JP4249514B2 - 体内電気信号検出装置並びに体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置 - Google Patents

体内電気信号検出装置並びに体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、筋肉等の体内組織の電気信号を検出する体内電気信号検出装置を用い、その体内電気信号検出機能による検出結果に基づいて、体内組織に所定の薬液を注入する、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、血管、消化管、尿管等の人体の管状器官に、カテーテル等の医療器具を挿入することによって、様々な治療や検査、処置等が行なわれている。例えば、心臓等の体内組織に対する外科手術の施術法の一種として、胸腔切開術を行なうことなく、胸腔鏡等を用いて、体外から体内組織に対する外科手術行なう手法が知られている。そして、そこでは、血管内に、管状のカテーテルを挿入し、そのカテーテルの内孔(ルーメン)を通じて、心臓麻痺流体を冠状動脈に注入することにより、心筋層を麻痺させる手技が行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年では、薬液注入カテーテルを用いて、所定の薬液を病巣部に注入する治療方法も、実施されている(例えば、特許文献2及び3参照)。即ち、よく知られているように、この薬液注入カテーテルは、管状のカテーテル本体の内部に、所定の薬液が流通可能な細管からなり、先端が尖鋭な針部とされた針体が、その長さ方向に移動可能に挿入配置されて、構成されている。そして、このような薬液注入カテーテルのカテーテル本体が血管内に挿入されて、体内組織の病巣部位にまで押し進められる。そこで、針体が長手方向に移動せしめられることにより、カテーテル本体の先端開口部や壁部に設けられた孔部を通じて、針体が外部に突出して、体内組織の病巣部に穿刺され、更に、その状態下で、かかる針体を通じて、所定の薬液を病巣部が注入されるのである。
【0004】
ところで、このような治療方法を実施する場合、薬液が注入される体内組織の病巣部が機能しておらず、実質的に死滅していると、薬効が低くなってしまうと考えられる。それ故、上述の如き体内組織の病巣部に薬液を注入する治療において、より十分な治療効果を得るためには、薬液が注入されるべき体内組織の病巣部が、未だ生きているか否かを確かめる必要がある。しかしながら、現状では、体内組織の所定部位が十分に機能する程生きているかを確かめるための装置が存在せず、それ故に、体内組織の病巣部等の状態を外部から判定することが、極めて困難であったのである。
【0005】
【特許文献1】
特表平9−509585号公報
【特許文献2】
特開2001−104487号公報
【特許文献3】
特開2001−299927号公報
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、体内組織の所定部位の状態を外部から容易に判定することが出来ると共に、そのような体内組織の所定部位の状態判定機能を備えた薬液注入装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本発明者等が種々検討を繰り返す課程で、体内組織の多くのものの細胞は、その生存中に、所定の電気信号を発生しており、実質的に死滅すると、その電気信号の発生が途絶えるか、若しくは極めて微弱なものとなってしまうことに着目した。そして、かかる体内組織の所定部位が実質的に機能しているか否かの状態の判定に、そのような電気信号を利用することを着想したのである。
【0008】
すなわち、本発明は、かくの如き着想に基づいて完成されたものであって、そこで用いられる体内電気信号検出装置の中心的構成とするところは、(a)体内組織に穿刺可能な針体と、(b)該針体に設けられ、該針体が前記体内組織に穿刺せしめられた状態下で、該体内組織において発生する電気信号を、該体内組織から導出する導出手段と、(c)前記針体に設けられた前記導出手段に対して電気的に接続されて、該導出手段にて導出された前記電気信号を検出する検出手段とを含んで構成されている
【0009】
要するに、このような体内電気信号検出装置にあっては、体内組織の未だ死滅していない部位に、針体が穿刺せしめられた際には、かかる針体に設けられた導出手段と、それに対して電気的に接続された検出手段とによって、所定の大きさの電気信号が検出され得るようになっている。一方、体内組織の既に実質的に死滅した部位に、針体が穿刺せしめられる場合には、検出手段において、電気信号が何等検出されないか、或いは上記所定大きさの電気信号とは比較にならない程、極めて微弱な電気信号だけしか検出され得ないようになっている。
【0010】
従って、かくの如き体内電気信号検出装置を用いれば、単に、針体を、体内組織の所定部位に穿刺する簡単な作業を行なうだけで、体内組織の所定部位の状態を、外部から、極めて容易に且つ確実に判定することが出来る。そして、それによって、例えば、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する適切な治療や処置を、簡単に、しかも的確に行なうことが可能となる。
【0011】
なお、このような体内電気信号検出装置の好ましい態様の一つによれば、前記導出手段が、前記針体に対して、その長さ方向に延びる電極からなる。
【0012】
かくの如き構成を有する体内電気信号検出装置にあっては、針体が、体内組織の所定部位に穿刺せしめられた状態下で、かかる体内組織の所定部位の内部において、電極が配置される部位のみから、電気信号が導出されることとなる。そのため、例えば、体内組織の所定部位に対する針体の穿刺深さを種々変更しつつ、電気信号の検出を行なえば、体内組織の所定部位の内部での未だ死滅していない部位と既に実質的に死滅した部位とを、外部から容易に把握することが出来る。これによって、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する適切な治療や処置を、より確実に行なうことが可能となるのである。
【0013】
また、この体内電気信号検出装置の別の有利な態様の一つによれば、前記導出手段が、複数の前記電極にて構成されると共に、それら複数の電極のそれぞれが、前記針体の周方向と長さ方向とにおいて互いに所定の距離を隔てて位置せしめられることによって、該複数の電極が、互いに接触せしめられることなく、且つ該針体の先端までの距離が互いに異なる長さとされた状態で、該針体に設けられ、それら各電極にて導出される前記電気信号が、前記検出手段にて、各電極毎にそれぞれ独立して検出され得るように構成される。
【0014】
このような体内電気信号検出装置にあっては、針体に、電極が一つだけ設けられる場合とは異なって、例えば、針体を、体内組織の病巣部等の所定部位に、所定の深さで穿刺せしめたままで、各電極によって導出される電気信号を、検出手段にて、それぞれ検出することによって、針体の穿刺深さ等を一々変えることなく、体内組織の所定部位の内部での未だ死滅していない部位と実質的に死滅した部位とを、外部から容易に把握することが出来る。しかも、電気信号が検出される電極と、検出されない電極のそれぞれの針体の先端までの距離に基づいて、体内組織の所定部位における実質的に死滅した部位の、体内組織表面からの深さを確実に特定することが可能となる。
