(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1(A)、(B)に示すように、デジタルカメラ10の本体12は略箱型で、正面から見て左側に、本体12の把持を容易とするための突起(把持部)が形成された形状とされている。本体12の正面側中央にはレンズ14が取り付けられた鏡筒15が設けられており、本体12のレンズ14上方には、低照度での撮影等の場合に補助光を発するためのストロボ18、ユーザが撮影範囲等を目視で確認するための光学ファインダ16が取り付けられている。
また、ストロボ18の近傍の位置には、ストロボ発光時に被写体で反射して戻ってきたストロボ光の光量を検出するストロボ受光センサにストロボ光を導くためのストロボ受光窓38、及び内蔵されたAEセンサに光を導くためのAE受光窓40が備えられている。
本体12の上面には、正面から見て右側に電源スイッチ20が、左側(把持部に対応する位置)にレリーズスイッチ22が各々設けられており、本体12の正面から見て右側面には、メモリカード(図示省略)を装填可能なスロット24が設けられている。
また、デジタルカメラ10の右側面には、このデジタルカメラ10に内蔵に設けられた内蔵メモリやスロット24に装填されるメモリカードに記憶された画像データを外部に送出するためのUSB(Universal Serial Bus)ケーブルが接続されるUSB端子42、及び内蔵メモリやメモリカードに記憶された画像データを、携帯電話を使用して外部に送信において、携帯電話との接続時に使用される携帯電話用端子44が備えられている。
更に、携帯電話用端子44の下方には、交流電源から電源を得るためのACアダプタを接続するACアダプタ接続口28が設けられており、交流電源をデジタルカメラ10に供給可能なように構成されている。
また、図1(B)に示すように、本体12の背面には、透過型液晶(半透過型液晶でもよい)からなるカラーディスプレイ26が設けられており、ディスプレイ26は、蛍光管やLED等によって構成されるバックライトを備えた構成とされている。なお、ディスプレイ26は光学ファインダ16の機能も有する。
本体12の背面には、向かって右側に、選択(SELECT)スイッチ34、メニュー(MENU)スイッチ30、実行/画面切換(EX/VIEW CHG)スイッチ32、及びキャンセル(CANCEL)スイッチ36が設けられている。なお、選択スイッチ34は、メニュースイッチ30を押下することによって表示されたメニュー画面等のモード等を選択するためのスイッチであり、その実行は実行/画面切換スイッチ32で行う。また、キャンセルスイッチ36は種々のモード等をキャンセルするためのスイッチである。
さらに、本体12の背面には、撮影モードを切り替える撮影モード切替スイッチ82及びテレ/ワイド切替スイッチ25が設けられており、該撮影モード切替スイッチ82を操作することによって、静止画を撮影する静止画撮影モードと、動画を撮影する動画撮影モードと、の切り替えを行い、テレ/ワイド切替スイッチ25を操作することによって、望遠(テレ)モードと、広角(ワイド)モードの切り替えを行うようになっている。なお、テレ/ワイド切替スイッチ25は本発明の切替手段に相当する。
ところで、本実施の形態に係わるデジタルカメラ10の撮影系は、図2に示すように、それぞれ大きさの異なる2つの撮像素子50A、50Bを備えており、レンズ14より入射される被写体像は、分離手段としてのハーフミラー86によって分離されてそれぞれ2つの撮像素子50A、50Bに結像される。なお、大きい方の撮像素子50Aは、広角(ワイド)用とされ、小さい方の撮像素子50Bは、望遠(テレ)用とされている。
なお、2つの撮像素子50A、50B、レンズ14、及びハーフミラー86は、本発明の主撮影系及び副撮影系を含む撮影系に相当する。
また、それぞれの撮像素子50A、50Bによって撮影された被写体像は、例えば、図3に示すように、ディスプレイ26の画面上に合成してそれぞれ確認可能なように表示されるようになっている。なお、図3では、大きい方の撮像素子50Aによって撮影された撮影画像の中央部に、小さい方の撮像素子50Bによって撮影された撮影画像が表示される例を示す。この場合には、大きい方の撮像素子50Aによって撮影された撮影画像上に、小さい方の撮像素子50Bによって撮影された撮影画像が対応するように合成するようにしてもよいし、小さい方の撮像素子50Bによって撮影された撮影画像に対応する、大きい方の撮像素子50Aによって撮影された撮影画像上の位置に、枠などを画像情報として表示するようにしてもよい。
図4にはデジタルカメラ10の電気系の構成が示されている。
本体12の内部におけるレンズ14の焦点位置に相当する位置には、エリアCCDセンサ等で構成される2つの撮像素子50A、50Bが配置されており、上述したように、被写体を反射してレンズ14に入射された光はハーフミラー86によって2つに分離されて、それぞれ撮像素子50A、50Bの受光面に結像される。
撮像素子50A、50Bは、受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表すアナログ信号を画像信号として出力する。撮像素子50A、50Bはそれぞれ駆動回路46に接続されているタイミング信号発生部52によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで駆動されて画像信号を出力する。
レンズ14と撮像素子50A、50Bとの間には絞り48が配置されている。絞り48は連続的に変更可能な単一の絞りで構成してもよいし、絞り量が異なる複数の絞りを切り替える構成としてもよい。
タイミング信号発生部52には、さらにストロボ18の発光を制御するストロボ制御回路54も接続されており、ストロボ18は低照度であることが検出された場合や、ユーザによって発光が指示された場合にタイミング信号発生部52によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで発光制御される。
撮像素子50の信号出力端には、サンプリング部56、A/D変換器58、信号処理部60、メモリ62、及び圧縮/伸張部64が順に接続されており、それぞれシステムバス68に接続され、システムバス68に接続されたシステム制御部70によって統括的に制御されるようになっている。
サンプリング部56では、撮像素子50から出力された画像信号をタイミング信号発生部52によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングでサンプリングすると共に、増幅してA/D変換器58へ出力する。サンプリング部56は、図示しないCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング:以下CDSという)部を含んで構成されている。CDS部は、例えば、CCD型の撮像素子を用いて、基本的にその素子により生じる各種のノイズをタイミング信号発生部からのタイミング信号によりクランプするクランプ回路と、タイミング信号によりアナログ電圧信号をホールドするサンプルホールド回路を有する。CDS部は、ノイズ成分を除去してアナログの出力信号として画像信号をA/D変換器58に送る。サンプリング部56から出力された画像信号は、A/D変換器58によってデジタルの画像データに変換されて信号処理部60へ入力される。信号処理部60では、入力された画像データに対して色補正・γ補正・Y/C変換等の各種処理を行う。信号処理部60から出力された画像データは、RAM等で構成されたメモリ62に一時記憶される。そして、圧縮/伸張部64で圧縮されてから内蔵メモリ84又はスロット24に装填されたメモリカード80に記憶されるようになっている。なお、内蔵メモリ84又はメモリカード80は本発明の記録手段に相当する。
ここで、図4では、省略するが、撮像素子50Bの信号出力端には、撮像素子50Aの出力端と同様に、サンプリング部、A/D変換器、信号処理部が接続され、信号処理部によって上述の信号処理がなされて、同じくメモリ62に一時記憶されて、圧縮/伸張部64で圧縮されてから内蔵メモリ84又はスロット24に装填されたメモリカード80に記憶されるようになっている。
また、システムバス68には、ディスプレイ26を駆動するディスプレイドライバ27も接続され、撮影によって得られる画像データに基づく画像の表示が可能とされており、ディスプレイドライバ27によって様々な表示態様が表示されるように表示制御される。例えば、図3に示すように、ワイド用撮像素子50Aの撮影による撮影画像を全面に表示して、略中央部にテレ用撮像素子50Bの撮影による撮影画像を表示するような態様(この場合には、それぞれの撮影画像を合成するようにしてもよいし、ワイド撮影画像上のテレ撮影画像に対応する位置に枠等を表示するようにしてもよい)にしてもよいし、図5に示すように、一方の撮像素子による撮影画像を全面に表示して、他方の撮像素子による撮影画像を角に小さく表示するような態様としてもよい。なお、図5では、テレ用撮像素子50Bによる撮影画像を全面に表示し、ワイド用撮像素子50Aによる撮影画像を角に小さく表示した例を示す。
なお、ディスプレイドライバ27及びディスプレイ26は本発明の制御手段に相当する。
さらに、システムバス68には、上述のUSB端子42、携帯電話用端子44、及びレリーズスイッチ22とテレ/ワイド切替スイッチ25を含む各種操作スイッチ(メニュースイッチ30、実行/画面切換スイッチ32、選択スイッチ34、キャンセルスイッチ36、撮影モード切換スイッチ82等)74が接続された入出力インターフェース(I/F)76が接続されており、各種操作スイッチ74の操作に応じた制御がなされるようになっている。
すなわち、レリーズスイッチ22が操作された等により、内蔵メモリ84又はスロット24に装填されたメモリカードへの画像データの格納が指示された場合、システム制御部70はメモリ62に一時記憶されている画像データを読み出して圧縮/伸張部64へ転送する。これにより、画像データは圧縮/伸張部64で圧縮された後に内蔵メモリ84又はメモリカード80に格納される。なお、撮影する際のモードによって画像デーがが圧縮されることなく内蔵メモリ84又はメモリカード80に格納される場合もある。
また、内蔵メモリ84又はスロット24に装填されたメモリカード80に格納されている画像データが表す画像の再生(表示)が指示された場合には、内蔵メモリ84又はスロット24に装填されたメモリカード80から画像データが読み出され、読み出された画像データが圧縮/伸張部64で伸張(解凍)された後、メモリ62に一時記憶される。そして、メモリ62に一時記憶された画像データを用いてディスプレイ26への画像の表示(再生)が行われる。
なお、内蔵メモリ84又はメモリカード80には、テレ/ワイド切替スイッチ25の操作に応じて、撮像素子50A、50Bによって撮影された画像がそれぞれ選択的に記録される。
続いて、上述のように構成されたデジタルカメラ10の作用として、静止画撮影時の処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。なお、静止画撮影は、撮影モード切替スイッチ82を静止画撮影モードに切り切り替えることによって開始される。
ステップ100では、テレモードか否か判定される。該判定は、テレ/ワイド切替スイッチ25がテレ撮影に切り替えられているか否かを判定することによって行われる。
ステップ100の判定が肯定された場合には、ステップ102へ移行して、2つの撮像素子50A、50Bからの画像データが表す画像をディスプレイ26に表示すると共に、テレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像を強調表示する。例えば、図3において、ディスプレイドライバ27によるディスプレイ26の駆動により、ワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像を表示すると共に、その略中央部にテレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像を表示して、テレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像の額縁部分を強調する表示にしたり、ワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像にシェードを施して表示したりする。あるいは、図5に示すように、テレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像をディスプレイ26画面全面に表示し、ワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像を角に小さく表示したりする。なお、図3のように、ワイド用撮像素子50Aの撮影画像の略中央部にテレ用撮像素子50Bの撮影画像を表示する場合には、テレ用撮像素子50Bの撮影画像そのものは表示せずに、ワイド用撮像素子50Aの撮像画像上のテレ用撮像素子50Bの撮像画像に相当する位置に枠などの画像情報のみを表示してもよい。
