JP4251171B2 - ドーナツ状ガラス基板のエッチング方法 - Google Patents

ドーナツ状ガラス基板のエッチング方法 Download PDF

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Description

本発明は、ドーナツ状ガラス基板の内周端面のエッチング方法に関する。
磁気ディスク記憶装置等に使用されるドーナツ状の基板としては、従来、主としてアルミニウム合金基板が使用されてきたが、高密度記録化の要請に伴い、アルミニウム合金基板に比較して素材そのものが硬く、かつ平坦性、平滑性に優れたガラス基板が主に使用されている。しかし、脆性材料であるガラスからなるドーナツ状基板は、取り扱い時または使用時に破損する場合があり、問題の一つとされている。
ドーナツ状の磁気ディスク用ガラス基板の機械的強度を支配する因子の一つは、磁気ディスク使用中にその高速回転により最大引張応力が発生するガラス基板内周端面に存在する傷である。しかし、ドーナツ状ガラス基板においては、内周端面および外周端面(以下、これらを合わせて内外周端面ともいう)の面粗さは、きわめて高い平坦度と平滑度が要求される主表面(内外周端面を除く面)と比べて、粗いのが一般的である。その理由は、例えば、ドーナツ状ガラス基板を矩形のガラス板から切り出して得る場合、内外周端面は、そもそもガラス板からドーナツ状に切り出した切断面であること、磁気記録に関与しない面であること、および曲面であり仕上げ加工コストがきわめて高くなるため仕上げ加工を十分に行いえないこと等である。
内外周端面の傷の深さを低減し機械的強度をより大きくするために、#500メッシュよりも細かい砥粒による内外周端面の仕上げ加工も行われているが、それでも内外周端面にかなり傷が残存している。内外周端面の仕上げをより向上させるためには、すなわち粗さをより低減するためには、段階的に粒度の細かい砥粒を用いた多段階加工が有効であるが、この多段階加工には、更に大幅に生産性およびコストを著しく悪化させる問題がある。
このような問題を解決するガラス基板として、例えば特許文献1には、ガラス基板をフッ酸、フツ硫酸等のエッチング液によりエッチング処理し、ガラス基板の強度を支配する、特に内周端面の面粗さを改善することが開示されている。また、特許文献2ではこのようにエッチング処理したガラス基板の強度を更に向上させるために、エッチングされた内周端面を例えばポリシラザンを含む被覆組成物を硬化させた保護膜で被覆することが記載されている。そして、内周端面のエッチング方法としては、いずれもガラス基板をエッチング液に浸漬しエッチング処理している。
このように従来のエッチング方法では、ガラス基板をエッチング液中に浸漬するために、ガラス基板全体がエッチングされ、基板の強度を支配する内周端面だけを所望の深さにエッチング処理できない。このため、内周端面の深い傷を除去しようとすれば、基板の表裏面も同時に大きいエッチング量(深さ)でエッチングされ、これにより表裏面の表面粗さが大きくなるために、磁気ヘッドクラッシュを引き起こし、磁気ディスクの記録面全体の破壊をもたらすおそれがある。特許文献1では、このような基板の表裏面の過剰なエッチングを防止するために、内周端面のエッチング量を一定以下に抑えている。内周端面のエッチング量がこのように制約されると、内周端面に深い傷があってもこれをエッチングで充分に取り除くことができなくなるため、ガラス基板の強度が低下するという問題があった。
ガラス基板の内周端面だけを部分的にエッチング処理すれば上記問題は解消できる。しかし、ガラス基板の表裏面は実質的にエッチングしないで、ガラス基板の内周端面だけをエッチングしようとすれば、基板の表裏面にエッチング液が触れないようにする必要があり、すなわちガラス基板の内周端面以外の部分をマスキングする必要があり、このためにエッチング作業の効率や処理能力が低下し、コストの高騰を招くという問題があった。
特開平7−230621号公報 特開平11−328665号公報
