JP4248905B2 - サウナ装置及びその温湿度制御方法 - Google Patents

サウナ装置及びその温湿度制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4248905B2
JP4248905B2 JP2003083376A JP2003083376A JP4248905B2 JP 4248905 B2 JP4248905 B2 JP 4248905B2 JP 2003083376 A JP2003083376 A JP 2003083376A JP 2003083376 A JP2003083376 A JP 2003083376A JP 4248905 B2 JP4248905 B2 JP 4248905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
sauna
sauna room
room
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003083376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004290262A (ja
Inventor
勝義 井内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003083376A priority Critical patent/JP4248905B2/ja
Publication of JP2004290262A publication Critical patent/JP2004290262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4248905B2 publication Critical patent/JP4248905B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はサウナ室を自動的に加湿する装置を備えたサウナ装置及びその温湿度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
古くからヨーロッパでは、薪や石炭を燃料とし、上部にサウナストーンと呼称される石を置き、サウナ室を主として空気対流によって加熱すると共に、加熱された石や入浴者の人体に水をかけて、サウナ室を急速に加湿するサウナ浴が広く愛用されていた。
その後、薪や石炭の代りに電力を熱源とするサウナヒータが普及し、当該ヒータの上部に積載され加熱された石に、入浴者が手作業で水を掛けて蒸気を発生させ、サウナ室を加湿するサウナ装置が、世界各地で最も広く利用されるようになった。
【0003】
更にまた、電力より安価なガスを燃料とし、電力と同様にサウナ室の空気を加熱し、その空気対流によってサウナ室全体を加熱すると共に、ガスの燃焼熱により加熱された石に水をかけて加湿するサウナ装置も利用され始めた。この様なガス焚きのサウナ浴装置は、ヨーロッパでは、1996頃より知られ始め、ガスの燃焼熱を熱源とするサウナヒータも普及し始めた。日本でも、ガス焚きのサウナ浴装置は下記の特許文献1〜3等に開示されており、一般にも知られ始めた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−201813号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平11−221265号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2002−369866号公報(特願2001−179275号)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、電力やガスの燃焼熱を熱源とするサウナ装置が普及しているが、近年のサウナ室加熱装置は、サウナ室の温度を温度調節器で検出し、該温度調節器の接点動作で、電力やガスの熱発生量を増減して、サウナ室の温度を一定に保つよう自動制御されるようになっている。
