JP4249009B2 - 弾球遊技機及びカバーユニット - Google Patents

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Description

本発明は、弾球遊技機及びカバーユニットに関する。
一般に、パチンコ遊技機等の弾球遊技機には、ハンドル操作によって遊技球を発射する発射装置が設けられ、この発射装置によって発射された遊技球が特定入賞口(始動入賞口)を通過するのに応じて、可変表示装置に表示される特別図柄の変動(電子的な当否抽選)が開始される。そして、当否抽選の結果当選した場合には、可変表示装置に所定の特別図柄の組み合わせが表示され、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、特別入賞口(大入賞口)が開閉して遊技球を受け入れるので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
なお、出願人が認識している関連先行技術は文献公知発明に係るものではないため、先行技術文献情報は記載していない。
しかしながら、従来までの弾球遊技機は、遊技盤に設けられた電飾や可変表示装置を利用して演出を行うことによって遊技者の興味を引きつけて遊技性を高めているため、遊技を進めていくにつれて遊技者の興味が削がれてしまうことがあった。また、電飾や可変表示装置を機種ごとに応じて変更する必要があり、コストや手間が多くかかっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技を進めていくにつれて遊技者の興味が削がれることを防止することが可能で、且つ複数の異なる機種に対応して汎用的に利用可能な弾球遊技機及びカバーユニットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、遊技盤の遊技領域に遊技球を発射して遊技する弾球遊技機であって、第1の透明板部材と、第2の透明板部材と、薄板状の発光装飾板と、を備える。第1の透明板部材は、遊技盤の表面に対向配置されて遊技領域を覆う。第2の透明板部材は、第1の透明板部材の外面に対向配置され、第1の透明板部材との間に板状空間を区画する。発光装飾板は、面状発光体シートと、この面状発光体シートの表面上に配置されたデザインシートと、を有し、板状空間に配置されて第1及び第2の透明板部材と対向する。
上記構成では、遊技盤の遊技領域は、第1及び第2の透明板部材と発光装飾板(面状発光体シート及びデザインシート)とによって覆われる。面状発光体シートを発光させると、照射された光がデザインシートを透過し、デザインシートに施された意匠が光って見える。すなわち、第1及び第2の透明板部材によって区画された板状空間内の所望の位置に面状発光体シートとデザインシートとを配置すると共に、デザインシートに所望の意匠を施すという簡単な構成によって、遊技盤の表面から離れた第2の透明板部材の所望の領域で所望の意匠が面発光しているように見せることができる。例えば、デザインシートに対してシルク印刷等によって色調が変化するマルチカラーの意匠を部分的若しくは全体的に施すことにより、第2の透明板部材がいかにもマルチカラーで面発光しているように見せることができ、イルミネーション・グラフィックスの演出を行うことができる。従って、従来までの弾球遊技機には無い斬新な演出や、意外性のある演出や、遊技領域に存在する遊技球等と同調又は調和のとれた演出などを行うことが可能となり、遊技を進めていくにつれて遊技者の興味が削がれることを防止することができる。
デザインシートの意匠を、遊技盤上に配置された他の発光体と組み合わされたデザインとすることにより、他の発光体との組み合わせによる光演出を行うことができ、更に従来ではできなかった広域の面状発光ができるため、演出の幅がさらに拡がる。
遊技盤の表面から離れた第1及び第2の透明板部材によって板状空間を区画し、この板状空間に発光装飾板を配置しているので、遊技盤側の構成上の制限を受けることなく、発光装飾板を設けることができる。例えば、遊技盤の表面上に十分なスペースが確保できない場合であっても、所望の大きさの発光装飾板による装飾効果を得ることができる。また、同様の構成を有する複数の遊技盤に対して異なる意匠を有する発光装飾板(デザインシート)を配置することによって、種類の異なった弾球遊技機を得ることができる。これにより、種類の異なる弾球遊技機間における遊技盤の共通化を図ることができ、部品点数の低減による製造コストの削減や開発工数の削減を図ることができる。また、機種変更や仕様変更等にも容易に対応することができる。さらに、従来の弾球遊技機の遊技盤側の基本的な構成を変更することなく、従来の一般的な遊技盤に容易に適用することができるので、汎用性に富む。
デザインシートを面状発光体シートに近接して配置することができるので、発光の輝度を抑えた状態でデザインシートを十分に効率良く発光させることができる。このため、面状発光体シートの製品寿命を延ばすことができると共に、製品間における寿命のバラツキを抑えることができる。
発光装飾板は、第1及び第2の透明板部材によって区画された板状空間に配置され、発光装飾板と遊技盤との間には第1の透明板部材が存在し、第1の透明板部材の内面が遊技盤と対向する。従って、遊技球が発光装飾板に直接接触することが無く、発光装飾板の破損等を防止することができる。
また、弾球遊技機は、第1の透明板部材の周縁部分を支持する枠状の第1のフレームと、第2の透明板部材の周縁部分を支持する枠状の第2のフレームと、を備えてもよく、第1のフレームと第2のフレームとは、板状空間を開放する開位置と閉塞する閉位置とに開閉自在に連結されてもよい。
上記構成では、第1及び第2のフレームを開位置とすることにより、板状空間に対する発光装飾板の着脱を容易に行うことができる。
また、第1及び第2のフレームの少なくとも一方と面状発光体シートとデザインシートとに、第1及び第2のフレームが遊技盤に対する前面領域に配置された際に、発光装飾板が遊技領域の構造物に対応した前面領域に配置されるように、第1及び第2のフレームに対する面状発光体シート及びデザインシートの位置決めを行う位置決め取付部を設けてもよい。
上記構成では、位置決め取付部によって第1及び第2のフレームに対する面状発光体シート及びデザインシートの位置決めが行われるので、板状空間への面状発光体シート及びデザインシートの装着作業を容易に行うことができる。
また、弾球遊技機は、遊技盤の表面上に配置された特定入賞口と、特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて遊技者に少なくとも有利となる遊技利益を付与するか否かの抽選を行うと共に、その抽選結果とデザインシートの意匠とに基づいて面状発光体シートの発光状態を制御する制御手段と、制御手段と面状発光体シートとを解除可能に接続する通信接続手段と、を備えてもよく、面状発光体シートは、通信接続手段の接続解除に伴って取り外し可能とされてもよい。
上記構成では、面状発光体シートは、通信接続手段の接続解除に伴って板状空間から取り外し可能である。すなわち、通信接続手段を解除することにより、第1及び第2の透明板部材を遊技盤側と連結した状態のままで発光装飾板(面状発光体シート)を板状空間から取り外したり、発光装飾板を備えた状態のままで第1及び第2の透明板部材を遊技盤側から取り外すことができる。従って、面状発光体シートが故障した場合や、面状発光体シートの発光パターン(発光領域)を変更する場合や、デザインシートを変更する場合等において、その交換作業を容易に行うことができる。
また、制御手段は、面状発光体シートを駆動制御する発光駆動制御装置を有してもよく、発光駆動制御装置は、第1及び第2のフレームの少なくとも一方に装着されていてもよい。
上記構成では、発光駆動制御装置により、輝度と寿命とのバランスが良好となるように面状発光体シートの駆動電圧と周波数とを調整することができる。
発光駆動制御装置が、第1及び第2のフレームの少なくとも一方に装着されているので、発光駆動制御装置の点検作業や故障等が発生した場合の交換作業等を容易に行うことができる。
発光駆動制御装置を試験用の制御装置と接続して事前点検することができるため、弾球遊技機に組み込む前に不良品の判別を付けることができる。
第1の透明板部材と第2の透明板部材と発光装飾板とを、カバーユニットとしてアセンブリ化してもよい。
上記構成では、機種変更や故障等に起因して発光装飾板(面状発光体シート)を交換する場合に、カバーユニットごと交換することができ、作業性が一段と向上する。
本発明によれば、従来までの弾球遊技機には無い斬新な演出や、意外性のある演出や、遊技領域に存在する遊技球等と同調又は調和のとれた演出などを行うことが可能となり、遊技を進めていくにつれて遊技者の興味が削がれることを防止することができる。また、部品点数の低減による製造コストや開発工数の削減、及び機種変更や仕様変更等への対応の容易化を図ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る弾球遊技機の構成及び動作について説明する。この弾球遊技機は、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技者は、遊技球の供給に基づいて遊技を行う。
なお、本実施形態では、図1に示すような、現金等の対価を支払って遊技機設置営業店から遊技者が購入したプリペイドカードをプリペイドカードユニット(以下、CRユニットと称す)1に読み込ませることにより、遊技に使用する遊技球を借り受ける形態下で遊技者が遊技する遊技機の構成及び動作について説明する。より具体的には、この遊技機は、図3に示すように、借り受けた遊技球が予め定められた特定入賞口(スタートチャッカー、始動入賞口)2に受け入れられ入賞状態になった時に電子的な当否抽選を行い、抽選の結果が当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態となるように、特別入賞口(大入賞口)3を遊技球が入賞し易い状態にする弾球遊技機(以下、遊技機と称す)である。但し、本発明は、本実施形態の遊技機に拘らず、例えば、風俗営業の適正化等の規制及び業務の適性化等に関する法律(風営適正化法)及び同法施行規則において、パチンコ遊技機として区分されている遊技機について適用可能である。
