JP4253269B2 - 被成形樹脂とシートの剥離構造及び平板状樹脂とシートの剥離方法 - Google Patents

被成形樹脂とシートの剥離構造及び平板状樹脂とシートの剥離方法 Download PDF

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Description

本発明は、被成形樹脂とシートの剥離構造、特に圧縮成形等においてその供給用素材として用いる平板状の樹脂の離型・取り出しの際に適用するのに好適な被成形樹脂とシートの剥離構造、或いは剥離方法に関する。
半導体や電子部品のように、高い精度が要求される部材を圧縮成形法により樹脂封止する場合、その供給用素材としていわゆる平板樹脂が用いられる。この平板樹脂は、粉粒状の熱硬化性の樹脂を加熱・押圧することによって半硬化状態の薄い平板に成形したものであり、半導体等をばらつきなく封止するための封止素材として好適である。
しかしながら、薄くてそれ自体の強度が高くないことから、通常の金型による成形では、破損してしまい易いという問題がある。この問題を解決するための対策として、プレートモールド法や、該プレートモールド法をベースとして、上下の平面部にリリースフィルムを介在させる方法などが提案されている(特許文献1など参照)。
特開平8−142116号公報
金型との境界面にリリースフィルム(或いはシート)を介在させるようにすると、確かに金型とシートの離脱は促進されるもの、今度は、平板樹脂とシートとの剥離が円滑に行われず、そのため、該剥離不良に起因して平板樹脂が破損してしまうことがあるという問題があった。
勿論平板樹脂とシートとの剥離は、平板樹脂と金型との直接的な離脱に比べれば、遙かに問題は少ないが、平板樹脂の厚さは、例えば0.5mm程度しかないことが多く、なお、破損を回避しきれないというのが実情であった。
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、樹脂成形装置における被成形樹脂の離型・取り出しに当たって、簡単な構造で、被成形樹脂を破損することなくシートから剥離させることをその課題としている。
本発明は、外周部が固定されているシートから、該シート上に載置されている被成形樹脂を剥離するための、被成形樹脂とシートの剥離構造において、前記被成形樹脂を前記シートの存在する側から押し出し可能な押し出し機構を備え、且つ該押し出し機構によって被成形樹脂を押し出した状態を維持したまま、被成形樹脂を押し出している押し出し部の位置を前記シートに沿って移動可能に構成したことにより、上記課題を解決したものである。
本発明においては、被成形樹脂を押し出し機構によってシートの側から押し出し、まずシートに張力を与える。その後、その押し出し機構による押し出し部の位置を、被成形樹脂を押し出した状態を維持したままシートに沿って移動させる。これにより、シートを剥離線に沿って(応力を該剥離線に集中させながら)剥離することができるようになる。したがって軽荷重で、すなわち被成形樹脂に損傷を与えることなく、被成形樹脂とシートを剥離させることができる。
なお、本発明における「押し出し」の概念には、押し出し機構側が、静止している被成形樹脂の側に近づく概念のほか、被成形樹脂の側が、シートの存在する側で静止状態にある押し出し機構側に向かって相対的に近づく概念を含む。
本発明においては、前記押し出し機構が、前記押し出し部の位置を移動している際に、該押し出し部における押し出し量が更に増大できるように構成されているのが好ましい。これにより、剥離線が被成形樹脂の中央方向に進行するにしたがって、被成形樹脂とシートとの剥離角が浅くなる(小さくなる)ことが防止され、剥離線が被成形樹脂の中央方向にまで円滑に進行できるようになる。
また、前記押し出し機構が、前記押し出し部の位置の移動終了後に、該押し出し部における押し出し量を更に増大可能に構成されているのが好ましい。これにより、最終取り出しの際に、シートの張力をより増大させることができ、剥離性を促進できる。
本発明においては、押し出し機構の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、機構全体を支持する支持プレートと、所定の当接面を有し、該当接面を前記支持プレートに対して相対的に変位可能に組み込んだカムと、自身のほぼ中央を支点として前記支持プレート又はその延長部に回転自在に支持され、一端が前記押し出し部を構成すると共に、他端が前記カムの当接面に当接可能な当接部を構成するアームと、前記カムの当接面を変位させることにより、前記アームの当接部を該カムの当接面に沿って倣わせ、前記アームの押し出し部を回動させるカム駆動機構と、を備えた構成を採用することができる。
