JP4251728B2 - ボトム衣類及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボトム衣類及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボトム衣類(下半身へ身に着ける衣類であって、特にヒップラインが外へ現れるものを言う)の中には、例えば女性用ショーツ等に代表されるように、ヒップの丸みを美しく見せるための技術が、実用新案登録第3022949号公報(以下、第1従来例と言う)や特公平1−30921号公報(以下、第2従来例と言う)等に記載されている。
上記第1従来例に記載の衣類では、後身頃片と前身頃片との間に側部片を介設する構造とし、このうち後身頃片と側部片とを縫着するときの縫合線が、ウエスト部から大腿部に至るヒップの頂部(臀部における左右の膨らみの各中心位置)を通過するように設けて、ここに大きなダーツを形成させるというものであった。
【0003】
一方、上記第2従来例に記載の衣類では、臀部の臀裂位置に沿うようにウエスト部からシック部(股間部分)にわたる細身形状に形成された後身頃と、臀部における左右の膨らみを各別に包み込む一対のヒップカップ部を具備しつつ上記後身頃に対応してその前側へ設けられる前身頃とを有し、これら前身頃における両ヒップカップ部と後身頃の左右両側部とが相隣接する凸カーブ形状に沿って縫着されるようになっている。
この縫着による下端位置は左右の大腿裏側で裾口部へ至るものとされているが、この縫着下端位置から、ヒップの頂部より更に上方となるまでのかなりの縦領域と、この縫着下端位置から、裾口部の開口周部に沿って大腿の裏側を超えるようになるかなりの下端領域とを合わせたC字状の連続領域に、ギャザーが設けられており、このC字状領域にわたる連続ギャザーにより、臀部の左右の下部丸みをその丸み方向に沿って引き締めるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
第1従来例に記載の衣類を着用すると、臀部の左右の膨らみが上記各縫合線によって押しつぶされるようになり、結果、臀部全体として、左右中央部に縦の割れ目(臀裂位置に対応する凹み)が無くて一つの膨らみを呈するような、偏平的な印象を受けるものとなっていた。
従って、ヒップラインを立体的で且つ美しく見せるという意味において、満足し得るものではなかった。
【0005】
これに対し、第2従来例に記載の衣類では、これを着用しても臀部の左右の膨らみが押しつぶされるということはないものの、臀部の左右の膨らみは、単に、その下部側の丸み方向を引き締められる作用しか受けないために、着用者が立ち止まっているときはともかくとしても、着用者が動いたときには裾口部が簡単にずり上がってしまうということが起こり、結果として、裾口部からヒップ部の一部がはみ出すことがあった。
これに伴い、ヒップラインが型崩れ状態になるものであった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、着用状態において臀部の左右中央部に縦の割れ目(臀裂位置に対応する凹み)を生じさせつつ左右の膨らみを立体的で且つ美しく整形できるものとし、しかも着用者の動きに対しても、柔軟で確実なフィット性が得られ、裾口部が簡単にずり上がるといったことがないようにしてヒップ部の一部はみ出しを防止できるようにしたボトム衣類及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るボトム衣類は、伸縮性素材により形成されたボトム衣類であって、臀部における左右の膨らみを各別に包み込む一対のヒップカップ部をそれぞれ各膨らみの下部丸みに沿って引き締めつつ、これら両ヒップカップ部相互をそれらの下部相互間に設けられるシック部を介して前方へ引っ張る構造となっている。
【0008】
このように、臀部は、その左右の膨らみが各ヒップカップ部によってそれぞれ美しく整形されながらも、シック部を介して全体として前方へ引っ張られる状態となる(言うまでもなく、この引張力は臀部の左右の膨らみに対して何ら形状的な悪影響を生じさせるものではない)。
従って、第2従来例に記載の衣類にも増して、臀部における左右の膨らみを美しく整形できるものである。しかも、このときの前方への引張力は、臀部の臀裂位置に対応させて縦の割れ目を明確に生じさせることに繋がるので、臀部全体が、恰も、果実のモモのような豊満な立体感を醸し出すものとなる。