[遊技機の構造概略]
本実施形態の遊技機は、外部的構造として、外枠(木枠)4、本体部材(本体)5、開口枠扉6、遊技盤7、球受皿付き扉8、球受皿9、回動式操作ハンドル(球発射ハンドル)10、球貸し関係操作部11、及び球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12等をその前面側に備えている。また、この遊技機は、内部的構造として、主制御装置13、副制御装置14、遊技球払出装置15、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、回収通路部材18、貯留タンク19、遊技球を払い出すときに用いる通路部材(賞球口)20、及びその他、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23等をその後面側に備えている。
以下、図1〜図7を参照して、本実施形態の遊技機の構成を、外部的構造、内部的構造、遊技領域の構成、及び電気的構成の順に詳しく説明する。
〔外部的構造〕
始めに、本実施形態の遊技機の外部的構造について説明する。
前記外枠4は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
前記本体部材5は、外枠4の内部に備えられ、ヒンジ部26を介して外枠4に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体部材5は、枠状に形成され、内側に空間部を有している。
前記開口枠扉6は、ロック機能25付きで且つ開閉自在となるように遊技機の前面側となる本体部材5の前面に対しヒンジ部26を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部27とした扉部材である。なお、この開口枠扉6には、開口部27に対向して後述するカバーユニット28が設けられ、さらに、開口部27近傍には、電飾29やスピーカ30が取り付けられている。
前記遊技盤7は、その盤面に遊技領域31を有し、本体部材5の空間部に臨むように、所定の固定部材を用いて本体部材5に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域31は、遊技盤7を本体部材5に装着した後、開口部27から観察することができる。
前記球受皿付き扉8は、遊技機前面において本体部材5の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。なお、本実施形態では、球受皿付き扉8には以下の部材が取り付けられている。
(1)複数の遊技球が貯留可能で且つ、発射駆動装置23へと遊技球を案内させる通路が設けられた球受皿9。
(2)発射駆動装置23へと案内された遊技球を遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出す操作を行う、遊技球の発射停止ボタン10aを備えた回動式操作ハンドル10。
(3)プリペイドカード読み込み処理関係、及び遊技者が借り受ける遊技球(以下、貸球と称す)の貸し出し処理関係の指示を行うボタンを備えた球貸し関係操作部11。
(4)球受皿9に貯留させた遊技球を遊技者が遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させるための球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12。
図8に示すように、前記カバーユニット28は、第1の透明板部材61と、第2の透明板部材62と、枠状の第1のフレーム63と、体状の第2のフレーム64と、薄板状の発光装飾板65と、発光駆動制御装置としてのインバータ基板66と、を備える。第1及び第2の透明板部材61,62は、ガラス製又は樹脂製であり、その周縁部分は、それぞれ第1及び第2のフレーム63,64に接着等によって固定されている。第1の透明板部材61と第2の透明板部材62とは、ほぼ同じ寸法形状を有する。
図9に示すように、第1のフレーム63と第2のフレーム64とは、その一側縁同士が上下2カ所のヒンジ67によって回転自在に連結され、これにより開閉自在となる。第1のフレーム63の他側縁には上下2カ所の係合突起69が形成され、第2のフレーム64の他側縁には係合突起69に対応する上下2カ所の可撓性係止枠70が形成されている。図11及び図12に示す閉位置では、第1のフレーム63と第2のフレーム64とが接触又は近接した状態で重なり合い、第1の透明板部材61の外面61a(遊技領域31側を内面61bとする)と第2の透明板部材62の内面62b(遊技者側を外面62aとする)とが略平行に対向配置され、第1及び第2の透明板部材61,62の間に板状空間68が区画される。この板状空間68は、発光装飾板65を収容すると共に、第1及び第2の透明板部材61,62の曇りを防止する空気層として機能する。また、係合突起69が可撓性係止枠70に挿入されて相互に係合することにより、第1及び第2のフレーム63,64が閉位置に保持される。係合突起69と可撓性係止枠70との係合が解除され、第1及び第2のフレーム63,64が閉位置から開位置へ開移動すると、板状空間68が開放される。
第1のフレーム63の一側縁には、上下2カ所の連結部71が形成され、開口枠扉6には、連結部71に対応する上下2カ所(図5に示す)のカバー支持部72が形成されている。図13に示すように、各連結部71は、下方に向かって突出する回転支持軸73を有し、各カバー支持部72は、回転支持軸73を回転自在に支持する軸支孔74を有する。この軸支孔74に回転支持軸71を装着することにより、カバーユニット28は、開口枠扉6に回転自在に連結される。
第2のフレーム64の他側縁には、上下2カ所のロック片75が形成され、図5に示すように、開口枠扉6には、ロック片75に対応する上下2カ所のカバー固定部76が回転自在に設けられている。各カバー固定部76は、ロック片75との係止片77を有し、第2フレーム64が開口枠扉6の開口部27の裏面側周縁部分に接触又は近接した状態で、各カバー固定部76を回転させて各係止片77を各ロック片75と係合させることにより、カバーユニット28は、その回転移動が規制されて開口枠扉6に固定される。係る状態で、開口枠扉6を閉じることにより、カバーユニット28(第1の透明板部材61の内面61b)は遊技盤7の表面に対向配置されて遊技領域31を覆い、第2の透明板部材62の外面62aは遊技者側に露出する。
図8に示すように、発光装飾板65は、面状発光体シートとしてのEL(ElectroLuminescence)発光体シート78と、EL発光体シート78の表面に着脱自在に重ねられたデザインシートとしてのセルシート79とを有し、板状空間68(図12に示す)に配置されて第1及び第2の透明板部材61,62と対向する。EL発光体シート78は、超薄型(例えば、厚さが0.05mm程度)であり、全面的又は部分的に面発光する。セルシート79は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明樹脂シートの表面にシルク印刷によって意匠(例えば、立体的なグラフィックデザイン)が施されたものであり、EL発光体シート78の表面全域を覆う。セルシート79の意匠は、EL発光体シート78の発光領域に対応して着脱自在に配置されている。また、セルシート79の意匠に遮光性を持たせることにより、マスキングによる部分発光も可能であり、また部分的な領域のみを交換対象とすることもできる。なお、セルシート79の意匠の例を、図16及び図17に示す。
図8に示すように、第1のフレーム63の表面(第1の透明板部材61の外面61a側)には、位置決め取付部としての複数(本実施形態では5カ所)の凹部80が形成され、EL発光体シート78とセルシート79とには、それぞれの周縁部分から外側へ突出する位置決め取付部としての複数(本実施形態では5カ所)の突片部81,82が凹部80に対応して形成されている。各凹部80は突起83を有し、各突片部81,82は突起83が挿通される突起挿通孔84,85を有する。第1のフレーム63の内周面63aには、周方向及び幅方向に互い違いにずれた位置に配置されて発光装飾板65の周縁部分を外面側(第2の透明板部材62と対向する側)及び内面側(第1の透明板状部材61と対向する側)から挟む仮保持突部86及び突片87が形成されている(発光装飾板65の周縁部分が仮保持突部86と突片87との間に差し込まれて挟まれた状態を図10に示す)。発光装飾板65の各突片87は、後述する第2のフレーム64の当接部90と対向して配置されている。図9に示すように、第2のフレーム64の裏面(第2の透明板部材62の内面62b側)には、第1のフレーム63の凹部80に対する複数(本実施形態では5カ所)の凸部88が形成されている。各凸部88は突起83が挿入される突起挿入穴89を有する。第2のフレーム64の内周面には、第1のフレーム63側へ向かって突出する当接部90が形成されている。当接部90は、第1及び第2のフレーム63,64を閉位置に固定した状態で、発光装飾板65を第1のフレーム63の突片87との間で挟持する機能を有する。