【0015】
従って、かかる体内電気信号検出装置においては、優れた使用性が発揮され得るばかりでなく、体内組織の所定部位に薬液を注入する治療や処置等における手技の信頼性を、効果的に高めることが出来る。
【0016】
さらに、上記の体内電気信号検出装置において、導出手段が、上述の如き構造を有する複数の電極にて構成される場合には、望ましくは、それら複数の電極のうち、前記針体が前記体内組織に穿刺された状態下で、前記電気信号が導出されて、それが前記検出手段にて検出される電極と、該電気信号が導出されずに、それが該検出手段にて検出されない電極のそれぞれの針体の先端までの距離に基づいて、前記体内組織部位の状態を表示する表示手段を、更に有して構成されることとなる。
【0017】
これによって、電気信号が検出される電極と、検出されない電極のそれぞれの針体の先端までの距離に基づいて、例えば、体内組織の所定部位における実質的に死滅した部位の、体内組織表面からの深さが、表示手段に表示され得ることとなる。従って、上述の如き構成を有する体内電気信号検出装置を用いれば、手技者が、表示手段の表示を視認しつつ、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する適切な治療や処置を、より一層容易に且つ安全に行なうことが出来る。
【0018】
更にまた、体内電気信号検出装置の他の有利な態様の一つによれば、体内に挿入可能なチューブを更に含んで構成されると共に、かかるチューブの内部に、前記針体が、その長さ方向に移動可能に挿入配置されてなり、該チューブが体内に挿入された状態下で、該針体が、その長さ方向に移動せしめられることにより、該チューブの体内挿入側の先端開口部または該チューブの壁部に設けられた孔部を通じて外部に突出せしめられて、前記体内組織に穿刺され得るように構成される。
【0019】
このような構成を有する体内電気信号検出装置にあっては、例えば、針体が突出せしめられれるチューブの先端部分が、体内組織の所定部位の表面に位置するように、チューブが体内に挿入せしめられることにより、かかるチューブ内に挿入配置された針体が、かかるチューブに案内されて、体内組織の所定部位に対して、より正確に穿刺され得ることとなる。また、チューブが血管等の人体の管状器官等に挿入されることによって、針体が突出せしめられれるチューブの先端部分が、体内の、より様々な部位に、比較的に容易に位置させられ得る。そして、それによって、チューブ内の針体が、体内の、より様々な組織の所定部位に対して、より簡単に且つ安全に穿刺され得ることとなる。
【0020】
そして、本発明にあっては、前記した薬液注入装置に係る技術的課題を解決するために、患者の体内組織に穿刺可能に構成された細管からなり、内部に供給された所定の薬液を先端から吐出する針状管体と、該針状管体の先端に設けられた先端電極と該先端電極より前記針状管体の穿刺方向に対して後方に位置するように、前記針状管体の長手方向に対して互いに所定の距離を隔てて、前記針状管体に設けられた複数の後方電極と、一方が前記先端電極及び前記複数の後方電極のそれぞれと電気的に接続され、他方が前記患者の穿刺される前記体内組織とは別の位置に接地されることにより、各電極から導出された電気信号を各電極毎にそれぞれ独立して検出する検出手段と、前記針状管体の先端を前記体内組織に接触させる第1の手技の際に、前記先端電極から検出される電気信号が予め設定された基準値以上であるか否かを判定する組織表面状態判定手段と、前記針状管体の先端が所望の穿刺深さに達したことを示す、前記複数の後方電極の1つから電気信号が検出されるまで、前記針状管体を更に前記体内組織に進入させる第2の手技の際に、前記体内組織に進入した前記先端電極から前記複数の後方電極のうちの前記所望の深さを示す電極までの電極のそれぞれから検出される電気信号が予め設定された基準値以上の電気信号を発生するか否かを判定する組織内部状態判定手段とを、含み、前記第1の手技を行ない、前記組織表面状態判定手段が条件を満たした後に、更に前記第2の手技を行ない、前記組織内部状態判定手段が条件を満たした後、該針状管体を介して、前記薬液を該体内組織に注入し得るように構成したことを特徴とする、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置を、その要旨としている。
【0021】
すなわち、本発明に従う、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置にあっては、前述せる如き体内電気信号検出装置と同様に、針状管体が、体内組織に穿刺せしめられた状態下で、かかる体内組織の穿刺部位において生ずる電気信号が、針状管体に設けられた導出手段にて導出されて、検出手段にて検出されるようになっている。そのため、単に、針状管体を、体内組織の所定部位に穿刺するだけの簡単な作業を行なうだけで、体内組織の所定部位の状態を、外部から、極めて容易に且つ確実に判定することが出来る。
【0022】
しかも、かかる本発明装置においては、針状管体を体内組織に穿刺せしめた後、そのままの状態で、続けて針状管体を通じて所定の薬液を体内組織に注入し得るようになっている。それ故に、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していないと判定された部位に対して、薬液を確実に注入することが出来る。よって、迅速な作業が可能となる。
【0023】
従って、かくの如き本発明に従う、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置を用いれば、体内組織の病巣部に対して、薬液を注入する治療や処置等が、より十分な効果を確保しつつ、容易な作業にて、薬液を無駄にすることなく、極めて迅速且つ的確に行なわれ得ることとなる。
【0024】
なお、このような本発明に従う、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置の好ましい態様の一つによれば、前記導出手段が、前記針状管体に対して、その長さ方向に延びる電極にて構成される。
【0025】
かくの如き構成を有する、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置では、例えば、体内組織の所定部位に対する針体の穿刺深さを種々変更しつつ、電気信号の検出を行なうことによって、体内組織の所定部位の内部での未だ死滅していない部位と実質的に死滅した部位とが、外部から容易に把握され得る。以て、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する薬液注入治療や処置が、より適正に且つ確実に行なわれ得る。
【0026】