この場合、さらに、例えば、前記支持プレート又はその延長部に揺動可能に保持されると共に、前記アームを支持可能な揺動支持体を備え、前記アームが、該揺動支持体を介して前記支持プレートに支持されている構成とすることができる。
なお、本発明においては、被成形樹脂の具体的な形状等については、特に限定されないが、被成形樹脂が強度の低い平板状の樹脂である場合に、特に有効に適用することができる。
被成形樹脂が、例えば平板状樹脂のように強度の低い成形品であっても、破損することなく良好にシートから剥離させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
本実施形態においては、被成形樹脂としての平板樹脂を成形するに当たり、金型からの離脱を円滑に行うために、2枚の弾性シートの間に樹脂素材を投入する構成の成形部を備えた。弾性シートは、従来のリリースフィルムの機能を果たすものであるが、従来のリリースフィルムのように使い捨てではなく、繰り返し使用可能である。この成形部の構成は、現時点で未公知のものであるため、まず該成形部の構成から詳細に説明する。
図4は、当該成形部の概略斜視図である。また、図5(A)〜(D)には、この構成の成形部を用いて平板樹脂を成形する際の製造工程がそれぞれ示されている。ここで、図5(D)の工程において本実施形態に係る剥離構造が適用される。
この平板樹脂の成形装置12の成形部Eは、図4の下から順に、枠体16、その直上の弾性体シート(第1の弾性シート)18、及びカバープレート(第2の弾性シート)20の3層から構成されている。このうち、弾性体シート(第1の弾性シート)18が本発明に係る「シート」に相当している。
前記枠体16は、被成形樹脂の外形(成形しようとする平板樹脂の外形)を確定するためのもので、当該外形に対応させた貫通孔16Aを有する。ここでは、矩形の貫通孔16Aが形成されている。すなわち、本成形装置12によって成形される被成形樹脂は、貫通孔16Aの形状に対応している矩形の平板樹脂である。
前記弾性体シート18は、枠体16の上部に固定・配置されている。弾性体シート18は、この枠体16の内側(貫通孔16A)に沿った形状に変形可能であり、かつ復元が可能な素材で形成されている。具体的には、シリコンゴム、あるいはエチレンプロピレン等の弾性のある素材をその基材とし、これに離型性の高い薄膜(例えば、フッ素系離型フィルム)を接着している。なお、この弾性体シート18は、120°C〜130°Cの耐熱特性を有するのが好ましい。
前記カバープレート20は、成形部Eの最上部を開閉可能とするものである。この実施形態では、0.1mm〜0.15mmの厚さを有するステンレス製の薄い金属板で形成されている。
図5に示されるように、本成形装置12は、更に、図示しない駆動機構によって成形部Eを上下から挟み込み、加熱・加圧するヒートプレス24、加熱・加圧後の成形部Eを上下から挟み込み、冷却するクールプレス26、及び成形した平板樹脂Pを上方に突き出して成形品としての平板樹脂Pを上方に押し出す押し出し機構28を備える。又、図示はしないが、このほかに被成形樹脂Poの投入機構、平板樹脂Pを回収するアンローダ機構等が付設されている。
ここで、押し出し機構28を含む剥離機構について詳細に説明する。
図1を参照して、押し出し機構28は、平板樹脂Pを押し出す機能と押し出し部を移動させる機能を兼ねるもので、主な構成要素として、支持プレート111、アーム112、カム114、及びカム駆動機構CMを備える。
前記支持プレート111は、押し出し機構28の全体を支持する。支持プレート111はユニット上下シリンダ118によって上下動が可能である。前記カム114は、所定の当接面114Cを有する。当接面114Cは、カム駆動シリンダ117によって支持プレート111に対して相対的に変位可能である。前記アーム112は、自身のほぼ中央を回転支点113Aとして支持プレート111に固定されたアーム支持部113に回転自在に支持され、一端が押し出し部U(U1〜U4:図1ではU1とU3のみ図示)を構成すると共に、他端がカム114の当接面114Cに当接可能な当接部112Cを構成する。前記カム駆動機構CMはカム114を上下方向に駆動する。