【0009】
そのうえ、上記のようにシック部が前方へ引っ張られる作用は、着用者が動いたときでも臀部へのフィット性を高く維持させることになるので、裾口部がずり上がるのを防止でき、従って裾口部からヒップ部の一部がはみ出すということも生じない。
シック部を前方へ引っ張るための具体的な手段としては、縫着構造の中へ所定配置でギャザーを採り込めばよい。これであれば、ゴム生地等を別に付加する場合に比べ、生地のゴワツキを防止できる利点がある。
【0010】
すなわち、臀部の臀裂位置に沿うようにウエスト部からシック部にわたる細身形状に形成された伸縮性素材製の後身頃と、臀部における左右の膨らみを各別に包み込む一対のヒップカップ部を具備しつつ上記後身頃に対応してその前側へ設けられる伸縮性素材製の前身頃とを有し、この前身頃における両ヒップカップ部の凸カーブと後身頃の左右両側部の凹カーブとが縫着されてこの縫着下端位置が左右の大腿裏側で裾口部へ至るものとしておく。
そして、左右の裾口部の開口周部に生じる上記縫着下端位置を中点として、その開口周部に沿った相反する2方向と、前身頃と後身頃との縫着ラインに沿った上方向との合計3方向へ向けて、各々所定長さでギャザーが設けられているものとする。
【0011】
この3方向のギャザーのうち、縫着下端位置から裾口部の開口周部に沿って前方側へ設けるギャザーが、シック部等を介して前方へ引っ張るための作用を奏するものである。
一方、本発明に係るボトム衣類の製造方法では、まず、臀部の臀裂位置に沿うようにウエスト部からシック部にわたる細身形状に形成された伸縮性素材製の後身頃と、臀部における左右の膨らみを各別に包み込む一対のヒップカップ部を具備しつつ上記後身頃に対応してその前側へ設けられる伸縮性素材製の前身頃とを準備する。
【0012】
そして次に、前身頃における両ヒップカップ部の凸カーブと後身頃の左右両側部の凹カーブとを縫着するものであるが、このとき、この縫着下端を左右の大腿裏側で裾口部へ至らせる段階で、上記後身頃側におけるシック部寄りの部分に伸びを与えた状態にする。
そして、この伸びを与えたままでこの部分を縫着することにより、縫着後のこの部分にギャザーを生じさせるものである。
また、上記のように後身頃と前身頃とを縫着すると、それらの下部には左右の裾口部が形成されることになるが、これら裾口部には、その開口周部に沿わせて伸縮性の裾側付加生地(例えばレースの伸縮テープ)を縫着するものとする。
【0013】
そこで、この縫着段階においては、上記後身頃と前身頃との縫着に伴って左右の裾口部の開口周部に生じた縫着下端位置で、上記裾側付加生地の周方向長さに比して後身頃側及び前身頃側を裾口部の開口周部に沿って縮める状態にする。
そして、この縮めた状態のままでこの部分を縫着することにより、縫着後のこの部分にギャザーを生じさせるものである。
このようにして、本発明に係るボトム衣類を製造するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図4は、本発明に係るボトム衣類1の一実施形態を示している。
本実施形態のボトム衣類1は女性用ショーツとして適用されたもので、着用時(図9及び図10参照)において下腹部及び臀部を包み込む形体を有しており、上部にはウエスト部2が設けられ、下部には左右一対の裾口部3,4が設けられ、これら裾口部3,4の相互間にシック部5(股間部分)が設けられている。
【0015】
また、シック部5の左右両側(裾口部3,4の開口周部の一部)や、その周辺の複数箇所に、ギャザー8〜10が設けられており、これによって、臀部における左右の膨らみを立体的で且つ美しく整形できるものとなっており、またこれらの膨らみの相互間で、臀部の臀裂位置に対応する縦の割れ目11を明確に生じさせて、より一層、立体感を強調できるようになっている。
このボトム衣類1は、図5乃至図7等に示した各種の生地パーツ(14〜16)を組み立てると共に、これに裾側付加生地17としての裾レースや、ウエスト側付加生地18としての腰レースを取り付けることによって製造されたものである。図5に示す生地パーツ(中心線Cから右半部のみを示している)は前身頃14であり、図6に示す生地パーツは後身頃15であり、図7に示す生地パーツは内シック16である。
【0016】
