JP4250022B2 - 露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置に関し、特に、画像データに応じて空間光変調素子により変調された光ビームを、光ビーム毎に集光して感光材料を露光する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等の空間光変調素子を利用して、画像データに応じて変調された光ビームで画像露光を行う露光装置が種々提案されている。DMDは、制御信号に応じて反射面の角度が変化する多数のマイクロミラーが、シリコン等の半導体基板上に2次元状に配列されたミラーデバイスである。
【0003】
DMDを用いた露光装置は、例えば、図7に示すように、レーザ光を照射する光源1、光源1から照射されたレーザ光をコリメートするレンズ系2、レンズ系2の略焦点位置に配置されたDMD3、DMD3で反射されたレーザ光を走査面5上に結像するレンズ系4、6から構成されている。この露光装置では、画像データ等に応じて生成した制御信号によって、DMD3のマイクロミラーの各々を図示しない制御装置でオンオフ制御してレーザ光を変調し、変調されたレーザ光で画像露光を行っている。
【0004】
また、プロジェクター等に用いられるDMDは、ランプ等の照明手段からの光を吸収して発熱するので、DMDを安定に動作させるために、通常、DMDを冷却する冷却手段が設けられる(非特許文献1)。
【0005】
【非特許文献1】
Larry J. Hornbeck、「高輝度・高分解能用途向けデジタル光プロセス」、Electronic Imaging, EI"97 Projection Displays III、An Invited Paper、1997年2月10〜12日 第12頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DMDからの反射光の各々を、マイクロレンズアレイ(MLA)の対応するレンズで集光し、アパーチャを通して結像する共焦点光学系を備えた露光装置では、組立て時に光軸調整を行っても、駆動時にDMDが熱膨張してDMDと光軸との間で位置ずれが生じる。その際、DMDの各画素の位置がずれることにより、消光比が低下し、MLAの各レンズにより結像されたビームスポットの輪郭が不鮮明になってしまう、という問題があった。従って、このような露光装置では、DMDの各画素部からのビームとこの画素部に対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれを抑制しなければ、良好な露光画像を得ることができない。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するために成されたものであり、本発明の目的は、空間光変調素子の像を結像面に正確に投影することができる露光装置を提供することにある。特に、線密度(L/S)が1μm〜20μmの高精細露光を行う場合において、良好な露光画像を得ることができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の露光装置は、照明用の光ビームを出射する光源と、各々制御信号に応じて光変調状態が変化する複数の画素部が2次元的に配列され、前記光源から前記複数の画素部に入射した光ビームを、前記画素部毎に変調する空間光変調素子と、前記複数の画素部に対応するピッチで複数のマイクロレンズが2次元的に配列され、前記画素部により変調された光ビームを、前記マイクロレンズ毎に集光するマイクロレンズアレイと、前記マイクロレンズアレイ及び前記空間光変調素子の温度を、前記画素部と対応する前記マイクロレンズとの相対的な位置ずれが所定量以下となるように予め設定された設定温度に各々独立に調節する温度調節手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の露光装置では、光源から空間光変調素子に入射した光ビームは、空間光変調素子の画素部毎に変調され、画素部により変調された光ビームは、マイクロレンズアレイのマイクロレンズ毎に集光される。空間光変調素子が光源によって照明されると、熱膨張して光軸ずれを生じてしまう。また、空間光変調素子を照射する光ビームの出力が変動することによっても、空間光変調素子の光吸収量が変化し、光軸ずれを生じてしまう。そこで、温度調節手段を用いて、マイクロレンズアレイ及び空間光変調素子の温度を、画素部からのビームとこの画素部に対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれが所定量以下となるように予め設定された設定温度に各々独立に調節する。
【0010】
マイクロレンズアレイ及び空間光変調素子の温度を、画素部からのビームとこの画素部に対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれが所定量以下となるように予め設定された設定温度に調節することで、空間光変調素子の像を結像面に正確に投影することができる。これにより、消光比が向上し、MLAの各レンズにより結像されたビームスポットの輪郭が鮮明になる。
【0011】
