JP4255850B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

本願発明は椅子に関するものである。
椅子の一種類として座が水平回転する回転椅子がある。この回転椅子には、背もたれを備えているものと背もたれを備えていないものとがある。
背もたれを備えている回転椅子では座の平面形状は略正方形に形成されており、事務用椅子のように長時間の着座に適している。そして、背もたれが存在することから人が着座するに当たっての人と椅子との相対的な平面姿勢は常に一定になっている。この背もたれ付き椅子では、オプションで肘掛け装置を取付けできるようになっているものが多い。
他方、背もたれを備えていない回転椅子は、短時間だけ使用する場合や、着座・離席の便宜を優先させる必要がある場合、或いは背もたれがあると作業の邪魔になるような使用環境で使用されることが多く、例えば、病院の診察室で患者や看護婦さんが腰掛ける椅子として使用されたり、パチンコ店等の遊戯店で使用されたりしている。この背もたれ無し回転椅子の座は、どのように回転させても方向性無く人が同じ状態で着座できるように平面視で円形(真円形)に形成されている。
背もたれ付きの椅子はもとより、背もたれ無しの椅子においても従来は座り心地の向上が大きな課題となっており、椅子メーカーでは、長い時間腰掛け続けても疲れない構造の開発に注力されていた。勿論、椅子において座り心地は重要なことであり、従って、開発資源が座り心地の向上に振り向けられていたのはしごく当然のことであり、その意義は今も失われてはいない。
ところで、近年、人のワーキングスタイルに大きな変貌が見られる。すなわち、個人がオフィスに専用の机や椅子とを持たないフリーアドレス方式(ノンテリトリアル方式)の広がりや、グループがミーティングを通じて企画を推進するプロジェクト方式の拡大、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)に見られる個人化・小規模化の広がり、同業の個人同士が頻繁に会って協力しあいながら事業を進めるネットワーク方式業態の進展、会社内で社員が独立した業務を行う会社内企業の広がりなどである。
このようなワーキングスタイルの変貌の背景には個人の自由尊重という流れがあり、個人の自由の尊重とコミュミケーションの深化とが絡み合って人の創造力が高まり、その結果、ワーカーの満足度と生産性との両方を高め得ると解される。そして、個人の自由の保証やコミュニケーション深化のためにはリラックスした自由な雰囲気が必要であり、椅子はそのような雰囲気作りに貢献できるものでなくてはならない。
本願発明は、椅子に課せられたこのような現代的要請に応えることを主たる課題とするものである。
既述のように、従来の回転椅子の座は略正方形か円形の平面形状に形成されており、着座者が安定よく腰掛けできるように配慮されている。この点について本願発明者は検討を加え、リラックスした雰囲気を形成するには座り心地や安定性よりも使用形態の多彩さやデザインを優先させるべきではないかと考え、そして本願発明を完成させるに至った。
本願の請求項1の発明に係る椅子は、脚支柱を有する脚と、前記脚支柱で支持された座とを備えており、前記座は、平面視で長手方向と幅方向とが存在する細長い形状であると共に、平面視において前記脚支柱を中心にして公転しつつ前記脚支柱の中心から偏心した部位を中心に自転するように脚支柱で支持されている
請求項2の発明では、請求項1において、前記座は、その長手方向の中間部を中心にして自転するように脚で支持されている。また、より好適な形態として、請求項3の発明では、請求項1又は2において、前記座の平面形状は、くびれ部を挟んだ両側に半円状部が連続する瓢箪形になっている。
本願発明において、座は細長い平面形状であるにも拘らず方向性はなく、人が着座するに当たって座の平面姿勢を選択することができる。すなわち、平面視で長手中心線が着座者の左右方向に向く姿勢としたり、着座者の前後方向に向く姿勢にしたりすることができる。
