JP4254269B2 - 偏光板の製造方法、偏光板、液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光板保護フィルムとそれを用いた偏光板及び液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏光板の耐久性向上のために、偏光板保護フィルムとしてセルロースエステルの代わりに、ポリエチレンテレフタレートを用いることが知られているが、偏光子との接着性が悪いため十分な機能を発揮することができなかった。
【0003】
その問題を改良するため、ポリ乳酸を偏光板保護フィルムとして用いる発明が、特開2000−1551号公報、特開2002−82223号、同2001−64422号、同2001−337201号、同2002−179835号の各公報において提案されている。
【0004】
しかしながら、前記ポリ乳酸を主成分とするフィルムであっても、特にポリビニルアルコールを主成分とする偏光子と接着させて偏光板を作製した場合、高温高湿時の保存性が充分でなく、経時で剥がれてしまい、偏光度が劣化してしまうという欠点は完全には解決されていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−1551号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−82223号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2001−64422号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2001−337201号公報
【0009】
【特許文献5】
特開2002−179835号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされた。
【0011】
即ち、本発明の目的は、偏光子と接着させて偏光板を作製した場合、高温高湿時の保存性が高く、経時で剥がれることなく、偏光度が低下しない偏光板保護フィルムとそれを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、疎水性セルロースエステルを主成分とする層であれば、高温高湿における保存においても、優れた接着性の得られることを見出した。特にポリ乳酸又はその誘導体を主成分とする層に対して有効であることを見出し本発明に至った。
【0013】
〔1〕ポリ乳酸又はその誘導体を主成分とする層を少なくとも1層有する偏光板保護フィルムを有する偏光板の製造方法であって、該偏光板保護フィルムの少なくとも一方の最外層に疎水性セルロースエステルを主成分とする層を設け、次いでケン化処理し、その後該疎水性セルロースエステルを主成分とする層と偏光子とを接着することを特徴とする偏光板の製造方法。
【0014】
〔2〕前記(1)に記載の偏光板の製造方法で製造したことを特徴とする偏光板。
【0015】
〔3〕液晶セルを挟む偏光板のうち少なくとも一方が前記(2)に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成要件、実施態様、本発明の実施にあたって使用されてもよい化合物等につき説明する。
【0018】
〔疎水性セルロースエステルとそれを主成分とする層〕
本発明における疎水性セルロースエステルとは(1g/100gの水)以下の溶解度であるセルロースエステルをいう。
【0019】
疎水性セルロースエステルは、セルロースの水酸基を炭素数2〜5のアシルオキシ基で置換された置換度1〜3のセルロースエステルが好ましい。具体的には、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。
【0020】
疎水性セルロースエステルを主成分とする層とは、層を形成する成分として50質量%以上を含有する層をいう。
【0021】
疎水性セルロースエステルを主成分とする層は、塗設する場合は厚みが0.01〜10μmが好ましく、熱溶融により積層する場合は5〜200μmである。この場合、複数のセルロースエステルが混合されていてもよい。
【0022】
疎水性セルロースエステルを主成分とする層を設ける方法としては、セルロースエステルを溶剤に溶解し、その溶解組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、押し出しコーター等を用いて、例えばポリ乳酸樹脂を主成分とする層の表面にウェット膜厚0.5〜100μmにて塗布するのが好ましい。なかでも特にウェット膜厚5〜30μmであることが好ましい。
【0023】
疎水性セルロースを溶解する溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
【0024】
疎水性セルロースエステルを主成分とする層には、微粒子を含有させるのが好ましい。微粒子とは無機微粒子粉末及び有機微粒子粉末が挙げられるが、本発明に使用される無機微粒子粉末としては酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等、有機微粒子粉末としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、シリコーン系樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、更にポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリ弗化エチレン樹脂粉末等が使用できる。これらの粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmのものを樹脂組成物100gに対して0.1〜5g含有させるのが好ましい。
【0025】
〔ポリ乳酸又はその誘導体を主成分とする層〕
ポリ乳酸又はその誘導体を主成分とする層とは、ポリ乳酸又はその誘導体が、層を構成する成分の50質量%以上含有されている層という意味であり、その膜厚は通常10〜300μmである。無論、その他の樹脂、例えばポリエステル樹脂等が混合されていても良い。
【0026】
乳酸にはL−体とD−体とが存在するが、本発明において単に乳酸という場合は、主にL−体とD−体との両者を指すこととする。また、ポリマーの分子量は特にことわりのない場合は重量平均分子量のことを指すものとする。
【0027】
本発明に用いるポリ乳酸としては、構成単位がL−乳酸のみからなるポリ(L−)乳酸、D−乳酸のみからなるポリ(D−乳酸)、およびL−乳酸単位とD−乳酸単位とが種々の割合で存在するポリ(DL−乳酸)のいずれもが使用できる。乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマーのヒドロキシカルボン酸としては例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0028】
