JP4252845B2 - 心臓治療装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、心不全を治療する心臓治療装置に関し、特に、心不全患者の運動耐用能力を上げるように代謝亢進時の心拍数制御を行うことが可能な心臓治療装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、患者の心拍数が、安静時の下限心拍数よりも低い許容範囲内に維持されるように、迷走神経の刺激周波数を制御することによって心不全を治療する心臓治療装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。心不全は、主に、虚血性心疾患、心筋症、心臓弁膜症等の様々な心臓病を原因疾患として引き起こされ、心筋の変性や虚血性変化に伴う心筋の収縮性や拡張性の低下により、代謝需要に見合った血液量を心臓が送り出せない状態をいう。心不全では、心臓にかかる機械的負荷の状態によって予備力が低下しており、比較的軽度な運動でも急激に心拍数が上昇して動悸や疲労を感じ、心拍数の増加によっても必要な血液量を賄えない場合には息切れ等を起こして運動を継続できない。また、血行動態の破綻をきたす心室頻拍や心室細動といった致死的不整脈の発生によって心臓突然死となる可能性も高い。
特許文献1に記載された提案では、患者の体動の検出に反応して、迷走神経刺激を抑制するか、あるいは迷走神経刺激周波数を調節することにより迷走神経刺激の程度を調節して、心拍数を増加させ、心不全患者の運動耐用能力の増加を図ろうとするものである。
【0003】
また、致死的不整脈を防ぐために、迷走神経に電気的刺激を加える方法及び装置も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この心臓不整脈を治療する装置は、心臓組織への刺激と迷走神経への刺激を通じて、心臓不整脈の予防あるいは停止と、心臓の適切な機能を維持することを目的とするものであり、予め設定される頻拍の検出間隔閾値と、患者の拍動を比較するだけでなく、急性の心筋虚血を示唆する心電図のST部分(電圧)の変化と複雑な心室の頻拍に関連する他の要因も精査し、これに基づいて迷走神経への刺激を行うことによって頻拍を抑制することを可能としている。また、この心臓不整脈の治療装置では、迷走神経への刺激に伴う心拍数低下を克服するために、従来の心臓ペースメーカ機能を有するDDD/DDDRロジックブロックが心臓に対して刺激を与えるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6473644号明細書
【特許文献2】
国際公開第93/21824号パンフレット(PCT/US93/00051)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の心臓治療装置は、心拍数の変化を受けて刺激周波数を制御するものであり、急激な心拍数上昇に対して1心拍毎の滑らかで生理的な心拍数応答を実現することは困難であった。
また、特許文献2に記載の心臓不整脈の治療装置においても、患者の運動に対しては、迷走神経刺激と協調することなく、従来の心臓ペースメーカの機能を有するDDD/DDDRロジックブロックが作動して心臓の刺激を行うため、心拍数の急激な上昇を抑制、制御することは困難であるという問題があった。
一般に、心不全患者は、正常な人が普通に行う程度の運動をしても、急激に心拍数が上昇するため、動悸、息切れ、易疲労感を感じ、運動を継続することが困難となり、上記のような心臓治療装置を備えた場合でも、心不全患者は運動を中止せざるを得なかった。
本発明は、上記問題点に鑑み、心不全患者の運動耐用能力を上げるために迷走神経刺激により自発心拍数を抑え、ペースメーカにより代謝亢進時の心拍数制御を行うことができる心臓治療装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の心臓治療装置は、迷走神経を刺激するための神経刺激信号を発生する神経刺激手段と、調節可能な心臓刺激レートで心臓を刺激するための心臓刺激パルスを発生する心臓刺激手段と、生理的パラメータを検出し、前記検出された生理的パラメータに対応する出力信号を発生するセンサ手段と、センサ手段の出力信号に基づいて目標心臓刺激レートを決定する目標心臓刺激レート決定手段と、目標心臓刺激レート決定手段の出力と心臓刺激手段の現在の実心臓刺激レートとを比較することによって新たな実心臓刺激レートを決定する実心臓刺激レートを決定する実心臓刺激レート決定手段と、この実心臓刺激レート決定手段で決定された新たな実心臓刺激レートと上記目標心臓刺激レートを比較し、この比較結果に応答して神経刺激手段を制御する神経刺激制御手段を備えることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の好ましい形態として用いられるセンサ手段は加速度センサまたは振動センサであり、神経刺激制御手段が、目標心臓刺激レートが実心臓刺激レートよりも大きいときに、神経刺激信号を発生させて迷走神経を刺激し、目標心臓刺激レートが実心臓刺激レート以下のときには、神経刺激信号を発生させないことを特徴とするものである。
【0008】
更に、本発明の好ましい形態としては、目標心臓刺激レートと実心臓刺激レートのレート較差を算出するレート較差算出手段を備え、レート較差算出手段の出力に応答して、パルス間周期、パルス幅、パルス数、パルス電流、パルス電圧、ディレイ時間、休止時間、繰返回数の少なくとも1つ、もしくはこれらの中から選ばれる複数の組み合わせからなる神経刺激信号のパラメータを制御することを特徴としている。
【0009】
また、本発明の好ましい形態としては、目標心臓刺激レートが実心臓刺激レートよりも大きく、かつレート較差が予め定めた閾値よりも小さいときに神経刺激信号を発生させないようにし、目標心臓刺激レートが実心臓刺激レートよりも大きく、かつレート較差が予め定めた閾値よりも大きいときに神経刺激信号を発生させるようにしている。
【0010】
また、更に本発明の好ましい形態として、目標心臓刺激レートが実心臓刺激レートよりも大きく、かつ神経刺激手段が神経刺激信号の発生を停止しているときに、レート較差が第1の予め定めた閾値を超過した場合に神経刺激信号を発生させ、目標心臓刺激レートが前記実心臓刺激レートよりも大きく、かつ神経刺激手段が神経刺激信号の発生しているときに、レート較差が第2の予め定めた閾値を下回った場合に神経刺激信号を発生させないことを特徴としている。
そして、上記閾値は予め定めた固定値とすることもできるが、目標心臓刺激レートの所定の割合として設定することもできる。
【0011】
