JP4253076B2 - 車両の動力伝動機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械や農業機械等の走行車両において、変速機構と操向機構とを併設した車両の動力伝動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、1個のミッションケースの内部に、変速機構と操向機構を具備し、全てを平ギアで動力伝達し、該変速機構に入力するHST式変速装置と、操向機構を操作するHST式変速装置を、同一のミッションケースの外部に付設した技術は公知とされているのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、該従来の車両の動力伝動機構においては、ミッションケースの内部に変速機構と操向の為の機構を併設し、かつミッションケースの外部に2組のHST式変速装置を付設しているので、ミッションケースの内部では、軸受け部分においてガタが発生し、またミッションケースの外では、2組のHST式変速装置の作動油が高温となり、充分な無段変速の作用をしなかったり、作動油が温度上昇により、ミッションケースの内部の潤滑が不十分となるという不具合があったのである。本発明は、以上のような従来技術の不具合を解消するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
請求項1においては、走行変速用HST式変速装置(A)により走行変速系統を構成し、操向操作用HST式変速装置(B)により操向操作系統を構成し、両方からの駆動力を、車軸(1L・1R)の周囲に配置した遊星ギア式操向機構にて合流させる車両の動力伝 動機構において、ミッションケース(M)をL字型で段部を有する右側半割ケース(61)と、低く構成した低位置半割ケース(62)により構成し、走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)を取り付けた右側半割ケース(61)の反対側は、蓋体(60)により閉鎖し、走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)の、油圧モータ軸(11・16)は、それぞれ、右側半割ケース(61)と蓋体(60)により両持ち軸受け支持構成としたものである。
請求項2においては、請求項1記載の車両の動力伝動機構において、前記走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)とを、ミッションケース(M)の同じ側に付設し、一方の操向操作用HST式変速装置(B)は上下方向に油圧ポンプと油圧モータを位置したセットとして、他方の走行変速用HST式変速装置(A)は、左右方向に油圧ポンプと油圧モータを配置したセットとして配置したものである。
請求項3においては、請求項1記載の車両の動力伝動機構において、前記走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)とを、ミッションケース(M)の同じ側に付設し、同じ側に突出した油圧ポンプ軸(14・15)に、冷却ファン(FA・FB)を付設して作動油を冷却するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を解決するための手段は以上の如くであり、次に本発明の実施の形態を説明する。図1は、車両の動力伝動機構の全体的な動力伝達系統を図示するスケルトン図、図2は、図1のスケルトン図をギアや軸の図面により詳細に図示した図面、図3は、走行変速用HST式変速装置Aから、車軸1L・1Rに至る動力伝達軸の線上におけるミッションケースMの断面図、図4は、操向操作用HST式変速装置Bから車軸1L・1Rに至る動力伝達軸の線上におけるミッションケースMの断面図、図5は、車両の動力伝動機構の構成を示すミッションケースMの側面図、図6は、本発明の車両の動力伝動機構を搭載したコンバインの全体側面図である。
【0006】
まず、図6において、コンバインに本発明の車両の動力伝動機構を構成するミッションケースMを搭載した場合について説明する。この実施例においては、クローラ式走行装置2の駆動スプロケット47L・47Rを、ミッションケースMから左右に突出する車軸1L・1Rにより駆動している。そして、クローラ式走行装置2の前端に駆動スプロケット47L・47Rを配置しており、該駆動スプロケット47L・47Rを駆動する車軸1L・1Rも、ミッションケースMのクローラ式走行装置2の前端の位置に配置されている。そして、該ミッションケースMの後部で、クローラ式走行装置20の前部の位置にエンジンEを配置している。該エンジンEから図1に示す如く、プーリーとVベルトによりミッションケースMへ動力伝達しているのである。該エンジンEの後部には、コンバインの脱穀装置Kが配置されており、ミッションケースMの前部には、刈取装置Nが配置されている。