本発明に用いるポリ乳酸の製造方法としては、L−乳酸、D−乳酸、またはDL−乳酸を直接脱水重縮合する方法、これら各乳酸の環状2量体であるラクチドを開環重合する方法等が挙げられる。開環重合は、高級アルコール、ヒドロキシカルボン酸等の水酸基を有する化合物の存在下で行っても良い。
【0029】
また、乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマーの製造方法として、上記各乳酸とヒドロキシカルボン酸を脱水重縮合する方法、上記各乳酸の環状2量体であるラクチドとヒドロキシカルボン酸の環状体を開環共重合する方法等が挙げられる。乳酸−他のヒドロキシカルボン酸コポリマーは上記何れの方法によって製造されたものでもよい。しかし、共重合体に含まれる乳酸単位の量は40モル%以上であることが好ましい。
【0030】
〔接着〕
本発明の偏光板保護フィルムと偏光子の貼り合せには接着剤(貼合剤ともいう)を用いて貼り合せる。
【0031】
本発明の偏光板保護フィルムと偏光子の貼合に使用される接着剤としては、十分な接着性を持ち、透明で、偏光機能を阻害しないものが好ましく用いられ、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤などが挙げられる。
【0032】
接着性向上のため、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線処理、火炎処理、大気圧ガス中放電プラズマ処理、薬液処理などの各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
【0033】
例えば、偏光板保護フィルムとして偏光子との接着性を向上させるために特開2000−356714号公報の方法等でプラズマ処理を行うことによって、ポリビニルアルコール系接着剤等を用いた場合の接着性をさらに向上させることができる。
【0034】
〔偏光板保護フィルムの構成と偏光板の機能〕
本発明の偏光板保護フィルムには必要に応じて、クリアハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、導電層、光拡散層、易接着層、防汚層を単独であるいは適宜組み合わせて設けることができる。
【0035】
また、本発明の偏光板は、反射防止フィルム、帯電防止フィルム、位相差補償フィルム、導電性フィルム、電磁波遮蔽フィルム、光学補償フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、プラズマディスプレイ前面フィルター等に好ましく用いられる。特に複数の金属酸化物層を積層した反射防止フィルムとして有用である。
【0036】
〔偏光板及び液晶表示用材料の構成〕
図1(a)、(b)を各々用いて、本発明の偏光板保護フィルムを用いた偏光板を説明し、図2を用いて、本発明の液晶表示装置に用いられる液晶表示用材料の構成について説明する。
【0037】
図1(a)は、本発明の偏光板の一態様を示す模式図である。1は、本発明の偏光板保護フィルムを示し、2は偏光子を示し、偏光子2の両面に本発明の偏光板保護フィルム1が各々貼合され、偏光板3が形成されている。
【0038】
詳しくは、本発明の偏光板保護フィルム1は、ポリ乳酸樹脂を主成分として含有する樹脂層1aと疎水性セルロースエステルを主成分として含有する層1bとからなり、前記層1bは、偏光板保護フィルム1の最外層に配設される。偏光子2の両面と2枚の偏光板保護フィルム1の各々の層1bとが貼合され、偏光板3が形成されている。
【0039】
本発明の偏光板保護フィルムが、本発明に記載の効果、即ち、高温高湿条件下での保存性向上効果を最大限に得るためには、図1(a)に記載の構成が最も好ましい層構成を示す一態様である。
【0040】
図1(b)は、本発明の偏光板の別の一態様を示す模式図である。1は、ポリ乳酸樹脂を主成分として含む樹脂層1aと疎水性セルロースエステルを主成分として含有する層1bとからなる、本発明の偏光板保護フィルムを示し、2は偏光子、偏光子2のもう一方の面には、偏光板保護フィルム1cが設けられ、本発明の偏光板3を形成している。
【0041】
図1(b)で示される偏光板3においては、偏光子2の一方の面(片面ともいう)に本発明の偏光板保護フィルム1が設けられ、もう一方の面には、別途、従来公知の偏光板保護フィルム1cが設けられ、偏光板3が形成されている。
【0042】
図1(b)で示される、本発明の偏光板3も、偏光子2上に、本発明の偏光板保護フィルム1を有することにより、実用的に十分な保存性向上効果を示す。
【0043】
図2は、本発明に係わる液晶表示用材料の一態様を示す模式図である。図2においては、液晶セル4の両面に2枚の本発明の偏光板3が各々配設され、制御機構等を組み込んで液晶表示装置が形成される。なお、この図では偏光板3は2枚とも図1(b)と同一構成である。
【0044】
いうまでもなく、本発明の偏光板保護フィルム及び/または本発明の偏光板は、反射型、透過型、半透過型液晶表示用材料あるいはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型等の各種駆動方式の液晶表示用材料として好ましく用いられ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の各種表示用材料にも好ましく用いられる。
【0045】
〔紫外線吸収剤及びその他の添加剤〕
本発明に用いられる紫外線吸収剤について説明する。
【0046】
本発明の偏光板保護フィルムには、必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。中でも、ポリ乳酸樹脂を主成分として含む樹脂層や疎水性セルロースエステルを主成分として含有する少なくとも一つの最外層中に紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。
【0047】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0048】
本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物などが挙げられる。又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収剤、特開2002−31715号公報の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
【0049】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いられる。
【0050】
【化1】
【0051】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0052】
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していて良い。
以下に一般式〔1〕で示される紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
【0053】