すなわち、記録画像(一方の撮像素子による撮影画像)と記録してない方の画像(他方の撮像素子による撮影画像)とが共に表示されるので、記録画像を確認することができると共に、記録してない方の画像についても補助的に確認することができる。
ステップ104では、レリーズスイッチ22がオンされたか否か判定される。該判定が否定された場合には、ステップ100へ戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ104の判定が肯定された場合には、ステップ106へ移行して、テレ用撮像素子50Bからの画像データを記録する。すなわち、テレ用撮像素子50Bからの画像データをメモリ62に一時記憶する。そして、システム制御部70がメモリ62に一時記憶されている画像データを読み出して圧縮/伸張部64へ転送する。これにより、画像データは圧縮/伸張部64で圧縮された後に内蔵メモリ84又はメモリカード80に格納される。
一方、ステップ100の判定が否定、すなわち、テレ/ワイド切替スイッチ25がワイドモードに切り替えられている場合には、ステップ108へ移行する。
ステップ108では、2つの撮像素子50A、50Bからの画像データが表す画像をディスプレイ26に表示すると共に、ワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像を強調表示する。例えば、図3において、ディスプレイドライバ27によるディスプレイ26の駆動により、ワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像を表示すると共に、その略中央部にテレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像を表示して、ワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像の額縁部分を強調する表示にしたり、テレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像に相当する枠を視認し難いように(点線や細線等の枠)表示したりする。あるいは、図5とは逆に、ワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像をディスプレイ26画面全面に表示し、テレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像を角に小さく表示する。なお、図3のように、ワイド用撮像素子50Aの撮影画像の略中央部にテレ用撮像素子50Bの撮影画像を表示する場合には、テレ用撮像素子50Bの撮影画像そのものは表示せずに、ワイド用撮像素子50Aの撮像画像上のテレ用撮像素子50Bの撮像画像に相当する位置に枠などの画像情報のみを表示して、枠の表示を目立たない表示(例えば、点線や細線等)にするようにしてもよい。
すなわち、記録画像(一方の撮像素子による撮影画像)と記録してない方の画像(他方の撮像素子による撮影画像)とが共に表示されるので、記録画像を確認することができると共に、記録してない方の画像についても補助的に確認することができる。
ステップ110では、レリーズスイッチ22がオンされたか否か判定される。該判定が否定された場合には、ステップ100へ戻って上述の処理が繰り返される。
ステップ110の判定が肯定された場合には、ステップ112へ移行して、ワイド用撮像素子50Aからの画像データを記録する。すなわち、ワイド用撮像素子50Aからの画像データをメモリ62に一時記憶する。そして、システム制御部70がメモリ62に一時記憶されている画像データを読み出して圧縮/伸張部64へ転送する。これにより、画像データは圧縮/伸張部64で圧縮された後に内蔵メモリ84又はメモリカード80に格納される。
そして、ステップ108又はステップ112で画像データの記録が行われるとステップ114へ移行して、撮影終了か否か判定される。該判定は、電源スイッチ20がオフされたか否か、各種操作スイッチ74が操作されて再生モードが指示されたか否か等を判定することによって行われ、該判定が否定された場合には、ステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ114の判定が肯定されると撮影処理が終了される。
このように、本実施の形態に係わるデジタルカメラ10では、テレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像とワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像をディスプレイ26に同時に表示するようにしたので、周囲の状況に応じてテレ/ワイド切替スイッチ25を操作して、撮影を行うことによって、周囲の状況を捉えながら撮影を行うことができる。すなわち、テレ/ワイド切替スイッチ35の切り替えによって主となる撮像素子の切り替えが行われ、当該主となる撮像素子による撮影画像が記録されるが、このとき、主となる撮像素子以外の撮像素子による撮影画像についてもディスプレイ26に表示されるので、周囲の状況を捉えながらの撮影が可能である。従って、シャッターチャンスを逃すのを防止することができる。
なお、図6では、静止画撮影時の撮影処理について説明したが、動画撮影時についても同様に、テレ用撮像素子50Bからの画像データが表す画像とワイド用撮像素子50Aからの画像データが表す画像をディスプレイ26に同時に表示する。
また、上記の実施の形態では、撮影時に、2つの撮像素子50A、50Bによる撮影画像を表示するようにしたが、図7に示すように、液晶等の表示装置92及びレンズ94等で構成される電子ファインダー90に、上述のディスプレイ26に表示するような画像を表示するようにしてもよい。
続いて、上記の実施の形態に係わるデジタルカメラ10の第1の変形例のデジタルカメラについて説明する。上記の実施の形態では、2つの撮影系を、1つの光学系(レンズ14)による入射光をハーフミラー86によって分離して2つのそれぞれ異なる大きさの撮像素子50A、50Bに被写体像を結像するように構成したが、第1の変形例では、図8に示すように、テレ用レンズ14Bとして望遠レンズ、ワイド用レンズ14Aとして広角レンズを備え、それぞれのレンズに対応して、2つの撮像素子51A、51Bを設けて、2つの撮影系をそれぞれ独立に構成している。なお、2つの撮像素子51A、51Bは、同一サイズでもよいし、異なるサイズのものを用いてもよい。また、テレ用レンズ14Bは、ズームレンズ(焦点距離可変レンズ)を用いるようにしてもよい。
このように、2つの撮影系をそれぞれ全く独立に構成しても上記の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、上記の実施の形態に係わるデジタルカメラ10の第2の変形例のデジタルカメラについて説明する。上記の実施の形態では、1つのディスプレイ26に2つの撮像素子50A、50Bによる撮影画像を表示するようにしたので、表示画像の合成が必要となると共に、2つの画像が重なっている部分において一方の画像を見ることができない。そこで、第2の変形例では、図9、10に示すように、大小2つのディスプレイ26A、26Bを備えて、それぞれを表示する。このように、2つのディスプレイ26A、26Bに2つの撮像素子による撮影画像を表示するようにすることにより、表示画像の合成等の処理を省くことができると共に、双方の全画像を見ることができるようになる。
この時、テレ/ワイド切替スイッチ25に応じて、すなわち、記録している画像に応じて、大小のディスプレイ26A、26Bに表示する画像を切り替えるようにしてもよい。すなわち、図4のディスプレイドライバ27及びディスプレイ26の代わりに、図11に示すように、複数(図11では2つ)のディスプレイ26A、26Bを設けると共に、それぞれ対応してディスプレイドライバ27A、27Bを設け、システムバス68に接続された切替手段98によって表示する画像(テレ用撮像素子50Bによる撮影画像とワイド用撮像素子50Aによる撮影画像)を切替える。例えば、テレ用の撮像素子50Bの撮影画像を記録する場合(テレ/ワイド切替スイッチ25によってテレモードに切換えられた場合)には、図10に示すように、大きい方のディスプレイ26Aにテレ用撮像素子50Bの撮影画像を表示し、小さい方のディスプレイ26Bにワイド用の撮像素子50Aの撮影画像を表示するように切替手段98によって切替え制御する。また、ワイド用撮像素子50Aの撮影画像を記録する場合(テレ/ワイド切替スイッチ25によってワイドモードに切換えられた場合)には、逆に大きい方のディスプレイ26Aにワイド用撮像素子50Aの撮影画像を表示し、小さい方のディスプレイ26Bにテレ用撮像素子50Bの撮影画像を表示するように切替手段98によって切替え制御する。なお、その他の構成については上記の実施の形態と同一であるため説明を省略する。
このように大小2つのディスプレイ26A、26Bを備えることにより、上記の実施の形態と同様に、記録画像の確認と共に、補助的に記録してない方の撮影系による撮影画像の確認を行うことができる。
なお、このように複数のディスプレイを備える場合には、例えば小さい方のディスプレイ26Bには、撮影画像以外のメニュー表示等の情報を表示するようにしてもよい。
また、第1の変形例と第2の変形例を組み合わせて、2つの独立した撮影系と2つのディスプレイ26A、26Bを備えたデジタルカメラとしてもよい。
次に、上記の実施の形態に係わるデジタルカメラ10の第3の変形例のデジタルカメラについて説明する。上記の実施の形態では、テレ用撮像素子50Bによる撮影画像と、ワイド用撮像素子50Aによる撮影画像とを1つのディスプレイ26にそれぞれ全面が表示されるようにしたが、第3の変形例のデジタルカメラでは、テレ用撮像素子50Bによる撮影画像を表示すると共に、ワイド用撮像素子50Bによる撮影画像については、所定領域のみを表示する。例えば、図12に示すように、テレ用撮像素子50Bによる撮影画像をディスプレイ26の上側の領域に表示し、ワイド用撮像素子50Aによる撮影画像の所定領域96のみを切り出してディスプレイ26の下側に表示するようにしてもよい。なお、このような表示の切換は、例えば、各種操作スイッチ74のメニュースイッチ30、選択スイッチ34、実行/画面切換スイッチ32、キャンセルスイッチ36等を操作して表示の切り換えを行うことによって実現可能であり、ディスプレイドライバ27によって表示制御することができる。
例えば、図12に示すように、競馬の撮影などを行う場合には、ワイド用撮像素子50Aによる撮影画像は帯状の所定領域96のみをディスプレイ26に表示すればいいので、当該所定領域96のみを各種操作スイッチ74を操作することによって指定して、当該所定領域96を画面の下側に表示するように指示することにより、ワイド用撮像素子50Aによる撮影画像の略全体を把握することが可能である。また、このように、ワイド用撮像素子50Aによる撮影画像の所定領域96のみを表示することにより、狭い表示面積で必要な情報を有効に表示することが可能となる。
なお、上記の実施の形態では、2つの撮影系を備えるようにしたが、これに限るものではなく、例えば、3つや4つの撮影系を備えて、ディスプレイ26に同時に撮影画像を表示するようにしてもよいし、この時、ディスプレイ26は撮影系に対応した数の表示画面を設けるようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図13には本発明の実施の形態に係わるデジタルカメラのブロック図を示す。このデジタルカメラ210は、それぞれ独立した2つの撮影系(第1の撮影系212A及び第2の撮影系212B)を有しており、それぞれ撮影光学系214A、214Bを介してCCD218A、218Bの受光面に被写体像を結像するようになっている。
なお、CCD218Aは本発明の第1の撮像素子、CCD218Bは本発明の第2の撮像素子、撮像光学系214Aは本発明の第1の光学系、撮像光学系214Bは本発明の第2の光学系にそれぞれ相当する。
