JP4256690B2 - 歪補償電力増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は歪補償電力増幅器、特に高周波電力増幅用の主増幅器にて発生した歪電力を効果的に除去して広帯域に亘り良好な線形性を持った歪補償電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
地上波デジタルテレビジョン放送やデジタル移動体通信等の通信システムにおいては、送信回路として高周波電力増幅用の増幅器が用いられ、この電力増幅器としては広い周波数帯域に亘り良好な線形特性を有する増幅器が要求されている。
【0003】
従来、このような高周波電力増幅器として、一般的な増幅回路を用いると、入力電力、入力周波数、周囲温度或いは経時変化などによって通過利得、位相が変化してしまうという問題があった。
【0004】
従来において、一般的な負帰還電力増幅回路を用いると、歪信号ばかりでなく本線信号も負帰還されるために、必要な本線信号利得が下がってしまい、増幅効率が低下してしまうという問題があった。
【0005】
また、従来の改良された増幅回路としてプリディストーション回路が知られているが、この場合にも、プリディストータと主増幅器の電力、周波数或いは温度、経時変化などの特性を一致させることができないという問題があり、安定した歪補償を行えないという問題があった。
【0006】
さらに、従来において、フィードフォワード電力増幅器を用いる装置も各種提案されているが、回路が複雑かつ大型となり、さらに補助増幅器での電力損失などにより電力効率が劣化するという問題があった。
【0007】
本発明はフィードバック型電力増幅器によって歪補償を行う増幅器の改良であり、この種の装置としては、下記特許文献1に記載のものがあったが、この従来装置では正帰還系と負帰還系の両者を組み合わせた複雑な回路構成となっており、その結果負帰還利得を十分に大きくすることができないために、主増幅器の歪みを十分に抑圧することができないという問題があった。
【0008】
【引用文献1】
特開2002−271150 図1
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の一般的な電力増幅器においては、主増幅器の入力電力、入力周波数、周囲温度或いは経時変化によって通過利得及び位相が変化してしまい、例えば通信システムにおけるアダプティブアンテナ、例えばフェーズドアレイアンテナに用いられる電力増幅器として良好な特性を得ることができないという問題があった。
【0010】
また、従来においては、簡単で小型化可能な回路により効率のよい電力増幅を行うことができず、また歪み除去を行う際に本線信号の利得も低下してしまうという大きな問題が生じていた。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決することを課題としてなされたものであり、簡単な回路構成で、小型でありながら、歪電力のみを効果的に除去して全体の電力効率を著しく低下させることなく歪補償を行うことのできる改良された電力増幅器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、主線路に設けられた主増幅器への入力信号の一部を参照信号として分岐する分岐手段と、主増幅器の出力信号の一部と参照信号とを逆位相で結合して歪信号を出力する第1結合手段と、歪信号を増幅する歪増幅器と、増幅された歪信号を主増幅器の上流側の主線路に逆位相で注入する第2結合手段と、主増幅器の出力信号の一部と歪信号の一部とを抽出して直交復調し、I、Q直交信号を出力する直交復調器と、主線路の主増幅器上流に設けられ、第1結合手段から出力される歪信号が小さくなるよう、直交復調器が出力するI、Q直交信号に基づいて、主線路の利得および位相推移量を調整するベクトル調整器と、を含み、主増幅器から出力される歪電力を除去することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る歪補償電力増幅器においては、分岐手段は、4つの端子を備え、4つの端子のうち1つが終端インピーダンスで終端された90°分配器であることが好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1には、本発明に係る歪補償が行われる電力増幅器の概略構成が示されている。主線路10に設けられた主増幅器12には入力端子14から高周波信号が供給され、主増幅器12によって増幅された後、出力端子16から後段の回路例えば出力フィルタやアンテナに供給される。周知のように、主増幅器12には、通常ある程度の非線形特性があり、例えばデジタル地上波テレビジョン放送で使用予定のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式などのように多数のキャリアを小さな周波数間隔で並べる多重化方式を採用する場合、主増幅器12の非線形特性により、キャリア同士の相互変調が生じ、その結果歪みが発生することが知られている。
