続鋳造設備であって、前記上ロールをダミーバーが通過する軌跡より下方に退避可能に設置したものである。
本発明(請求項4)に係る連続鋳造設備は、対向配置された一対の上ロールと下ロールにより鋳片の凝固末期域を圧下する鋳片圧下装置を備える連続鋳造設備において、請求項1又は2に記載の鋳片圧下装置の少なくとも1つが、鋳片の切断装置より上流側に所望間隔で設置されてなるものである。
本発明によれば、連続鋳造設備における鋳片圧下装置をコンパクトな構造にでき、ダミーバー誘導ガイドや格納時、挿入時のダミーバー軌道との干渉が回避できるとともに、適正な圧下域への設置が可能である。また、このように適正圧下域への設置が可能なことから、鋳造された鋳片の偏析改善効果が期待できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る連続鋳造設備における鋳片圧下装置の説明図であって、aは正面図、bは左側面図、cは右側面図である。図において、1は上フレーム、2は上ロール、3は下フレーム、4は下ロール、5は液圧(油圧)シリンダ、6は第1リンク部材、7は第2リンク部材、8は昇降装置である。なお、以下の説明において、前後は鋳片の引き抜き方向を前、その逆方向を後とし、左右は鋳片の引き抜き方向の側方を指す。
上フレーム1は、左右の上サイドフレーム9とこの上サイドフレーム9の前後に設けられた連結フレーム10とで構成されるとともに、上サイドフレーム9に設けた上ロール用軸受11を介して上ロール2を回転自在に支持している。
下フレーム3は、左右のL字状の下サイドベースフレーム12と、この下サイドベースフレーム12を連結するベースフレーム13と、下サイドベースフレーム12のL字状の内側に設けた下サイドフレーム14とで構成されるとともに、下サイドフレーム14に設けた下ロール用軸受15を介して下ロール4を回転自在に支持している。また、下サイドベースフレーム12の頂部に上サイドフレーム9の前端部を固定ピン16によって回動可能に支持することで上フレーム1を下フレーム3に対して回動可能に設けている。
油圧シリンダ5は、そのロッド17を、上フレーム1の前側の連結フレーム10に設けられたピン18によって回動可能に枢支されている。なお、このピン18は、連結フレーム10(上フレーム1)の他に、下フレーム3のサイドベースフレーム12のL字頂部を上方に延長して設けるようにしてもよい。
第1リンク部材6は、その一端を、下フレーム3の下サイドべースフレーム12の後側に設けられたピン19によって回動可能に支持され、他端を、上記油圧シリンダ5のヘッド20にピン21によって回動可能に支持されている。
第2リンク部材7は、その一端、上フレーム1の後側の連結フレーム10に設けられたピン22によって回動可能に支持され、その他端、上記第1リンク部材6の中間部分にピン23によって回動可能に支持されている。なお、本例では、この第2リンク部材7の中央部には、イニシャルのロール間隔を調整するためのターンバックル24を設けているが、省略してもよい。
昇降装置8は、左右の下サイドベースフレーム12の前側に貫通させて連結軸25を回動可能に設け、この連結軸25の両端に偏芯輪26を、その上面が第1リンク部材6と油圧シリンダ5との連結部(ピン21の部分)の下面と当接するように設ける一方、連結軸25を、歯車機構27を介して減速機付き電動モータ28に連結して構成されている。この昇降装置8は、上ロール2と下ロール4との隙間を調整し、鋳片Cに対する圧下量を調整するものである。また、第1リンク部材6の反時計回りの回転角度を偏芯輪26で規制している。なお、本例では、偏芯輪26を、連結軸25を介して下フレーム3の両側に設けた構成としたが、連結せずに別々に設けてもよい。また、駆動装置として減速機付き電動モータ28を例としたが、油圧モータであってもよい。また、本例では、昇降装置8を、その偏芯輪26の上面が第1リンク部材6と油圧シリンダ5との連結部(ピン21の部分)の下面と当接するように設ける場合を例示したが、第1リンク部材6の途中の下面と当接するように設けてもよい。
上記構成の連続鋳造設備における鋳片圧下装置Aでは、油圧シリンダ5、第1リンク部材6、第2リンク部材7からなるリンク機構を備えているので、油圧シリンダ5のヘッド側を加圧すると、第1リンク部材6がピン19を支点として反時計回りに回転し、ピン23の部分が下方に移動し第2リンク部材7を介してピン22が下方に移動する。この移動により、上フレーム1は、固定ピン16を支点として時計回りに回転し、上ロール2が下方に移動し、鋳片Cを圧下する。また、上ロール2を開放するには、油圧シリンダ5のロッド側を加圧する。この上ロール2の開放は、低温となっている鋳片Cの先端部あるいは後端部が上下ロール2、4間を通過する時に、ロールとの干渉を回避するための機能である。