2つの撮像系はそれぞれ、通常モード撮影時に使用する第1の撮影系212Aと、望遠モード撮影時に使用する第2の撮影系212Bと、で構成されている。
それぞれの撮影光学系214A、214Bは撮影レンズ216A、216B及び絞り217を含んで構成されており、撮影レンズ216Aは、単焦点レンズで構成されており、撮影レンズ216Bはズームレンズ(焦点距離可変レンズ)で構成されている。
それぞれの撮影光学系214A、214Bを介してCCD218A、218Bの受光面に結像された被写体像は、各センサで入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。このようして蓄積された信号電荷は、CCD駆動回路220A、220Bから加えられるCCD駆動パルスによって読み出され、信号電荷に応じた電圧信号(アナログ画像信号)として順次CCD218A、218Bから出力される。
CCD218A、218Bには、シャッターゲートを介してシャッタードレインが設けられており、シャッターゲートをシャッターゲートパルスによって駆動することにより、蓄積した信号電荷をシャッタードレインに掃き出すことができる。すなわち、CCD218は、シャッターゲートパルスによって各センサに蓄積される電荷の蓄積時間(シャッタースピード)を制御する、いわゆる電子シャッター機能を有している。
それぞれのCCD218A、218Bから読み出された信号は、CDS回路222A、222Bにおいて相関二重サンプリング(CDS)処理されると共に、R、G、Bの各色信号に色分離処理され、各色信号の信号レベルの調整(プリホワイトバランス処理)が行われる。
これら所定のアナログ信号処理を経た画像信号は、A/D変換器224A、224Bに加えられ、該A/D変換器224A、224BによりR、G、Bのデジタル信号に変換された後、メモリ226A、226Bに格納される。なお、メモリ226A、226Bは1つのメモリでもよいし、それぞれ撮影系毎に別々のメモリとしてもよい。
タイミング信号発生回路(TG)228は、CPU230からのコマンドに応じてCCD駆動回路220A、220B、CDS回路222A、222B、及びA/D変換器224A、224Bに対して適宜のタイミング信号を与えており、各回路はタイミング信号発生回路228から加えられるタイミング信号により同期して駆動されるようになっている。
CPU230は、デジタルカメラ210の各回路を統括制御する制御部(制御手段)であり、バス232を介してゲイン調整回路234、ガンマ補正回路236、輝度・色差信号処理回路(YC処理回路という。)238、圧縮伸張回路240、メモリカード242のカードインターフェース244、及び表示部246を駆動する表示用ドライバ248等と接続されている。
CPU230は操作部250からの入力信号に基づいて対応する回路ブロック制御すると共に、撮影レンズ216Bのズーミング動作や撮影レンズ216A、216Bの自動焦点調整(AF)動作の制御、並びに自動露出調整(AE)の制御等を行う。
操作部250には、画像の記録開始の指示を与えるレリーズボタン、カメラのモード選択手段、ズーム操作手段その他の各種の入力手段が含まれる。これら入力手段は、スイッチボタン、ダイヤル、スライド式ツマミなど種々の形態があり、タッチパネルや液晶モニタ表示部の画面上において設定メニューや選択項目を表示してカーソルで所望の項目を選択する態様もある。例えば、操作部250の操作によって、第1の撮影系による通常モードと、第2の撮影系による望遠モードとを選択することができる。操作部250はカメラ本体に配設されていてもよいし、リモコン送信機としてカメラ本体と分離した構成にすることも可能である。
CPU230は、CCD218A、218Bから出力される画像信号に基づいて、焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算に基づいて、撮影レンズ216A、216B及び絞り217の駆動回路252A、252Bを制御する。すなわち、モータ254A、254Bを駆動することによってフォーカスレンズを合焦位置に移動させると共に、絞り217を適正絞り値に設定する。モータ254A、254Bはステッピングモータからなり、ステップ数を制御することによってフォーカスレンズ位置が制御される。なお、モータ254A、254Bはステッピングモータに限るものではなく、例えば、DCモータ等を用いることも可能である。
AF制御は、G信号の高周波成分が最大になるようにフォーカスレンズを移動させるコントラストAF方式が採用される。すなわち、駆動回路252A、252Bを介してモータ254A、254Bを駆動することによりフォーカスレンズを移動させて、コントラスト値が最大となる位置にフォーカスレンズを位置させる。AE制御には、1フレームのR、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求め、この撮影EVに基づいて絞り値とシャッタースピードを決定し、駆動回路252A、252Bを介して絞り217を駆動すると共に、決定したシャッタースピードとなるように電子シャッタによってCCD218A、218Bの電荷の蓄積時間を制御する。従って、デジタルカメラ210の撮影レンズ216A、216Bを被写体に向けるだけで、最適な露出調整が行われると共に、ピント合わせが自動的に行われる。
撮影記録時においては、レリーズボタンの「半押し」時に上述したAF動作を行うと共に、測光動作を複数回繰り返して正確な撮影EVを求め、この撮影EVに基づいて撮影時の絞り値とシャッタスピードを最終的に決定する。そして、レリーズボタンの「全押し」時に前記最終的に決定した絞り値になるように絞り217を駆動し、また、決定したシャッタスピードとなるように電子シャッタによって電荷の蓄積時間を制御する。なお、AEはCCD218A、218Bから取得される画像信号に基づいて制御する方法の他、周知の測光センサ等を用いてもよい。
また、このデジタルカメラ210はストロボ発光装置55と、調光用の受光素子256を有し、操作部250に含まれるストロボモード設定ボタンの操作に応じて、低輝度時にストロボ発光装置55を自動的に発光させる「低輝度自動発光モード」、被写体輝度にかかわらずストロボ発光装置55を発光させる「強制発光モード」、又はストロボ発光装置55の発光を禁止させる「発光禁止モード」等に設定される。
CPU230はユーザが選択したストロボモードに応じて、ストロボ発光装置55のメインコンデンサの充電制御や、発光管(例えば、キセノン管等)への放電(発光)タイミングを制御すると共に、受光素子256からの測定結果に基づいて発光停止の制御を行う。受光素子256はストロボの発光によって照らされる被写体からの反射光を受光し、受光量に応じた電気信号に変換する。受光素子256の信号は図示しない積分回路により積算され、積算受光量が所定の適正受光量に達した時にストロボ発光装置55の発光が停止される。
A/D変換器224A、224Bから出力されたデータは前記メモリ226A、226Bに格納されると共に、積算回路260A、260Bに加えられる。積算回路260A、260Bは、撮影画面を複数のブロック(例えば、8×8の64個のブロック)に分割し、各ブロック毎に受入したG信号の積算演算を行う。なお、R、G、Bのデータから輝度信号(Y信号)を生成して、輝度信号の積算演算を行ってもよい。また、積算回路260A、260BはAF演算回路やAE演算回路で兼用することもできる。積算回路260A、260Bで得られた積算値の情報(演算結果)はCPU260に入力される。
CPU230は積算回路260A、260Bから受入する情報に基づき、撮影画面の評価値Eを算出し、求めた評価値Eを用いてゲイン調整回路234におけるゲイン値(増幅率)を決定する。CPU230は決定したゲイン値に従ってゲイン調整回路234におけるゲイン量を制御する。
メモリ226A、226Bに記憶されたR、G、Bの画像データはゲイン調整回路234に送られ、ここで増幅処理される。増幅処理された画像データは、ガンマ補正回路236において、ガンマ補正処理が施された後、YC処理回路238へ送られ、RGBデータから輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)に変換される。
YC処理回路238において生成された輝度・色差信号(YC信号と略記する)は、メモリ226A、226Bに書き戻される。メモリ226A、226Bに記憶されたYC信号は表示用ドライバ248に供給され、所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換されて表示部246に出力される。表示部246には液晶ディスプレイその他のカラー表示可能な表示装置が用いられる。なお、表示部246はYC信号入力対応のタイプのものを適用してもよいし、RGB信号入力タイプのものを適用してもよく、表示装置に対応したドライバが適用される。
CCD218A、218Bから出力される画像信号によって画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が表示部246に供給されることにより、CCD218A、218Bが捉える画像がリアルタイムに動画像(ライブ画像)として、又はリアルタイムではないが、ほぼ連続した画像として表示部246に表示される。
表示部246は電子ビューファインダとして利用でき、撮影者は表示部246の表示画像又は図示しない電子ビューファインダによって撮影画角を確認することができる。レリーズボタンの押下操作など所定の記録指示(撮影開始指示)操作に呼応して、記録用画像データの取り込みが開始される。
撮影者が操作部250から撮影記録の指示を入力すると、CPU230は必要に応じて圧縮伸張回路240にコマンドを送り、これにより圧縮伸張回路240はメモリ226A、226B上のYCデータをJPEGその他の所定の形式に従って圧縮する。圧縮された画像データはカードインターフェース244を介してメモリカード242に記録される。
非圧縮の画像データを記録するモード(非圧縮モード)が選択されている場合には、前記圧縮伸張回路240による圧縮処理を実施せずに、非圧縮のまま画像データがメモリカード242に記録される。
本実施の形態に係わるデジタルカメラ210は、画像データを保存する手段としてメモリカード242が用いられている。具体的には、例えばスマートメディア等の記録メディアが適用される。記録メディアの形態は、上記のものに限らず、PCカード、マイクロドライブ、マルチメディアカード(MMC)、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなど種々の形態が可能であり、使用される媒体に応じた信号処理手段とインターフェースが適用される。
また、再生モード時にはメモリカード242から読み出された画像データが圧縮伸張回路240によって伸張処理され、ドライバ248を介して表示部246に出力される。
次に本実施の形態に係わるデジタルカメラ210におけるAF制御について説明する。
AF制御は上述したように、コントラストAF方式が採用され、レリーズボタンが「半押し」状態の時に、駆動回路252A、252Bを介してモータ254A、254Bを駆動することによりフォーカスレンズを移動させて、コントラストが最大となる位置にフォーカスレンズを位置させる。
コントラスト値Ctの算出は、積算回路260A、260Bにおいて撮影画面を8×8ブロックに分割し、CPU230によって積算回路260A、260Bからの情報に基づいて各ブロックBi(i=0、1、2・・・、63)毎に、画像信号におけるG(緑)信号の積算値Siを算出する。ここで、図14、図15に示すように、各ブロックにはそれぞれ重み係数Wi(i=0、1、2・・・、63)を定め、重み係数Wiは画面中央部分が相対的に大きい値に定め、中心から遠ざかるについれて小さい値に設定する。主要な被写体は画面の中央付近に配置される場合が多いため、図15に示すような重み係数の分布に設定しておくことで、画面中央部分の被写体の状態を十分に反映させた評価が可能となる。
各ブロック毎の積算値Siの算出が終了すると、重み係数Wiを用いて、次式(1)に従って評価値Eを算出する。
すなわち、評価値Eは、各ブロックBi毎の積算値Siと重み係数Wiの乗算値(Si×Wi)を全てのブロックi=0〜63について加算し、その加算を重み係数Wiの総和で除算する(加重平均を算出する)ことによって求められる。
そして、撮像画像の明るさの平均値及び最大値を算出する。撮像画像のコントラストの傾向の値(以下、コントラスト値Ctという。)は、撮像画像の明るさに対する変動率に相当する。本実施の形態では、次の(2)式に示す、撮像画像に含まれる明るさの最大値と、撮像画像の明るさの平均値との比をコントラスト値に採用する。