このサウナ室加熱装置に水をかけて加湿する場合、サウナ室の温度が温度調節器の設定温度より低い場合は、加熱装置が大出力で作動しており、電力やガスの熱発生量が多く、加熱装置上に置かれた石(サウナストーン)も充分に加熱されているので、水をかけると石の保有熱により、水が蒸発してサウナ室を急速に加湿することが出来る。
しかしながらサウナ室の温度が温度調節器の設定温度より高い場合には、加熱装置は小出力又は停止状態に切り換えられており、電力やガスによる熱発生量は少なく、或いは停止されている。そのため、サウナ室加熱装置上の石は加熱されておらず、低温で保有熱量も少ないので、石に水をかけても蒸発量が少なく、充分な加湿が行われない。
このように、サウナ室を加湿するため入浴者が水をかけても、サウナ加湿装置の作動状況に応じて、加湿出来る場合と、加湿出来ず又は不充分な加湿しか行われない場合があると言う、解決すべき第1の課題があった。
【0008】
また、入浴者が不特定多数の場合、水を多量にかける人と、ほとんどかけない人があり、更に入浴者の数も変化するので、加湿量が一定せず、相対湿度が様々に変化する。そのため、サウナ室の温度は一定に保たれるようになっていても、入浴者の体感では、熱すぎたり、熱くなかったりし、入浴者が望む体感が得られない言う、解決すべき第2の課題があった。加湿量が極端に多い場合には、サウナ室の内装材が結露により損傷すると言う問題さえ発生する。
【0009】
更にまた、加湿する水の量を加減してサウナ室の湿度を調節しようとする場合、サウナ室の換気が重要な問題となる。従来のサウナ室は、一般に固定された自然換気用の通風口と、入浴者のドアの開閉にとよる自然通風により換気を行っている。このような自然通風による換気では、サウナ室の立地条件や天候、季節、入浴者数等により、同じ広さであっても換気量が様々に変化し、必要な換気量が得られない場合がある。若し換気が全く行われない場合、加湿した水の量だけサウナ室の絶対湿度が上昇し続け、最後にはスチームサウナの様になり、スチームサウナより高温な為、火傷の恐れさえ生じる。
このように、サウナ室の湿度を調節するには、加湿量のみならず、サウナ室の換気量が重要な要素となっており、サウナ室のより望ましい換気方法を開発する必要があると言う、第3の課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する為、本発明は:
扉及び換気装置を備えたサウナ室と、サウナ室内温度を高める加熱装置と、加熱装置の熱出力を制御してサウナ室内温度を所定値に保持する温度制御装置と、サウナ室内の高温部に定期的に一定量の水を供給する加湿装置とを具備する高温低湿度のサウナ装置のサウナ室内温湿度をシーケンシャルに制御する方法であって;
温度制御装置により加熱装置の熱出力を制御し、サウナ室内温度を60℃以上、110 ℃以下の温度に保つ中温保持期間PLと、
中温保持期間PLの直後に設けられ、温度制御装置による制御とは無関係に加熱装置の熱出力を増大させ、サウナ室内温度を、5K以上、20K以下の温度範囲で強制的に上昇させる強制昇温期間PHと、
強制昇温期間PHの終期から中温保持期間PLの初期の間の所定時期において加湿装置を作動させる加湿期間PWと、
から成る温湿度制御サイクルを繰り返し実行することを特徴とする上記のサウナ装置の温湿度制御方法を提供するものである。
上記中温保持期間PLにおいて、サウナ室内温度を、通常の高温低湿度のサウナより低い60℃以上、110 ℃以下とする理由は、その後の強制昇温期間PHにおいて温度が過昇状態となるのを防止するためである。60℃未満であるとサウナ浴に適した熱さが体感できず、他方、110 ℃を超えると火傷等の危険を生じる。
また、強制昇温期間PHにおいて、上昇させる温度範囲を5K以上、20K以下とする理由は、5K未満では昇温効果が不充分で、加湿装置を作動させても急速な加湿が困難であり、他方、20Kを超えると入浴者に火傷等の危険を生じるためである。
【0011】
上記中温保持期間PLは、5分間以上、15分間以下に設定されることが望ましい。5分未満であると、入浴者が適度の温度でゆったりと入浴できる期間が短すぎて疲れやすく、また、15分を超えると、熱い期間が相対的に短くなり、発汗も少なく、もの足りなく感じるからである。
