JP4249954B2 - 結晶組織を解析する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば材料の結晶組織に影響される材料特性に関する情報を提供するために使用される、材料の結晶組織を解析する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広範な材料が結晶構造を有し、これらには、鉱物、セラミック、半導体、超伝導体、金属、及び、合金が含まれる。これらの材料の大部分は、しばしば個別に「結晶粒」と呼ばれるいくつかの成分結晶で構成されている多結晶である。
多結晶試料における結晶の固定座標に対する結晶方位が不規則であることはほとんどない。結晶に何らかの好ましい方位がある場合、その材料は「組織」を呈するといわれる。結晶平面及び方向は、通常、ミラー指数を使用して表され、{hkl}は、結晶平面に対する法線によって結晶平面を表し、<uvw>は、これらの{hkl}面内の結晶方向を表す。従って、試料の組織は、これらの結晶平面及び方向を試料に対する対応する物理的方向と関係づけることにより表現することができる。
【0003】
従来、平面又は薄膜試料の結晶組織は、{hkl}<uvw>として表される。これらの平面及び方向は、試料の2つの対応する直交方向に平行である。一般的に、これは、{hkl}が「垂直方向」(ND)として知られる試料の平面法線に平行な結晶平面法線を表し、<uvw>が試料内の「縦方向」又は「圧延方向」(RD)に平行な、これらの平面内の結晶方向を表すように配置される。従って、試料は、RDが試料平面内にあり、NDがRDに垂直であって試料表面に垂直であるように準備される。
結晶組織は、いくつかの材料特性が結晶方位に左右されるため、材料科学において重要である。例えば、珪素鋼は、その<100>結晶方向に沿って高透磁率の方向を有し、この事実は、変圧器鉄心の製造に用いられている。
【0004】
従来的に、多結晶材料の組織の表現は、極点図(PF)又はオイラー角法を使用して行われてきた。
極点図は、試料の座標系のような外部座標系に対してそれぞれの結晶がどのように配向されているかを示す散乱図とみなすことができる。結晶構造に対する識別の方向が選択され、この方向は、試料の各結晶に対してステレオ投影上の点としてプロットされる(そして、この方向と周囲の球面との交差点を示す)。
従って、極点図は、結晶方位が測定及びプロットされる全ての結晶粒に対して、識別の結晶方向の統計的分布を表す。極点図は、結晶粒毎の測定、又は、X線を使用する多結晶回折により集合的に得ることができる。
【0005】
極点図の使用に関連するいくつかの問題が存在する。その1つは、極点図の外観は、その結晶対称性のために、プロットされた識別の結晶方向に依存するということである。極点図を解釈するには、特に識別の組織でさえも極点図にプロットされた結晶方向によって異なる外観を有することになるので、結晶学におけるかなりの専門知識及び経験が必要とされる。
更なる問題は、極点図内の点の多くが実際には結晶対称性により関係づけられており、これが結晶対称性の検討もまた必要にするために極点図の解釈を難しくするということである。
【0006】
試料内に1つよりも多い組織がある時、これらの組織は、極点図において重ね合わせられ、これは、それらの個々の識別を厄介なものにする。単純な結晶系におけるいくつかの一般的な組織は、専門家により認識可能な場合があるが、{hkl}及び/又は<uvw>の大きな指数値を有する組織のようなより複雑な組織を示す極点図、又は、それほど一般的でない結晶系に関する極点図は、解釈するのが遥かに困難である。
【0007】
極点図に代わるものは、各結晶を試料における識別の方位と一線に並ぶ状態にするために必要と思われる各結晶の回転を考慮するオイラーの方法を使用することである。試料に対する結晶方位は、結晶に固定の選択された直交軸の周りの3回の連続する回転(オイラー角)により表すことができる。
これらの角度は、直交軸の周りの3回の回転として表され、試料の結晶方位の個々の測定値の各々は、結果的に得られる3次元「オイラー角」空間に位置する点としてプロットされる。この方法を使用すれば、組織の存在が空間内の点の集団により示されることになる。空間は3次元なので、これは、通常、軸の1つに沿って切断された一連のスライスで表示される。
極点図の方法と同じように、結晶対称性のために、特に複数の又は複雑な組織や一般的でない結晶系については、オイラー・プロットの解釈を心に描いて理解するのは極めて困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、結晶組織情報がより容易に得られ、公知の方法でしばしば必要とされる高度の技量及び経験がなくても解釈することができるように、結晶組織解析を単純化する必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によって、
各結晶について、各結晶の結晶構造に固定の共通の座標系に対して、試料における第1の方向の方位を判断する段階と、
前記座標系に対する前記第1の方向と類似の方位を共有するいくつかの結晶を選択する段階と、
各選択された結晶について、前記座標系に対して前記試料の第2の方向の方位を判断する段階と、
前記座標系に対する前記第2の方向と類似の方位を共有するいくつかの結晶を選択する段階と、