また、本発明に従う体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置の別の有利な態様の一つによれば、前記導出手段が、複数の前記電極にて構成されると共に、それら複数の電極のそれぞれが、前記針状管体の周方向と長さ方向とにおいて互いに所定の距離を隔てて位置せしめられることによって、該複数の電極が、互いに接触せしめられることなく、且つ該針状管体の先端までの距離が互いに異なる長さとされた状態で、該針状管体に設けられ、それら各電極にて導出される前記電気信号が、前記検出手段にて、各電極毎にそれぞれ独立して検出され得るように構成される。
【0027】
このような薬液注入装置にあっては、体内組織の病巣部等の所定部位に対する針状管体の穿刺深さ等を一々変えることなく、針状管体を、体内組織の病巣部等の所定部位に、所定の深さで穿刺せしめたままで、体内組織の所定部位の内部での未だ死滅していない部位と実質的に死滅した部位とを、外部から容易に把握することが出来る。しかも、体内組織の所定部位における既に実質的に死滅した部位の、体内組織表面からの深さを確実に特定することも可能となる。
【0028】
従って、かくの如き体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置においては、より優れた使用性が確保され得るのであり、また、このような薬液注入装置を用いれば、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する適切な薬液注入治療や処置における手技の信頼性が、効果的に高められ得ることとなる。
【0029】
さらに、本発明に従う体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置において、導出手段が、上述の如き構造を有する複数の電極にて構成される場合には、望ましくは、それら複数の電極のうち、前記針状管体が前記体内組織に穿刺された状態下で、前記電気信号が導出されて、それが前記検出手段にて検出される電極と、該電気信号が導出されずに、それが該検出手段にて検出されない電極のそれぞれの針状管体の先端までの距離に基づいて、前記体内組織部位の状態を表示する表示手段を、更に有して構成されることとなる。このような構成を採用することによって、表示手段に表示された、例えば、体内組織の所定部位における実質的に死滅した部位の、体内組織表面からの深さを、手技者が視認しつつ、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する適切な薬液注入治療や処置が、より一層容易に且つ安全に実行され得る。
【0030】
更にまた、本発明に従う体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置の他の有利な態様の一つによれば、体内に挿入可能なチューブを更に含んで構成されると共に、かかるチューブの内部に、前記針状管体が、その長さ方向に移動可能に挿入配置されてなり、該チューブが体内に挿入された状態下で、該針状管体が、その長さ方向に移動せしめられることによって、該針状管体が、該チューブの体内挿入側の先端開口部または該チューブの壁部に設けられた孔部を通じて外部に突出せしめられて、前記体内組織に穿刺され得るように構成される。
【0031】
このような構成を採用すれば、チューブの先端部分が、体内組織の所定部位の表面に位置せしめられるように、チューブが体内に挿入せしめられた状態下で、針状管体が、かかるチューブに案内されて、体内組織の所定部位に対して、より正確に穿刺され得ることとなる。また、チューブが血管等の人体の管状器官等に挿入されることによって、チューブ内の針状管体が、体内の、より様々な組織の所定部位に対して、より簡単に且つ安全に穿刺され得る。そして、その結果として、人体の様々な部位に位置する体内組織の所定部位の状態を、外部から、極めて容易に且つ確実に判定することが可能となる。以て、確実に効果が期待される薬液注入治療が、より多くの種類の体内組織の病巣部等に対して、容易に且つ確実に行なわれ得ることとなる。
【0032】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る薬液注入装置の実施の形態の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0033】
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する装置の一実施形態として、心筋の病巣部に対して薬液を注入する際に好適に使用される、体内電気検出機能を備えた薬液注入装置が、その正面形態において、一部に切欠図を含んで概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態の薬液注入装置は、薬液注入カテーテル10を有して、構成されている。
【0034】
そして、この薬液注入装置を構成する薬液注入カテーテル10は、所定長さを有する管体からなるカテーテル本体11と、かかるカテーテル本体11内に、その長手方向に移動可能に挿入された針状管体12(針体)とを、更に有している。また、カテーテル本体11は、例えば、人体の肋間領域に形成される孔部等を通じて、体内に挿入され得る太さと長さとを有している。そして、その体内への挿入方向後方側(図1において、左側)である基部側の端部には、コネクタ14が、取り付けられている。
【0035】
さらに、このカテーテル本体11にあっては、可撓性を有する、所定の樹脂層からなる筒状の内側層と外側層との間に、ステンレス製の鋼線が挟み込まれるように埋設されている。これによって、適度な剛性と可撓性とがバランス良く兼備せしめられて、上記孔部等を通じて体内にスムーズに挿入され得るようになっている。なお、このようなカテーテル本体11を与える材料は、特に限定されるものではなく、上述の如き材料に代えて、所望の弾性を有する材料、例えば、ポリアミド等の合成樹脂材料や、Ni−Ti合金等の超弾性合金材料、ステンレス等の金属材料等も、適宜に用いられることとなる。
【0036】
一方、カテーテル本体11内に挿入された針状管体12は、カテーテル本体11よりも長尺な細管からなる薬液流通管路部16と、尖鋭な先端部を有する、短い長さの微細な管体からなる針部18とにて、構成されている。そして、かかる針部18が、その基部側の端部において、薬液流通管路部16における、カテーテル本体11の体内への挿入方向前方側(図1において、右側)である先端部に対して、内孔が互いに連通せしめられるように接続されている。これによって、ここでは、それら薬液流通管路部16と針部18とからなる針状管体12が、全体として、所定の薬液が流通可能な細管にて構成されていると共に、先端の針部18において、心筋に対して穿刺可能とされている。
【0037】
なお、このような針状管体12における薬液流通管路部16と針部18は、何れも、例えば、Ni−Ti合金等の超弾性合金材料やステンレス等の金属材料等の弾性材料からからなっている。それによって、カテーテル本体11が、屈曲蛇行しながら、体内に挿入される場合にあっても、針状管体12が、カテーテル本体11内で、破損乃至は損傷せしめられることがなく、しかも、そのような屈曲変形せしめられたカテーテル本体11内を、その長手方向にスムーズに移動せしめられ得るようになっている。勿論、この針状管体12における薬液流通管路部16と針部18とを与える材料は、特に、これに限定されるものではない。
