JP4250402B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の記録ヘッド制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の記録ヘッド制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の記録ヘッド制御方法に関し、特に、温度に応じた出力信号を出力する温度検出素子を有し、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドによって記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置の、インクジェット記録ヘッドの制御に用いる温度情報の取得に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
従来、インクジェット記録装置では、インクの粘度が温度に影響されるため、温度に関らず吐出されるインクの量を一定にすべく、本体内部の基板あるいは記録ヘッドの基板に温度検出素子を設け、これにより取得した温度情報に対して種々の演算や補正処理を施して環境温度(装置内温度)を求めることが行われている。そして、このようにして求められた環境温度に基づいて、インクジェット記録ヘッドに印加されるエネルギーが、例えば所定のエネルギー印加テーブルを参照することにより決定され、インクジェット記録ヘッドが駆動される。
【0005】
上記のような温度制御の基となる温度情報の取得は、インクジェット記録ヘッドを駆動する直前の所定のタイミング、あるいは記録装置が所定の状態となったタイミングで行なわれる。また、通常は、種々の演算や補正の結果は、揮発性の記憶手段に一時的に格納され、求められた環境温度も記憶されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように従来の温度情報の取得が所定のタイミングで行われ、演算や補正の結果が揮発性の記憶手段に一時的に格納されるような構成では、演算や補正の値が失われた状態で温度情報が取得された場合、例えば、インクジェット記録装置の電源が、遮断された直後に再投入されて記録が開始されるような場合には、演算や補正が正しく行われずに、求められた環境温度が実際の温度と異なってしまう。
【0007】
このように求められた環境温度と実際の温度とが相違すると、記録ヘッドの駆動に用いられるエネルギー印加テーブルが、実際の温度に適したものではなくなるため、記録ヘッドからのインク吐出が不安定となり、記録品位が低下してしまう。
【0008】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、途中で電源供給が中断された場合であっても、必要に応じて適切なタイミングで温度情報を取得して、安定した記録動作による高品位な記録出力が得られる、インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成するために本発明の一態様としてのインクジェット記録装置は、装置の温度を検出する温度検出素子を有し、電源が遮断された直後に電源が投入された後、該温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度に従って装着された記録ヘッドを駆動して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度を取得し不揮発性の記憶手段に記憶する取得手段と、
電源が投入されている間、記録ヘッドの駆動が終了した時点からの時間をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段により所定の時間がカウントされた場合、環境温度の取得が必要なことを示すフラグを前記不揮発性の記憶手段に設定するフラグ設定手段と
を具備し、
電源が投入されたときに前記不揮発性の記憶手段に前記フラグが設定されている場合は、前記取得手段により環境温度を取得し該取得した環境温度に従って記録ヘッドを駆動し、電源が投入されたときに前記不揮発性の記憶手段に前記フラグが設定されていない場合は、前記取得手段により環境温度を取得せずに、前記不揮発性の記憶手段に記憶された環境温度に従って記録ヘッドを駆動する。
【0010】
すなわち、本発明では、装置の温度を検出する温度検出素子を有し、電源が遮断された直後に電源が投入された後、該温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度に従って装着された記録ヘッドを駆動して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度を取得し不揮発性の記憶手段に記憶し、電源が投入されている間、記録ヘッドの駆動が終了した時点からの時間をカウントし、所定の時間がカウントされた場合、環境温度の取得が必要なことを示すフラグを不揮発性の記憶手段に設定する。そして、電源が投入されたときに不揮発性の記憶手段にフラグが設定されている場合は、環境温度を取得し該取得した環境温度に従って記録ヘッドを駆動し、電源が投入されたときに不揮発性の記憶手段にフラグが設定されていない場合は、環境温度を取得せずに、不揮発性の記憶手段に記憶された環境温度に従って記録ヘッドを駆動する。
【0011】
このようにすると、例えば、記録装置が記録動作を行わない状態となってからの経過時間が所定の時間となったとき等にフラグを設定すれば、電源が遮断されても、電源が再度投入された後に、温度情報が取得されて更新される。
【0012】
