JP4256546B2 - ストリーム多重分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送波に重畳されているトランスポートストリームに含まれる複数のエレメンタリストリームに対して多重分離処理を行うストリーム多重分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体市場において、近い将来幅広い需要が見込まれるものに、セットトップボックス向けのワンチップLSIがある。
ここでセットトップボックスとは、衛星放送、地上波、有線の何れかから伝送されてくる放送波を受信して、これに重畳されているトランスポートストリームの多重分離を行い、更にこれを復号して映像信号、音声信号等を出力する装置であり、テレビジョン受像機やパーソナルコンピュータ等と組み合わせて一般家庭内で用いられる。一般家庭のエンドユーザは、このセットトップボックスを介して衛星放送、地上波、有線を用いてプロバイダから提供される多様な情報サービスを享受することができるので、セットトップボックスは、来るべきマルチメディア社会の必需品になるといわれている。
【0003】
一方、セットトップボックス向けのワンチップLSIとは、放送波を介して伝送されるトランスポートストリームを多重分離して、MPEG規格に規定されたビデオストリーム、オーディオストリーム等のエレメンタリストリームを得るトランスポートストリームパケットデコーダ(該当する1チップLSIには、松下電器産業(株)製MN88461Aがある。)と、多重分離されたビデオストリーム及びオーディオストリームを復号するAVデコーダ(該当する1チップLSIには、松下電器産業(株)製MN67750,MN67751がある。)と、セットトップボックスにおける入出力制御を行うマイコン(該当する1チップLSIには、松下電器産業(株)製MN103002Aがある。)とをワンチップに集積したワンチップLSIである。このようなワンチップLSIがセットトップボックスに実装されれば、セットトップボックスが行うべき処理のうち基盤的なものが全てこのワンチップLSIにより実現されるので、セットトップボックス内の基盤配線をシンプルにすることができ、セットトップボックスをローコストで製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、セットトップボックス用のワンチップLSIにおいて、トランスポートストリームの多重分離は、ワンチップSTB-LSIにおける最上流の処理に相当するので、トランスポートデコーダに対しては、多重分離処理の高速化が強く求められる。ここでトランスポートストリームには、複数のエレメンタリストリームが時分割多重され、その分割部分が膨大な数のトランスポートパケットに格納されて転送されるので、トランスポートデコーダの内部では、トランスポートパケットを転送したり、転送されたトランスポートパケットをラッチする機会が非常に多い。
【0005】
トランスポートパケットの転送やラッチを行う機会が多ければ、トランスポートデコーダを含むセットトップボックス用のワンチップLSIには、何千、何万といった数のフリップフロップ回路が集積されることになる。膨大な数のフリップフロップ回路が集積され、それらのフリップフロップ回路のクロック端子に、同期制御を行うための同期クロック信号が供給されれば、それらクロック端子に接続されているフリップフロップ回路内部のロジック素子は、クロック信号から供給される同期クロック信号に応じて電荷の充放電(チャージ・ディスチャージ)を繰り返すことになる。ワンチップLSIはMOS(Metal Oxyde semiconductor金属酸化膜半導体)型LSIにて構成されることが一般的だが、フリップフロップ回路のクロック端子と接続されたロジック素子が同期クロック信号に応じて電荷の充放電(チャージ・ディスチャージ)を繰り返せば、セットトップボックス用のLSIでは多大な電力が各クロック端子で消費されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、消費電力を抑制しつつも、トランスポートストリームに対する多重分離を高速に行うことができるストリーム多重分離装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、複数のエレメンタリストリームが時分割多重されたトランスポートストリームに対して多重分離を行うストリーム多重分離装置であって、トランスポートストリームは、複数のトランスポートパケットを含み、各トランスポートパケットは、複数のエレメンタリストリームを時分割して得られた分割部分を格納した本体フィールドを有しており、前記ストリーム多重分離装置は、同期クロック信号を供給する信号供給部と、装置外部からトランスポートストリームを取り込むと共に、信号供給部により供給された同期クロック信号に同期にして、取り込んだトランスポートストリームに含まれるトランスポートパケットを順次転送するストリーム前処理部と、ストリーム前処理部がトランスポートパケットの同期転送を開始すれば、信号供給部により供給された同期クロック信号に基づいたラッチ動作を行いながら、同期転送されたトランスポートパケットに含まれる本体フィールドを取り込んでゆき、本体フィールドの取り込みが完了すれば、当該本体フィールドに格納されている分割部分をトランスポートパケットから分離する本体データ処理部と、本体データ処理部による分離処理が完了すれば、その完了時点において、本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その同期転送の開始時点から所定期間の経過後に本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる供給制御部とを備えることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、セットトップボックスの内部構成を示す図である。本図に示すように、セットトップボックスは衛星放送アンテナが受信した放送波に対してIQ検波を行うチューナユニット部1と、地上波アンテナが受信した放送波に対してダウンコンバートを行うチューナユニット部2と、ケーブルを介して伝送されてくる放送波に対してダウンコンバートを行うチューナユニット部3と、チューナユニット部1がIQ検波を行った放送波に対してQPSK復調を行うQPSK復調ワンチップLSI4と、チューナユニット部2がダウンコンバートした放送波に対してVSB復調を行うVSB復調LSI5と、チューナユニット部3がダウンコンバートした放送波に対してQAM復調を行うQAM復調ワンチップLSI6と、ワンチップSTB-LSI7とを備える。ワンチップSTB-LSI7は、トランスポートデコーダと、AVデコーダと、マイコンとを集積している。
【0009】
これらの構成要素のうち、本実施形態の主眼となるのは、トランスポートストリームデコードを行うトランスポートデコーダ(明細書におけるストリーム多重分離装置は、このトランスポートデコーダに該当する。)である。ここでトランスポートストリームとは、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリーム等MPEG規格に規定されている複数のエレメンタリストリームを時分割多重した伝送用ストリームであり、MPEG規格に規定されたビデオストリーム、オーディオストリーム等のエレメンタリストリームは、このトランスポートストリームに時分割に多重化されることにより伝送される。
【0010】
トランスポートストリームは、複数のトランスポートストリームトランスポートパケット(TSP、以下の説明では、トランスポートパケットと略して使用する。)を含むストリーム形式のデータである。図2(a)は、トランスポートパケットのデータフォーマットを示す図である。本図の上段に示すように、トランスポートパケットは、188バイトであり、4バイトのヘッダが記述されるフィールドと、184バイトの本体データが記述される本体フィールドとからなる。各ヘッダは、複数のトランスポートパケットに分割される前のエレメンタリストリームの属性を識別するための情報であり、同期バイト、トランスポートエラーインジケータ、ペイロードユニット開始インジケータ、トランスポート優先度、パケット識別子(PID)、トランスポートスクランブル制御情報、アダプティーションフィールド制御情報、連続性指標を含む。
【0011】
トランスポートストリームに時分割多重されたエレメンタリストリームは、時分割されて、トランスポートパケットの本体データとして、本体フィールドに格納される。図2(b)は、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリーム等、MPEG規格に規定されたエレメンタリストリームが、どのように各トランスポートパケットの本体フィールドに本体データとして格納されるかを示す図である。本図の第1段目は、トランスポートパケット列を示し、第2段目はこれらトランスポートパケットに含まれる本体フィールド(本体データ)を示す。第3段目、第4段目、第5段目は、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームを示す。この第3段目〜第5段目を参照すれば、これらのビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームは、複数のビデオパケット、オーディオパケット、プライベートトランスポートパケットからなることを示す。これらビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームを構成するトランスポートパケット列は、上述した184バイト毎に分割されて、矢印c1,c2,c3,c4・・・・・c6に示すように、各トランスポートパケットの本体フィールドに格納される。
【0012】
複数のトランスポートパケットの本体フィールドに格納されている分割部分を取り出して、取り出された分割部分の統合を行い、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリーム等のエレメンタリストリームを得ることを「多重分離(又はトランスポートデコード)」という。
尚、一般にビデオストリームとは、MPEG規格に従って、映像信号を圧縮してなるストリームであり、オーディオストリームとは、MPEG規格に従って圧縮された映像信号と同期させながら再生させるよう、音声信号を圧縮してなるストリームである。
【0013】
プライベートストリームとは、放送番組の番組表等、MPEG規格に規定されていないデータ、プログラム等を放送業者が送信する場合、それらデータやプログラムを送信するために用いられるストリームである。具体的にいうと、ビデオストリームとオーディオストリームとの間の同期を確立するためのPCR(Program Clock Reference)ストリーム、プログラムアソシエーションテーブル(Program Association Table(PAT))ストリーム、プログラムマップテーブル(Program Map Table(PMT))ストリーム、トランスポートストリームがどの衛星により中継されて転送されているか(どのネットワークに属するか)を示すネットワーク情報テーブル(Network Information Table)ストリーム、このトランスポートストリームがどのようなサービスに属するかを示すサービス記述テーブル系統(Service Description Table)ストリーム、その組みがどのようなイベントに属するかを示すイベント情報テーブル(Event Information Table)ストリーム等も、プライベートストリームとして伝送される。
【0014】
尚、図2(b)は、模式的に記載しているため、ビデオパケット、オーディオパケット、プライベートパケットが、そのまま本体データとしてトランスポートパケットに格納されるような印象を受けるが、実際、トランスポートパケットのサイズが184バイトであるのに対して、ビデオパケット、オーディオパケット、プライベートパケットのサイズは約2Kバイトなので、これらビデオパケット、オーディオパケット、プライベートパケットは、更に細かい単位(184バイト)に分割されて、トランスポートパケットの本体フィールドに格納されている点に留意されたい。また、ビデオパケット、オーディオパケット、プライベートパケットがトランスポートパケットに分割格納される際の格納順序は、ビデオパケット、オーディオパケット、プライベートパケットに付与されたタイムスタンプ情報に基づいて定められるが、その詳細については、本願の主眼ではないのでその説明を省略する。ここで留意すべきは、放送業者が何十種類というエレメンタリストリームをトランスポートストリームに多重化させている場合であっても、それらは一律に分割されて、図2(a)に示すトランスポートパケットの本体フィールドに格納されて伝送されるという点である。
【0015】
以上の情報の詳細については、ETS 300 468規格(DVB-SI規格)、ISO/IEC 13818 -1(MPEG2システム規格)に詳細が記載されているので、これらを記載した文献を参照されたい。
続いて、多重分離(トランスポートデコード)を行うべく構成されたストリーム多重分離装置の内部構成について図3を参照しながら説明する。図3は、ストリーム多重分離装置に含まれる構成要素を示し、それらの構成要素と図2に示したQPSK復調ワンチップLSI4〜QAM復調ワンチップLSI6、AVデコーダ22、SD-RAM19との接続関係を示す図である。
【0016】