【0038】
そして、かくの如き構造とされた針状管体12が、カテーテル本体11の基部側端部に設けられたコネクタ14の開口部から挿入されて、針部18を、カテーテル本体11内の先端部に位置せしめると共に、薬液流通管路部16の基部側部分を、コネクタ14の開口部から外部に突出位置させた状態で、カテーテル本体11内に、その長手方向に移動可能に収容されている。これによって、コネクタ14の開口部を通じてカテーテル本体11の外部に突出位置せしめられた薬液流通管路部16が、カテーテル本体11の先端部側に向かって移動せしめられることにより、針状管体12の全体が、カテーテル本体11内を、その先端部側に向かって移動せしめられる。その結果、針部18の尖鋭な先端部が、カテーテル本体11の先端側開口部から外部に突出せしめられるようになっている。また、このような針部18の突出移動によって、針状管体12が、針部18において、心筋に穿刺せしめられ得るように構成されている。なお、このような針部18の突出移動は、手動や公知のねじ機構等によって、行なわれることとなる。また、このことから明らかなように、本実施形態では、カテーテル本体11にて、チューブが構成されている。
【0039】
また、かくしてカテーテル本体11内に挿入された針状管体12にあっては、コネクタ14の開口部から外方に突出位置せしめられた薬液流通管路部16の基部側部分の端部に、薬液供給手段としてのシリンジ20が、接続されている。そして、このシリンジ20から、所定の薬液、例えば、壊死した心筋の再生を図るための骨芽細胞またはbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)やVEGF(血管内皮細胞増殖因子)、HGF(肝細胞増殖因子)等の増殖因子を含む薬液が、針状管体12内に供給されるようになっている。そしてまた、かかる針状管体12内に供給された薬液が、薬液流通管路部16を通じて、その先端部に接続された針部18に向かって流通せしめられ、更に、針部18の先端開口部から、外部に吐出せしめられ得るようになっている。これによって、針状管体12が、針部18において、心筋に穿刺せしめられた状態下で、かかる針部18の先端開口部を通じて、心筋内部に所定の薬液が注入され得るように構成されている。
【0040】
ところで、本実施形態においては、特に、図1乃至図3から明らかなように、上述の如き構造とされた針状管体12の外周面に、導出手段としての電極22が、複数(ここでは、10個)形成されている。また、それら複数の電極22a〜jが、薬液注入カテーテル10とは独立して設けられた検出手段としての検出器24に対して、それぞれ、電気的に接続されている。
【0041】
より詳細には、この針状管体12の外周面に形成された複数の電極22a〜jは、図には明示されてはいないものの、何れも、針部18の先端部分から薬液流通管路部16の基部側部分まで、針状管体12の略全長に亘って、その長さ方向に連続して延出せしめられている。そして、各電極22において、針部18の先端側に位置する部分以外の部分の全てが所定の絶縁材料からなる絶縁被覆25にて覆われている。これによって、針部18の先端側に位置する絶縁されていない(絶縁被膜25が形成されていない)端部が、導出部26とされている。また、それら複数の電極22a〜jが、針状管体12の外周面に対して、その周方向に所定距離を隔てて、位置せしめられている。これによって、各電極22の導出部26同士が、互いに接触せしめられることのないように構成されている。
【0042】
また、複数の電極22a〜jにあっては、それぞれの導出部26が、針状管体12の長さ方向に対しても、互いに所定距離を隔てて位置せしめられている。これによって、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:Ln (但し、n=0〜10、以下同じ)が、それぞれ異なる大きさとされている。
【0043】
すなわち、ここでは、針部18の最長部分に位置せしめられた電極22aの導出部26の先端が、針部18の先端縁に一致せしめられて、かかる電極22aにおける導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L0 が0とされている。一方、この電極22aに対して、針部18の周方向に一方向に隣り合って位置せしめられる電極22bにおける導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L1 が1mmとされている。また、この電極22bに対して、針部18の周方向の電極22a側とは反対側に隣り合って位置せしめられる電極22cにおける導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L2 が2mmとされている。そして、電極22aに対して、針状管体12の周方向の電極22b側とは反対側に位置せしめられる電極22jにおける導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L10が9mmとされている。つまり、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:Lが0とされた電極22a以外の電極22b〜jのそれぞれにおける導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L2 〜L10が、それら各電極22b〜jの、電極22aから針状管体12の周方向の一方向への離間距離に応じて、一定の距離(ここでは、1mm)だけ増加せしめられて、段階的に長くされている。
【0044】
これによって、本実施形態では、針状管体12の針部18が、心筋に、例えば3mm程度の深さで穿刺せしめられたときに、かかる針部18に形成された複数の電極22a〜jのうち、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L0 〜L3 がそれぞれ3mm以内とされた四つの電極22a〜dが心筋内に埋入せしめられるようになっている。そして、そのような状態下で、心筋の表面からの深さが3mm程度である部分と、2mm程度である部分と、1mm程度である部分と、表面部分のそれぞれにおいて発生せしめられる電気信号が、それら深さが互いに異なる四つの心筋部分にそれぞれ埋入位置せしめられた四つの電極22a〜dの各導出部26にて、それぞれ導出され得るようになっている。
【0045】
なお、このような複数の電極22a〜jの形成方法は、特に限定されるものではないが、それら各電極22a〜jは、例えば、以下のようにな公知の方法によって、形成されることとなる。
【0046】
すなわち、絶縁材料を用いて、PVD(物理的蒸着法)やCVD(化学的蒸着法)が実施されることにより、或いは有機金属塩の溶液が用いられて、不活性ガス雰囲気下で、ディッピングや塗布等が行なわれた後、酸化雰囲気下、または大気中で乾燥させる操作等が実施されることにより、針状管体12の外周面に、例えば、SiO2 ,Al23 ,ZrO2 等の金属酸化物からなる絶縁被膜が形成される。