また、座をその長手中心線が着座者の前後方向に向く姿勢にした場合は、平面視で座の縁部が股下に位置する状態で腰掛けたり、馬乗りのように跨がった状態で腰掛けたりすることができる。
このように着座するに当たって座の平面姿勢を選択できるため、好みに合わせて座の姿勢を変えたりミーティングの相手によって座の姿勢を変えたりというように、使用態様を選択することができる。このような使用態様の多彩さと従来の発想を破った斬新な形態とにより、リラックスした自由な雰囲気の形成に貢献することができる。
請求項3のように座の平面形状を瓢箪形に形成すると、人が跨がるように着座するにおいて、人の太股をくびれ部に位置させることにより、両股を広げやすくできて好適であった。
実施形態に記載したように補助体を設けると、例えば補助体に肘当て機能を保持せしめて、片肘を補助体に当ててリラックスした状態で腰掛けたり、或いは、座に馬乗り状態で腰掛けて補助体に両腕を載せたりというように、より多彩な使用方法を選択することができる。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(1).第1実施形態(図1〜図13)
図1〜図13では第1実施形態を示している。まず、図1〜図4に基づいて椅子の概要を説明する。図1は概略斜視図、図2は側面図、図3は平面図、図4は正面図である。
(a).概要
椅子は、脚支柱の一例としてのガスシリンダ1を備えた脚2と、ガスシリンダ1で支持される座3と、肘当て及び小テーブル並びに背もたれとして機能する略板状の補助体4と、補助体4が取り付くフレーム5とを備えている。脚2は放射状に延びる複数本の枝足を備えており、各枝足の先端にはキャスター6を設けている。
フレーム5は水平部5aと起立部とを有する側面視で略L形に形成されており、フレーム5の水平部5aがガスシリンダ1における昇降筒7の上端に受け部材8を介して固定されている。従って、フレーム5及び補助体4はガスシリンダ1の軸心を中心にして水平旋回する。本実施形態ではフレーム5は中空角形に形成しているが、中空円形等の他の断面形状でも良い。
座3の平面形状は、くびれ部3aを挟んだ両側に半円状部3aが連続して細長い瓢箪形に形成されており、その中間部がフレーム5の水平部5aに水平回転自在に取付けられている。この場合、座3はガスシリンダ1の軸心から水平方向にある程度の寸法だけ偏心させた状態で取付けている。従って、座3はその中間部を中心にして自転すると共に、ガスシリンダ1の周りを公転する。また、座3の下面には、ガスシリンダ1のプッシュバルブを操作するための昇降用レバー9を設けている(座3や昇降用レバー9の取付け構造は後述する)。
本実施形態の補助体4は、平坦面を有することにより、肘当て機能と物品載置機能(小テーブル機能)とを備えており、また、背もたれ機能も備えている。そして、座3と同様に、くびれ部4aとその両側の半円状部4bとが連続した細長い瓢箪形になっている。また、補助体4はフレーム5の上端に取付けた継手10に取付けられており、平坦面を上向きにした水平姿勢と平坦面を傾斜状又は鉛直状にした倒れ姿勢とに姿勢を選択的に保持できるようになっている。
また、補助体4は平坦面と直交する方向に延びる軸線回りに回転するように継手10に取付けられている。従って、平坦面を上向きにした姿勢で補助体4は水平回転し得る。補助体4の裏面(下面)には、当該補助体4を水平姿勢と倒れ姿勢とに変更するに際してロックを解除するための傾動用レバー11を配置している。
補助体4のくびれ部4aは、おおよそ一般成人の背中に沿う程度の曲率に設定している。また、座3と補助体4とは殆ど同じ大きさに設定している(厳密には、補助体4を座3よりも僅かに小さくしている)。座3の回転中心(自転の中心)と補助体4の回転中心との間隔は一定であり、本実施形態では、例えば300mm前後に設定している。
