JP4251823B2 - 用紙処理装置及び画像形成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、印刷機等の画像形成装置に一体もしくは別体に設けられ、画像形成済みの用紙(記録媒体)に対して綴じ、穴明け、揃え、折りなどの所定の処理を行って排紙する用紙処理装置及び当該用紙処理装置を含んで構成される画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタ等の画像形成装置から排出される用紙に対して、仕分け/パンチ/スティプル等の処理を自動で行う用紙後処理装置が種々提供されているが、近年では、その各機能の品質に関してニーズが多様化/高度化しており、特にスティプル処理された用紙束の揃え精度(整合状態)に対するニーズは極めて高くなってきている。そこで、このようなニーズに応えるため、特開平11−286368号公報には、橋綴じ以外にも中綴じが可能で、装置の大型化や複雑化を招くことなく、しかも低コスト化を可能とするため、整合トレー部材の一端側に配置され、当該整合トレー部材上に配置された複数枚のシートの一端縁を綴じる端綴じ用のスティプル手段と、前記整合トレー部材の中間部に配置され、整合シート揃え部材によって整合された複数枚のシートを、その中央部が中と滋養のスティプル手段に位置するようにシートの束を移動させるシート移動手段と、前記端綴じ用のスティプル手段または中綴じ用のスティプル手段によって綴じられたシートの束を排出するシート排出手段とを備えたシート後処理装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示された発明では、端綴じ用のスティプル手段と中綴じ用のスティプル手段とを別々に備え、端綴じ以外にも中綴じを可能としているが、前記スティプル手段は、端綴じと中綴じの機能にはっきりと分かれているので、例えば用紙の綴じ数に応じてより効率的に綴じるというようなことは不可能であった。
【0004】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザにより複数箇所の綴じモードが選択された場合、効率的に処理できる用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【0005】
また、他の目的は、綴じ可能枚数が異なる複数の綴じ手段が設けられている場合に、綴じ可能枚数を勘案した綴じ動作が最大限可能な用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【0006】
さらに、最小限のコストで用紙束が乱れることなく綴じることが可能な用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、搬入されてきた用紙を収容し、整合する用紙収容手段と、前記用紙収容手段に収容された用紙束の端部を綴じる第1の綴じ手段と、前記第1の綴じ手段とは異なる位置に設けられ、前記用紙収容手段に収容された用紙束の端部と中央部を綴じる機能を有する複数個の中綴じスティプラから構成されるの第2の綴じ手段と、用紙束を綴じ位置に搬送し、あるいは用紙束を前記用紙収容手段から搬出する用紙束移動手段と、用紙束の端部を1個所綴じる場合には前記第1の綴じ手段により綴じ動作を行わせ、用紙束の端部を複数個所綴じる場合には前記第2の綴じ手段により綴じ動作を行わせる制御手段とを備え、前記第1の綴じ手段の綴じ可能枚数が前記第2の綴じ手段の綴じ可能枚数より多いことを特徴とする。
【0008】
このように構成すると、ユーザにより複数箇所の綴じモードが選択された場合に、用紙収容手段の第1の綴じ手段とは異なる位置、例えば中央部に配置されている複数の第2の綴じ手段により一度に綴じ処理を行うことができるので、複写システム全体としての生産性を向上させることができる。また、第2の綴じ手段は、用紙中央部を綴じる中綴じ用の綴じ手段も兼ねているので、装置の複雑化を招くことなく端面綴じと中綴じが可能となる。
【0015】
第2の手段は、第1の手段に係る用紙処理装置と、この用紙処理装置と一体または別体に設けられ、入力された画像情報に基づいて記録媒体上に可視画像を形成する画像形成装置とから画像形成システムを構成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
1.全体構成
図1は本発明の実施形態に係る用紙処理装置としての用紙後処理装置と画像形成装置とからなる画像形成システムのシステム構成を示す図であり、図では、用紙後処理装置の全体と画像形成装置の一部を示している。
【0018】
図1において、用紙後処理装置PDは、画像形成装置PRの側部に取付けられており、画像形成装置PRから排出された用紙(記録媒体)は用紙後処理装置PDに導かれる。前記用紙は、1枚の用紙に後処理を施す後処理手段(この実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路B、シフトトレイ202へ導く搬送路C、整合およびスティプル綴じ等を行う処理トレイF(以下、スティプル処理トレイとも称する)へ導く搬送路Dへ、それぞれ分岐爪15および分岐爪16によって振り分けられるように構成されている。
【0019】
搬送路AおよびDを経てスティプル処理トレイFへ導かれ、スティプル処理トレイで整合およびスティプル等を施された用紙は、偏向手段である分岐ガイド板54と可動ガイド55により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す処理トレイG(以下、中折り処理トレイとも称する)へ振り分けられるように構成され、中折り処理トレイGで折り等を施された用紙は搬送路Hを通り下トレイ203へ導かれる。また、搬送路D内には分岐爪17が配置され、図示しない低荷重バネにより図の状態に保持されており、用紙後端がこれを通過した後、搬送ローラ9、10、スティプル排紙ローラ11の内少なくとも搬送ローラ9を逆転することによって用紙後端を用紙収容部Eへ導いて用紙を滞留させ、次用紙と重ね合せて搬送することが可能なように構成されている。この動作を繰り返すことによって2枚以上の用紙を重ね合せて搬送することも可能である。