本発明は、多数のドーナツ状ガラス基板の内周端面だけを一度にエッチング処理できるドーナツ状ガラス基板のエッチング方法の提供を目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、ドーナツ状ガラス基板の内周端面をエッチングする方法について検討した結果、複数枚のドーナツ状ガラス基板を中央の円孔で円筒孔が形成されるように揃えて積層し、この円筒孔内にエッチング液またはエッチングガスを供給して円筒孔の内面をエッチングすると、ドーナツ状ガラス基板の内周端面だけを実質的にエッチング処理できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法を提供する。
(1)中央に円孔を有する複数枚のドーナツ状ガラス基板を、前記円孔で円筒孔が形成されるように揃えて積層し、この積層された複数枚のドーナツ状ガラス基板の内周端面を該エッチング液またはエッチングガスにより同時にエッチング処理する方法であって、前記複数枚のドーナツ状ガラス基板が積層された積層体の両端のドーナツ状ガラス基板の露出した主表面に触れさせることなくエッチング液またはエッチングガスを前記円筒孔の一端から供給しその内部を流動させて円筒孔の他端から排出させるドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
(2)積層された複数枚のドーナツ状ガラス基板を前記円筒孔の中心軸が垂直になるように保持した状態でエッチング処理する上記(1)のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
(3)上記(2)に記載のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法であって、前記円筒孔の直径と実質的に同一の直径の流路を有するパッキングを介して同じ直径の流路を有する導管を円筒孔の一端に接続し、このようにして形成された流路を用いてエッチング液またはエッチングガスを円筒孔の前記一端に供給するドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
(4)エッチング処理後のエッチング液またはエッチングガスを循環使用する上記(1)、(2)または(3)のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
(5)積層された複数枚のドーナツ状ガラス基板を前記円筒孔の中心軸の周りに回転させながらエッチング処理する上記(1)〜(4)のいずれかのドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
(6)内周端面のエッチング量が3〜50μmである上記(1)〜(5)のいずれかのドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
(7)エッチング処理をエッチング液によって行う上記(1)〜(6)のいずれかのドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
本発明によれば、複数枚のドーナツ状ガラス基板を中央の円孔で円筒孔が形成されるように揃えて積層し、この円筒孔内にエッチング液またはエッチングガスを供給して円筒孔の内面をエッチングすることにより、基板の表裏面はエッチングせずにドーナツ状ガラス基板の内周端面だけを実質的にエッチング処理でき、しかも積層したドーナツ状ガラス基板の内周端面を同時にエッチングできるので、一度に多数のガラス基板の内周端面を低コストでエッチングできる。
本発明におけるドーナツ状ガラス基板は、所定径の円盤の中央、すなわち中心部に円盤の中心と実質的に同じ中心を有する円孔を有する形状のガラス基板で、内周端面、外周端面および表裏の主表面を有するドーナツ状のガラス基板である。以下の説明でガラス基板というときはこのドーナツ状ガラス基板を指している。
このドーナツ状ガラス基板は寸法に特に限定はないが、例えばその寸法はmm表示で、(a)内径7.0、外径21.4、板厚0.38、(b)内径12.0、外径48.0、板厚0.55、(c)内径25.0、外径84.0、板厚1.0、(d)内径12.0、外径48.0、板厚0.5、または(e)内径25.0、外径95.0、板厚0.8、等である。
本発明のドーナツ状ガラス基板に用いることができるガラスの種類としては、耐候性向上のためには以下のような特性を有するガラスが好ましい。しかし、これに限定されない。
耐水性:80℃の水にガラスを24時間浸漬したときの、ガラスからの成分溶出に伴うガラスの減量(溶出量)が0.02mg/cm以下のもの。