また、上記構成の連続鋳造設備における鋳片圧下装置Aでは、昇降装置8を備えているので、上記の鋳片圧下時、油圧シリンダ5のヘッド側を加圧するが、第1リンク部材6の反時計回りの回転角度が偏芯輪26で規制されており、上ロール2の下方への移動量が規制される。すなわち、鋳片圧下時の上ロール2と下ロール4との間隔(ロール間隔)が規定されることになる。従って、偏芯輪26を回転させれば(偏芯輪26の位相を変えれば)、偏芯輪26と当接している第1リンク部材6の連結部(ピン21の部分)の接触位置が、上下方向に変化するので、鋳片圧下時のロール間隔を変更することができる。
因みに、上記例において、リンク機構を、上フレーム1を2:1のレバー比、第1リンク部材6を3:1のレバー比で構成した場合、油圧シリンダ5の推力は2×3=6倍に増力されるので、極めて小さな油圧シリンダ5を採用することができる。仮に、上記例で、φ50mm径の油圧シリンダ2本で構成した場合、油圧圧力16.7MPaで約40トンの鋳片圧下力を発生することができる。これは、φ173mm径の油圧シリンダ1本の推力に相当する。
油圧シリンダ5が、上記のような増力機構により小径の油圧シリンダで構成できるため、鋳片圧下装置Aの左右側部に配置しても、鋳片圧下装置Aの幅寸法が大きくならず、鋳片圧下装置自体の構成をコンパクトにでき、小さなストランド間隔の連鋳設備にも適用できる。また、鋳片圧下時のロール間隔は、圧下時のロール間隔が適切でないと、鋳片品質に悪影響を与えることから高精度な管理が求められるが、上記構成の鋳片圧下装置Aでは、偏芯輪26の位相を変化させることにより、鋳片圧下時のロール間隔を変更できるので、例えば上フレーム1を2:1のレバー比、第1リンク部材6を3:1のレバー比で構成した場合、偏芯輪26と当接している第1リンク部材6の連結部(ピン21の部分)の接触位置の上下方向変位は、ロール間隔変動量の1/6に相当するため微調整が可能で、高精度なロール間隔管理が可能となる。
なお、上記の実施形態においては、鋼種、鋳造速度等の操業条件に対応するため、昇降装置8を設け、鋳片圧下時のロール間隔を調整可能とする場合を例に説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、操業条件に変化がなくロール間隔が一定でよい場合には、昇降装置8を設けず、偏芯輪26の位置に、偏芯輪26に換えて固定座を設ければよい。
また、上記の実施形態のように、昇降装置8を設け、鋳片圧下時のロール間隔を調整可能とする場合には、その調整は遠隔操作で行うことが好ましいが、遠隔操作が必要でない場合には手動操作で偏芯輪26の位相を変更してもよい。
また、上記の実施形態においては、偏芯輪26を備える昇降装置8を例に説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、例えば、偏芯輪26を備える昇降装置8に換えてウォームジャッキを設けて昇降動作させてもよいし、あるいはくさび方式としくさびを出し入れすることで昇降動作させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、油圧シリンダ5を例に説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、例えば、電動パワージャッキやステッピングシリンダに置き換えてもよい。
図2は、上記構成の鋳片圧下装置Aを備える連続鋳造設備の一例を示す側面図である。図示の連続鋳造設備は、円弧形の連続鋳造設備であって剛体ダミーバーが使用されている。鋳片Cのパスライン上方にダミーバー格納装置30が設けられ、切断機31の上流側で、剛体ダミーバー32をダミーバー格納装置30に格納する方式のものである。なお、図において、符号Mは鋳型を示し、この鋳型Mより引き抜かれた鋳片Cは、後記する鋳片圧下装置33〜37を経て切断機31により切断されて所定長さの鋳片となる。
第1の鋳片圧下装置33は、図3に示す従来形の鋳片圧下装置が採用されており、この第1の鋳片圧下装置33は、鋳片引抜を兼用するため駆動ロールとしている(駆動装置は図示せず)。また、第2の鋳片圧下装置34及び第3の鋳片圧下装置35は、ともに図3に示す従来形の鋳片圧下装置が採用され、本例では上ロール、下ロール共にフリーロールとしている。