第1及び第2のフレーム63,64を開位置に設定し、各突片部81,82を凹部80に収容し、各突起挿通孔84,85の各突起83を挿入すると共に、EL発光体シート78及びセルシート79の周縁部分を仮保持突部86と突片87との間に差し込むことにより、発光装飾板65(EL発光体シート78とセルシート79)が第1のフレーム63に対して位置決めされ保持される。そして、第1及び第2のフレーム63,64を開位置から閉位置へ移動させると、第2のフレーム64の各凸部88が第1のフレーム63の各凹部80に収容され、各突起83が各突起挿入穴89に挿入されると共に、第2のフレーム64の当接部90が発光装飾板65の外面(セルシート79の表面)を押圧する(図12及び図14に示す)。これにより、発光装飾板65が第1及び第2のフレーム63,64に対して固定されると共に、当接部90からの押圧により第1及び第2のフレーム63,64に対する発光装飾板65のがたつきが防止される。係る状態で、第1のフレーム63と第2のフレーム64とを固定し、カバーユニット28を開口枠扉6に固定し、開口枠扉6を閉じることにより、カバーユニット28が遊技盤7に対する前面領域に配置され、発光装飾板65が遊技領域31の構造物(特定入賞口2、特別入賞口3、可変表示装置34等)に対応した前面領域に配置される。
なお、本実施形態では、位置決め取付部(凹部80)等を第1のフレーム63に設けたが、これらを第2のフレーム64に設けてもよい。
第1のフレーム63の上部には、前記インバータ基板66が装着されるインバータ収容部91が一体的に形成されている。インバータ基板66は、EL発光体シート78の輝度と寿命とのバランスを保つために駆動電圧(例えば、50v〜100v)と周波数とを変化させるインバータ回路を有する。インバータ収容部91には、インバータ基板66を覆うインバータカバー92が取り付けられる。
EL発光体シート78の上端縁とインバータ基板66との間、及びインバータ基板66と開口枠扉6側の主制御装置13との中継接続部94b(図15参照)との間は、それぞれ通信接続手段としてのハーネス93,94によって電気的に接続される。ハーネス93は、インバータ基板66に対して着脱自在に接続され、ハーネス94は、開口枠扉6側の中継接続部94bに対して着脱自在に接続される。ハーネス93をインバータ基板66から外すことにより、EL発光体シート78が第1のフレーム63から取り外し可能となる。また、ハーネス94を開口枠扉6側の中継接続部94bから外すことにより、カバーユニット28側と開口枠扉6側との電気的な接続(電源供給や制御信号の送信などのインターフェース)が解除され、連結部71とカバー支持部72との連結解除により、カバーユニット28が開口枠扉6から取り外し可能となる。
なお、セルシート79をEL発光体シート78に貼着したり、セルシート79を第2の透明板部材62に貼着したり、EL発光体シート61を第1の透明板部材61に貼着してもよい。また、EL発光体シート78及びセルシート79は、板状空間68に部分的に配置してもよく、また隣接した位置や離間した位置に複数配置してもよい。
〔内部的構造〕
次に、本実施形態の遊技機の内部的構造について説明する。
前記主制御装置13は、本発明に係る制御手段として機能し、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられている。この主制御装置13は、電気的な遊技制御の処理を行い、主要な処理情報を生成する。
前記副制御装置14は、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられ、主制御装置13が生成した処理情報に従って、所定の出力態様処理を実行させる制御を行う装置である。なお、詳しくは後述するが、副制御装置14は、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置14dを有する。ランプ制御装置14bは、主制御装置13と共に本発明に係る制御手段として機能する。
前記遊技球払出装置15は、予め定められた入賞条件が成立するのに応じて遊技利益として所定数の遊技球を払出す(以下、賞球と称す)駆動源を備えた装置である。
前記球貸信号制御装置16は、プリペイドカード読み込み処理関係、及び貸球の貸し出し処理関係の制御を行う装置である。
前記可動物制御装置17は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技領域31内に配設された複数の可動物(例えば、可動片44、可動扉45、入賞領域振分物、演出用移動物等)を作動状態にするための装置であり、複数の可動物に対応して個別に設けられている。なお、本実施形態の可動物制御装置17は、可動片駆動装置、可動扉駆動装置、入賞領域振分駆動装置、及び演出用移動物駆動装置を有する。
前記回収通路部材18は、回動式操作ハンドル10によって遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出された遊技球を遊技盤7の裏側へと回収する通路(俗称、集合樋)となる部材である。
前記遊技球を払い出す時に用いる通路部材20は、球受皿9に賞球又は貸球を案内する通路となる部材である。
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて遊技機内の各制御装置に対して電力を供給する装置である。
前記発射制御装置22は、回動式操作ハンドル10を介して遊技球を遊技領域31へと打ち出す操作が行われた時に、発射作動間隔(例えば、1分間に遊技球を100球発射させるようにする等)の制御と、回動式操作ハンドル10の回動量に応じた遊技球の発射強度の調整を行う装置である。
前記発射駆動装置23は、発射制御装置22による打ち出し制御に応じて、遊技球の打ち出し駆動部を作動させ、遊技球を遊技領域31へと打ち出す装置である。
〔遊技領域の構成〕
次に、本実施形態の遊技機の遊技領域31の構成について説明する。
前記遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成され、回動式操作ハンドル10によって打ち出された遊技球の移動範囲を規制する領域である。なお、遊技球規制レール33は前記ガイドレール32に連続的に接続するように構成され、ガイドレール32と遊技球規制レール33は全体として螺旋をなして遊技盤7の盤面に配設されている。
また、遊技領域31内には、可変表示装置(特別図柄表示装置)34、LED(Light Emitting Diode)表示装置35、ステージ36、所定入賞口(一般入賞口)37、所定通過口(スルーチャッカー)38、アウト口39、遊技釘(図示省略)、風車40、特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42、演出用表示ランプ43等が設けられている。
前記可変表示装置34は、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた入賞口への遊技球の入賞等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別表示情報(例えば、図柄、キャラクタ、背景画像等)を可変表示させた後に停止表示する表示制御装置である。なお、この可変表示装置34には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、ドラム式表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグ表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置等の表示装置を適用することができる。
前記LED表示装置35は、遊技者への様々な情報をLEDにより表示する装置であり、例えば、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた通過口への遊技球の通過等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別点灯情報をLEDにより可変表示させた後に停止表示する。
前記ステージ36は、可変表示装置34の下方において遊技球を一時的に滞在状態とし、その後、遊技球の落下を許容する踊り場部を備えた構造物である。
前記所定入賞口37は、遊技領域31内における適宜な位置に複数設けられ、落下してくる遊技球を受け入れる開口部を備えた構造物である。なお、特定入賞口2及び特別入賞口3もこの所定入賞口37に含まれる。
ここで、前記特定入賞口2とは、複数の入賞口のいずれかであって、入賞口の開口範囲の拡縮を行わせる電動式の可動片44を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、可変表示装置34に識別表示情報を可変表示させると共に、遊技者に賞球を獲得させる入賞口である。また、前記特別入賞口3とは、複数の入賞口のいずれかであって、入賞口を露出させる開口状態と入賞口を閉鎖する閉口状態を生成する電動式の可動扉45を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、他の入賞口と比較して多くの賞球を遊技者に獲得させる入賞口である。なお、以下では、特定入賞口2及び特別入賞口3以外の複数の所定入賞口37をその他入賞口37と称する。
前記所定通過口38は、遊技領域31内における適宜な位置に所定数設けられ、落下してくる遊技球を通過させるゲートを備えた構造物である。
前記アウト口39は、所定入賞口37のいずれにも入ることがなかった遊技球を集束する位置に設けられた遊技球の回収開口部である。
前記遊技釘53は、遊技球と接触させることにより遊技球の移動方向を不規則にする、若しくは遊技球の移動方向を規制するために、遊技盤7の盤面の適宜な位置に打ち込まれる複数の棒状部材である。
前記風車40は、遊技球の接触によって自転可能な回転部材である。
前記特定保留数表示ランプ41は、前記特定入賞口2への入賞後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
前記通過保留数表示ランプ42は、前記所定通過口38への通過達成後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
前記演出用表示ランプ43は、電源投入後の遊技状態の変化に応じて多彩な点灯態様とする発光装置である。
〔電気的構成〕
次に、本実施形態の遊技機の電気的構成について説明する。