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN 171、Ciba製)UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN 109、Ciba社製)
また本発明において、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式〔2〕で表される化合物が好ましく用いられる。
【0054】
【化2】
【0055】
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0056】
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基へ置換してもよい置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
【0057】
以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0058】
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
市販されているものとしては、TINUVIN P、TINUVIN 324、TINUVIN 320、TINUVIN 326、TINUVIN 327、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 770、TINUVIN 780、TINUVIN 144、TINUVIN 120、UVITEX OB(日本チバガイギー(株)製)等から適宜選択して使用することもできる。
【0059】
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0060】
また、ポリ乳酸樹脂、その誘導体の樹脂及び/又は疎水性セルロースエステル樹脂の合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料等を添加してもよい。
【0061】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0062】
〔偏光板保護フィルムの作製〕
偏光板保護フィルム1−1
80μmのユニチカ社製ポリ乳酸フィルム(光学フィルム1)の偏光子を接着する面に、下記の塗布液a−1を乾燥膜厚0.3μmになるように塗設して偏光板保護フィルム1−1を得た。
【0063】
(塗布液a−1)
セルロースジアセテート5質量%アセトン溶液 50ml
酢酸エチル 40ml
メタノール 10ml
アエロジルR−972(日本アエロジル社製) 1g
偏光板保護フィルム2−1
また、ポリ乳酸をメチレンクロライドに溶解し、セルローストリアセテートと同様な方法で、ステンレスベルト上に流延製膜することにより80μmの光学フィルム2を作製した。この光学フィルム2に光学フィルム1と同様の塗布液a−1で加工することにより偏光板保護フィルム2−1を得た。
【0064】
偏光板保護フィルム1−2、2−2
更に、光学フィルム1、2の偏光子貼合面に12W・min/m2の条件で春日電機社製コロナ放電処理装置(HFS−202)でコロナ放電処理したものを偏光板保護フィルム1−2、2−2とした。
【0065】
〔偏光子の作製〕
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、沃化カリウム2質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光子を作製した。
【0066】
〔偏光板の作製〕
偏光板保護フィルム1−1、1−2、及び2−1、2−2を40℃の2.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に60秒間浸せきした後、水洗乾燥してケン化処理した。その後、ケン化処理した偏光板保護フィルム1−1、1−2、及び2−1、2−2を完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として偏光子の両面に貼合し偏光板を作製した。
【0067】
この時、各偏光板保護フィルムのフィルム面内での屈折率の最大方向が偏光子の偏光軸に平行になるように貼り合わせ、偏光板1−1、1−2、及び2−1、2−2を得た。
【0068】
〔特性の評価〕
以上のように作製した偏光板について、保存性を評価することにより接着性の評価とした。その結果を表1に示した。
【0069】
〈偏光度の高温高湿下での保存性〉
偏光板サンプルを、85℃、90%RHにて、1500時間処理した後、波長550nmで、1組の偏光板の偏光軸を平行にした場合の透過率(H0)と、直交させた場合での透過率(H90)をそれぞれ測定し、下記式で偏光度を求めた。なお、処理前の偏光板サンプルでの偏光度も同様に求めた。そして、その偏光度の変化率により保存性を表す。
偏光度(%)={(H0−H90)/(H0+H90)}1/2×100
変化率(%)=(1−処理後偏光度/処理前偏光度)×100
○:変化率が0〜3未満
△:変化率が3以上〜5未満
×:変化率が5以上
なお、この評価において変化率が「○」であることが、極めて好ましい。
【0070】
【表1】
【0071】
本発明内の偏光板1−1、2−1は特性が極めて良いが、本発明外の偏光板1−2、2−2は特性的になお問題であることがわかる。
【0072】
【発明の効果】
本発明により、偏光子と接着させて偏光板を作製した場合、高温高湿時の保存性が高く、経時で剥がれることなく、偏光度が低下しない偏光板保護フィルムとそれを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光板の一態様を示す模式図。
【図2】液晶表示用材料の一態様を示す模式図。
【符号の説明】
1 偏光板保護フィルム
1a ポリ乳酸樹脂を主成分として含有する樹脂層
1b 疎水性セルロースエステルを主成分として含有する層
1c 公知の偏光板保護フィルム
2 偏光子
3 偏光板
4 液晶セル
5 液晶表示用材料
Claims (3)
- ポリ乳酸又はその誘導体を主成分とする層を少なくとも1層有する偏光板保護フィルムを有する偏光板の製造方法であって、該偏光板保護フィルムの少なくとも一方の最外層に疎水性セルロースエステルを主成分とする層を設け、次いでケン化処理し、その後該疎水性セルロースエステルを主成分とする層と偏光子とを接着することを特徴とする偏光板の製造方法。
- 請求項1に記載の偏光板の製造方法で製造したことを特徴とする偏光板。
- 液晶セルを挟む偏光板のうち少なくとも一方が請求項2に記載の偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
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JP2004252263A (ja) | 2004-09-09 |
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