前記試料内の前記第1及び第2方向に対する前記選択された結晶の方位に対応する結晶組織を判断する及び/又は表現する段階と、
を含むことを特徴とする、多結晶材料の試料における結晶の方位を形成するデータから結晶組織を解析する方法を提供する。
【0010】
本発明の1つの利点は、結晶組織がより容易に解釈されるような方法で結晶組織を判断する及び/又は表現することができる方法が提供されることである。これは、試料ではなく結晶構造に固定された座標系の使用、及び、試料における結晶に対する第1及び第2方向の方位の判断により可能になる。従って、試料に対して共通の方位を共有する結晶が選択され、それに応じて、組織は表現される及び/又は判断されるであろう。
【0011】
本方法はまた、結晶構造に対する結晶の方位を判断する段階の自動化と、もちろん段階の選択とを可能にする。これは、適切にプログラムされたコンピュータで実行することができる。
第1及び第2の方向は直交しており、それにより、これらの方向が結晶組織を説明するのに慣例的に使用される方向と関連付けられることが好ましい。
結晶組織の解析は、計算により行うことができるであろうが、座標系に対する第1及び/又は第2の方向の方位は、逆極点図(IPF)としてシステムのユーザに表示されることが好ましい。一般的に、第1方向及び第2方向には、別々のIPFが使用される。極点図の方法と違って表示される情報が識別の結晶方向の事前の選択によらないという点で、共通座標系の使用は、ユーザに呈示する目的に対して便利である。しかし、第1及び第2の方向は、試料の方位を形成するように選択される。一般的に、第1又は第2方向の一方は、試料の圧延方向又は縦方向(RD)となり、対応する他の方向は、試料の垂直方向(ND)となるように配置される。
【0012】
また、逆極点図(IPF)の使用は特に有利であるが、それは、結晶対称性により、IPF投影の単位三角形がIPF内の情報の全てを表すので、完全なステレオ投影を使用するのではなく、その単位三角形を選択することができるからである。従って、逆極点図は単位三角形として表示されることが好ましく、その利点は、結晶学的に同等な点がIPFの単位三角形内の同じ位置で重ね合わされることである。
従って、従来技術の方法と異なり、対称性により関連づけられた同等方向を含む結晶内の共通の方向は、IPFの単一点として表すことができ、それらの解釈の混乱を大幅に低減する。
【0013】
試料の各結晶の方位を説明するデータを使用して、結晶の方位は、第1及び第2方向に対して、IPFの各々におけるデータポイントの位置により表される。IPFの各データポイントは、試料上の識別位置で得られた測定値を表すが、通常は複数の測定が試料に対して行われ、それに従ってプロットされる。
IPFのデータポイントはまた、データポイント密度が結晶組織を指示するものであるから、この密度を反映する着色領域を使用して表されてもよい。
【0014】
高密度領域の位置は、データの解析により自動的に見つけることができるが、ユーザがこれらの位置をIPFにおいて視覚的に見つけることが好ましい。いずれの場合でも、通常、高データ密度の領域が選択され、この領域内で点が選ばれる。その点に関する角度範囲が形成され、必要であれば、点の位置は、その高密度集団内の全ての点がこの角度範囲内にあるように調節される。この点と同等の結晶平面(対称により関係づけられたものを含む){hkl}が次に計算される。角度範囲は、データの実験誤差に対処するように決められ、15度未満の角度が使用されることが好ましい。垂直方向及び圧延方向に対して、類似の角度がIPFのデータ選択に使用される。垂直方向(ND)又は圧延方向(RD)のいずれかのデータポイントを最初に選択することができるが、垂直方向(ND)に対応するIPFを使用して第1の領域を選択することが好ましい。
【0015】
第1のIPF内でこのような領域を選択すると、一般的に、選ばれた点の定められた角度範囲内の領域に対応するデータのみが、次に第2のIPFをプロットするのに使用される。
選択されたデータは、通常、第2のIPFの形で圧延方向(RD)に対する関連する結晶の方位を説明する対応データをプロットするのに使用される。
データポイントの高密度部分の位置を見つけることにより、1つ又はそれ以上の結晶組織を第2のIPFにおいて識別することができる。組織の結晶方向は、付随する平面法線を有する平面内にあるので、好ましくはNDに対するIPFを使用してその平面法線の方向を形成することにより、対応する結晶方向をRDに対するIPFで探すことができる。これは、ND方向及びRD方向が直交する(実験誤差内で)という制約を受ける。ユーザの制御下で選択が行われる場合、通常、コンピュータは、データの選択をこの直交性の制約に従うデータポイントに制限する。
【0016】
選択されたRD/IPFデータが質量中心モデルを使用して結晶方向(及び、対称性により関係づけられたもの)<uvw>に変換された後に、データは、結晶平面及び方向{hkl}<uvw>の形で、組織として出力されることが好ましい。
この処理は、試料内に存在する複数の組織を判断するために、第1及び第2のIPFの異なる高データポイント密度の領域に対して何回か繰り返してもよい。これらの識別された組織は、データとして出力するか、又は、判断された結晶組織に従って、例えば結晶を着色することにより、図形的に画像で表現することができる。