【0020】
搬送路B、搬送路Cおよび搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aには、画像形成装置から受け入れる用紙を検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、パンチかすホッパ101、搬送ローラ2、分岐爪15および分岐爪16が順次配置されている。分岐爪15、分岐爪16は図示しないバネにより図1の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方に、各々回動することによって、搬送路B、搬送路C、搬送路Dへ用紙を振り分ける。 搬送路Bへ用紙を導く場合は、分岐爪15は図1の状態で前記ソレノイドはOFF、搬送路Cへ用紙を導く場合は、図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方にそれぞれ回動した状態となり、搬送路Dへ用紙を導く場合は、分岐爪16は図1の状態で前記ソレノイドはOFF、分岐爪15は図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、上方に回動した状態となる。
【0021】
この用紙後処理装置では、用紙に対して、穴明け(パンチユニット100)、用紙揃え+端部綴じ(ジョガーフェンス53、端面綴じスティプラS1)、用紙揃え+中綴じ(ジョガーフェンス53、中綴じスティプラS2)、用紙の仕分け(シフトトレイ202)、中折り(折りプレート74、折りローラ81、82)などの各処理を行うことができる。
【0022】
画像形成装置PRは、この実施形態では、入力された画像データに基づいて感光体ドラムなどの画像形成媒体に光書き込みを行って感光体ドラム表面に潜像を形成し、形成された潜像をトナー現像して用紙などの記録媒体に転写し、定着して排紙するいわゆる電子写真プロセスを使用した画像形成装置であり、電子写真プロセスを使用した画像形成装置自体は公知なので、ここでの詳細な構成の説明と図示は省略する。なお、この実施形態では、電子写真プロセスを使用した画像形成装置を例示しているが、そのほかに、インクジェットや印刷機などの公知の画像形成装置および印刷機(プリンタ)を使用したシステムでも良いことはいうまでもない。
【0023】
2.シフトトレイ部
この用紙後処理装置PDの最下流部に位置するシフトトレイ排紙部Iは、シフト排紙ローラ6と、戻しコロ13と、紙面検知センサ330と、シフトトレイ202と、図示しないシフト機構及びシフトトレイ昇降機構とにより構成される。戻しコロ13の近傍には、図1に示すように、シフトトレイ202上に排紙された用紙もしくは用紙束の紙面位置を検知する紙面位置検知手段としての紙面検知センサ330が設けられている。
【0024】
図1に詳細には図示していないが、紙面検知センサ330は、紙面検知レバーと、紙面検知センサ(スティプル用)と紙面検知センサ(ノンスティプル用)とから構成されている。紙面検知レバーは、レバーの軸部を中心に回動可能に設けられ、シフトトレイ202に積載された用紙の後端上面に接触する接触部と扇形の遮蔽部とを備えている。上方に位置する紙面検知センサ(スティプル用)は主にスティプル排紙制御に用いられ、紙面検知センサ(ノンスティプル用)は主にシフト排紙制御に用いられる。
【0025】
本実施形態では、紙面検知センサ(スティプル用)よび紙面検知センサ(ノンスティプル用)は、遮蔽部によって遮られたときにオンするようになっている。したがって、シフトトレイ202が上昇して紙面検知レバーの接触部が上方に回動すると、紙面検知センサ(スティプル用)がオフし、さらに回動すると紙面検知センサ(ノンスティプル用)がオンする。用紙の積載量が所定の高さに達したことが紙面検知センサ(スティプル用)と紙面検知センサ(ノンスティプル用)によって検知されると、シフトトレイ202はトレイ昇降モータの駆動により所定量下降する。これにより、シフトトレイ202の紙面位置は略一定に保たれる。
【0026】
図2はシフトトレイ202への排紙部の構造を示す斜視図である。図1および図2において、シフト排紙ローラ6は、駆動ローラ6aと従動ローラ6bを有し、従動ローラ6bは用紙排出方向上流側を支持され、上下方向に揺動自在設けられた開閉ガイド板33の自由端部に回転自在に支持されている。従動ローラ6bは自重または付勢力により駆動ローラ6aに当接し、用紙は両ローラ6a、6b間に挟持されて排出される。綴じ処理された用紙束が排出される時は、開閉ガイド板33が上方に引き上げられ、所定のタイミングで戻されるようになっており、このタイミングはシフト排紙センサ303の検知信号に基づいて決定される。その停止位置は排紙ガイド板開閉センサ331の検知信号に基づいて決定され、排紙ガイド板開閉モータ167により駆動される。なお、排紙ガイド板開閉モータ167は排紙ガイド板開閉リミットスイッチ332のオンオフにより駆動制御される。
【0027】
3 スティプル処理トレイ
3.1 スティプル処理トレイの全体構成
スティプル処理を施すスティプル処理トレイFの構成を詳細に説明する。
【0028】