本実施形態となる遊技機は、電気的構成として、CRユニット1、主制御装置13、副制御装置14、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23、検知センサ47、集中管理装置48等を備える。なお、CRユニット1、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、及び発射駆動装置23の構成は上述の通りであるので、以下ではその説明を省略する。
前記主制御装置13は、CPU(Central Processing Unit:中央命令処理部)13a、予め定められた制御プログラム(コンピュータプログラム)を格納するROM(Read Only Memory:書換不可記憶部)13b、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory:書換可能記憶部)13c、周期的な信号を発生させる周波数発生回路部13d等により構成され、遊技機内における主要な情報処理を行うと共に、副制御装置14に入力する処理情報を生成する装置である。
前記副制御装置14は、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置14dにより構成され、主制御装置13が生成した処理情報に従って所定の出力態様処理を行う。なお、副制御装置14は、出力態様処理毎の装置として構成しても、各出力態様処理を複数組み合わせて構成してもよい。また、副制御装置14を構成する各制御装置は、処理情報に従って独立して処理を実行可能なように、内部にCPU,ROM,RAMを備える。
ここで、前記図柄制御装置14aは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ(VDP)50を介して可変表示装置34、又はLED表示装置35を制御することにより、識別点灯情報又は識別表示情報を変動表示させた後に停止表示する制御を行う装置である。
前記ランプ制御装置14bは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、開口枠扉6の電飾29(演出報知ランプ、払出ランプ、トラブルランプを含む)や遊技領域31内に設けられた演出用表示ランプ(電飾)43、又は特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42、EL発光体シート78等を点灯制御する装置である。EL発光体シート78に対する制御は、セルシート79の意匠に応じた点灯領域の変更を含む。なお、特定保留数表示ランプ41又は通過保留数表示ランプ42が表す情報は可変表示装置34による識別表示情報として報知してもよい。
前記音声制御装置14cは、主制御装置13が生成した処理情報に従ってスピーカ30やサウンドプロセッサ等の音声発生装置51を制御して音声を発生させる装置である。
前記払出制御装置14dは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技球払出装置15により所定数の賞球を払出す制御を行う装置である。また、前記払出制御装置14dは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、球貸信号制御装置16を介して、CRユニット1に読み込ませたプリペイドカードに格納したデータ情報を参照して、所定数の貸球を払出す制御を行うと共に、貸球の払出し個数を計数して管理をする装置である。
前記検知センサ47は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより構成される。そして、各検知センサはそれぞれ、特定入賞口2、特別入賞口3、入賞特定領域(例えば、特別入賞口3の略中央部より右側領域)、所定通過口38、その他入賞口37、賞球口20、及び球詰まりが発生し易い球通路部材49の球通路49a近傍に設けられ、各場所における遊技球の通過の有無を検知する。
前記集中管理装置48は、主制御装置13が生成した処理情報を遊技機の外部において管理する装置である。
[遊技機の動作]
次に、本実施形態の遊技機の動作を主制御装置13、副制御装置14、及び可動物制御装置17の動作に分けて説明する。
〔主制御装置の動作〕
始めに、主たる遊技制御を行う主制御装置13の動作について説明する。
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて、遊技機の電気的な制御装置に対し電力を供給する。そして、主制御装置13のCPU13aは、電源が供給されると、初期設定として下記必要確認事項のチェックを行い、遊技機が適正な起動状態となっているか否かをチェックする。
ここで、本実施形態におけるメインルーチン処理は、主制御装置13に備えられたROM13bに予め格納された制御プログラム(コンピュータプログラム)により実行される。そして、主制御装置13のCPU13aは、メインルーチン処理として、乱数更新処理、入力検知受信処理、入力管理処理、異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、準備球払出処理、外部情報管理処理、及び出力管理処理を行う。
なお、このメインルーチン処理とは、周波数発生回路部13dが生成する周期的な信号に基づく分周設定により定期的なタイミングパルス(例えば4ミリ秒)を生成し、生成されたタイミングパルスに合わせて、CPU13aが、前記各処理の読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。
以下、前記メインルーチン処理の各処理のうち乱数更新処理、入力検知受信処理、入力管理処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び出力管理処理について詳しく説明する。
『乱数更新処理』
前記乱数更新処理は、抽選遊技処理と複数の所定数値群のグループから成る乱数生成範囲とを対応するように個別の種類毎に設定し、この設定に基づいて乱数を生成する処理である。なお、本実施形態における乱数とは、抽選遊技処理毎に応じた乱数生成範囲を設定した乱数生成プログラム(例えば、当否判定用の乱数生成範囲は0〜699、変動パターン決定用の乱数生成範囲は0〜39、表示図柄決定用の乱数生成範囲は0〜11等)に従って、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて前記乱数生成範囲内において数値を+1ずつ更新した時の数値を意味する。また、この乱数更新処理は、主制御装置13のROM13bに格納される制御プログラムによるソフトウェア的な処理に限られず、外部に設けられた物理的装置となる乱数発生手段に基づいて乱数の更新処理を行わせ、この乱数を主制御装置13のCPU13aに取り込んで乱数抽出の制御処理をさせるようにしてもよい。
『入力検知受信処理』
前記入力検知受信処理は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより生成された入力情報があるか否かをタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視、及びセンサからの入力情報を受信する処理である。
『入力管理処理』
前記入力管理処理は、入力検知受信処理により受信した入力情報を解析し、どの検知センサからの入力信号であるか等の解析結果に応じて、例えば、複数の入賞口毎に入賞させた各々の遊技球個数の計数管理や、入賞検知に係る受信時から該入賞に基づく制御処理が開始されるまでの時間管理等の処理を行い、後述する異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、及びランプ管理処理を行う上で、適宜に該処理結果を使用できるようにする処理である。
『特別図柄制御処理』
前記特別図柄制御処理は、特定入賞口2の近傍に設けられた特定入賞球検知センサ47aから入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選(大当たり抽選)を行い、当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)となるように特別入賞口3に遊技球が入賞し易くする処理である。また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、可変表示装置34で識別表示情報(以下、特別図柄と称す)を表示制御することに関係する処理も行う。
ここで、特別図柄とは、前記特定入賞口2への遊技球の入賞に基づく前記当否抽選の結果を可変表示する複数の識別情報(例えば、左・中・右の3つの図柄)である。抽選結果が当選の場合には、複数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせで停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄が全て同じ図柄で揃った状態)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して短時間に多くの賞球が獲得可能な状態が連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、複数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ以外で停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄のうち少なくとも一つが他と異なっている状態)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。
また、前記特別図柄における可変表示とは、予め設定された、互いに異なる複数種類の特別図柄(例えば、12種類)を、所定速度で周期的に順次表示させる態様を、複数の表示領域(例えば、左・中・右等の3つ)にて行う表示方法である。以下、可変表示及びこれに付随する背景変動(キャラクタ表示を含む)における演出を報知演出と称する。