【0017】
本方法は、特定の材料相の結晶に限定されるものではなく、従って、多重相又は多重成分材料もまた解析することができ、各々について組織を判断することができる。
結晶の方位を形成するデータは、一般に回折から得られ、従って、本方法は、始めに回折パターンを試料のいくつかの結晶から得る段階を更に含むことが好ましい。通常、例えば透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡を使用して、電子回折パターンが各々の結晶から得られる。しかし、電子後方散乱回折が試料内の結晶の各々から回折パターンを得る便利な方法をもたらすので、その使用が好ましい。
【0018】
結晶構造を説明するデータと共に、これらの電子回折パターンの自動化された解析により、結晶の方位を判断し、その後の解析に備えて記憶することができる。結晶構造データは、通常、格子パラメータ、格子の種類、点及び空間グループ、及び、アトミック・オキュパンシーを表すデータ形式を有しており、データベースに記憶される。この目的のために、自然界で見られる様々な結晶系の各々についてデータを生み出すことができる。
【0019】
試料のトポグラフィー及び形態論に関連して結晶方位の視覚化を向上させるために、本方法は、例えば走査型電子顕微鏡を使用して試料の画像を得る段階を更に含むことが好ましい。時には、画像解析法を使用してこの画像を解析することにより、試料内の別々の結晶を識別することができる。このような画像上で結晶粒の境界が見えない時、結晶方位データを試料位置の細かい格子上で得ることができ、方位の変化を使用して結晶粒境界を判断することができる。代替的には、各格子点で測定された個々の方位をカラーコード化して、個々の結晶粒が類似色の接続区域として可視化された状態にすることができる。
一実施例においては、画像は、特定の組織に対応する方位を有する結晶のみが画像内に表示されるように処理される。
【0020】
本発明の第2の態様によって、
結晶の方位を形成するデータを包含する記憶装置と、
本発明の第1の態様による方法を実行するように準備されたプロセッサと、
を含むことを特徴とする、多結晶材料の試料における結晶方位を形成するデータから結晶組織を解析する装置を提供する。
本装置は、PC(パーソナルコンピュータ)などのコンピュータの形態であることが好ましい。これは、本装置が統合された結晶画像化及び組織解析機能をもたらすように、方位データを判断するためのSEM(走査型電子顕微鏡)を制御するのに使用されるのと同じコンピュータとしてもよい。従って、本装置はまた、電子顕微鏡や、好ましくは電子後方散乱回折(EBSD)パターンを得るように準備された走査型電子顕微鏡(SEM)のような、結晶方位を形成するデータを判断する手段を含むことになるのが好ましい。
本装置はまた、座標系に対して判断された結晶の方位をユーザに呈示する表示器を更に含むことが好ましい。これにより、ユーザへの組織情報、及び、恐らくは試料画像の呈示が可能となる。本装置は、通常、結晶の方位が表示器上に表されている時にユーザがいくつかの結晶を選択することを可能にするキーボードやマウスのような選択装置を更に含むことになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明による結晶組織を解析する方法のいくつかの実施例が、添付図面を参照して以下に説明される。
図1を参照すると、本発明による方法を含む試料解析手順を詳細を説明する流れ図が示されている。
段階1において、予め調製された多結晶試料を走査型電子顕微鏡(SEM)の真空チャンバの中に装填する。試料は、圧延多結晶チタンであり、試料の表面が試料表面平面内に圧延方向(RD)を有するように調製され、取り付けられている。試料表面は平面であり、この表面に垂直な垂直方向(ND)を形成している。
SEMは、いくつかの画像化モードで試料を画像化することができ、電子後方散乱回折パターン(EBSD)を生成する能力もまた備えている。SEMは、PC又はワークステーションなどのコンピュータにより制御される。
【0022】
次に、SEM真空チャンバを運転可能真空状態までポンプダウンし、コンピュータ制御の下で試料をSEM電子ビーム方向に対して公知の角度に向ける。コンピュータは、画像化に及びEBSDパターンの生成を可能にするのに使用するための、試料、電子ビーム、及び、検出器の方位を説明する詳細データを保有することが理解されるであろう。
次に、段階2において、例えば従来の二次電子又は後方散乱画像化を使用して、試料表面の画像が得られる。次に、その後の使用に備えて、コンピュータは画像データを保持する。
【0023】
本実施例において、試料は結晶チタンで作られており、段階3において、コンピュータのユーザは、チタンの結晶構造に対応する結晶データベースを選択する。以下で説明するように回折帯域の位置及び強度の計算に使用されるデータベース内に含まれる一般的なデータには、格子の種類、モチーフ、及び、チタンの単位セル寸法が含まれる。
段階4から段階6において、平面的な試料表面上のいくつかの点で電子後方散乱回折パターンが得られる。この場合、これらは正方形アレーとして配置され、アレーのピッチは、通常の結晶寸法よりも遥かに小さい。しかし、結晶方位の統計が主たる関心事である場合、所定数の測定点ができる限り多くの方位をサンプリングするように、ピッチを平均結晶粒サイズよりも大きくなるように選択することができる。