【0012】
上記強制昇温期間PHは、3分間以上、10分間以下に設定されることが望ましい。3分未満であると、サウナストーンや加熱装置が充分に加熱、蓄熱されず、散水時に充分な加湿が行われず、また、10分を超えると、サウナ室の温度が長時間高温となり、入浴者がこれに耐えることが困難になるからである。
【0013】
上記加湿期間PWは、30秒間以上、90秒間以下に設定されることが望ましい。30秒未満であると、そのような短時間に加湿に必要なだけの水をサウナストーン等の表面に噴霧することが困難であり、また、90秒を超えると、過剰な加湿となったり、蒸発しきれない水が生じる等の不都合があるからである。
【0014】
少なくとも強制昇温期間PH及び加湿期間PWの間中は、換気装置を作動させ、サウナ室内の空気よりも温度及び絶対湿度の低い空気を連続的又は間欠的にサウナ室内へ強制的に流入させるよう構成することが推奨される。
【0015】
上記の如き構成を有する本発明を、その解決すべき前記第1〜3の課題との関連において、より具体的に説明すれば、次の通りである。
本発明に係るサウナ装置においては、サウナ室の温度を、第1タイマーに設定された一定時間(中温保持期間PL)、温度調節器の動作によりサウナ加熱装置の熱出力をオンオフすることによって、通常のサウナよりやや低い温度(60℃〜110 ℃)に保持する様に制御する。この一定時間後に、第2タイマーに設定された一定時間(強制昇温期間PH)、上記温度調節器の設定温度とは無関係に、強制的にサウナ加熱装置の熱出力を増加させて、サウナ室のみならず、サウナ加熱装置上の石等の蓄熱材等をも加熱する。次いで、蓄熱材の温度が充分上昇した時点で、第3タイマーに設定された一定時間(加湿期間PW)、水を蓄熱材にかけて加湿する。
加湿終了後、再び第1タイマーに設定された一定時間(PL)、温度調節器の動作により、通常のサウナよりやや低い温度(60℃〜110 ℃)に保持し、以下上記と同様のサイクルを繰り返す。
このように、第1タイマーに設定された一定時間(PL)、温度調節器の動作により通常のサウナよりやや低い温度(中温60℃〜110 ℃)に保つ理由は、前記のとおり、次の強制的にサウナ加熱装置の熱出力を増加させる段階で、サウナ室の温度が過昇しない様にするためである。
【0016】
このように、加熱装置と加湿装置を自動制御することにより、石に水をかけて加湿する際には、石は必ず高温に加熱され、蓄熱されているので、かけられた水は瞬間的に蒸発し、サウナ室が急速に加湿される。このまま強制的にサウナ加熱装置の熱出力を高く保ち続けるとサウナ室の温度が過昇するので、加湿終了後は、サウナ加熱装置の熱出力を自動的に減少させてサウナ室の温度を低下させ、次の熱出力の増加に備える。この様に自動制御すれば、水をかけると必ず加湿され、サウナ室の温度も過昇しない快適なサウナ装置が得られる。
従って、本発明によるときは、前記第1の課題が解決されるものである。
【0017】
また、本発明装置では、加湿する時間と量は、タイマー等により総て自動制御されるので、入浴者が個々に加湿する場合に比べて、加湿しすぎたり、加湿が不足したりして、相対湿度が高すぎて熱過ぎたり、相対湿度が低すぎて熱くなかったりと入浴者の体感温度が大きく異なる度合いが少なく、これにより、前記第2の課題が解決される。
【0018】
本発明においては、上記の如く、温度を低く保つ時間帯(中温保持期間PL)を設けることにより、サウナ室の温度の過昇が防止されるが、自動的に繰り返し石に水をかけてサウナ室を加湿するので、若しサウナ室の換気が不十分な場合には、相対湿度が過昇し、温度は低くともスチームサウナの様に熱すぎると言う問題が生じる。
そこで、本発明においては、絶対湿度がサウナ室空気より低い常温の外気で、サウナ室内の空気を一定量づつ換気する強制換気装置を設けることによって、前記第3の課題を解決するようにした。
即ち、自然通風による自然換気だけでは、サウナ室の立地条件や天候、季節、入浴者数等により、換気量は個々に且つ時々刻々変化するので、これに応じて加湿量を調節することは困難である。また、相対湿度を検出して加湿量を加減しようとしても、サウナの様な高温の空気の湿度を確実に、且つ安価に検出できる機器はほとんど提供されていない。