【0007】
図1と図2において、走行変速用HST式変速装置Aから車軸1L・1Rへの動力伝達系統を説明する。エンジンEには出力軸に出力プーリー22が固定されている。該出力プーリー22にVベルト70が巻回されており、該Vベルト70の他端は、走行変速用HST式変速装置Aの油圧ポンプ軸14に固設された入力プーリー23に巻回されている。更に、該油圧ポンプ軸14の上には、操向操作用HST式変速装置Bに動力を伝達する為の、出力プーリー24が固設されており、該出力プーリー24にVベルト71が巻回されて、他端は操向操作用HST式変速装置Bの油圧ポンプ軸15に入力されている。そして、前記油圧ポンプ軸14の端部に冷却ファンFAが、油圧ポンプ軸15の端部には、冷却ファンFBがそれぞれ固定されて、両方の冷却ファンFAと冷却ファンFBにより、走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bの作動油を冷却している。
【0008】
そして、走行変速用HST式変速装置Aの出力軸である油圧モータ軸11の上に、変速ギア26と変速ギア27が遊嵌されている。また該変速ギア26・27と常時噛合する固設ギア28・30が第1変速軸12の上に固設されている。また、第1変速軸12の上には、別の固設ギア29が、固設ギア28と固設ギア30の間に固定されている。該固設ギア29は、第2変速軸13の上の、遊嵌ギア33と噛合している。また、第1変速軸12の上の、固設ギア28が第2変速軸13の上の、遊嵌ギア32と噛合している。以上のギア連の組み合わせにより、次の3段の変速段数を得ている。走行速度の場合には、変速ギア26から固設ギア28を経て、遊嵌ギア32が第2変速軸13を駆動する場合の速度段である。標準速度の場合には、変速ギア27から固設ギア30を経て、次に第1変速軸12にから固設ギア28に至り、固設ギア28から遊嵌ギア32を経て、第2変速軸13を駆動する場合の変速段である。低速速度の場合には、変速ギア27から固設ギア30を経て、第1変速軸12から固設ギア29に至り、該固設ギア29から第2変速軸13の上の遊嵌ギア33を駆動する系統である。
【0009】
該第2変速軸13の端部がミッションケースMから突出した部分には、駐車ブレーキを兼用する走行ブレーキ機構21が設けられている。また、第2変速軸13の上の固設ギア31が、カウンター軸20の上の固設ギア34と噛合し、該カウンター軸20の上の固設ギア34より、センター軸53の上のセンターギア35に入力されている。
【0010】
次に、本発明の主要部を構成する遊星ギア式操向機構について説明する。該遊星ギア式操向機構は、センター軸53と太陽ギア7L・7Rと遊星ギア8L・8Rとベベルギア付きインターナル9L・9Rと軸受ローター6L・6R等により構成されている。該センター軸53の左右の端部には、太陽ギア7L・7Rが固設されている。また該太陽ギア7L・7Rの外周に複数組がセットとなった遊星ギア8L・8Rが噛合されている。該遊星ギア8L・8Rの外周は、ベベルギア付きインターナル9L・9Rに噛合されている。
【0011】
また、前記遊星ギア8L・8Rは、それぞれが左右の軸受ローター6L・6Rに軸受けされており、該軸受ローター6L・6Rが、左右の車軸1L・1Rに、係合固設されている。該車軸1L・1Rの左右の端部には、駆動スプロケット47L・47Rが設けられており、左右のクローラ式走行装置2を駆動している。
【0012】
以上のような構成において、走行変速の前後進の切換は、走行変速用HST式変速装置Aにより行う。また、走行変速のある域における無段変速も、走行変速用HST式変速装置Aにより行う。段階的な『走行変速』と『標準変速』と『低速変速』は、前記油圧モータ軸11と第1変速軸12の間に構成した副変速機構により行うものである。また、該走行変速用HST式変速装置Aの油圧ポンプ軸の斜板は、図5に図示した斜板操作軸5により操作すべく構成しているので、該斜板操作軸5を操作して、前後進の切換と、無段変速を行うのである。
【0013】
また、次に説明する操向操作用HST式変速装置Bが、ニュートラル位置で回転していない場合には、操向ベベルギア36が回転しないので、左右のベベルギア付きインターナル9L・9Rが回転できないこととなり、左右の太陽ギア7L・7Rと、遊星ギア8L・8Rと、軸受ローター6L・6Rと、車軸1L・1Rは同じ動きと回転を行い直進状態となるのである。