【0024】
ここで以下に説明するように、アレーの他の点で繰り返す前に、アレーの各点において図1の段階4から段階6を実行する。
SEMの電子ビームが試料上の目標とする点に当たると、段階4において、EBSDパターンがSEM内の蛍光画面上に生み出される。これは、微光集積CCD装置を使用してモニターされる。CCD信号は、コンピュータによる解析のための回折パターン画像をもたらす。
画面上に形成された回折パターンは、接近した直線対である菊地バンドの形態を取る。これらの帯域は、ブラッグの条件を満足する、蛍光板上の回折電子ビームの形跡を示す。これらの帯域の相対的間隔及び角度は、電子ビームの下でのビーム及び蛍光画面に対する結晶方位を説明する情報を含む。
【0025】
段階5において、回折パターンの菊地バンド及びチタン結晶データベースに含まれた結晶学的情報を使用してSEMコンピュータ上で実行されるソフトウエアにより、結晶の方位が判断される。
これは、パターンの帯域対の各々が「ハフ空間」のスポットに変換される「ハフ変換」として知られる画像処理ルーチンを使用して実行される。ハフ空間のスポットの角座標は、菊地バンドの傾斜角及び選択された原点までの帯域の距離を与える。
【0026】
回折パターンの解析において、ソフトウエアは、パターン内で最も強い3つの菊地バンドを選択して3重項を形成する。3重項の各帯域対の間の平面間角度は、パターンのハフ変換から測定される。それらは、次に、結晶データベースの情報を使用して計算された結晶に対する平面間角度のリストと比較される。これらの角度はまた、スポット回折パターンのスポット位置から導くことができる。
これらの3つの角度が得られると(ある一定の許容誤差以内で)、ソフトウエアは、パターンの他のいくつかの強い菊地バンドが、計算された平面間角度(やはり所定の許容誤差以内)を満足するかどうか調べる。これらの条件もまた満足する場合、結晶方位は、試料圧延方向(RD)と、横方向(TD)と、垂直方向(ND)及び対応する結晶方向との間の9つの方向余弦により与えられる。立方体結晶については、これらの結晶方向は、[100]、[010]、及び、[001]である。
【0027】
この方位は、SEM内の試料の配置に関連しているが、次に、他の方位特に試料表面に対する当該の結晶方位に変換することができる。
結晶方位の判断に続いて、計算方位データ及び試料内の測定場所の位置は、例えば、RAM又はディスク上のファイルに記憶される。次に、段階6において、試料は、サンプリングされる点のアレーの次の位置に、電子ビームに対して移動される。
【0028】
次に、新しい位置において段階4及び段階5を繰り返すが、この新しい位置は前の位置と同じ結晶内にあってもよく、従って、類似の回折パターンが得られると予想されると思われる点に留意する必要がある。代替的に、新しい位置は、隣接した結晶にあってもよく、従って、得られる対応する回折パターンと計算された方位結果とは異なることになる。
アレーの各点が回折パターン及び結晶方位に関してサンプリングされると、取得され記憶されたデータは、次に、更なる段階7から段階11において、結晶内に何らかの組織が存在するか否かを判断するために使用される。
【0029】
本実施例における組織解析はまた、PCなどのコンピュータシステムを使用して実行される。解析は、別のコンピュータで行ってもよいが、この場合、SEMコンピュータが使用され、オックスフォード・インストルメンツ・アナルティカル・リミテッドによって書かれた「INCA CRYSTAL」という名称のソフトウエア・アプリケーションにより作動される。このコンピュータは、キーボード、マウス、ディスクドライプ、メモリ、及び、モニターなどのカラー表示器のような従来装置を備えている。
【0030】
段階7において、回折パターンから得られ、コンピュータにより記憶された方位データを使用して、逆極点図(IPF)が生み出される。公知の如く、逆極点図(IPF)は、ステレオ投影であり、ステレオ投影の座標は、結晶構造の座標系に対して固定されている。結晶方位は、結晶に固定されていない座標系に固定された特定方向の位置をプロットすることによって表される。この方向は、例えば試料における一方向である。従って、IPFは、結晶座標系をこの場合は試料の座標系である外部座標系と関連付ける。
段階7のIPFをプロットするために、この外部方向として試料の垂直方向を選択する。次に、アレーの各点に対する方位データを使用して、各結晶に固定された共通座標系内の試料垂直方向の方向を計算する。これらは、次に、垂直方向(ND)に対するIPFにプロットされる。
【0031】
本実施例において、計算されたND/IPFデータは、結晶に対する垂直方向(ND)の位置を表す点の局所的密度を示す色を使用して表示器上に表示される。
従って、組織が全くない試料(すなわち、結晶の不規則配向)は、IPFの特定領域内で点のいかなる集団化も示さないであろう。しかし、これが当てはまることは稀であり、連続スペクトル色彩スケールを使用して、より高いスポット密度を有する表示器上の領域は赤色で表され、より低いスポット密度は緑色で表され、最も低いスポット密度は青色で表される。
【0032】