従って、途中で電源供給が中断された場合であっても、必要に応じて適切なタイミングで温度情報が取得されるので、安定した記録動作が行なわれ、高品位な記録出力が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。なお、各図面を通して、同一又は対応する部分を同じ参照符号で示すものとする。
【0014】
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0015】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0016】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0017】
(全体構成)
本発明が適用されるインクジェット記録装置の全体構成を図3及び図4を参照して説明する。図3は本発明の実施形態としてのインクジェット記録装置を一部破断した状態で示す外観斜視図であり、図4は図3のインクジェット記録装置のクリーニング装置を上方から見た外観斜視図である。
【0018】
図3及び図4において、インクジェット記録装置1は、駆動源である駆動モータMと、インクジェット記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2と、駆動モータMによりキャリッジ2を往復移動させる伝動機構4と、記録媒体としての記録紙Pを搬送(紙送り)する給紙機構(紙送り機構)5と、記録ヘッド3の吐出回復処理を行うために吐出口面をクリーニング(払拭)するクリーニング装置10とを備えている。このようなインクジェット記録装置1においては、記録紙Pは給紙機構5の給紙ローラ6によって送り込まれ、プラテン7上で記録ヘッド3によって記録紙Pに所定の記録が行なわれる。
【0019】
図3において、キャリッジ2は、駆動モータMの駆動力を伝達する伝動機構4の駆動ベルト11の一部に連結されており、互いに平行に設けられた2本の(あるいは単独の1本の)ガイドシャフト12に沿って主走査方向に摺動自在に案内支持されており、駆動モータMによって駆動されるように装着されている。従って、キャリッジ2は、駆動モータMの正転及び逆転によってガイドシャフト12に沿って矢印S方向に往復移動する。
【0020】
図示されたインクジェット記録装置1においては、記録ヘッド3の吐出口が形成された吐出口面に対向してプラテン7が設けられており、キャリッジ駆動用モータMの駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復駆動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン7上に搬送された被記録媒体としての記録紙Pの全幅にわたって記録が行われる。
【0021】
また、このようなインクジェット記録装置1においては、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えばホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置を配設することが行われている。このような回復装置は、一般に、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャップ部材を備えており、このキャップ部材による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク流路内の増粘インクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行うことができる。また、非記録時等に、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングすることによって、該記録ヘッドを保護するとともにインクの乾燥を防止することができる。
【0022】
図3及び図4において、クリーニング装置10は、例えば、回復装置とともに、あるいは該回復装置が配置されるホームポジションに対応した位置に設けることができるものである。このクリーニング装置10は、記録ヘッド3の吐出口面を払拭してクリーニングするワイピング部材としてのブレード14と、ブレード14を支持しガイド部に沿って矢印T方向に移動可能なブレードホルダー15と、ブレードホルダー15を往復作動させる作動機構16と、ブレード14をクリーニングする回動可能なブレードクリーナー17とを備えている。
【0023】
記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするブレード14は、ゴム等の弾性材料で形成され、図示のような形態としてブレードホルダー15の一端に保持されている。このブレード14は、前述の回復装置と同様に、適宜なモータと伝動機構とによって作動されることにより、記録ヘッド3の吐出口面に押圧されて該吐出口面を払拭してクリーニングするためのものである。
【0024】
従って、記録ヘッド3による記録の後に、記録ヘッド3をホームポジションに位置させて、クリーニング装置10を相対移動させてブレード14を吐出口面に対して押圧摺動させることにより、該吐出口面上のインク等の付着、結露、濡れ、あるいは紙粉等の塵埃を拭き取って払拭処理することができ、それによって記録ヘッド3の吐出口面を清浄化(クリーニング)することができる。
【0025】
キャリッジ2には、記録ヘッド3が装着可能な構成となっており、記録ヘッド3には、インクタンク9が装着可能となっている。記録ヘッド3に対しては、インクタンク9内に収容されたインクが供給される。この場合、キャリッジ2と記録ヘッド3は、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。