そこで、送風機を用いて、新鮮な外気でサウナ室の空気を一定量づつ強制的に換気するようにすれば、サウナ室の相対湿度の調節は、強制換気を行わない場合に比較してかなり容易になる。即ち、加湿すべき量は、強制換気によって失われる水蒸気の量と自然換気によって失われる水蒸気の量の和であるが、一方の強制換気により失われる水蒸気の量は推定でき、もう一方の自然換気によって失われる水蒸気の量は強制換気により失われる水蒸気の量に比べて格段に少ないので、強制換気によって失われる水蒸気の量より若干多めの水を自動的に補給することにより、相対湿度を大まかに自動調節することが可能になる。
このように、サウナ室の空気を強制的に換気すると言う構成を採用することにより、時間当たり換気量と換気時間から実際の換気量が概算でき、これに基づいて、加湿すべき水量が大まかに推定できるので、サウナ室の温度の自動調節が可能となり、前記第3の課題が解決できるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつゝ本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明に係るサウナ装置の一実施例の要部を示す説明図であり、このサウナ装置は、本発明者が出願中の前記特開2002−369866号公報(特願2001−179275号)に記載のガスの燃焼熱を熱源とするサウナ装置を利用したものである。
図2は、本発明に係るサウナ装置において、温湿度の自動制御を行うための制御回路の一実施例の説明図である。
図3は、本発明に係るサウナ装置が稼働中の熱出力と時間との関係を説明するグラフであり、その縦軸は熱出力を、横軸は時間の経過を示す。
図4は、本発明に係るサウナ装置が稼働中のサウナ室の温度と相対湿度の時間的変化を説明するグラフであり、その左側縦軸はサウナ室の温度、右側縦軸は相対湿度を示し、横軸は時間の経過を示す。また、図4のグラフにおいて、実線は温度の変化を、点線は相対湿度の変化を模式的に示したものである。
【0020】
図1中、101 はサウナ室、102 は機械室、103 は耐火性の仕切壁、104 は仕切壁103 に設けた貫通孔、105 はサウナ加熱装置、106 は加熱装置105 内の燃焼管、107 は通風間隙、108 はバーナ、109 はバーナ用吸引ブロアー、110 は冷却送風機、111 は通風冷却管、112 はサウナストーン、113 は散水管、114 は温度調節器である。
サウナ加熱装置105 のバーナ用吸引ブロアー109 が起動した後、バーナ108 が起動しガス燃焼が開始されると、冷却送風機110 が起動し、機械室102 内に供給される新鮮な空気を通風冷却管111 を介して、通風間隙107 に送り、燃焼管106 の外面を冷却しながら加熱された空気は、サウナストーン112 の隙間を通過してサウナ室101 内に供給される。散水管113 は、サウナ加熱装置105 の上部に置かれたサウナストーン112 に、適時水を掛けてサウナ室101 を加湿する為に設けられている。温度調節器114 は、サウナ室の温度を自動制御により所定の範囲内に保つよう動作する。
【0021】
以下、図2、図3及び図4を併せて参照しつつ説明する。
図2の起動スイッチCSを入れると、温度調節器114 の接点TCを通じてバーナ駆動装置BCに電源が入り、バーナ用吸引ブロアー109 と加熱装置105 内のバーナ108 とが起動し、同時に冷却送風機110 のモータPFにも電源が入り、冷却送風機110 が起動する。
図示した実施例において、温度調節器114 の設定温度は75℃に設定されており、75℃を超えて温度が上昇すると、図2の温度調節器114 の接点TCが切れて、バーナ駆動装置BCが停止し,燃焼が停止する。その後サウナ室101 の温度が低下し、75℃以下に下がると、温度調節器114 の接点TCが入り、バーナ駆動装置BCが再度起動し燃焼が開始される。
【0022】
以下、サウナ室101 の温度が充分上昇し、サウナ室101 が通常に使用されている時点、即ち、図3及び図4の左側に示すa時より説明を開始する。