完全なIPFを円形ステレオ投影として示すのではなく、これを単位三角形として表すことが可能である。これは、IPFが試料の座標系ではなく結晶の座標系に固定されているからである。結晶対称性により、IPFのステレオ投影全体を単位三角形において表すことができ、その場合、通常この三角形の外側に入ると思われる点は、既知の結晶対称性により関連づけられた、三角形内のそれらの点と同等な点の位置にプロットされる。
垂直方向に対する単位三角形IPFを示す表示の例を図2に示す。表示が2a、2b、2c、及び、2dという象限に分割されていることがわかるが、これらについては以下で説明する。
【0033】
ND/IPFは、象限2bに示されている。単位三角形IPFは、アレー内の点の各々においてサンプリングされたデータから計算された方位データを包含することが示されている。単位三角形の隅部は、図2では4指数フォーマットのミラー指数を使用して示されている。象限2b内に示された広く濃く網掛けされた領域は、低データポイント密度の領域を示す。これらは、表示器上で青色で表され、図2では「B」と標示されている。中間データポイント密度の領域は、図2で薄い網掛けで示されており、これらは、表示器上では緑色で表されている(図2では「G」と示されている)。非常に高い密度の領域は、図2では薄い網掛けで取り囲まれた若干暗い網掛けの領域で示されており、表示器上では赤色で表されている(「R」で表示)。このような高密度領域の例は、20で示されている。
いくつかの高密度データポイント領域が象限2bに示されている。これらは、試料の垂直方向(ND)に対する結晶の方位は完全に不規則というわけではないことを示している。
【0034】
図1の段階8において、ユーザは、更なる解析のためにこれらの領域のうちの1つを選択する。これは、ユーザがコンピュータマウスを使用して位置決めすることができるIPF上に重ね合わせられた円21を使用して行われる。これを行うことにより、円21内にあるデータポイントの各々は、データセットとしてコンピュータにより選択される。図2において、象限2bの円21は、高密度領域20を取り囲むように位置決めされている。この実施例においては、円の直径は、15度の許容誤差角度を示す。しかし、ユーザは、適切であればどのような許容誤差角度を選んでも自由である。
【0035】
データポイントの各々により表された垂直方向(ND)は、質量中心モデルを使用して、選択されたデータセットの代表的垂直方向を計算するのに使用される。
次に、データセットに対して計算された代表的NDを使用して、この方向に平行な平面法線を有する結晶内の特定平面(結晶学的同等物を含む)が計算される。この平面{hkl}は、ミラー指数によってボックス22内でユーザに呈示される。
【0036】
図1に戻って参照すると、次に、段階8で選択されたデータセット(円21で囲まれている)のみを使用して、第2のIPFが図2の象限2dに示すように段階9で生み出される。この第2のIPFは、圧延方向(RD)に対してプロットされる。従って、円21で選択された各データポイントに対して、方位データは、対応するアレーの各点の結晶座標系に対する圧延方向の位置をプロットするのに使用される。これにより、やはり単位三角形として表わされた象限2dに示すRD/IPFが生成される。これらの領域は、象限2bのND/IPFと類似の方法で表示器上のそれらのデータポイント密度に従って着色される。高(赤)、中間(緑)、及び、低(青)のデータポイント密度の例は、図2の象限2dにおいてR、G、Bと標示されている。
【0037】
組織が結晶試料内に存在するには、座標系に対して結晶方位を固定するのに少なくとも2つの方向が必要とされるので、少なくとも2つの方向に対して結晶の共通方位を見つける必要がある。従って、第2のIPFが単位三角形の特定領域内でデータポイントの集団を示す場合、組織が存在し得る可能性がある。しかし、結晶が共通平面法線周りの角回転に関して不規則に配向されている可能性があるので、組織には、結晶が平面法線を整列させることだけが必要というわけではない。組織に対する第2の要件は、従って、共通平面法線を共有する結晶の結晶方向も一線に並んでいるということである。
【0038】
結晶平面法線及び結晶方向は直交する必要があり、従って、段階8で選択されたデータセットのNDに平行な平面法線を得た後に、この平面法線方向と直交するRD/IPF内のRD点の集団を探すことにより、この平面法線を有する結晶組織を見つけることができる。試料内のRDの分布を示すIPFを使用してRDが<uvw>に平行な結晶粒を最初に選んだ場合、NDに平行な法線を有する選ばれた結晶粒の{hkl}は、共通区域軸<uvw>を有する区域に属するといわれる。{hkl}法線は、<uvw>と垂直な平面にある。
【0039】
図2を参照すると、象限2dに示すRD/IPF単位三角形は、集団になったデータポイント(高密度)を有するいくつかの領域を包含することがわかるが、これらの高密度領域の存在は、組織の存在を決定づけるものではない。従って、更なる直交性の制約が適用される。