本発明によれば、心不全患者の運動レベルを加速度センサや振動センサで検出し、その運動レベルに対応した目標心臓刺激レートを設定している。そして、実心臓刺激レートを目標心臓刺激レートに向けて増加させる間に迷走神経刺激を行い、急激な自発心拍数の上昇を抑えることができる。また、目標心臓刺激レートが実心臓刺激レートを下回った場合は、神経刺激信号を発しないようにしているので、心拍数が急激に低下することがなく、心不全患者にとってより適合性のある心拍数変化の調整が実現できて、心不全患者の運動耐用能力を増加させることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による心臓治療装置の第1の実施形態を図1のブロック図に基づいて説明する。
本発明の心臓治療装置1は、心臓24の右心室25への刺激信号を発生する心室刺激手段2と、右心室25の収縮を検出する心室収縮検出手段3と、心臓24の右心房26への刺激信号を発生する心房刺激手段4と、右心房26の収縮を検出する心房収縮検出手段5と、迷走神経29を刺激する神経刺激信号を発生する神経刺激手段6と、神経刺激手段6による迷走神経29への刺激の有無及び刺激の程度を制御する神経刺激制御手段7と、実際の心臓の刺激レートを決定する実心臓刺激レート決定手段8と、心不全患者の運動状態を検出する体動センサ9と、体動検出のタイミングを計る体動検出タイマ10と、体動検出タイマ10からのタイミングで体動センサ9からの信号を取り込む体動検出手段11と、検出した体動の程度に応じて目標心臓刺激レート(以下、「目標レート」という。)を決定し、その結果を神経刺激手段7及び実心臓刺激レート決定手段8に供給する目標心臓刺激レート決定手段12と、実心臓刺激レート決定手段8からの実心臓刺激レート(以下、「実レート」という。)を心臓刺激インターバルに変換するレート/インターバル変換手段13と、心房収縮あるいは心房刺激(以下、両者をあわせて「心房イベント」という。)間隔を計時する心房刺激インターバルタイマ14と、実レートを時間間隔に変換したレート/インターバル変換手段13の出力と心房刺激インターバルタイマ14の計時時間を比較するインターバル比較手段15と、心房収縮検出手段5とインターバル比較手段15の出力が供給されるOR回路16と、OR回路16の出力でスタートし心室収縮検出手段3の出力でストップするAVD(房室遅延)タイマ17と、予め定めた房室遅延時間を記憶するAVD設定値記憶手段18と、AVDタイマ17の出力とAVD設定値記憶手段18の出力を比較するAVD比較手段19とから構成される。
【0013】
心室刺激手段2及び心室収縮検出手段3は、共通の心室電極リード20により心室刺激/検出電極21に接続され、心房刺激手段4及び心房収縮検出手段5も同様に心房電極リード22を介して心房刺激/検出電極23に接続されている。心室刺激/検出電極21と心房刺激/検出電極23は、心臓24の右心室25と右心房26にそれぞれ配置される。
【0014】
一般に、心臓用の電極としては、心臓の筋肉、いわゆる心筋内に埋め込む心筋電極と、大静脈を経由して心臓まで電極を挿入するカテーテル電極がある。図2に示すものは、カテーテル電極の例であるが、心室電極リード20及び心房電極リード22のいずれも最初は大静脈から心臓24の右心房26に導かれる。大静脈から右心房26に挿入された心房電極リード22は、J字状に曲げられた先端部を右心房26の壁から出っ張った袋状の右心耳内に引っ掛けるように挿入し、心房刺激/検出電極23が右心耳内壁に接触するように配置される。また、同様に大静脈から右心房26に挿入される心室電極リード20は、房室弁を通って右心房26から右心室25に入り、心室電極リード20の先端部に設けられる心室刺激/検出電極21が右心室25の最下部に接触するように配置される。
【0015】
また、神経刺激手段6は神経電極リード27を介して神経刺激電極28に接続され、神経刺激電極28は迷走神経29に巻きつけた状態で固定される。神経刺激電極28を巻きつける領域としては、頚部領域かあるいは外側頚動脈の右中央位置が好適である。また、神経刺激電極28は、血管内にカテーテル電極を留置することによって、血管壁に隣接した迷走神経29を刺激するように配置することも可能である。その場合、配置領域としては、鎖骨下静脈内が好適である。
【0016】
実心臓刺激レート決定手段8は、目標心臓刺激レート決定手段12の出力を実心臓刺激レート設定手段36の出力と比較するレート比較手段30と、レート比較手段30の出力を受けてレート上昇限界値記憶手段33またはレート下降限界値記憶手段34のいずれかを選択する限界値選択手段32と、限界値選択手段32で選択された限界値を実レートに加算または減算するレート演算手段31と、目標心臓刺激レート決定手段12、レート演算手段31及びレート比較手段30の出力が供給され、レート演算手段31の出力を目標レート以下または以上に制限するレート制限手段35と、レート制限手段35の出力を得て新たな実レートを設定する実心臓刺激レート設定手段36から構成される。ここでレート上昇限界値記憶手段33は実レートが目標レートより小さいときに、実レートに加算するための限界値(例えば5〜10拍)を記憶する記憶手段であり、レート下降限界値記憶手段34は実レートが目標レートより大きいときに、実レートから減算するための限界値(同様に、5〜10拍)を記憶する記憶手段である。
【0017】
神経刺激制御手段7はレート比較手段37から構成されるが、このレート比較手段37は、OR回路16の出力、すなわち心房イベントの検出毎に、実心臓刺激レート設定手段36が設定する実レートと目標心臓刺激レート決定手段12で決定される目標レートを比較し、この比較結果に基づいて、神経刺激手段6に対して迷走神経29を刺激するか否かの信号を送るものである。
【0018】
以下、図1に示す本発明の心臓治療装置の第1の実施の形態の動作について説明する。
図3は、体動センサレベルに応じて設定される目標心臓刺激レート(目標レート)の例を図示したものであり、安静時の目標レートを60拍/分、最大運動時の目標レートを100拍/分としている。本発明の第1の実施形態における心臓刺激レートの初期値は、目標レート及び実レートとも、安静時の目標レート60拍/分が設定される。目標レートと実レートがともに60拍/分であれば、実レートの更新もなく、迷走神経29の刺激も為されない。
【0019】
この状態から、患者が運動を行って体動センサ9のレベルが上昇し、体動検出手段11の出力が変化して、目標心臓刺激レート決定手段12において目標レートが100拍/分に変化したと仮定する。この目標レートはレート比較手段30に供給されるが、同じくレート比較手段30に供給される実心臓刺激レート設定手段36からの実レートは60拍/分のままであるので、レート比較手段30は目標レートが実レートより大きいという信号を発生する。この信号を受けて、限界値選択手段32はレート上昇限界値記憶手段33から限界値、例えば5拍を選択し、これをレート演算手段31に送る。レート演算手段31は供給される実レートに上記限界値5拍を加算して65拍/分という値をレート制限手段35に送る。