【0016】
このような歪みを補償するため、本実施形態においては 主増幅器12への入力信号の一部を分岐して参照信号とする参照路20を有し、この参照信号と主線路の出力信号とから歪信号を求め、これを主線路の主増幅器12上流側に注入することによって主増幅器12により生じた歪みの補償が行われる。
【0017】
図1において、入力端子14の後段には分岐手段22が設けられ主増幅器12への入力信号の一部が参照信号として参照路20に分岐される。
【0018】
実施形態において、分岐手段22は90度分配器からなり、その開放端子には信号入出力に使用しない端子を終端するためのインピーダンスすなわちダミーロードRが接続されている。分配器22は、0度分配器や方向性結合器などでもよい。
【0019】
前述した出力端子16の上流には第一方向結合器24が設けられており、主増幅器12の出力信号の一部と前記参照路20に分岐された参照信号とが逆位相で結合され、A点において歪信号が出力される。
【0020】
すなわち、図1において、経路14−22−30−28−12−10−24−Aと経路14−22−20−24−Aとは両者の通過利得を等しくかつ逆位相とすることによって、A点には、主増幅器12の歪成分のみが歪信号として取り出されることとなる。
【0021】
そして、この歪信号は歪増幅器26によって増幅され、B点においてこの増幅された歪信号が主増幅器12の上流側の主線路10に逆位相で注入される。実施形態において、この注入は第2結合手段28によって行われる。
【0022】
以上のように、端子Aで得られた主増幅器12の歪信号がフィードバック系の歪増幅器26によって増幅され逆位相で主増幅器12上流に注入されることにより、主増幅器の歪成分を確実に抑圧することができ、これによって主増幅器12の歪特性を著しく改善することができる。
【0023】
本発明によれば、本線信号は主増幅器12にフィードバックされないので、本線信号の利得が低下することがなく、増幅器の効率を良好に維持することが可能となる。
【0024】
もちろん、本発明において主増幅器12は図示した一段型でもあるいは多段構成とすることも可能である。
【0025】
本発明によれば、フィードバック系に用いる歪増幅器26は主増幅器12の歪電力のみを増幅し、かつこれを主線路の主増幅器12の上流側に注入するため、この注入分は主増幅器12によっても増幅され、この結果フィードバック系の歪増幅器は小電力の増幅器でよく、従来のフィードフォワード電力増幅器に比べて高効率で小型化が可能な歪補償電力増幅器を得ることが可能となる。
【0026】
なお、図1に示すとおり、主線路10の主増幅器12上流にはベクトル調整器30が設けられており、主線路における利得、位相を入力電力、入力周波数、周囲温度或いは経時変化に対して同期検波方式やパイロット制御方式などによって自動的に制御することが可能である。したがって、主増幅器12の入力端子14から出力端子16までの通過利得及び位相を前述した入力電力、入力周波数、周囲温度或いは経時変化に対して常に安定させることが可能となる。この通過利得、位相の安定化は、フィードバック路のベクトル調整器32、歪増幅器26(第2結合手段28)が無くてもよい。
【0027】
図1から明らかなように、本実施形態においてはフィードバック系にもベクトル調整器32が設けられている。
【0028】
図2には、図1に示した概略構成をさらに詳細に示した本発明の他の実施形態が示されており、図1と同一或いは対応する部材には符号に100を加えて示し、詳細な説明は省略する。
【0029】
入力端子114から入力された主線路110の主信号S1は第1分岐手段122によって主線路の信号S2と参照路120の信号S3とに分岐される。
【0030】
主線路110の信号S2は後述するベクトル調整器130および加算器からなる第2結合手段128を介して主増幅器112に供給され、所望の増幅作用が行われる。
【0031】
主増幅器112の出力はさらに第1結合手段124によって後述する参照信号と逆位相で結合される。
【0032】
このために、第1結合手段124は第2分岐手段131及び減算器132を含み、第2分岐手段131は主増幅器112の出力信号を主線路信号S4と結合信号S5に分岐する。
【0033】
そして、前述した分岐手段122によって分岐された信号S3は参照路120の遅延線を介して参照信号として第1結合手段124の減算器132へ供給される。
【0034】
したがって、減算器132からは、主増幅器112の出力信号の一部から参照信号を減算した歪信号を出力することとなる。