ユーザは、このような領域の選択においてコンピュータの補助を受ける。高データポイント密度領域を選択するのに、やはり円23が使用される。コンピュータは、単に、段階8で試料垂直方向に平行であるように計算された結晶平面法線に対する直交方向を表す経路に沿ってユーザが円23の中心を移動させることを可能にするだけである。ユーザには、この制約された経路に沿って円23を移動させるための図2の象限2dに示すスライドバー24が準備される。ユーザは、代替的に、第2のIPFにおける一点でクリックして高データポイント密度領域を選ぶことができ、コンピュータは、次に、円を置くために経路に沿う最も近い点を自動的に選択する。
この経路上に該当する高密度データポイント領域25(赤)が象限2dに示されており、これらは、図1の段階10でユーザにより選択される。
【0040】
次に、この集団内のRDに対する方向は、それが段階8で選択されたデータセットのNDと直交するという制約に従って計算される。通常15度未満の許容誤差角度がこの計算の範囲では許される。この計算RD方向は、次に、容認される実験的許容誤差の範囲で、段階8で計算された垂直方向と平行な平面内にある結晶方向に変換される。
こうして候補組織が得られ、それを段階11において{hkl}<uvw>によって表すことができる。図2に関連して判断された組織は、それぞれ{hkl}及び<uvw>を示すボックス22及び26内の整数により示される。
【0041】
試料(図1の段階2で取得)内の結晶の強調された画像を図2の象限2aに示す。象限2aに表されている画像は、結晶の境界を識別する画像解析の適用に続いて段階2で得られた画像を含む。これらは、段階5によって判断されたその方位に従って着色される。その色は、単位三角形内の位置(r、θ)に従って、r及びθに基く線形補間を使用して割り当てられる。異なる色を有する結晶の例は、それぞれ赤、橙、黄、緑、及び、青を示すR、O、Y、G、Bで標示されている。
段階8で選択された円21内にある垂直方向を有する画像の結晶が象限2cに表されている。これらの結晶のいくつかの例は、象限2aと類似の方法でそれらの色に応じて図2の象限2cに標示されている。
本システムを使用して、垂直方向に対するIPFの領域と圧延方向に対するIPF内の対応する領域とを繰り返し選択してもよい。
【0042】
図3は、選択されたND領域が図2のそれと同一である例である(象限3bに示す通り)。しかし、データポイントの第2のセットが、象限3dにおいてRD/IPFの異なる位置で円23により取り囲まれるように示されている。これらはまた、垂直方向21に対する直交性要件に該当する。
図2及び図3においてボックス22及び26内に表された{hkl}及び<uvw>の整数値を参照すると、各々に対する垂直方向が同じであることがわかる。結晶方向の整数値は、垂直方向に対して正確に垂直ではないことに留意する必要がある。しかし、これは、本システムに組み込まれた15度許容誤差角度の範囲内である。
象限3a及び3cにおいて、表された画像は、図2の象限2a及び2cに示したものと同一である。象限3cの画像は、垂直方向が同一であるから2cのものと同じである。
【0043】
図4を参照すると、象限4bにおいて、第2の高密度データポイント領域27がND/IPFにおいて示されており、これは、平面法線指数がボックス22及び26で与えられる異なる結晶平面法線に平行であると判断される。従って、圧延方向に対する対応するIPFは、図2及び図3に表されたものとは異なり、対応する異なる分布のデータポイントを有する。
ここでもまた、円23内に取り囲まれた高密度領域28(赤)が示すように、直交性の制約に従って別の候補組織が見つかる。対応する結晶方向は、ボックス26に示されている。象限4aは、図2及び図3と類似の方法で結晶画像を示すが、図4cにおいては、異なる結晶のセットが異なる選択された垂直方向に従って強調されて表されている。表示器上の結晶の色の例は、図2及び図3と類似の方法で標示される。
【0044】
図5に示すように、本システムは、決められた方位関係に属する結晶のみを表示することができる。図5において、図2、図3、及び、図4に示す3つの決められた結晶組織を有する結晶は、グレースケールの3つの異なる網掛けで示されている。表示器上では、これらは、3つの対応する色、すなわち、赤(図2より)、緑(図3より)、及び、青(図4より)を使用して表されており、それぞれ、R、G、Bと標示されている。試料の垂直方向及び圧延方向に対して判断された数値による組織は、3及び4指数フォーマットの両方を使用して以下の表1に示されている。
【0045】
図6は、本実施例による装置のブロック図である。SEMは、全体的に100で表わされ、電子供給装置を含む真空チャンバ、試料台、及び、画像化用検出器などの装置と共に、蛍光画面及びCCDを含むEBSDパターン検出装置を含む。
このSEMは、プロセッサ102を包含する制御コンピュータ101に接続されている。このコンピュータは、RAM103を有し、104に示す結晶データベースへのアクセスが設けられている。この場合、データベースは、コンピュータ101上に記憶されているが、離れた位置で記憶することもできるであろう。プロセッサ102は、SEMを制御し、結晶データベース104に包含されている、この場合はチタンの結晶に関するデータを使用して結晶方位を計算する。結晶の方位を説明する得られたデータは、ディスクドライプ105上のファイルに記憶される。本システムを制御するためにユーザが操作する入力装置106もまた図6に示されている。カラーモニターの形態の表示器107は、図2から図5に示すように、試料の処理カラー画像と共に、カラーIPFをユーザに呈示するのに使用される。