【0020】
レート制限手段35は、目標レート100拍/分とレート演算手段31からの65拍/分とを比べ、小さい値の65拍/分を実心臓刺激レート設定手段36に送り、これを新たな実レートに設定する。このサイクルは実レートが目標レートに達するまで繰り返される。実レートが目標レートより小さい間は、神経刺激制御手段7におけるレート比較手段37により、神経刺激手段6に信号が送られ、迷走神経29の刺激が継続的に行われる。
【0021】
また、実心臓刺激レート設定手段36からの実レートはレート比較手段30に加えられるが、この信号は再び限界値選択手段32に送られ、レート上昇限界値記憶手段33に記憶されているレート上昇限界値が加算される。この実レートの更新は、OR回路16からの出力、すなわち心房イベントの検出ごとに行われ、1回の更新で5拍ずつ増加していく。目標レートが100拍/分で実レートが60拍/分の場合は、8回の心房イベントの検出により実レートが目標レートに到達する計算になる。実レートが増えて目標レートを超える場合は、レート制限手段35において実レートは目標レートに制限される。そして、実レートが目標レートに制限されたときは、神経制御手段7のレート比較手段37から神経刺激手段6に信号が発せられないため、迷走神経29の刺激は停止される。
【0022】
また、実心臓刺激レート設定手段36の出力値、実レートは、レート/インターバル変換手段13に供給される。例えば、実レートが75拍/分のときは、レート/インターバル変換手段13は、心拍間隔(インターバル)0.8秒を出力し、この値をインターバル比較手段15に供給する。一方、インターバル比較手段15には、心房刺激インターバルタイマ14からの計時信号が供給されており、上記レート/インターバル変換手段13からの出力、0.8秒を超えて心房刺激インターバルタイマ14が計時すると(すなわち、0.8秒経過してもタイマがリセットされないとき)、インターバル比較手段15から出力が発せられて、心房刺激手段4に供給される。心房刺激手段4は、この信号を受けて心房電極リード22、心房刺激電極23を経て心房刺激を行う。
【0023】
また、インターバル比較手段15の出力は、心房収縮検出手段5の出力とともに、OR回路16を経由して心臓刺激インターバルタイマ14に供給されてこれをリセットするとともに、AVDタイマ17に供給されてAVDタイマ17の計数を開始させる。
【0024】
AVDタイマ17は、心房の収縮あるいは心房刺激(心房イベント)から心室が収縮するまでの時間を計測するものであり、心房イベントをトリガーとして計時を開始し、心室収縮検出手段3において心室の収縮を検出すると、その計時をストップする。
そして、AVD設定値記憶手段18に記憶されている所定の設定値内に心室収縮検出手段3が右心室25の収縮を検出しない場合は、AVDタイマ17の計時値がAVD設定値記憶手段18の設定値に達するため、AVD比較手段19から出力が発せられて、心室刺激手段2に送られる。心室刺激手段2はこの信号を受けて、心室電極リード20、心室刺激電極21を経て心室刺激を行う。
【0025】
以下、本発明の第1の実施形態の動作を図4と図5に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
まず、心房刺激インターバルタイマ14をスタートさせる(ステップS1)とともに、体動検出タイマ10をスタートさせる(ステップS2)。次に、目標心臓刺激レート決定手段12において、目標レートを基本レート(例えば安静時のレート60)に選定する(ステップS3)。続いて、実心臓刺激レート設定手段36において実レートを基本レート(例えば安静時のレート60)に選定する(ステップS4)。ここで、目標レートは図3に示すように患者の体動センサレベルに応じて変化するものであり、目標レートの算出・設定方法は、図4のフロー図に示されるように体動検出タイマ10に設定するタイミングで適宜行われる。すなわち、体動検出タイマ10からのタイミングで体動センサ9のセンサレベルに対応する患者の体動が体動検出手段11で検出され(ステップS101)、この検出された体動センサレベルに応じて目標心臓刺激レート決定手段12において目標レートが算出・設定されるものである(ステップS102)。なお、ここでの体動センサ9としては加速度センサまたは振動センサが用いられる。
【0026】
次に、心房収縮検出手段5において、心房の収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS5)。判断ステップS5で心房収縮が検出されると心房刺激インターバルタイマ14がリセットされる(ステップS6)。そして、判断ステップS5で心房収縮が検出されない場合は、心房刺激インターバルタイマ14がタイムアウトしているか否かが判断される(ステップS7)。判断ステップS7において、タイムアウトしていないと判断されると、判断ステップS5に戻り、タイムアウトしていると判断されると、心房刺激手段4を作動させて心房刺激を行った後(ステップS8)、心房刺激インターバルタイマ14をリセットする(ステップS6)。
【0027】
次に、レート比較手段30において、現在の実レートと目標レートが比較されその大小関係が判断される(ステップS9)。現在の実レートが目標レートより大きいときは、レート演算手段31において、現在の実レートからレート下降限界値が減算される(ステップS10)。そして、このようにしてレート下降限界値が減算されたレート演算手段31からのレート演算値と目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートが再び比較され(ステップS11)、レート演算値が目標レートよりも小さくなった場合は、レート制限手段35において目標レートをレート演算値とし(ステップS12)、このレート演算値を新たな実レートとして設定する(ステップS13)。
【0028】
また、判断ステップS11において、実レートからレート下降限界値が減算されたレート演算値が、なお目標レートより大きいか等しいときは、実心臓刺激レート設定手段36において、このレート演算値を新たな実レートとして設定する(ステップS13)。そしてこの新たな実レートをレート/インターバル変換手段13に送り、心房刺激インターバルタイマ14の閾値に設定する(ステップS14)。
【0029】
判断ステップS9において、現在の実レートが目標レートより小さいかあるいは等しいと判断された場合は、限界値選択手段32がレート上昇限界値記憶手段33を選択し、レート演算手段31において現在の実レートにレート上昇限界値が加算される(ステップS15)。そして、レート制限手段35において、レート演算手段31からのレート演算値と目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートが比較され(ステップS16)、レート演算値が目標レートより大きいときは、ステップS12の処理が行われ、レート演算値が目標レートより小さいかあるいは等しいときは、レート演算値を新たな実レートとして設定するステップS13の処理が行われる。