図3はこのスティプル処理トレイFを用紙搬送面に垂直な方向から見た平面図、図4はスティプル処理トレイFとその駆動機構を示す斜視図、図5は用紙束の放出機構を示す斜視図である。まず、図3に示すように、スティプル排紙ローラ11によってスティプル処理トレイFへ導かれた用紙は、スティプル処理トレイF上に順次積載される。この場合、用紙ごとに叩きコロ12で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53によって横方向(用紙搬送方向と直交する方向−用紙幅方向とも称す)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、用紙束の最終紙から次の用紙束先頭紙までの間で、制御装置350(図14参照)からのスティプル信号により端面綴じスティプラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われた用紙束は、ただちに放出爪52aが突設された放出ベルト52によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受取り位置にセットされているシフトトレイ202に排出される。
【0029】
3.2 用紙放出機構
放出爪52aは、図5に示すように、放出ベルトHPセンサ311によりそのホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。タイミングベルトからなるこの放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52aが配置され、スティプル処理トレイFに収容された用紙束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転し、これから用紙束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52a’の背面でスティプル処理トレイFに収容された用紙束の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。したがって、この放出爪52aは用紙束の用紙搬送方向の揃え手段としても機能する。
【0030】
また、図3に示すように、放出モータ157により駆動される放出ベルト52の駆動軸である放出軸65には、用紙幅方向の整合中心に放出ベルト52とその駆動プーリ62とが配置され、駆動プーリ62に対して対称に放出ローラ56が配置、固定されている。さらに、これらの放出ローラ56の周速は放出ベルト52の周速より速くなるように設定されている。
【0031】
放出ベルト52は放出モータ157の駆動力をタイミングベルト、タイミングプーリ62を介して伝達されている。ここではタイミングプーリ(駆動側のプーリ)62と放出ローラ56は同一軸(放出軸65)に配置したことで構成される。放出ローラ56と放出ベルトの速度関係を変更する場合等は放出ローラ56を前記放出軸65上に空転可能とし、放出ローラ56に対し放出モータ157から分割された駆動力を伝達して減速比の設定に自由度を持たせても良い。
【0032】
また、放出ローラ56の円筒面はゴム等の高摩擦部材で形成され、従動ローラである加圧コロ57の自重あるいは付勢力で、両者間に挟持された用紙あるいは用紙束に対して搬送力を発生できる。
【0033】
3.3 処理機構
図4に示すように、叩きコロ12は支点12aを中心に叩きSOL(ソレノイド)170によって振り子運動を与えられ、スティプル処理トレイFへ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙を後端フェンス51に突き当てる。なお、叩きコロ12は図において反時計回りに回転する。叩きコロ12は叩きコロモータ156によって他の駆動源とは独立して駆動される。駆動制御は後述のCPU360によってモータドライバ380を介して行われる。叩きコロモータ156はステッピングモータからなるので、ステッピングモータ381を駆動するモータドライバ380によって駆動される。また、叩きSOL170もドライバ390を介して駆動され、CPU360によって駆動制御される。
【0034】
ジョガーフェンス53は、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動され、用紙幅方向に往復移動する。
【0035】
端面綴じスティプラS1は、図6のステイプラS1を移動機構とともに示す斜視図から分かるように、正逆転可能なスティプラ移動モータ159によりタイミングベルトを介して駆動され、用紙端部の所定位置を綴じるために用紙幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じスティプラS1のホームポジションを検出するスティプラ移動HPセンサ312が設けられており、用紙幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じスティプラS1移動量により制御される。端面綴じスティプラS1は、図7の斜視図に示すように針の打ち込み角度を用紙端部と平行あるいは斜めに変更できるように、さらには、前記ホームポジション位置でスティプラS1の綴じ機構部だけを所定角度斜めに回転させ、スティプル針の交換が容易にできるように構成されている。スティプラS1は斜めモータ160によって斜め回転し、針交換位置センサ313によって所定の斜めの角度に、あるいは、前記針の交換位置まで達したことが検出されると、斜めモータ160は停止する。斜め打ちが終了し、あるいは針交換が終了すると、元の位置まで回転して次のスティプルに備える。
【0036】
中綴じスティプラS2は図1および図3に示すように、後端フェンス51から中綴じスティプラS2の針打ち位置までの距離が、中綴じ可能な最大用紙サイズの搬送方向長の半分に相当する距離以上となるように配置され、かつ、用紙幅方向の整合中心に対して対称に2つ配置され、ステー63に固定されている。中綴じスティプラS2自体は公知の構成なので、ここでは詳細についての説明は省略するが、中綴じを行う場合、ジョガーフェンス53で用紙の搬送方向に直交する方向が整合され、後端フェンス51と叩きコロ5で用紙の搬送方向が整合された後、放出ベルト52を駆動して放出爪52で用紙束の後端部を持ち上げ、中綴じスティプラS2の綴じ位置に用紙束の搬送方向の中央部が位置するようにし、この位置で停止して、綴じ動作を実行させる。そして、綴じられた用紙束は、中折り処理トレイG側に搬送され、中折りされる。詳細は後述する。なお、図3では、中綴じスティプラS2は簡略化のために2個としているが、3個以上設けてもよい。これらの個数は設計条件に応じて設定される。