上述の説明から理解できるように、座3はその中央部を中心にして回転自在である(自転する)一方、補助体4もガスシリンダ1の軸心回りに水平旋回自在でかつ中央部を中心にして水平旋回自在である(公転する)ため、座3と補助体4とは無数の姿勢の組合せを実現できる。また、図2に一点鎖線で示すように補助体4を倒れ回動させることにより、補助体4を通常の背もたれと同様に使用できる。
補助体4は倒れ回動させた状態でも平坦面と直交する線の回りに回転させ得るので、図4に一点鎖線で示すように上下に長い状態で倒れ回動させることと、左右方向に長い姿勢で倒れ回動させることとの両方を選択できる。
(b).座3及び昇降用レバーの取付け構造
次に、座3及び昇降用レバー9の取付け構造の具体例を図5〜図8に基づいて説明する。図5は縦断側面図、図6は図5のVI−VI視断面図、図7は図5の VII-VII視断面図、図8は図6のVIII−VIII視図である。
図5に示すように、座3は合板等の基板13にクッション材14を張ってこれを表皮材で覆った構造になっており、基板13の中間部に形成した下向きの凹所15内に中空状のボス体16をビス止め等によって固着する一方、フレーム5の水平部5aにはボス体16が回転自在に嵌まる中空状の軸受け17を溶接等によって固着している。ボス体16には、軸受け17の上端面に当接又は密接するフランジ16aを形成している。
ボス体16のフランジ16aはキャップ18で覆われており、キャップ18は軸受け17に固定されている。このため、ボス体16と軸受け17とは離脱不能に保持され、従って、座3を持ち上げてもフレーム5から外れることはない。キャップ18を軸受け17に固定する方法としては、キャップ18を軸受けにねじ込んだり、キャップ18を横向きのビスで軸受け17に締結するなどしたら良い。
昇降用レバー9は一対あって座3の長手方向に沿って延びるように配置されており、一端部はボス体16に入り込んでいる。このためボス体16には昇降用レバー9が挿入される切欠き19を形成している。また、昇降用レバー9はボス体16に近い位置を中心にして回動し得るように支持部材20にピン21で止められている。昇降用レバー9の外端部には合成樹脂製等の保護体22を装着している。
フレーム5の内部には、ガスシリンダ1のプッシュバルブ23を押圧操作するためのテコ体24が配置されている。テコ体24のうちプッシュバルブ23に対する当接部と反対側の端部は例えば保護エッジ25に水平状のピン26で軸支されており、このピン26を中心にしてテコ体24が下向き回動するとプッシュバルブ23が押されてガスシリンダ1のロックが解除される。
テコ体24には、軸受け17及びボス体16の内部において上下方向に延びる中間部材27が固定されており(中間部材27は昇降用レバー9又はテコ体24に一体に設けても良い)、昇降用レバー9に手を当てて上向きに起こすと、中間部材27を介してテコ体24が回動してガスシリンダ1のロックが解除される。昇降用レバー9は座3と一体に回転するので、座3をどのような姿勢にしても高さを調節できる。
ところで、座3が適当な角度間隔(例えば60度間隔や90度間隔)で軽くロックされるようにして欲しいという要望が想定される。すなわち、座3の回転姿勢を間欠的に保持できると共に、ある程度の力を掛けると回転させ得るようにキッャチ機能を付加して欲しいとうい要望が想定される。
このような要望に応える構造の一例を図9に示している。すなわちこの例では、ボス体16の外周面のうち軸受け17と対向する箇所にボール28が部分的に嵌まるキャッチ穴29を円周方向に沿って複数個形成する一方、軸受け17には、ボール28が貫通する横穴を設けてこれにボール28とばね30とを配置して、更に、ばね30はねじ31で抜け不能に保持している。
この例では、ボール28がキャッチ穴29に嵌まることによって座3の姿勢が保持され、かつ、ある程度の回転力をかけると座3はボール28をばね30に抗して押し戻して回転しうる。座3の姿勢保持手段としてはこのようなボールキャッチ方式には限らず、板ばねを係合溝に係脱させるなど、様々の方式を採用することができる。座3の回転に対してある程度の摩擦抵抗を付与しておくことにより、任意の姿勢に保持できるようにすることも可能である。