【0030】
図5は、図4に示される本発明の第1の実施形態の動作を説明するステップS14以降の処理を示したフロー図である。ステップS13で実心臓刺激レート設定手段36によりレート演算手段31とレート制限手段35で演算処理されたレート演算値が新たな実レートとして設定されると、この新たな実レートが神経刺激制御手段7のレート比較手段37において目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと比較される(ステップS17)。そして、この比較の結果、新たな実レートが目標レートより小さいときは、神経刺激手段6により迷走神経29の刺激が行われ(ステップS18),逆に、新たな実レートが目標レートより大きいか等しいときは、神経刺激制御手段7から神経刺激手段6へは信号が供給されず、迷走神経29の刺激は行われない(ステップS19)。
【0031】
続いて、心房収縮の検出あるいは心房刺激によりAVDタイマ17をスタートさせ(ステップS20)、心室収縮検出手段3において心室収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS21)。心室収縮が検出された場合には、AVDタイマ17の計時を停止させ(ステップS22)、図4の判断ステップS5に戻り、次の心房収縮の検出を待つ。判断ステップS21で、心室収縮が検出されない場合は、AVDタイマ17がタイムアウトしているか否かが判断される(ステップS23)。すなわち、AVDタイマ17の計数値がAVD設定値記憶手段18に設定されている基準となるAVD(房室遅延)時間を超えたかどうかが判定され、超えた場合にはAVD比較手段19より出力が発せられて、心室刺激手段2によって右心室25の刺激が為される(ステップS24)。判断ステップS23でAVDタイマ17がタイムアウトしていないと判断されたときは、判断ステップS21に戻り、心室収縮の検出を待つ。
【0032】
図6は、本発明の心臓治療装置の第2の実施形態を示すブロック構成図である。図1に示す第1の実施形態と異なる部分は神経刺激制御手段7の構成である。他の構成は、図1のブロック構成図と同じであるので同一符号を付し説明も省略する。
【0033】
本発明の第2の実施形態における神経刺激制御手段7は、目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと実心臓刺激レート設定手段36からの実レートが供給されるレート較差算出手段38と、レート較差算出手段38の出力が供給され、閾値記憶手段40に記憶されている閾値と比較されるレート較差比較手段39と、レート較差算出手段38の出力が供給される神経刺激波形制御手段41とから構成されている。そして神経刺激波形制御手段41は、その内部に神経刺激パラメータテーブル記憶手段42を保有し、レート較差算出手段38からのレート較差に対応した神経刺激パラメータを選定できるようにしている。なお、レート較差算出手段38の出力は、直接に神経刺激手段6に供給され、神経刺激を行うか否かを制御するようにしている。
【0034】
図10は、神経刺激波形のパラメータを説明する図であり、心電図における心臓イベント(心房または心室イベント)を基準として、神経刺激パルスのパルス振幅(電圧または電流)、心臓イベントからのディレイ時間、パルス数、パルス幅、パルス間周期、繰返回数、休止時間等が神経刺激のパラメータとなることを示している。
【0035】
この神経刺激パラメータの制御例を表1から表3に示す。いずれの制御例においても、実レートと目標レートのレート較差が10拍/分未満、20拍/分未満、30拍/分未満及び30拍/分以上の4段階に区分されている。表1は、パルス数を制御する例であり、レート較差に対応して、神経刺激波形特性のうち、パルス数のみを1個から4個に変更制御し、その他のパラメータであるディレイ時間、振幅、パルス幅、パルス間周期、繰返回数、休止時間は変更しないで一定としている。
【0036】
【表1】
Figure 0004252845
【0037】
また、表2は、パルス間周期を制御する例であり、レート較差に対応して、神経刺激波形特性のうち、パルス間周期のみを50msec〜25msecの範囲で変更するようにしている。その他のパラメータである、パルス数、ディレイ時間、振幅、パルス幅、繰返回数、休止時間は変更していない。
【0038】
【表2】
Figure 0004252845
【0039】
表3は、ディレイ時間を制御する例であり、レート較差に対応して、神経刺激波形特性のうち、ディレイ時間を0msec〜15msecの範囲で変更するようにしている。その他のパラメータである、パルス数、振幅、パルス幅、パルス間周期、繰返回数、休止時間は変更していない。
【0040】
【表3】
Figure 0004252845
【0041】
表1から表3の制御例は、レート較差に応じて1つのパラメータのみを変更する例であるが、これらのパラメータのいくつかの任意の組み合わせを変えて神経刺激波形を制御することも可能である。
【0042】
以下、図6に示す本発明の第2の実施形態の動作を図4と図7のフロー図に基づいて説明する。
図4のフロー図は、本発明の第1の実施形態の動作説明に用いたものであり、この動作説明(ステップS1からステップS16まで)は本発明の第2の実施形態にも適用されるものであるので、ここでは、図4の説明の繰り返しは避け、図7のフロー図に基づいて本発明の第2の実施形態の動作説明を行う。図4のステップS13でレート演算値が新たな実レートとして設定されると、この新たな実レートが神経刺激制御手段7のレート較差算出手段38において目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと比較される(ステップS25)。そして、この比較の結果、新たな実レートが目標レートより小さいときは、実レートと目標レートの差分が算出され(ステップS26)、続いて、このレート較差算出値がレート較差比較手段39において、閾値記憶手段40に記憶されている閾値より大きいか否かが判断される(ステップS27)。
【0043】
レート較差算出手段38で算出されたレート較差算出値が閾値記憶手段40に記憶されている閾値より大きいときは、神経刺激波形制御手段41において、このレート較差算出値に基づいて神経刺激パラメータテーブル記憶手段42のパラメータテーブルから適当な神経刺激波形パラメータを選定し(ステップS28)、神経刺激手段6によりこの波形パラメータに依存した迷走神経29の刺激が行われる(ステップS29)。
【0044】
