JP4250039B2 - クローラ車両のロックピン挿入検知装置 - Google Patents

クローラ車両のロックピン挿入検知装置 Download PDF

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Description

本発明は、左右一対のクローラ式走行装置間の距離が可変とされたクローラ車両の、該走行装置を位置決めするロックピンの挿入検知装置に関する。
従来から、クローラ式走行装置(以下、単にクローラと言う。)を有する下部走行体と、その上部に搭載された上部旋回体とを備えた、例えばパワーショベル(油圧式掘削機)、クレーン、杭打ち機などのクローラ車両が多く知られている。このクローラ車両の中には、左右のクローラ間の距離を可変としたものがあり、これによって作業時に車両幅を広げて車体安定性を高めるため、左右のクローラ間距離を拡幅し、また一方、当該車両を輸送する際に法令による輸送制限幅以内に車幅を設定するために、又は狭い現場で作業する際にその作業現場の制限範囲内に納めるために、その車両幅を縮幅することを可能としている。そして、これらクローラ車両の掘削、クレーン、杭打ち作業などの作業中に車体安定性、作業性を継続して確保するため、拡幅した左右のクローラを位置決めし、その車両幅を固定保持する技術が着目され、以下に述べるような技術が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、左右一対のトラックフレーム間のゲージ間隔、即ち左右クローラ間幅(以下、単にクローラ幅と言う。)を位置決め油圧シリンダと固定ピンとで固定する技術が紹介されている。図10は、特許文献1に記載の回路図であり、同図に基づき従来技術を説明する。
図10において、当該可変ゲージ機構付きクローラ車両は、図示しないセンターフレームの両側に左右1対のクローラの各トラックフレーム(一方のトラックフレーム73のみ図示している。)が、平行四節リンクを構成する左右2本ずつの連結リンクによって連結されている。この4本の連結リンクのうち前側の左右リンクは、そのリンク部に対して略直角に突き出された適宜長さの操作片部を有するベルクランク状に形成されており、この前側の左右連結リンク75,76の操作片部間に、クローラ幅を拡幅し又は縮小するための油圧シリンダ80が連結されている。前側の左右連結リンク75,76のうち、一方の連結リンク76の屈曲部の先端部分には、トラックフレーム73が拡幅された位置と縮小された位置とに対応する2個所にピン固定孔が設けられており、このピン固定孔にピンプラー用油圧シリンダ82の伸縮によって固定ピン83を出し入れすることにより、クローラ幅を位置決めしている。
前記ピンプラー用油圧シリンダ82への油の給排は電磁弁87によって切り換えられ、また前記クローラ幅可変用の油圧シリンダ80への油の給排は切換弁88を介して電磁比例式切換弁86によって切り換えられている。これらの電磁比例式切換弁86及び電磁弁87への操作信号は、コントローラ85から出力されている。また、クローラ幅可変用の油圧シリンダ80に設けられたロッド81の前進及び後退のストロークエンドをそれぞれ検知するスイッチ80a,80bの検出信号、ピンプラー用油圧シリンダ82のピストンの後退及び前進のストロークエンドをそれぞれ検知するスイッチ82a,82bの検出信号は、コントローラ85に入力されている。コントローラ85はこれらの各スイッチの検出信号に基づいてクローラ幅可変用の油圧シリンダ80及びピンプラー用油圧シリンダ82の伸縮を制御することにより、固定ピン83を該当位置のピン固定孔に挿入して、センターフレームに対して左右トラックフレームを固定し、クローラ幅を自動で設定保持している。
特開平11−49042号公報(第4−5頁、第1−3図)
ところで、通常、上部旋回体及び下部走行体を有する建設機械等のクローラ車両においては、動力源のエンジン、油圧ポンプ及びバッテリや、制御対象の油圧制御弁、操作パネル及びモニタ装置等を上部旋回体に配置することが多いので、これらの機器と接続するコントローラも上部旋回体側に設置するという配置上の要望が多い。前述した特許文献1に記載の従来技術において、該特許文献1には記載されていないものの、コントローラ85を上部旋回体側に設置する場合に、以下のような問題が生じる。
上部旋回体側に配置したコントローラ85は、下部走行体側に設けたクローラ幅可変用油圧シリンダ80の前進及び後退のストロークエンドをそれぞれ検知するスイッチ80a,80b、並びにピンプラー用油圧シリンダ82の後退及び前進のストロークエンドをそれぞれ検知するスイッチ82a,82bのそれぞれの検出信号を入力する必要がある。
よって、この下部走行体側の検知スイッチ80a,80b,82a,82bから上部旋回体側のコントローラ85への電気配線は、上部旋回体の下部走行体に対する回転位置に拘らず確実に電気信号を送信するために、上部旋回体の旋回軸と共通の回転軸を有した電気信号伝達用のスリップリングを介して行う必要がある。このため、油圧配管を上部旋回体側と下部走行体側との間で回転自在に連通させるのに必須である油圧スイベルジョイントに、上記スリップリングという特殊な機構を設ける必要が生じる。