【0046】
本発明によれば、多結晶試料の結晶方位分布(組織)は、こうして、初めて自動的に判断することが可能になる。この自動的判断は、上述した新開発の連続逆極点図の方法に基づいている。すなわち、本方法の自動化実施例において、図7を参照して以下に説明する段階は、制御コンピュータ101のようなコンピュータシステムにより実行される。
段階50において、データセット全体のIPF(例えば、ND)のデータ分布が所定の許容誤差角度のフィルタにより最初に円滑化され、次に、この円滑化されたIPF上の非常に密集した区域(ピーク)の位置を見出し、このピークの位置に近似的なミラー指数{hkl}を与える。
【0047】
段階51において、この円滑化されたIPFのピークの各々について、最初のIPFのピーク位置との角度を許容誤差角度未満で有するデータを含めることにより、データの部分集合が形成される。
段階51で判断されたデータの部分集合に対する第2のIPF(この場合はRD)のデータ分布は、次に、段階50に関連して説明した方法を使用して、段階52において円滑化される。この円滑化されたIPFのピークの位置が次に見つけられ、近似的ミラー指数<uvw>がこれらのピーク位置に割り当てられる。円滑化のない第2のIPFにおいて、ピーク位置との角度を許容誤差角度未満で有する各ピークの周りの全てのデータは、異なる<uvw>を有しても共通の{hkl}を有する組織成分を表すデータの部分集合を形成する。
【0048】
これに続いて、段階53において、組織成分{hkl}<uvw>の面積百分率が、データの部分集合におけるデータ数とデータセットの総数との比により判断される。
上述の処理が完了した時、段階54において、試料の組織成分及びその面積百分率のリストが得られる。
段階55に示すように、それより前の段階50から段階54が再び実行されるが、第1及び第2のIPFのND及びRDの順番が逆転される。
段階56において、最終検査を行って組織成分の各々が2度計数されていないことを確実にし、2つの組織成分が許容誤差角度以上の角度に分離される。
【0049】
従って、本発明は、あらゆる結晶系への応用が可能な組織解析の便利かつ明解な方法を提供する。本方法はまた自動化することができ、結晶組織の迅速かつ正確な計算を可能にする。個々の試料内の複数の組織は、結晶学の多くの専門知識を必要とせずに迅速に判断することができる。本システムはまた、単純な組織及び複雑な組織(高いhkl及びuvw指数を有する)にも等しく応用可能である。
【0050】
【表1】
(表1)
【図面の簡単な説明】
【図1】例示的方法の流れ図である。
【図2】識別された組織を表す画面表示の例を示す図である。
【図3】同じ垂直方向を有する第2の識別された組織を示す図である。
【図4】異なる垂直方向を有する更なる組織を示す図である。
【図5】3つの識別された組織を有する結晶の画像を示す図である。
【図6】実施例を実行するのに使用される装置の概略ブロック図である。
【図7】自動化された例示的方法の流れ図である。
【符号の説明】
1 試料の装填
2 試料の画像化
3 結晶DB(データベース)の選択
4 結晶の回折パターンの取得
5 結晶方位の判断
6 新しい位置
7 ND(垂直方向)逆極点図の発生
8 ND結晶の選択
9 RD(圧延方向)逆極点図の発生
10 RD結晶の選択
11 組織の判断
Claims (29)
- 多結晶材料の試料における結晶の方位を規定するデータから結晶組織を解析する方法であって、
各結晶について、該各結晶の結晶構造に固定の共通の基準座標系に対する前記試料における垂直方向(ND)及び圧延方向(RD)のうちの一方の方向の方位を判断する段階と、
前記基準座標系に対する前記一方の方向に対して選択された許容誤差角度範囲内にある方位を共有する第1の組の結晶を選択する段階と、
前記第1の組の各選択された結晶について、前記基準座標系に対して前記試料における前記垂直方向(ND)及び圧延方向(RD)のうちの他方の方向の方位を判断する段階と、
前記基準座標系に対する前記他方の方向に対して選択された許容誤差角度範囲内にある方位を共有する第2の組の結晶を、前記第1の組から選択する段階と、
前記試料内の前記垂直方向(ND)及び圧延方向(RD)に対する前記選択された結晶の方位に対応する結晶組織を判断する段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記一方及び他方の方向は直交することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記座標系に対する前記一方の方向又は前記他方の方向の前記方位は、第1の逆極点図として表示されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の方法。