図3、図4のグラフの左側に示すa時では、図4の実線で示すサウナ室温度のグラフの通り、サウナ室101 の温度が83〜84℃程度と高いので、a時以降は温度調節器114 の接点TCが切れて、バーナ108 が自動停止し、熱出力は図3の通り0となる。サウナ室101 の相対湿度は、a時寸前までサウナストーン112 に散水して加湿されていた為上昇し続け、図4のグラフの点線で示す通り17〜18%でサウナ室101 の温度の低下に反比例する様に急上昇する。即ち加湿を停止したので絶対湿度はあまり上昇しないが、バーナ108 の自動停止によるサウナ室101 の温度の低下に伴い相対湿度は上昇し、更に散水した水の残りも蒸発する為、図4の点線で示すとおりa時より暫くは上昇し続ける。その後はバーナが停止し、サウナ室101 のドアの開閉等の自然換気により、温度が低く絶対湿度が低い浴室等の外気が流入するので、徐々に相対湿度は低下する。
【0023】
サウナ室101 の温度が75℃以下に低下すると、温度調節器114 の接点TCが入り、バーナ108 が自動的に起動し燃焼を開始する。同時に図2に示すモータPFに電源が入って冷却送風機110 が起動し、機械室102 内の新鮮な空気を通風冷却管111 を介して、通風間隙107 に送り、燃焼管106 の外面を冷却しながら加熱された空気は、サウナストーン112 の隙間を通過してサウナ室101 内に圧送される。該圧送された新鮮な空気量と同量のサウナ室101 内の高温で絶対湿度が高い汚れた空気が室外に押し出されて強制的に換気される。該圧送された新鮮な空気は、サウナ室101 内空気より絶対湿度が低く、これによりサウナ室101 内空気の絶対湿度が低下し始め、d時からb時まで、バーナ108 は温度調節器114 の接点TCの動作により図3に示すとおりオンオフしながら、図4の実線で示すとおりサウナ101 内の温度を75℃程度の一定温度に保っている。一方の相対湿度はドアの開閉や前記の冷却送風機110 による換気により低下し続ける。
【0024】
上記のような温度調節器114 の接点TCの動作とは無関係(独立)に、図3、図4のグラフの左側に示すa時においては、図2に示された、時間を10分にセットされたタイマーT1 のコイルに、非励磁状態でオンとなるのタイマーT3 のB接点T3 −B1 を介して電源が入り、これにより、a時より10分が経過したb時になると、タイマーT1 が励磁され、図2に示すT1 のA接点T1−A1 が入り、バーナ駆動装置BCと冷却送風磯110 のモータPFは、温度調節器114 の接点TCの動作とは無関係に強制的に起動する。タイマーT1 のA接点T1 −A1 が入ると、これと同時に、図2に示すとおり、タイマーT1 のA接点T1 −A2 が入り、時間を5 分にセットされたタイマーT2 のコイルに電源が入る。
【0025】
このb時以降、図3に示すとおり、バーナ108 と冷却送風機110 はサウナ室101 の室温と無関係に駆動し続け、そのため図4のグラフの実線で示すとおり75℃前後であったサウナ室101 の温度は上昇し続け、他方、点線で示すとおり13%程度であったサウナ室の相対湿度は、温度の上昇に伴い低下し続ける。温度が上昇すると絶対湿度が同じでも相対湿度は低下し、更に強制換気の効果も加わり相対湿度がより急速に低下し続ける。
この様にしてバーナ108 と冷却送風機110 がサウナ室101 の温度とは無関係に駆動し続けると、サウナ室101 の温度は上昇し続け、燃焼管107 とサウナストーン112 も加熱され続ける。
【0026】
以上の如く、バーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFは、温度調節器114 の接点TCの動作とは無関係に強制的に起動状態が続き、燃焼管106 とサウナストーン112 が充分に加熱された5分後の図3、図4のc時になると、タイマーT2 が励磁し、図2に示すT2 のA接点T2 −A1 が入ると、図2に示すとおり、時間を1分にセットされたタイマーT3 のコイルに電源が入る。