【0026】
本実施形態の記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録するインクジェット記録ヘッドである。また、この記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。さらに、記録ヘッド3は、電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行なうものである。電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出するものである。
【0027】
本実施形態では、印加されるエネルギーは、環境温度、インクジェット記録ヘッド温度、電気熱変換体の固体による抵抗値差などに応じてエネルギー印加テーブルとしてテーブル化され、インクジェット記録装置内に格納されている。それらの諸値により最適なテーブルが選択され使用される。
【0028】
(記録ヘッド)
図8は、インクジェット記録ヘッド3のインク吐出部(一つの吐出口列)の構造を模式的に示す部分斜視図である。図8において、記録媒体(記録紙等)Pと所定の隙間(例えば、約0.3〜2.0ミリ程度)をおいて対面する吐出口面13には、所定のピッチで複数の吐出口82が形成され、共通液室83と各吐出口82とを連通する各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設されている。記録ヘッド3は、吐出口82が主走査移動方向(キャリッジ2に搭載される本実施形態では該キャリッジ2の移動方向S)と交叉する方向に並ぶような位置関係で案内支持されている。
【0029】
このように、記録ヘッド3は、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体85を駆動(パルス電圧を印加)して、液路54内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口82からインク滴が吐出されるように構成されている。また、共通インク液室83の内部にはインク保温用電気熱変換素子86が配置され、インク保温用電気熱変換素子86は外部温度環境などに応じて駆動(パルス電圧を印加)され、インクを保温しインク吐出安定性を維持するために用いられる。
【0030】
図5は、本実施形態のインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッド3の外観図である。インクジェット記録ヘッド3は、樹脂成形部502、バネ部材505、配線基板506、インク吐出ノズル列507、及び不図示の情報記憶手段から成る。樹脂成形部502にインク吐出ノズル列507が構成され、配線基板506と接続される電気熱変換体を有するシリコン基板(不図示)とをバネ部材505によって力学的に押圧し、各インク吐出ノズルと対応する電気熱変換体とを精度良く位置合わせして密着している。
【0031】
また、隙間部には接着剤を塗布し気密性を保っている。インク吐出ノズル列507近傍の樹脂は、溌水処理され、不要インク、ゴミ等のインク吐出を悪化させる要因がインク吐出ノズルに付着しない様にしている。また、インク吐出ノズル列507から適切に離れた位置には親水部が設けられ、インク吐出ノズル面に残留する不要物をトラップしている。また、配線基板506に設けられたコンタクトパッドとキャリッジに設けられた電気接点が接触により電気的に接続され、インクジェット記録ヘッドの走査に適した電気信号が付加されることによりインクが吐出されて、所望の記録が行われる。
【0032】
以上においてサーマル方式でかつ、樹脂及びバネを使用したインクジェット記録ヘッドを、例として説明したが、本発明は、ピエゾ素子方式のインクジェット記録ヘッド、フォトリソ工程によりインク吐出ノズルを構成するインクジェット記録ヘッド等においても有効であり、全ての方式のインクジェット記録ヘッドにおいてその効果が損なわれる事はない。
【0033】
(制御構成)
図9は、本実施形態のインクジェット記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインターフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッド3に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インターフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。
【0034】
Mは記録ヘッド3を搬送するためのキャリッジモータ、1709は記録媒体搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリッジモータ1710を駆動するためのモータドライバである。また、1711は、環境温度を検出する温度検出素子であり、ヘッド外部の装置本体内に設けている。1712は温度情報に関するデータを記憶する電気的に書き換え可能な不揮発性記憶手段としてのEEPROMである。
【0035】
上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッド3が駆動され、記録が行われる。
【0036】
ここでは、MPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしたが、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体に制御プログラムを格納して、インクジェットプリンタIJRAと接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