図3において、ストリーム多重分離装置は、ストリーム前処理部10(チャネルデータプロセッサ11)、外部インターフェイス12、ヘッダ処理部13(TSPヘッダプロセッサ14)、高速インターフェイス15、本体データ処理部16(フォーマット部17及びフィルタ部18を含む)、AVデコーダインターフェイス21、及びI/Oバスインターフェイス24を備えている。図3を参照すれば、図3に示した構成要素のうち、ストリーム前処理部10は、QPSK復調ワンチップLSI4〜QAM復調ワンチップLSI6に含まれる誤り訂正部8と接続され、クロック供給制御部25はクロック発生器9と接続されている。フィルタ部18は、DMAマネージャ20−SD-RAM19−AVデコーダ22と接続され、I/Oバスインターフェイス24は、マイコン23と接続されていることがわかる。
【0017】
図3において、トランスポートパケットは、ストリーム前処理部10(チャネルデータプロセッサ11)→ヘッダ処理部13(TSPヘッダプロセッサ14)→本体データ処理部16(フォーマット部17及びフィルタ部18)→DMAマネージャ20→SD-RAM19という経路で転送されてゆく。この際、ストリーム前処理部10(チャネルデータプロセッサ11)−ヘッダ処理部13(TSPヘッダプロセッサ14)−本体データ処理部16(フォーマット部17及びフィルタ部18)間のトランスポートパケットの入出力は、クロック発生器9が発生した同期クロック信号に同期した同期転送により実現される。即ち、この同期転送の送り手側は、同期クロック信号に同期にして、トランスポートパケットを1バイトずつ出力させてゆく。一方、同期転送の受け手側は、同期クロック信号に同期したラッチ動作を行いながら、1バイトずつ出力されたトランスポートパケットを取り込んでゆく。ストリーム前処理部10(チャネルデータプロセッサ11)、ヘッダ処理部13(TSPヘッダプロセッサ14)、本体データ処理部16(フォーマット部17及びフィルタ部18)は、何れもこのような同期転送の送り手側、受け手側になるので、トランスポートパケット、ヘッダ、本体データの何れかをラッチするためのフリップフロップ回路がその内部に集積されている。
【0018】
上記の経路でトランスポートパケットの同期転送が行われる際、チャネルデータプロセッサ11−TSPヘッダプロセッサ14−フォーマット部17−フィルタ部18におけるトランスポートパケット(ヘッダ−本体データ)の入出力タイミングは、図5に示すように図示される。図5は、チャネルデータプロセッサ11−TSPヘッダプロセッサ14−フォーマット部17−フィルタ部18におけるトランスポートパケット(ヘッダ−本体データ)の入出力タイミングを示すタイミングチャートであり、TSPヘッダプロセッサ14がトランスポートパケットのヘッダの入力を開始するタイミングと、フォーマット部17がトランスポートパケットの本体データの入力を開始するタイミングとの間には、4+5クロックの遅延時間があることが示されている。また、フィルタ部18がトランスポートパケットの本体データの入力を開始するタイミングと、フォーマット部17がトランスポートパケットの本体データの入力を開始するタイミングとの間には、1クロックの遅延時間があり、更にフィルタ部18がトランスポートパケットの本体データの入力を開始するタイミングと、フィルタ部18が本体データの出力を開始するタイミングとの間には、1〜25クロックの遅延時間があることがわかる。これらの遅延時間は、前段の構成要素が処理を行うのに要する処理期間に基づくものであり、その意味合いについては、チャネルデータプロセッサ11−TSPヘッダプロセッサ14−フォーマット部17−フィルタ部18のそれぞれの処理内容の詳細について触れながら順次説明してゆく。
【0019】
図3において誤り訂正部8は、QPSK復調ワンチップLSI4〜QAM復調ワンチップLSI6に含まれるものであり、放送波に含まれている複数の未訂正トランスポートパケットと、その未訂正トランスポートパケットについてのパリティ符号とを取り出して誤り訂正ブロックを形成することにより、誤り訂正を行う。そして、誤り訂正結果として、訂正済みトランスポートパケットと、無効データとをストリーム前処理部10(チャネルデータプロセッサ)に順次出力してゆく。ここで未訂正トランスポートパケットとは、放送波による伝送の途中で、ビット誤りを起こしている可能性があるトランスポートパケットのことをいい、そのパリティ符号とは、リードソロモン形式のパリティ符号をいう。誤り訂正部8が、形成された誤り訂正ブロックに対してリードソロモン形式のパリティ符号を用いて誤り訂正処理を行うことにより、放送波に含まれるトランスポートパケットがビット誤りは、高い確率で訂正される。
【0020】
図4は、誤り訂正部8の入出力を示す図である。本図における第1段目は、放送波に含まれる未訂正トランスポートパケットがパリティ符号が付与された状態でクロック発生器9に入力されてくる様子を示している。第2段目は、パリティ符号が付与された状態で入力されてきた未訂正トランスポートパケットを複数蓄積することにより、誤り訂正部8が誤り訂正ブロックを形成する様子を示している。第3段目は、誤り訂正部8が誤り訂正処理を行った後、訂正済みデータと、無効データとの組みが誤り訂正部8から出力されてゆく様子を示している。ここで本図における第3段目と、第1段目とを対比すれば、第1段目では、複数トランスポートパケット間にパリティ符号が挿入されていたが、第3段目では、複数トランスポートパケット間に挿入されたパリティ符号に代えて、無効データが挿入されていることがわかる。第4段目は、第3段目に示した訂正済みトランスポートパケットの内部構成を示す図であり、誤り訂正部8は誤り訂正処理の処理結果として、このトランスポートパケットと無効データとをストリーム多重分離装置内のストリーム前処理部10に出力するが、これと共に、パケット開始信号と、有効区間信号とをストリーム多重分離装置内のストリーム前処理部10に出力する。パケット開始信号は、トランスポートパケットの入力が開始する時点を示す信号であり、有効区間信号は、トランスポートパケットが入力されてくる期間のみハイレベルとなり、無効データが入力されてくる期間においてロウレベルとなる信号である。
【0021】
クロック発生器9は、トランスポートストリームに対してストリーム多重分離装置内の複数の構成要素が各種処理を行う際の同期をとるための同期クロック信号を発生する。
ストリーム前処理部10は、チャネルデータプロセッサ11とも呼ばれ、当該有効区間信号がハイレベルになっている期間に入力されてくるストリームの一部分を当該トランスポートパケットとして、当該トランスポートパケットのみをクロック発生器9が発生する同期クロック信号に従って、1バイトずつバッファに取り込んでゆく。一方、当該有効区間信号がロウレベルになっている期間に入力されてくるストリームの一部分は無効データとして、バッファに取り込まずそのまま廃棄する。このようにバッファに取り込んだトランスポートパケットを1バイトずつ、クロック発生器9が発生する同期クロック信号に従ってヘッダ処理部13及び本体データ処理部16にそれぞれ出力してゆく。この際、ストリーム前処理部10は、トランスポートパケットと共にパケット開始信号及び有効区間信号をヘッダ処理部13、本体データ処理部16及びクロック供給制御部25に出力する。
【0022】
外部インターフェイス12は、ヘッダ処理部13から出力されたトランスポートパケット及び無効データを高速インターフェイス15を介してセットトップボックス外部に接続されているデジタルAV機器やパーソナルコンピュータに出力すると共に、装置外部に接続されているデジタルAV機器やパーソナルコンピュータが出力したトランスポートパケット及び無効データをストリーム前処理部10(チャネルデータプロセッサ11)に出力する。
【0023】
ヘッダ処理部13は、TSPヘッダプロセッサ14とも呼ばれ、複数種類の識別子が予め設定されており、ストリーム前処理部10から出力されたトランスポートパケットに付与されている識別子が、設定された複数種類の識別子のうち、何れかと一致するなら、その識別子を示す番号を本体データ処理部16に通知する。ストリーム前処理部10から出力されたトランスポートパケットに付与されている識別子が、その本体データの処理が不要な旨を示すものならば、本体データに対しての処理が不要な旨を示す本体処理要否信号を本体データ処理部16に通知する。図5は、図3に示したストリーム多重分離装置の内部構成において、トランスポートパケットの入出力がどのように行われるかを示すタイミングチャートである。図5の第2段目は、TSPヘッダプロセッサ14へのデータ入力がどのように行われるかを示している。この第2段目に示すように、ヘッダが4クロックを費やして入力されることがわかる(ヘッダ入力期間)。この時点から5クロックを費やしてヘッダ処理が行われる(ヘッダ処理期間)。ヘッダ処理を終えると、ストリーム前処理部10はその旨を示すヘッダ処理終了信号をクロック供給制御部25に出力する。
【0024】
高速インターフェイス15は、ヘッダ処理部13が出力したトランスポートパケットと、無効データとを外部インターフェイスを介してセットトップボックス外部に接続されているパーソナルコンピュータやデジタルAV機器に出力する。
本体データ処理部16は、フォーマット部17及びフィルタ部18を含んでおり、ヘッダ処理部13(TSPヘッダプロセッサ14)から出力されたトランスポートパケットの本体フィールドに格納されている分割部分を取り出して、メモリ装置に格納されているエレメンタリストリームの末尾に追加させるよう、当該分割部分の転送を行う。
【0025】
ここでフォーマット部17により行われるフォーマット処理とは、トランスポートパケットそのもの(1)、トランスポートパケットの本体データ(2)、トランスポートパケットに含まれるPESパケット(3)、トランスポートパケットに含まれるPESストリーム(4)、トランスポートパケットに含まれるセクション(5)、トランスポートパケットの廃棄(5)、トランスポートパケットに含まれるアダプテーションフィールド(6)といった(1)から(6)までの6通りのデータ形式のうち、何れかのものを抽出する機能をいう。図5の第3段目は、フォーマット部17へのデータ入力を示している。この第3段目では、トランスポートパケットのうちヘッダを破線で示しており、本体データを実線で示している。この実線に示す本体データのフォーマット部17への入力は、第2段目に示したヘッダ入力期間である4クロックと、ヘッダ処理期間である5クロックとが経過した9クロック後から開始していることがわかる。またフォーマット部17は、この9クロックの経過後、1クロック遅れて(図中のフォーマット処理期間参照)、フォーマット処理の処理結果をフィルタ部18に出力していることがわかる。
【0026】
フィルタ部18は、予め複数種類のパケット識別子が設定されており、ストリーム前処理部10から出力されたトランスポートパケットヘッダに、予め設定された複数種類のパケット識別子が付与されていれば、そのトランスポートパケットをSD-RAM19に格納されている何れかのトランスポートパケット列の末尾に追加させるよう、そのトランスポートパケットをDMAマネージャ20に出力し、ストリーム前処理部10から出力されたパケッのヘッダに、予め設定された複数種類のパケット識別子が付与されていなければ、そのトランスポートパケットの出力を禁止ずる。図5の第4段目は、フィルタ部18へのトランスポートパケット入力を示している。この第4段目では、トランスポートパケットのうちヘッダを破線で示しており、本体データを実線で示している。この実線に示す本体データのフィルタ部18への入力は、第2段目に示したヘッダ入力期間(4クロック)と、ヘッダ処理期間(5クロック)と、第3段目に示したフォーマット処理期間が経過した1クロック後から開始していることがわかる。またフィルタ部18は、この10(=4+5+1)クロックの経過後、1〜25クロック遅れて(図中のフィルタリング処理期間参照)、フィルタリング処理の処理結果の出力が開始していることがわかる。図5の第5段目は、フィルタ部18の出力結果を示す。本図において、実線に示した部位は、フォーマット部17及びフィルタ部18の処理により出力された部位であり、フォーマット部17により指定された形式の部位のみが出力されていることがわかる。
【0027】
ヘッダ処理部13(TSPヘッダプロセッサ14)にトランスポートパケットの入力が完了する時点816から、フィルタ部18にトランスポートパケットの入力が完了する時点817までには、10〜30クロックの遅延がある。ヘッダ処理部13(TSPヘッダプロセッサ14)へのヘッダ入力が開始する時点をヘッダ入力開始時点801といい、TSPヘッダプロセッサ14へのヘッダ入力が完了する時点をヘッダ入力終了時点802という。また、図5において、フィルタ部18への入力が完了する時点を本体処理終了時点804という。この本体処理終了時点804を通知するべく、本体データ処理部16は、以上のフォーマット処理、フィルタリング処理を終えた時点で本体データが終了した旨を示す本体処理終了信号をクロック供給制御部25に出力する。また、フォーマット処理及びフィルタリング処理は常時行われるのではなく、ヘッダ処理部13が本体データの処理が不要である旨を示す本体処理要否信号を出力した場合には、これらのフォーマット処理、フィルタリング処理を行わない。
【0028】
SD-RAM19は、同じ識別子をもつものと解析された分割部分を、同一の識別子を有するもの毎に格納するための記憶領域を複数有している。
DMAマネージャ20は、フォーマット部17及びフィルタ部18のフォーマット処理及びフィルタリング処理によって抽出されたデータをDMA転送にてSD-RAM19に書き込んでゆく。これによりSD-RAM19には、同じパケット識別子が付与されたもの同士配列されてゆく。このような配列により、SD-RAM19にはMPEG2規格に規定されたビデオストリーム、オーディオストリーム等、各種エレメンタリストリームが蓄積されることになる。エレメンタリストリームが蓄積された後、AVデコーダ22からこれらストリームを読み出す旨の要求が発せられると、DMAマネージャ20はエレメンタリストリームをSD-RAM19から読み出して、AVデコーダインターフェイス21を介してAVデコーダ22に出力する。
【0029】