【0047】
次いで、針状管体12の外周面に形成された絶縁被膜の表面に、レジスト(感光性塗料)が塗布された後、公知のフォトマスク技術により、針状管体12の外周面における複数の電極22a〜jが形成されない部位に対応した電極非形成パターンが転写されるか、若しくはレジストを感光する波長のレーザ光(CO2 ,YAG,エキシマ等)の走査により、電極非形成パターンに応じたレジスト部分が硬化せしめられる。
【0048】
引き続いて、未硬化レジストが所定の薬剤にて除去されることによって、前記絶縁被膜の表面が、前記電極非形成パターンに従ってマスキングされる。その後、導電性材料が用いられて、PVD(物理的蒸着法)やCVD(化学的蒸着法)が実施されることにより、或いは有機金属塩の溶液が用いられて、還元雰囲気下でのディッピングや塗布等が行なわれることにより、複数の電極22a〜jが、絶縁被膜の表面上におけるマスキングされた部位以外の部位に形成される。
【0049】
そして、次に、所定の薬剤等により硬化レジストが除去された後、各電極22における針部18側の先端部以外の部分に対して、上述の如き要領で、絶縁被膜25が形成される。かくして、針部18側の先端部が絶縁されていない導出部26とされると共に、かかる導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:Ln が互いに異なる、前述せる如き配置形態を有する複数の電極22a〜jが、針状管体12の外周面上に形成されることとなる。
【0050】
また、このような複数の電極22a〜jの形成手法において、レジストの代わりに疎水性インク等を用い、針状管体12の外周面上に設けられた絶縁被膜の表面を、かかる疎水性インク等により、前記電極非形成パターンに応じてマスキングしても良い。更に、そのようなレジストや疎水性インク等を用いたマスキング等を何等行なうことなく、絶縁性被膜の表面の全面に、導電性材料からなる導電性被膜を形成した後、レーザ光の走査により、前記電極非形成パターンに応じて、導電性被膜を除去することによって、複数の電極22a〜jを形成することも、可能である。更にまた、複数の電極22a〜jの一部若しくは全部を、導電性を有する適当な線材にて構成しても、何等差し支えない。
【0051】
そして、このような複数の電極22a〜jが、前述せる如く、検出器24に対して、それぞれ、電気的に接続されている。ここでは、それら各電極22a〜jの検出器24に対する接続形態と検出器24の内部構造を模式的に示す図3から明らかなように、検出器24には、複数の電極22a〜jに対応した数(ここでは、10個)のアンプ28a〜jと電圧計30a〜jとが、内蔵されている。そして、複数の電極22a〜jの一つずつが、かかる検出器24に内蔵された複数の電圧計30a〜jの一つずつに対して、それら各電圧計30a〜jにそれぞれ一つずつ対応するアンプ28a〜jを介して、電気的に接続されている。
【0052】
これによって、複数の電極22a〜jの各導出部26が形成された針状管体12の針部18が、心筋に穿刺せしめられたときに、心筋表面からの深さが互いに異なる心筋部分のそれぞれから、各心筋部分に位置せしめられる各電極22a〜jの導出部26にて導出せしめられる電気信号の電圧が、検出器24の各電圧計30a〜jによって、それぞれ独立して検出されて、測定され得るようになっている。なお、この検出器24は、針状管体12の針部18が心筋に穿刺される患者に対して接地されている。それによって、各電極22a〜jも、かかる検出器24を介して、患者に接地されるようになっている。
【0053】
また、本実施形態においては、図1及び図3に示されるように、検出器24が、オシロスコープや心電計等の表示装置32に対して電気的に接続されている。この表示装置32は、検出器24に内蔵された各電圧計30a〜jにて測定された、各電極22a〜jにて導出される電気信号の電圧が、それら各電極22a〜j毎に、それぞれ表示されて、記録されるようになっている。
【0054】
そして、このような表示装置32にあっては、例えば、以下の如き手順で、針状管体12の針部18が、心筋の病巣部等に穿刺せしめられることによって、かかる心筋の病巣部等における実質的に壊死(死滅)部分の心筋表面からの深さ位置が、表示され得るようになっている。
【0055】
すなわち、先ず、針部18の先端が、穿刺せしめられるべき心筋の表面に接触せしめられ、心筋表面部分から、電極22aの導出部26にて導出される電気信号の電圧が、検出器24内の電圧計30aにて測定される。このとき、かかる電圧計30aにおいて所定の電圧が測定されなければ、心筋表面部分が実質的に壊死していると判断される。それ故、実質的に壊死した部分の心筋表面からの深さ位置が0mmであるとして、表示装置32に、0mmが表示される。
【0056】
また、心筋表面部分から、電極22aの導出部26にて導出される電気信号の電圧が、検出器24内の電圧計30aにて、所定の大きさで測定された場合、即ち、心筋が実質的に壊死していない場合には、針状管体12の針部18が、心筋に対して、適当な深さ部分にまで穿刺される。このとき、例えば、針部18に設けられた複数の電極22a〜jのうち、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L3 が3mmとされた電極22dにて導出される電気信号の電圧が、検出器24内の電圧計30dにより所定の大きさで測定されるものの、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L4 〜L10がそれぞれ4mm以上とされた電極22e〜jに接続された、検出器24内の電圧計30e〜jから、電圧が実質的に測定されない場合には、針部18の心筋に対する穿刺深さが3mmと判断される。また、そのことから、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L0 〜L3 が各々3mm以内とされた四つの電極22a〜dのそれぞれの導出部26が、心筋の表面から、各々、3mm、2mm、1mm、0mmの深さの心筋部分に、それぞれ位置していると判断される。このことから明らかように、本実施形態では、針部18が心筋34の病巣部等に穿刺された際に、心筋内から電気信号を導出して、検出器24にて、かかる電気信号の電圧を測定させる電極22における導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:Ln に基づいて、針部18の心筋34の病巣部等に対する穿刺深さが検出され得るようになっている。
【0057】
そして、上記のような針部18の心筋に対する穿刺状態下において、例えば、先端の電極22aを除く、三つの電極22b〜dにて導出される電気信号の電圧が、検出器24内の三つの電圧計30b〜dにより、それぞれ所定の大きさにおいて測定されるものの、電極22aにて導出される電気信号の電圧が、検出器24内の電圧計30aにおいて測定されないか、若しくは測定されても、その大きさが極めて微弱である場合には、電極22aの導出部26が位置せしめられる部分が実質的に壊死していると判断される。これによって、針部18の心筋に対する穿刺深さ:Dと、心筋の実質的に壊死した部分に位置せしめられた電極22における導出部24の先端から針部18の先端縁までの距離:L0 との差:D−L0 (ここでは3mmとなる)が、実質的に壊死した部分の心筋表面からの深さ位置であるとして、表示装置32に、3mmが表示される。