(c).補助体4の取付け構造
補助体4の取付け構造の一例を図10〜図12に示している。図10は図1の X-X視断面図、図11は図10のXI−XI視断面図、図12は図10のXII-XII 視断面図である。
補助体4は継手10を介してフレーム5の上端部に取付けられている。継手10はフレーム5の左右外側に位置した足部10aと補助体4の肉厚部内に入り込む円形部10bとを備えており、足部10aは左右長手の支軸33でフレーム5の上端部に軸支されている。フレーム5の上端部のうち手前側の部分は継手10が手前側に倒れ回動し得るように切欠かれている。また、円形部10bが上向きとなるように継手10を起こすと、その後端部がフレーム5の背面部上端に当たって起こし姿勢が画定されるようになっている。
補助体4は座3と同様に合板等の基板34にクッション材35を張った構造であり、基板34の中央部に円形の格納穴36を形成し、この格納穴36に嵌め込んだ押さえ部材37に継手10の円形部10bを嵌め入れることにより、補助体4が継手10における円形部10bの軸心回りに回転し得るように設定している。押さえ部材37は基板34にビスで固定されている。
また、継手10の円形部10bには段部38を形成する一方、押さえ部材37には段部38に嵌まる内向きフランジ37aを形成することにより、補助体4を継手10から抜け不能に保持している。継手10の円形部10bと補助体4の押さえ部材37とには、補助体4の回転角度を段階的に保持するため、図9と同様のボールキャッチ式保持手段を設けている。
本実施形態のように補助体4を水平姿勢と倒れ姿勢とに姿勢変更できるように構成した場合、補助体4はその選択した姿勢を保持できることが好ましい。特に、補助体4を肘当てとして使用したり小テーブルとして使用したりする場合、不安定であると肘当てや小テーブルの機能を果たさないため、少なくとも水平状の姿勢にはロックできることが好ましい。本実施形態ではこの点にも配慮してロック機構を設けている。
ロック機構は、フレーム5の内部において支軸33に嵌まるように配置したブロック体39と、ブロック体39の外周面に設けた係合穴40に外側から嵌脱する係合ピン41と、係合ピン41を操作する傾動用レバー11とを備えている。ブロック体39はフレーム5にビス止め等の適宜手段で回転不能に固定されており、係合穴40は、補助体4が水平姿勢のときと大きく前傾した姿勢のときとにおいて係合ピン41が選択的に嵌脱するように2個空いている。
係合ピン41は丸棒状あり、継手10の円形部10bに摺動可能及び回転可能に嵌まっている。また、補助体4の基板34には格納穴37を上方から塞ぐように上部受け体42が配置されており、上部受け体42には、継手10の円形部10bとスラスト接触する下向きの筒部42aを形成すると共に、係合ピン41を昇降自在に保持する二つ割り状のガイド体43を形成している。係合ピン41はガイド体43の内部に配置したばね44で下向きに付勢されている。
傾動用レバー11の一端部は係合ピン41に横方向から嵌入しており、傾動用レバー11の他端部は上部受け体42と押さえ部材37とを貫通して外側に延びており、他端部はピン45で基板34に取付けられている。このため、傾動用レバー11の回動により、係合ピン41は継手10の係合穴40に係脱する(なお、上部受け体42のガイド体43は、傾動用レバー11の回動を貫通を許容するため二つ割り状になっている)。
図12に示すように、上部受け体42と押さえ部材37とには、傾動用レバー11が貫通するのを許容するための切欠き46が形成されている。また、基板34には傾動用レバー11を露出させるための溝穴47が下向きに開口しており、傾動用レバー11には樹脂製等の指掛け部11aを設けている。傾動用レバー11は、補助体4のくびれ部3aを横切るような姿勢で配置されている。実施形態では傾動用レバー11は1本だけであるが、係合ピン41を挟んだ両側に延びるように2本配置しても良い。また、補助体4の長手方向に延びるように配置しても良いことは言うまでもない。