この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、特定入賞口2への遊技球の入賞を契機として、乱数抽出による予め定められた数値の比較に応じた当否抽選、及び該抽選結果に係る表示制御を行うために、当否判定(抽選)用となる有利な遊技状態に移行させるか否かの当否用の乱数と、可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた可変表示となる報知演出をするための変動パターン決定用の乱数と、同じく可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた停止表示の態様とするための特別図柄決定用の乱数とを乱数更新処理にて生成する。そして、主制御装置13のCPU13aは、生成した乱数を個別に読み出し、取得乱数として記憶手段に記憶する。
また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、乱数の取得時点で既に特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件として記憶させた当否用の取得乱数と、数値振分けデータ群としてテーブルに予め設定されている当否用比較数値とを照合して比較することで当否判定を行い、その結果である当否情報を記憶手段に記憶する。
次に、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用の変動パターン比較用数値と、該記憶された変動パターン決定用の取得乱数とを、記憶手段に記憶した当否情報に応じて照合して比較することにより、変動パターン決定判定を行い、その結果である当たり又は外れ用とする変動パターン情報(パターン番号)を記憶手段に記憶する。
さらに、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用から成る停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)の特別図柄比較用数値と、該記憶された特別図柄決定用の取得乱数とを、前記記憶した当否情報と当たり又は外れ用とする変動パターン情報に応じて照合して比較することにより、特別図柄決定判定を行い、その結果から得られる複数の特別図柄のそれぞれを個別に停止表示させる、当たり又は外れ用となる特別図柄情報(左・中・右の特別図柄番号)を記憶手段に記憶する。
ここで、変動パターン比較用数値、或いは特別図柄比較用数値を有するテーブルとこれに対応させた取得乱数とに応じて照合して比較することは、当たりの場合は当たり用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断し、外れの場合は外れ用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断することにより、合致するものを探し出す処理である。そして、前記合致に応じた当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号が記憶手段に記憶される。
なお、前記乱数発生手段による乱数の取得時点において、「特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件に当否判定を行う」としたが、該契機条件は任意に設計変更可能なものとする。
これまで説明した特別図柄制御処理により、特定入賞口2における入賞後に得られる処理情報として、以下の情報が生成される。
(1)当たり又は外れ用の変動パターン番号。
(2)所定の可変表示領域に対し一時的に停止表示(微動表示を含む)をさせる、当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号。
(3)該一時的に停止表示をさせる複数の特別図柄に対して停止表示の態様とさせるための確定停止指示番号。
(4)前記当否判定における当たりの場合の大当たり移行指示番号。
そして、後述する出力管理処理を介して副制御装置14側へ前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号を送信する時に、決定された変動パターンに対応する制御処理実行時間を主制御装置13のCPU13aにて設定し、カウント演算処理を行わせるタイマを更新する。なお、このタイマによる制御処理実行時間の経過に応じたタイミングで確定停止指示番号と前記当否判定における当たりの場合の大当たり移行指示番号が出力管理処理を介して送信される。
従って、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるか否かは、例えば、当否判定用の抽選遊技処理と、0〜697個の「外れ用数値」に通常用当たりと対応付けられた「特別用数値」、及び該通常用当たりよりも有益な当たりとして対応付けられた「特集用数値」を含めた計700個から成る「乱数生成範囲」とを対応するように前記乱数更新処理において設定し、前述した特定入賞口2への遊技球の入賞時に応じたタイミングで更新された数値が乱数として読み出し取得され、該取得乱数が「特別用数値」又は「特殊用数値」となるかの当否判定の結果によって決定する。すなわち、該入賞を契機とした1/350の抽選確率で当たり判定となる場合に前記移行させる条件が満たされることとなる。
また、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるための前記特別図柄の組み合わせ(例えば、左・中・右の特別図柄が同種の並び態様)を当たり停止表示の態様とした時、その一歩手前の未確定表示を所謂リーチ演出と称するが、そのようなリーチ演出等を含む、その他の様々な報知演出の内容は、(a)前記当否判定された当たり又は外れの結果と、(b)前述した特定入賞口2に対する遊技球の入賞タイミングによって読み出される変動パターン決定用及び特別図柄決定用の取得乱数とに基づいて決定する。すなわち、前記図柄制御装置14aを介した可変表示装置34にてランダムに可変表示し得るようになる。
なお、前記乱数発生手段により乱数の取得時点において、特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていた場合には、主制御装置13のCPU13aは、該制御処理が終了するまで、読み出し結果である特別図柄制御に係る取得乱数又は前記表示態様の実行のための処理情報を記憶手段に記憶し、記憶したことを報知するために、乱数等の格納毎に特定保留数表示ランプ41を1つずつ点灯すべく、副制御装置14(ランプ制御装置14b)側へ送信する点灯命令情報を生成する。
そして、可変表示している変動パターンの変動表示時間の推移を管理すべく設定しているカウント演算による更新をしているタイマに基づいて、主制御装置13のCPU13aが、停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて、記憶手段に記憶された不必要な取得乱数又は処理情報の削除を行うと共に、確定停止指示番号を送信した時に、特定保留数表示ランプ41を1つずつ消灯させる。すなわち、副制御装置14(ランプ制御装置14b)は、特定保留数表示ランプ41の点灯処理が行われている場合には、該確定停止指示番号を消灯命令処理情報として用いるようになる。
なお、本実施形態では、前記取得乱数又は処理情報を記憶手段に記憶させる時に、記憶すべき該取得乱数又は処理情報の上限個数(例えば、5個)を予め定めておき、先行制御処理に係る取得乱数又は処理情報の記憶を含めた合計記憶個数が上限の場合、主制御装置13のCPU13aは、該取得乱数又は処理情報を生成する条件が満たされていても無効条件成立として、記憶する制御は行わず、特別図柄制御の当否判定も行わない。
また、この特別図柄制御処理では、前記有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの当否判定の結果が当たりとなり、この当たり結果を報知するため、前記特別図柄の組み合わせによる予め定められた停止表示の態様を実行する場合において、主制御装置13のCPU13aは、以下のような処理をする。すなわち、主制御装置13のCPU13aは、当たりに対応して、前記有利な遊技状態に移行させるために、(a)前記特別入賞口3に対して閉口するように備えさせていた可動扉45を開口状態とし、(b)該開口状態が所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞口3に対して所定個数(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかのいずれかの条件を満たすことを条件に、可動扉45を閉口制御し、さらに、(c)該開口状態中に入賞した遊技球のいずれかが特別入賞口3内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、可動扉45を連続的に開口状態とし、(d)前述と同様の条件成立の推移にて可動扉45を開閉することを、所定上限回数(例えば、16回)が達成されるまで繰り返すよう指示する処理情報を生成する。
さらに、前記当否用の取得乱数と当否用比較数値のテーブルとの照合による当否判定時に、該取得乱数が「予め定められている特殊用数値(例えば、当たり確率上昇変動状態への移行と対応させた数値)」による当たりである、と判定された場合には、主制御装置13のCPU13aは、前記有利な遊技状態の終了後において用いるテーブルを、例えば、当選確率が1/350から1/75となるような当たり発生確率が高いテーブルへと参照テーブルを変更し、その後、前記特定入賞口2への入賞に基づく可変表示の回数が所定回数(例えば、10000回)となるまでか、又は特別図柄制御に係る当たりと判定される条件が満たされたら、変更前のテーブルに戻すように指示するための処理情報を生成する。このような処理情報で制御される遊技状態を特典遊技状態ということとする。