耐酸性:80℃の0.1規定塩酸水溶液にガラスを24時間浸漬したときの、ガラスからの成分溶出に伴うガラスの減量(溶出量)が0.06mg/cm以下のもの。
耐アルカリ性:80℃の0.1規定水酸化ナトリウム水溶液にガラスを24時間浸漬したときの、ガラスからの成分溶出に伴うガラスの減量(溶出量)が1mg/cm以下、より好ましくは0.18mg/cm以下のもの。
また、本発明においては化学強化法の使用は必須でないので、ガラスの組成として化学強化を可能にするという観点からのNaやLi等のアルカリ金属の含有量下限値は制約されない。本発明のドーナツ状ガラス基板に用いることができるガラスとして、アルカリ金属酸化物含有量が1〜20質量%のガラス、例えばソーダライムシリカガラス、アルミナシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス等が例示される。
本発明は、前記したように複数枚のドーナツ状ガラス基板を、中央の円孔で円筒孔が形成されるように揃えて積層し、この円筒孔内にエッチング液またはエッチングガス(以下、まとめてエッチング液等ということもある)を供給して円筒孔の内面をエッチングすることにより、ガラス基板の内周端面をエッチングすることを特徴としている。すなわち、複数枚のドーナツ状ガラス基板を、中央の円孔を揃えて積層すると、積層されたガラス基板の中央部には各ガラス基板の内周端面によって断面が円形の貫通孔、すなわち円筒孔が形成できるので、この円筒孔内にエッチング液またはエッチングガスを供給してその内面をエッチング処理し、積層した複数枚のガラス基板の内周端面を一度にエッチングするものである。
本発明において積層するガラス基板の枚数は限定されない。本発明では積層したガラス基板の内周端面を一度にエッチングするので、積層枚数が増加するほど、一度に多数のガラス基板をエッチング処理できる。ガラス基板の積層枚数は、板厚にもより変わり限定されないが、円筒孔の内面の均一エッチング、生産性、エッチング作業の作業性や作業効率等の点から、板厚が0.35〜1mmの場合、20〜250枚程度が適当である。
積層したガラス基板の内周端面、すなわち上記円筒孔の内面のエッチング処理には、一般的なガラスのエッチング方法であるエッチング液を用いたウェットエッチング方法、エッチングガスを用いたドライエッチング方法等が使用できる。なかでも、フッ酸液、フツ硫酸液、ケイフッ化水素酸などのエッチング液を用いたウェットエッチング方法が好しく使用でき、特にフツ硫酸液を用いた方法が好適している。
本発明においては、積層されたガラス基板の上記円筒孔にエッチング液等を供給して内周端面をエッチングするために、エッチング液等を円筒孔の一端から円筒孔内に供給して他端に向かって流動させる。円筒孔内に供給されたエッチング液等は、円筒孔内を他端に向かって流動する間に、円筒孔の内面に接触してガラス基板の内周端面をエッチングする。本発明の好ましい実施態様において、エッチング後のエッチング液等は、円筒孔の他端から取り出されたあと、エッチング液等のタンクを経由してまたは経由せずに再び円筒孔内に供給し循環させることにより、円筒孔の内面を所定の深さにエッチングする。この間、必要に応じエッチング液等の調整を行う。
また、本発明においてエッチング処理は、前記円筒孔の中心軸が垂直になるようにガラス基板を保持した状態で行うのが好ましい。ガラス基板を水平方向に積層して円筒孔の中心軸が垂直になっていると、該円筒孔にエッチング液等を流動させてエッチングするとき、エッチング液等を円筒孔の中心軸方向に均一に流動させ、円筒孔の内面を均一にエッチングできるからである。また、エッチング液等を円筒孔に供給する場合、該円筒孔の上方または下方のいずれから供給してもよい。さらに、通常は上記したように円筒孔の中心軸を垂直に保持してエッチングするのが好ましいが、該中心軸を垂直方向から一定角度傾けた状態にガラス基板を保持しエッチングすることもできる。