通常、空間光変調素子はマイクロレンズアレイに比べて熱膨張率が大きく、空間光変調素子だけを温調する場合には温調の設定温度が高くなるが、空間光変調素子に加えてマイクロレンズアレイを温調することで、マイクロレンズアレイ及び空間光変調素子の温調温度を環境温度付近の温度にすることができ、設定温度への調節が容易になる。すなわち、高い精度で温調を行うことができる。
【0012】
上記の露光装置において、温度調節手段は、マイクロレンズアレイ及び空間光変調素子の温度を各々設定温度±0.1℃の精度で調節することが好ましい。マイクロレンズアレイ及び空間光変調素子を、設定温度±0.1℃の精度で温調することで、空間光変調素子の画素部からのビームとこの画素部に対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれを2%以下に維持することができる。
【0013】
また、空間光変調素子の設定温度を、環境温度±5℃とすることがより好ましい。空間光変調素子の温調温度を環境温度付近の温度にすることで、空間光変調素子の面内での温度むらが小さくなり、より高い精度で温調を行うことができる。
【0014】
更に、マイクロレンズアレイの光入射側に、空間光変調素子の各画素部により変調された光ビームをマイクロレンズアレイに結像する倍率を調整する倍率調整光学系を更に設けることができる。倍率調整光学系により、空間光変調素子の像をマイクロレンズアレイに結像する倍率を調整することで、画素部からのビームとこの画素部に対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれを低減することができる。ひいては、空間光変調素子の設定温度を環境温度により近付けることができ、空間光変調素子の面内での温度むらの発生を抑制して、空間光変調素子を更に高い精度で温調することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
(露光装置の概略構成)
第1の実施の形態に係る露光装置は、図1に示すように、入射された光ビームを画像データに応じて画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。DMD50の裏面には、温度調節手段としてのペルチェ素子92が取り付けられており、ペルチェ素子92には放熱用のヒートシンク52が設けられている。
【0016】
DMD50の光入射側には、DMD50を照明する光源66、光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD50上に集光させるレンズ系67が配置されている。一方、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたDMD像を拡大する拡大レンズ系72,74が配置されている。
【0017】
拡大レンズ系72、74でDMD像が結像される位置には、マイクロレンズがDMDの各画素に対応して設けられたマイクロレンズアレイ76が配置されている。マイクロレンズアレイ76は、透明なペルチェ素子78が取り付けられており、このペルチェ素子78には光路を避ける様に放熱用のヒートシンク54が設けられている。そして、マイクロレンズアレイ76の光出射側には、レンズ系80,82が、DMD50と露光面56とが共役な関係となるように配置されている。
【0018】
ペルチェ素子78及びペルチェ素子92の各々は、温度コントローラ10に接続されている。DMD50及びマイクロレンズアレイ76には、その温度を検出する図示しない温度センサが設けられており、これら温度センサは温度コントローラ10に接続されている。また、DMD50は、図示しないコントローラに接続されている。
【0019】
この露光装置では、図示しないコントローラに画像データが入力されると、コントローラは入力された画像データに基づいてDMD50の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成し、生成した制御信号に基づいてDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。
【0020】
光源66からレンズ系67を介してDMD50に照射された照明光は、各マイクロミラーの反射面の角度に応じて所定方向に反射されて変調され、変調された光が拡大レンズ系72,74により拡大される。これにより、DMD50の露光面56上での画素スポットのサイズが拡大されると共に、画素スポットのピッチが拡大される。
【0021】
拡大レンズ系72,74により拡大された光は、マイクロレンズアレイ76に設けられたマイクロレンズの各々に入射し、拡大されたDMD像が再び縮小される。このとき、全光束がマイクロレンズアレイ76へ入射するため、光利用効率が低下しない。マイクロレンズアレイ76で集光された光は、レンズ系80,82に入射し、レンズ系80,82により、露光面56にDMD50の像が結像される。
【0022】
また、温度コントローラ10は、図示しない温度センサの出力に基づいて、DMD50及びマイクロレンズアレイ76が予め設定された温度に維持されるようにペルチェ素子78及びペルチェ素子92の各々を独立に制御する。なお、温調方法については後述する。