判断ステップS25において、新たな実レートが目標レートより大きいかまたは等しいと判断された場合、または、判断ステップS27において、レート較差算出値が閾値記憶手段40に記憶されている閾値よりも小さいか等しいと判断された場合は、レート較差算出手段38またはレート較差比較手段39から直接に神経刺激手段6に信号が送られ、迷走神経29の刺激が停止される(ステップS30)。図7のフロー図において、ステップS20〜ステップS24までは、図5に示す第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0045】
図8は、本発明の心臓治療装置の第3の実施形態を示すブロック構成図であり、図1に示す本発明の第1の実施形態及び図6に示す本発明の第2の実施形態と同一部分は同一符号を付して示している。この第3の実施形態と図6に示す第2の実施形態と異なるところは、神経刺激制御手段7の構成部分のみである。
【0046】
すなわち、図8に示す本発明の第3の実施形態において、神経刺激制御手段7は、目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと実心臓刺激レート設定手段36からの実レートが供給されるレート較差算出手段38と、予め閾値の変更レートの割合を記憶しておくレート割合記憶手段44と、レート割合記憶手段44で記憶されている割合に基づいて閾値を算出する閾値算出設定手段43と、レート較差算出手段38からのレート較差算出値と閾値算出設定手段43からの閾値とを比較するレート較差比較手段39と、レート較差算出手段38の出力が供給される神経刺激波形制御手段41とから構成されている。図6に示す第2の実施形態においては、レート較差比較手段39に与えられる閾値は閾値記憶手段40に記憶されている固定値であるが、図8に示される第3の実施形態においては、予め閾値を変更するという前提でその変更レートの割合を記憶させておく点で第2の実施形態と異なっている。
【0047】
本発明の第3の実施形態の動作について、図4と図9のフロー図に基づいて説明する。図4の説明は第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。図4において、ステップS13でレート演算値が新たな実レートとして設定されると、この新たな実レートが神経刺激制御手段7のレート較差算出手段38において目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと比較される(ステップS25)。そして、この比較の結果、新たな実レートが目標レートより小さいときは、実レートと目標レートの差分が算出される(ステップS26)。ここまでは図7に示す第2の実施形態の動作説明と同じである。
【0048】
次に、続いて、閾値算出設定手段43とレート割合記憶手段44から目標レートの所定割合の閾値が算出される(ステップS31)。この算出閾値はレート較差比較手段39に送られ、ここでレート較差算出手段38からのレート較差算出値と比較されて、その大小関係が判断される(ステップS32)。そして、判断ステップS32において、レート較差算出値が算出閾値より大きいと判断された場合は、神経刺激波形制御手段41において、このレート較差算出値に基づいて神経刺激パラメータテーブル記憶手段42のパラメータテーブルから適当な神経刺激波形パラメータを選定し(ステップS28)、神経刺激手段6によりこの波形パラメータに依存した迷走神経29の刺激が行われる(ステップS29)。
【0049】
判断ステップS25において、新たな実レートが目標レートより大きいかまたは等しいと判断された場合、または、判断ステップS32において、レート較差算出値が算出閾値よりも小さいか等しいと判断された場合は、レート較差算出手段38またはレート較差比較手段39から直接に神経刺激手段6に信号が送られ、迷走神経29の刺激が停止される(ステップS30)。図9のフロー図において、ステップS20〜ステップS24までは、図5に示す第1の実施形態あるいは図7に示す第2の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
【0050】
図11は、本発明の第4の実施形態を示すブロック構成図である。
この第4の実施形態において、第2、第3の実施形態と異なるところは神経刺激制御手段7の構成である。第1〜第3の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して説明する。
【0051】
図11において、神経刺激制御手段7は、目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと実心臓刺激レート設定手段36からの実レートが供給されるレート較差算出手段38と、レート較差算出手段38からのレート較差算出値が供給されるレート較差比較手段39と、レート較差比較手段39に供給される第1の閾値を記憶する第1閾値記憶手段45と、同じくレート較差比較手段39に供給される第2の閾値を記憶する第2閾値記憶手段46と、レート較差算出手段38のレート算出値が供給される神経刺激波形制御手段41とから構成されている。図11に示す第4の実施形態においては、2つの固定された閾値を予め備え、この閾値とレート較差算出手段38からのレート較差算出値とを比較しているところに特徴がある。
【0052】
以下、図12と図13のフロー図に基づいて、本発明の第4の実施形態の動作を説明する。図12は、図4のフロー図とほぼ同じものであるが、図12では神経刺激フラグについて言及しているので、図4の説明と重複する部分も含めて、ここでは図4とは異なる新たな符号を付して説明を加えることとする。
【0053】
まず、心房刺激インターバルタイマ14をスタートさせる(ステップS40)とともに、体動検出タイマ10をスタートさせる(ステップS41)。次に、神経刺激波形制御手段41における神経刺激パラメータテーブル記憶手段42の神経刺激フラグ(不図示)にFalseを設定する(ステップS42)。ここで神経刺激フラグがFalseであるということは、前のサイクルで神経刺激が行われなかったことを意味し、逆に、神経刺激フラグがTrueであるということは、前のサイクルで神経刺激が行われたことを意味している。
【0054】
続いて、目標心臓刺激レート決定手段12において、目標レートを基本レート(例えば安静時のレート60)に選定するとともに、実心臓刺激レート設定手段36において実レートを基本レート(例えば安静時のレート60)に選定する(ステップS43)。ここで、目標レートは患者の体動センサレベルに応じて変化するものであり(図3を参照。)、目標レートの算出・設定方法は、体動検出タイマ10に設定するタイミングで適宜行われる。すなわち、体動検出タイマ10からのタイミングで体動センサ9のセンサレベルに対応する患者の体動が体動検出手段11で検出され(ステップS101)、この検出された体動センサレベルに応じて目標心臓刺激レート決定手段12において目標レートが算出・設定されるものである(ステップS102)。なお、ここでの体動センサ9としては加速度センサまたは振動センサが用いられる。