【0037】
なお、図中符号64aは前側板、64bは後側板であり、符号310はスティプル処理トレイF上の用紙の有無を検出する紙有無センサである。
【0038】
4.用紙束偏向機構
前記スティプル処理トレイFで中綴じが行われた用紙束は用紙の中央部で中折りされる。この中折りは中折り処理トレイGで行われる。そのためには、綴じた用紙束を中折り処理トレイGに搬送する必要がある。この実施形態では、スティプル処理トレイFの搬送方向最下流側に、用紙束偏向手段が設けられ、中折り処理トレイG側に用紙束を搬送する。
【0039】
用紙束偏向機構は、図1および図13のスティプル処理トレイFと中折り処理トレイG部分の拡大図に示すように分岐ガイド板54と可動ガイド55とからなる。分岐ガイド板54は図8ないし図10の動作説明図に示すように支点54aを中心に上下方向に揺動自在に設けられ、その下流側に回転自在な加圧コロ57が設けられ、スプリング58により放出ローラ56側に加圧される。また、分岐ガイド板54の位置は、束分岐駆動モータ161より駆動力を得て回転するカム61のカム面61aとの当接位置によって規定される。
【0040】
可動ガイド55は放出ローラ56の回転軸に揺動自在に支持され、可動ガイド55の一端(分岐ガイド板54とは反対側の端部)には連結部60aで回動自在に連結されたリンクアーム60が設けられている。リンクアーム60は図5に示す前側板64aに固定された軸と長孔部60bでされており、これにより可動ガイド55の揺動範囲は規制される。また、スプリング59により下方に付勢されることによって図7の位置に保持される。さらに、束分岐駆動モータ161より駆動を得て回転するカム61のカム面61bによりリンクアーム60が押されると、連結されている可動ガイド55は上方へ回動する。束分岐ガイドHPセンサ315はカム61の遮蔽部61cを検知してカム61のホームポジションを検知する。これにより、カム61はそのホームポジションを基準として束分岐駆動モータ161の駆動パルスをカウントすることにより、停止位置の制御が行われる。
【0041】
図8は、カム61がホームポジションに位置した時の分岐ガイド板54と可動ガイド55の位置関係を示す動作説明図である。可動ガイド55のガイド面55aはシフト排紙ローラ6への経路において、用紙をガイドする機能を有する。
【0042】
図9は、カム61が回転することにより、分岐ガイド板54が支点54aを中心として図において反時計方向(下方)へ回動し、加圧コロ57が放出ローラ56側に接触して加圧している状態を示す動作説明図である。
【0043】
図10は、カム61がさらに回転することにより、可動ガイド55が図において時計方向(上方)に回動し、スティプル処理トレイFから中折り処理トレイGに導く経路を分岐ガイド板54と可動ガイド55とで形成した状態を示す動作説明図である。また、図3には奥行き方向の位置関係を示す。
【0044】
この実施形態では、分岐ガイド板54と可動ガイド55は1つの駆動モータにより動作するが、個々に駆動モータを設けて、用紙サイズや綴じ枚数に応じて、移動タイミングや停止位置を制御可能に構成しても良い。
【0045】
5.中折り処理トレイ
図11および図12は中折りを行うための折りプレート74の移動機構の動作説明図である。
折りプレート74は前後側板64a、64bに立てられた各2本の軸64cに長孔部74aを遊嵌することにより支持され、さらに、折りプレート74から立設された軸部74bがリンクアーム76の長孔部76bに遊嵌され、リンクアーム76が支点76aを中心に揺動することにより、折りプレート74は図11および図12中を左右に往復移動する。すなわち、リンクアーム76の長孔部76cに折りプレート駆動カム75の軸部75bは遊嵌されており、折りプレート駆動カム75の回転運動によりリンクアーム76は揺動し、これに応じて、図13において、折りプレート74は束搬送ガイド板下上91,92に対して垂直な方向に往復動する。
【0046】
折りプレート駆動カム75は折りプレート駆動モータ166により図11中の矢印方向に回転する。その停止位置は半月形状の遮蔽部75a両端部を折りプレートHPセンサ325により検知することで決定される。
【0047】
図11は、処理トレイGの用紙束収容領域から完全に退避したホームポジション位置を示す。折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGの用紙束収容領域に突出する。図11は、処理トレイGの用紙束中央を折りローラ81のニップに押し込む位置を示す。折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGの用紙束収容領域から退避する。
【0048】
なお、この実施形態では、中折りについては用紙束を折ることを前提にしているが、この発明は1枚の用紙を折る場合でも適用できる。この場合は、1枚だけで中綴じが不要なので、1枚排紙された時点で中折り処理トレイG側に送り込み、折りプレート74と折りローラとによって折り処理を実行して下トレイに排紙するようにする。
【0049】
6.制御装置