積層したガラス基板の内周端面をエッチング液でエッチングする場合、エッチング液を円筒孔内に充満させて流動させるのが好ましい。例えば、エッチング液を円筒孔の上方から供給するときには、円筒孔の下方から取り出すエッチング液量を、供給量と同一または供給量より少なくすることにより、円筒孔内をエッチング液で充満させることができる。このように円筒孔の全体にエッチング液が充満されると、積層された各ガラス基板の内周端面の全体がエッチング液と一様に接触するため、該内周端面を効率よくかつ均一にエッチングできる。また、ガラス基板が静止した状態で、エッチング液を円筒孔内に供給しエッチングしてもよいし、またはガラス基板を円筒孔の中心軸の周りに回転させながらエッチング液を円筒孔内に供給しエッチングしてもよい。このようにガラス基板を回転させることにより、エッチング速度を速めかつより均一にエッチングできる。エッチング液の円筒孔内における流動速度は、ガラス基板の種類、エッチング液の種類や濃度などにより適宜選択できる。
本発明は、ドーナツ状ガラス板の曲げ強度を支配する、内周端面に存在する深い傷を、エッチング処理により除去することを目的としている。このために、エッチング深さは、好ましくは3〜50μmであり、より好ましくは3〜40μmである。エッチング深さが3μm未満では、内周端面に深い傷が存在するときその除去が不充分となり、前記機械的強度が低下するおそれがある。ガラス基板の内周端面のみを部分的にエッチングするため、エッチング深さの上限は従来ほど厳しく管理する必要はないが、50μm超では傷の除去効果が飽和に達しており、かつエッチング面に高い突起を生成するおそれが生じる。
さらに、本発明においてガラス基板の内周端面をエッチング処理する場合、該内周端面は#200〜1000メッシュの砥粒により研削されているのが好ましい。内周端面が前記範囲の粒度の砥粒で研削されていると、該研削面をエッチング処理することにより、ガラス基板の内周端面に存在する傷を効率よく除去できる。これにより、所望強度のガラス基板が得られる。しかし、研削の負担は増大するが、前記研削面を更に精細に鏡面仕上げした後にエッチングしてもよい。
また、本発明ではこのように研削された内周端面の角部を更に面取り加工したのち、該ガラス基板を積層して前記内周端面をエッチング処理すると、前記面取り部も同時にエッチングできる。かかる面取り部のエッチングで面取り面を傷のない平滑面にできるので、面取り効果と相俟ってガラス基板の強度の更なる向上が図れる。
次に、本発明の好ましい実施態様を図1および図2に従って説明するが、本発明はこれに限定されない。図1は、中央に円孔を有する複数枚のドーナツ状ガラス基板1を積層して前記円孔で円筒孔2を形成し、該円筒孔2にエッチング液3を供給して、ガラス基板の内周端面をエッチングする方法を模式的に示す断面図である。
ガラス基板1は、中央に円孔を有しており、その内周端面および外周端面はそれぞれ所定の内径および外径の同心円に研削されている。この内周端面および外周端面の研削面は所望の表面粗さ(Ra)を有し、かつ表裏の主表面も所望の平坦度および平滑度に加工されている。ガラス基板1の外径と内径を予めこのように所定の寸法にしておくことにより、各ガラス基板1の例えば外周端面を基準に揃えて積層すると、積層された各ガラス基板1はその中心(円孔の中心)が一致するため、連続的に整列して積層された各ガラス基板の内周端面(円孔)により、図1に示すように円筒孔2が形成される。図1において、Aは該円筒孔2の中心軸である。
図1において、ガラス基板1は一度にエッチング処理する枚数が積層される。積層されたガラス基板は両側にパッキング4を介在させて押え板5で保持し、固定具6で固定する。
これらのパッキング4、押え板5および固定具6の中央部には、エッチング液を流通するための流路9がそれぞれ設けられており、該流路9は円筒孔2に連通している。この場合、流路9の直径は、該円筒孔2の直径と実質的に同一とされ、ガラス基板が積層された積層体の最も上のガラス基板の上面主表面および最も下のガラス基板の下面主表面にエッチング液が触れないようにされる。つまり、エッチング液が該流路9から漏れないようにされる。積層されたガラス基板すなわちガラス基板積層体10の円筒孔2の両側に、このように円筒孔2と同径のエッチング液の流路9を設けることにより、円筒孔2に対するエッチング液3の導入と取り出しが円滑となり、エッチング液3を円筒孔2の導入端から取出し端まで一様に流動させることができるため、円筒孔2の内面全体を均一にエッチングできる。しかし、この目的が達成できれば、該流路9の径は円筒孔2の径と厳密に一致していなくても差し支えない。