図6(a)は、トランスポートストリームに含まれる複数のトランスポートパケットに対してフォーマット部17−フィルタ部18がフォーマット処理、フィルタリング処理を行うことにより、エレメンタリストリームの分割部分が各トランスポートパケットの本体フィールドから取り出されて、SD-RAM19内でビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームに統合される様子を示す図である。
【0030】
本図の第1段目は、トランスポートパケットを示し、第2段目はこれらトランスポートパケットに含まれる本体フィールド(本体データ)を示す。第3段目、第4段目、第5段目は、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームは、複数のビデオパケット、オーディオパケット、プライベートトランスポートパケットからなることを示す。トランスポートパケットの本体フィールドに格納されたエレメンタリストリームの分割部分は、参照符号e1,e2,e3,e4,e5・・・・・で指示されているように、取り出されて、SD-RAM19内でビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームを形成するようSD-RAM19に転送される。
【0031】
AVデコーダ22は、DMAマネージャ20に読み出し要求を発して、SD-RAM19からエレメンタリストリームを読み出させ、当該エレメンタリストリームに応じたデコード処理を行う。読み出されたエレメンタリストリームがビデオストリームなら、当該ビデオストリームをデコードしてビデオ信号として出力し、読み出されたエレメンタリストリームがオーディオストリームなら、当該オーディオストリームをデコードしてオーディオ信号として出力する。
【0032】
図6(b)は、SD-RAM19内で統合されたビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームをAVデコーダ22がSD-RAM19から読み出す様子を示す図である。図6(b)における読み出しは、AVデコーダ22がDMA転送をDMAマネージャ20に要求し、DMAマネージャ20が図中の参照符号f1,f2,f3で指示されているように、DMA転送を行うことにより行われる。参照符号f1,f2,f3で指示されているようにビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームをSD-RAM19から読み出せば、AVデコーダ22はビデオストリーム−オーディオストリームに対して復号処理を行い、それぞれ動画再生、音声再生等を行う。
【0033】
マイコン23は、セットトップボックスにおける入出力制御を行い、I/Oバスインターフェイス24を介して、TSPヘッダプロセッサ14、フォーマット部17、フィルタ部18に各種パラメータを設定する。
クロック供給制御部25は、クロック発生器9が発生した同期クロック信号のヘッダ処理部13、本体データ処理部16への供給を制御する専用回路であり、本実施形態の主眼となる構成要素である。このクロック供給制御部25と、ストリーム前処理部10と、ヘッダ処理部13と、本体データ処理部16との接続関係のみをより単純に書き直せば、ストリーム多重分離装置の内部構成は、図7に示すものとなる。図7は、図3に示した構成要素のうち、特に本実施形態の主眼となる構成要素のみをピックアップした図である。本図において、ストリーム前処理部10はクロック供給制御部25にパケット開始信号を出力しており、クロック供給制御部25はストリーム前処理部10に同期クロック信号を供給していることがわかる。また、ヘッダ処理部13は、クロック供給制御部25にヘッダ処理終了信号及び本体処理要否信号を出力しており、クロック発生器9はストリーム前処理部10に同期クロック信号を供給していることがわかる。更に本体データ処理部16は、本体処理終了信号を出力しており、クロック供給制御部25は同期クロック信号を本体データ処理部16に供給していることがわかる。
【0034】
これらの同期クロック信号の供給制御は、専らストリーム多重分離装置の電力消費を軽減させる目的で行われる。ここでクロック供給制御部25が同期クロック信号の制御対象としてヘッダ処理部13、本体データ処理部16を選んだ理由について説明する。図1に示したAVデコーダ22、ストリーム多重分離装置、マイコン23のうち、AVデコーダ22は、ビデオストリーム−オーディオストリームの復号という負荷が大きい処理を行うので、この部位での電力消費は軽視できない。しかし上述したように、AVデコーダ22はSD-RAM19にビデオストリーム、オーディオストリームが格納されなければ復号を行うことができず、SD-RAM19にビデオストリーム、オーディオストリームの蓄積が完了する時期はまちまちであり、AVデコーダ22が復号処理を開始できる時期は規則的ではない。即ち、AVデコーダ22が処理を行う時期と、処理を行わない時期とが不規則に現れるので、ビデオストリーム、オーディオストリームが何時読み込まれても良いように、AVデコーダ22に対しては、同期クロック信号の供給を常時行っておく必要がある。また、マイコン23が入出力制御や、パラメータ制御を行う期間もこれといって規則性がある訳ではなく、マイコン23への同期クロック信号供給は常時行わねばならない。
【0035】
そうすると、同期クロック信号の供給制限の対象となるのは、ストリーム多重分離装置に絞られてしまう。しかし、ストリーム多重分離装置の全ての構成要素に対しての同期クロック信号供給が制限できる訳ではない。特に、ストリーム多重分離装置内のストリーム前処理部10に対しては、QPSK復調ワンチップLSI4〜QAM復調ワンチップLSI6からのトランスポートパケット及び無効データの入力が跡絶えることなく行われているので、ストリーム前処理部10に対しても、同期クロック信号の供給を常時行っておく必要がある。
【0036】
ところが、ヘッダ処理部13、本体データ処理部16に対しては、ヘッダ−本体データ−無効データ、ヘッダ−本体データ−無効データというように、ヘッダ−本体データ−無効データの組みが繰り返し入力されているので、ヘッダ処理部13にヘッダ−無効データが入力されている期間において、本体データ処理部16は処理を行う必要はない。一方、本体データ処理部16に本体データが入力されている期間において、ヘッダ処理部13は処理を行う必要はない。このようにヘッダ処理部13−本体データ処理部16のデータ入力期間、データ処理期間は、ストリーム前処理部10からのヘッダ−本体データ−無効データの入力期間に依存しているので、ヘッダ処理部13への同期クロック信号供給は、ヘッダ処理部13がヘッダを入力するのに要する期間と、その入力されたヘッダをヘッダ処理部13が処理するのに要する期間とに行なえばよい。一方、本体データ処理部16への同期クロック信号供給は、本体データ処理部16が本体データを入力するのに要する期間と、その入力された本体データを本体データ処理部16が処理するのに要する期間とに行なえばよい。
【0037】
クロック供給制御部25は、以上の内容に鑑みてストリーム前処理部10からのヘッダの入力期間と、その処理期間とにおいてのみヘッダ処理部13に同期クロック信号を供給し、本体データの入力期間と、その処理期間とにおいてのみ本体データ処理部16に同期クロック信号を供給する。続いて、クロック供給制御部25の内部構成について説明する。図8は、クロック供給制御部25の内部構成を示す図であり、本図に示すようにクロック供給制御部25は、T型フリップフロップ30、ANDゲート31、カウンタ32、ANDゲート33、ORゲート34、T型フリップフロップ35、ANDゲート36からなる。図9(a)は、T型フリップフロップ30の入出力を示すタイミングチャートであり、図9(b)は、T型フリップフロップ35の入出力を示すタイミングチャートである。
【0038】
T型フリップフロップ30は、T端子に入力されてくる有効区間信号がハイレベルに立ち上がることによって、Q端子がハイレベルになり、CLR端子に入力されてくるヘッダ処理終了信号がハイレベルに立ち上がることによって、Q端子がロウレベルになる。T型フリップフロップ30のQ端子における時間的遷移は、図9(a)の第1段目〜第3段目に示されている。参照符号y1で示されているパケット開始信号の立ち上がりから、参照符号y2で指示されているヘッダ処理終了信号の立ち上がりまでの期間のみ、図9(a)の第3段目に示すようにT型フリップフロップ30のQ端子は、ハイレベルになっていることがわかる。
【0039】
ANDゲート31は、その出力が通常ロウレベルになっており、T型フリップフロップ30のQ端子がハイレベルになった期間のみ、クロック供給制御部25が発生した同期クロック信号をヘッダ処理部13に供給する。ANDゲート31による同期クロック信号供給の時間的遷移は、図9(a)の第4段目に示されている。この第4段目に示すように、パケット開始信号の立ち上がりに対応するヘッダ入力開始時点801から、ヘッダ処理終了信号の立ち上がりに対応するヘッダ処理終了時点803までの期間のみ、T型フリップフロップ30は、同期クロック信号をヘッダ処理部13に供給していることがわかる。
【0040】
カウンタ32は、パケット開始信号が立ち上がることによって、カウント処理を開始し、同期クロック信号に含まれているパルス波の波数に応じた計数値を出力する。当該計数値は、ORゲート34がハイレベルを出力した時点でリセットされる。
ANDゲート33は、カウンタ32から出力された計数値が閾値"9(=1001)"に達した場合のみその出力がハイレベルになる。カウンタ32、ANDゲート33の出力端子における時間的遷移は、図9(b)の第3段目、第4段目に示されている。第3段目に示すように、カウンタ32の計数値が"1","2"とインクリメントしてゆき、計数値が"9"に達すると、第4段目の参照符号y3に指示されているように、ANDゲート33の出力が立ち上がることがわかる。この"9"という計数値は、図5に示したヘッダ入力期間と、ヘッダ処理期間とが経過するまでに、クロック発生器9から出力される同期クロック信号に含まれるパルス波の数であり、ANDゲート33がこの"9"をカウントすれば、図5におけるヘッダ入力期間と、ヘッダ処理期間とが経過したことになる。
【0041】
ORゲート34は、本体処理要否信号及び本体処理終了信号の何れか一方がハイレベルになれば、その出力がハイレベルになる。
T型フリップフロップ35は、T端子への入力が立ち上がることによって、Q端子がハイレベルになり、CLR端子への入力が立ち上がることによって、Q端子がロウレベルになる。T型フリップフロップ35のQ端子における時間的遷移は、図9(b)の第6段目に示されている。参照符号y3で指示されているANDゲート33の出力信号の立ち上がりから、参照符号y4で指示されている本体処理終了信号の立ち上がりまでの期間のみ、T型フリップフロップ35のQ端子は、ハイレベルになっていることがわかる。
【0042】
ANDゲート36は、通常ロウレベルの信号を出力しており、T型フリップフロップ35のQ端子がハイレベルになる期間のみ、同期クロック信号を本体データ処理部16に供給する。ANDゲート36の出力端子における時間的遷移は、図9(b)の第7段目に示されている。参照符号y3で指示されているT型フリップフロップ35のQ端子の立ち上がりに等しいヘッダ処理終了時点803から、参照符号y4で指示されているORゲート34の出力信号の立ち上がりに等しい本体処理終了時点804までの期間のみ、ANDゲート36は、同期クロック信号を出力していることがわかる。
【0043】
クロック供給制御部25が、上記のような制御を行うことにより、ヘッダ処理部13及び本体データ処理部16への同期クロック信号の供給は図10に示すものとなる。図10は、クロック供給制御部25の制御によって、ヘッダ処理部13及び本体データ処理部16への同期クロック信号供給がどのように行われるかを示すタイミングチャートである。
【0044】
ヘッダ入力開始時点801においてANDゲート31がヘッダ処理部13への同期クロック信号の供給を開始することにより、ヘッダ処理部への動作クロックの供給が開始される。このクロック供給は、ANDゲート31の出力がロウレベルになるヘッダ処理終了時点803まで継続して行われる。ヘッダ処理終了時点803においてヘッダ処理が終了すると、次のトランスポートパケットのヘッダの受信が開始される時点811まで、ヘッダ処理部へのクロック供給は停止される。
【0045】
同様に、ヘッダ処理終了時点803の経過時にANDゲート33の出力がハイレベルになり、T型フリップフロップ35のT端子がハイレベルになることにより、ヘッダ処理部への動作クロック供給が開始する。このクロック供給は、T型フリップフロップ35のCLR端子がハイレベルに立ち上がる本体処理終了時点804まで継続して行われる。本体処理終了時点804においてヘッダ処理が終了すると、次トランスポートパケットのヘッダ処理が完了する時点813まで、ヘッダ処理部へのクロック供給は停止される。
【0046】
ここで1クロック当たりにヘッダ処理部13、本体データ処理部16が取り込むことができるデータサイズが1バイトである場合、ヘッダのデータ長が4バイトなので、ヘッダの入力に要する期間p1は4クロックとなり、本体データの入力に要する期間h1は184クロック、トランスポートパケット及び無効データの入力に要する期間Lは、204クロックとなる。また、ヘッダの処理に要する期間p2を最大3クロックと仮定し、本体データの処理に要する期間h2は5クロック5なので、ヘッダ処理部13への同期クロック信号の供給期間の削減率p1+p2/Lは、約4.4%(=(4+5)/204)となり、本体データ処理部16への同期クロック信号の供給期間の削減率h1+h2/Lは、約90%(=184/204)となる。
【0047】