【0023】
(デジタル・マイクロミラー・デバイス)
DMD50は、図2(A)及び(B)示すように、DMDチップ84、DMDチップ84が取り付けられる矩形状のセラミック基板86、DMDチップ84上に配置されるアパーチャ88、及びDMDチップ84とアパーチャ88とを密封するように基板86と接着された保護用のウインドウ90で構成されている。
【0024】
DMD50では、光源からの照明光がアパーチャ88を介してDMDチップ84の所定領域に照射されると、DMDチップ84からの反射光がアパーチャ88及びウインドウ90を通過して外部に出射される。また、駆動時には、熱膨張を抑制するために、DMDチップ84はペルチェ素子92よって所定温度(例えば、25℃)に温調される。
【0025】
DMDチップ84は、図3に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、768行×1024列)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
【0026】
SRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMDチップ84が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図4(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図4(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMDチップ84の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを制御することによって、DMDチップ84に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。なお、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
【0027】
(DMD及びマイクロレンズアレイの温調)
DMD50及びマイクロレンズアレイ76の温調温度は、DMD50の基板材料及びマイクロレンズアレイ76の材料を考慮して、DMD50の各画素部により変調された光ビームと対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれ(以下、「画素ピッチずれ」という。)が2%以下となるように、予め設定されている。画素ピッチずれを2%以下とすることで、DMD50の像を結像面に正確に投影することができる。これにより、消光比が向上し、マイクロレンズアレイ76の各レンズにより結像されたビームスポットの輪郭が鮮明になる。より具体的には、消光比が40:1以上得られ、鮮明なビームが得られるので、DFR(ドライ・フィルム・レジスト)、液体レジスト、カラーフィルタ用レジスト等に露光する際において、L/S=10〜20μmにおいてきれの良い露光画像を得ることができる。
【0028】
設定温度は、環境温度±5℃とすることが好ましい。環境温度近傍で温調を行うことで温調が容易になり、より高い精度で温調を行うことができる。ここで、環境温度とは、露光装置が設置される環境下の温度であり、通常、25℃又は20℃に設定される。なお、露光に使用されないDMD50からのオフ光は、露光装置から離れた空間で放熱するので考慮する必要はない。また、温調精度は、設定温度±0.1℃とすることが好ましい。環境温度は±1〜2℃の範囲で変化するが、環境温度が変化する場合でも温調精度が±0.1℃の範囲で維持されることが好ましい。温調精度を設定温度±0.1℃とすることで、画素ピッチずれを2%以下に維持することができる。DMD50及びマイクロレンズアレイ76の温調温度を環境温度に極力近づけることで、温調精度を±0.1℃の範囲で維持することができる。
【0029】
例えば、シリコン(Si)基板を備えたDMD50と、石英ガラス製のマイクロレンズアレイ76とを用いる場合を考える。Si基板の熱膨張係数は30×10-7/℃であり、石英ガラスの熱膨張係数は5×10-7/℃である。ここで、DMD50の1画素の1辺の長さdDMDを14μm、拡大レンズ系72,74の拡大倍率を3倍、マイクロレンズアレイ76の各マイクロレンズの1辺の長さdMLAを42μmとすると、DMD50の1℃当りの温度変化によるマイクロレンズアレイ76上での画素ピッチ変化ΔdDMDは0.13μm(14×103×3×30×10-7)であり、マイクロレンズアレイ76の1℃当りの温度変化による画素ピッチ変化ΔdMLAは0.021μm(42×103×5×10-7)である。なお、1画素の1辺の長さが「画素ピッチ」である。
【0030】
上述した通り、DMD50は0.13μm/℃でマイクロレンズアレイ76上での画素ピッチが変化する。DMD50がレーザ光を照射されて熱膨張することで発生する画素ピッチずれは、下記式で表される。
【0031】
画素ピッチずれ(%)=100|ΔdMLA+ΔdDMD|/dMLA