Ct=Cave/Cmax ・・・(2)
但し、Cmaxは、撮像画像に含まれる明るさの最大値、Caveは、撮像画像の明るさの平均値を示す。
なお、明るさの平均値に代えて明るさの最小値や予め定めた関数により求まる平均的なレベル又は低レベルの明るさを表す既定値でもよい。本実施の形態では、ブロックi=0〜63についての画像信号におけるG(緑)信号の積算値Siを用いてコントラスト値Ctを算出する。この場合、主要な画像(主要被写体の画像)が撮像画像の中央部付近に分布することが多いことなどから、撮像画像の中央部のブロックについて明るさの最大値、及び平均値を求めることが好ましい。
なお、CDS回路222A、A/D224A、メモリ226A、積算回路260A、タイミング信号発生回路228、CCD駆動回路220A、駆動回路252A、及びモータ254Aは、本発明の第1の焦点調整手段に相当し、CDS回路222B、A/D224B、メモリ226B、積算回路260B、タイミング信号発生回路228、CCD駆動回路220B、駆動回路252B、及びモータ254Bは、本発明の第2の焦点調整手段に相当する。
次に、上述のように算出されるコントラスト値Ctを用いて行われるAF制御について図16のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300では、レリーズボタンが半押しされた否か判定される。該判定が否定された場合にはそのままリターンして、否定され肯定されるまで待機し、判定が肯定されるとステップ302へ移行する。
ステップ302では、現在の撮影モードが望遠モードか否か判定される。該判定は、操作部250によって望遠モードがモード選択されているか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ304へ移行する。
ステップ304では、第1の撮影系によるAFラフサーチが行われる。すなわち、第1の撮影系212Aのモータ254Aをステップ駆動してフォーカスレンズを移動させ、フォーカスレンズの各位置におけるコントラスト値Ctを算出する。
第1の撮影系212Aにおけるフォーカスレンズの各位置の算出されたコントラスト値Ctに基づいてコントラスト値の最大値となる焦点距離を特定し、当該焦点距離を含む所定範囲を特定する。なお、所定範囲は、続く詳細サーチでサーチする範囲であり、所定範囲の大きさは第2の撮影系212Bのズームレンズ倍率に応じて設定する。
次に、ステップ306では、上記AFラフサーチによって特定された所定範囲のサーチ開始位置となるように、第2の撮影系のモータ254Bをステップ駆動して第2の撮影系のフォーカスレンズが移動される。
続いて、ステップ308では、第2の撮影系によるAF詳細サーチが行われる。すなわち、ステップ306で移動されたフォーカスレンズ位置から第2の撮影系のモータ254Bをステップ駆動してフォーカスレンズを移動させ、AFラフサーチ同様に、フォーカスレンズの各位置におけるコントラスト値Ctを算出する。そして、算出されたコントラスト値Ctの最大値となるフォーカスレンズ位置を焦点位置とし、当該位置に第2の撮影系のフォーカスレンズを移動させることによって焦点調整がなされる。なお、AF詳細サーチは、第1の撮影系212Aによって決定された焦点距離範囲のみを行う。
すなわち、本実施の形態に係わるデジタルカメラ210では、第1の撮像系212Aよりも焦点深度が短く設定された第2の撮影系212Bで撮影する際には、第1の撮影系212AによるAFラフサーチを行うことによって、大まかな焦点位置範囲を決定し、当該決定した焦点位置範囲を、第1の撮影系212Aよりも焦点深度が短く設定された第2の撮影系212BでAF詳細サーチすることにより、焦点位置を決定している。一般的に焦点深度が短く設定されたズームレンズ等のAF制御では、モータを数ステップずつ駆動してAFラフサーチを行った後に、AF詳細サーチを行うが、AFラフサーチ時には焦点深度が短い分フォーカスレンズの移動量が多くなり時間がかかる。しかしながら、本実施の形態では、上述したように、焦点深度が短く設定された第2の撮像系212Bよりも長い焦点深度(単焦点レンズを用いた)の第1の撮影系212AによってAFラフサーチを行うので、AFラフサーチ時に移動するフォーカスレンズの移動量が上記の場合と比較して少なくすることができる。従って、焦点深度の短い第2の撮影系212Bで撮影する際の焦点位置の探索時間を短縮することができる。
一方、ステップ302の判定が否定、すなわち、操作部250によって通常モードが選択されている場合には、ステップ310へ移行して、第1の撮影系によるAFサーチが行われる。すなわち、第1の撮影系のモータ254Aをステップ駆動してフォーカスレンズを移動させ、フォーカスレンズの各位置におけるコントラスト値Ctを算出し、第1の撮影系におけるフォーカスレンズの各位置の算出されたコントラスト値Ctに基づいてコントラスト値の最大値となる焦点距離を特定し、特定されたフォーカスレンズの位置を焦点位置として、当該位置にフォーカスレンズを移動させることによって第1の撮影系212AによるAF制御がなされる。
このように本実施の形態では、第1の撮影系212Aよりも焦点深度が短く設定された第2の撮影系212Bで撮影する際のAF制御は、第1の撮影系212Aを用いてAFラフサーチを行い、当該AFラフサーチに基づいて、第2の撮影系212BによるAF詳細サーチを行っている。すなわち、上述しように、フォーカスレンズの移動距離の短い第1の撮影系212Aを用いて第2の撮影系212BでAFサーチする焦点距離範囲を決定し、当該焦点距離範囲のみを第2の撮影系212BでAFサーチすることによって、第2の撮影系212BによるAF詳細サーチの時間を短縮することができ、AF制御(焦点位置の探索)を高速化することができる。
例えば、図17に示すように、第1の撮影系212Aによるサーチ範囲(単焦点レンズサーチ範囲)のコントラスト値Ctを算出し、算出されたコントラスト値Ctの最大値を含む所定範囲(ズームレンズサーチ範囲)を大まかな焦点距離として設定してから、第2の撮影系212Bのフォーカスレンズを前記大まかな焦点距離の端部位置となるように駆動して、ズームレンズサーチ範囲のみを第2の撮影系212Bのフォーカスレンズが移動するように制御して、各位置におけるコントラスト値Ctを算出し、最大値を焦点位置とすることによって詳細な焦点位置を決定することができる。これによって、フォーカスレンズの移動距離の長い第2の撮影系212BによるAF詳細サーチをすることなく焦点位置を決定することができるので、焦点位置の探索時間を短縮することができる。
なお、上記の実施の形態では、それぞれ焦点深度が異なる2つの撮影系212A、212Bを備えたものに、本発明を適用するようにしていたが、撮影系は2つに限るものではなく、3つ以上の複数を備えるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、第1の撮影系212Aに対応して駆動回路252及びモータ254Aを設け、第2の撮影系212Bに対応して駆動回路220B及びモータ254Bを設ける構成としたが、駆動回路252A、252B及びモータ254A、254Bは第1の撮影系及び第2の撮影系で共用する構成としてもよい。すなわち、本発明の第1の焦点調整手段及び第2の焦点調整手段に含まれるフォーカスレンズを駆動する駆動回路及びモータを共通のものを用いる構成としてもよい。
本実施の形態におけるステップ310(図16参照)では、更に、上記第1の実施の形態におけるステップ108〜114(図6参照)を行い、ステップ304(図16参照)では、更に、上記第1の実施の形態におけるステップ108(図6参照)を行い、ステップ308(図16参照)では、更に、上記第1の実施の形態におけるステップ102〜114(図6参照)を行うようにしてもい。これにより第1の実施の形態及び第2の実施の形態の双方の効果を有する。即ち、焦点位置の探索時間を短縮することができると共に、周囲の状況を捉えながら撮影を行うことができる。
なお、切替スイッチの操作で定められた一方の撮影系により撮影された撮影画像をメモリカード(記録手段に対応)に記録する。
また、前述したように、撮影レンズ216Aは、単焦点レンズで構成されており、撮影レンズ216Bはズームレンズ(焦点距離可変レンズ)で構成されており、第1の撮影系及び前記第2の副撮影系はそれぞれ画角の異なる撮影系である。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態はデジタルカメラに本発明を適用したものである。
本発明の実施の形態に係わるデジタルカメラは、前述した第2の実施の形態と略同様の構成であるので、同一部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分について説明する。
なお、本実施の形態では、前述したように、単一の表示部246を備え、図19に示すように、表示部246の画面Gには、第1の撮影系のCCD218Aから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像(ワイド)を表示するエリア200Aと、第2の撮影系のCCD218Bから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像(テレ)を表示するエリア200Bと、が設けられている。
CPU230には、入出力I/F270を介して、各種の入力手段、例えば、レリーズボタン272、ズームレバー274、及び、第1の撮影系による通常モード(テレ)と、第2の撮影系による望遠モード(ズーム)とを選択するための切替スイッチ276などが接続されており、これらの入力手段からの入力信号に基づいて対応する回路ブロック制御すると共に、撮影レンズ216Bのズーミング動作や撮影レンズ216A、216Bの焦点調整調整(AF)動作の制御、並びに自動露出調整(AE)の制御等を行う。
上記入力手段は、スイッチボタン、ダイヤル、スライド式ツマミなど種々の形態があり、タッチパネルや液晶モニタ表示部の画面上において設定メニューや選択項目を表示してカーソルで所望の項目を選択する態様もある。また、上記入力手段は、カメラ本体に配設されていてもよいし、リモコン送信機としてカメラ本体と分離した構成にすることも可能である。
なお、本実施の形態に係わるデジタルカメラ210におけるAF制御自体は、前述した第2の実施の形態のAF制御と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における上述のように算出されるコントラスト値Ctを用いて行われる制御ルーチンについて図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400では、レリーズボタン272が半押しされた否か判定される。該判定が否定された場合にはそのままリターンして、肯定されるまで待機し、判定が肯定されるとステップ402へ移行する。
ステップ402では、切替スイッチ276の操作状態から、第2の撮影系が選択されているか否か判断する。該判定が肯定された場合には、ステップ404へ移行する。
ステップ404では、第1の撮影系によるAFラフサーチが行われる。このとき、図22に示すように、第1の撮影系に対応するエリア200Aに、第1の撮影系によるAFラフサーチがどの範囲(合焦範囲)で行われていることを示す。具体的には、本実施の形態では、合焦範囲表示マークMとして[]を採用し、[]の間が合焦範囲となるように、間隔を広げて表示している。なお、合焦範囲表示マークとしては[]に限定されるものではない。『』、〔〕等を用いるようにしてもよい。
ところで、上記AFラフサーチは具体的には次のように実行される。すなわち、第1の撮影系212Aのモータ254Aをステップ駆動してフォーカスレンズ(撮影レンズ16A)を移動させ、フォーカスレンズの各位置におけるコントラスト値Ctを算出する。
第1の撮影系212Aにおけるフォーカスレンズの各位置の算出されたコントラスト値Ctに基づいてコントラスト値の最大値となる焦点距離を特定し、当該焦点距離を含む所定範囲を特定する。なお、所定範囲は、続く詳細サーチでサーチする範囲であり、所定範囲の大きさは第2の撮影系12Bのズームレンズ倍率に応じて設定する。
次に、ステップ406では、上記AFラフサーチによって特定された所定範囲のサーチ開始位置となるように、第2の撮影系のモータ254Bをステップ駆動して第2の撮影系のフォーカスレンズ(撮影レンズ16B)が移動される。