【0037】
図10は、本実施形態の温度情報に関する機能構成を示す機能ブロック図である。時間をカウントするタイマ1002によって測定された時間から、所定の状態での経過時間が定められた時間となったと判定されたときに、サーミスタなどの温度検出素子1711によって測定されたデータが、制御・演算手段1001によって読み取られる。更に制御・演算手段1001は、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性の記憶手段1712に記憶された補正データを用いて演算や補正を行って環境温度を求め、温度検出素子1711から読み取ったデータ、タイマ1002の測定した時間のデータ、及び環境温度のデータを記憶手段1712にそれぞれ記憶させる。
【0038】
なお、図10に示した機能ブロックのうち、1711及び1712は図9に示した構成要素と同一である。制御・演算手段1001は、図9のMPU1701がROM1702に記憶されたプログラムを実行することによって実現され、タイマ1002は、MPU1701内部のタイマあるいは別途設けられたタイマのいずれでもよい。また、記憶手段1712は、記憶するデータ項目毎に異なった領域に記憶するのが好ましいが、この場合、ソフト的に領域を分割して使用するようにしても、ハード的にいくつかのメモリを一体としたモジュール構成としてもよい。
【0039】
本実施形態では、時間、温度、温度取得の要否判断などの情報を記憶する手段301はインクジェット記録装置内に具備され、温度サーミスタなどの温度検出手段302の読み取り値、時間カウント手段303の値の記憶、呼び出し、及び、書き換えが可能な構成となっている。また、上記の取得した値用の補正値記憶手段304、概値の演算補正手段305による演算補正後の値の記憶、呼び出し、書き換えが可能な構成となっている。
【0040】
(環境温度取得動作)
次に、図1及び図2のフローチャートを参照して、本実施形態における温度取得の動作について説明する。図1は、インクジェット記録装置の動作中における温度取得動作を示し、図2は、電源ON時の温度取得動作を示している。
【0041】
始めに、図1を参照してインクジェット記録装置の動作中における温度取得動作について説明する。本実施形態では記録ヘッドがキャップされたことにより、インクジェット記録装置が記録動作を行わない非駆動状態となったと認識しており、このヘッドのキャップに応じて、2つのタイマによる計時をスタートさせる(ステップS101)。
【0042】
第1のタイマによってカウントされた時間、すなわちインクジェット記録装置が非駆動状態となってからの経過時間が第1の所定時間(ここでは10分とする)以上となったか否かを判定し(ステップS102)、第1の所定時間を経過するまで第1のタイマをチェックする。そして第1のタイマによって計時された時間が第1の所定時間となったら、温度情報取得の要否を示すフラグをONする。
【0043】
次に第2のタイマによって計時された時間が第2の所定時間(ここでは30分とする)以上となったか否かを調べる(ステップS104)。第2のタイマによって計時された時間が第2の所定時間以上となっていたら、温度情報取得処理を行う(ステップS105)。本実施形態では、温度検出素子としてサーミスタを用いており、このサーミスタによって測定された温度をTbaseとすると、環境温度Tenvを、Tenv=Tbase−4(℃)によって補正して求める。
【0044】
そして、このようにして求めた環境温度を記憶する(ステップS109)。また、その際に、2つのタイマをリセットする(ステップS106)。次にインクジェット記録装置の状態が変化したかどうかを、記録ヘッドのキャップが外されているかどうかによって判断する(ステップS107)。記録ヘッドのキャップが外されていると、記録動作を行うものとして、現在記憶されている環境温度に基づいて記録ヘッドの吐出制御を行うべく、温度情報取得のフラグをOFFにして(ステップS108)、処理を終了する。
【0045】
なお、ステップS107で、記録ヘッドのキャップが外されていない場合には、再度ステップS104に戻り、第2のタイマによって計時された時間が第2の所定時間以上となったかどうかを調べる。
【0046】
また、ステップS104で、第2のタイマによって計時された時間が第2の所定時間未満であったら、温度情報取得を行わずにステップS107へ進む。これは、後述するように、本実施形態においては記録装置が非駆動状態となってからの経過時間が30分未満であれば、温度検出素子の検出温度が安定していないと考え温度情報の取得を行わないようにしているためである。
【0047】
図6は、本実施形態のインクジェット記録装置に電源が投入されており非駆動状態であるときの、環境温度と温度検出素子(サーミスタ)による測定温度との温度差ΔT(℃)の変化を示すグラフである。図示されたように、電源投入後30分で環境温度との温度差は約4℃となり、その後はほぼ一定である。このような実測データに基づいて、本実施形態では上記の温度情報取得動作のステップS105において、環境温度を求めるための補正値として4という値を使用している。
【0048】
なお、第2のタイマの計時時間や環境温度を求めるための補正値は上述の値に限らず、検出温度変化の特性に応じて適宜設定してよい。
【0049】
もちろん、それぞれのインクジェット記録装置の構成や、用いる温度検出素子あるいはその配置により、温度検出素子による測定温度と環境温度との差は異なるが、それぞれの機種でこのような実測データに基づいた補正値を使用することにより、環境温度を精度良く求めることができる。
【0050】