【0055】
次に、心房収縮検出手段5において、心房の収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS44)。判断ステップS44で心房収縮が検出されると心房刺激インターバルタイマ14がリセットされる(ステップS45)。そして、判断ステップS44で心房収縮が検出されない場合は、心房刺激インターバルタイマ14がタイムアウトしているか否かが判断される(ステップS46)。判断ステップS46において、タイムアウトしていないと判断されると、判断ステップS44に戻り、タイムアウトしていると判断されると、心房刺激手段4を作動させて心房刺激を行った後(ステップS47)、心房刺激インターバルタイマ14をリセットする(ステップS45)。
【0056】
次に、レート比較手段30において、現在の実レートと目標レートが比較されその大小関係が判断される(ステップS48)。現在の実レートが目標レートより大きいときは、レート演算手段31において、現在の実レートからレート下降限界値が減算される(ステップS49)。そして、このようにしてレート下降限界値が減算されたレート演算手段31からのレート演算値と目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートが再び比較され(ステップS50)、レート演算値が目標レートよりも小さくなった場合は、レート制限手段35において目標レートをレート演算値とするようにレート演算値を制限し(ステップS51)、このレート演算値を新たな実レートとして設定する(ステップS52)。
【0057】
また、判断ステップS50において、レート下降限界値が実レートから減算されたレート演算値が、なお目標レートより大きいか等しいときは、実心臓刺激レート設定手段36において、このレート演算値を新たな実レートとして設定する(ステップS52)。そしてこの新たな実レートをレート/インターバル変換手段13に送り、心房刺激インターバルタイマ14の閾値に設定する(ステップS53)。
【0058】
判断ステップS48において、現在の実レートが目標レートより小さいかあるいは等しいと判断された場合は、限界値選択手段32がレート上昇限界値記憶手段33を選択し、レート演算手段31において現在の実レートにレート上昇限界値が加算される(ステップS54)。そして、レート制限手段35において、レート演算手段31からのレート演算値と目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートが比較され(ステップS55)、レート演算値が目標レートより大きいときは、ステップS51の処理が行われ、レート演算値が目標レートより小さいかあるいは等しいときは、レート演算値を新たな実レートとして設定するステップS52の処理が行われる。
【0059】
図13は、図12に示される本発明の第4の実施形態の動作を説明するステップS55以降の処理を示したフロー図である。ステップS52で実心臓刺激レート設定手段36によりレート演算手段31とレート制限手段35で演算処理されたレート演算値が新たな実レートとして設定されると、この新たな実レートが神経刺激制御手段7のレート較差算出手段38において目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと比較され(ステップS56)、新たな実レートが目標レートよりも小さいときにレート較差が算出される(ステップS57)。
【0060】
次に、神経刺激波形制御手段41の神経刺激パラメータテーブル記憶手段42の神経刺激フラグがTrueであるか否かが判断される(ステップS58)。そして、神経刺激フラグがTrue、すなわち、前のサイクルで神経刺激が行われている場合は、レート較差比較手段39において第2閾値記憶手段46に記憶されている第2閾値が選択され、ステップS57で算出したレート較差算出値が第2閾値より大きいか否かが判断される(ステップS59)。
【0061】
そして、判断ステップS59でレート較差算出値が第2閾値より大きいと判断された場合は、このレート較差算出値に基づいて神経刺激パラメータテーブル記憶手段42に記憶されているパラメータを調整し(ステップS60)、続いて、神経刺激フラグのTrue状態を維持した後(ステップS62)、迷走神経29の刺激を行う(ステップS63)。
【0062】
判断ステップS58において、神経刺激フラグがTrueでない(False)、つまり、前のサイクルで神経刺激が行われていないと判断されると、レート較差比較手段39において第1閾値記憶手段45に記憶されている第1閾値が選択され、ステップS57で算出したレート較差算出値が第1閾値より大きいか否かが判断される(ステップS61)。そして、レート較差算出値が第1閾値より大きいと判断された場合は、ステップS60、ステップS62の処理を経て、迷走神経29の刺激が行われる(ステップS63)。ここで、神経刺激フラグがFalseのときに用いられる第1閾値記憶手段45に記憶されている第1閾値は、神経刺激フラグがTrueのときに用いられる第2閾値記憶手段46に記憶されている第2閾値よりも大きくとるのが普通であるが、この第1及び第2閾値は心不全患者の状況を見て医師が適宜決定するものであるので、場合によっては、第2閾値が第1閾値よりも大きな値に設定される場合もありうる。
【0063】
判断ステップS56で新たな実レートが目標レート以上(大きいかあるいは等しい)と判定された場合、判断ステップS59でレート較差算出値が第2閾値以下と判定された場合、及び判断ステップS61でレート較差算出値が第1閾値以下と判定された場合のいずれのケースにおいても、神経刺激テーブルパラメータ記憶手段42の神経刺激フラグをFalseとし(ステップS64)、神経刺激手段6による迷走神経29の刺激を停止させる(ステップS65)。
【0064】
続いて、心房収縮の検出あるいは心房刺激によりAVDタイマ17をスタートさせ(ステップS66)、心室収縮検出手段3において心室収縮が検出されたか否かが判断される(ステップS67)。心室収縮が検出された場合には、AVDタイマ17の計時を停止させ(ステップS68)、図12の判断ステップS44に戻り、次の心房収縮の検出を待つ。判断ステップS67で、心室収縮が検出されない場合は、AVDタイマ17がタイムアウトしているか否かが判断される(ステップS69)。すなわち、AVDタイマ17の計数値がAVD設定値記憶手段18に設定されている基準となるAVD(房室遅延)時間を超えたかどうかが判定され、超えた場合にはAVD比較手段19より出力が発せられて、心室刺激手段2によって右心室25の刺激が為される(ステップS70)。判断ステップS69でAVDタイマ17がタイムアウトしていないと判断されたときは、判断ステップS67に戻り、心室収縮の検出を待つ。