続いて、ステップ408では、第2の撮影系によるAF詳細サーチが行われる。すなわち、ステップ406で移動されたフォーカスレンズ位置から第2の撮影系のモータ254Bをステップ駆動してフォーカスレンズを移動させ、AFラフサーチ同様に、フォーカスレンズの各位置におけるコントラスト値Ctを算出する。そして、算出されたコントラスト値Ctの最大値となるフォーカスレンズ位置を焦点位置とし、当該位置に第2の撮影系のフォーカスレンズを移動させることによって焦点調整がなされる。なお、AF詳細サーチは、第1の撮影系212Aによって決定された焦点距離範囲のみを行う。
すなわち、本実施の形態に係わるデジタルカメラ210では、第2の実施の形態と同様に、第1の撮像系212Aよりも焦点深度が短く設定された第2の撮影系212Bで撮影する際には、第1の撮影系212AによるAFラフサーチを行うことによって、大まかな焦点位置範囲を決定し、当該決定した焦点位置範囲を、第1の撮影系212Aよりも焦点深度が短く設定された第2の撮影系212BでAF詳細サーチすることにより、焦点位置を決定している。一般的に焦点深度が短く設定されたズームレンズ等のAF制御では、モータを数ステップずつ駆動してAFラフサーチを行った後に、AF詳細サーチを行うが、AFラフサーチ時には焦点深度が短い分フォーカスレンズの移動量が多くなり時間がかかる。しかしながら、本実施の形態では、上述したように、焦点深度が短く設定された第2の撮像系12Bよりも長い焦点深度(単焦点レンズを用いた)の第1の撮影系12AによってAFラフサーチを行うので、AFラフサーチ時に移動するフォーカスレンズの移動量が上記の場合と比較して少なくすることができる。従って、焦点深度の短い第2の撮影系12Bで撮影する際の焦点位置の探索時間を短縮することができる。
本ステップ408では更に、上記ステップ404と同様に、図22に示すように、第2の撮影系に対応する画面であるエリア200Bに、第2の撮影系によるAFラフサーチがどの範囲(合焦範囲)で行われていることを示す。具体的には、本実施の形態では、上記のように、合焦範囲表示マークMとしての[]の間が合焦範囲となるように、間隔を広げて表示している。なお、上記のように、[]を用いることに限定されず、『』、〔〕等を用いるようにしてもよい。
ステップ410で、上記ステップ408のAF詳細サーチの結果、合焦できたか否かを判断する。合焦したと判断された場合には、ステップ412で、第2の撮影系に対応する画面であるエリア200B(図22参照)に、焦点の調整結果として合焦していることを示す合焦表示をする。即ち、例えば、上記のようにAFラフサーチ実行中では、合焦範囲に対応して[]の間隔を広げて表示しており、本ステップ412では、合焦したことを示すため、本実施の形態では、図23(A)に示すように、[]の間隔を狭めるように表示して、合焦したことを示す(合焦成功表示)ようにしている。合焦成功表示は、[]の間隔を狭めるように表示することに限定されない。例えば、[]の間隔を狭めるように表示することと共に又は[]の間隔を狭めるように表示することに代えて、「合焦成功」と表示してもよい。
次のステップ414で、レリーズボタン272が全押しか否かを判断し、レリーズボタン272が全押しと判断された場合には、ステップ416で、レリーズ半押しが解除されたか否かを判断し、レリーズ半押しが解除されたと判断された場合には、本処理を終了する、即ち、レリーズ半押しにより行われるAF動作、及び、測光動作を複数回繰り返して正確な撮影EVを求める処理を終了する。ステップ416で、レリーズ半押しが解除されないと判断された場合にはステップ414に戻る。
ステップ414で、レリーズボタン272が全押しと判断されなかった場合には、ステップ418で、上記のようにレリーズボタン272半押しにより行われた処理により最終的に決定された絞り値とシャッタスピードに基づいて、最終的に決定した絞り値になるように絞り217を駆動し、また、決定したシャッタスピードとなるように電子シャッタによって電荷の蓄積時間を制御して、画像を記録する。
ステップ410で、合焦不能、即ち、合焦できなかったと判断された場合には、ステップ420で、図23(B)に示すように、第2の撮影系に対応する画面であるエリア200Bに、焦点の調整結果として合焦不能であることを示す合焦不能表示をする。即ち、例えば、[]を間隔を狭めると共に、更に、合焦不能を強調するため、合焦不能強調マークM2である「!AF」を表示するようにしている。なお、合焦不能強調マークM2としては「!AF」に限定されるものではない。例えば、「合焦不能」や「合焦エラー」等を表示してもよい。
一方、ステップ402で、切替スイッチ76の操作状態から、第2の撮影系が選択されていない、即ち、第1の撮影系が選択されたと判断された場合には、ステップ422(図21参照)で、第1の撮影系によるAFサーチが行われる。なお、第1の撮影系によるAFサーチは上記ステップ404の第1の撮影系によるAFラフサーチと同様である。この場合も、第1の撮影系によるAFサーチがどの範囲(合焦範囲)で行われていることを示すため、図22に示すように、第1の撮影系に対応する画面であるエリア200Aに、上記と同様に、[]を、合焦範囲に対応して間隔を広げて表示している。なお、上記のように、[]を用いることに限定されず、『』、〔〕等を用いるようにしてもよい。
ステップ424で、上記ステップ422のAFサーチの結果、合焦できたか否かを判断する。合焦できたと判断された場合には、ステップ426で、上記と同様に、第1の撮影系に対応する画面であるエリア200Aに、焦点の調整結果として合焦していることを示す合焦表示をする(図23(A)参照)。即ち、例えば、上記のように、[]の間隔を狭めるように表示する。なお、この場合も、合焦成功表示は、[]の間隔を狭めるように表示することに限定されない。例えば、
[]の間隔を狭めるように表示することと共に又は[]の間隔を狭めるように表示することに代えて、「合焦成功」と表示してもよい。
次のステップ428で、レリーズボタン272が全押しか否かを判断し、レリーズボタン72が全押しと判断された場合には、ステップ430で、レリーズ半押しが解除されたか否かを判断し、レリーズ半押しが解除されたと判断された場合には、本処理を終了する、即ち、上記のようにレリーズ半押しにより行われるAF動作、及び、測光動作を複数回繰り返して正確な撮影EVを求める処理を終了する。ステップ430で、レリーズ半押しが解除されないと判断された場合にはステップ428に戻る。
ステップ428で、レリーズボタン272が全押しと判断されなかった場合には、ステップ432で、上記のようにレリーズボタン272が半押しに伴って行われた処理により最終的に決定された絞り値とシャッタスピードに基づいて、該最終的に決定した絞り値になるように絞り217を駆動し、また、該決定したシャッタスピードとなるように電子シャッタによって電荷の蓄積時間を制御して、画像を記録する。
ステップ424で、合焦不能、即ち、合焦できなかったと判断された場合には、ステップ434で、第1の撮影系に対応する画面であるエリア200Aに、焦点の調整結果として合焦不能であることを示す合焦不能表示をする(図23(B)参照)。即ち、例えば、上記のように、[]の間隔を狭めると共に、合焦不能を示すため、合焦不能マークである「!AF」を表示する。なお、合焦不能マークとしては、「!AF」に限定されるものではなく、「合焦不能」、「合焦エラー」等を表示するようにしてもよい。
このように本実施の形態では、本実施の形態では、AFサーチをしているとき、合焦範囲を示しているので、ユーザは、どの範囲で焦点が合うようにしているのかを認識することができる。
更に、本実施の形態では、AFサーチの結果、焦点があった場合と合わなかった場合各々に対応して、合焦又は合焦不能を表示しているので、ユーザは、合焦又は合焦不能を認識でき、合焦不能を認識した場合には、撮影し直したり、焦点を調整している範囲が変わるように、カメラの向きを変えて、合焦するようにできる。
また、本実施の形態では、第1の撮影系212Aを用いてAFサーチを行っている際には、第1の撮影系212Aに対応するエリアに画像を表示し、第2の撮影系212Bを用いてAFサーチを行っている際には、第2の撮影系212Bに対応するエリアに画像を表示しているので、何れの撮影系で撮影しようとしているかを、撮影直前に確認することができる。よって、誤った選択をしたまま撮影し続けてしまうのではないかというユーザの心配を回避することができる。
更に、本実施の形態では、前述した第2の実施の形態と同様に、第1の撮影系12Aよりも焦点深度が短く設定された第2の撮影系212Bで撮影する際のAF制御は、第1の撮影系212Aを用いてAFラフサーチを行い、当該AFラフサーチに基づいて、第2の撮影系12BによるAF詳細サーチを行っている。すなわち、上述しように、フォーカスレンズの移動距離の短い第1の撮影系212Aを用いて第2の撮影系212BでAFサーチする焦点距離範囲を決定し、当該焦点距離範囲のみを第2の撮影系212BでAFサーチすることによって、第2の撮影系212BによるAF詳細サーチの時間を短縮することができ、AF制御(焦点位置の探索)を高速化することができる。
なお、上記の実施の形態では、それぞれ焦点深度が異なる2つの撮影系212A、212Bを備えたものに、本発明を適用するようにしていたが、撮影系は2つに限るものではなく、3つ以上の複数を備えるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、第1の撮影系212Aに対応して駆動回路252及びモータ254Aを設け、第2の撮影系212Bに対応して駆動回路220B及2びモータ54Bを設ける構成としたが、駆動回路252A、252B及びモータ254A、254Bは第1の撮影系及び第2の撮影系で共用する構成としてもよい。すなわち、本発明の第1の焦点調整手段及び第2の焦点調整手段に含まれるフォーカスレンズを駆動する駆動回路及びモータを共通のものを用いる構成としてもよい。
更に、本実施の形態では、単一の表示部46を備え、図21に示すように、表示部46の画面Gに、第1の撮影系のCCD218Aから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像を表示するエリア200Aと、第2の撮影系のCCD18Bから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像を表示するエリア200Bと、を設けらるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一の表示部246を備え、図24に示すように、表示部246の画面Gに、第1の撮影系のCCD218Aから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像(テレ)を全体に表示し、該画面G上に、第2の撮影系のCCD218Bから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像(ワイド)を表示するエリア200B1を設けるようにしてもよい。この場合にも、合焦範囲等を示すようにする。なお、逆に、表示部246の画面Gに、第2の撮影系のCCD218Bから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像を表示全体に表示し、該画面G上に、第1の撮影系のCCD218Aから出力される画像信号に基づく上記映像信号により画像を表示するエリアを設けるようにしてもよい。更に、第1の撮影系及び第2の撮影系各々に対応して少なくとも1つの表示部を設け、対応する表示部に対応する画像を表示するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、それぞれ焦点深度が異なる2つの撮影系212A、212Bを備えるようにているが、本発明はこれに限定されず、各々同じ焦点深度の撮影系を複数備えるようにしてもよい。この場合には、ラフサーチを行わず、各々の撮影系でAF制御を行うようにしてもよい。この場合でも、AFサーチをしているとき、合焦範囲を示しているので、ユーザは、どの範囲で焦点があうようにしているのかを認識することができる。更に、本実施の形態では、AFサーチの結果、焦点があった場合と合わなかった場合各々に対応して、合焦又は合焦不能を表示しているので、ユーザは、合焦又は合焦不能を認識でき、合焦不能を認識した場合には、撮影し直したり、焦点を調整している範囲が変わるように、カメラの向きを変えて、合焦するようにできる。