このように、クロック供給制御部25は、ヘッダ−本体データ−無効データの組みの入力が繰り返されている限り、上記の割合で定常的に電力消費が削減されることになる。クロック供給制御部25による電力消費削減は、このような定常的な同期クロック信号の供給制御を中心にしてなされるが、この他にも、ヘッダ処理部13によるヘッダ解析結果に応じて、同期クロック信号の供給制御を行う。
【0048】
尚、第1実施形態では、クロック供給制御部25はフィルタ部18への同期クロック信号の供給をフィルタ部18がトランスポートパケットの出力を終了した本体処理終了時点804に停止したが、図5においてフィルタ部18が、フィルタリング結果の転送を完了した時点に同期クロック信号の供給を停止してもよい。
【0049】
ヘッダ処理部13の解析結果に基づく供給制御を説明するため、初めに、ヘッダ処理部13の内部構成について説明する。図11は、ヘッダ処理部13の内部構成を示す図であり、本図に示すように、ヘッダ処理部13は、ヘッダ記憶部40、m個の期待値保持装置41、m個の比較器42、番号変換器43、チューニング条件記憶部44、比較器45からなる。
【0050】
ヘッダ記憶部40には、トランスポートパケットに含まれるヘッダを記憶する。
m個の期待値保持装置41は、ヘッダ記憶部40に格納されているヘッダと比較すべき値である期待値を記憶している。
m個の比較器42は、シリアルデータ格納装置に格納されているシリアルデータのうち、nビット長のフィールドと、期待値との比較をクロック発生器9が発生する同期クロック信号に従って行う。
【0051】
番号変換器43は、m個の比較器42から出力される一致検出出力を受け付けて、m個の期待値保持装置41に記憶されている複数の識別子のうち、ヘッダと一致したものはどれかを示す一致識別子番号を出力し、ヘッダ処理が終了した旨を示すヘッダ処理終了信号を立ち上げる。
チューニング条件記憶部44は、m個の期待値保持装置41に記憶されている複数の識別子のうち、何れか1つの識別子番号を記憶する。この識別子は、本体データに対する処理を行う必要があるトランスポートパケットに付与されているヘッダの内容であり、チューニング識別子という。ここでチューニングとは、視聴を希望した放送番組を操作者がセットトップボックスに設定する操作をいい、チューニング識別子は、セットトップボックスに対して操作者によりなされたチューニング操作により設定されたものを示す。
【0052】
比較器45は、チューニング条件記憶部44に記憶されているチューニング識別子と、番号変換器43により変換された識別子番号とが一致するか否かを判定し、もし一致しないなら、本体データに対する処理が不要な旨を示す本体データ処理要否信号をハイレベルに立ち上げる。ここでチューニング条件記憶部44に記憶されているチューニング識別子は、操作者が視聴を希望した放送番組についての識別子なので、操作者が視聴を希望した放送番組を構成しないトランスポートパケットが誤り訂正部8から入力されてきた場合は、比較器45がチューニング識別子との不一致を判定した時点で、即座に本体処理要否信号がハイレベルに立ち上がることになる。
【0053】
このように本体処理要否信号を立ち上げることにより、本体データ処理部16への本体データの供給は、図12及び図13に示すものとなる。
図12は、比較器45がチューニング識別子との不一致を判定した場合のタイミングチャートである。本図の第1、第2、第3、第4段目は、図9(b)と同一であるが、第5段目以降が図9(b)と異なる。即ち、図9(b)の第5段目は、本体データが終了した時点で、立ち上がる本体処理終了信号が記載されていたが、図12の第5段目では、本体処理要否信号が記載されている。本体処理要否信号は、ヘッダとチューニング識別子との不一致が判定されるので、本体処理終了信号の立ち上がりタイミングと比較して、立ち上がり時期がはやくなっている。一方、図7に示したORゲート34では、本体処理終了信号及び本体処理要否信号の何れか一方がハイレベルになった場合にハイレベルを出力するので、図12では、本体処理要否信号がハイレベルになったタイミングにおいて、T型フリップフロップ35のCLR端子がハイレベルになり、T型フリップフロップ35のQ端子がロウレベルに設定される。T型フリップフロップ35のQ端子がロウレベルに設定されれば、同期クロック信号の供給が停止される。
【0054】
図13は、図12に示すような動作がクロック供給制御部25内で行われることによる同期クロック信号の供給を示す図である。本図の左半分において、本体処理終了信号により同期クロック信号の供給が停止する場合は、図中の本体入力開始時点801から本体処理終了時点804までの期間のみ、同期クロック信号は供給される。一方、本図の右半分において、本体処理要否信号により同期クロック信号の供給が停止する場合は、本体データ処理部16への同期クロック信号の供給は、一切行われていないことがわかる(時点813〜時点814間の期間902参照)。
【0055】
以上のように本実施形態によれば、ヘッダ及び本体データがヘッダ処理部13及び本体データ処理部16に入力される期間と、ヘッダ処理部13及び本体データ処理部16が実際に処理を行う期間とに同期クロック信号を供給し、その他の期間において同期クロック信号の供給を停止して、同期クロック信号供給期間を削減するので、ストリーム多重分離装置における電力消費を抑制することができる。
【0056】
(第2実施形態)
第2実施形態は、図3に示したフィルタ部18に代えて、セクションフィルタを設けた実施形態である。
セクションフィルタは、セクションを選択するためのパラメータが複数登録され、このパラメータを用いてストリーム前処理部10から入力されてくるトランスポートパケットに対してセクションフィルタリングを行う。ここでセクションフィルタリングとは、ストリーム前処理部10からトランスポートパケットが転送されると、転送された本体フィールドに格納されている識別子を取り出して、取り出された識別子が、複数登録されたパラメータの何れに対応するか否かを判定し、もし対応すれば、そのトランスポートパケットのみを出力し、それ以外のパラメータに対応するトランスポートパケットの出力を禁ずる処理をいう。
【0057】
ここで操作者からジャンル入力を受け付けており、受け付けられたジャンルに対応するセクションパラメータがセクションフィルタにおいて登録されている場合、ストリーム前処理部10から入力されてくるトランスポートパケットのうち、登録されたセクションパラメータに対応するトランスポートパケットのみが出力され、それ以外のトランスポートパケットの出力は禁ぜられる。これにより、例えば操作者がスポーツ番組というジャンルを入力すれば、スポーツ番組というジャンルに対応するセクションパラメータがセクションフィルタに登録され、ストリーム前処理部10から入力されてくるトランスポートパケットのうち、スポーツ番組に対応するものがそのまま出力されることになる。逆に映画等、他のジャンルに対応するトランスポートパケットの出力は禁じられることになる。
【0058】
本体データ処理部16から入力されてくるトランスポートパケットが登録されたパラメータ以外のトランスポートパケットであり、当該トランスポートパケットの出力を禁じる場合、セクションフィルタは、トランスポートパケットに対する処理を行うことなく、その時点で当該トランスポートパケットの処理が不要である旨の本体処理要否信号をクロック供給制御部25に出力する。例えば操作者がスポーツ番組というジャンルを入力しており、映画等、他のジャンルに対応するトランスポートパケットの出力が禁じられている状態において、本体処理要否信号が出力される。このように本体処理要否信号が出力されると、ORゲート34がハイレベルとなり、ORゲート34の出力が立ち上がることによって、Q端子がロウレベルになり、ANDゲート36がロウレベルに設定される。
【0059】
図14は、セクションフィルタがセクションフィルタリングを行ったために、本体処理終了時点804の経過を待たず、本体処理要否信号の通知時点904で本体処理要否信号が出力された場合を想定している。このように本体処理要否信号の通知時点904の時点で本体処理要否信号が出力されたので、本体データ処理部16への同期クロック信号の供給は、期間905だけ早めに打ち切られていることがわかる。
【0060】
以上のように本実施形態によれば、入力されてくるトランスポートパケットが登録されたパラメータ以外のトランスポートパケットである場合、トランスポートパケットに対する処理を行うことなく、その時点で当該トランスポートパケットの処理が不要である旨の本体処理要否信号をクロック供給制御部25に出力することにより、本体データ処理部16への同期クロック信号の供給は、期間905だけ早めに打ち切ることができ、電力消費をより抑制することができる。
【0061】
(第3実施形態)
第3実施形態は、入力されてくるトランスポートパケット列に複数種類のストリームが多重化されており、送信されるべきエレメンタリストリームの盗用や改変を防ぐ目的のため、何れかのエレメンタリストリームが暗号化されている場合の改良に関する。
【0062】
図15は、第3実施形態に係るストリーム多重分離装置の内部構成を示す図である。本図と図7とを対比すれば、50番台の参照符号が付された暗号解読部51と、信号選択部52とが新たに追加されていることがわかる。
暗号解読部51は、デスクランブル対象となるパケット識別子と、当該パケット識別子に対応する復号鍵とが登録され、暗号解読を行う。ここで暗号解読部51による暗号解読は、ヘッダ処理部13から一致が通知された識別子がデスクランブル対象となるパケット識別子と一致している場合にのみ行われ、一致していない場合には行われない。暗号解読部51による暗号解読は、暗号解読部51がパケット全体を読み込んだ後に行われるのでは無く、パケットの8バイト〜10バイト長の一部分を読み込む度に行われる。この8バイト〜10バイト長の一部分の解読が済めば、この一部分の解読結果を本体データ処理部16に出力すると共に、パケットの次の一部分を読み込んで、この一部分を解読する。このような、一部分の読み込みと、解読処理と、解読結果の出力とを複数回繰り返せば、1つのパケットに対する暗号解読が終了する。以上の過程を経て暗号解読処理が完了すれば、解読処理終了信号を出力する。
【0063】
信号選択部52は、ヘッダ処理部13から一致が通知された識別子と、デスクランブル対象となるパケット識別子とが一致している場合に、暗号解読部51の出力を選択的に本体データ処理部16に出力し、一致していない場合、ストリーム前処理部10の出力を本体データ処理部16に選択的に出力する。
図16は、第3実施形態におけるストリーム多重分離装置に係るタイミングチャートである。本図は、図7に示した第1実施形態に係るタイミングチャートと比較して、第3段目に暗号解読部51への入力が追加され、フォーマット部17への入力、フィルタ部18への入力、フィルタ部18からの出力を示す段が1段ずつ繰り下がっている。
【0064】
第1実施形態〜第2実施形態において、本体データ処理部16に対しては、図5に示したように、時点803において、本体データの入力が開始され、時点804において、本体データに対しての処理が完了していた。これに対して第3実施形態では、ヘッダ処理部13と本体データ処理部16との間に暗号解読部51が挿入されているため、本体データの入力開始時点及び本体データの処理終了時点がそれぞれズレていることになる。即ち、本体入力開始時点805において、フォーマット部17への本体データの入力が開始され、本体入力終了時点807において、フィルタ部18による本体データに対する本体データ処理が完了していることがわかる。
【0065】
暗号解読部51は、4クロックのヘッダ入力期間と、5クロックのヘッダ処理期間とが経過した本体入力開始時点803において、暗号解読を開始し、その結果を順次フォーマット部17に出力してゆき、暗号解読終了時点806にて暗号解読処理を終える。この暗号解読時点806において、暗号解読部51は、暗号解読を終えた旨の解読処理終了信号を出力する。
【0066】
続いて、第3実施形態におけるクロック供給制御部25について説明する。
図17は、第3実施形態におけるクロック供給制御部25の内部構成を示す図である。本図におけるクロック供給制御部25が図7に示したクロック供給制御部25と異なるのは、図7におけるT型フリップフロップ30〜ANDゲート36がT型フリップフロップ30a〜ANDゲート36a及びT型フリップフロップ30b〜ANDゲート36bに置き換えられており、識別子比較回路37をその内部に備えている点である。
【0067】
このうちT型フリップフロップ30a〜ANDゲート36aは、カウンタ32aを除き、第1実施形態と同様、本体データ処理部16への同期クロック信号の供給を行うものであり、T型フリップフロップ30b〜ANDゲート36bは、上記暗号解読部51に同期クロック信号を供給するものである。ここで暗号解読部51に同期クロック信号を供給しているといっても、カウンタ32b、ORゲート34bを除き、T型フリップフロップ30b〜ANDゲート36bは、T型フリップフロップ30a〜ANDゲート36aと同一機能を有している。以下、カウンタ32aと、カウンタ32bと、ORゲート34bと、識別子比較回路37とについて順次説明してゆく。
【0068】
第3実施形態におけるカウンタ32aは、ヘッダ処理部13と本体データ処理部16との間に暗号解読部51が挿入されたため、12〜19クロック(=4クロック(ヘッダ入力期間)+5クロック(=ヘッダ処理期間)+3〜10クロック(=暗号解読期間))に相当する期間経過の監視を行うべく、カウント処理を行う。
第1実施形態においてカウンタ32は、ヘッダ入力期間と、ヘッダ処理期間との和である9クロックをカウントしていたが、第3実施形態では、ヘッダ処理部13の後段に暗号解読部51が接続されたので、カウンタ32bは、ヘッダ入力期間と、ヘッダ処理期間との和である9クロックをカウントしている。
【0069】
尚、暗号解読部51が解読処理終了信号を、T型フリップフロップ35bのT端子に出力すれば、カウンタ32bを設けなくとも、暗号解読期間の経過を検出することができる。この場合、暗号解読期間が固定期間でなく、可変期間であっても、暗号解読期間の経過を検出することができる。