本例では、このように積層したガラス基板1を円筒孔2の中心軸Aが垂直になるようにセットし、タンク7に貯蔵したエッチング液3をポンプ8により円筒孔2の上端から円筒孔2内に供給して円筒孔内を流動させ、ガラス基板1の内周端面をエッチング液3でエッチングする。この場合、エッチング液3の注入量と取出し量とを調整して、エッチング液3が円筒孔2に充満した状態で流動させるのが好ましい。円筒孔2に供給されたエッチング液3は、中心軸Aが垂直になっている円筒孔内に充満した状態で取出し端に向かって一様に流動するため、円筒孔2の内面にむらなく接触し、ガラス基板1の内周端面を均一にエッチングする。
円筒孔2から取り出されたエッチング液は、タンク7に戻されたあと再び円筒孔2に供給される循環系によりガラス基板1の内周端面をエッチングする。この間、必要に応じてエッチング液の濃度が調整される。
なお、図示はしないが図1においてエッチング液に代えてエッチングガスを円筒孔2に充填し流動させることにより、または該円筒孔2の内面にエッチングガスを吹き付けることにより、同様にエッチングできる。
図2はエッチング液によってエッチング処理を行う場合の好ましい態様の一例を模式的に示す断面図である。
エッチング液は導管(ディスク押えノズル)5Aの上部からその内部の流路に注入され、パッキング4を通過して円筒孔2に供給される。導管5Aの流路とパッキング4の孔は流路9を形成する。
円筒孔2内部のエッチング液はその下端からパッキング4を通過し、押え板5Bに形成されている孔を通過して排出される。このパッキング4と押え板5Bの孔が流路9を形成する。
パッキング4としては例えばO(オー)リングが使用され、その内径は円筒孔2の直径に等しい。
ガラス基板積層体10の上面に置かれたパッキング4を介して導管5Aは円筒孔2の上端と接続されている。導管5Aは機能的には図1の上方の押え板5に相当するものであり、その内部の流路の直径は円筒孔2の直径に等しい。
図2では図1の上方の固定具6に相当するものは示していないが、導管5Aには例えば図示しない重りが付けられ、パッキング4は導管5Aによってガラス基板積層体10上面に押し付けられている。
導管5Aによるパッキング4のガラス基板積層体10上面への押し付けは均一に行われなければならない。そのようになっていなければパッキング4と導管5Aまたはガラス基板積層体10上面との間からエッチング液が漏出しガラス基板積層体10の上面となっているドーナツ状ガラス基板の露出した主表面にエッチング液が触れるおそれがある。
この押し付けを均一に行うためには、たとえば次のようにして導管5Aをパッキング4に押し付ければよい。すなわち、パッキング4に押し付けられた状態の導管5Aの上半分の適切な位置に導管5Aのセッティング用ガイド(図示せず)を、図示しない架台に対して固定して設ける。そのセッティング用ガイドの直径は導管5Aの直径よりも1〜2mm程度大きいものとする。一方、ガラス基板積層体10の上面に円筒孔2の中心軸と中心を合わせるようにしてパッキング4を置く。
次に、セッティング用ガイドの中に導管5Aを挿入してパッキング4の上に載せ、導管5Aに前記重りを付け、導管5Aの軸が円筒孔2の中心軸と一致するようにする。セッティング用ガイドと導管5Aの間には先に述べたように1〜2mm程度の隙間があるので、ガラス基板積層体10上面が完全に水平でなくとも導管5Aの軸と円筒孔2の中心軸とを一致させることが容易になり、その結果パッキング4は導管5Aによってガラス基板積層体10上面に均一に押し付けられるようになる。
ガラス基板積層体10下面の下方に位置する押え板5Bは、前記架台に対して固定されており、押え板5Bには円筒孔2の直径に等しい孔が形成されている。
押え板5Bの上にはパッキング4が置かれ、その中心と押え板5Bの孔の中心軸とは合わせられる。そのパッキング4の上にはガラス基板積層体10が置かれ、円筒孔2の中心軸とパッキング4の中心および押え板5Bの孔の中心軸とは合わせられる。
導管5Aからの力とガラス基板積層体10の自重によってガラス基板積層体10下面がパッキング4に押し付けられ、パッキング4は押え板5Bに均一に押し付けられる。これにより、円筒孔2の下端から排出されるエッチング液は、パッキング4と押え板5Bの各孔(これら孔はガラス基板積層体10の下方の流路9を形成する)を、パッキング4とガラス基板積層体10下面および押え板5Bとの間から漏出することなく通過する。