【0014】
次に、操向操作用HST式変速装置Bからの、左右への操向機構を説明する。 操向操作用HST式変速装置Bは、機体が直進する場合には、正転も逆転もしないニュートラル状態で、安定した停止状態が必要である。その為に、操向操作用HST式変速装置Bの安定したニュートラル状態を作りだす、付勢ブレーキ機構が、操向操作用HST式変速装置Bの油圧モータ軸16と第1減速軸17との間に構成されている。該付勢ブレーキ機構は、油圧モータ軸16の側の減速ギア42と噛合して回転する摩擦ディスク45と、第1減速軸17と共に回転する摩擦ディスク46の両方の摩擦ディスクを交互に挟持し、その外側を付勢スプリング43により付勢押圧する構成としている。該付勢ブレーキ機構は、常時押圧付勢する構成としている。該油圧モータ軸16と第1減速軸17の間の減速ギア42と41の間で、減速を行う。次に、第1減速軸17と第2減速軸18の間でも、減速ギア40と39の間で、減速している。
【0015】
そして、第2減速軸18の端部にベベルギア38を固設し、該ベベルギア38が減速ベベルギア37と噛合している。該減速ベベルギア37はベベルギア軸19を介して、操向ベベルギア36を駆動している。以上の如く、操向操作用HST式変速装置Bの正逆回転の変速回転が、操向ベベルギア36に伝達されると、左右のベベルギア付きインターナル9L・9Rを、強制的に操向操作用HST式変速装置Bにより、無段階にかつ正逆に回転させるので、操向操作用HST式変速装置Bの図5に示す斜板操作軸4を操作することにより、ベベルギア付きインターナル9L・9Rを正逆に無段階に変速回転させて、左右の操向回転を車軸1L・1Rに伝達することとなるのである。
【0016】
以上のような構成の、走行変速用HST式変速装置Aからの動力伝達機構と、操向操作用HST式変速装置Bからの動力伝達機構が、ミッションケースMの内部に構成されている。そして、ミッションケースMの外部の上方には、走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bが付設されているのである。該ミッションケースMは、断面がL型に段部が構成された右側半割ケース61と、上部に走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bを配置する為に、低く構成された低位置半割ケース62を、接合した構成としている。そして、右側半割ケース61と低位置半割ケース62が接合した下位の両側には、車軸1L・1Rを内装している車軸ケース3L・3Rが突出されている。また、低位置半割ケース62の左側の面には、操向ブレーキ21のケースが付設されている。また、右側半割ケース61の右側には、走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bを付設した部分の他側に開口部を設け、該開口部には、蓋体60を被覆している。
【0017】
図3と図4に図示する如く、右側半割ケース61の同じ側の面に、走行変速用HST式変速装置Aと、操向操作用HST式変速装置Bを付設している。そして、右側半割ケース61がL字型に構成されており、段部が構成されているので、該段部を利用して、走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bの配置スペースが出来ているのである。また、該走行変速用HST式変速装置Aから出た油圧モータ軸11の、軸受けは、一端の軸受け68は、右側半割ケース61の側に支持し、他側の軸受け69は、蓋体60により支持している。同様に、操向操作用HST式変速装置Bの油圧モータ軸16の一端の軸受け66は右側半割ケース61により支持し、他側の軸受け67は、蓋体60により軸受け支持すべく構成している。即ち、油圧ポンプ軸14と油圧モータ軸16とは、どちらも、右側半割ケース61における軸受けと、蓋体60における軸受けの両方により、両持ち支持しているのである。
【0018】
また、図4に示す如く、操向操作用HST式変速装置Bからの回転を、左右のベベルギア付きインターナル9L・9Rに入力すべく、減速ベベルギア37とベベルギア軸19と、操向ベベルギア36を介装しているので、ベベルギア軸19の支持が容易となり、軸受けにより強固にベベルギア軸19を支持することができるので、負荷の掛かった状態で操向操作をする場合に、該ベベルギア軸19の部分に大きな負荷が掛かるのであるが、この過剰負荷によっても、ベベルギア軸19の支持を強固な構成とすることが出来たものである。また、該ベベルギア軸19と操向ベベルギア36により、左右のベベルギア付きインターナル9L・9Rに入力すべく構成したので、従来の平ギアで、インターナルギアの外側のギアを構成していたように、外側の平ギアが必要なくなったので、このベベルギア付きインターナル9L・9Rの外周を、軸受け55L・55Rにより支持することが出来たので、該インターナルギアの軸受け構成が強固にかつ簡単な構成となったのである。