ORゲート34bは、ヘッダ処理部13、識別子比較回路37、本体データ処理部16の何れかが本体処理要否信号、解読処理要否信号、解読処理終了信号を出力した時点において、T型フリップフロップ35bのCLR端子をハイレベルにする。ここで暗号解読部51がクロック供給制御部25に解読処理終了信号を出力すれば、これによりT型フリップフロップ35bのCLR端子がハイレベルとなり、T型フリップフロップ35bのQ端子がロウレベルになって、ANDゲート36bによる同期クロック信号の供給が停止される。
【0070】
図18は、暗号解読部51への同期クロック信号の供給がどのように行われるかを示す図である。本図において下半分h1は、図10に示した本体データ処理部16への同期クロック信号の供給と同一内容を示している。一方、図18の左上半分h2は、暗号解読部51への同期クロック信号の供給を示している。この左上半分h2内の第3段目〜第5段目は、図9(b)に示したものと同一であり、T型フリップフロップ30b〜ANDゲート36bが第1実施形態に示した処理を行うことにより、ヘッダ処理終了時点803において暗号解読部51に対する同期クロック信号の供給が開始される様子を示している。その後、暗号解読部51からのトランスポートパケット出力が完了すれば、暗号解読終了時点806において、参照符号y51で指示されているように、解読処理終了信号が暗号解読部51から出力されるので、これによりANDゲート36bが同期クロック信号の供給を停止する。よって、ヘッダ入力終了時点803から解読処理終了時点806においてのみ、暗号解読部51には、同期クロック信号が供給されることになる。
【0071】
識別子比較回路37は、暗号解読部51同様デスクランブル対象となるパケット識別子が登録されており、ヘッダ処理部13から一致が通知された識別子がデスクランブル対象となるパケット識別子と一致していない場合、解読処理要否信号をハイレベルにしてORゲート34bに出力する。一方、ORゲート34bでは、解読処理要否信号、解読処理終了信号及び本体処理要否信号の何れか一つがハイレベルになった場合にハイレベルを出力するので、解読処理要否信号がハイレベルになったタイミングにおいて、T型フリップフロップ35bのQ端子がロウレベルになる。T型フリップフロップ35bのQ端子がロウレベルに設定されれば、同期クロック信号の出力を停止する。
【0072】
図18の右上半分h3は、識別子比較回路37が不一致を判定した場合に、どのように同期クロック信号の供給が停止されるかを示している。本図の左上半分h2に示したように、解読処理終了信号により同期クロック信号の供給が停止する場合は、図中の暗号解読終了時点806で同期クロック信号の供給が停止するが、識別子比較回路37が識別子不一致と判定し、参照符号y21で指示されているように、解読処理要否信号の出力により同期クロック信号の供給が停止する場合は、図18の右上半分h3に示すように同期クロック信号が供給されることはない。
【0073】
以上のように本実施形態によれば、暗号解読部51の同期クロック信号供給期間を短縮することができ、電力消費を軽減することができる。特に暗号解読部51では、暗号化を解読するために多くのフリップフロップを集積しており、ここに同期クロック信号の供給期間を短縮することにより、電力消費は大きく軽減される。
【0074】
(第4実施形態)
第1実施形態では、本体データに対する処理を行う本体データ処理部16は唯一つであったが、第4実施形態では、この本体データ処理部16を、n個の本体データ処理部に置き換えた実施形態である。図19は、本体データ処理部16が、n個の本体データ処理部に置き換えられたストリーム多重分離装置の内部構成を示す図である。本図に示すように、図7に示した本体データ処理部16は、本体データ第1処理部53〜本体データ第n処理部54に置き換えられている。これらn個の本体データ処理部は、ヘッダ処理部13による識別子の解析結果に応じて選択的に起動される。また、ストリーム多重分離装置には、新規な構成要素として、信号選択部55が追加されている。これらn個の本体データ処理部は、それぞれ排他的な関係にあり、n個の本体データ処理部のうち、何れかの本体データ処理部16が処理を行なっている期間においては、残りの本体データ処理部16は処理を行う必要は無い。
【0075】
また、信号選択部55は、ヘッダ処理部13による解析結果に応じて、本体データ第1処理部53〜本体データ第n処理部54による処理結果を選択的に出力するものである。
第4実施形態において本体データ処理部16がn個の本体データ処理部に置き換えられているため、クロック供給制御部25の内部構成も、図20に示すものとなる。図20は、第1実施形態に示したT型フリップフロップ30〜ANDゲート36が、n個のT型フリップフロップ30〜ANDゲート36に置き換えられたクロック供給制御部の内部構成を示す図である。n個のT型フリップフロップ30〜ANDゲート36のうち、第1番目のT型フリップフロップ30〜第1番目のANDゲート36は、本体データ第1処理部53への同期クロック信号の供給を行うものであり、第n番目のT型フリップフロップ30〜第n番目のANDゲート36は、本体データ第n処理部54への同期クロック信号の供給を行うものである。また、第4実施形態に係るクロック供給制御部25は、新規に識別子比較回路38を追加している。
【0076】
識別子比較回路38は、ヘッダ処理部13からヘッダ解析結果として一致識別子番号が通知されると、一致識別子番号に示された識別子がどの本体データ処理部16に処理させるべきかを判定し、n個のT型フリップフロップ35のうち、入力されたトランスポートパケットを処理すべきではないものに本体処理要否信号を出力する。図21は、識別子比較回路38が入力されたトランスポートパケットを処理すべきではないものに本体処理要否信号を出力することにより、同期クロック信号の供給がどのように中断するかを示す図である。
【0077】
図21の第1段目は、ヘッダ−本体データ−無効データの組みを示し、第2段目は、ヘッダ処理部13への同期クロック信号の供給を示す。第3段目は第1番目のANDゲート33の出力、第4段目は第1番目のORゲート34aへの本体処理要否信号、本体処理終了信号の出力、第5段目は第1番目のT型フリップフロップ35への出力、第6段目は、本体データ第1処理部53への同期クロック信号の供給を示す。第7段目はn番目のANDゲート33の出力、第8段目は、n番目のORゲート34への本体処理要否信号、本体処理終了信号の出力、第9段目はn番目のT型フリップフロップ35の出力、第10段目は、本体データ第n処理部54への同期クロック信号の供給を示す。
【0078】
本図における左側のトランスポートパケットが、本体データ第1処理部53が処理すべきものである場合、識別子比較回路38は、ヘッダ処理部13から通知された識別子によりこれを判定し、時点803において参照符号y11で指示されているように、本体データ第n処理部54に本体処理要否信号を出力する。これによりn番目のT型フリップフロップ35のQ端子がロウレベルとなり、n番目のANDゲート36の出力がロウレベルとなるので、参照符号y13で指示されているように、本体データ第n処理部54への同期クロック信号の供給は、本体処理要否信号の通知時点にて終了する。
【0079】
後続する右側のトランスポートパケットが、本体データ第1処理部53が処理すべきものである場合、識別子比較回路38は、ヘッダ処理部13から通知された識別子によりこれを判定して時点814において参照符号y14で指示されているように、本体データ第1処理部53に本体処理要否信号を出力する。これにより、参照符号y15で指示されているように、T型フリップフロップ35のQ端子がロウレベルとなり、参照符号y16で指示されているように、第1番目のANDゲート36の出力がロウレベルとなるので、本体データ第1処理部53への同期クロック信号の供給は、本体処理要否信号の通知時点813にて終了する。
【0080】
以上のように本実施形態によれば、本体データ処理部16がn個必要であり、回路規模が増大している場合であっても入力されてくるトランスポートパケットを処理すべき本体データ処理部16のみを動作させるので、n個の本体データ処理部による電力消費を1/nとすることができる。
尚、以上4つの実施形態に基づき説明を行ったが、以下の(a)(b)・・・・・に示す変更実施が可能なことはいうまでも無い。
【0081】
(a)クロック供給制御部25は、同期クロック信号の供給制御を本体データ処理部16をひとまとまりにして行っていたが、フォーマット部17−フィルタ部18のそれぞれについて、個別に供給してもよい。即ち、本体データがフォーマット部17に入力されてくる期間と、フォーマット部17が処理を行う期間とにのみ同期クロック信号を供給してもよい。また、本体データがフィルタ部18に入力されてくる期間と、フィルタ部18が処理を行う期間とにのみ同期クロック信号を供給してもよい。
【0082】
(b)クロック供給制御部25は、パケット開始信号及び有効区間信号に基づいて、ヘッダの入力期間の開始時点を特定したが、ストリーム前処理部10がヘッダの先頭に位置する同期コードを検出することにより、ヘッダの入力期間の開始時点を特定してもよい。
(c)第1実施形態〜第4実施形態において、クロック供給制御部25はヘッダ処理部13及び本体データ処理部16の双方に対して同期クロック信号の供給制限を行ったが、クロック供給制御部25はヘッダ処理部13及び本体データ処理部16の何れか一方に対して同期クロック信号の供給制限を行ってもよい。
【0083】
(d)第4実施形態において、暗号解読部51に対してのみ、同期クロック信号の供給制限を行ってもよい。特に、暗号解読部51における電力消費はヘッダ処理部13及び本体データ処理部16と比較して大きいので、このような暗号解読部51のみに対象を絞った同期クロック信号の供給制限でも、充分な効果が奏される。
【0084】
(e)第1実施形態〜第4実施形態において、ストリーム前処理部10、ヘッダ処理部13、本体データ処理部16は、ストリーム前処理部10→ヘッダ処理部13→本体データ処理部16の順でパケットの入出力が行われるように接続されていたが、ヘッダ処理部13及び本体データ処理部16が、ストリーム前処理部10と直接接続されていてもよい。
【0085】
この場合、本体データ処理部16には、図10に示したヘッダ処理終了時点803ではなく、ヘッダ入力終了時点802において、本体データが本体データ処理部16に入力されることになり、クロック供給制御部25が本体データ処理部16に同期クロック信号の供給を開始する時期及び本体データに対する処理の終了時点が早まることになる。
【0086】
(f)第3実施形態において、ストリーム前処理部10、ヘッダ処理部13、暗号解読部51、本体データ処理部16は、ストリーム前処理部10→ヘッダ処理部13→暗号解読部51→本体データ処理部16の順でパケットが流れるように接続されていたが、暗号解読部51が、ストリーム前処理部10と直接接続されていてもよい。
【0087】
この場合、暗号解読部51には、図10に示したヘッダ処理終了時点803ではなく、ヘッダ入力終了時点802において、本体データが暗号解読部51に入力されることになり、クロック供給制御部25が暗号解読部51に同期クロック信号の供給を開始する時期及び本体データに対する処理の終了時点が早まることになる。
【0088】
(g)第4実施形態において、ストリーム前処理部10、ヘッダ処理部13、本体データ第1処理部53〜本体データ第n処理部54は、ストリーム前処理部10→ヘッダ処理部13→暗号解読部51→本体データ第1処理部53〜本体データ第n処理部54の順でパケットが流れるように接続されていたが、本体データ第1処理部53〜本体データ第n処理部54が、ストリーム前処理部10と直接接続されていてもよい。
【0089】
この場合、暗号解読部51には、図10に示したヘッダ処理終了時点803ではなく、ヘッダ入力終了時点802において、本体データが本体データ第1処理部53〜本体データ第n処理部54に入力されることになり、クロック供給制御部25が暗号解読部51に同期クロック信号の供給を開始する時期及び本体データに対する処理の終了時点が早まることになる。
【0090】
(h)図5及び図16における処理期間はあくまでも一例であり、その処理期間には、増減があることには留意されたい。これらの処理期間が変更する場合は、本体データの入力開始時点を通知するためのカウントするための、カウンタ32のカウント値を、その都度変化して利用すればよい。
(i)尚、第1実施形態〜第3実施形態において、カウンタ32に、ヘッダ処理期間のカウントを行わせたが、ヘッダ処理部13が発したヘッダ処理終了信号をカウンタ32aのT端子に入力させることにより、ヘッダ処理期間の経過を検出させてもよい(第1実施形態〜第4実施形態においてカウンタ32を設けて、ヘッダ処理期間の経過をカウントさせたのは、ヘッダ処理終了信号の出力タイミングと、本体データの入力開始タイミングとが異なる場合でも対処できることを想定したハードウェアの技術開示を行うためである。)。
【0091】
(j)第1実施形態〜第4実施形態は、全て複数のトランスポートパケットからなるトランスポートストリームを対象として説明を行ったが、DVD-ROM,DVD-RAM等の光ディスクに記録されるシステムストリームに対して多重分離を行うシステムエンコーダに適用してもよい。このようなシステムストリームは、複数のパック列からなり、このパック列における各パックは、ヘッダフィールドと、本体フィールドとからなり、この本体フィールドにビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームの分割部分を格納しているので、図3に示したストリーム前処理部10、ヘッダ処理部13、本体データ処理部16を具備している。これらのシステムエンコーダ内のストリーム前処理部10、ヘッダ処理部13、本体データ処理部16に対して、第1実施形態のクロック供給制御部25による同期クロック信号の供給制御を行えば、ヘッダ処理部13、本体データ処理部16における電力消費を軽減することができる。