また、前記特典遊技状態における別の実施形態として、1つの変動パターンに係る変動表示時間が通常遊技状態時と比較して短い変動パターンを設定したテーブルを設け、特殊乱数による当たりと判定された場合、主制御装置13のCPU13aは、該テーブルへと参照テーブルを変更し、前記特定入賞口2への入賞に基づく可変表示の回数が所定回数(例えば、10000回)となるまでか、又は、特別図柄制御に係る当たりと判定される条件が満たされたら、変更前のテーブルに戻すよう指示する処理情報を生成するようにしてもよい。すなわち、本発明においては、前記特典遊技状態の形態には拘らない。
『普通図柄制御処理』
前記普通図柄制御処理は、遊技者にとって有利な遊技状態とする処理であり、所定通過口38近傍に設けられた通過球検知センサ47dからの入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選を行い、当選の場合に前記特定入賞口2の入口両側に設けた可動片44を拡大して、その開口範囲を拡大させ、打ち出した遊技球を該特定入賞口2に入り易くする処理である。また、この普通図柄制御処理では、LED表示装置35で普通図柄と称される識別情報を表示制御する処理も行う。
ここで、普通図柄とは、前記通過球検知センサ47dからの入力情報に応じた当否抽選の結果を可変表示又は点滅表示する所定数の識別情報(例:「○・−」→当選図柄、「−・×」→外れ図柄)である。抽選結果が当選の場合には、所定数の識別情報が予め定められた特定の組み合わせで停止した表示態様(例:「○・−」)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、小当たり)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して、打ち出した遊技球が入賞し易い状態が単発的又は連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、所定数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ以外で停止した表示態様(例:「−・×」)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。なお、本発明においては、識別情報を表示制御するLED表示装置35の代わりに、前記可変表示装置34又はドラム式やドットマトリクス式の表示装置等でもよく、表示方法には拘らない。
『ランプ管理処理』
前記ランプ管理処理は、前記入力管理処理にて生成する入賞処理情報等のランプ点灯に係る処理情報があるか否かを、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視し、該ランプ点灯に係る処理情報がある場合に、その処理情報に対応した出力態様となる発光処理情報を生成する処理である。そして、主制御装置13のCPU13aは、前記生成した発光処理情報を副制御装置14側へ送信し、ランプ管理処理における点灯報知の出力態様とし実行するべく、該発光処理情報を記憶手段に記憶する。この発光処理情報は、EL発光体シート78の点灯制御を実行する情報を含む。
『出力管理処理』
前記出力管理処理とは、異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び準備球払出処理により生成された処理情報を、副制御装置14側へ送信するために、出力データを編集し、該処理情報の出力タイミングを通知するためのストローブ(STB)信号を伴わせて、該出力編集した記憶情報を送信する処理である。
〔副制御装置の動作〕
次に、副制御装置14の動作について説明する。
前記副制御装置14は、電源投入による起動開始時、初期設定を行い、必要確認事項のチェック処理を行う。そして、チェック処理結果が正常であれば、該副制御装置14におけるメインルーチン処理への移行を許可し、主制御装置13のCPU13aから送信された記憶情報である主制御起動開始情報等を受信する。
なお、前記副制御装置14のメインルーチン処理とは、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置14dのそれぞれに備えられたROMに予め格納された主要な制御プログラムを、周波数派生回路部13dで生成した定期的なタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に合わせて、読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。以下、前記副制御装置14のメインルーチン処理における基本的な処理の一例について説明する。
始めに、副制御装置14は、前記出力管理処理にて送信した処理情報を受信したか否かをタイミングパルスに応じて監視し、受信が行われている場合に記憶手段(例えば、RAM)に記憶する。次に、副制御装置14は、該受信した処理情報の解析処理を行い、どのような遊技状態における異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び球払出処理のいずれかの処理情報(先行コマンド)で且つ、どのような出力態様を実行させる処理情報(後続コマンド番号)かの判別を行う。
そして、副制御装置14は、該解析処理の結果に応じたフラグの設定、及び出力態様に係る制御処理実行時間に基づきカウント演算するタイマを設定し、予め定められた制御プログラムを格納する記憶手段(例えば、ROM)から、該解析処理の結果に応じた出力態様用の制御プログラムを読み出して実行する制御処理を行う。
以下、処理情報を受信した場合の、図柄制御装置14aの特別図柄制御に関する動作及びランプ制御装置14bの動作について説明する。
『図柄制御装置の動作』
処理情報が特別図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号と、所定の可変表示領域に対し一時的な停止表示(微動表示を含む)をさせる当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号(例えば、左・中・右の3つ)であった場合、図柄制御装置14aは、特別図柄制御用の通常遊技状態における当否に基づいて予め分類して記憶してある報知演出分類テーブルと、該変動パターン番号とを照合して比較することで当たり又は外れ用の報知演出分類テーブルを決定する。
そして、図柄制御装置14aは、前記決定した報知演出分類テーブルに基づいて、該図柄制御装置14aに設けられた演出選択用乱数を更新する乱数発生手段から、前記変動パターン番号の受信に応じ読み出して記憶手段に記憶させた取得乱数との照合による比較により、当たり用の報知演出データ又は外れ用の報知演出データを設定する。
また、図柄制御装置14aは、所定の可変表示領域に対し停止表示を行う複数種類の特別図柄がプログラムされている通常遊技状態用の特別図柄分類テーブルと、該複数の特別図柄番号との個別の照合による比較により、前記可変表示装置34にて停止表示を行う当たり又は外れ用の複数の特別図柄データのそれぞれを設定する。なお、特別図柄分類テーブルに格納された停止表示用の特別図柄は、一時的な停止を含むようにしてもよい。その後、図柄制御装置14aは、VDP50を介する可変表示装置34にて、該設定した報知演出データと複数の特別図柄データに応じた、可変表示及び停止表示の表示制御を行う。
なお、図柄制御装置14aは、前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号の送信又は受信に応じて、カウント演算による更新を行う前記主制御装置13又は副制御装置14のタイマによる、表示制御に係る処理実行時間の経過のタイミングに基づいて送信又は受信する確定停止指示番号に従って、可変表示の表示制御が行われた複数の特別図柄に対して停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)とする処理を行う。
また、前記確定停止指示番号の受信時において、大当たり移行指示番号を受信していた場合、図柄制御装置14aは、遊技者にとって有利な遊技状態の報知演出データを設定し、前記停止表示の態様とした後に大当たり用の表示制御を行う。なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における情報であった場合には、図柄制御装置14aは、特別図柄制御に係る前記報知演出分類テーブル又は特別図柄分類テーブルに参照テーブルを変更し、該有利な遊技状態又は特典遊技状態の時に行う可変表示及び停止表示とする当たり又は外れ用の報知演出データ、及び当たり又は外れ用の複数の特別図柄データを設定する。
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技となる状態又は特典遊技状態における記憶情報であった場合には、図柄制御装置14aは、普通図柄制御に係る前記点滅演出分類テーブル又は特別図柄分類テーブルが参照するテーブルの変更を行い、該有利な遊技となる状態又は特典遊技状態の時に行う点滅表示する当たり又は外れ用の点滅演出データ、及び当たり又は外れ用の複数の特別図柄データを設定する。
『ランプ制御装置の動作』
受信情報が、特別図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは大当たり移行指示番号であった場合には、ランプ制御装置14bは、特別図柄制御用の通常遊技状態における発光データテーブルに基づいて、該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた発光データを設定し、盤面関係の電飾43及び/又は枠扉関係の電飾29にて該設定した発光データに応じた発光態様となるようにランプ点灯処理を行うと共に、該当する場合にはEL発光体シート78の点灯処理を行う。