【0058】
要するに、本実施形態では、針状管体12の針部18が心筋の病巣部等に穿刺せしめられた状態下で、針部18に形成された各電極22のうち、電気信号を導出する電極22と電気信号を導出しない電極22のそれぞれの導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:Ln に基づいて、電気信号が検出されないか、若しくはそれが極めて微弱であるために、実質的に壊死していると判定される心筋部分の深さが、表示装置32において表示され得るようになっている。
【0059】
次に、かくの如き構造とされた本実施形態の薬液注入装置を用いて、心筋の病巣部等に、所定の薬液を注入する操作手順について、図4に示したフローチャートに従って、説明する。
【0060】
先ず、ステップ1(以下、S1と略記する。他のステップについても同様とする)において、患者の胸部における肋間領域等に形成された孔部より、薬液注入カテーテル10のカテーテル本体11が、患者の心臓に向けて挿入される。このとき、針状管体12の針部18の全体が、カテーテル本体11内に収容された状態とされる。なお、望ましくは、この患者の胸部内へのカテーテル本体11の挿入操作は、胸腔鏡等を使って、カテーテル本体11の胸部内への進入位置を確かめつつ、行なわれることとなる。
【0061】
次に、S2において、針状管体12の薬液流通管路部16が、カテーテル本体11の先端側に向かって所定の量だけ押し出される。これにより、針部18が、薬液流通管路部16の押出量に応じた分だけ、カテーテル本体11の先端開口部から突出せしめられて、図5に示されるように、心筋34の病巣部の表面に、針部18の先端が接触せしめられる。
【0062】
その後、S3において、針状管体12に形成された複数の電極22a〜jのうち、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L0 が0mmとされた電極22aにて導出される電気信号の電圧が、かかる電極22aに対して電気的に接続された検出器24の電圧計30aにて測定される。そして、その測定値:V0 が、実質的に壊死していない心筋34において発生する電気信号の電圧に応じて予め設定された基準値:k以上か否かが判断される。なお、基準値:kは、患者毎に、個別に設定される。
【0063】
このとき、かかる測定値:V0 の値が基準値:kを下回っており、NOと判断されると、針部18が接触せしめられた心筋34の病巣部の表面部分が実質的に壊死していると判定される。そして、S8において、針部18が、カテーテル本体11内に退避せしめられる。また、そのような針部18の退避状態において、カテーテル本体11が胸部内を移動せしめられた後、S1以下が再度実行される。一方、測定値:V0 の値が基準値:k以上となっており、YESと判断されれば、針部18が接触せしめられた心筋34の病巣部の表面部分が壊死してはいないと判定されて、S4が実行される。
【0064】
そして、S4において、針状管体12の薬液流通管路部16が、カテーテル本体11の先端側に向かって、更に押し出される。これにより、針部18が心筋34の病巣部に穿刺せしめられて、針部18の先端縁が、X線造影等にて予め確認した心筋34の所望の深さ位置にまで進入せしめられる。
【0065】
なお、この針部18の心筋34への穿刺操作では、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:Ln が針部18の心筋34内への所望の穿刺深さに一致するように、針部18を心筋34へ進入させる。そして、所望の深さに対応する電極22により導出される電気信号の電圧が、検出器24にて測定されたときに、針部18の先端縁が、心筋34の病巣部における所望の深さ位置にまで進入したと判断する。従って、例えば、針部18の先端縁を、心筋34の表面から3mmの深さの位置にまで進入させる場合には、導出部26の先端から針部18の先端縁までの距離:L3 が3mmとされた電極22dにて導出される電気信号の電圧が、検出器24にて測定された時点で、針部18の心筋34に対する穿刺操作が停止せしめられることとなる。
【0066】
次ぎに、S5において、針部18の穿刺により、導出部26が、心筋34の病巣部内に位置している電極22より導出される電気信号の電圧が、各電極22にそれぞれ対応した電圧計30にて測定される。そして、それら全ての測定値:Vn (但しn=0〜10、以下同じ)が、前述せる基準値:k以上か否かが判断される。
【0067】
このとき、検出器24にて測定される測定値:Vn のうち、一つでも基準値:kを下回っていると、NOと判断される。そして、心筋34の病巣部の状態が不適正であると判定されて、S8が実行された後、S1以下が再度実行されることとなる。
【0068】
なお、このように、S5においてNOと判断される心筋34の状態は、主に、次の二通りが考えられる。即ち、先ず、一つは、図6に示されるように、針部18が、心筋34の所望の深さ位置にまで穿刺されてはいるものの、心筋34の内部に、壊死していない正常部分34aと実質的に壊死している部分34bが存在しており、そのために、その実質的な壊死部分34bに位置せしめられる電極22の導出部26にて、かかる実質的な壊死部分34bから、前記基準値:k以上の大きさの電圧を有する電気信号が導出されない場合が、考えられる。なお、この場合には、一般的に、心筋34の壊死が内側部分から進行するところから、導出部24の先端から針部18の先端縁までの距離:Ln が0か若しくは小さな値とされた電極22、例えば、電極22aや電極22b等に接続された電圧計30aや電圧計30b等の測定値:V0 や測定値:V1 等が、基準値:kを下回ることとなる。
【0069】
もう一つは、図7に示されるように、針部18、心筋34に対して、その厚さ以上の深さで穿刺せしめられ、そのために、針部18の先端部分が、心筋34を通り抜けて、心房や心室内に位置せしめられている場合が考えられる。
【0070】
このように、何れの場合にあっても、心筋34の病巣部に穿刺された針部18の先端開口部から、所定の薬液を、心筋34の、壊死していない正常部分34aに注入することが不可能な状態となっている。それ故に、針部18が位置する心筋34の状態が不適正であると判定される。
【0071】
一方、検出器24にて測定される全ての測定値:Vn が基準値:k以上となっており、YESと判断されれば、針部18の先端部分が、心筋34の壊死していない正常部分34a内に位置せしめられていると判定されて、S6が実行される。
【0072】
その後、S6において、シリンジ20から、前述せる如き、心筋34の再生を図るための骨芽細胞または増殖因子等を含む薬液が、針状管体12の薬液流通管路部16内に供給される。そして、針状管体12の針部18の先端開口部を通じて、心筋34の表面から所望の深さの正常部分34aに注入される。