【0035】
本実施形態において、直交復調されたI、Q信号は主線路110のベクトル調整器130へ供給され、主線路110の利得と位相を制御する。これによって、歪信号の抽出を自動で行うことができる。この歪信号は図1と同様に主増幅器112の上流に注入され、主増幅器の歪電力を除去している。
【0036】
すなわち、減算器132の出力である歪信号E1は第3分岐手段134によって、主線路110への注入用の信号E3とI、Q直交復調用の信号E2とに分岐される。
【0037】
前述した歪信号E3は位相器136を介して歪増幅器126に供給され、所望の利得制御が行われた後主線路110の主増幅器112上流に設けられた加算器からなる第2結合手段128に供給され、所望の歪補償が行われる。
【0038】
一方、図2において特徴的なことは、前述した第3分岐手段の出力E2が直交復調器138において、主線路110から取り出された主信号成分と直交復調されることである。
【0039】
すなわち、主線路110において、第1結合手段124の下流に設けられた第4分岐手段140においては、主線路110の信号が出力端子116への信号S6と分岐信号S7とに分岐され、この主線路成分S7が前述した直交復調器138に供給される。また、第4分岐手段140は主増幅器112の直後に配置してもよい。
【0040】
したがって、直交復調器138からは歪信号に残留した主信号成分がなくなるようにI、Q直交信号が出力される。そして、これらのI、Q直交信号はそれぞれI増幅器142およびQ増幅器144を介してベクトル調整器130に供給される。
【0041】
したがって、このようなI、Q直交信号によるベクトル調整によって、第1結合手段124の減算器132へ供給される主線路110からの分岐信号S5と参照路120からの参照信号S3とは同振幅かつ逆位相となるように制御される。したがって、分岐手段122、参照路120、第1結合手段124、第4分岐手段140の通過利得及び位相が一定であれば入力端子114と出力端子116間の通過利得及び位相は常に一定に保たれることになる。なお、通過利得及び位相の安定化は、位相器136、歪増幅器126(第2結合手段128)が無くてもよい。
【0042】
前述した図1と同様に、図2の実施形態においても、歪信号を第2結合手段128を構成する加算器によって主線路110に注入する経路は負帰還経路となるように位相器136の位相量が設定されており、この結果、負帰還利得が大きいほど主増幅器112の歪みを抑圧することができる。
【0043】
以上のように本発明によれば、主線路110に設けられた主増幅器112の歪成分のみを除去することができ、主成分に対して負帰還がかかることがないので、主信号の利得を抑圧することはないという効果を得ることができる。
【0044】
また、入出力間の通過利得と位相を、入力電力、入力周波数、周囲温度、あるいは経時変化などに対して一定とすることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で歪成分を除去することができ、主線路の通過利得及び位相を安定化可能である。
【0046】
また、本線信号成分は負帰還されないので、増幅効率を低下することがないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の第2実施形態を示す詳細な回路図である。
【符号の説明】
10,110 主線路、12,112 主増幅器、14,114 入力端子、16,116 出力端子、20,120 参照路、22,122,131 分岐手段、24,124 第1結合手段、26,126 歪増幅器、28,128 第2結合手段、30,130 ベクトル調整器。
Claims (2)
- 主線路に設けられた主増幅器への入力信号の一部を参照信号として分岐する分岐手段と、
主増幅器の出力信号の一部と参照信号とを逆位相で結合して歪信号を出力する第1結合手段と、
歪信号を増幅する歪増幅器と、
増幅された歪信号を主増幅器の上流側の主線路に逆位相で注入する第2結合手段と、
主増幅器の出力信号の一部と歪信号の一部とを抽出して直交復調し、I、Q直交信号を出力する直交復調器と、
主線路の主増幅器上流に設けられ、第1結合手段から出力される歪信号が小さくなるよう、直交復調器が出力するI、Q直交信号に基づいて、主線路の利得および位相推移量を調整するベクトル調整器と、
を含み、
主増幅器から出力される歪電力を除去することを特徴とする歪補償電力増幅器。 - 請求項1に記載の歪補償電力増幅器において、
分岐手段は、
4つの端子を備え、4つの端子のうち1つが終端インピーダンスで終端された90°分配器であることを特徴とする歪補償電力増幅器。
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