このようにすると、インクジェット記録装置の小型化、電気基板の小型化などを実施する際に、通電によって発熱するような素子の近傍に温度検出素子が配置されても環境温度を高精度で求めることが可能となり、温度検出素子の配置に関する自由度が高くなり、装置の小型化、コストの削減などにも効果的である。
【0051】
図7は、本実施形態のインクジェット記録装置における非駆動状態と駆動状態での温度検出素子によって測定される温度の変化を示している。図示されたように、インクジェット記録装置が駆動されたときの昇温は12度程度であり、非駆動状態となってから30分程度でほぼ元の温度に戻る。本実施形態では、この降温に要する時間が約30分であることに基づいて、上記温度情報取得処理のステップS104で、非駆動状態となってからの経過時間が30分以上となった場合に、温度情報を取得するようにしている。
【0052】
この駆動による昇温及び、降温も、それぞれの機種によって固有のプロファイルがあり、このような実測データに基づいて降温に要する時間を予め求めて、上記のような温度情報取得を行うための経過時間を定めておけば、より正確な環境温度を求めることができる。
【0053】
図2は、本実施形態において、電源が投入されたときの処理を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS201でインクジェット記録装置の電源が投入されると、上記図1のフローチャートのステップS103でONにされ、ステップS108でOFFとされる、温度情報取得の要非を表わすフラグがONとなっているかどうかを調べる(ステップS202)。
【0055】
フラグがONとなっていれば、非駆動状態となってからの経過時間が10分以上であるので、温度検出素子(サーミスタ)によって温度情報を取得して環境温度を求め(ステップS203)、求めた環境温度を記憶する(ステップS204)。なお、ステップS203では、温度検出素子によって測定された温度を補正せず、そのまま環境温度として使用するが、これは、非駆動状態となってからの経過時間が10分以上で、かつ一旦電源が遮断されているので、図7のグラフからもわかるように、環境温度との差がかなり小さくなるとの考察に基づいたものである。
【0056】
一方、ステップS202でフラグがOFFであったら、記憶されている環境温度を読み出す(ステップS205)。
【0057】
以上説明した図1及び図2のフローチャートに従って温度情報が取得される事により、電源供給が中断された場合でも、中断前の非駆動状態での経過時間を示すフラグに基づいて、電源供給中断前のインクジェット記録装置の状態を判断して、記憶されている温度情報あるいは新たに測定した温度情報のいずれを使用するかが決定される。
【0058】
このため、例えば、従来のようにインクジェット記録装置において電源遮断直後に電源が再投入された場合に、新たな温度情報の取得を行って、昇温された温度に基づいて記録ヘッドを駆動することによる、吐出が不安定となり記録品位が低下することを防止できる。
【0059】
また、記憶された温度情報が存在しない場合には、図1及び2に示してフローチャートには関係なく、温度情報の取得を行うようにするのが好ましい。更に、記憶された温度情報に基づいて記録ヘッドを駆動する際に、更に演算補正を実施しても良い。例えば、新たに温度情報の取得を行わずに、記憶された温度情報を使用する際には、値が記憶された時刻と温度情報を使用する時の時刻の差から、降温の度合いを補正するテーブル等を用いて、その時の温度を決定するようにしてもよい。このようにすると、記録ヘッド駆動の際により正確な環境温度に基づいて駆動制御をすることができる。
【0060】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、キャップされたことで非駆動状態(記録を行っていない状態)と認識し、非駆動状態から第1のタイマでカウントされる時間を温度が高い状態の期間であるとしてフラグをONしない期間に設定した例で説明した。
【0061】
しかし、実際の駆動が終わってからキャップ動作を完了するまでの間に、温度がある程度低くなるような装置においては、第1のタイマの時間をもっと短く設定しても良いし、第1のタイマの時間を設けずにキャップ動作を行ってフラグをONにしても良い。またキャップ動作等によらず、実際の記録を終えた時から所定の時間をカウントしてフラグをONにするようにしても良い。
【0062】
このような場合においても、温度が高い状態(キャップ前等)に電源供給が遮断された場合にはフラグはOFF状態であり、電源遮断前の記録装置の状態を保持しているため、電源の再投入時には図2に基づくシーケンスで正確な温度情報の取得を行うことができる。
【0063】
また、上述の各構成では、温度情報の取得が必要と判断したときにフラグをONにする状態で説明したが、フラグ設定を逆にし、温度情報の取得が必要なときにフラグをOFFにするような逆の制御を行っても良い。
【0064】
なお、上記の実施形態では、記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行うシリアル型記録方式を採用したインクジェットプリンタを例に挙げて説明したが、本発明は、例えば、フルライン型などの他の方式のインクジェットプリンタにも適用できる。
【0065】
また、上記実施形態においては、求められた温度情報(環境温度)を記録ヘッドの駆動(吐出)制御に用いるが、この温度情報は、例えば、記録ヘッドの吐出回復動作の制御等にも用いることもできる。