ところが、油圧スイベルジョイントは、通常、油圧配管で送られる圧油などの流体を回転に拘束されずに上部旋回体と下部走行体との間で送給可能とするために設けられたものであり、上記のような電気信号伝達用のスリップリングを追加して設けるには、オイルシールド性及び電気的絶縁性の確保の面で高度な加工技術が必要となる。加えるに、部品点数が増大するので、部品コスト、組立コスト等の大幅なコストアップを招くという問題がある。
また、上部旋回体の回転中心部は、旋回軸受、上部旋回体フレーム及びセンターフレームでその周囲を囲まれており、故障の際にはそのメンテナンスが至難な個所である。従って、このような位置に、精密部品で構成され故障の懸念が多いスリップリングを設けるのは非常に困難である。
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、クローラ幅可変としたクローラ車両おいて、拡幅位置でのロックピン挿入検知が確実に簡素な構成でできるロックピン挿入検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、第1発明は、左右一対の走行装置間の距離を可変とされた下部走行体に上部旋回体を搭載したクローラ車両において、前記左右一対の走行装置間の距離を拡幅し又は縮幅する油圧シリンダと、前記下部走行体の前記走行装置及び該走行装置を支持する走行基台のいずれか一方に設けられたピン孔及びいずれか他方に設けられた拡幅ピン孔に挿入して、前記走行装置の拡幅位置をロックするロックピンと、前記上部旋回体に設けられ、前記油圧シリンダの圧油の給排を切換える切換弁と、前記上部旋回体の旋回中心位置に設けられ、前記切換弁から前記油圧シリンダに圧油を給排する管路を回転自在に設けた油圧スイベルジョイントと、前記油圧スイベルジョイントと前記油圧シリンダとの間の管路に設けられ、前記走行基台のピン孔へのロックピンの挿入によって作動したとき、前記油圧シリンダ側の管路を遮断すると共に、前記油圧シリンダの伸長時そのボトム室に連通する入力側の管路をタンクへ連通させる操作弁と、前記油圧スイベルジョイント及び前記切換弁の間で、かつ前記油圧シリンダの伸長時そのボトム室に連通する管路に設けられた圧力センサとを備えた構成としている。
また、第2発明は、第1発明に記載のロックピン挿入検知装置において、前記操作弁と前記油圧シリンダとの間で、かつ該油圧シリンダのボトム室に接続された管路に、アキュムレータを備えた構成としている。
第1発明によると、拡縮用の油圧シリンダで左右一対の走行装置間の距離を拡幅し、走行装置及び走行基台それぞれに設けられたピン孔の中心が一致したら、作業者がこれらの孔にロックピンを挿入することにより、そのピン孔の奥に配置した操作弁を操作する。このとき、操作弁は、前記油圧シリンダ側の管路を遮断すると共に、油圧シリンダのボトム室に連通する入力側の管路をタンクへ連通させるので、この入力側の管路の圧力が低下する。このため、入力側の管路に設けた圧力センサの検出値に基づき、前記油圧シリンダの拡幅位置決め完了時点でのボトム室の昇圧を検出した後、ロックピンの挿入動作によりボトム室が降圧して所定の降下圧力値に至ったら、この時点をロックピンの挿入完了時点と判断することができる。なお、装置電源の投入直後に既にロックピンが拡幅位置孔に挿入されている場合には、拡幅操作をしても前記油圧シリンダのボトム室圧が上昇せずに所定の降下圧力値になっていることを検出することにより、ロックピン挿入完了状態であることを判別できる。
このとき、圧力センサは、上部旋回体の旋回中心位置に設けられた油圧スイベルジョイントと上部旋回体に設けられた切換弁の間に設けられているので、圧力センサの検出信号は上部旋回体側のコントローラにスリップリング等を経由せずに直接接続できる。このように、本発明は、確実な位置決め手段であるロックピンを下部走行体側に用いているものの、その挿入検知は上部旋回体側に設けた圧力センサにより行っている。よって、従来技術のように精密部品で構成され高価な電気信号伝達用回転ジョイント(例えばスリップリング等)を上部旋回体の中心の油圧スイベルジョイントなどに付加して設ける必要がなく、油圧スイベルは極めて簡素な構成となる。
また、油圧スイベルジョイントを装着する上部旋回体の回転中心部位は、旋回軸受、上部旋回体及び走行基台でその周囲を囲まれており、そこに設置された機器の故障の際にはそのメンテナンスが非常に困難な個所であるが、本発明では、この回転ジョイント部は油圧配管のみで済み、電気精密部品で構成され故障の懸念が多いスリップリングなどを設ける必要がないため、故障頻度が少ない。
また第2発明によると、例えば、一旦油圧シリンダにより左右一対の走行装置間の距離を拡幅位置で位置決め完了し、ロックピン挿入動作により操作弁が操作されて油圧シリンダのボトム圧が降下したことを圧力センサの検出値に基づき検知し、ロックピン挿入が完了したと判断された後に、万一、不用意に又は予期せずにロックピンが抜かれてしまうといった事態が生じた場合においても、確実にこのロックピン抜け状態を検出できる。即ち、先ず、ロックピン抜けにより、ピン孔奥部に設けられた操作弁が作動し、油圧シリンダのボトム室と圧力センサの管路が連通される。続いて、この操作弁と油圧シリンダとの間の管路に設けられたアキュムレータの蓄圧力によって、圧力センサが接続されている管路が昇圧し、この昇圧を圧力センサで検出することにより、ロックピン抜けと判断して警告を発することが可能となる。従って、ロックピンの抜けを極めて簡単な構成で確実に検知できる。