【0065】
図14は、本発明の第5の実施形態を示すブロック構成図である。図11に示す本発明の第4の実施形態と異なるところは、神経刺激制御手段7の構成部分である。第4の実施形態と同じ構成部分は、同一符号を付して示してある。
【0066】
図14における神経刺激制御手段7は、目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと実心臓刺激レート設定手段36からの実レートが供給されるレート較差算出手段38と、レート較差算出手段38からのレート較差算出値が供給されるレート較差比較手段39と、レート較差比較手段39に供給される第1の閾値を算出する第1閾値算出手段47と、同じくレート較差比較手段39に供給される第2の閾値を算出する第2閾値算出手段48と、第1閾値算出手段47で算出される第1閾値を目標レートに対する所定割合で変更するためのレート割合を記憶する第1レート割合記憶手段49と、第2閾値算出手段48で算出される第2閾値を目標レートに対する所定割合で変更するためのレート割合を記憶する第2レート割合記憶手段50と、レート較差算出手段38のレート算出値が供給される神経刺激波形制御手段41とから構成されている。図14に示す第5の実施形態においては、レート較差比較手段39に供給する閾値を目標レートに対するレート割合に応じて変更するところが第4の実施形態と異なっている。
【0067】
次に、図12と図15のフロー図に基づいて、本発明の第5の実施形態の動作について説明する。図12の説明は第4の実施形態の動作説明時に行っているのでここでは省略し、図15のフロー図のみ説明する。
図12のステップS52で実心臓刺激レート設定手段36によりレート演算手段31とレート制限手段35で演算処理されたレート演算値が新たな実レートとして設定されると、この新たな実レートが神経刺激制御手段7のレート較差算出手段38において目標心臓刺激レート決定手段12からの目標レートと比較され(ステップS56)、新たな実レートが目標レートよりも小さいときにレート較差が算出される(ステップS57)。
【0068】
次に、第1閾値算出手段47により第1レート割合記憶手段49に記憶されている目標レートに対するレート割合に応じて第1閾値が算出されるとともに、第2閾値算出手段48により第2レート割合記憶手段50に記憶されている目標レートに対するレート割合に応じて第2閾値が算出される(ステップS71)。
【0069】
続いて、神経刺激波形制御手段41の神経刺激パラメータテーブル記憶手段42の神経刺激フラグがTrueであるか否かが判断される(ステップS72)。そして、神経刺激フラグがTrue、すなわち、前のサイクルで神経刺激が行われている場合は、レート較差比較手段39において第2閾値算出手段47で算出された第2閾値が選択され、ステップS57で算出したレート較差算出値がこの算出第2閾値より大きいか否かが判断される(ステップS73)。
【0070】
そして、判断ステップS73でレート較差算出値が算出第2閾値より大きいと判断された場合は、このレート較差算出値に基づいて神経刺激パラメータテーブル記憶手段42に記憶されているパラメータを調整し(ステップS60)、続いて、神経刺激フラグのTrue状態を維持した後(ステップS62)、迷走神経29の刺激を行う(ステップS63)。
【0071】
判断ステップS72において、神経刺激フラグがTrueでない(False)、つまり、前のサイクルで神経刺激が行われていないと判断されると、レート較差比較手段39において第1閾値算出手段47で算出された第1閾値が選択され、ステップS57で算出したレート較差算出値がこの算出第1閾値より大きいか否かが判断される(ステップS74)。そして、レート較差算出値が算出第1閾値より大きいと判断された場合は、ステップS60、ステップS62の処理を経て、迷走神経29の刺激が行われる(ステップS63)。
【0072】
ここで、神経刺激フラグがFalseのときに用いられる第1閾値算出手段47で算出される第1閾値は、第1レート割合記憶手段49に記憶されている目標レートに対する所定レート割合から算出される。また、神経刺激フラグがTrueのときに用いられる第2閾値算出手段48で算出される第2閾値は、第2レート割合記憶手段50に記憶されている目標レートに対する所定レート割合から算出される。そして、通常、前サイクルで神経刺激が行われない場合に用いられる第1レート割合は、前サイクルで神経刺激が行われたときに用いられる第2レート割合より大きくとるのが普通であるが、この第1及び第2のレート割合は心不全患者の状況を見て医師が適宜決定するものであり、場合によっては、第2のレート割合が第1のレート割合よりも大きな値に設定される場合もありうる。
【0073】
判断ステップS56で新たな実レートが目標レート以上(大きいかあるいは等しい)と判定された場合、判断ステップS73でレート較差算出値が算出第2閾値以下と判定された場合、及び判断ステップS74でレート較差算出値が算出第1閾値以下と判定された場合のいずれのケースにおいても、神経刺激テーブルパラメータ記憶手段42の神経刺激フラグをFalseとし(ステップS64)、神経刺激手段6による迷走神経29の刺激を停止させる(ステップS65)。以下、AVDタイマスタート(ステップS66)から心室刺激(ステップS70)までは、第4の実施形態の説明と同じなのでここでの説明は省略する。
【0074】
以上説明したように、本発明の心臓治療装置の第1〜第5の実施形態においては、実心臓刺激レート決定手段8における実心臓刺激レートの更新は、心房収縮検出または心房刺激のタイミングで行うものであるが、心房刺激のタイミングの代わりに心室刺激のタイミングで行うことができることは当然である。本発明は上記第1〜第5の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能であることはいうまでもないことである。
【0075】
【発明の効果】
以上、本発明は、第1〜第5の実施形態における説明から明らかなように、患者の運動に反応した体動センサ9のセンサレベルに応じて目標心臓刺激レートを設定し、迷走神経刺激とともに実際に心臓の刺激を行う実心臓刺激レートを段階的に目標心臓刺激レートに近づけることによって、1心拍毎の滑らかで生理的な心拍数応答を実現して、患者の心臓に過大な負担をかけることなく患者の運動耐用能力の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の心臓治療装置の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の心臓治療装置に用いられる電極リード及び刺激電極の心臓への配置図である。
【図3】本発明の心臓治療装置の体動センサレベルに応じた目標心臓刺激レートを示す図である。