【0073】
次に、S7において、心筋34の壊死していない正常部分34aに対する薬液注入操作の回数:mが、予め設定された設定回数:αと一致するか否かが判断される。
【0074】
このとき、心筋34に対する薬液注入操作の回数:mが、設定回数:αと一致していなければ、NOと判断される。そして、心筋34に対する薬液注入操作の回数が未だ不足していると判定されて、S8が実行された後、S1以下が再度実行されることとなる。
【0075】
一方、心筋34に対する薬液注入操作の回数:mが、設定回数:αと一致している場合には、YESと判断される。そして、心筋34に対する適正な薬液注入操作が所定の回数だけ行なわれたと判定されて、全ての操作が終了せしめられるのである。
【0076】
このように、本実施形態においては、単に、針状管体12の針部18を、心筋34の病巣部等に穿刺する簡単な作業を行なうだけで、心筋34の病巣部等における所定の深さに位置する部分が実質的に壊死(死滅)しているか否かを、外部から、極めて容易に且つ確実に判定することが出来る。また、かかる針部18の先端開口部を通じて、所定の薬液が、心筋34の病巣部等における所定の深さに位置する部分に対して、容易に注入され得る。上述したように、心筋34は内部より壊死する傾向があるため、心筋34の実質的に壊死した部分を外部から発見することは、一般的には困難である。しかし、本実施形態の薬液注入装置を用いれば、心筋34内部の状態を容易に判別出来る。
【0077】
従って、かくの如き本実施形態の薬液注入装置を用いれば、心筋34病巣部等のうち、未だ壊死していない正常部分34aに対して、薬液を確実に注入することが出来る。以て、心筋34の病巣部等に薬液を注入する治療や処置等が、より十分な効果を確保しつつ、容易な作業にて、薬液を無駄にすることなく、極めて迅速且つ的確に実施され得ることとなる。
【0078】
また、かかる薬液注入装置にあっては、針状管体12に形成された複数の電極22a〜jのそれぞれにて、針部18が穿刺される心筋34の病巣部等から導出される電気信号の電圧の大きさに基づいて、心筋34に対する針部18の穿刺深さが確認されるだけでなく、心筋34の実質的に壊死した部分34bの深さ位置も、表示装置32に表示され得るようになっている。それ故、優れた使用性が発揮され得るばかりでなく、心筋34の病巣部等に薬液を注入する治療や処置等における手技の信頼性と安全性とを、効果的に高め得ることとなる。
【0079】
さらに、本実施形態の薬液注入装置においては、先端に針部18を有する針状管体12が、カテーテル本体11内に、長手方向に移動可能に収容された薬液注入カテーテル10を有して構成されている。そのため、患者の胸部内に、針状管体12を挿入する作業が、安全に実施され得る。
【0080】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0081】
例えば、前記実施形態では、先端が尖鋭な針部18とされると共に、それ以外の部分が薬液流通管路部16とされた、針状管体12が、カテーテル本体11内に挿入配置されている。そして、この針状管体12の長さ方向の移動によって、針部18が心筋34に穿刺され、また、そのような穿刺状態下で、薬液流通管路部16内に薬液が供給されることにより、針部18の先端開口部を通じて、心筋34内部に薬液を注入し得るようになっている。
【0082】
しかしながら、このような針状管体12に代えて、例えば、尖鋭な先端部を有する中実構造をもって構成された針体、或いは管体構造を有するものの、薬液の流通機能を何等有しない針体を、カテーテル本体12内に、その長手方向に移動可能に収容配置せしめることで、体内電気信号検出装置を構成することも、可能である。
【0083】
このような構造を有する体内電気信号検出装置にあっても、単に、針体を体内組織の所定部位に穿刺するだけで、かかる体内組織の所定部位の、状態を、外部から、極めて容易に且つ確実に判定することが出来る。そして、それによって、例えば、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する適切な治療や処置を、簡単に、しかも的確に行なうことが可能となる。
【0084】
なお、かくして体内電気信号検出装置を構成する場合にも、前記実施形態と同様に、針体の外周面に、複数の電極22a〜jが、検出器24に接続された状態で、形成されることとなる。
【0085】
そして、このような体内電気信号検出装置は、例えば、公知の薬液注入カテーテル等を用いて、心筋34に薬液を注入する操作を行なう場合等において、心筋34の壊死していない正常部分34aに薬液が確実に注入され得るように、かかる正常部分34aの深さ位置を予め確かめるのに使用されることとなる。
【0086】
また、そのような体内電気信号検出装置に装備される針体の外周面や、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置に装備される針状管体12外周面に、それぞれ形成される電極22の配設数や配設形態も、例示のものに、何等限定されるものではない。それら電極22の配設数や配設形態は、針体や針状管体12の太さや、穿刺される体内組織の種類等に応じて、適宜に変更され得ることは、勿論である。なお、それら針体や針状管体12に対して電極22を一つだけ設ける場合には、針体や針状管体12自体を電極として機能させることも、可能である。
【0087】
さらに、針体や針状管体12に形成される電極22は、穿刺された心筋34等において発生する電気信号を導出する導出手段として、形成されるものである。従って、そのような電気信号を導出し得る機能を有するものであれば、かかる電極22に代わる導出手段として、針体や針状管体12に形成され得る。
【0088】
また、前記実施形態では、検出手段としての検出器24に複数の電圧計30a〜jが内臓されて、各電極22から導出される電気信号の電圧が、かかる検出器24にて検出されて、測定されるようになっている。しかしながら、例えば、そのような検出器24に、複数の電極22a〜jにそれぞれ接続された複数の電流計を設けて、これらの電流計にて、各電極22から導出される電気信号の電流を検出して、測定するように構成しても良い。
【0089】
さらに、前記実施形態では、カテーテル本体11が、チューブとして構成されて、このカテーテル本体11内に、針状管体12が挿入配置されている。これに対して、例えば、内視鏡等の管状部材にてチューブを構成し、そして、それらの管状部材の内部に、針状管体12を、その長手方向に移動可能に挿入配置することも、勿論可能である。
【0090】
なお、このようなチューブは、何等必須のものではない。即ち、針状管体12を、カテーテル本体11や内視鏡等の管状部材の内部に、挿入配置させることなく、体内に、針状管体12を、そのまま挿入せしめるように為すことも、可能なのである。
【0091】