同時にタイマーT2 のA接点T2 −A2 が入り、非励磁でオンのT3 のB接点T3 −B2 を介して水電磁弁(図示省略)のコイルWSに電源が入り、散水管113 よりサウナ加熱装置105 の燃焼管106 とサウナストーン112 に水が噴霧され、充分に熱された燃焼管106 とサウナストーン112 に霧状に噴霧された水は瞬間的に蒸発し、サウナ室101 を急速に加湿する。燃焼管106 の温度は、燃焼が少なくとも5分間以上は連続約に続いていたため、実験では大凡500 〜600 ℃程度に加熱され、サウナストーン112 も200 〜300 ℃程度に加熱されており、そのため、噴霧された水は瞬間的に蒸発し、燃焼管106 やサウナストーン112 が冷却されるまでの間に、必要と思われる水量の殆どを蒸発させる事ができた。若干の水が燃焼管106 やサウナストーン112 の間を通過して下に落下したが、下部に設置されている熱放射管群に接触して蒸発し、必要と思われる量の供給水は総て数分以内に蒸発した。このように急速に加湿が行われる理由は、蓄熱材の熱容量の問題だけではなく、サウナ室101 の空気は、図4のc時で明らかなとおり、温度が84℃、相対湿度が5%以下と言う高温で非常に乾燥した空気であるため、噴霧された水の一部が蓄熱材に到達する前に蒸発すると言う効果も加わり、加湿する速度が早まったものである。
【0027】
水を噴霧して加湿する状態が1分間続くと、図3、図4の右側のa時となり、タイマーT3 が励磁し、図2に示すT3 のB接点T3 −B2 が切れ、T2 のA接点T2 −A2 を介して通電していた水電磁弁(図示省略)のコイルWSの電源が切れ、水の噴霧が停止する。同時にT3 のB接点T3 −B1 が切れて、タイマーT1 の電源が切れ、タイマーT2 を励磁していたタイマーT1 のA接点T1 −A2 が切れてタイマーT2 が非励磁となり、タイマーT3 を励磁していたタイマーT2 のA接点T2 −A1 も切れるのでタイマーT3 も非励磁となる。タイマーT1 が非励磁となるとT1 のA接点T1 −A1 が切れ、強制的にバーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFを駆動させていた回路がオフとなり、バーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFは、75℃に設定された温度調節器114 の接点TCの動作のみでオンオフする状態に復帰する。タイマーT3 が非励磁となった時、T3 のB接点T3 −B1 が入るのでタイマーT1 に電源が入り、回路的には、再び段落[0024]の始めに説明した状態となり、以下、同じ動作を繰り返し行うこととなる。
【0028】
以上は、装置とその駆動状態の説明であるが、次に、この様に温度と相対湿度が変化するサウナ室101 に入浴している入浴者の体感の変化の観点から説明する。
説明の便宜上図3及び図4のd時より説明を開始する。
d時におけるサウナ室101 の温度と相対湿度は、図4の実線と点線で示すとおり、温度が75℃、相対湿度が18%である。その前のa時に於いてサウナ室101 の温度は83℃程度あり、温度調節器114 の設定温度75℃より大幅に高いので、バーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFは自動停止し、サウナ室101 の温度は暫く低下し続け、相対湿度は、a時で水の噴霧を停止しているが、瞬時に蒸発しなかったサウナ加熱装置105 内の残留水等がその後蒸発するため、a時以降暫くは絶対湿度が上昇し、且つ温度が低下するので、相対湿度も暫くは上昇し続ける。
【0029】
その後、自然換気の効果もあり、グラフの通り相対湿度は徐々に低下し始める。d時より少し前に漸く温度が75℃以下となったので、図3に示す如く、温度調節器114 の接点TCが入り、バーナ108 が燃焼を開始して熱出力が100 %となり、その結果d時ではサウナ室101 の温度が若干上昇し、温度の低下による相対湿度の上昇効果は無くなる。また、冷却送風機110 が、バーナ108 と同時に起動しており、機械室102 内に供給される新鮮で絶対湿度の低い空気を、通風冷却管111 、通風間隙107 を介してサウナ室101 内に送り込むため、これと同量の、高温で絶対湿度が高く、汚れた空気が排出され、サウナ室101 が換気される。従って、20%程度まで上昇していた相対湿度は低下し始め、d時には相対湿度が18%程度まで低下する。