なお、以上説明した例では、撮影系を複数備えた例を説明したが、本発明をこれに限定されるものではなく、撮影系を1つのみ備える場合にも同様に適用することができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態の構成は前述した第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、本実施の形態では撮像素子218A、218Bによって撮影された被写体像は、例えば、図3に示すように、ディスプレイ226の画面上に合成してそれぞれ確認可能なように表示されるようになっている。なお、図3では、第2の撮像素子(ワイド用撮像素子)50Bによって撮影された撮影画像の中央部に、第1の撮像素子(テレ用撮像素子)50Aによって撮影された撮影画像が表示される例を示す。なお、図5に示すように、第1の撮像素子(テレ用撮像素子)218Aによって撮影された撮影画像を表示部全面に表示し、第1の撮像素子(テレ用撮像素子)218Aによって撮影された撮影画像の上、例えば、右端上部に、第2の撮像素子(ワイド用撮像素子)218Bによって撮影された撮影画像を表示するようにしてもよい。
次に、本実施の形態の作用を、図25及び図26に、電源投入後所定時間毎に繰り返し実行する撮影処理ルーチンを示したフローチャートを参照して説明する。
ステップ502で、切替スイッチ276の操作状態から、ズーム撮影の選択に切り替わっているが否か判断する。該判定が否定された場合には、ステップ504で、第1の撮影系及び第2の撮影系各々の撮像素子からの画像データが表す画像を表示する。即ち、図3に示すように、第1の撮影系のCCD218Aから出力される画像信号に基づく映像信号により画像を、表示部全面に表示すると共に、第2の撮影系のCCD218Bから出力される画像信号に基づく映像信号により画像を、第1の撮影系に対応する画像の中央に表示する。なお、各撮影系の画像の表示態様は、図3に示す態様ばかりでなく、図5に示す上記態様のようにしてもよい。また、第1の撮影系及び第2の撮影系各々の撮像素子からの画像データが表す画像を表示することに限定されず、単焦点撮影系(第1の撮影系)の画像のみを、表示部全面に表示するようにしてもよい。
ステップ506で、ズームレバー274からの信号に基づき、ズーム操作されているか否かを判断する。ズーム操作されていると判断した場合には、ステップ508で、ズームレバー274からの信号に基づいて単焦点撮影系(第1の撮影系)により得られた画像データにデジタル・ズーム処理(画像処理)する。
ステップ510で、レリーズボタン272が半押しか否か判断する。レリーズボタン272で、レリーズボタン272が半押しと判断された場合には、ステップ512で、単焦点撮影系(第1の撮影系)によりAFサーチする。なお、本実施の形態に係るAFサーチは後述する。
次のステップ514で、レリーズボタン272が全押しか否かを判断し、レリーズボタン272が全押しと判断された場合には、ステップ516で、レリーズ半押しが解除されたか否かを判断し、レリーズ半押しが解除されたと判断された場合には、本処理を終了する、即ち、レリーズ半押しにより行われる後述するAF動作、及び、測光動作を複数回繰り返して正確な撮影EVを求める処理を終了する。ステップ516で、レリーズ半押しが解除されないと判断された場合にはステップ514に戻る。
ステップ514で、レリーズボタン272が全押しと判断されなかった場合には、ステップ518で、上記のようにレリーズボタン272半押しにより行われた処理により最終的に決定された絞り値とシャッタスピードに基づいて、最終的に決定した絞り値になるように絞り17を駆動し、また、決定したシャッタスピードとなるように電子シャッタによって電荷の蓄積時間を制御して、画像を記録する。
一方、ステップ502で、ズーム撮影の選択に切り替わっていると判断した場合には、ステップ520(図26参照)で、ステップ504と同様に、第1の撮影系及び第2の撮影系各々の撮像素子からの画像データが表す画像を表示する。ステップ522で、ズームレバー274からの信号に基づき、ズーム操作されているか否かを判断する。ステップ522で、ズーム操作されていると判断した場合には、ステップ524で、ズーム操作に基づいて行って既にズーム操作の調整可能範囲以上、即ち、TELE(望遠(テレ))端になっているか否かを判断する。TELE端になっていないと判断した場合には、ズーム操作する。即ち、上記のように、駆動回路252Bを介して、モータM254Bを制御して、レンズを移動させる。一方、スタップ524で、ズーム操作に基づいて行って既にTELE(望遠(テレ))端になっていると判断した場合には、前述したデジタル・ズーム処理(画像処理)する。
ステップ530で、レリーズボタン272が半押しか否か判断する。レリーズボタン272が半押しと判断された場合には、ステップ532で、単焦点撮影系(第1の撮影系)によりAFラフサーチする。なお、本実施の形態に係るAFラフサーチは後述する。
次のステップ534で、ズーム撮影系(第2の撮影系)によるAF詳細サーチを行う。
次のステップ536で、レリーズボタン272が全押しか否かを判断し、レリーズボタン272が全押しと判断された場合には、ステップ538で、レリーズ半押しが解除されたか否かを判断し、レリーズ半押しが解除されたと判断された場合には、本処理を終了する、即ち、レリーズ半押しにより行われるAF動作、及び、測光動作を複数回繰り返して正確な撮影EVを求める処理を終了する。ステップ538で、レリーズ半押しが解除されないと判断された場合にはステップ536に戻る。
ステップ536で、レリーズボタン272が全押しと判断された場合には、ステップ540で、上記のようにレリーズボタン272半押しにより行われた処理により最終的に決定された絞り値とシャッタスピードに基づいて、最終的に決定した絞り値になるように絞り217を駆動し、また、決定したシャッタスピードとなるように電子シャッタによって電荷の蓄積時間を制御して、画像を記録する。
以上説明したように、本実施の形態では、単一のズームレバーを備え、 該ズームレバーにより第1の撮影系及び第2の撮影系の画角の変化を指示できるので、デジタルカメラを簡単な構成にすることができる。また、各々の撮影系に対応してズームラバーを操作するわずらわしさを解消でき、操作性を向上することができる。更に、各々の撮影系に対応してズームラバーを備えるのではないので、部品点数を減少させることができ、小型化及び低コスト化を図ることができる。
なお、本実施の形態に係わるAF制御自身は、前述した通りであるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。上記の実施の形態では、テレ用の撮像系による撮影画像と、ワイド用の撮像系による撮影画像とを1つの表示部にそれぞれ全面が表示されるようにしたが、本変形例では、テレ用の撮像系による撮影画像を表示すると共に、ワイド用の撮像系による撮影画像については、所定領域のみを表示する。例えば、図10に示すように、テレ用の撮影系による撮影画像を表示部の画面内上側の領域に表示し、ワイド用の撮影系による撮影画像の所定領域のみを切り出して表示部の画面内下側に表示するようにしてもよい。なお、このような表示の切換は、例えば、スイッチ等を操作して表示の切り換えを行うことによって実現可能であり、ディスプレイドライバ248によって表示制御することができる。
例えば、図12に示すように、競馬の撮影などを行う場合には、ワイド用の撮影系による撮影画像は帯状の所定領域96のみを表示部に表示すればいいので、当該所定領域96のみをスイッチを操作することによって指定して、当該所定領域96を画面の下側に表示するように指示することにより、ワイド用の撮影系による撮影画像の略全体を把握することが可能である。また、このように、ワイド用の撮影系による撮影画像の所定領域96のみを表示することにより、狭い表示面積で必要な情報を有効に表示することが可能となる。
なお、上記の実施の形態では、2つの撮影系を備えるようにしたが、これに限るものではなく、例えば、3つや4つの撮影系を備えて、表示部に同時に撮影画像を表示するようにしてもよいし、この時、表示部は撮影系に対応した数の表示画面を設けるようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1の撮影系212Aとして、光学系214A、モータ254A、駆動回路252A、及びCCD218Aを備え、第2の撮影系212Bとして、光学系214B、モータ254B、駆動回路252B、及びCCD218Bを備えるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、レンズ216A及びレンズ216Bを共通化させ、共通レンズを介して入射した光(被写体像)を分離手段(ハーフミラーなど)で分離し、第1の撮影系212AのCCD218Aと、第2の撮影系12BのCCD218Bと、に導くようにしてもよい。レンズ216Bが本発明の第2の焦点可変光学系に対応する。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態はデジタルカメラに本発明を適用したものである。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラは、前述した第2の実施の形態と略同様の構成であるので、同一部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
図27に本発明の実施の形態に係るデジタルカメラのブロック図を示す。このデジタルカメラ210は、それぞれ独立し且つ略同一の2つの撮影系(第1の撮影系212A及び第2の撮影系212B)を有しており、それぞれ撮影光学系214A、214Bを介してCCD218A、218Bの受光面に被写体像を結像するようになっている。
撮影光学系214Aは、撮影レンズ215A、フォーカスレンズ216A、及び絞り217Aを含んで構成されており、同様に、撮影光学系214Bは、撮影レンズ215B、フォーカスレンズ216B、及び絞り217Bを含んで構成されている。撮影レンズ215A、215Bは、例えばズームレンズ(焦点距離可変レンズ)で構成されている。このように、図27では、撮影レンズとフォーカスレンズとを明示的に示した。なお、撮影レンズ215A、215Bを単焦点レンズで構成してもよい。
なお、CCD218Aは本発明の第1の撮像素子に相当し、CCD218Bは本発明の第2の撮像素子に相当し、フォーカスレンズ216Aは本発明の第1のレンズに相当し、フォーカスレンズ216Bは本発明の第2のレンズに相当する。
第1の撮影系212A及び第2の撮影系212Bは、それぞれを撮影用及び後述する焦点調整用として用いてもよいし、一方を撮影用及び焦点調整用に、他方を焦点調整用のみとして用いてもよい。
CPU230は操作部250からの入力信号に基づいて対応する回路ブロックを制御すると共に、撮影レンズ215A、215Bのズーミング動作やフォーカスレンズ216A、216Bによる自動焦点調整(AF)動作の制御、並びに自動露出調整(AE)の制御等を行う。
CPU230は、CCD218A、218Bから出力される画像信号に基づいて、焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算に基づいて、撮影レンズ215A、215B、フォーカスレンズ216A、216B、及び絞り217A、217Bの駆動回路252A、252Bを制御する。すなわち、モータ254A、254Bを駆動することによって撮影レンズ215A、215Bをズーミングさせ撮影倍率を変更する。なお、手動でズーミングする構成の場合には、モータ254A、254Bは省略することができる。
また、モータ256A、256Bを駆動することによって、フォーカスレンズ216A、216Bを合焦位置に移動させると共に、絞り217A、217Bを適正絞り値に設定する。モータ256A、256Bはステッピングモータからなり、ステップ数を制御することによってフォーカスレンズ位置が制御される。なお、モータ256A、256Bはステッピングモータに限るものではなく、例えば、DCモータ等を用いることも可能である。なお、モータ254A、254Bも同様にステッピングモータやDCモータ等を用いることができる。
これ以外の構成やAE制御、基本的なAF制御については第2の実施の形態と同様であり、第2の実施の形態における撮影レンズ216A、216Bを本実施の形態における撮影レンズ215A、215Bに、第2の実施の形態におけるフォーカスレンズを本実施の形態におけるフォーカスレンズ216A、216Bにそれぞれ読み替えればよいため、詳細な説明を省略する。
なお、CPU30、駆動回路52A、52B、モータ56A、56Bは本発明の焦点調整手段に相当する。