温調制御を全く行わない場合には、画素ピッチずれは5%程度、この系でのずれ量に換算すると2μm程度である。一方、マイクロレンズアレイ76の各レンズにより輪郭の鮮明なビームスポットを結像するためには、許容される画素ピッチずれは2%以内、ずれ量に換算すると1μm以内である。ここで、DMD50だけを温調して画素ピッチずれを2%以内に制御する場合には、DMD50について最大7.7℃もの温度変化が必要となる。
【0032】
1μm/(0.13μm/℃)=7.7℃
そこで、マイクロレンズアレイ76をDMD50とは独立に温調する。ここでは、DMD50のマイクロレンズアレイ76上での画素ピッチが、熱膨張によって、マイクロレンズアレイ76の各マイクロレンズの1辺の長さdMLAよりも2μm(長さdMLAの5%に対応する)大きくなる場合について具体的に検討する。環境温度25℃のとき、例えば、マイクロレンズアレイ76を環境温度より17℃高い42℃に温調し、DMD50を環境温度より5℃低い20℃に温調する。このとき、図5に示すように、マイクロレンズアレイ76の画素ピッチ変化は+0.35μm(0.021×17)であり、DMD50の画素ピッチ変化は−0.65μm(−0.13×5)である。この場合、画素ピッチのずれ量は1μm以内に改善される。特に、レーザ光が照射されて精密温調が困難なDMD50の温度は、環境温度の25℃により近付くので、設定温度±0.1℃での精密温調が可能になる。
【0033】
以上説明した通り、本実施の形態に係る露光装置は、マイクロレンズアレイ及びDMDの温度を、DMDの画素部により変調された光ビームとこれに対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれ(画素ピッチずれ)が2%以下となるように予め設定された設定温度に調節することで、DMDの像を結像面に正確に投影することができる。これにより、消光比が向上し、マイクロレンズアレイの各レンズにより結像されたビームスポットの輪郭が鮮明になる。
【0034】
また、DMDに加えてマイクロレンズアレイを温調することで、熱膨張率の大きなDMDの温調温度を環境温度付近の温度にすることができ、DMD面内での温度むらが小さくなり、高い精度で温調を行うことができる。
【0035】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る露光装置は、図6に示すように、拡大レンズ72,74とマイクロレンズアレイ76との間に、マイクロレンズアレイ76への結像倍率を調整する倍率調整レンズ84を配置し、マイクロレンズアレイ76を倍率調整レンズ84によりDMD像が結像される位置に配置した以外は、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0036】
この露光装置では、拡大レンズ系72,74により拡大された光は、倍率調整レンズ84により結像倍率が微調整され、倍率が調整された光がマイクロレンズアレイ76に設けられたマイクロレンズの各々に入射し、拡大されたDMD像が再び縮小される。マイクロレンズアレイ76で集光された光は、レンズ系80,82に入射し、レンズ系80,82により、露光面56にDMD50の像が結像される。
【0037】
DMD50の画素とマイクロレンズアレイ76の各マイクロレンズとは1対1に対応する必要があり、拡大レンズ系72,74の倍率は両者の画素ピッチが一致するように設計される。しかし、レンズの倍率は、レンズの曲率や面間隔、屈折率ばらつき等により1〜2%の誤差を有する。そこで、拡大レンズ系72,74に加えて倍率調整レンズ84を配置することで、拡大レンズ系72,74と倍率調整レンズ84との間隔を調整することができ、レンズ倍率による誤差を補正して、レンズ倍率を設計値通りに調整することができる。
【0038】
このように結像倍率を微調整することができるので、DMD50の各画素の像の倍率を精度良く調整することができ、画素ピッチずれを低減することができる。従って、DMD50及びマイクロレンズアレイ76の温調温度を、環境温度により近付けることができ、より精密な温調が可能になる。
【0039】
例えば、シリコン(Si)基板を備えたDMD50と、石英ガラス製のマイクロレンズアレイ76とを用いた上記の例では、倍率調製レンズ84によって、画素ピッチずれを0.2%以内に調整することができる。従って、倍率調製レンズ84によって補正しきれない画素ピッチのずれ量は、約0.1μm(42μm×0.002)である。この場合は、温度変化の小さいマイクロレンズアレイ76の温度を微調整することで、高精度に画素ピッチずれを補正することができる。
【0040】
環境温度が25℃の場合には、例えば、マイクロレンズアレイ76を環境温度より5℃高い30℃に温調し、DMD50を環境温度である25℃に温調する。また、環境温度が20℃の場合には、例えば、マイクロレンズアレイ76を環境温度より5℃高い25℃に温調し、DMD50を環境温度である20℃に温調する。この方法により、画素ピッチのずれ量は0.01μm以内に改善される。即ち、倍率調製レンズ84によって画素ピッチのずれ量が小さくなったので、DMD50の設定温度を環境温度とすることができ、設定温度±0.01℃での超精密温調が可能になる。また、同時にマイクロレンズアレイ76を設定温度±0.1℃で精密温調することにより、画素ピッチのずれ量を0.01μm以内とすることができる。