以下、より具体的に説明すると、押し出し機構28全体を支持する支持プレート111には、アーム112が動作可能な孔111Aが形成されており、アーム112が貫通している。アーム112は、支持プレート111に固定されたアーム支持部113に回転支点113Aにより支持されている。アーム支持部113は支持プレート111の延長部とも見なせるため、換言すると、アーム112は支持プレート111に回転自在に支持されていることになる。アーム112の一端は、弾性体シート18(図1では図示略)を押圧する押圧ローラ112Aが取付けられている。この押圧ローラ112Aが前記押し出し部Uを構成している。アーム112の他端には、カム114に倣う当接ローラ112Bが取付けられている。この当接ローラ112Bが前記当接部112Cを構成している。
一方、押圧ローラ112Aを平板樹脂P(図1では図示略)の外周側に開く方向に引っ張る引っ張りばね115の一端115Aが、アーム112の回転支点113Aと押圧ローラ112Aの間に取り付けられている。この引っ張りばね115の他端115Bは、回転支点113Aより低い位置で支持プレート111に固定されたばね支持部116に支持されている。
アーム112及びアーム支持部113、引っ張りばね115、ばね支持部116は、全部で4セットあり、平板樹脂Pの対角線上で揺動するように配置されている。図1ではその内の対向する2セットのみが表示されている。これに対し、カム114(の当接面114C)は、4つのアーム112の中心位置に1個のみ設けられており、その横断面は円形で、上から下に半径が増加する形状をしている。前述したように、カム114は、支持プレート111に支持されたカム駆動シリンダ117により上下に移動可能であり、支持プレート111は、ユニット上下シリンダ118により上下に移動可能である。
以下、本実施形態の作用を詳細に説明する。
図5(A)に示されるように、成形部Eのカバープレート20を開き、弾性体シート18を枠体16の貫通孔16A側に吸引・変形させてポケット部18Aを形成する。吸引によって形成された弾性体シート18のポケット部18Aに原料となる粉粒状の樹脂(被成形樹脂)Poを必要量を投入し、カバープレート20を閉じる。この状態で樹脂投入済みの成形部Eをヒートプレス24の設置位置までそっくり移動する。移動後、ヒートプレス24により、該成形部Eを上下から挟み込み、枠体16の貫通孔16A内において被成形樹脂Poを成形し、平板樹脂Pとする(図5(B)参照)。このときの加熱温度は、60°C〜100°Cであり、加圧力は、0.2〜1.0MPaである。
成形部Eにおける枠体16内で成形された平板樹脂Pは、溶融・軟化した状態となっているため、次に、成形部Eを再び移動してクールプレス26によって挟み込み、平板樹脂Pから熱を奪う(図5(C)参照)。この結果、平板樹脂Pの温度は10°C〜20°C程度にまで低下する。
次に、除熱した成形部Eをクールプレス26から外し、カバープレート20を一端側(図5の右側)からめくるようにして変形させて開いていく。この変形により、いわゆる剥離線(カバープレート20が平板樹脂Pから剥離されてゆくときの境界線)が発生するため、該剥離線に剥離応力を集中させることができ、軽荷重でカバープレート20を平板樹脂Pから剥離することができる。
最後に、図5(D)に示されるように、押し出し機構28によって弾性体シート18ごと平板樹脂Pを上方に突き出し、図示せぬアンローダ機構等によって成形された平板樹脂Pを回収する。この作用を、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
図2は、押圧ローラ112Aが平板樹脂Pを押し出している押し出し部U(U1〜U4)の移動軌跡を示す平面図である。図の黒い丸は移動の始点、白い丸は終点をそれぞれ示している。また、図3は平板樹脂Pを弾性体シート18から剥離させるための動作模式図である。
まず、押し出し機構28の中心と成形部の平板樹脂Pの中心が一致するように、平板樹脂P及び弾性体シート18を押し出し機構28の上方に配置あるいは移動する(図3(A))。なお、弾性体シート18は、その外周が枠体16に固定されたままである。
次に、ユニット上下シリンダ118により、支持プレート111を上昇させ、押圧ローラ112Aを枠体16の貫通孔16Aを貫通して、弾性体シート18に当接・押圧する(図3(B))。このとき、カム駆動シリンダ117は下がっており、当接ローラ112Bはカム114の当接面114Cの先端付近で接している。この状態で、押圧ローラ112Aは平板樹脂Pの外周の四隅C1〜C4の付近を押し出ししていることになる(図2の黒い丸参照)。