【0066】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0067】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0068】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0069】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0070】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0071】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0072】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0073】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0074】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0075】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0076】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0077】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0078】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0079】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0080】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0081】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0082】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0083】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図1および/または図2に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0084】
<実施態様>
以上説明した本発明の実施態様としては以下のような態様が考えられる。
【0085】
(実施態様1)
インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドによって記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
温度に応じて信号を出力する温度検出素子と、
前記温度検出素子からの出力信号に基づいて温度情報を取得する温度情報取得手段と、
取得した前記温度情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、
前記温度情報の取得の必要性の有無を示すフラグを設定するフラグ設定手段と、
電源が投入された後に、前記フラグの状態を調べ、前記フラグの設定状態に応じて前記温度情報を取得するよう制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
【0086】
(実施態様2)
前記フラグ設定手段は、前記記録装置が記録動作を行わない状態での経過時間が所定の時間となったときに前記温度情報の取得が必要なことを示すフラグを設定することを特徴とする実施態様1のインクジェット記録装置。
【0087】
(実施態様3)
前記フラグ設定手段は、前記記録装置が記録動作を行わない状態での経過時間が第1の時間となったときに前記温度情報の取得が必要なことを示すフラグを設定し、前記制御手段は、前記記録装置が記録動作を行わない状態での経過時間が前記第1の時間より長い第2の時間となったときに前記温度情報を取得するよう制御を行うことを特徴とする実施態様1のインクジェット記録装置。
【0088】
(実施態様4)
前記フラグ設定手段は、前記記録ヘッドがキャッピングされている場合に、前記記録装置が記録動作を行わない状態となったと判定することを特徴とする実施態様2又は3のインクジェット記録装置。
【0089】
(実施態様5)
前記温度情報取得手段は、前記温度検出素子からの出力信号に基づいて所定の演算によって環境温度を求めることを特徴とする実施態様1から4のいずれか1つのインクジェット記録装置。
【0090】
(実施態様6)
前記温度情報取得手段は、前記所定の演算に、前記温度検出素子からの信号に対する補正値を用いることを特徴とする実施態様5のインクジェット記録装置。
【0091】
(実施態様7)
前記補正値は、前記温度検出素子からの出力信号のプロファイルから得られたものであることを特徴とする実施態様6のインクジェット記録装置。
【0092】
(実施態様8)
前記制御手段は、前記記憶手段に前記温度情報が記憶されていないときに、前記温度情報を取得するよう制御を行うことを特徴とする実施態様1から7のいずれか1つのインクジェット記録装置。
【0093】
(実施態様9)
前記温度検出素子が、前記記録装置本体に設けられていることを特徴とする実施態様1から8のいずれか1つのインクジェット記録装置。
【0094】
(実施態様10)
前記温度検出素子が、前記記録ヘッドに設けられていることを特徴とする実施態様1から8のいずれか1つのインクジェット記録装置。
【0095】
(実施態様11)
前記温度検出素子が、サーミスタであることを特徴とする実施態様1から10のいずれか1つのインクジェット記録装置。