以下、本発明に係るロックピン挿入検知装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図7により第1実施形態を説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の適用機例としての杭打ち機の正面図及び側面図であり、先ず図1及び図2に基づき、本発明の適用機例である杭打ち機の構成を説明する。
図1及び図2において、杭打ち機1は、杭打ち装置5と杭打ち機本体2とを備えており、該杭打ち装置5は前記杭打ち機本体2の端部に、作業時には立設可能に(図示状態)、また作業時以外には横臥可能に装備されている。前記杭打ち装置5は、杭50を地盤へ回転圧入駆動するヘッド52と、杭50を連結した前記ヘッド52を鉛直方向にガイドするリーダ51とを備えている。
杭打ち機本体2は、下部走行体3と、該下部走行体3の上部に搭載された上部旋回体4とを備えており、この上部旋回体4は、上部旋回台40と、該上部旋回台40上に配設された運転室41、図示しないエンジン、油圧源、制御装置とを備えている。
また下部走行体3は、走行基台30と左右一対の走行装置29,29とを備え、該走行装置29,29は、走行自在とされたクローラ32A,32Bと、これを支持するフレーム31とで構成されている。なお、図1では、走行装置29,29は、拡幅された位置(以下、拡幅位置と呼ぶ。)にある。
図3は実施形態に係る走行装置の拡縮機構を示す平面図であり、図4は本実施形態に係るロックピンの挿入機構を示した図で、図3のA−A断面図である。図3及び図4を用いて、下部走行体3の構成を詳述する。
図3に示すように、左右一対の走行装置29,29には、左右一対のクローラ32A,32Bと、それぞれのクローラ32A,32Bを支持する左右一対のフレーム31A、31Bとが設けられている。また、走行基台30には、前記左右一対のフレーム31A,31Bがその車幅方向間隔を拡縮自在に支持されて設けられている。
クローラ32A,32Bは、それぞれ車両前後方向に沿って設けたクローラフレーム32a,32aの前端部及び後端部に回転自在に取付けたアイドラ32b及びスプロケット32c(共に、図3には図示せず。図2参照。)の周りに履帯が回転自在に巻装されている。
また、左右一対のフレーム31A,31Bは、その前部及び後部にそれぞれ、断面角パイプ形状で、車幅方向に内側に突出し、その突出部の基端部が前記クローラフレーム32a,32aに取付けられ、かつ、その車幅方向内側の先端部が前記走行基台30に車幅方向に拡縮摺動可能に嵌合された前部拡縮摺動部材31Aa、31Ba及び後部拡縮摺動部材31Ab、31Bbを有している。
さらに、左右一対のフレーム31A,31Bの走行方向略中間部の間には、そのロッド先端部を右側フレーム31Bに、かつそのボトム室側端部を左側フレーム31Aに連結された拡縮用油圧シリンダ35が車幅方向に伸縮自在に設けられている。当然ながら、油圧シリンダ35のロッド先端部を左側フレーム31Aに、ボトム室側端部を右側フレーム31Bに連結してもよい。
左右のフレーム31A,31Bの前部の拡縮摺動部材31Aa,31Baには、ロックピン33を挿入して左右のクローラ32A,32Bを走行基台30に対し拡幅位置で位置決めする拡幅ピン孔37と、縮幅位置で位置決めする縮幅ピン孔38との2孔が設けられている。また、左右のフレーム31A,31Bの後部の拡縮摺動部材31Ab,31Bbにも、ロックピン33を挿入して左右のクローラ32A,32Bを走行基台30に対し拡幅位置で位置決めする拡幅ピン孔37と、縮幅位置で位置決めする縮幅ピン孔38との2孔が設けられている。
走行基台30には、その前部左右に前記左右フレーム31A,31Bの前側の拡縮摺動部材31Aa,31Baを、その後部左右に前記後側の拡縮摺動部材31Ab,31Bbをそれぞれ車幅方向に摺動自在に嵌挿する嵌合部が設けられている。これらの嵌合部には、フレーム31の拡縮位置でそれぞれ前記拡幅ピン孔37及び縮幅ピン孔38にその孔径と軸が合致するピン孔36が4個設けられている。即ち、図3,図4に示すように、後側左右位置の嵌合部に操作弁付ピン孔36A,36Bを、また図3に示すように前側左右位置の嵌合部にそれぞれ操作弁を有しない旋回台ピン孔36C,36Cをそれぞれ設けている。
走行基台30の後部左右位置の嵌合部で、前記左右の操作弁付ピン孔36A,36Bのロックピン33挿入方向奥(車両内側)における部位には、それぞれ左側操作弁34A及び右側操作弁34Bが配設されている。これら左右の操作弁34A,34Bは、それぞれロックピン33の挿入により作動し、かつそのロックピン33の抜けにより作動解除するカムレバーにより操作されるメカニカルな操作方式である。