ここで、カム駆動シリンダ117を上昇させると、当接ローラ112Bがカム114の当接部114Cに倣い、押圧ローラ112Aは平板樹脂Pの中心に向かって移動する。即ち、押し出し部U(U1〜U4)が中央方向に向かって移動する。カム駆動シリンダ117が上昇するに従い、アーム112は垂直の状態に近づくため、弾性体シート18の押し出し量は徐々に増加する。
この結果、平板樹脂Pと弾性体シート18の剥離(剥離線)は、押圧ローラ112Aの移動に従い、平板樹脂Pの外周側から中央側に進行する。カム駆動シリンダ117が上昇し切った位置で、各押圧ローラ112A同士が最接近して図2の白い丸の位置にまで到達し、4カ所の押し出し部U(U1〜U4)が形成する押し出しエリアUAも最小化する(図3(C))。
言うまでもなく、平板樹脂Pの破壊を回避するためには、剥離力はできるだけ弱い方が好ましい。本実施形態においては、剥離線を平板樹脂Pの四隅C1〜C4の付近において発生させることができる。四隅C1〜C4付近において発生する剥離線は、その長さが点に近い極めて短いため、押し出しによって弾性体シート18に発生する張力(の分力)をこの短い剥離線に効率的に集中させることができる。そのため、比較的弱い張力(すなわち弱い押し出し力)でも円滑に剥離を開始させることができる。また、押圧ローラ112Aによる押し出し部が平板樹脂Pのこの四隅C1〜C4付近から中央側に向かって移動するように構成してあるため、四隅C1〜C4付近から発生した剥離線が中央側に向けて発達しながら進行するように誘導することができる。
一方、弾性体シート18は外周部で枠体16に固定されているため、押圧ローラ112Aが外周側(平板樹脂Pの四隅C1〜C4の付近)にあるときよりも、中央側にあるときの方が、同一の押し出し量であれば、弾性体シート18にかかる張力はそれだけ小さくなり、また、剥離力も、最も張力の低下する中央付近で最も弱くなる。しかしながら、この実施形態においては、押圧ローラ112Aの軌跡を上方向にも誘導し、押し出し量を増加させるようにしているため、各押圧ローラ112Aが中央付近に移動してきても張力の低下を防止でき、剥離力が低下するのを防止できる。
この状態から吸着等の手段によって平板樹脂Pを上方に引き上げれば、極めて小さな吸引力で残りの剥離を進行させることができ、従来よりもはるかに剥離の進行した状態で最終的な吸引・取り出しを行うことができる。この結果、平板樹脂Pの破壊をほぼ完全に回避することができ、歩留まりを向上させることができる。
また、この実施形態によれば、被成形樹脂Poは、弾性体シート18及びカバープレート20の間に挟まれた状態で成形されるため、金型との接触が一切ない。従って、成形中の樹脂が沁み出して金型と接触することもないため、この点でも平板樹脂Pが破損に至る確率が低減される。
さらに、弾性体シート18及びカバープレート20は、繰り返し使用することが可能であるため、ランニングコストも低い。
図6は、本発明の他の実施形態の一例を示す構成図である。ここでは、前述した実施形態と同一または類似する部分に下2けたが同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
この実施形態においては、アーム支持部213が支持プレート211に固定された固定支持体250と、該固定支持体250に揺動可能に保持された揺動支持体252とから構成されている。固定支持体250は支持プレート211の延長部とも見なせるため、換言すると、アーム212は支持プレート211に「揺動可能」に保持された揺動支持体252を介して支持プレート211に支持されていることになる。アーム212は、揺動支持体252の一端側の回転支点213Aで回転自在に支持されている。揺動支持体252は、支持プレート211に固定された固定支持体250に回転支点250Aにより回転自在に支持されている。さらに、揺動支持体252のアームの212が取付けられる反対側の端部252Aは、支持プレート111に取り付けたストッパ(ボルト)256が接している。ストッパ256は、アーム212の端部252Aの揺動の起点を規定する。
また、カム214の下部には、アーム212の当接面114Cに倣った動きを規制するエッジ部214Eが形成されている。
図7を用いて、この実施形態の作用を説明する。
先の実施形態同様に、まず平板樹脂Pを位置決めする(図7(A))。ユニット上下シリンダ218により支持プレート211を上昇させた後(図7(B))、カム駆動シリンダ217を上昇させると、押圧ローラ212Aがカム214の当接面214Cに倣い、押圧ローラ212Aが平板樹脂Pの中心に向かって移動する。カム駆動シリンダ217が上昇するに従い、アーム212は垂直の状態に近づくため、平板樹脂Pの押し出し量が増加する。平板樹脂Pと弾性体シート218の剥離は、基本的には、前述した実施形態と同様に、押圧ローラ212Aの移動に伴って外周側から中央側へと進行する。ここで、カム駆動シリンダ217が上昇し切る前に、当接ローラ212Bはカム214のエッジ部214Eと接し、カム214の当接面214Cに倣う動きを停止する。