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における記憶情報(発光処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、該有利な遊技状態又は特典遊技状態における発光データテーブルを参照して、通常遊技状態用とは異なる発光態様となる発光データを設定する。
また、該受信情報が、特定保留数表示ランプ41を点灯させるための、特別図柄制御用の通常遊技状態又は前記有利な遊技状態又は特典遊技状態における記憶情報(点灯命令処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、特定保留数表示ランプ41を1つずつ点灯させ、前記主制御装置13のタイマに基づく停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて送信された確定停止指示番号から成る情報の受信に応じて、特定保留数表示ランプ41を1つずつ消灯する。
該受信情報が、普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは小当たり移行指示番号であった場合には、ランプ制御装置14bは、普通図柄制御用の通常遊技状態における発光データテーブルから該変動パターン番号又は大当たり移行指示番号に応じた発光データを読み出して設定し、盤面関係の電飾43及び/又は枠扉関係の電飾29にて該設定した発光データに応じた発光態様となるようにランプ点灯処理を行う。
なお、該受信情報が、普通図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技となる状態又は特典遊技状態における記憶情報(発光処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、該有利な遊技となる状態又は特典遊技状態における発光データテーブルを参照して、通常遊技状態用とは異なる発光態様となる発光データを設定する。
また、該受信情報が、通過保留数表示ランプ42を点灯させるための、普通図柄制御用の通常遊技状態又は前記有利な遊技となる状態用又は特典遊技状態における記憶情報(点灯命令処理情報)であった場合には、ランプ制御装置14bは、通過保留数表示ランプ42を1つずつ点灯させ、前記主制御装置13のタイマに基づく停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて送信された確定停止指示番号から成る情報の受信に応じて、通過保留数表示ランプ42を1つずつ消灯する。
さらに、該受信情報が、所定遊技状態におけるエラーに係る処理情報又は準備球払出に係る処理情報等、その他の記憶情報であった場合は、ランプ制御装置14bは、参照する発光データテーブルに該記憶情報に応じた発光態様となる発光データを設定する。
〔可動物制御装置の動作〕
次に、可動物制御装置17の動作を、可動片駆動装置、可動扉駆動装置、入賞領域振分駆動装置の動作に分けて説明する。
『可動片駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の通常遊技状態における小当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2の開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を所定時間(例えば、0.2秒)拡大し、その後再び縮小するように、前記可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加する拡大実行処理を所定回数(例えば、1回)行うよう指示するためのコマンドを生成する。
また、主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における小当たり移行指示指示番号を生成した場合には、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2に対して開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を0.2秒から1.7秒へと長くして拡大して再び縮小するように、可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を送電し、また、拡大実行処理を例えば1回から2回へと多くして行う指示をするコマンドを生成する。
さらに、主制御装置13による処理において、ランプ管理制御又は賞球払出制御等からなる処理情報を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置が、前記演出用移動物駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、適宜な変動状態となる演出動作を所定時間行うコマンドを生成する。
『可動扉駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、特別図柄制御用の通常遊技状態又は特典遊技状態における大当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動扉駆動装置は、前記可動扉駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を送信する。そして、前記可動扉駆動装置は、前記特別入賞口3に対して閉口させていた可動扉45を作動させて開口状態とし、開口となってから所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞口3に対して所定個数(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかのいずれかの条件を満たしたら、再び閉口状態とする実行処理を行う指示をするコマンドを生成する。
さらに、前記開口状態中に入賞させた遊技球のいずれかが特別入賞口3内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、前記可動扉駆動装置は、可動扉45を再び閉口状態となるようにし、前記と同様の条件成立時に可動扉45を開閉することを所定上限回数が達成されるまで繰り返すように、ソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を印加指示するコマンドを生成する。
なお、前記可動扉駆動装置における開閉処理の実行中に、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における大当たり移行指示番号が生成された場合には、該開閉処理が終了するまで、大当たり移行指示番号の生成に基づく制御処理は行われずに保留状態とする。
『入賞領域振分駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、前記特別入賞口3を開口状態とするコマンドを生成するのに応じて、入賞領域振分駆動装置は、前記特別入賞口3内にある入賞領域振分物に設けられたソレノイド等の駆動物に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、特定入賞領域振分のシーソー運動となるように該開口状態中において可動させるコマンドを生成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1及び第2の透明板部材61,62と発光装飾板65(EL発光体シート78及びセルシート79)とによって覆われる。大当たり抽選の結果に基づいてEL発光体シート78の点灯制御が実行されると、EL発光体シート78から照射された光がセルシート79を透過し、セルシート79に施された意匠が光って見える。すなわち、第1及び第2の透明板部材61,62によって区画された板状空間68内の所望の位置にEL発光体シート78とセルシート79とを配置すると共に、セルシート79に所望の意匠を施すという簡単な構成によって、遊技の進行状態に応じた所望のタイミングで、遊技盤7の表面から離れた第2の透明板部材62の所望の領域で所望の意匠が面発光しているように見せることができる。また、セルシート79に対してマルチカラーの意匠を部分的若しくは全体的に施すことにより、遊技盤7がいかにもマルチカラーで面発光しているように見せることができ、イルミネーション・グラフィックスの演出を行うことができる。従って、従来までの弾球遊技機には無い斬新な演出や、意外性のある演出や、遊技領域に存在する遊技球等と同調又は調和のとれた演出などを行うことが可能となり、遊技を進めていくにつれて遊技者の興味が削がれることを防止することができる。
第1及び第2の透明板部材61,62の曇り防止のための空気層として機能する板状空間68に発光装飾板65を配置したので、スペースの有効利用を図ることができる。
セルシート79の意匠を、遊技盤7上に配置された可変表示装置34や表示ランプ41,42や電飾29,43などの他の発光体と組み合わされたデザインとすることにより、他の発光体との組み合わせによる立体的な演出等を行うことができ、更に従来ではできなかった広域の面状発光ができるため、演出の幅がさらに拡がる。
遊技盤7の表面から離れた第1及び第2の透明板部材61,62によって板状空間68を区画し、この板状空間68に発光装飾板65を配置しているので、遊技盤7側の構成上の制限を受けることなく、発光装飾板65を設けることができる。例えば、遊技盤7の表面上に十分なスペースが確保できない場合であっても、所望の大きさの発光装飾板65による装飾効果を得ることができる。また、同様の構成を有する複数の遊技盤7に対して異なる意匠を有する発光装飾板65(セルシート79)を配置することによって、種類の異なった弾球遊技機を得ることができる。これにより、種類の異なる弾球遊技機間における遊技盤7の共通化を図ることができ、部品点数の低減による製造コストの削減や開発工数の削減を図ることができる。また、機種変更や仕様変更等にも容易に対応することができる。さらに、従来の弾球遊技機の遊技盤7側の基本的な構成を変更することなく、従来の一般的な遊技盤に容易に適用することができるので、汎用性に富む。