前身頃14、後身頃15、内シック16は、いずれもメリヤス等の伸縮性素材によって形成されている。また、裾側付加生地17やウエスト側付加生地18も、その長手方向に沿って豊富な伸縮性を有した素材(ゴム紐とレース)によって形成されている。
図6に示すように、後身頃15は、ボトム衣類1の形体(図1や図3等参照)のうち、臀部の臀裂位置に沿うようにウエスト部2からシック部5にわたる部分にわたるようにして細身形状に形成されたもので、左右両側部が凸側を対向させた凹カーブ21に形成されることでくびれ形状となった本体部22と、この本体部22の下端部に延長状に一体形成された表シック部23とを有している。
【0017】
この表シック部23の左右両側は、裾口部3,4の周方向一部を形成するための凹カーブ24に形成されている。
図5に示すように、前身頃14は、ボトム衣類1の形体(図1や図3等参照)のうち、下腹部から左右の腰部側面を覆うようになる本体部27と、この本体部27の更に左右両側へ延長して臀部における左右の膨らみを各別に包み込むように一体形成された一対のヒップカップ部28とを有している。
本体部27には、左右中央(中心線C)の下端部に、後身頃15の表シック部23と繋ぎ合わせる下垂片29が設けられていると共に、この下垂片29からヒップカップ部28へかけてその下縁部に、裾口部3,4の周方向一部を形成するための脇グリ30が設けられている。
【0018】
また、ヒップカップ部28の延長端側(図5の右端側)は、後身頃15の凹カーブ21に対応する凸カーブ31に形成されている。なお、後述するように、この凸カーブ31の長さは凹カーブ21と同じ長さではなく、凹カーブ21の方がやや短くなっている。
図7に示すように、内シック16は、後身頃15の表シック部23と略同大・同形状に形成されたもので、この表シック部23に対してその内側に張り合わされるようになる。
【0019】
次に、上記した前身頃14と後身頃15とを組み立てる手順(内シック16については適当な時に後身頃15の表シック部23へ取り付けるものとして、以下での説明は省略する)に基づきながら、本発明に係るボトム衣類1の製造方法を説明する。
まず、図8に示すように、前身頃14における両ヒップカップ部28の凸カーブ31と、後身頃15における左右両側部の凹カーブ21とを縫着する。
このときの縫着下端(図8中に示すP位置)は、左右の大腿裏側で裾口部3,4へ至るようにするが、この部分を縫着する段階では、上記後身頃15において表シック部23寄りとなる部分に、伸びを与えた状態にする。
【0020】
すなわち、図6に示したように上記凹カーブ21がE寸法とF寸法とからなるものとし、また図5に示したように上記凸カーブ31がM寸法とN寸法とからなるものとして、E寸法とM寸法とが互いに同じ長さであるとおくと、上記のように凹カーブ21の長さが凸カーブ31よりもやや短く形成されていることから、F寸法はN寸法よりも少し短いことになる。従って、このF寸法を少し伸ばすことにより、N寸法と同じ長さに揃えるものであり、これによって両者間の縫着を帳尻よく行えることになる。
【0021】
このようにして縫着を行った後、上記凹カーブ21のF寸法領域に与えた伸びを解除すると、凸カーブ31のN寸法領域に相当してギャザー10(図1、図3、図4及び図8参照)が形成されることになる。
一方、上記のように凸カーブ31と凹カーブ21との縫着を含め、後身頃15の表シック部23と前身頃14の下垂片29とを縫着することで、後身頃15と前身頃14とを連結すれば、それらの下部には凹カーブ24及び脇グリ30によって左右の裾口部3,4が形成されることになる。
【0022】
そこで、次にこれら裾口部3,4に対して、それらの開口周部に沿わせて裾側付加生地17を縫着することになるが、この縫着時では、裾口部3,4の開口周部に生じた縫着下端位置Pで、上記裾側付加生地17の周方向長さに比して後身頃15側及び前身頃14側の各所定領域X,Yを、裾口部3,4の開口周部に沿って縮める状態にする。
例えば、後身頃15側の領域Xを5cmとし、前身頃14側の領域Yを3cmとするとき、これらを合わせた長さは8cmとなるが、これを6cmとなるように保持させつつ、裾側付加生地17との縫着を行う。
【0023】
このようにして縫着を行った後、上記の縮め状態を解除すると、これら領域X,Yに相当してギャザー8,9(図1、図3、図4参照)が形成されることになる。