また、走行基台30には、その略中央部に図示しない旋回軸受を有すると共に、その旋回中心位置に、上部旋回体4に配置した図示しない油圧源からの圧油を旋回自在に流通して下部走行体3に設けた例えば油圧シリンダ35、操作弁34及び図示しない走行用油圧モータなどへ給排する油圧スイベルジョイント(以下では、単に油圧スイベルという。)39が設けられている。
次に、図5及び図6にはそれぞれ、本実施形態に係るロックピン挿入検知装置のピン挿入時及びピン未挿入時の作動説明図を示しており、図5及び図6に基づき油圧回路の構成について説明する。
図5及び図6において、本油圧回路にはその構成要素として、下部走行体3と上部旋回体4の間に設けられた油圧スイベル39を境にして、上部旋回体4側にコントローラ22、拡縮操作スイッチ24、油圧源であるポンプ27及びタンク28、電磁比例式操作弁25A,25B、切換弁23、及び圧力センサ21等が設けられている。また、下部走行体3側には前記油圧シリンダ35、前記左右一対のカムレバー付操作弁34A,34B、及びロックピン33,33等が設けられている。
ここに、油圧シリンダ35は、左右一対のクローラ32A,32B間の距離を拡幅し又は縮幅する復動型シリンダであり、この油圧シリンダ35への圧油の給排を切り換える切換弁23は上部旋回体4側に設けられ、切換弁23の入力ポート及びドレンポートにはそれぞれポンプ27及びタンク28が接続されている。3位置切換弁である切換弁23の両パイロット操作部には、それぞれ伸長用電磁比例式操作弁25A及び縮小用電磁比例式操作弁25Bの制御ポートが接続されている。両電磁比例式操作弁25A,25Bの入力ポート及びドレンポートにはそれぞれパイロットポンプ45及びタンク28が接続されており、同操作弁25A,25Bのソレノイド操作部にはコントローラ22の指令信号が入力されている。コントローラ22からの指令信号に応じて、電磁比例式操作弁25A,25Bは切換弁23へのパイロット圧力を制御し、切換弁23の切換によって油圧シリンダ35を伸長、縮小切換え操作している。
ロックピン33は、下部走行体3のフレーム31に設けられた4個の拡幅ピン孔37又は縮幅ピン孔38に、走行基台30に設けられた4個のピン孔36A,36B,36C,36Cの位置を合わせてそこに串刺しに挿入し、左右のクローラ32A,32Bの拡幅位置又は縮幅位置をロックするため設けられている。
また、切換弁23の出力ポートA,Bは、それぞれ油圧スイベル39を経由して下部走行体3側のカムレバー付操作弁34B,34Aの入力ポートPに接続されており、同操作弁34B,34Aの出力ポートAはそれぞれ油圧シリンダ35のボトム室側ポート及びヘッド室側ポートに接続され、さらに両操作弁34B,34Aの出力ポートB同士が接続されている。
油圧スイベル39と切換弁23の出力ポートAとの間の管路には、前記油圧シリンダ35のボトム圧を検出する圧力センサ21が設けられており、圧力センサ21の検出信号はコントローラ22に入力されている。
操作弁34A,34Bは、ロックピン33の挿入により作動されてポートP,A間を遮断すると共にポートP,B間を連通し、ロックピン33の抜きのときポートP,A間を連通すると共にポートP,B間を遮断する。
図7は、本実施形態に係るロックピン挿入時の圧力センサ検出圧の変化状況を示す図である。図3〜図7を参照して、本実施形態に係る杭打ち機の車幅拡幅時の位置決め検知について詳述する。
通常、杭打ち機の杭打ち作業は、その安全上、走行装置29を拡幅している時のみに行われる。そこで、作業開始前には必ず、走行装置29が拡幅位置にあることの確認を行い、その後に作業開始している。この拡幅位置の確認としては、機械的な位置決め確認であるロックピン33の挿入検知方式を取っており、走行装置29に拡幅側の孔として設けられた拡幅ピン孔37へロックピン33が確実に挿入されているかを圧力センサ21で検出し、この検出をコントローラ22で確認している。
先ず、杭打ち作業開始前における、車幅拡幅位置(通常はロックピン挿入状態)でのロックピン挿入の検知につき詳細に説明する。車幅拡幅状態にある時のロックピン挿入の検知は、エンジン始動時毎に次のようにして行われる。
(1)図5において、オペレータは拡縮操作スイッチ24によって拡幅指示を行う。
(2)この拡幅指示を受けたコントローラ22は、拡幅指令を伸長用電磁比例式操作弁25Aに出力し、同電磁比例式操作弁25Aが前記拡幅指令値に応じたパイロット圧を切換弁23に指令し、切換弁23を伸長作動位置(図5の図示位置で、左側切換位置)に切り換える。これにより、ポンプ27から吐出された圧油は、切換弁23の出力ポートA、圧力センサ21、油圧スイベル39を経由して右側操作弁34Bの入力ポートPに流入される。
この際、ロックピン33、33が2本共それぞれ操作弁付きピン孔36B,36Aに挿入されているとすると、右側操作弁34Bの入力ポートPに流入した圧油は、左右の操作弁34A,34BのポートAが共に遮断されているので油圧シリンダ35へ流れることなく、右側操作弁34BのPポートからBポートへ流れ、続いて左側操作弁34AのBポートからPポートへ流れ、油圧スイベル39を通過して切換弁23のドレンポートTへ流通し、これがタンク28へ流れて、圧油センサ21が設けられた管路の圧力は降下する。