【0019】
また、図3と図4と図5において図示する如く、走行変速用HST式変速装置Aにより走行変速系統を構成し、操向操作用HST式変速装置Bにより操向操作系統を構成し、両方からの駆動力を、車軸1L・1Rの周囲に配置した遊星ギア式操向機構にて合流させる車両の動力伝動機構において、走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bとを、ミッションケースMの同じ側に付設し、一方のHST式変速装置は上下方向に油圧ポンプと油圧モータを位置したセットとして、他方のHST式変速装置は、左右方向に油圧ポンプと油圧モータを配置したセットとして配置したものである。走行変速用HST式変速装置Aはアキシャル型の油圧ポンプと油圧モータを軸を平行に配置して1セットとし、また操向操作用HST式変速装置Bも同様な構成としている。このセットを一方は縦方向に、他方は横方向にして、ミッションケースMを構成する右側半割ケース61の段部の側面に付設しているのである。
【0020】
また、走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bとを、ミッションケースMの同じ側に付設し、同じ側に突出した油圧ポンプ軸14と15に、冷却ファンFAとFBを付設して作動油を冷却するものである。該冷却ファンFAと冷却ファンFBとは、同じ側で回転しており、殆ど同じ平面で回転している。この冷却ファンFA・FBにより、ミッションケースMの内部の潤滑油を兼用している作動油の温度上昇を回避するものである。
【0021】
本構成においては、走行変速用HST式変速装置Aにより走行変速系統を構成し、操向操作用HST式変速装置Bにより操向操作系統を構成し、両方からの駆動力を、車軸1L・1Rの周囲に配置した遊星ギア式操向機構にて合流させる構成において、操向操作用HST式変速装置Bから、遊星ギア式操向機構に入力する部分には、ベベルギア軸19に設けた操向ベベルギア36と、遊星ギア式操向機構に設けたベベルギア付きインターナル9L・9Rにより行ったので、従来の平ギアによる操向動力伝達構造において、軸やギアに掛かっていた過負荷により、軸の支持部にガタが発生していた点を解消することが出来たのである。また、ベベルギアにより減速することにより、平ギアの場合によりも、簡単な構成で大きく減速することができて、ミッションケースMを小型にして、簡潔な軸受け支持構造とすることが出来たのである。
【0022】
また、遊星ギア式操向機構を構成するベベルギア付きインターナル9L・9Rは、外周に軸受け55を設けた、外周軸受け支持機構として、ミッションケースM内に支持させたので、これまでの平ギアによる動力伝達構成ではインターナルギアを外周で軸受け支持することが出来なかったのであるが、ベベルギアにより動力伝達することにより、インターナルギアの外周に平ギアが無くなったので、該部分に軸受けを配置することが出来て、頑丈にインターナルギアを軸受け支持することが可能となったのである。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を装するものである。
請求項1の如く、走行変速用HST式変速装置(A)により走行変速系統を構成し、操向操作用HST式変速装置(B)により操向操作系統を構成し、両方からの駆動力を、車軸(1L・1R)の周囲に配置した遊星ギア式操向機構にて合流させる車両の動力伝動機構において、ミッションケース(M)をL字型で段部を有する右側半割ケース(61)と、低く構成した低位置半割ケース(62)により構成し、走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)を取り付けた右側半割ケース(61)の反対側は、蓋体(60)により閉鎖し、走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)の、油圧モータ軸(11・16)は、それぞれ、右側半割ケース(61)と蓋体(60)により両持ち軸受け支持構成としたので、従来の技術の如く、油圧モータ軸を右側半割ケースに片持ち支持していた場合に比較して、頑強な支持とすることか出来たのである。また分解・修理の場合においても、HST式変速装置は右側半割ケース61により支持したままで、蓋体60を外して内部の点検と補修ができるので、容易になったのである。