【0041】
以上説明した通り、本実施の形態に係る露光装置は、倍率調整レンズで結像倍率を精度良く調整することができるので、マイクロレンズアレイ及びDMDの温度を、DMDの画素部により変調された光ビームと対応するマイクロレンズとの相対的な位置ずれが0.2%以下となるように温調すればよい。このように、マイクロレンズアレイ及びDMDの温度を予め設定された設定温度に調節することで、DMDの像を結像面に正確に投影することができる。これにより、消光比が向上し、マイクロレンズアレイの各レンズにより結像されたビームスポットの輪郭が鮮明になる。特に、L/S=1μm、位置分解能0.1μmのような超高精細露光を行う場合においては、ビームスポットの輪郭が鮮明にでき、消光比(コントラスト)も大幅に向上できるので、非常にきれのよい超高精細の露光画像を得ることができる。
【0042】
また、倍率調整レンズで画素ピッチずれを低減することができるので、DMDの温調温度を環境温度に近付けることができ、DMD面内での温度むらが一層小さくなり、設定温度±0.01℃という、より高い精度で温調を行うこともできる。
【0043】
上記第1及び第2の実施の形態では、空間光変調素子としてDMDを用いる例について説明したが、例えば、GLV(Grating Light Valve;グレーティングライトバルブ)等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Spacial Light Modulator)や、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)や液晶光シャッタ(FLC)等、MEMSタイプ以外の空間光変調素子を用いてもよい。
【0044】
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基盤としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、そして制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。
【0045】
【発明の効果】
本発明の露光装置によれば、空間光変調素子の像を結像面に正確に投影することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る露光装置の構成を示す光軸に沿った断面図である。
【図2】(A)はデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す分解斜視図であり、(B)は組立て後の斜視図である。
【図3】DMDの構成を示す部分拡大図である。
【図4】(A)及び(B)はDMDの動作を説明するための説明図である。
【図5】DMDの画素ピッチ変化とマイクロレンズアレイの画素ピッチ変化とを説明する説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係る露光装置の構成を示す光軸に沿った断面図である。
【図7】従来の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った側面図である。
【符号の説明】
10 温度コントローラ
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 ヒートシンク
54 ヒートシンク
56 露光面
72,74 拡大レンズ系
76 マイクロレンズアレイ
78 ペルチェ素子
80,82 レンズ系
78,92 ペルチェ素子
84 倍率調整レンズ

Claims (4)

  1. 照明用の光ビームを出射する光源と、
    各々制御信号に応じて光変調状態が変化する複数の画素部が2次元的に配列され、前記光源から前記複数の画素部に入射した光ビームを、前記画素部毎に変調する空間光変調素子と、
    前記複数の画素部に対応するピッチで複数のマイクロレンズが2次元的に配列され、前記画素部により変調された光ビームを、前記マイクロレンズ毎に集光するマイクロレンズアレイと、
    前記マイクロレンズアレイ及び前記空間光変調素子の温度を、前記画素部からのビームと前記画素部に対応する前記マイクロレンズとの相対的な位置ずれが所定量以下となるように予め設定された設定温度に各々独立に調節する温度調節手段と、
    を備えた露光装置。
  2. 前記温度調節手段は、前記マイクロレンズアレイ及び前記空間光変調素子の温度を各々設定温度±0.1℃の精度で調節する請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記空間光変調素子の前記設定温度を、環境温度±5℃とする請求項1又は2に記載の露光装置。
  4. 前記マイクロレンズアレイの光入射側に、前記空間光変調素子の各画素部により変調された光ビームを前記マイクロレンズアレイに結像する倍率を調整する倍率調整光学系を更に設けた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の露光装置。
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