- 前記座標系に対する前記一方の方向及び前記他方の方向の前記方位は、第2の逆極点図として表示されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記第1及び/又は第2の逆極点図は、単位三角形として表示されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記一方の方向は、前記試料の圧延方向つまり縦方向であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記他方の方向は、前記試料の垂直方向であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記選択された結晶は、前記座標系内の選択された方向の15度未満内の方位を有する全ての結晶を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記選択された結晶の前記前記一方または他方の方向に対して選択された許容誤差角度範囲内にある方位を表す方向を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記選択された結晶を表す前記方向の前記判断は、質量中心モデルによって実行されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記結晶を選択する前記段階の少なくとも1つは、ユーザにより実行されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記一方の方向及び/又は前記他方の方向に対して選択された許容誤差角度範囲内にある方位を共有する結晶を選択する前記段階は、自動的に実行されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記試料内の結晶の複数組織を判断する及び/又は表現する前記方法を繰り返す段階を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記結晶は、2つ又はそれ以上の別個の相を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記試料の前記結晶から初めに回折パターンを得る段階を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記回折パターンは、電子後方散乱回折技術を使用して得られることを特徴とする請求項15に記載の方法。
- 前記試料の画像を得る段階を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記画像内の結晶を識別するために前記画像を解析する段階を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
- 前記結晶の画像を表示し、その表示された結晶をそれらの組織に従って着色する段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
- 前記選択された結晶のみが前記画像から表示されることを特徴とする請求項18又は請求項19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記結晶組織が判断されると、前記結晶組織を結晶平面と結晶方向とを識別するデータとして出力する段階を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の方法。
- コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される時、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法を実行するコンピュータプログラムコード手段を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
- コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行される時、請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法を実行するためにコンピュータ読取可能媒体上に記憶されたコンピュータプログラムコード手段を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
- 多結晶材料の試料における結晶の方位を形成するデータから結晶組織を解析する装置であって、
結晶の方位を形成するデータを包含する記憶装置と、
請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法を実行するように準備されたプロセッサと、
を含むことを特徴とする装置。 - 前記座標系に対する前記結晶の前記判断された方位をユーザに呈示するための表示器を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の装置。
- 前記結晶を選択するための選択装置を更に含むことを特徴とする請求項24又は請求項25のいずれか1項に記載の装置。
- 前記結晶の前記方位を形成する前記データを判断する手段を更に含むことを特徴とする請求項24から請求項26のいずれか1項に記載の装置。
- 前記結晶の前記方位を判断する前記手段は、電子顕微鏡であることを特徴とする請求項27に記載の装置。
- 前記電子顕微鏡は、前記結晶の前記方位を形成する前記データを判断する際に使用される電子後方散乱回折パターンを得るように準備された走査電子顕微鏡であることを特徴とする請求項28に記載の装置。
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