【0024】
請求項2の如く、請求項1記載の車両の動力伝動機構において、前記走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)とを、ミッションケース(M)の同じ側に付設し、一方の操向操作用HST式変速装置(B)は上下方向に油圧ポンプと油圧モータを位置したセットとして、他方の走行変速用HST式変速装置(A)は、左右方向に油圧ポンプと油圧モータを配置したセットとして配置したので、狭いミッションケースMの側面を有効に利用して、走行変速用HST式変速装置Aと操向操作用HST式変速装置Bの両方を配置することが出来ることとなり、エンジンEからの回転をVベルトにより、走行変速用HST式変速装置Aから操向操作用HST式変速装置Bへと伝達することが出来るようになったのである。
【0025】
請求項3の如く、請求項1記載の車両の動力伝動機構において、前記走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)とを、ミッションケース(M)の同じ側に付設し、同じ側に突出した油圧ポンプ軸(14・15)に、冷却ファン(FA・FB)を付設して作動油を冷却するので、ミッションケースMの潤滑油を兼用して作動油としている場合において、高温化した作動油の冷却が、両方のファンにより確実に行うことができるようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両の動力伝動機構の全体的な動力伝達系統を図示するスケルトン図である。
【図2】 図1のスケルトン図をギアや軸の図面により詳細に図示した図面である。
【図3】 走行変速用HST式変速装置Aから、車軸1L・1Rに至る動力伝達軸の線上におけるミッションケースMの断面図である。
【図4】 操向操作用HST式変速装置Bから車軸1L・1Rに至る動力伝達軸の線上におけるミッションケースMの断面図である。
【図5】 車両の動力伝動機構の構成を示すミッションケースMの側面図である。
【図6】 本発明の車両の動力伝動機構を搭載したコンバインの全体側面図である。
【符号の説明】
A 走行変速用HST式変速装置
B 操向操作用HST式変速装置
M ミッションケース
FA・FB 冷却ファン
1L・1R 車軸
2 クローラ式走行装置
3 車軸ケース
4・5 斜板操作軸
6L・6R 軸受ローター
7L・7R 太陽ギア
8L・8R 遊星ギア
9L・9R ベベルギア付きインターナル
19 ベベルギア軸
35 センターギア
36 操向ベベルギア

Claims (3)

  1. 走行変速用HST式変速装置(A)により走行変速系統を構成し、操向操作用HST式変速装置(B)により操向操作系統を構成し、両方からの駆動力を、車軸(1L・1R)の周囲に配置した遊星ギア式操向機構にて合流させる車両の動力伝動機構において、ミッションケース(M)をL字型で段部を有する右側半割ケース(61)と、低く構成した低位置半割ケース(62)により構成し、走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)を取り付けた右側半割ケース(61)の反対側は、蓋体(60)により閉鎖し、走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)の、油圧モータ軸(11・16)は、それぞれ、右側半割ケース(61)と蓋体(60)により両持ち軸受け支持構成としたことを特徴とする車両の動力伝動機構。
  2. 請求項1記載の車両の動力伝動機構において、前記走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)とを、ミッションケース(M)の同じ側に付設し、一方の操向操作用HST式変速装置(B)は上下方向に油圧ポンプと油圧モータを位置したセットとして、他方の走行変速用HST式変速装置(A)は、左右方向に油圧ポンプと油圧モータを配置したセットとして配置したことを特徴とする車両の動力伝動機構。
  3. 請求項1記載の車両の動力伝動機構において、前記走行変速用HST式変速装置(A)と操向操作用HST式変速装置(B)とを、ミッションケース(M)の同じ側に付設し、同じ側に突出した油圧ポンプ軸(14・15)に、冷却ファン(FA・FB)を付設して作動油を冷却することを特徴とする車両の動力伝動機構。
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