また、2本のロックピン33、33のうち少なくとも何れか一方が未挿入ならば、ポンプ27からの圧油は、油圧シリンダ35自身又は左側操作弁34Aでブロックされるので圧力センサ21の接続された管路は昇圧する。即ち、ロックピン33、33が2本共、又は、右側操作弁34B側のロックピン33のみが未挿入ならば、ポンプ27からの圧油は、右側操作弁34BのPポートからAポートへ流れ、油圧シリンダ35の伸長ストローク端でブロックされるので、圧力センサ21の接続された管路は昇圧する。また、左側操作弁34A側のロックピン33のみが未挿入ならば、圧油は、右側操作弁34BのPポートからBポートを経由した後、左側操作弁34AのBポートでブロックされるので、圧力センサ21の接続された管路は昇圧することになる。
なお、ロックピン33は実際には4本挿入しているが、ここでは、このうちピン挿入の検知を行っている2本についてのみ説明し、他の挿入検知しない2本のロックピン33についてはその説明を省略している。
(3)続いて、コントローラ22は、切換弁23を伸長作動位置に切換えた状態(図5の切換弁23の切換え位置)のままで、油圧シリンダ35が縮幅位置から拡幅位置に作動する時間より十分な時間が経過した後、圧力センサ21の圧力値をチェックする。そして、圧力センサ21の圧力値Pが所定の低圧値Pbよりも小さいならば、ロックピン33は2本共挿入されていると判断する(図7参照)。また、この検出した圧力値Pが所定の高圧値Paよりも大きいならば、少なくとも1本のロックピン33が未挿入であると判断する。その後、コントローラ22は拡指令OFFを伸長用電磁比例式操作弁25A及び縮小用電磁比例式操作弁25Bに出力し、これらのパイロット圧油操作により切換弁23を中立位置に切り換え、ピン挿入検知を完了する。
次に、走行装置を縮幅位置から拡幅する際のロックピンの挿入検知の実施形態について説明する。
本実施形態においては、油圧シリンダの伸長操作により走行装置を縮幅位置から拡幅位置に拡幅した時に、その拡幅位置決めの確認をするため、拡幅側孔へのロックピン挿入の検知を行っている。この際のロックピン挿入の検知は、エンジン始動中又は始動時に次のようにして行われる。
(1)図6において、オペレータは拡縮操作スイッチ24により拡幅指示をコントローラ22へ与える。
(2)コントローラ22はこの信号を受けて、拡幅指令を伸長用電磁比例式操作弁25Aに出力し、縮小用電磁比例式操作弁25BにOFF指令を出力して、これらの弁のパイロット圧油操作により切換弁23を伸長作動位置(図6の図示位置で、左側切換位置)に切換える。
(3)ポンプ27から吐出された圧油は、切換弁23のPポートからAポートへ流れ、圧力センサ21、油圧スイベル39を経由して右側操作弁34Bの入力ポートPに流入される。ここで、ロックピン33,33が2本共まだ操作弁付きピン孔36A,36Bに挿入されていないため、右側操作弁34Bは、PポートからAポートを経由して油圧シリンダ35のボトム室と、また左側操作弁34AはPポートからAポートを経由して油圧シリンダ35のヘッド室と連通している。よって、上記ポンプ27からの圧油は右側操作弁34Bを経由して油圧シリンダ35のボトム室へ流入し、油圧シリンダ35のヘッド室からの戻り油は左側操作弁34A、油圧スイベル39及び切換弁23を経由してタンク28へ戻ることにより、油圧シリンダ35は伸長する。
ここで、油圧シリンダ35の伸長の際における圧力センサ21の検出圧力の変化を、図7を参照して説明する。油圧シリンダ35は、その縮小ストローク端(走行装置29の縮幅位置)から伸長を開始するが、この際圧力センサ21の検出圧力は、零圧からその負荷抵抗により除々に上昇していく。そして、t1秒後油圧シリンダ35のピストンが伸長スローク端(走行装置29の拡幅位置)に到達すると、そのボトム圧がポンプ圧近くの昇圧値P1まで昇圧する。この時、コントローラ22は、圧力センサ21でこの昇圧値P1を読み、この値が所定値Paより大きい場合はロックピン未挿入と判断する。
(4)作業者は、走行装置29の拡幅が完了した後、操作弁付ピン孔36Bと拡幅ピン孔37に1本、及び操作弁付ピン孔36Aと拡幅ピン孔37に1本の計2本のロックピン33,33をそれぞれ挿入する。そして、ロックピン33,33により左右の操作弁34A,34Bが操作されてそれぞれ、図6の切換位置から図5の切換位置へ切換えられる。
この後、ポンプ27からの圧油は、操作弁34Bの入力ポートPに流入しているが、ロックピン33,33が2本共挿入されているため、前述のように(図5参照)、2個の右側操作弁34B、左側操作弁34Aを順に通過し、油圧スイベル39を経由して切換弁23のドレンポートTへ戻り、これにより圧力センサ21の検出圧は降圧する。また、前述と同様に、2本のロックピン33,33のうち少なくとも何れか一方が未挿入ならば、ポンプからの圧油は油圧シリンダ35又は左側操作弁34Aでブロックされるので、圧力センサ21の検出圧は降圧することなく昇圧の状態を維持している。
ここで、ロックピン33挿入の際における圧力センサ21の検出圧力の変化を、図7を参照して説明する。油圧シリンダ35が伸長して走行装置29の拡幅位置に到達した後(t2秒後)に、ロックピン33、33を挿入し、左右の操作弁34A,34Bが共に切換えられたら(図5の状態)、圧力センサ21の検出圧力は、所定時間経過した時(図示のt3秒時)に昇圧値P1から降圧値P2まで降圧する。