次に本実施の形態に係るデジタルカメラ210におけるAF制御について説明する。
AF制御は上述したように、コントラストAF方式が採用され、レリーズボタンが「半押し」状態の時に、駆動回路252A、252Bを介してモータ256A、256Bを駆動することによりフォーカスレンズ216A、216Bを移動させて、コントラストが最大となる位置にフォーカスレンズを位置させる。
AF評価値としてのコントラスト値Ctの算出については、第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
次に、算出されたコントラスト値Ctを用いて行われるAF制御について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600では、レリーズボタンが半押しされた否かが判断される。レリーズボタンが半押しされていない場合には、ステップ600の判断が否定され、レリーズボタンが半押しされるまで待機する。一方、レリーズボタンが半押しされるとステップ600の判断が肯定され、ステップ602へ移行する。
ステップ602では、第1の撮影系212Aのフォーカスレンズ216Aを、被写体が無限遠に位置する場合に合焦する第1の所定位置A(図29参照)に移動させるべく駆動回路252Aに指示してモータ256Aを駆動させると共に、第2の撮影系212Bのフォーカスレンズ216Bを、被写体が至近位置に位置する場合に合焦する第2の所定位置B(図29参照)に移動させるべく駆動回路252Bに指示してモータ256Bを駆動させる。
次のステップ604では、第1の撮影系212A、第2の撮影系212BのAF評価値としてのコントラスト値CtA(第1評価値)、コントラスト値CtB(第2評価値)をそれぞれ算出し、そのときのレンズ位置と共にメモリ226A、226Bにそれぞれ記憶する。
次のステップ606では、コントラスト値CtA、CtBのピーク値(最大値)を検出したか否かが判断される。具体的には、メモリ226Aに記憶された前回算出したコントラスト値CtAと今回算出したコントラスト値CtAを比較すると共に、メモリ226Bに記憶された前回算出したコントラスト値CtBと今回算出したコントラスト値CtBを比較する。そして、今回算出したコントラスト値CtAが前回算出したコントラスト値CtAよりも小さい場合又は今回算出したコントラスト値CtBが前回算出したコントラスト値CtBよりも小さい場合には、前回算出したコントラスト値CtA又はCtBを最大値Ctmaxとする。これは、図29に示すように、基本的にコントラスト値Ctが最大となる合焦位置は1カ所だけ存在し、この合焦位置に向かうに従ってコントラスト値Ctが高くなるのが一般的であるためである。
そして、コントラスト値Ctの最大値Ctmaxが検出された場合には、ステップ606の判断が肯定され、ステップ608へ移行する。
ステップ608では、最大値Ctmaxに対応するレンズ位置C(合焦位置)へフォーカスレンズ216A、216Bをそれぞれ移動させて本ルーチンを終了する。
一方、最大値Ctmaxが検出されない場合には、ステップ606の判断が否定され、ステップ610へ移行する。
ステップ610では、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一か否かが判断される。そして、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一でない場合には、ステップ610の判断が否定され、ステップ612へ移行する。
ステップ612では、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置を1ステップ駆動してステップ604へ戻る。すなわち、フォーカスレンズ216Aを、図29に示す第2の所定位置Bに向けて予め定めたステップ幅Lだけ移動させると共に、フォーカスレンズ216Bを、図29に示す第1の所定位置Aに向けてステップ幅Lだけ移動させる。このフォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置を1ステップ駆動する処理は、最大値Ctmaxを検出するか、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一の位置になるまで繰り返される。
なお、ステップ幅Lは、例えば焦点深度以下の長さに設定される。これにより、合焦位置を含む焦点深度の範囲を超えてフォーカスレンズ216A、216Bが移動してしまうのを防ぐことができ、確実にピントを合わせることができる。
ところで、ステップ610におけるフォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一か否かの判断は、換言すれば、何れも最大値Ctmaxが検出されずに、フォーカスレンズ216A、216Bが第1の所定位置Aと第2の所定位置Bとの中間点に移動したか否かを判断することと同じである。このように、何れも最大値Ctmaxが検出されない場合としては、図30に示すように、第1の所定位置Aと第2の所定位置Bとの中間点にAF評価値のピークがある場合と、例えば青空を撮影した場合にように、ピークがなくAF評価値がフラットな場合がある。
第1の所定位置Aと第2の所定位置Bとの中間点にAF評価値のピークがあるか否かを判断する場合は、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にあるか否かを判断すればよい。
そこで、ステップ610の判断が肯定された場合には、ステップ614において、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にあるか否かを判断する。そして、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にある場合には、中間点が合焦位置Cであると判断し、本ルーチンを終了する。
一方、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にない場合には、ピークがないと判断し、次のステップ616において、予め定めたパーン位置にフォーカスレンズ216A、216Bをそれぞれ移動させて本ルーチンを終了する。なお、パーン位置は、予め定めた固定位置でもよいし、予め定めたレンズのズーム位置とパーン位置との対応関係をルックアップテーブルとして記憶しておき、このルックアップテーブルからズーム位置に応じたパーン位置を求めるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、2つの撮像系を備え、一方の撮影系のフォーカスレンズを、合焦位置が無限遠となる第1の所定位置から合焦位置が至近位置となる第2の所定位置に向けて移動するようにステップ駆動し、他方の撮影系のフォーカスレンズを、第2の所定位置から第1の所定位置に向けて移動するようにステップ駆動しながら焦点調整を行うため、合焦位置の検出時間を大幅に短縮することができる。
なお、本実施形態では、フォーカスレンズ216Aの初期位置を第1の所定位置Aに設定すると共にフォーカスレンズ216Bの初期位置を第2の所定位置Bに設定し、まずそれぞれの初期位置にフォーカスレンズを移動させてから焦点調整する場合を例に説明したが、初期位置を現在位置としてもよい。この場合、図30に示すように焦点位置が中央にある場合でも、フォーカスレンズの現在位置によっては合焦位置の検出を速くすることができる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第5の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態におけるデジタルカメラの構成は、第5の実施の形態と同一であるため、説明を省略する。
次に、本実施形態に係るAF制御について、図31及び図32に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図31では、図28に示すフローチャートと同一の処理を行うステップについては同一符号を付している。
図31に示すように、図28に示すフローチャートとはステップ612Aのフォーカスレンズ移動処理のみが異なるため、この処理について図32に示すフローチャートを参照して説明し、その他の説明は省略する。
図32に示すように、ステップ700では、コントラスト値CtA、CtBが略一致するレンズ位置が存在するか否かを判断する。具体的には、メモリ226Aに記憶された全てのコントラスト値CtAとメモリ226Bに記憶された全てのコントラスト値CtBとを比較し、コントラスト値CtAとCtBとが略一致するレンズ位置が存在するか否かを判断する。
そして、コントラスト値CtAとCtBとが略一致するレンズ位置が存在しない場合には、ステップ708へ移行する。ステップ708では、図28のステップ112と同様に、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置をそれぞれ1ステップ駆動する。すなわち、フォーカスレンズ216Aを、第2の所定位置Bに向けて予め定めたステップ幅Lだけ移動させると共に、フォーカスレンズ216Bを、第1の所定位置Aに向けてステップ幅Lだけ移動させる。
一方、コントラスト値CtAとCtBとが略一致するレンズ位置が存在する場合には、ステップ700の判断が肯定され、ステップ702へ移行する。
例えば、レンズ位置とコントラスト値との関係が図33に示すような関係であった場合、フォーカスレンズ216BがB3の位置まで駆動されると、この位置のコントラスト値CtBがAの位置におけるコントラスト値CtAと一致することとなり、ステップ700の判断が肯定されることとなる。
ステップ702では、コントラスト値CtAとCtBとが略一致するレンズ位置の中間位置を算出する。例えば図33の場合、Aの位置とB3の位置との中間位置である中間位置Cが算出される。
次のステップ704では、算出した中間位置Cに基づいてフォーカスレンズ216A、216Bの移動位置を決定する。具体的には、中間位置Cを含む所定範囲を定め、この所定範囲の無限遠側の端部をフォーカスレンズ216Aの移動位置として定め、所定範囲の至近側の端部をフォーカスレンズ216Bの移動位置として定める。この所定範囲は、中間位置Cの近傍に定められ、例えば中間位置Cを中心とした数ステップ分の範囲に定められる。例えば、図33の場合、中間位置Cを中心として両側に1ステップ分の範囲、すなわちA4〜B6の位置を所定範囲として定める。
このように、AF評価値が略一致するレンズ位置の中間位置を含む所定範囲を求め、この所定範囲の両端を各々のフォーカスレンズの移動位置とするのは、レンズ位置とAF評価値との関係は、図33に示すように、コントラスト値Ctが最大となる位置を中心にしてほぼ正規分布の形となるのが一般的だからである。
そして、次のステップ706において、ステップ704で決定した移動位置にフォーカスレンズ216A、216Bをそれぞれ移動させてリターンする。例えば、図33の場合には、フォーカスレンズ216AはA4の位置へ、フォーカスレンズ216Bは、B6の位置へ移動させる。そして、コントラスト値の最大値を検出するまで、又は各々のフォーカスレンズの位置が同一となるまで上記の処理が繰り返される。
このように、AF評価値が略一致するレンズ位置の中間位置を含む所定範囲を求め、この所定範囲の両端に各々のフォーカスレンズを移動させるため、合焦位置を検出する時間をより短縮することができる。例えば、図33の場合、フォーカスレンズ216Bは、B3の位置まで駆動された後、B4、B5の位置をスキップしてB6の位置まで駆動されるため、その分時間を短縮することができる。
なお、フォーカスレンズ216A,216Bを中間位置C付近に移動させた後のステップ駆動の幅を細かくするようにしてもよい。これにより、より正確に焦点調整を行うことができる。