制御装置350は、図14に示すように、CPU360、I/Oインターフェース370等を有するマイクロコンピュータからなり、画像形成装置PR本体のコントロールパネルの各スイッチ等、および入口センサ301、上排紙センサ302、シフト排紙センサ303、プレスタックセンサ304、スティプル排紙センサ305、紙有無センサ310、放出ベルトホームポジションセンサ311、スティプル移動ホームポジションセンサ312、スティプラ斜めホームポジションセンサ313などの各センサからの信号がI/Oインターフェース370を介してCPU360へ入力される。 CPU360は、入力された信号に基づいて、シフトトレイ202用のトレイ昇降モータ168、開閉ガイド板を開閉する排紙ガイド板開閉モータ167、シフトトレイ202を移動するシフトモータ169、叩きコロ12を駆動する叩きコロモータ156、叩きSOL170等の各ソレノイド、各搬送ローラを駆動する搬送モータ、各排紙ローラを駆動する排紙モータ、放出ベルト52を駆動する放出モータ157、端面綴じスティプラS1を移動させるスティプラ移動モータ159、端面綴じスティプラS1を斜めに回転させる斜めモータ160、ジョガーフェンス53を移動するジョガーモータ158等の駆動を制御する。叩きコロモータ156はステッピングモータからなるので、ステッピングモータ381用のモータドライバ380を介して駆動され、叩きSOL170はSOL用のドライバ390を介して駆動される。モータスティプル排紙ローラを駆動する図示しないスティプル搬送モータのパルス信号はCPU360に入力されてカウントされ、このカウントに応じて叩きSOL170およびジョガーモータ158が制御される。また、パンチユニット100もクラッチやモータを制御することによりCPU360の指示によって穴明けを実行する。
【0050】
なお、用紙後処理装置PDの制御は前記CPU360が図示しないROMに書き込まれたプログラムを、図示しないRAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより行われる。
【0051】
7.動作
以下、前記CPU360によって実行される本実施形態に係る用紙後処理装置の動作について説明する。
【0052】
7.1 処理モードに応じた動作
本実施形態では、後処理モードに応じて下記の排出形態をとる。
本実施例では、後処理モードに応じて下記の排出形態をとる。
▲1▼ ノンスティプルモードa:搬送路A搬送路Bを通り上トレイ201へ排出される。
▲2▼ ノンスティプルモードb:搬送路A搬送路Cを通りシフトトレイ202へ排出される。
▲3▼ ソート、スタックモード:搬送路A搬送路Cを通りシフトトレイ202へ排出される。その際、シフトトレイ202が、部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動する(シフトする)ことによって排出される用紙は仕分けられる。
▲4▼ スティプルモード:搬送路A搬送路Dを経て処理トレイFで整合及び綴じを施され搬送路Cを通りシフトトレイ202へ排出される。
▲5▼ 中綴じ製本モード:搬送路A搬送路Dを経て処理トレイFで整合及び中央綴じを施され、更に処理トレイGで中央折りを施され搬送路Hを通り下トレイ203へ排出される。
【0053】
また、各モードでの動作は以下のようになる。
▲1▼のノンスティプルモードaでは、搬送路Aから分岐爪15で振り分けられた用紙は、搬送路Bに導かれ搬送ローラ3と上排紙ローラ4によって上トレイ201へ排出される。また上排紙ローラ4の近傍に配置され用紙の排出を検出する上排紙センサ302によって排紙の状態を監視する。
【0054】
▲2▼のノンスティプルモードbでは、搬送路Aから分岐爪15分岐爪16で振り分けられた用紙は、搬送路Cに導かれ搬送ローラ5、シフト排紙ローラ6によってシフトトレイ202へ排出される。またシフト排紙ローラ6の近傍に配置され用紙の排出を検出するシフト排紙センサ303によって排紙の状態を監視する。
【0055】
▲3▼のソート、スタックモードでは、ノンスティプルモードb時と同様の搬送排紙を行う。その際、シフトトレイ202が、部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動することによって排出される用紙は仕分けられる。
【0056】
▲4▼のスティプルモードでは、搬送路Aから分岐爪15、分岐爪16で振り分けられた用紙は、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7、搬送ローラ9、搬送ローラ10、スティプル排紙ローラ11により処理トレイFに排出される。前記処理トレイFでは、排紙ローラ11により順次排出される用紙を整合し所定枚数に達すると端面綴じスティプラS1により綴じ処理を行う。その後、綴じられた用紙束は放出爪52aにより下流へ搬送されシフト排紙ローラ6によりシフトトレイ202へ排出される。またシフト排紙ローラ6の近傍に配置され用紙の排出を検出するシフト排紙センサ303によって排紙の状態を監視する。
【0057】
このスティプルモード時の処理トレイFは以下のように動作する。
スティプルモードが選択されると、図4に示すように、ジョガーフェンス53はホームポジションより移動し、処理トレイFに排出される用紙幅より片側7mm離れた待機位置で待機する。用紙がスティプル排紙ローラ11によって搬送され、用紙後端がスティプル排紙センサ305を通過すると、ジョガーフェンス53が待機位置から5mm内側に移動して停止する。
【0058】
また、スティプル排紙センサ305は用紙後端通過時点にそれを検知し、その信号がCPU360に入力される。CPU360ではこの信号の受信時点からスティプル排紙ローラ11を駆動する図示しないスティプル搬送モータ155からの発信パルス数をカウントし、所定パルス発信後に叩きSOL170をオンさせる。叩きコロ12は、叩きコロモータ156により駆動され、叩きSOL170のオン・オフにより振り子運動をし、オン時には用紙を叩いて下方向に戻し、後端フェンス51に突き当てて紙揃えを行う。このとき、処理トレイFに収容される用紙が入口センサ101あるいはスティプル排紙センサ305を通過するたびにその信号がCPU360に入力され、用紙枚数がカウントされる。
【0059】
叩きSOL170がオフされて所定時間経過後、ジョガーフェンス53は、ジョガーモータ158によってさらに2.6mm内側に移動して一旦停止し、横揃えが終了する。ジョガーフェンス53はその後7.6mm外側に移動して待機位置に戻り、次の用紙を待つ。この動作を最終頁まで行う。その後、再び7mm内側に移動して停止し、用紙束の両側端を押えてスティプル動作に備える。