次の酸化物換算の質量%で表示した組成が、SiO2:56%、B23:6%、Al23:11%、Fe23:0.05%、Na2O:0.1%、MgO:2%、CaO:3%、BaO:15%、SrO:6.5%であるガラスからなる、外径65mm、内径20mm、厚さ0.9mmのドーナツ状ガラス基板を150枚作製した。
前記ドーナツ状ガラス基板の内外周端面をそれぞれ#500メッシュアンダーのダイヤモンド砥粒を用いて仕上げ研磨を行い、内外周の同心度(内周円と外周円の中心間の距離)が25μm以下、真円度がそれぞれ25μm以下となるように加工した。次いで、平均粒径9μmのアルミナ砥粒を用いてラップ研磨を行い、厚さが約0.9mmになるまで研削した。
これらガラス基板150枚を中央の円孔で円筒孔が形成されるように積層して図1のように保持し、フッ酸と硫酸をそれぞれ5%含むフツ硫酸液を該円筒孔内に供給して円筒孔内を流動させることにより、各ガラス基板の内周端面を同時に約20μmの深さエッチングした。
エッチング処理後、積層されたガラス基板を外して各ガラス基板の内周端面を目視で観察したところ、内周端面の研削面がエッチングされていることが確認できた。
さらに、各ガラス基板の内径を測定しそのばらつきを調査したところ、すべて規定寸法±2μmの許容される範囲内にあり、多数のガラス基板を一度に均一にエッチング処理できることが分かった。
本発明は、多数のドーナツ状ガラス基板の内周端面を一度にエッチング処理できるので、コストの軽減を図ることができ、高品質の磁気ディスク用ガラス基板の製造に有効活用できる。
本発明のエッチング方法の実施態様の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のエッチング方法の好ましい実施態様の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1:ガラス基板 2:円筒孔
3:エッチング液 4:パッキング
5、5B:押え板 6:固定具
5A:導管(ディスク押えノズル) 7:タンク
8:ポンプ 9:流路
10:ガラス基板積層体

Claims (6)

  1. 中央に円孔を有する複数枚のドーナツ状ガラス基板を、前記円孔で円筒孔が形成されるように揃えて積層し、この積層された複数枚のドーナツ状ガラス基板の内周端面をエッチング液またはエッチングガスにより同時にエッチング処理する方法であって、前記複数枚のドーナツ状ガラス基板を前記円筒孔の中心軸が垂直になるように積層して両側から該円筒孔の直径と実質的に同一の直径の流路を有するパッキングを介して保持し、積層された積層体の両端のドーナツ状ガラス基板の露出した主表面に触れさせることなくエッチング液またはエッチングガスを前記円筒孔の一端から供給しその内部を流動させて円筒孔の他端から排出させることを特徴とするドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
  2. 前記円筒孔の一端に前記パッキングを介して円筒孔と実質的に同じ直径の流路を有する導管を接続し、このようにして形成された流路を用いてエッチング液またはエッチングガスを円筒孔の前記一端に供給する請求項1に記載のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
  3. エッチング処理後のエッチング液またはエッチングガスを循環使用する請求項1または2に記載のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
  4. 積層された複数枚のドーナツ状ガラス基板を前記円筒孔の中心軸の周りに回転させながらエッチング処理する請求項1〜3のいずれかに記載のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
  5. 内周端面のエッチング量が3〜50μmである請求項1〜4のいずれかに記載のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
  6. エッチング処理をエッチング液によって行う請求項1〜5のいずれかに記載のドーナツ状ガラス基板のエッチング方法。
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