【図4】本発明の心臓治療装置の第1から第3の実施形態の動作を説明するための共通のフロー図である。
【図5】本発明の心臓治療装置の第1の実施形態の動作を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の心臓治療装置の第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の心臓治療装置の第2の実施形態の動作を説明するためのフロー図である。
【図8】本発明の心臓治療装置の第3の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の心臓治療装置の第3の実施形態の動作を説明するためのフロー図である。
【図10】神経刺激波形パラメータの種類を説明するための図である。
【図11】本発明の心臓治療装置の第4の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の心臓治療装置の第4及び第5の実施形態の動作を説明するための共通のフロー図である。
【図13】本発明の心臓治療装置の第4の実施形態の動作を説明するためのフロー図である。
【図14】本発明の心臓治療装置の第5の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図15】本発明の心臓治療装置の第5の実施形態の動作を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
1・・・心臓治療装置、2・・・心室刺激手段、3・・・心室収縮検出手段、4・・・心房刺激手段、5・・・心房収縮検出手段、6・・・神経刺激手段、7・・・神経刺激制御手段、8・・・実心臓刺激レート決定手段、9・・・体動センサ、10・・・体動検出タイマ、11・・・体動検出手段、12・・・目標心臓刺激レート決定手段、13・・・レート/インターバル変換手段、14・・・心房刺激インターバルタイマ、15・・・インターバル比較手段、20・・・心室電極リード、21・・・心室刺激/検出電極、22・・・心房電極リード、23・・・心房刺激/検出電極、24・・・心臓、27・・・神経電極リード、28・・・神経刺激電極、29・・・迷走神経、30、37・・・レート比較手段、31・・・レート演算手段、35・・・レート制限手段、36・・・実心臓刺激レート設定手段、38・・・レート較差算出手段、39・・・レート較差比較手段、41・・・神経刺激波形制御手段、42・・・神経刺激パラメータテーブル記憶手段

Claims (14)

  1. 迷走神経を刺激するための神経刺激信号を発生する神経刺激手段と、
    調節可能な心臓刺激レートで心臓を刺激するための心臓刺激パルスを発生する心臓刺激手段と、
    生理的パラメータを検出し、前記検出された生理的パラメータに対応する出力信号を発生するセンサ手段と、
    前記センサ手段の出力信号に基づいて目標心臓刺激レートを決定する目標心臓刺激レート決定手段と、
    前記目標心臓刺激レート決定手段の出力と前記心臓刺激手段の現在の実心臓刺激レートとを比較することによって新たな実心臓刺激レートを決定する実心臓刺激レートを決定する実心臓刺激レート決定手段と、
    前記実心臓刺激レート決定手段で決定された新たな実心臓刺激レートと前記目標心臓刺激レートを比較し、この比較結果に応答して前記神経刺激手段を制御する神経刺激制御手段を備えることを特徴とする心臓治療装置。
  2. 前記センサ手段が加速度センサまたは振動センサであることを特徴とする請求項1に記載の心臓治療装置。
  3. 前記神経刺激制御手段が、前記目標心臓刺激レートが前記実心臓刺激レートよりも大きいときに、前記神経刺激手段に前記神経刺激信号を発生させることを特徴とする請求項1または2に記載の心臓治療装置。
  4. 前記神経刺激制御手段が、前記目標心臓刺激レートが前記実心臓刺激レート以下のときに、前記神経刺激手段に前記神経刺激信号を発生させないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の心臓治療装置。
  5. 前記神経刺激制御手段が、前記目標心臓刺激レートと前記実心臓刺激レートのレート較差を算出するレート較差算出手段を備え、前記レート較差算出手段の出力に応答して前記神経刺激手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の心臓治療装置。
  6. 前記神経刺激制御手段が、前記レート較差算出手段の出力に基づいて前記神経刺激信号のパラメータを制御することを特徴とする請求項5に記載の心臓治療装置。
  7. 前記神経刺激信号のパラメータが、パルス間周期、パルス幅、パルス数、パルス電流、パルス電圧、ディレイ時間、休止時間、繰返回数の少なくとも1つ、もしくはこれらの中から選ばれる複数の組み合わせであることを特徴とする請求項6に記載の心臓治療装置。
  8. 前記神経刺激制御手段が、前記目標心臓刺激レートが前記実心臓刺激レートよりも大きく、かつ前記レート較差が予め定めた閾値よりも小さいときに前記神経刺激信号を発生させないことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の心臓治療装置。
  9. 前記神経刺激制御手段が、前記目標心臓刺激レートが前記実心臓刺激レートよりも大きく、かつ前記レート較差が予め定めた閾値よりも大きいときに前記神経刺激信号を発生させることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の心臓治療装置。
  10. 前記神経刺激制御手段が、前記目標心臓刺激レートが前記実心臓刺激レートよりも大きく、かつ前記神経刺激手段が前記神経刺激信号の発生を停止しているときに、前記レート較差が第1の予め定めた閾値を超過した場合に前記神経刺激信号を発生させることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の心臓治療装置。
  11. 前記神経刺激制御手段が、前記目標心臓刺激レートが前記実心臓刺激レートよりも大きく、かつ前記神経刺激手段が前記神経刺激信号を発生しているときに、前記レート較差が第2の予め定めた閾値を下回った場合に前記神経刺激信号を発生させないことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の心臓治療装置。
  12. 前記閾値が予め定めた固定値であることを特徴とする請求項8〜11に記載の心臓治療装置。
  13. 前記閾値が前記目標心臓刺激レートの関数であることを特徴とする請求項8〜11に記載の心臓治療装置。
  14. 前記関数が前記目標心臓刺激レートの所定の割合であることを特徴とする請求項13に記載の心臓治療装置。
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