【0092】
【発明の効果】
本発明は、複数のエレメンタリストリームが時分割多重されたトランスポートストリームに対して多重分離を行うストリーム多重分離装置であって、トランスポートストリームは、複数のトランスポートパケットを含み、各トランスポートパケットは、複数のエレメンタリストリームを時分割して得られた分割部分を格納した本体フィールドを有しており、前記ストリーム多重分離装置は、同期クロック信号を供給する信号供給部と、装置外部からトランスポートストリームを取り込むと共に、信号供給部により供給された同期クロック信号に同期にして、取り込んだトランスポートストリームに含まれるトランスポートパケットを順次転送するストリーム前処理部と、ストリーム前処理部がトランスポートパケットの同期転送を開始すれば、信号供給部により供給された同期クロック信号に基づいたラッチ動作を行いながら、同期転送されたトランスポートパケットに含まれる本体フィールドを取り込んでゆき、本体フィールドの取り込みが完了すれば、当該本体フィールドに格納されている分割部分をトランスポートパケットから分離する本体データ処理部と、本体データ処理部による分離処理が完了すれば、その完了時点において、本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その同期転送の開始時点から所定期間の経過後に本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる供給制御部とを備えているので、本体フィールドの入力に要する期間をp1、該当する本体フィールドの処理に要する期間をp2、トランスポートパケット全体の入力に要する期間をLと考えれば、ストリーム多重分離装置に含まれる本体データ処理部への同期クロック信号の供給期間は、P1+P2/Lとなる。このように供給期間がP1+P2/Lとなれば、この供給期間の削減率に応じて電力消費も軽減されるので、本体データ処理部に何千、何万といった数のフリップフロップ回路が集積されていたとしても、電力消費の増大化は抑制されることになり、より電力消費が少ないセットトップボックスのワンチップLSIを製造することができる。
【0093】
ここで前記ストリーム多重分離装置は、トランスポートストリームに時分割多重されたエレメンタリストリームを系統毎に格納するための格納領域を複数有するメモリ装置が接続されており、前記本体データ処理部は、ストリーム前処理部から転送されたトランスポートパケットの本体フィールドのみを保持し、この本体フィールドに格納されている分割部分を取り出して、格納領域に系統毎に格納させるよう、当該分割部分の転送を行い、前記供給制御部は、本体データ処理部が分割部分の転送を完了した時点において、前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、ストリーム前処理部が後続するトランスポートパケットの転送を開始すれば、所定期間経過後に各本体データ処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させてもよい。トランスポートストリームに複数のエレメンタリストリームが時分割多重されており、これらのエレメンタリストリームを効率良く分離するため、高機能で回路規模の大きい本体データ処理部が備えられており、この本体データ処理部における電力消費の増大が危惧される場合であっても、この本体データ処理部への同期クロック信号の供給期間は、供給期間がP1+P2/Lとなるので、ストリーム多重分離装置における電力消費を軽減することができる。
【0094】
また上記装置において、前記トランスポートパケットには、その本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを示す識別子が本体フィールドに格納されており、前記本体データ処理部は、ストリーム前処理部から転送されたトランスポートパケットに含まれる本体フィールドの所定部分を分割部分として抽出するフォーマット部と、複数の識別子が予め登録されており、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致するなら、メモリ装置の格納領域に格納させるよう当該分割部分の転送を行い、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致しないなら、当該分割部分を廃棄するフィルタリング部とを備え、前記供給制御部は更に、フィルタリング部が分割部分の転送を完了した時点において、前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させてもよい。入力されてくるトランスポートパケット列に何十、何百といった複数番組を構成するオーディオストリーム、ビデオストリームが多重化されている場合、これらのうち、チューニングパターンに合致しないものが入力されている期間は、本体データ処理部への同期クロック信号の供給が早々に打ち切られるので、電力消費の軽減を一層向上させることができる。
【0095】
また上記装置において、本体フィールドには、格納されている分割部分が暗号化されているものと、暗号化されていないものとがあり、前記ヘッダ処理部は、暗号解読を行うべき暗号解読対象の識別子を保持する保持部と、ヘッダフィールドに格納された識別子が前記暗号解読対象の識別子に一致するか否かを判定する判定部とを備え、前記ストリーム多重分離装置は更に、判定部が一致すると判定した場合のみ、暗号化された分割部分を解読する解読処理部を含み、前記供給制御部は更に、解読処理部が分割部分の解読を完了した時点において、前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットについて、ヘッダ処理部に含まれる判定部が暗号解読対象との識別子の一致を判定すれば、当該解読処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させてもよい。入力されてくるトランスポートパケット列に複数種類のストリームが多重化されており、それらのストリームに、暗号化されているものと暗号化されていないものとがあり、ストリーム多重分離装置内に暗号解読のための解読処理部が設けられている場合、入力されてくるストリームが暗号化されている場合にのみ、暗号解読部に同期クロック信号の供給を行い、暗号化されていないストリームが入力されてくる期間において、同期クロック信号の供給を行わないので、暗号解読部の回路規模が膨大なものである場合でも、それらに同期クロック信号を供給するこれによる電力消費を抑制することができる。
【0096】
また上記装置において、前記トランスポートパケットには、その本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを示す識別子が本体フィールドに格納されており、前記本体データ処理部は、ストリーム前処理部から転送されたトランスポートパケットの本体フィールドの所定部分を分割部分として抽出するフォーマット部と、複数の識別子が予め登録されており、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致するなら、メモリ装置の格納領域に格納させるよう当該分割部分の転送を行い、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致しないなら、当該分割部分を廃棄するフィルタリング部とを備え、前記供給制御部は、分割部分が予め登録されている複数の識別子の何れにも一致しないため、フィルタリング部が当該分割部分を廃棄した時点で、本体データ処理部への同期クロック信号の供給を停止させてもよい。近年のセットトップボックスに多く見られる番組検索サービスを、本体データ処理部が実現する場合に、検索パターンに一致しないトランスポートパケットが入力される期間において、同期クロック信号の供給が早々に打ち切られるので、電力消費の軽減を一層向上させることができる。
【0097】
また上記装置において、前記本体データ処理部は、共通の本体データに対して相異なる処理を行う本体データ処理部を複数有しており、前記ヘッダ処理部は、ヘッダフィールドに格納された識別子に基づいて、複数の本体データ処理部のうち、何れのものに本体データを処理させるかを決定する決定部とを備え、前記供給制御部は、ヘッダ処理部内の決定部が何れかの本体データ処理部を決定すれば、決定されなかった本体データ処理部への前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、決定された本体データ処理部が処理を完了すれば、当該選択部への同期クロック信号の供給を停止させて、ストリーム前処理部がストリーム前処理部が後続するトランスポートパケットの転送を開始すれば、各本体データ処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させてもよい。入力されてくるトランスポートパケット列に複数種類のストリームが多重化されており、ストリーム多重分離装置内にそれらのストリーム毎の本体データ処理部が設けられている場合、それら複数の処理部のうち、入力されてくるストリームに対応するものみに同期クロック信号の供給が行われ、それ以外のものには、同期クロック信号が供給されないので、複数の本体データ処理部の実装が必要となる場合でも、それらに同期クロック信号を供給するために生じる電力消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セットトップボックスの内部構成を示す図である。
【図2】(a)トランスポートパケットのデータフォーマットを示す図である。
(b)ビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリーム等、MPEG規格に規定されたエレメンタリストリームが、どのように各トランスポートパケットの本体フィールドに格納されるかを示す図である。
【図3】ストリーム多重分離装置に含まれる構成要素を示し、それらの構成要素と図2に示したQPSK復調ワンチップLSI4〜QAM復調ワンチップLSI6、AVデコーダ22、SD-RAM19との接続関係を示す図である。
【図4】誤り訂正部8の入出力を示す図である。
【図5】図3に示したストリーム多重分離装置の内部構成において、トランスポートパケットの入出力がどのように行われるかを示すタイミングチャートである。
【図6】(a) トランスポートストリームに含まれる複数のトランスポートパケットに対してフォーマット部17−フィルタ部18がフォーマット処理、フィルタリング処理を行うことにより、エレメンタリストリームの分割部分が各トランスポートパケットの本体フィールドから取り出されて、SD-RAM19内でビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームに統合される様子を示す図である。
(b) SD-RAM19内で統合されたビデオストリーム、オーディオストリーム、プライベートストリームをAVデコーダ22がSD-RAM19から読み出す様子を示す図である。
【図7】図3に示した構成要素のうち、特に本実施形態の主眼となる構成要素のみをピックアップした図である。
【図8】クロック供給制御部25の内部構成を示す図である。
【図9】(a)は、T型フリップフロップ30の入出力を示すタイミングチャートである。
(b)は、T型フリップフロップ35の入出力を示すタイミングチャートである。
【図10】クロック供給制御部25の制御によって、ヘッダ処理部13及び本体データ処理部16への同期クロック信号供給がどのように行われるかを示すタイミングチャートである。
【図11】ヘッダ処理部13の内部構成を示す図である。
【図12】比較器45がチューニング識別子との不一致を判定した場合のタイミングチャートである。
【図13】図12に示すような動作がクロック供給制御部25内で行われることによる同期クロック信号の供給を示す図である。
【図14】セクションフィルタがセクションフィルタリングを行ったために、本体処理終了時点804の経過を待たず、本体処理要否信号の通知時点904で本体処理要否信号が出力された場合を想定した図である。
【図15】第3実施形態に係るストリーム多重分離装置の内部構成を示す図である。
【図16】第3実施形態におけるストリーム多重分離装置に係るタイミングチャートである。
【図17】第3実施形態におけるクロック供給制御部25の内部構成を示す図である。
【図18】暗号解読部51への同期クロック信号の供給がどのように行われるかを示す図である。
【図19】第4実施形態に係るストリーム多重分離装置の内部構成を示す図である。
【図20】第1実施形態に示したT型フリップフロップ30〜ANDゲート36が第4実施形態においてn個のT型フリップフロップ30〜ANDゲート36に置き換えられた図である。
【図21】 n個の本体データ処理部への同期クロック信号の供給がどのように行われるかを示す図である。
【符号の説明】
8 誤り訂正部
9 クロック発生器
10 ストリーム前処理部
11 チャネルデータプロセッサ
12 外部インターフェイス
13 ヘッダ処理部
14 ヘッダプロセッサ
15 高速インターフェイス
16 本体データ処理部
17 フォーマット部
18 フィルタ部
20 DMAマネージャ
21 AVデコーダインターフェイス
22 AVデコーダ
23 マイコン
24 I/Oバスインターフェイス
25 クロック供給制御部
51 暗号解読部
53 本体データ第1処理部
54 本体データ第n処理部
Claims (24)
- 複数のエレメンタリストリームが時分割多重されたトランスポートストリームに対して多重分離を行うストリーム多重分離装置であって、
トランスポートストリームは、複数のトランスポートパケットを含み、