【0060】
端面1個所綴じの場合には、用紙束の両側端を押えてスティプル動作に備えた状態から、所定時間経過後に図示しないスティプルモータにより端面綴じスティプラS1が作動し、綴じ処理が行われる。綴じ処理が終了すると、放出モータ157が駆動され、放出ベルト52が駆動される。このとき、シフト排紙モータ153も駆動されていて放出爪52aにより持ち上げられた用紙束を受け入れるべくシフト排紙ローラ6が回転し始める。
【0061】
一方、端面複数個所綴じの場合には、用紙束の両側端を押えてスティプル動作に備えた状態から、放出モータ157が駆動され、放出ベルト52が駆動される。このとき、排紙ガイド板開閉モータ167も駆動され、開閉ガイド板33が開放される。そして、放出爪52aが用紙束を中綴じスティプラS2の綴じ位置まで所定速度V1で搬送すると、放出モータ157の駆動が停止され、用紙束は停止する。また、シフト排紙モータ153の駆動も停止し、シフト排紙ローラ6の回転が停止する。その後、排紙ガイド板開閉モータ167が再び駆動され、開閉ガイド板33が閉じられ、図示しないスティプルモータにより中綴じスティプラS2が作動し、綴じ処理が行われる。すなわち、開閉ガイド板33で用紙束を挟持した状態で中綴じスティプラS2によってこの実施形態では、2個所で綴じられる。
【0062】
綴じ処理が終了すると、排紙ガイド板開閉モータ167が駆動されて開閉ガイド板33が開放され、更に放出モータ157、シフト排紙モータ153が駆動されて放出爪52aを所定速度V2で用紙束を押し上げ、シフト排紙ローラ6が回転し始める。この時、V1<V2と設定されている。
【0063】
なお、端面綴じスティプラS1は複数箇所の綴じが指定されている場合に、1ヶ所の綴じ処理が終了した後、スティプル移動モータ159が駆動され、端面綴じスティプラS1が用紙後端に沿って適正位置まで移動され、2個所目の綴じ処理が行なわれる。また、3個所目以降が指定されている場合は、これを繰返すことが可能に構成/制御されており、中綴じ機能を有さない(中綴じスティプラS2を有さない)用紙後処理装置に於ける端面複数箇所綴じに対応する。
【0064】
▲5▼の中綴じ製本モードでは、搬送路Aから分岐爪15分岐爪16で振り分けられた用紙は、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7搬送ローラ9搬送ローラ10スティプル排紙ローラ11により処理トレイFに排出される。処理トレイFでは、▲4▼スティプルモード時と同様に排紙ローラ11により順次排出される用紙を整合し、スティプルする直前までは同様の動作をする(図15)。その後、放出爪52aにより用紙束は図15の位置(用紙サイズ毎に設定された所定距離下流位置)へ運ばれ、その時にSOL170をオンして叩きコロ12が用紙束を押さえる。また、このとき叩きコロ12の回転駆動(図4の矢印で示す方向への回転)は停止している。整合状態が保たれた用紙束は図16の位置で中綴じスティプラS2により綴じ処理される。綴じられた用紙束は放出爪52aにより下流へ用紙サイズ毎に設定された所定距離搬送され一旦停止する。この移動距離は放出モータ157の駆動パルスにより管理される。
【0065】
その後、図17に示すように、用紙束先端部は放出ローラ56と加圧コロ57により挟持され、分岐ガイド板54と可動ガイド55とが回動することによって処理トレイGへ導かれる経路を通過するべく、再度放出爪52aと放出ローラ56により下流へ搬送される。この放出ローラ56は放出ベルト52の駆動軸に設けられており放出ベルト52と同期して駆動される。そして、図18に示すように、その用紙束は束搬送ローラ上71と束搬送ローラ下72により、予めその用紙サイズに応じた位置にホームポジションから移動し下側の端面をガイドするべく停止している可動後端フェンス73まで搬送される。このとき、放出爪52aは、放出ベルト52の外周上に対向する位置に配置されたもう1つの放出爪52a′が後端フェンス51近傍に達した位置で停止し、分岐ガイド板54と可動ガイド55はホームポジションへ復帰し、次の用紙に備える。
【0066】
図19に示すように、可動後端フェンス73に突き当てられた用紙束は、束搬送ローラ下72の加圧を解除される。その後、図20に示すように、綴じられた針部近傍は略直角方向に折りプレート74により押され、その対向する折りローラ81のニップへと導かれる。予め回転していた折りローラ81はその用紙束を加圧搬送することによって用紙束中央に折りを施す。図21に示すように、折りを施された用紙束は第2の折りローラ82により折りぐせを強化され、下排紙ローラ83により下トレイ203へ排出される。このとき、用紙束後端が折り部通過センサ323に検知されると、折りプレート74可動後端フェンス73はホームポジションに復帰し、束搬送ローラ下72の加圧は復帰され、次の用紙に備える。また、次のジョブが同用紙サイズ同枚数であれば、可動後端フェンス73はその位置で待機しても良い。
【0067】
7.2 処理手順
以下、前記各モードの動作を行う際の処理手順について図22ないし図24のフローチャートを参照して説明する。図22は中綴じスティプラS2による端面複数個所綴じモード時の処理手順を示すフローチャート、図23は端面綴じスティプラS1による端面綴じモード時の処理手順を示すフローチャート、図24は中綴じモード時の処理手順を示すフローチャートである。なお、図22ないし図24において同一の処理には同一の参照符号を付し、重複説明は適宜省略する。
【0068】
図22において、中綴じスティプラS2で端面の複数個所を綴じる場合には、まず、各搬送ローラ2,3,5,7,etc.,及び叩きコロ12の回転を開始し(ステップS101)、分岐爪15,16を作動させて用紙をスティプル処理トレイF側に搬送する状態にし(ステップS102)、放出爪52aのホームポジションセンサをホームポジションセンサ311で検出した後、待機位置に移動させ(ステップS103)、分岐ガイド板54と可動ガイド板55をホームポジション、すなわち、上方(シフトトレイ側)に用紙束を搬送する位置に位置させる(ステップS104)。