この時、コントローラ22は、圧力センサ21でこの降圧値P2を検出し、この検出圧が所定の低圧値Pbより小さい場合はロックピン33,33が2本共挿入されていると判断する。また、前記検出圧が所定値Paより大きいならば、ロックピン33、33のうち少なくとも1本が未だ挿入されていないと判断する。コントローラ22は、拡幅操作をした後に圧力センサ21の検出圧が所定値Paより大きい時の時間が所定時間を超えた場合には、作業者に警告ブザー、警告ランプ等で警告を発してロックピン33の挿入を促す。なお、この警告と同時に、杭打ち作業等の作業機が作動しないように作業機停止機能を設けてもよい。
なお、ロックピン33は実際には4本挿入しているが、ここでは、このうちロックピン挿入の検知を行っている2本についてのみ述べ、他の検知しない2本のロックピンについての説明は省略する。
(5)そして、コントローラ22は、ロックピン挿入完了と判断したら、拡幅指令OFFを伸長用電磁比例式操作弁25Aに出して切換弁23を中立位置に切換える。
以上述べたように、本実施形態では、左右一対のクローラ間の距離を可変とし、下部走行体に上部旋回体を搭載した杭打ち機1において、走行装置29の車幅の拡幅位置決めにロックピン33を採用し、このロックピン33の挿入操作により操作弁34を機械的に操作して、車幅変換用の油圧シリンダ35のボトム圧を監視することによってロックピン挿入を検知している。即ち、この油圧シリンダ35のボトム圧の監視は、先ずこの油圧シリンダ35が拡幅位置決め完了した時点で、この油圧シリンダ35のボトム室と切換弁23との間に設けた圧力センサ21により、油圧シリンダ35の拡幅位置決め完了時点でのボトム圧の昇圧を検知している。続いて、下部走行体3と走行基台30とにそれぞれに設けられた拡幅位置決め孔用の拡幅ピン孔37と操作弁付ピン孔36との孔中心が一致した後に、作業者はこれらの孔にロックピン33,33をそれぞれ挿入することにより、油圧シリンダ35と圧力センサ21との間に設けられた左右の操作弁34A,34Bを操作して、油圧シリンダ35のボトム圧を降圧させ、この降下圧力値を圧力センサ21で検出することで行っている。そして、圧力センサ21の降下圧力検出値が所定の低圧値Pb以下であれば、ロックピンの挿入完了と判断している。
このようにして、本実施形態のロックピン挿入検知装置では、確実な位置決め手段であるロックピン33を下部走行体3側に用いているものの、その挿入検知は上部旋回体4側に設けた圧力センサ21によって行っている。従って、従来技術のように、下部走行体3側に設けたアクチュエータの位置検出用としてリミットスイッチ等の検出スイッチなどを採用し、その電気信号をロックピン挿入検知の電気信号として上部旋回体4側のコントローラ22へ伝達するために、精密部品で構成され高価な電気信号伝達用の回転ジョイント(例えばスリップリング等)を上部旋回体4に設ける必要がない。これにより、例えば油圧スイベル39等で構成する回転ジョイントは油圧配管構成のみの極めて簡素な構成となり、安価に製作できる。
また、この回転ジョイントである油圧スイベル39は油圧配管のみで済むため、スリップリングを設ける必要がなく、故障の懸念が極めて少ない。従って、メンテナンスが楽になる。
次に、ロックピン挿入検知装置の第2実施形態について図8、図9により説明する。図8は、本実施形態に係るロックピン挿入検知装置のピン挿入時の作動説明図であり、図9は、本実施形態に係るロックピン挿入検知装置のピン抜け時の作動説明図である。本実施形態は、挿入確認後、不用意に(又は予期せず)作業者によりロックピンが抜かれた場合でもこれを検知可能とする検知装置に関する技術である。なお、図5及び図6に示した構成要素とほぼ同一機能を有する構成には同一符号を付して、以下での説明を省く。
図8は、ピン挿入完了時における油圧回路図である。ここでは、油圧シリンダ35により走行装置間距離を拡幅し、フレーム31に設けられた拡幅ピン孔37とフレーム31を支持する走行基台30に設けられた操作弁付ピン孔36との位置が一致した(図4参照)後に、作業者がこれらの孔にロックピン33を挿入してその位置決めを完了した状態を表している。
図8において、切換弁23の出力ポートA,Bは、それぞれ油圧スイベル39を経由して、下部走行体3側のカムレバー付操作弁34の入力ポートP、及び油圧シリンダ35のヘッド室側ポートに接続されている。前記操作弁34の出力ポートAは油圧シリンダ35のボトム室側ポートに接続され、同出力ポートBは可変絞り43及びチェック弁44を介して前記油圧シリンダ35のヘッド室側ポートに接続された管路に接続されている。また前記操作弁34の出力ポートAと油圧シリンダ35のボトム室側ポートとを接続する管路にアキュムレータ35が接続されている。
前記操作弁34は、ロックピン33の挿入又は抜き動作により操作される2位置切換え弁であり、ロックピン33の挿入により入力ポートPと出力ポートA間を遮断すると共に入力ポートPと出力ポートB間を連通し、またロックピン33の抜きにより入力ポートPと出力ポートA間を連通すると共に入力ポートPと出力ポートB間を遮断する。