【0096】
(実施態様12)
前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていることを特徴とする実施態様1から11のいずれか1つのインクジェット記録装置。
【0097】
(実施態様13)
温度に応じて信号を出力する温度検出素子を有し、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドによって記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置の記録ヘッド制御方法であって、
前記温度検出素子からの出力信号に基づいて温度情報を取得する温度情報取得工程と、
取得した前記温度情報を不揮発性の記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記温度情報の取得の必要性の有無を示すフラグを設定するフラグ設定工程と、
電源が投入された後に、前記フラグの状態を調べ、前記フラグの設定状態に応じて前記温度情報を取得するよう制御を行う制御工程と、
を備えることを特徴とする記録ヘッド制御方法。
【0098】
(実施態様14)
前記フラグ設定工程で、前記記録装置が記録動作を行わない状態での経過時間が所定の時間となったときに前記温度情報の取得が必要なことを示すフラグを設定することを特徴とする実施態様13の記録ヘッド制御方法。
【0099】
(実施態様15)
前記フラグ設定工程で、前記記録装置が記録動作を行わない状態での経過時間が第1の時間となったときに前記温度情報の取得が必要なことを示すフラグを設定し、前記制御工程で、前記記録装置が記録動作を行わない状態での経過時間が前記第1の時間より長い第2の時間となったときに前記温度情報を取得するよう制御を行うことを特徴とする実施態様13の記録ヘッド制御方法。
【0100】
(実施態様16)
前記フラグ設定工程で、前記記録ヘッドがキャッピングされている場合に、前記記録装置が記録動作を行わない状態となったと判定することを特徴とする実施態様14又は15の記録ヘッド制御方法。
【0101】
(実施態様17)
前記温度情報取得工程で、前記温度検出素子からの出力信号に基づいて所定の演算によって環境温度を求めることを特徴とする実施態様13から16のいずれか1つの記録ヘッド制御方法。
【0102】
(実施態様18)
前記温度情報取得工程で、前記所定の演算に、前記温度検出素子からの信号に対する補正値を用いることを特徴とする実施態様17の記録ヘッド制御方法。
【0103】
(実施態様19)
前記補正値は、前記温度検出素子からの出力信号のプロファイルから得られたものであることを特徴とする実施態様18の記録ヘッド制御方法。
【0104】
(実施態様20)
前記制御工程で、前記記憶手段に前記温度情報が記憶されていないときに、前記温度情報を取得するよう制御を行うことを特徴とする実施態様13から19のいずれか1つの記録ヘッド制御方法。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、例えば、記録装置が記録動作を行わない状態となってからの経過時間が所定の時間となったとき等にフラグを設定すれば、電源が遮断されても、電源が再度投入された後に、温度情報が取得されて更新される。
【0106】
従って、途中で電源供給が中断された場合であっても、必要に応じて適切なタイミングで温度情報が取得されるので、安定した記録動作が行なわれ、高品位な記録出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における温度情報取得処理を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態における電源投入時の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態としてのインクジェット記録装置の構成を部分的に破断させた状態で示す外観斜視図である。
【図4】図3のインクジェット記録装置のクリーニング装置を示す斜視図である。
【図5】図3のインクジェット記録ヘッドの構造を示す模式図である。
【図6】本発明の実施形態において温度検出素子によって測定された温度の変化を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態のインクジェット記録装置を駆動したときの温度変化を示すグラフである。
【図8】図5のインクジェット記録ヘッドの各ノズルの構成を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態のインクジェット記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態の温度情報に関する機能構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
10 クリーニング装置
507 インク吐出ノズル列
1001 制御・演算手段
1002 タイマ
1701 MPU
1702 ROM
1703 DRAM
1704 ゲートアレイ
1711 温度検出素子
1712 EEPROM
M キャリッジモータ
P 被記録媒体

Claims (14)

  1. 装置の温度を検出する温度検出素子を有し、電源が遮断された直後に電源が投入された後、該温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度に従って装着された記録ヘッドを駆動して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度を取得し不揮発性の記憶手段に記憶する取得手段と、