【0069】
次いで、入口センサ301によって用紙の搬入を検知し(ステップS105,S106)、スティプル処理トレイFへ用紙が搬送されると(ステップS107,S108)、叩きコロ12を所定時間オンして用紙を後端フェンス51側に移動させて用紙搬送方向の揃え動作を行い(ステップS109)、さらに、ジョガーフェンス53を所定量を内側に移動させて用紙搬送方向に直交する方向を揃えた後、待機位置移動する(ステップS110)。この動作を部の最終紙まで繰り返し(ステップS111)、最終紙が排紙され、1部の用紙束の排紙動作が完了すると、ジョガーフェンスを所定量内側に移動させて用紙束を保持し(ステップS112)。開閉ガイド板33を開放し(ステップS113)、放出爪52を前述のように速度V1で所定量移動させ、またシフト排紙ローラ6で用紙束を挟持して用紙束の端部を中綴じスティプラS2位置に持ち上げる(ステップS114)。用紙束が、前記位置に達すると、シフト排紙ローラ6を停止させる(ステップS115)とともに、開閉ガイド板33を閉じ(ステップS116)、用紙束の端部を開閉ガイド板33で保持した状態で中綴じスティプラS2のスティプルモータをオンし、用紙束端部の所定位置を綴じる。
【0070】
用紙束が綴じられると、開閉ガイド板33を開放し(ステップS118)、シフト排紙ローラ6の回転を開始させ(ステップS119)、放出爪52aを速度V2で所定量移動させる(ステップS120)。そして、放出ベルトHPセンサ311がオンになると(ステップS121)、放出爪52、ジョガーフェンス53をそれぞれ待機位置に移動させる(ステップS122,S123)。これをジョブの最終部まで繰り返し(ステップS124)、最終部の処理を終えると放出爪52、ジョガーフェンス53をそれぞれホームポジションに移動させ(ステップS125,S126)、ステップS101で開始した搬送ローラ及び叩きコロの回転を止め(ステップS127)、分岐爪15,16により搬送経路をシフトトレイ202側に切り替えて処理を終える。なお、ここでいうジョブとは、原稿1部に対して複数部のコピーを取って綴じる一連の作業をいう。
【0071】
図23において、端面綴じスティプラS1で用紙束の端面を綴じる場合には、ステップS101からステップS112までは図22に示した中綴じスティプラS2と同等の処理を実行する。その際、ステップS201の後段で端面綴じスティプラS1を指定されたスティプル位置に移動させておく。そして、ステップS112でジョガーフェンス53を所定量内側に移動させて用紙を保持した後、端面綴じスティプラS1のスティプルモータをオンし、前記ステップS201で移動した位置で用紙束の下端を綴じる(ステップS202)。
【0072】
用紙の綴じ個所は1個所とは限らないので、ステップS203で複数個所を綴じるかどうかをチェックし(ステップS203)、1個所綴じの綴じモードであれば、開閉ガイド板33を開放し(ステップS207)、放出爪52aを移動させて用紙束を排出する(ステップS208)。一方、複数個所を綴じるモードであれば、端面綴じスティプラS1を指定された次の綴じ位置に移動させ(ステップS204)、スティプルモータをオンして端面綴じスティプラS1による綴じ動作を実行し(ステップS205)、指定された全個所の綴じ動作が終了した時点で(ステップS206)、用紙を搬出する(ステップS207,S208)。そして、図22で示した処理と同様にステップS121からステップS128までの処理を実行して端面綴じスティプラS1による端面綴じを終える。
【0073】
図24において、中綴じスティプラS2によって中綴じを行う場合には、まず、前述のステップS101からステップS112までの処理を実行し、次いで、放出ベルト52を所定量回転させて用紙束の中央を綴じ位置に位置させ(ステップS301)、中綴じスティプラS2のスティプラモータをオンして中綴じを実行する(ステップS302)。次いで、束搬送ローラ上71と束搬送ローラ下72の回転を開始し(ステップS303)、可動フェンス73のホームポジションを検出した後、待機位置に移動させる(ステップS304)。放出爪52aを所定量移動させて用紙束先端部が放出ローラ56と加圧コロ57のニップをあらかじめ設定された量通過させる(ステップS305)。そして、分岐ガイド板54と可動ガイド板を所定量変位させて中折り処理トレイG側に搬送する経路を形成し(ステップS306)、放出爪52を所定量、ここではホームポジションまで移動させて用紙束を中折り処理トレイG側に搬送する(ステップS307)。束到達センサ321が用紙束の到達を検出し(ステップS308)、所定量通過したら束搬送ローラ上71及び下72の回転を停止し(ステップS309)、搬送ベルトHPセンサ311がオンになるのを待つ(ステップS310)。
【0074】
搬送ベルトHPセンサ311がオンになると、分岐ガイド板54、可動ガイド板55をホームポジション(シフトトレイ202に用紙束を搬送する位置)に(ステップS311)、また、放出爪52aを待機位置に(ステップS312)にそれぞれ移動させ、束搬送ローラ下72の挟持圧を解除し(ステップS313)、折りプレート74を進出させて折り動作を開始し、折りプレート74によって用紙束を折りローラ81側に押し込む(ステップS314)。一方、折りローラ81,82、下排紙ローラ83の回転を開始し(ステップS315)、折り部通過センサ323を用紙束が通過すると(ステップS316,S317)、束搬送ローラ下72を加圧し(ステップS318)、折りプレート74をホームポジションに移動させ(ステップS319)、下排紙センサ324位置を用紙束が通過した時点で(ステップS320,S321)、折りローラ81,82、下排紙ローラ83の回転を停止し(ステップS322)、折り動作を終了する。