この状態で、カム駆動シリンダ217が残りのストローク分上昇すると、揺動支持体252が支点250Aを中心に回転し、アーム212はほぼ垂直の状態を維持したまま、更に上昇する。この結果、押圧ローラ212Aは平面視的にはほとんど位置を変えずに、押し出し量のみが増大されることになる(図7(C))。これにより、押圧ローラ212Aを中央付近に向けて移動する際に、同時に押圧ローラ212Aの軌跡を上昇させることができるだけでなく、移動の最終位置で、更なる上昇を行わせることができる。ここで押し出し量が増大されると、弾性体シート218の張力も一層増大する。そのため、中央付近における最終剥離をより円滑に行うことができる。
本発明においては、さまざまなバリエーションが考えられる。
例えば、上記実施形態においては、成形部に2つの弾性シートを有する構成が採用されていたが、本発明は、「シート」として、従来のリリースフィルムを用いる構成の成形部であっても、支障なく適用可能である。
また、上記実施形態においては、被成形樹脂(平板樹脂P)の押し出しと移動をリンクを利用して単一の押し出し機構で実現していたが、押し出しと移動とを別々の駆動機構で実現してもよい。この場合、コストの上昇を伴うが、それだけ自由度の高い押し出しと移動が可能となる。
更に、上記実施形態においては、矩形の平板樹脂を成形する際に本発明を適用するようにしていた。平板樹脂は剥離の際に特に壊れやすいという事情があるため、その意味で、本発明が最も有効に機能する適用例ではあるが、本発明が適用されるべき被成形樹脂は平板樹脂のみに限定されるわけではない。また、形状も矩形に限定されない。例えば、図8に示されるように、被成形樹脂2Pの形状が円板状であった場合には、外周部付近の3カ所に押し出し部2U1〜2U3を設け、押し出し部2U1〜2U3を中央付近に移動させる構成であってもよい。
また、上記実施形態においては、押し出し部Uを複数の「点」の集合で構成するようにしていたが、例えば、図9に示されるように、軸方向に長い押圧ローラ(図示略)を用いることによって、「線」状の押し出し部3U1、3U2を構成し、当該線状の押し出し部3U1、3U2が被成形樹脂3Pの中央付近に移動するような構成とすることもできる。
更には、図10に示されるように、「面」で構成される押し出し部4U1、4U2を形成し、該押し出し部4U1、4U2を被成形樹脂4Pの下側で摺動させるような構成としてもよい。図10の例では、(A)に示されるように、当初被成形樹脂4Pを押し出すときには、該被成形樹脂4Pの外周の四隅4C1〜4C4をそのまま弾性体シート(図示略)ごと支持しながら押し出すようにしている。押し出し部4U1、4U2の両端460は円弧形状とされているため、その状態から該押し出し部4U1、4U2を被成形樹脂4Pの長手方向に進行させると、必ず被成形樹脂4Pの四隅4C1〜4C4の頂点から剥離線が発生する。すなわち弾性体シートの張力をこの四隅4C1〜4C4の4つの点のみに集中させることができる。また、押し出し部4U1、4U2は、必ず幅方向端部462が幅方向中央部464より先に進行していくため、常に剥離応力をこの端部462の部分に集中させることができ、剥離線を円滑に発生・成長させることができる。最終的に吸引等によって被成形樹脂4Pを持ち上げる場合にも、端部462の剥離開始部分がすでに存在しているため、この部分に剥離応力を集中させながら持ち上げることができる。そのため、一層軽荷重での剥離が実現できる。なお、押し出し部4U1、4U2の構成については、図示はしないが、先の実施形態において2セットのアームを有する押し出し機構を平行に1ペア用意し、両者の押圧ローラに相当する部分を図10の押し出し部4U1、4U2に相当する平面形状をした押圧部材で連結してやれば良い。
また、上記実施形態においては、押し出し部自体を平板樹脂の外周側から中央側へ移動させることによって剥離線を外周側から中央側へと移動させるようにしていたが、本発明においては、要は、剥離線を効果的に発生或いは移動させることができれば良く、押し出し部自体をどのように移動させるかについては特に限定されない。例えば、被成形樹脂が長手方向に長い形状を有していたり、大きな平面形状を有していたりしたときは、移動する押し出し部のほかに、被成形樹脂の中央部分に、移動しない(被成形樹脂の支持のみを受け持つ)押し出し部があってもよい。