    電源が投入されている間、記録ヘッドの駆動が終了した時点からの時間をカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段により所定の時間がカウントされた場合、環境温度の取得が必要なことを示すフラグを前記不揮発性の記憶手段に設定するフラグ設定手段と
    を具備し、
    電源が投入されたときに前記不揮発性の記憶手段に前記フラグが設定されている場合は、前記取得手段により環境温度を取得し該取得した環境温度に従って記録ヘッドを駆動し、電源が投入されたときに前記不揮発性の記憶手段に前記フラグが設定されていない場合は、前記取得手段により環境温度を取得せずに、前記不揮発性の記憶手段に記憶された環境温度に従って記録ヘッドを駆動する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記フラグ設定手段は、
    前記カウント手段により第1の時間がカウントされた場合に環境温度の取得が必要なことを示すフラグを前記不揮発性の記憶手段に設定し、
    前記取得手段は、
    前記カウント手段により前記第1の時間より長い第2の時間がカウントされたときには、環境温度を取得して前記不揮発性の記録手段に記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記取得手段は、
    前記カウント手段により前記第1の時間より長い第2の時間がカウントされたときには、前記温度検出素子が検出した温度を所定の補正値で減算した値を環境温度として取得する
    ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記カウント手段は、
    記録ヘッドがキャッピングされてからの時間をカウントする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記取得手段は、
    電源が投入されたときに前記不揮発性の記憶手段に前記フラグが設定されている場合は、前記温度検出素子が検出した温度を環境温度として取得する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記温度検出素子が、装置内の基板に設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記温度検出素子が、サーミスタである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 装置の温度を検出する温度検出素子を有し、電源が遮断された直後に電源が投入された後、該温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度に従って装着された記録ヘッドを駆動して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置の制御方法であって、
    電源が投入されている間、記録ヘッドの駆動が終了した時点からの時間をカウントするカウント工程と、
    前記カウント工程によって所定の時間がカウントされた場合、環境温度の取得が必要なことを示すフラグを不揮発性の記憶手段に設定するフラグ設定工程と、
    電源が投入されたときに、前記温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度を取得し前記不揮発性の記憶手段に記憶する取得工程と
    を含み、
    電源が投入されたときに前記不揮発性の記憶手段に前記フラグが設定されている場合は、前記取得工程によって環境温度を取得し該取得した環境温度に従って記録ヘッドを駆動し、電源が投入されたときに前記不揮発性の記憶手段に前記フラグが設定されていない場合は、前記取得工程によって環境温度を取得せずに、前記不揮発性の記憶手段に記憶された環境温度に従って記録ヘッドを駆動する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  9. 前記カウント工程において前記所定の時間より長い所定の第2の時間がカウントされたときに、前記温度検出素子により検出された温度に基づく環境温度を取得して前記不揮発性の記録手段に記憶する第2の取得工程
    を更に含むことを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  10. 前記第2の取得工程では、
    前記温度検出素子が検出した温度を所定の補正値で減算した値を前記環境温度として取得する
    ことを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  11. 前記カウント工程では、
    記録ヘッドがキャッピングされてからの時間をカウントする
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  12. 前記取得工程では、
    前記温度検出素子が検出した温度を環境温度として取得する
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  13. 前記温度検出素子が、装置内の基板に設けられている
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  14. 前記温度検出素子が、サーミスタである
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
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