上記した後身頃15と前身頃14との連結では、それらの上部にウエスト部2が形成されることになるので、このウエスト部2にウエスト側付加生地18を縫着すれば、本発明に係るボトム衣類1を完成させることができる。
結果として、このようにして得られたボトム衣類1では、左右の裾口部3,4の開口周部に生じた上記縫着下端位置Pを中点とおくとき、その開口周部に沿った相反する2方向(図8の領域X,Y参照)にギャザー8,9が設けられ、また前身頃14と後身頃15との縫着ラインに沿った上方向(図5のN寸法領域参照)にギャザー10が設けられることになる。
【0024】
すなわち、これらギャザー8〜10は、縫着下端位置Pを中心に、恰も、「Y」字状を呈するように合計3方向へ向けて延びているものである(図3及び図4参照)。
このようなことから、このボトム衣類1では、臀部に対し、その左右中央部に縦の割れ目11を生じさせつつ左右の膨らみを美しく整形できるものである。
上記縫着下端位置Pは、図9に示すように、臀部の最低レベルLに一致させるか又はその近傍とするのが好適であることが、試験の結果から判っている。
【0025】
上記ギャザー10における上限(E/F寸法やM/N寸法の各区分位置)は、図9に示すように、ヒップの頂部レベルUを超えない高さとするのが好適であることが、試験の結果から判っている。
上記ギャザー8における前端(領域Yの前端)は、図10に示すように、脇グリ30の最高レベルWの位置付けよりも後方へ位置付けるのが好適であることが、試験の結果から判っている。
上記ギャザー9における後端(領域Xの後端)は、図10に示すように、シック部5の最低レベルZの位置付けよりも後方へ位置付けるのが好適であることが、試験の結果から判っている。
【0026】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、ボトム衣類1としては、ショーツにおける他の形体をはじめ、パンツ、パンティストッキング、ガードル、ボディスーツ、スパッツ、水着、ブリーフ、トランクス等をも含むものであり、また女性用であるか男性用であるか、インナー用であるかアウター用であるか、等々について限定されるものではない。
このように適用範囲が広いことから、使用する生地パーツ(前身頃5、後身頃6、内シック7等)の細部形状や使用数も適宜変更され得るものであり、また裾側付加生地17についても、裾レースである場合に限らず、脚部を包み込むために所定長さを有したものを含むものである。
【0027】
更に、各生地パーツにおける使用素材としても、伸縮性を有しているという条件内において、その適用対象に応じて適宜選択し得るものである。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るボトム衣類を着用した場合、臀部は、左右の膨らみが伸縮性を有するヒップカップ部により各別に包み込まれると同時に、各膨らみの下部丸みに沿って引き締められるため、美しく整形されることになり、のみならずヒップカップ部がそれらの下部相互間に設けられるシック部を介して前方へ引っ張られるので、臀部の臀裂位置に対応した縦の割れ目が明確に生じることになり、恰も、臀部全体として果実のモモのような豊満な立体感が醸し出されるものとなる。
【0029】
また、シック部を介して前方へ引っ張られる作用は、着用者が動いたときでも臀部へのフィット性を高く維持させるため、裾口部のずり上がりを防止でき、もって裾口部からヒップ部の一部がはみ出すということも防止される。
また、本発明に係るボトム衣類の製造方法によって、上記作用効果を奏するボトム衣類を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るボトム衣類の一実施形態をその斜め後方側から示した斜視図である。
【図2】 図1のA矢視図である。
【図3】 中心Cを境としてその左半部で図1に示したボトム衣類を正面から示しまた中心Cの右半部で同背面から示した図である。
【図4】 図1に示したボトム衣類の底面図である。
【図5】 前身頃となる生地パーツの右半部を示す展開図である。
【図6】 後身頃となる生地パーツを示す展開図である。
【図7】 内シックとなる生地パーツを示す展開図である。
【図8】 図1に示したボトム衣類の製造過程を示す説明図である。