傾動用レバー11は継手10の円形部10bに干渉しないように配置されており、従って、傾動用レバー11の存在にかかわりなく、補助体4を自在に回転させることができる。また、人が指掛け部11aを押して傾動用レバー11を回動させると、係合ピン41は継手10の係合穴40から離脱してロックが解除される。
本実施形態では補助体4は水平姿勢と大きく前傾した姿勢との2つの姿勢にロックされるが、3段階以上の姿勢を選択してロックできるようにすることも可能である。また、水平姿勢だけロックできるように設定しても良い。更に、ロック手段は図示の態様には限らず、ギア状係合体を使用するなど、様々の態様を選択することができる。
補助体4を所望の姿勢にロックして回転不能に保持する水平姿勢ロック機構を設けても良い(もちろん、レバーやボタンでロックは解除される)。なお、座3及び補助体4は、樹脂製や金属板製の基板にクッション材を張った構造としたり、合板等のみでクッション材を備えない構造とするなど、様々の構造を採用することができる。
(d).椅子の使用例
本願実施形態の椅子は様々の使用態様を選択することができる。その例を図13に示している。(A)に示す使用例では、補助体4を水平姿勢でかつ座3と平行に配置して、人は補助体4の端面に背を当てて腰掛けている。すなわち補助体4を背もたれとして使用している。くびれ部3aの曲率が大きいため、このような使用態様も選択できる。
この場合、一点鎖線で示すように両肘又は片肘を後ろにやって補助体4に載せること、すなわち、補助体4を背もたれと肘当てとの両方の用途使うことも可能である。
補助体4を背もたれとして使用する場合は、図2に一点鎖線で示すように補助体4を倒し回動させても良い。この場合、補助体4は上下に長い姿勢としても良いし、左右方向に長い姿勢としても良く、使用者の好みに応じて選択したら良い。
(A)に示す例では、補助体4を水平姿勢にすると共に着座者の横に移動させることにより、補助体4を肘当て(脇息)として使用している。補助体4を肘当てとして使用する場合、補助体4は着座者の横に位置させることには限らず、例え補助体4を着座者の前に移動させて、両肘を補助体4に当てることも可能である。
(C)(D)に示す例では、補助体4を水平姿勢にして小テーブルとして使用しており、メモを取ったりノート型パソコンPを使用したりすることができる。勿論、ミーティングや打ち合わせ等における資料の載置台として使用することもできる。
(E)に示す例では、補助体4と座3を平面視手略T形の相対姿勢として、人は補助体4を正面にして座3に跨がった状態で腰掛けている。補助体4は小テーブルとして使用することもできるし、肘当てとして使用することもできる。両肘を補助体4に当ててうつ伏せ姿勢を取り、休憩することも可能である。もちろん、このような姿勢でミーティングをすることも可能である。実施形態のように座3が瓢箪形になっていると人は脚を広げ易いため、座3に楽な状態で跨がることができる。
(F)に示す例では、補助体4を着座者の前方に長く延びる姿勢にしている。補助体4は小テーブルとしても肘当てとしても使用できる。
ところで、例えば座3に馬乗り状に腰掛ける場合、やや膝を伸ばした中腰のような状態だと安定がよい場合がある(特に、カウンターのような比較的高さの高い家具に両腕をのせてくつろぎながら話をする場合など)。この場合、座3の高さが高い方が好ましい。そこで、ガスシリンダ1はストロークが通常の事務用椅子よりも長いもの(例えば150mm程度)を使用すると、座3の高さを高くすることができて好適である。
(2).第2実施形態(図14)
ところで、人の身長や座高は様々であり、補助体4を自分の身長や座高に応じた高さに設定したいという要望がある。また、例えば、パソコンを使用するときは低めの高さにし、両肘を当ててうつ伏せ状態でリラックスしたい場合は高い高さにしたいというように、使用目的によって補助体4の高さを異ならせたいという要望もある。