各トランスポートパケットは、複数のエレメンタリストリームを時分割して得られた分割部分を格納した本体フィールドを有しており、
前記ストリーム多重分離装置は、
同期クロック信号を供給する信号供給部と、
装置外部からトランスポートストリームを取り込むと共に、信号供給部により供給された同期クロック信号に同期にして、取り込んだトランスポートストリームに含まれるトランスポートパケットを順次転送するストリーム前処理部と、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの同期転送を開始すれば、信号供給部により供給された同期クロック信号に基づいたラッチ動作を行いながら、同期転送されたトランスポートパケットに含まれる本体フィールドを取り込んでゆき、本体フィールドの取り込みが完了すれば、当該本体フィールドに格納されている分割部分をトランスポートパケットから分離する本体データ処理部と、
本体データ処理部による分離処理が完了すれば、その完了時点において、本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その同期転送の開始時点から所定期間の経過後に本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる供給制御部と
を備えることを特徴とするストリーム多重分離装置。 - 前記ストリーム多重分離装置は、
トランスポートストリームに時分割多重されたエレメンタリストリームを系統毎に格納するための格納領域を複数有するメモリ装置が接続されており、
前記本体データ処理部は、
ストリーム前処理部から転送されたトランスポートパケットの本体フィールドのみを保持し、この本体フィールドに格納されている分割部分を取り出して、格納領域に系統毎に格納させるよう、当該分割部分の転送を行い、
前記供給制御部は、
本体データ処理部が分割部分の転送を完了した時点において、前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、ストリーム前処理部が後続するトランスポートパケットの転送を開始すれば、所定期間経過後に本体データ処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させる
ことを特徴とする請求項1記載のストリーム多重分離装置。 - トランスポートストリームに時分割多重された複数のエレメンタリストリームには、映像信号をエンコードして得られたビデオストリーム、音声信号をエンコードして得られたオーディオストリームがあり、
前記本体データ処理部が転送を行うことにより、前記メモリ装置に含まれる各格納領域には、前記ビデオストリーム及びオーディオストリームが形成され、
格納領域に形成されたビデオストリーム及びオーディオストリームは、専用のデコード装置を用いて再生される
ことを特徴とする請求項1又は2記載のストリーム多重分離装置。 - 前記トランスポートパケットは、その本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを示す識別子を格納したヘッダフィールドを有しており、
前記ストリーム多重分離装置は更に、
ストリーム前処理部からトランスポートパケットのヘッダフィールドが転送されれば、信号供給部により供給された同期クロック信号に基づいたラッチ動作を行いながら、同期転送されたトランスポートパケットに含まれるヘッダフィールドを取り込んでゆき、ヘッダフィールドの取り込みが完了すれば、当該ヘッダフィールドを解読して、当該トランスポートパケットの本体データに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを判定するヘッダ処理部を含み、
前記供給制御部は更に、
ヘッダ処理部が上記判定処理を完了した時点において、ヘッダ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、ストリーム前処理部が後続するトランスポートパケットの転送を開始すれば、ヘッダ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のストリーム多重分離装置。 - 前記トランスポートパケットには、その本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを示す識別子が本体フィールドに格納されており、
前記本体データ処理部は、
ストリーム前処理部から転送されたトランスポートパケットに含まれる本体フィールドの所定部分を分割部分として抽出するフォーマット部と、
複数の識別子が予め登録されており、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致するなら、メモリ装置の格納領域に格納させるよう当該分割部分の転送を行い、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致しないなら、当該分割部分を廃棄するフィルタリング部とを備え、
前記供給制御部は更に、
フィルタリング部が分割部分の転送を完了した時点において、前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のストリーム多重分離装置 - 前記ヘッダ処理部は、前記本体データ処理部の前段に接続されており、
前記供給制御部が本体データ処理部に同期クロック信号の供給を再開する際の所定期間は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点から、前段のヘッダ処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して判定処理を完了するまでの時間であり、
前記供給制御部は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点において同期クロック信号に基づいたカウント処理を開始するカウンタを備え、
カウンタのカウント値を参照することにより、上記所定期間の経過を監視する
ことを特徴とする請求項5記載のストリーム多重分離装置。 - トランスポートストリームは、トランスポートパケット間に無効データが挿入された状態で、ストリーム前処理部に取り込まれ、
前記供給制御部は、
ヘッダ処理部がヘッダに対する処理を完了すれば、その完了時点において、ヘッダ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、ストリーム前処理部が無効データ及び本体フィールドを転送している期間において、ヘッダ処理部への同期クロック信号供給を停止しており、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その同期転送の開始時点にヘッダ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させ、
本体データ処理部がトランスポートパケットに対する処理を完了すれば、その完了時点において、本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、ストリーム前処理部が無効データを転送している期間において、本体データ処理部への同期クロック信号供給を停止しており、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その開始時点から所定期間の経過後に本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる
ことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のストリーム多重分離装置。 - トランスポートストリームは、各トランスポートパケット間にパリティ符号が挿入された状態で伝送され、
前記ストリーム多重分離装置は、
トランスポートパケット間に挿入されたパリティ符号を用いて誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理結果としてパリティ符号が挿入されていた箇所に無効データが挿入されたトランスポートストリームを出力する誤り訂正処理装置と接続されており、
前記ストリーム前処理部は、
誤り訂正処理装置が出力した、誤り訂正処理結果であるトランスポートストリームを取り込む
ことを特徴とする請求項7記載のストリーム多重分離装置。 - 前記誤り訂正処理装置は、トランスポートストリームにおいてトランスポートパケットが現れている期間にアクティブ状態に設定され、ストリームにおいて無効データが現れている期間に非アクティブ状態に設定される有効区間信号と、トランスポートパケットの出力を開始したタイミングを示すパケット開始信号とを出力しており、
ストリーム前処理部は、
有効区間信号がアクティブ状態に設定されている期間のみ、前記ストリームを順次バッファに格納してゆき、
前記供給制御部は、
パケット開始信号及び有効区間信号に基づいて、ストリーム前処理部がトランスポートストリームの出力を開始する時点と、ヘッダ処理部及び本体データ処理部に同期クロック信号の供給を再開する時点とを特定し、ストリーム前処理部へのクロック供給を制御する
ことを特徴とする請求項8記載のストリーム多重分離装置。 - 前記ヘッダ処理部は更に、
所定のチューニングパターンを保持する保持部と、
トランスポートパケットのヘッダフィールドに格納された識別子が前記チューニングパターンに一致するか否かを判定し、一致する場合のみ本体データ処理部に、ヘッダフィールドに格納された識別子を通知する判定部とを備え、
前記供給制御部は、
識別子が前記チューニングパターンに一致しないと判定部が判定した時点で、本体データ処理部への同期クロック信号の供給を停止させる
ことを特徴とする請求項4記載のストリーム多重分離装置。 - 本体フィールドには、格納されている分割部分が暗号化されているものと、暗号化されていないものとがあり、
前記ヘッダ処理部は、
暗号解読を行うべき暗号解読対象の識別子を保持する保持部と、
ヘッダフィールドに格納された識別子が前記暗号解読対象の識別子に一致するか否かを判定する判定部とを備え、
前記ストリーム多重分離装置は更に、
判定部が一致すると判定した場合のみ、暗号化された分割部分を解読する解読処理部を含み、
前記供給制御部は更に、
分割部分の解読を完了した時点において、前記解読処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットについて、ヘッダ処理部に含まれる判定部が暗号解読対象との識別子の一致を判定すれば、当該解読処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させる
ことを特徴とする請求項4記載のストリーム多重分離装置。 - 前記ヘッダ処理部は、前記解読処理部の前段に接続され、本体データ処理部は、前記解読処理部の前段に接続されており、
前記供給制御部が解読処理部に同期クロック信号の供給を再開するまでの所定期間は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点から、前段のヘッダ処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して判定処理を完了するまでの時間であり、
前記供給制御部が本体データ処理部に同期クロック信号の供給を再開するまでの所定期間は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点から、前々段のヘッダ処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して判定処理を完了し、前段の解読処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して解読処理を完了するまでの時間であり、
前記供給制御部は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点において同期クロック信号に基づいたカウント処理を開始するカウンタを備え、
カウンタのカウント値を参照することにより、前記2つの所定期間の経過を監視する
ことを特徴とする請求項11記載のストリーム多重分離装置。 - トランスポートストリームは、トランスポートパケット間に無効データが挿入された状態で、ストリーム前処理部に取り込まれ、
前記供給制御部は、
前記解読処理部が分割部分に対する解読処理を完了すれば、その完了時点において、解読処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、ストリーム前処理部が無効データを転送している期間において、解読処理部への同期クロック信号供給を停止しており、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その同期転送の開始時点に解読処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させ、
本体データ処理部がトランスポートパケットに対する処理を完了すれば、その完了時点において、本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、ストリーム前処理部が無効データを転送している期間において、本体データ処理部への同期クロック信号供給を停止しており、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その開始時点から所定期間の経過後に本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる
ことを特徴とする請求項12記載のストリーム多重分離装置。 - トランスポートストリームは、各トランスポートパケット間にパリティ符号が挿入された状態で伝送され、
前記ストリーム多重分離装置は、