次に、上記構成による作動を説明する。
ロックピン33を抜いた状態で、オペレータが拡縮操作スイッチ24によって拡幅指令をコントローラ22に与えると、コントローラ22は電磁比例式操作弁25Aに拡幅指令を出力して切換弁23を拡幅位置(図示の左側位置)に切換える。これにより、ポンプ27から吐出された圧油は切換弁23の出力ポートAから油圧スイベル39及び操作弁34の出力ポートAを経由して油圧シリンダ35のボトム室に流入し、油圧シリンダ35のヘッド室からの戻り油は油圧スイベル39及び切換弁23のドレンポートTからタンク28にドレンされる。このとき、アキュムレータ26にも圧油が流入し、所定圧以上の高圧が蓄積される。
油圧シリンダ35が拡幅位置まで伸長したら、オペレータは拡縮操作スイッチ24をオフし、コントローラ22は伸長用電磁比例式操作弁25Aと縮小用電磁比例式操作弁25BとにOFF指令を出力して、切換弁23を中立位置に切り換える。これにより、切換弁23の入力ポートPと出力ポートAは遮断され、ポートBとドレンポートTとは連通する。この後、オペレータがロックピン33を操作弁付きピン孔36に挿入すると、操作弁34はロックピン挿入位置に切り換わり、圧油が操作弁34の出力ポートBから可変絞り43、チェック弁44、油圧スイベル39及び切換弁23のドレンポートTを経由してタンク28にドレンされる。なお、アキュムレータ26の蓄圧効果によって、油圧シリンダ35は伸長状態が保持される。これにより、操作弁34の入力ポートPに接続された管路の圧力は降下し、圧力センサ21は図7に示す所定の低圧値Pbよりも低い圧力値を検出することになる。そしてコントローラ22は、この圧力センサ21の検出圧力値の降下に基づき、ロックピン挿入が完了したと判断している。
次に、ロックピン抜け検知の作動について、図9を参照して詳述する。
ロックピン挿入状態では、すでに拡幅時のロックピン挿入検知が完了している。即ち前述のように、圧力センサ21が接続された管路は操作弁34の出力ポートBから可変絞り43、チェック弁44、油圧スイベル39及び切換弁23のドレンポートTを介してタンク28に連通されているので、この部分の圧力は降下し、よってコントローラ22は、圧力センサ21の検出圧力値が所定の低圧値Pbよりも低下したことにより、ロックピン33が挿入されていると判断している。
そこで、作業時には車幅拡幅は必須であり、その時の位置決めとしてのロックピン33を意図して抜くことはあり得ないとは考えられるが、たとえ予期せずこれが抜かれてしまった場合でも、本実施形態によれば、以下のようにして容易にロックピン33の抜け検知が行える。
ロックピン33が抜かれると、図9に示すように、操作弁34は、そのスプリング復元力により切り(ピン未挿入)の状態となり、タンク28へ連通していたBポートはブロックされ、ポートPがポートAに連通される。そして、アキュムレータ26の保持圧は、操作弁34、油圧スイベル39を経由して、圧力センサ21の管路に伝達される。この際、切換弁23は中立位置にあり、そのポートAがブロックされているので、圧力センサ21の管路はアキュムレータ26の保持圧まで昇圧する。
そして、コントローラ22は、圧力センサ21の検出圧力値の信号を受けて、その圧力値Pが所定圧Paよりも大きくなったとき(図7参照)、ロックピン33が無い(つまり、抜けた)と判断する。さらにコントローラ22は、ロックピン33抜けの表示をしたり、警報を出力して、作業者に注意を喚起するのみならず、強制的に機械動作を中断させるなどのインタロックをとることもできる。
なお、本実施形態において、上記のロックピン33の抜き検知後に、再びこれを挿入した場合のピン挿入検知について、説明する。
ロックピン33を再挿入すると、図8に示すように、これにより操作弁34は入り状態(ロック位置)に切換わり、アキュムレータ26に接続されているポートAはブロックされ、ポートPがポートBに連通される。よって、圧力センサ21の管路は、順に、油圧スイベル39、操作弁34、可変絞り43、チェック弁44、油圧スイベル39、切換弁23を経由してタンク28へ連通されることになり、圧力センサ21の検出圧は降圧される。そして、コントローラ22は、圧力センサ21の検出圧力値Pが所定の低圧値Pbよりも小さいと判断し(図7参照)、ロックピン33が再挿入されたと判断する。
本実施形態によれば、ロックピン33の挿入直後、不幸にもロックピン33が抜かれてしまったような場合においても、走行装置間距離を拡幅する油圧シリンダ35と操作弁34との間の管路にアキュムレータ26が設けられているので、ロックピン抜けにより操作弁34が操作されて、アキュムレータ26と圧力センサ21の管路が連通される。そして、前記アキュムレータ26の蓄圧力により圧力センサ21に接続している管路が昇圧し、従ってコントローラ22によりピン抜けを容易に検出でき、警告を発することが可能となる。
このようにして、ロックピン33の挿入動作により操作させる操作弁34と、走行装置間距離を拡幅する油圧シリンダ35との間の管路にアキュムレータ26を設けるのみの簡易な構成で、ロックピン挿入後に不用意な(予期しない)ロックピン抜けがあっても、これを直ちに圧力センサ21で検知できると言った絶大な効果を奏する。