このような要望には、補助体4を高さ調節できる構造とすることによって応えることができる。その具体例の1つを図14で第2実施形態として示している。(A)は部分的な側面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
この実施形態では、フレーム5の支柱部を内筒5bとこれに摺動自在に嵌まった昇降筒5cとで伸縮式に構成し、かつ、昇降筒5cにはロック操作ボタン48を設けている。詳細な構造は省略するが、内筒5bにはボタン48が係脱する係合穴49を上下方向に飛び飛び状に多数形成している。ボタン48は回動式であり、(A)に矢印で示すように押すとロックが解除される。言うまでもないが、高さ調節手段は図示のものに限らず、様々の構造を採用することができる。
(3).第3実施形態(図15)
図15では第3実施形態を示している。(A)は部分的な側面図、(B)は(A)のB−B視断面図であり、この実施形態では、フレーム5の水平部5aを水平状の支持体51に摺動可能に嵌め入れると共に、操作ボタン52を設けた調節機構を設けることにより、補助体4の回動半径を調節できるようにしている。支持体51及びフレーム5は断面小判形に形成している。
このため、補助体4の水平位置を体格や好み等に応じて調節することができ、使い勝手を向上できる。なお、補助体4は補助体4の旋回半径を調節できることに加えて、第2実施形態と同様に高さも調節できるようにすることも可能である。
(4).第4〜第実施形態(図16)
図16では第4〜第実施形態を示している。これらは座3と補助体4との平面形状の別例であり、このうち(A)に示す第4実施形態では補助体4を円形に形成しており、(B)に示す第5実施形態ては補助体4を略長方形(四角形)に形成しており、(C)に示す第6実施形態では座3を長円形(小判形)に形成している。
(D)に示す第7実施形態では座3を楕円形に形成している。
(5).実施形態(図17
図18に示す第13実施形態では、補助体4を蝶番又はリンク(何れも図示せず)によって折り畳み式にしている。このため、小テーブルとして使用するにおいて使い勝手が良い。なお、2つの部材の互いに重なり合う面は合板や樹脂板のような硬質材とし、折り畳んだ状態で上面となる部分にはクッション材を張ると、使い勝手が良くて好適である。
上記の各実施形態は互いに組み合わせることが可能である。また、本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。
第1実施形態に係る椅子の概略斜視図である。 側面図である。 平面図である。 正面図である。 縦断側面図である。 図5のVI−VI視断面図である。 図5の VII-VII視断面図である。 図6のVIII−VIII視図である。 座の支持構造の別例を示す断面図である。 図1の X-X視断面図である。 図10のXI−XI視視断面図である。 図10のXII-XII 視断面図である。 椅子の使用例を示す概略平面図である。 第2実施形態を示す図である。 第3実施形態を示す図である。 第4〜第実施形態を示す図である。 実施形態を示す図である。
符号の説明
1 脚支柱の一例としてのガスシリンダ
3 座
3a くびれ部
3b 半円状部
4 補助体
5 フレーム
9 昇降用レバー
10 継手
11 傾動用レバー
16 ボス体
17 軸受け

Claims (3)

  1. 脚支柱を有する脚と、前記脚支柱で支持された座とを備えており、前記座は、平面視で長手方向と幅方向とが存在する細長い形状であると共に、平面視において前記脚支柱を中心にして公転しつつ前記脚支柱の中心から偏心した部位を中心に自転するように脚支柱で支持されている、
    椅子。
  2. 前記座は、その長手方向の中間部を中心にして自転するように脚で支持されている、
    請求項1に記載した椅子。
  3. 前記座の平面形状は、くびれ部を挟んだ両側に半円状部が連続する瓢箪形である、
    請求項1又は2に記載した椅子。
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