また、上記実施形態では、独立した2つの撮影光学系を備えた構成の場合について説明したが、これに限らず、例えば図34に示すように、1つの撮影光学系14から入射された光をハーフミラー271で2方向に分岐させ、分岐させた光をCCD18A,18Bにそれぞれ入射させる構成としてもよい。この場合、CCD218A、218Bを移動させることにより焦点調整を行う。これにより、同一の像から2つのAF評価値が算出されるため、より正確な焦点調整を行うことができる。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態におけるデジタルカメラの構成は、第5の実施の形態と略同様の構成であるため、その詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本実施の形態に係るデジタルカメラ210は、図27に示すように、それぞれ独立した2つの撮影系(第1の撮影系212A及び第2の撮影系212B)を有しているが、第5の実施の形態に係るデジタルカメラと異なる点は、2つの撮影系がそれぞれ独立し且つ撮像素子及び撮影光学系の少なくとも一方が異なることである。これ以外の構成やAE制御、AF制御等については第5の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、上述のように算出されるコントラスト値Ctを用いて行われるAF制御について説明する。なお、基本的な流れは図28に示したフローチャートと同様であるので、図28のフローチャートを参照して説明する。また、ここでは、撮影光学系214Aが撮影光学系214Bと同一で、且つCCD218Aの画素数がCCD218Bの画素数よりも多い場合について説明する。
ステップ600では、レリーズボタンが半押しされた否かが判断される。レリーズボタンが半押しされていない場合には、ステップ600の判断が否定され、レリーズボタンが半押しされるまで待機する。一方、レリーズボタンが半押しされるとステップ600の判断が肯定され、ステップ602へ移行する。
ステップ602では、第1の撮影系12Aのフォーカスレンズ216Aを、被写体が無限遠に位置する場合に合焦する第1の所定位置A(図36参照)に移動させるべく駆動回路252Aに指示してモータ56Aを駆動させると共に、第2の撮影系212Bのフォーカスレンズ216Bを、被写体が至近位置に位置する場合に合焦する第2の所定位置B(図36参照)に移動させるべく駆動回路252Bに指示してモータ256Bを駆動させる。
次のステップ604では、第1の撮影系212A、第2の撮影系212BのAF評価値としてのコントラスト値CtA(第1評価値)、コントラスト値CtB(第2評価値)をそれぞれ算出し、そのときのレンズ位置と共にメモリ226A、226Bにそれぞれ記憶する。
次のステップ606では、コントラスト値CtA、CtBのピーク値(最大値)を検出したか否かが判断される。具体的には、メモリ226Aに記憶された前回算出したコントラスト値CtAと今回算出したコントラスト値CtAを比較すると共に、メモリ226Bに記憶された前回算出したコントラスト値CtBと今回算出したコントラスト値CtBを比較する。そして、今回算出したコントラスト値CtAが前回算出したコントラスト値CtAよりも小さい場合又は今回算出したコントラスト値CtBが前回算出したコントラスト値CtBよりも小さい場合には、前回算出したコントラスト値CtA又はCtBを最大値Ctmaxとする。これは、図36に示すように、基本的にコントラスト値Ctが最大となる合焦位置は1カ所だけ存在し、この合焦位置に向かうに従ってコントラスト値Ctが高くなるのが一般的であるためである。
なお、CCD218AとCCD218Bの画素数が異なるため、図36に示すように算出されるコントラスト値はそれぞれの撮影系で異なるが、撮影される被写体は同一であるためピーク位置は略同一となる。
そして、コントラスト値Ctの最大値Ctmaxが検出された場合には、ステップ606の判断が肯定され、ステップ608へ移行する。
ステップ608では、最大値Ctmaxに対応するレンズ位置C(合焦位置)へフォーカスレンズ216A、216Bをそれぞれ移動させて本ルーチンを終了する。 一方、最大値Ctmaxが検出されない場合には、ステップ606の判断が否定され、ステップ610へ移行する。
ステップ610では、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一か否かが判断される。そして、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一でない場合には、ステップ610の判断が否定され、ステップ612へ移行する。
ステップ612では、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置を1ステップ駆動してステップ604へ戻る。すなわち、フォーカスレンズ216Aを、図36に示す第2の所定位置Bに向けて予め定めたステップ幅L1だけ移動させると共に、フォーカスレンズ216Bを、図36に示す第1の所定位置Aに向けてステップ幅L2だけ移動させる。このフォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置を1ステップ駆動する処理は、最大値Ctmaxを検出するか、フォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一の位置になるまで繰り返される。
なお、ステップ幅L1、L2は、例えば焦点深度以下の長さに設定される。これにより、合焦位置を含む焦点深度の範囲を超えてフォーカスレンズ216A、216Bが移動してしまうのを防ぐことができ、確実にピントを合わせることができる。また、図36に示すように、ステップ幅L2はステップ幅L1よりも大きくすることができる。これは、画素数が少ないCCD218Bを用いた第2の撮影系212Bは、許容錯乱円が大きくなるため、より大きなステップでAFサーチすることができるからである。
ところで、ステップ610におけるフォーカスレンズ216A、216Bのレンズ位置が同一か否かの判断は、何れも最大値Ctmaxが検出されずに、フォーカスレンズ216A、216Bが同じ位置に移動したか否かを判断することである。このように、何れも最大値Ctmaxが検出されない場合としては、それぞれ同じステップ数で駆動した位置にピークがある場合と、例えば青空を撮影した場合にように、ピークがなくAF評価値がフラットな場合がある。
それぞれ同じステップ数で駆動した位置にピークがあるか否かを判断する場合は、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にあるか否かを判断すればよい。
そこで、ステップ610の判断が肯定された場合には、ステップ614において、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にあるか否かを判断する。そして、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にある場合には、その時のレンズ位置が合焦位置Cであると判断し、本ルーチンを終了する。
一方、各撮影系のAF評価値が共に増加傾向にない場合には、ピークがないと判断し、次のステップ616において、予め定めたパーン位置にフォーカスレンズ216A、216Bをそれぞれ移動させて本ルーチンを終了する。なお、パーン位置は、予め定めた固定位置でもよいし、予め定めたレンズのズーム位置とパーン位置との対応関係をルックアップテーブルとして記憶しておき、このルックアップテーブルからズーム位置に応じたパーン位置を求めるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、2つの撮像系を備え、一方の撮影系のフォーカスレンズを、合焦位置が無限遠となる第1の所定位置から合焦位置が至近位置となる第2の所定位置に向けて移動するようにステップ駆動し、他方の撮影系のフォーカスレンズを、第2の所定位置から第1の所定位置に向けて移動するようにステップ駆動しながら焦点調整を行うため、合焦位置の検出時間を大幅に短縮することができる。
なお、本実施形態では、フォーカスレンズ216Aの初期位置を第1の所定位置Aに設定すると共にフォーカスレンズ216Bの初期位置を第2の所定位置Bに設定し、まずそれぞれの初期位置にフォーカスレンズを移動させてから焦点調整する場合を例に説明したが、初期位置を現在位置としてもよい。この場合、例えば図37に示すように焦点位置が中央付近にある場合でも、フォーカスレンズの現在位置によっては合焦位置の検出を速くすることができる。
また、本実施形態では、2つのフォーカスレンズを合焦位置に移動させているが、撮影用のフォーカスレンズのみを合焦位置へ移動させるようにしてもよい。また、第1の撮影系212Aが撮影用の場合に、第2の撮影系212BのAF評価値のピーク位置が先に検出された場合には、フォーカスレンズ216Aをそのピーク位置付近に移動させ、再度ピント合わせを行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、CCD218AとCCD218Bの画素数が異なる場合について説明したが、CCD218AとCCD218Bの大きさが異なる場合にも、上記と同様に合焦位置を検出することが可能である。この場合、CCD218AとCCD218Bの大きさが異なるので撮影画角が異なるが、AF評価値を算出するためのAFエリア(焦点調整対象エリア)が同一画角となるように設定し、そのAFエリア内の画像データからAF評価値を各々算出すればよい。これにより、それぞれのAF評価値のピーク位置を略同一にすることができる。
また、CCD218AとCCD218Bとが同一であると共に、撮影光学系が異なる場合も合焦位置の検出時間を短縮することが可能である。
例えば、撮影光学系214Aが広角系の光学系、撮影光学系214Bが望遠系の光学系の場合には、図38(A)に示すように、フォーカスレンズ216Aを被写体が至近位置に位置する場合に合焦する第2の所定位置Bから被写体が無限遠に位置する場合に合焦する第1の所定位置Aに向けてステップ幅L2で1ステップずつ移動させると共に、図38(B)に示すように、フォーカスレンズ216Bを第1の所定位置Aから第2の所定位置Bに向けてステップ幅L1で1ステップずつ移動させながら、上記と同様にしてピーク位置を検出する。この場合、被写体が至近付近にある場合には、撮影光学系214A側でピーク位置を検出しやすく、被写体が無限遠付近に存在する場合には、撮影光学系214B側でピーク位置を検出しやすくなる。
また、図38(A),(B)に示すように、ステップ幅L2はステップ幅L1よりも大きくすることができる。これは、広角系の光学系の場合には、望遠系の光学系よりも被写界深度が深くなるためである。これにより、広角系のCCD218Aを用いた第1の撮影系212Aは、第2の撮影系212Bと比較して、より大きなステップでAFサーチすることができるので、ピーク位置を先に検出する比率が高くなる。
そして、何れかの撮影系でAF評価値のピーク位置を検出した場合には、そのピーク位置にフォーカスレンズ216A、216Bを移動させる。例えばAF評価値のピーク位置が広角系の第1の撮影系212Aで検出された場合には、フォーカスレンズ216Aを検出したピーク位置に移動させる。そして、例えば予め用意された図39に示すような第1の撮影系212Aのフォーカスレンズ216Aの合焦位置A1〜Aiと、これら合焦位置に各々対応する第2の撮影系212Bのフォーカスレンズ216Bの合焦位置B1〜Bi(iは整数)との対応関係を表すルックアップテーブルを参照して、フォーカスレンズ216Aの合焦位置に対応するフォーカスレンズ216Bの合焦位置を求める。そして、求めた合焦位置にフォーカスレンズ216Bを移動させる。このように、ルックアップテーブルを予め用意しておくことにより、フォーカスレンズ216Aの合焦位置からフォーカスレンズ216Bの合焦位置を容易に求めることができる。
なお、撮影用の撮影系のフォーカスレンズのみを合焦位置へ移動させるようにしてもよい。また、さらに精度よくピント合わせを行いたい場合には、合焦位置へフォーカスレンズを移動させた後、そこから再度上記と同様のピント合わせを行うようにしてもよい。例えば望遠系の第2の撮影系212Bが撮影用の場合で第1の撮影系212AのAF評価値のピーク位置が先に検出された場合には、前記ルックアップテーブルから求めたフォーカスレンズ216Aの合焦位置に対応するフォーカスレンズ216Bの合焦位置にフォーカスレンズ216Bを移動させ、そこから再度ピント合わせを行う。これにより、さらに精度よくピント合わせを行うことができる。
また、上記実施形態では、独立した2つの撮影光学系を備えた構成の場合について説明したが、これに限らず、例えば図34に示すように、1つの撮影光学系214から入射された光をハーフミラー271で2方向に分岐させ、分岐させた光をサイズ及び画素数の少なくとも一方が異なるCCD218A,218Bにそれぞれ入射させる構成としてもよい。この場合、CCD218A、218Bを移動させることにより焦点調整を行う。AF評価値の算出、ピーク位置の検出、及びフォーカスレンズの移動は上記と同様の処理により行うことができる。このように、撮影光学系を共通にすることにより、より正確な焦点調整を行うことができる。