トランスポートパケット間に挿入されたパリティ符号を用いて誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理結果としてパリティ符号が挿入されていた箇所に無効データが挿入されたトランスポートストリームを出力する誤り訂正処理装置と接続されており、
前記ストリーム前処理部は、
誤り訂正処理装置が出力した、誤り訂正処理結果であるトランスポートストリームを取り込む
ことを特徴とする請求項13記載のストリーム多重分離装置。 - 前記誤り訂正処理装置は、トランスポートストリームにおいてトランスポートパケットが現れている期間にアクティブ状態に設定され、ストリームにおいて無効データが現れている期間に非アクティブ状態に設定される有効区間信号と、トランスポートパケットの出力を開始したタイミングを示すパケット開始信号とを出力しており、
ストリーム前処理部は、
有効区間信号がアクティブ状態に設定されている期間のみ、前記ストリームを順次バッファに格納してゆき、
供給制御部は、
パケット開始信号及び有効区間信号に基づいて、ストリーム前処理部がトランスポートストリームの出力を開始する時点と、ヘッダ処理部、解読処理部及び本体データ処理部に同期クロック信号の供給を再開する時点とを特定し、ストリーム前処理部へのクロック供給を制御する
ことを特徴とする請求項14記載のストリーム多重分離装置。 - 前記トランスポートパケットには、その本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを示す識別子が本体フィールドに格納されており、
前記本体データ処理部は、
ストリーム前処理部から転送されたトランスポートパケットの本体フィールドの所定部分を分割部分として抽出するフォーマット部と、
複数の識別子が予め登録されており、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致するなら、メモリ装置の格納領域に格納させるよう当該分割部分の転送を行い、本体フィールドに格納されている識別子が当該複数の識別子の何れかに一致しないなら、当該分割部分を廃棄するフィルタリング部とを備え、
前記供給制御部は、
分割部分が予め登録されている複数の識別子の何れにも一致しないため、フィルタリング部が当該分割部分を廃棄した時点で、本体データ処理部への同期クロック信号の供給を停止させる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のストリーム多重分離装置。 - 前記本体データ処理部は、
共通の本体データに対して相異なる処理を行う本体データ処理部を複数有しており、
前記ヘッダ処理部は、
ヘッダフィールドに格納された識別子に基づいて、複数の本体データ処理部のうち、何れのものに本体データを処理させるかを決定する決定部とを備え、
前記供給制御部は、
ヘッダ処理部内の決定部が何れかの本体データ処理部を決定すれば、決定されなかった本体データ処理部への前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、決定された本体データ処理部が処理を完了すれば、当該選択部への同期クロック信号の供給を停止させて、ストリーム前処理部がストリーム前処理部が後続するトランスポートパケットの転送を開始すれば、各本体データ処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させる
ことを特徴とする請求項4記載のストリーム多重分離装置。 - 複数のエレメンタリストリームが時分割多重されたトランスポートストリームに対して多重分離を行うストリーム多重分離装置であって、
トランスポートストリームは、複数のトランスポートパケットを含み、
各トランスポートパケットは、その本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを示す識別子を格納したヘッダフィールドと、複数のエレメンタリストリームを時分割して得られた分割部分を格納した本体フィールドとを有しており、
同期クロック信号を供給する信号供給部と、
装置外部からトランスポートストリームを取り込むと共に、信号供給部により供給された同期クロック信号に同期にして、取り込んだトランスポートストリームに含まれるトランスポートパケットを順次転送するストリーム前処理部と、
ストリーム前処理部が転送したトランスポートパケットのヘッダフィールドを判定することにより、本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを判定するヘッダ処理部と、
同じトランスポートパケットの本体フィールドに格納されている分割部分をトランスポートパケットから分離する本体データ処理部とを備え、
前記ヘッダ処理部又は本体データ処理部は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの同期転送を開始すれば、信号供給部により供給された同期クロック信号に基づいたラッチ動作を行いながら、同期転送されたトランスポートパケットに含まれるヘッダフィールド又は本体フィールドを取り込んでゆき、ヘッダフィールド又は本体フィールドの取り込みが完了すれば、各自の処理を行い、
前記ストリーム多重分離装置は、
ヘッダ処理部又は本体データ処理部による分離処理が完了すれば、その完了時点において、ヘッダ処理部又は本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その同期転送の開始時点又はその同期転送の開始時点から所定期間の経過後にヘッダ処理部又は本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる供給制御部を
備えることを特徴とするストリーム多重分離装置。 - 前記ヘッダ処理部は、前記本体データ処理部の前段に接続されており、
前記供給制御部が本体データ処理部に同期クロック信号の供給を再開する際の所定期間は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点から、前段のヘッダ処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して判定処理を完了するまでの時間であり、
前記供給制御部は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点において同期クロック信号に基づいたカウント処理を開始するカウンタを備え、
カウンタのカウント値を参照することにより、上記所定期間の経過を監視する
ことを特徴とする請求項18記載のストリーム多重分離装置。 - 前記ヘッダ処理部は更に、
所定のチューニングパターンを保持する保持部と、
トランスポートパケットのヘッダフィールドに格納された識別子が前記チューニングパターンに一致するか否かを判定し、一致する場合のみ本体データ処理部に、ヘッダフィールドに格納された識別子を通知する判定部とを備え、
前記供給制御部は、
識別子が前記チューニングパターンに一致しないと判定部が判定した時点で、本体データ処理部への同期クロック信号の供給を停止させる
ことを特徴とする請求項18又は19記載のストリーム多重分離装置。 - 複数のエレメンタリストリームが時分割多重されたトランスポートストリームに対して多重分離を行うストリーム多重分離装置であって、
トランスポートストリームは、複数のトランスポートパケットを含み、
各トランスポートパケットは、複数のエレメンタリストリームを時分割して得られた分割部分を格納した本体フィールドと、本体フィールドに格納されている分割部分が暗号化されているか否かを示す識別子を格納したヘッダフィールドとを有しており、
同期クロック信号を供給する信号供給部と、
装置外部からトランスポートストリームを取り込むと共に、信号供給部により供給された同期クロック信号に同期にして、取り込んだトランスポートストリームに含まれるトランスポートパケットを順次転送するストリーム前処理部と、
ストリーム前処理部が転送したトランスポートパケットのヘッダフィールドを解析して、本体フィールドに格納されている分割部分が暗号化されているか否かを判定するヘッダ処理部と、
ヘッダ処理部が暗号化されていると判定した場合のみ、暗号化された分割部分を解読する解読処理部と、
暗号化が解読された分割部分に対して多重分離処理を行う本体データ処理部とを備え、
前記解読処理部は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの同期転送を開始すれば、信号供給部により供給された同期クロック信号に基づいたラッチ動作を行いながら、同期転送されたトランスポートパケットに含まれる本体フィールドを取り込んでゆき、本体フィールドの取り込みが完了すれば、前記解読処理を行い、
前記ストリーム多重分離装置は、
解読処理部による処理が完了すれば、その完了時点において、解読処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットについて、分割部分が暗号化されている旨をヘッダ処理部が判定すれば、当該解読処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させる供給制御部
を備えることを特徴とするストリーム多重分離装置。 - 前記供給制御部は更に、
ヘッダ処理部又は本体データ処理部による分離処理が完了すれば、その完了時点において、ヘッダ処理部又は本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、後続するトランスポートパケットの同期転送がストリーム前処理部により開始されれば、その同期転送の開始時点又は当該開始時点から所定期間の経過後にヘッダ処理部又は本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を再開させる
ことを特徴とする請求項21記載のストリーム多重分離装置。 - 前記ヘッダ処理部は、前記解読処理部の前段に接続され、本体データ処理部は、前記解読処理部の前段に接続されており、
前記供給制御部が解読処理部に同期クロック信号の供給を再開するまでの所定期間は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点から、前段のヘッダ処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して判定処理を完了するまでの時間であり、
前記供給制御部が本体データ処理部に同期クロック信号の供給を再開するまでの所定期間は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点から、前々段のヘッダ処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して判定処理を完了し、前段の解読処理部が当該トランスポートパケットを取り込んで、当該トランスポートパケットのヘッダフィールドに対して解読処理を完了するまでの時間であり、
前記供給制御部は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの転送を開始する開始時点において同期クロック信号に基づいたカウント処理を開始するカウンタを備え、
カウンタのカウント値を参照することにより、前記2つの所定期間の経過を監視する
ことを特徴とする請求項22記載のストリーム多重分離装置。 - 複数のエレメンタリストリームが時分割多重されたトランスポートストリームに対して多重分離を行うストリーム多重分離装置であって、
トランスポートストリームは、複数のトランスポートパケットを含み、
各トランスポートパケットは、その本体フィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを示す識別子を格納したヘッダフィールドと、複数のエレメンタリストリームを時分割して得られた分割部分を格納した本体フィールドとを有しており、
同期クロック信号を供給する信号供給部と、
装置外部からトランスポートストリームを取り込むと共に、信号供給部により供給された同期クロック信号に同期にして、取り込んだトランスポートストリームに含まれるトランスポートパケットを順次転送するストリーム前処理部と、
ストリーム前処理部が転送したトランスポートパケットのヘッダフィールドに格納されている分割部分がどのエレメンタリストリームを分割して得られたものかを判定する処理を行うヘッダ処理部と、
同じトランスポートパケットの本体フィールドに格納されている分割部分に対して、互いに相異なる多重分離処理を行う複数の本体データ処理部とからなり、
前記ヘッダ処理部及複数の本体データ処理部は、
ストリーム前処理部がトランスポートパケットの同期転送を開始すれば、信号供給部により供給された同期クロック信号に基づいたラッチ動作を行いながら、同期転送されたトランスポートパケットに含まれるヘッダフィールド又は本体フィールドを取り込んでゆき、ヘッダフィールド又は本体フィールドの取り込みが完了すれば、各自の処理を行い、
前記ヘッダ処理部は、
ヘッダフィールドに格納された識別子に基づいて、複数の本体データ処理部のうち、何れのものに本体データを処理させるかを決定する決定部を備え、
前記ストリーム多重分離装置は、
ヘッダ処理部内の決定部が何れかの本体データ処理部を決定すれば、決定されなかった本体データ処理部への前記本体データ処理部への前記同期クロック信号の供給を停止させ、決定された本体データ処理部が処理を完了すれば、当該本体データ処理部への同期クロック信号の供給を停止させて、ストリーム前処理部がストリーム前処理部が後続するトランスポートパケットの転送を開始すれば、各本体データ処理部に前記同期クロック信号の供給を再開させる前記供給制御部を備える
ことを特徴とするストリーム多重分離装置。
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