本発明は、平板状の樹脂を成形する分野を含め、さまざまな樹脂成形の分野において適用可能である。
本実施形態に係る押し出し機構の構成を示す概略正面図 前記押し出し機構の動作説明をするための平面図 同正面図 本発明の実施形態が適用された成形装置における成形部の構成を示す概略斜視図 上記成形部を用いて平板樹脂を成形する際の製造工程を示す断面図 押し出し機構の他の例を示す図1相当の概略正面図 該押し出し機構の動作説明をするための図3相当の正面図 他の移動パターンを説明するための平面図 更に他の移動パターンを説明するための平面図 更に他の移動パターンを説明するための平面図
符号の説明
10…成形装置
16…枠体
18…弾性体シート(シート)
20…カバープレート
16A…貫通孔
24…ヒートプレス
26…クールプレス
100…押し出し機構
111…支持プレート
111C…当接面
112…アーム
112A…押し出しローラ(押し出し部)
112B…当接ローラ(当接部)
113…アーム支持部
114…カム
115…ばね
116…ばね支持部
117…カム駆動シリンダ
118…ユニット上下シリンダ
252…揺動支持体
E…成形部
P…平板樹脂
Po…被成形樹脂

Claims (6)

  1. 外周部が固定されているシートから、該シート上に載置されている被成形樹脂を剥離するための、被成形樹脂とシートの剥離構造において、
    前記被成形樹脂を前記シートの存在する側から押し出し可能な押し出し機構を備え、且つ
    該押し出し機構によって被成形樹脂を押し出した状態を維持したまま、被成形樹脂を押し出している押し出し部の位置を前記シートに沿って移動可能に構成した
    ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離構造。
  2. 請求項1において、
    前記押し出し機構が、前記押し出し部の位置を移動している際に、該押し出し部における押し出し量を更に増大可能な構成とされている
    ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離構造。
  3. 請求項1または2において、
    前記押し出し機構が、前記押し出し部の位置の移動終了後に、該押し出し部における押し出し量を更に増大可能な構成とされている
    ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記押し出し機構が、
    機構全体を支持する支持プレートと、
    所定の当接面を有し、該当接面を前記支持プレートに対して相対的に変位可能に組み込んだカムと、
    自身のほぼ中央を支点として前記支持プレート又はその延長部に回転自在に支持され、一端が前記押し出し部を構成すると共に、他端が前記カムの当接面に当接可能な当接部を構成するアームと、
    前記カムの当接面を変位させることにより、前記アームの当接部を該カムの当接面に沿って倣わせ、前記アームの押し出し部を回動させるカム駆動機構と、を備えた構成とされている
    ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離構造。
  5. 請求項4において、
    更に、前記支持プレート又はその延長部に揺動可能に保持されると共に、前記アームを支持可能な揺動支持体を備え、
    前記アームが、該揺動支持体を介して前記支持プレートに支持されている
    ことを特徴とする被成形樹脂とシートの剥離構造。
  6. 外周部が固定されているシートから、該シート上に載置されている平板状樹脂を剥離するための、平板状樹脂とシートの剥離方法において、
    前記平板状樹脂を前記シートの存在する側から押し出して所定の押し出し量分変位させる手順と、
    平板状樹脂を押し出した状態を維持したまま、該平板状樹脂を押し出している押し出し部の位置を前記シートに沿って移動させる手順と、を備えた
    ことを特徴とする平板状樹脂とシートの剥離方法。
JP2004107717A 2004-03-31 2004-03-31 被成形樹脂とシートの剥離構造及び平板状樹脂とシートの剥離方法 Expired - Fee Related JP4253269B2 (ja)

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