なお、図5及び図6で示した油圧回路においても、操作弁34Bの出力ポートAと油圧シリンダ35のボトム室側ポートとを接続する管路にアキュムレータを設けてもよく、このアキュムレータの作用によって上記同様に、ロックピン挿入後に不用意なロックピン抜けがあっても、これを直ちに圧力センサ21で検知できる。
なお、以上の実施形態においては、車幅を拡幅・縮幅する油圧シリンダを1本用いた例で示したが、油圧シリンダの本数はこれに限定されず複数本用いても何ら差し支えない。
また、ロックピン挿入により操作される操作弁は、本実施形態に記載の個数に拘ることなく、必要に応じてその個数を適宜増減して良いのは勿論である。
また、ロックピンを挿入するピン孔で、拡幅位置及び縮幅位置に対応する2個のピン孔を設けるのは、走行装置及び走行基台のいずれか一方で構わない。
さらにまた、縮幅位置でのロックピンによる位置決めが不要な場合には縮幅ピン孔は無くてもよい。
本発明に係るロックピン挿入検知装置は、クローラ幅可変とした下部走行体を有するクレーン、油圧ショベル、林業機械等に適用できる。
本発明の実施形態に係る杭打ち機の全体図を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る杭打ち機の全体図を示す側面図である。 実施形態に係る走行装置の拡縮機構を示す概略図である。 実施形態に係るロックピンの挿入部分を示した図である。 実施形態に係るピン挿入時の作動説明図である。 実施形態に係るピン未挿入時の作動説明図である。 実施形態に係る圧力センサ検出圧の変化状況を示す図である。 他の実施形態に係るピン挿入時の作動説明図である。 他の実施形態に係るピン抜け時の作動説明図である。 従来技術に係る車幅拡縮機構を有するクローラ車両の回路図である。
符号の説明
1…杭打ち機(クローラ車両)、2…杭打ち機本体、3…下部走行体、4…上部旋回体、5…杭打ち装置、21…圧力センサ、22…コントローラ、23…切換弁、24…拡縮操作スイッチ、25…電磁比例式操作弁(電磁操作パイロット圧力制御弁)、25A…伸長用電磁比例式操作弁、25B…縮小用電磁比例式操作弁、26…アキュムレータ、27…ポンプ、28…タンク、29…走行装置、30…走行基台、31…フレーム、31A…左側フレーム、31Aa,31Ab…拡縮摺動部材、31B…右側フレーム、31Ba,31Bb…拡縮摺動部材、32A,32B…クローラ、33…ロックピン、34…操作弁、34A…左側操作弁、34B…右側操作弁、35…油圧シリンダ、36…操作弁付ピン孔、36A…操作弁付ピン孔、36B…操作弁付ピン孔、36C…旋回台ピン孔、37…拡幅ピン孔、38…縮幅ピン孔、39…油圧スイベル、40…上部旋回台、41…運転室、50…杭、51…リーダ、52…ヘッド、73…トラックフレーム、75,76…連結リンク、80…油圧シリンダ、80a,80b…スイッチ、81…ロッド、82…ピンプラー用油圧シリンダ、82a,82b…スイッチ、83…固定ピン、85…コントローラ、86…電磁比例式切換弁、87…電磁弁、88…切換弁。

Claims (2)

  1. 左右一対の走行装置(29,29)間の距離を可変とされた下部走行体(3)に上部旋回体(4)を搭載したクローラ車両において、
    前記左右一対の走行装置(29,29)間の距離を拡幅し又は縮幅する油圧シリンダ(35)と、
    前記下部走行体(3)の前記走行装置(29,29)及び該走行装置(29,29)を支持する走行基台(30)のいずれか一方に設けられたピン孔(36)及びいずれか他方に設けられた拡幅ピン孔(37)に挿入して、前記走行装置(29,29)の拡幅位置をロックするロックピン(33)と、
    前記上部旋回体(4)に設けられ、前記油圧シリンダ(35)の圧油の給排を切換える切換弁(23)と、
    前記上部旋回体(4)の旋回中心位置に設けられ、前記切換弁(23)から前記油圧シリンダ(35)に圧油を給排する管路を回転自在に設けた油圧スイベルジョイント(39)と、
    前記油圧スイベルジョイント(39)と前記油圧シリンダ(35)との間の管路に設けられ、前記ピン孔(36)へのロックピン(33)の挿入によって作動したとき、前記油圧シリンダ(35)側の管路を遮断すると共に、前記油圧シリンダ(35)の伸長時そのボトム室に連通する入力側の管路をタンク(28)へ連通させる操作弁(34)と、
    前記油圧スイベルジョイント(39)及び前記切換弁(23)の間で、かつ前記油圧シリンダ(35)の伸長時そのボトム室に連通する管路に設けられた圧力センサ(21)と
    を備えたことを特徴とするロックピン挿入検知装置。
  2. 請求項1記載のロックピン挿入検知装置において、
    前記操作弁(34)と前記油圧シリンダ(35)との間で、かつ該油圧シリンダ(35)のボトム室に接続された管路に、アキュムレータ(26)を備えた
    ことを特徴とするロックピン挿入検知装置。
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