第4の鋳片圧下装置36及び第5の鋳片圧下装置37は、ともに上述した本発明に係る鋳片圧下装置Aが採用されている。この鋳片圧下装置36、37は、上ロール2の上方には、図3に示す従来形の鋳片圧下装置Bのように上ロール42を昇降させるための油圧シリンダ44など一切の干渉物が無いので、ダミーバー32の軌道と干渉しない。
また、鋳片圧下装置Aは、鋳片パスラインとダミーバー軌道とで形成する三角形の空間38に、上ロール2までが入る空間さえあれば、鋳片圧下装置Aを配置することができる。また、ダミーバーの軌道中にダミーバー受けローラを設ける場合もあるが、上ローラ2を、第4の鋳片圧下装置36の上ローラ2のようにダミーバー受けローラとすることも可能である。
なお、第4の鋳片圧下装置36及び第5の鋳片圧下装置37の設置位置に従来形の鋳片圧下装置Bを設置しようとすると、ダミーバーの軌道と鋳片圧下装置Bとが干渉するため、鋳片圧下装置Bを配置することができないことは言うまでもない。また、従来形の鋳片圧下装置Bの上ロール42の上下方向の可動ストロークを大きくして、ダミーバー軌道との干渉を回避することも考えられるが、第4の鋳片圧下装置36及び第5の鋳片圧下装置37の設置位置を考えると、上ロール42の上下方向の必要ストロークが非常に大きなものとなり現実的ではない。
なお、上記の例では、第4の鋳片圧下装置36及び第5の鋳片圧下装置37の設置を、固定ピン16を下流側に、ピン22を上流側に向けて設置したが、固定ピン16を上流側に、ピン22を下流側に向けて設置してもよいことは言うまでもない。
本発明に係る連続鋳造設備における鋳片圧下装置の説明図であって、aは正面図、bは左側面図、cは右側面図である。 本発明に係る鋳片圧下装置を備える連続鋳造設備の一例を示す側面図である。 従来の連続鋳造設備における鋳片圧下装置の説明図であって、aは正面図、bは左側面図である。
符号の説明
1:上フレーム 2:上ロール 3:下フレーム
4:下ロール 5:油圧シリンダ 6:第1リンク部材
7:第2リンク部材 8:昇降装置 9:上サイドフレーム
10:連結フレーム 11:上ロール用軸受
12:下サイドベースフレーム 13:ベースフレーム
14:下サイドフレーム 15:下ロール用軸受 16:固定ピン
17:ロッド 18、19:ピン 20:ヘッド
21、22,23:ピン 24:ターンバックル 25:連結軸
26:偏芯輪 27:歯車機構 28:電動モータ
30:ダミーバー格納装置 31:切断機
32:ダミーバー 33:第1の鋳片圧下装置
34:第2の鋳片圧下装置 35:第3の鋳片圧下装置
36:第4の鋳片圧下装置 37:第5の鋳片圧下装置
38:空間 A、B:鋳片圧下装置 C:鋳片
M:鋳型

Claims (4)

  1. 上ロールを回転自在に支持する上フレームを、下ロールを回転自在に支持する下フレームに、ロール軸に平行な回動軸を介して回動可能に設けてなり、且つ上フレームの上方には、上ロールを昇降させるための油圧シリンダを含む一切の干渉物がない連続鋳造設備における鋳片圧下装置において、上フレームの回動軸側における鋳片パスラインに略平行になる側面、又は下フレームの回動軸側の一部を上方に延長して鋳片パスラインに略平行になるように形成されたサイドベースフレームの頂部の側面のうちの何れか一方に、その上方側に位置する一端が枢支された上下方向に伸縮可能な駆動装置と、この駆動装置の下方側に位置する他端、その一端を枢支され且つその他端を下フレームの前記下ロールの回転中心よりも前記駆動装置の他端から離れた位置における鋳片パスラインに略平行になる側面に枢支された第1リンク部材と、この第1リンク部材の中間部分に一端を枢支され且つ他端を、第1リンク部材の他端が枢支される側面に対して上方向に対峙する上フレームの前記上ロールの回転中心よりも前記回動軸から離れた位置の側面に枢支された第2リンク部材と、第1リンク部材と駆動装置の枢支部を上下動可能に位置規制する昇降装置とを備えてなることを特徴とする連続鋳造設備における鋳片圧下装置。
  2. 第2リンク部材が、伸縮自在な部材からなる請求項1に記載の連続鋳造設備における鋳片圧下装置。
  3. 対向配置された一対の上ロールと下ロールにより鋳片を圧下する請求項1又は2に記載の鋳片圧下装置を備える連続鋳造設備であって、前記上ロールをダミーバーが通過する軌跡より下方に退避可能に設置したことを特徴とする連続鋳造設備。
  4. 対向配置された一対の上ロールと下ロールにより鋳片の凝固末期域を圧下する鋳片圧下装置を備える連続鋳造設備において、請求項1又は2に記載の鋳片圧下装置の少なくとも1つが、鋳片の切断装置より上流側に所望間隔で設置されてなることを特徴とする連続鋳造設備。
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