【図9】 ボトム衣類における着用状態の背面図であってギャザー等の形成領域を説明する図である。
【図10】 ボトム衣類における着用状態の側面図であってギャザー等の形成領域を説明する図である。
【符号の説明】
1 ボトム衣類
2 ウエスト部
3 裾口部
4 裾口部
5 シック部
8 ギャザー
9 ギャザー
10 ギャザー
14 前身頃
15 後身頃
17 裾側付加生地
28 ヒップカップ部
P 縫着下端位置
Claims (2)
- 左右両側が凹カーブ(21)とされて臀部の臀裂位置に沿うようにウエスト部(2)からシック部(5)にわたる細身形状に形成された本体部(22)及び該本体部(22)の下端に延長され左右両側が裾口部(3,4)の周方向一部を形成する凹カーブ(24)とされた表シック部(23)を有する伸縮性素材製の後身頃(15)と、
臀部における左右の膨らみを各別に包み込む一対のヒップカップ部(28)を具備しつつ上記後身頃(15)に対応してその前側へ設けられる伸縮性素材製の前身頃(14)とを有し、
該前身頃(14)における両ヒップカップ部(28)の凸カーブ(31)と後身頃(15)の左右両側部の凹カーブ(21)とが縫着されてこの縫着下端位置(P)が左右の大腿裏側で裾口部(3,4)へ至るものとされており、
また、左右の裾口部(3,4)には、伸縮性の裾側付加生地(17)が開口周部に沿わせて縫着されており、
左右の裾口部(3,4)の開口周部に生じる上記縫着下端位置(P)を中点として、その開口周部に沿った相反する2方向と、前身頃(14)と後身頃(15)との縫着ラインに沿った上方向との合計3方向へ向けて、各々所定長さでギャザー(8〜10)が設けられており、
これらのギャザー(8〜10)の内、左右の裾口部(3,4)の開口周部に生じる上記縫着下端位置(P)を中点として、その開口周部に沿った相反する2方向のギャザー(8,9)は、前記前身頃(14)の生地の周方向長さ及び後身頃(15)の生地の周方向長さを裾側付加生地(17)の周方向長さに対して縮めた状態で縫着して形成されており、
しかも、前記ギャザー(8)は、前記後身頃(15)の本体部(22)から下方に延長された表シック部(23)の左右両側に形成されており、
また、前身頃(14)と後身頃(15)との縫着ラインに沿った上方向のギャザー(10)は、前身頃(14)に対して後身頃(15)を伸ばした状態でヒップの頂部レベル(U)を超えない高さまで縫着して形成されていることを特徴とするボトム衣類。 - 左右両側が凹カーブ(21)とされて臀部の臀裂位置に沿うようにウエスト部(2)からシック部(5)にわたる細身形状に形成された本体部(22)及び該本体部(22)の下端に延長され左右両側が裾口部(3,4)の周方向一部を形成する凹カーブ(24)とされた表シック部(23)を有する伸縮性素材製の後身頃(15)と、臀部における左右の膨らみを各別に包み込む一対のヒップカップ部(28)を具備しつつ上記後身頃(15)に対応してその前側へ設けられる伸縮性素材製の前身頃(14)とを準備し、
前身頃(14)における両ヒップカップ部(28)の凸カーブ(31)と後身頃(15)の左右両側部の凹カーブ(21)とを縫着するにあたり、この縫着下端を左右の大腿裏側で裾口部(3,4)へ至らせる段階で、上記後身頃(15)側におけるシック部(5)寄りの部分に伸びを与えた状態にし、もってこの部分を伸ばしたままヒップの頂部レベル(U)を超えない高さまで縫着することによって縫着後にギャザー(10)を生じさせると共に、
後身頃(15)と前身頃(14)との縫着によってそれらの下部に形成される左右の裾口部(3,4)に対してその開口周部に沿わせて伸縮性の裾側付加生地(17)を縫着するにあたり、この縫着段階で、上記後身頃(15)と前身頃(14)との縫着に伴って左右の裾口部(3,4)の開口周部に生じた縫着下端位置(P)では上記裾側付加生地(17)の周方向長さに比して後身頃(15)側及び前身頃(14)側を裾口部(3,4)の開口周部に沿って縮める状態にし、もってこの部分を縮めたまま縫着することによって縫着後にギャザー(8,9)を生じさせ、
前記ギャザー(8)を前記後身頃(15)の本体部(22)から下方に延長された表シック部(23)の左右両側に形成して、
ボトム衣類(1)を製造することを特徴とするボトム衣類の製造方法。
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