そして、ステップS123でジョガーフェンス53を待機位置に移動させる(ステップS123)。この動作をジョブの最終部まで繰り返し(ステップS124)、最終部になると、ステップS125で放出爪52aをホームポジションに移動させ、ステップS128までの処理を実行して次のジョブに備える。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ユーザにより複数箇所の綴じモードが選択された場合、1工程で複数箇所の綴じ動作が可能になり、これにより装置の複雑化を招くことなく効率的な処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置を主に示す用紙処理装置と画像形成装置とからなる画像処理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る用紙後処理装置のシフトトレイへの排紙部の構造を示す斜視図である。
【図3】実施形態に係る用紙後処理装置のスティプル処理トレイを用紙搬送面に垂直な方向から見た平面図である。
【図4】実施形態に係る用紙後処理装置のスティプル処理トレイとその駆動機構及び叩きコロの独立した駆動源との関係を示す斜視図である。
【図5】実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束の放出機構を示す斜視図である。
【図6】実施形態に係る用紙後処理装置の端面綴じステイプラを移動機構とともに示す斜視図である。
【図7】図6における端面綴じスティプラの斜め回動機構を示す斜視図である。
【図8】実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束偏向機構の動作説明図で、用紙あるいは用紙束をシフトトレイに排紙するときの状態を示す。
【図9】実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束偏向機構の動作説明図で、図8の状態から分岐ガイド板が放出ローラ側に回動した状態を示す。
【図10】実施形態に係る用紙後処理装置の用紙束偏向機構の動作説明図で、図9の状態から可動ガイドが分岐ガイド板側に回動し、中折り処理トレイ側に用紙束を偏向する経路を形成した状態を示す。
【図11】実施形態に係る用紙後処理装置の折りプレートの移動機構の動作説明図で、中折り動作に入る前の状態を示す。
【図12】実施形態に係る用紙後処理装置の折りプレートの移動機構の動作説明図で、中折り後、初期位置に戻るときの状態を示す。
【図13】実施形態に係る用紙後処理装置のスティプル処理トレイと中折り処理トレイの詳細を示す図である。
【図14】実施形態に係る画像形成システムの制御系の構成、特に用紙後処理装置の制御構成を主に示すブロック図である。
【図15】中綴じ製本モードにおいてスティプル処理トレイにスタックされた用紙束の状態を示す動作説明図である。
【図16】中綴じ製本モードにおいてスティプル処理トレイでスタックされ、中綴じされるときの状態を示す動作説明図である。
【図17】中綴じ製本モードにおいてスティプル処理トレイで中綴じされた用紙束を用紙束偏向機構によって偏向させる状態を示す動作説明図である。
【図18】中綴じ製本モードにおいてスティプル処理トレイで中綴じされた用紙束を用紙束偏向機構によって偏向させ、中折り処理トレイに送り込んだときの状態を示す動作説明図である。
【図19】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイで用紙束を中折り位置に位置させたときの状態を示す動作説明図である。
【図20】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイで中折りプレートを作動させて用紙束の中折り動作を開始した時の状態を示す動作説明図である。
【図21】中綴じ製本モードにおいて中折り処理トレイからで用紙束を中折りローラによって中折りして排紙するときの状態を示す動作説明図である。
【図22】中綴じスティプラによって端面複数個所綴じを行うときの制御手順を示すフローチャートである。
【図23】端面綴じスティプラによって端面綴じを行うときの制御手順を示すフローチャートである。
【図24】中綴じスティプラで中綴じを行うときの制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
52 放出ベルト
52a 放出爪
53 ジョガーフェンス
350 制御回路
360 CPU
370 I/O
380 モータドライバ
390 ドライバ
F スティプル処理トレイ
G 中折り処理トレイ
PD 用紙後処理装置
PR 画像形成装置
S1 端面綴じスティプラ
S2 中綴じスティプラ
Claims (2)
- 搬入されてきた用紙を収容し、整合する用紙収容手段と、
前記用紙収容手段に収容された用紙束の端部を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段とは異なる位置に設けられ、前記用紙収容手段に収容された用紙束の端部と中央部を綴じる機能を有する複数個の中綴じスティプラから構成される第2の綴じ手段と、
用紙束を綴じ位置に搬送し、あるいは用紙束を前記用紙収容手段から搬出する用紙束移動手段と、
用紙束の端部を1個所綴じる場合には前記第1の綴じ手段により綴じ動作を行わせ、用紙束の端部を複数個所綴じる場合には前記第2の綴じ手段により綴じ動作を行わせる制御手段と、
を備え、
前記第1の綴じ手段の綴じ可能枚数が前記第2の綴じ手段の綴じ可能枚数より多いことを特徴とする用紙処理装置。 - 請求項1に記載の用紙処理装置と、
この用紙処理装置を一体または別体に設けられ、入力された画像情報に基づいて記録媒
体上に可視画像を形成する画像形成装置と、
から構成されていることを特徴とする画像形成システム。
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