セルシート79がEL発光体シート78に近接しているので、発光の輝度を抑えた状態でセルシート79を十分に効率良く発光させることができる。このため、EL発光体シート78の製品寿命を延ばすことができると共に、製品間における寿命のバラツキを抑えることができる。
発光装飾板65は、第1及び第2の透明板部材61,62によって区画された板状空間68に配置され、発光装飾板65と遊技盤7との間には第1の透明板部材61が存在し、
第1の透明板部材61の内面61bが遊技盤7と対向する。従って、遊技球が発光装飾板65に直接接触することが無く、発光装飾板65の破損等を防止することができる。
第1及び第2のフレーム63,64を開位置とすることにより、板状空間68が開放されるので、板状空間68に対する発光装飾板65の着脱作業を容易に行うことができる。
発光装飾板65の装着は、まず、第1及び第2のフレーム63,64を開位置に設定し、各突片部81,82を凹部80に収容し、各突起挿通孔84,85の各突起83を挿入すると共に、EL発光体シート78及びセルシート79を仮保持突部86,87間に挿入する。これにより、発光装飾板65が第1のフレーム63に対して位置決めされ保持される。次に、第1及び第2のフレーム63,64を開位置から閉位置へ移動させる。これにより、第2のフレーム64の各凸部88が第1のフレーム63の各凹部80に収容され、各突起83が各突起挿入穴89に挿入されると共に、第2のフレーム64の当接部90が発光装飾板65の外面を押圧する。この結果、発光装飾板65が第1及び第2のフレーム63,64に対して固定されると共に、当接部90からの押圧により第1及び第2のフレーム63,64に対する発光装飾板65のがたつきが防止される。
このように、第1及び第2のフレーム63,64に対する発光装飾板65の位置決めが行われるので、板状空間68への発光装飾板65の装着作業を容易に行うことができる。
ハーネス93又は94による接続を解除し、第1及び第2のフレーム63,64を開位置に設定することにより、カバーユニット28を開口枠扉6に連結したままで、発光装飾板65(又は発光装飾板65とインバータ基板66)を取り外すことが可能となる。また、ハーネス93による接続を解除することにより、カバーユニット28を開口枠扉6から取り外し可能となる。すなわち、ハーネス93,94による接続を解除することにより、発光装飾板65(又は発光装飾板65とインバータ基板66)のみを取り外したり、発光装飾板65を備えた状態のままカバーユニット28を取り外すことができる。従って、EL発光体シート78が故障した場合や、EL発光体シート78の発光パターン(発光領域)を変更する場合や、セルシート79を変更する場合等において、その交換作業を容易に行うことができる。
インバータ基板66により、輝度と寿命とのバランスが良好となるようにEL発光体シート78の駆動電圧と周波数とを調整することができる。
インバータ基板66が、第1のフレーム63のインバータ収容部91に装着されているので、インバータ基板66の点検作業や故障等が発生した場合の交換作業等を容易に行うことができる。また、インバータ基板66を試験用の制御装置と接続して事前点検することができるため、弾球遊技機に組み込む前に不良品の判別を付けることができる。
さらに、第1の透明板部材61と第2の透明板部材62と発光装飾板65とが、カバーユニット28としてアセンブリ化されているので、機種変更や故障等に起因して発光装飾板65(EL発光体シート78)を交換する場合に、カバーユニット28ごと交換することができ、作業性が一段と向上する。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の一実施形態に係る弾球遊技機の外観斜視図である。 図1に示す弾球遊技機の背面斜視図である。 図1に示す弾球遊技機の要部前面斜視図ある。 図1に示す弾球遊技機の背面図である。 図1に示す弾球遊技機の分解斜視図である。 図1に示す弾球遊技機の分解斜視図である。 図1に示す弾球遊技機の電気的構成を示すブロック図である。 カバーユニットの分解斜視図である。 開位置における第1及び第2のフレームを示す斜視図である。 第1のフレームの仮保持突部と突片とにより発光装飾板を仮保持した状態を示す要部断面図である。 閉位置における第1及び第2のフレームを示す斜視図である。 閉位置における第1及び第2のフレームの断面を示す要部斜視図である。 カバーユニットと開口枠扉との連結を示す分解斜視図である。 閉位置における第1及び第2のフレームの要部断面図である。 カバーユニット側と開口枠扉側との電気的接続状態を示す斜視図である。 セルシートの意匠の一例を示す平面図である。 セルシートの意匠の他の例を示す平面図である。
符号の説明
7…遊技盤、13…主制御装置(制御手段)、13a…CPU、13b…ROM、13c…RAM、14…副制御装置、14b…ランプ制御装置(制御手段)、28…カバーユニット、31…遊技領域、61…第1の透明板部材、61a…第1の透明板部材の外面、61b…第1の透明板部材の内面、62…第2の透明板部材、62a…第2の透明板部材の外面、62b…第2の透明板部材の内面、63…第1のフレーム、64…第2のフレーム、65…発光装飾板、66…インバータ基板(発光駆動制御装置)、67…ヒンジ、68…板状空間、69…係合突起、70…可撓性係止枠、71…連結部、72…カバー支持部、73…回転支持軸、74…軸支孔、75ロック片、76…カバー固定部、77…係止片、78…EL発光体シート(面状発光体シート)、79…セルシート(デザインシート)、80…凹部(位置決め取付部)、81…突片部(位置決め取付部)、82…突片部(位置決め取付部)、83…突起、84…突起挿通孔、85…突起挿通孔、86…仮保持突部、87…突片、88…凸部、89…突起挿入穴、90…当接部、91…インバータ収容部、92…インバータカバー、93…ハーネス(通信接続手段)、94…ハーネス(通信接続手段)

Claims (5)

  1. 遊技盤の遊技領域に遊技球を発射して遊技する弾球遊技機であって、
    前記遊技盤の表面に対向配置されて前記遊技領域を覆う第1の透明板部材と、
    前記第1の透明板部材の周縁部分を支持する枠状の第1のフレームと、
    前記第1の透明板部材の外面に対向配置され、該第1の透明板部材との間に板状空間を区画する第2の透明板部材と、
    前記第2の透明板部材の周縁部分を支持する枠状の第2のフレームと、
    前記第1のフレームの一端縁と前記第2のフレームの一端縁とを回転自在に連結するヒンジと、
    前記板状空間に配置され、前記第1及び第2の透明板部材と対向する薄板状の発光装飾板と、を備え、
    前記発光装飾板は、面状発光体シートと、該面状発光体シートの表面上に配置されたデザインシートと、を有し、
    前記第1のフレームと前記第2のフレームとは、前記ヒンジを介した連結により前記板状空間を開放する開位置と閉塞する閉位置との間を開閉移動自在である
    ことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 請求項に記載の弾球遊技機であって、
    前記第1及び第2のフレームの少なくとも一方と前記面状発光体シートと前記デザインシートとは、前記第1及び第2のフレームが前記遊技盤に対する前面領域に配置された際に、前記発光装飾板が前記遊技領域の構造物に対応した前面領域に配置されるように、前記第1及び第2のフレームに対する前記面状発光体シート及び前記デザインシートの位置決めを行う位置決め取付部を有する
    ことを特徴とする弾球遊技機。
  3. 請求項2に記載の弾球遊技機であって、
    前記遊技盤の表面上に配置された特定入賞口と、
    前記特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて遊技者に少なくとも有利となる遊技利益を付与するか否かの抽選を行うと共に、その抽選結果と前記デザインシートの意匠とに基づいて前記面状発光体シートの発光状態を制御する制御手段と、
    前記制御手段と前記面状発光体シートとを解除可能に接続する通信接続手段と、を備え、
    前記面状発光体シートは、前記通信接続手段の接続解除に伴って取り外し可能とされる
    ことを特徴とする弾球遊技機。
  4. 請求項に記載の弾球遊技機であって、
    前記制御手段は、前記面状発光体シートを駆動制御する発光駆動制御装置を有し、
    前記発光駆動制御装置は、前記第1及び第2のフレームの少なくとも一方に装着されている
    ことを特徴とする弾球遊技機。
  5. 遊技盤の遊技領域に遊技球を発射して遊技する弾球遊技機のカバーユニットであって、
    前記遊技盤の表面に対向配置されて前記遊技領域を覆う第1の透明板部材と、
    前記第1の透明板部材の周縁部分を支持する枠状の第1のフレームと、
    前記第1の透明板部材の外面に対向配置され、該第1の透明板部材との間に板状空間を区画する第2の透明板部材と、
    前記第2の透明板部材の周縁部分を支持する枠状の第2のフレームと、
    前記第1のフレームの一端縁と前記第2のフレームの一端縁とを回転自在に連結するヒンジと、
    前記板状空間に配置され、前記第1及び第2の透明板部材と対向する薄板状の発光装飾板と、を備え、
    前記発光装飾板は、面状発光体シートと、該面状発光体シートの表面上に配置されたデザインシートと、を有し、
    前記第1のフレームと前記第2のフレームとは、前記ヒンジを介した連結により前記板状空間を開放する開位置と閉塞する閉位置との間を開閉移動自在である
    ことを特徴とするカバーユニット。
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