また、前記実施形態に係る薬液注入装置は、カテーテル本体11を、患者の胸部に設けられた孔部より、患者の体内に挿入する形態において使用されている。しかしながら、その使用形態は、特に限定されるものではない。即ち、例えば、カテーテル本体11を血管等の管状器官に挿入する形態においても、有利に使用され得る。なお、このような形態において使用する場合には、カテーテル本体11の管壁に、側方に向かって開口する開口部を設け、この開口部を通じて、針状管体12の針部18が、外部に突出せしめられる構成とされていることが、望ましい。
【0092】
さらに、前記実施形態の薬液注入装置は、開胸手術(胸腔切開術)時に、針状管体12を、直接に心筋34に穿刺する形態においても、勿論使用され得る。
【0093】
加えて、前記実施形態では、本発明を、心筋の病巣部に対して薬液を注入する、体内電気検出機能を備えた薬液注入装置に適用したものの具体例を示した。しかしながら、本発明は、心筋以外の体内組織に薬液を注入する、体内電気検出機能を備えた薬液注入装置や、心筋以外の体内組織から電気信号を検出する体内電気信号検出装置の何れに対しても、有利に適用されるものであることは、勿論である。
【0094】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得る。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0095】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う体内電気信号検出機能を用いれば、単に、針体を、体内組織の所定部位に穿刺する簡単な作業を行なうだけで、体内組織の所定部位の状態を、外部から、極めて容易に且つ確実に判定することが出来る。そして、それによって、例えば、体内組織の病巣部のうち、未だ死滅していない部位に対する適切な治療や処置を、簡単に、しかも的確に行なうことが可能となる。
【0096】
また、本発明に従う、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置を用いれば、体内組織の病巣部に対して、薬液を注入する治療や処置等が、より十分な効果を確保しつつ、容易な作業にて、薬液を無駄にすることなく、極めて迅速且つ的確に行なわれ得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置の一例を概略的に示す、一部切欠図を含む正面説明図である。
【図2】図1に示される薬液注入装置に装備される針状管体の針部の一部を拡大して示す部分説明図である。
【図3】図1に示された薬液注入装置の針状管体に形成された各電極の検出器に対する接続形態と検出器の内部構造を模式的に示す説明図である。
【図4】図1に示された薬液注入装置を用いて、心筋の病巣部に所定の薬液を注入する操作手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示された薬液注入装置を用いて、心筋の病巣部に所定の薬液を注入する操作状態の一例を示す説明図であって、針部を心筋に接触させた状態を示している。
【図6】図1に示された薬液注入装置を用いて、心筋の病巣部に所定の薬液を注入する操作状態の別の例を示す説明図であって、針部を心筋に穿刺せしめた状態を示している。
【図7】図1に示された薬液注入装置を用いて、心筋の病巣部に所定の薬液を注入する操作状態の他の例を示す説明図であって、針部を心筋に穿刺せしめた別の状態を示している。
【符号の説明】
10 薬液注入カテーテル 11 カテーテル本体
12 針状管体 16 薬液流通管路部
18 針部 20 シリンジ
22 電極 24 検出器
26 導出部 30 電圧計
32 表示装置 34 心筋

Claims (4)

  1. 患者の体内組織に穿刺可能に構成された細管からなり、内部に供給された所定の薬液を先端から吐出する針状管体と、
    該針状管体の先端に設けられた先端電極と
    該先端電極より前記針状管体の穿刺方向に対して後方に位置するように、前記針状管体の長手方向に対して互いに所定の距離を隔てて、前記針状管体に設けられた複数の後方電極と、
    一方が前記先端電極及び前記複数の後方電極のそれぞれと電気的に接続され、他方が前記患者の穿刺される前記体内組織とは別の位置に接地されることにより、各電極から導出された電気信号を各電極毎にそれぞれ独立して検出する検出手段と、
    前記針状管体の先端を前記体内組織に接触させる第1の手技の際に、前記先端電極から検出される電気信号が予め設定された基準値以上であるか否かを判定する組織表面状態判定手段と、
    前記針状管体の先端が所望の穿刺深さに達したことを示す、前記複数の後方電極の1つから電気信号が検出されるまで、前記針状管体を更に前記体内組織に進入させる第2の手技の際に、前記体内組織に進入した前記先端電極から前記複数の後方電極のうちの前記所望の深さを示す電極までの電極のそれぞれから検出される電気信号が予め設定された基準値以上の電気信号を発生するか否かを判定する組織内部状態判定手段とを、
    含み、前記第1の手技を行ない、前記組織表面状態判定手段が条件を満たした後に、更に前記第2の手技を行ない、前記組織内部状態判定手段が条件を満たした後、該針状管体を介して、前記薬液を該体内組織に注入し得るように構成したことを特徴とする、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置。
  2. 前記先端電極及び前記複数の後方電極のそれぞれが、前記針状管体の周方向と長さ方向とにおいて互いに所定の距離を隔てて位置せしめられることによって、前記先端電極及び前記複数の後方電極が、互いに接触せしめられることなく、且つ該針状管体の先端までの距離が互いに異なる長さとされた状態で、該針状管体に設けられ、それら各電極にて導出される前記電気信号が、前記検出手段にて、各電極毎にそれぞれ独立して検出され得る請求項に記載の、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置。
  3. 前記先端電極及び前記複数の後方電極のうち、前記針状管体が前記体内組織に穿刺された状態下で、前記電気信号が導出されて、それが前記検出手段にて検出される電極と、該電気信号が導出されずに、それが該検出手段にて検出されない電極のそれぞれの針状管体の先端までの距離に基づいて、前記体内組織部位の状態を表示する表示手段を、更に有して構成されている請求項1又は請求項2に記載の、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置。
  4. 体内に挿入可能なチューブを更に含んで構成されると共に、かかるチューブの内部に、前記針状管体が、その長さ方向に移動可能に挿入配置されてなり、該チューブが体内に挿入された状態下で、該針状管体が、その長さ方向に移動せしめられることによって、該針状管体が、該チューブの体内挿入側の先端開口部または該チューブの壁部に設けられた孔部を通じて外部に突出せしめられて、前記体内組織に穿刺され得るようになっている請求項乃至請求項の何れか一つに記載の、体内電気信号検出機能を備えた薬液注入装置。
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