【0030】
この時の入浴者の体感を考えると、温度が75℃、相対湿度が18%のサウナ室空気の露点温度は約39℃と人体の温度より高いので、皮膚の近くの空気中の水蒸気は人体に熱を奪われ、温度が低下し結露する。この時の人の肌の表面は、75℃の空気が36℃近くまで低下することによる熱量と、結露した水蒸気が水に戻る時の潜熱の双方によって加熱される。相対湿度が低ければ、汗が蒸発するとき人体から熱を奪い人体を冷やすことが出来るが、皮膚の表面の相対湿度は、ほぼ100 %近くとなり、汗の蒸発による冷却効果も無いので、通常のドライサウナに比べ、同じ75℃でもはるかに熱く感じられ、当然汗腺が開き激しく発汗する。
【0031】
温度調節器114 が75℃に設定されているので、d時以降は、該温度調節器114 の動作により、バーナ108 がオンオフ動作を繰り返し、サウナ室温度はほぼ75℃程度に自動調節され、バーナ108 と連動する冷却送風機110 の換気効果と扉の開閉による自然換気の効果とにより、絶対湿度は徐々に低下し、相対湿度も同様に徐々に低下する。時間が経過し、図3、図4のb時には、図4の実線と点線で示すとおり、温度が約75℃、相対湿度が約12%となり、この空気の露点温度は32℃で、皮膚近くで温度が下がった空気の相対湿度は、75%程度なのでd時よりはやや低下し、わずかながら汗を蒸発させるので、温度が同じ75℃でもd時よりは熱さが和らぐ。
【0032】
b時からは前述のとおり、図2記載のタイマーT1 が励磁し、バーナ108 はサウナ室101 の温度とは無関係に燃焼し続け、サウナ室101 の温度は図4の実線に示すとおり急速に上昇し始め、冷却送風機110 も連続して強制換気するので、絶対湿度の低下が促進され、相対湿度は、絶対湿度の低下と温度の上昇との相乗効果によりグラフの点線で示すとおり、より急速に低下する。バーナ108 は燃焼し続けるので、燃焼管106 とサウナストーン112 は加熱され続け、温度上昇と蓄熱を続ける。c時近くでは、温度84℃、相対湿度5%程度となり、この時、皮膚近くで温度の低下した空気の相対湿度は45%程度となり、乾燥した空気となるため、急速に汗を蒸発させる。この状態が、通常の加湿を行わないドライサウナと言われるサウナと同じ状態である。温度は高く、大変乾いた空気なので汗が多量に蒸発する、現在我が国で最も広く用いられているサウナ浴の状態である。
【0033】
c時になると、図2で説明したとおり、タイマーT2 のA接点T2 −A1 が入り、同時にT2 のA接点T2 −A2 が入り、非励磁でオンのタイマーT3 のB接点T3 −B2 を介して水電磁弁(図示省略)のコイルWSに電源が入り、散水管113 より燃焼管106 とサウナストーン112 に水が噴霧され、充分に加熱され蓄熱された燃焼管106 とサウナストーン112 に霧状に噴霧された水は、瞬間的に蒸発してサウナ室101 を急速に加湿する。その後1分経過すると図3、図4の右側のa時となり、タイマーT3 が励磁し、B接点のT3 −B2 が切れ、水電磁弁のコイルWSが切れて水の噴霧が停止する。同時に、サウナ室101 の温度は83℃程度と温度調節器114 の設定温度75℃より大幅に高いので、バーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFは自動停止し、サウナ室101 の温度は暫く低下し続ける。この時点では散水は既に停止しているが、瞬時に蒸発せずにサウナストーン112 に付着したり加熱装置105 内に残留していた水が蒸発し続けるため、暫くは絶対湿度が上昇し、且つ温度が低下するので相対湿度は暫くは急速に上昇し続ける。
【0034】
c時前後の温度や相対湿度の変化は上記の如くであるが、この時のサウナ入浴者の体感の変化について以下に述べる。
実験用のサウナ室のベンチに座って入浴実験を行った処、c時に水を噴霧してからすぐに、まるで天井から熱の波が降りて来たような体感が得られた。これは、瞬間的に蒸発した水蒸気を含んだ高温で絶対湿度の高い空気が、加熱装置105 より上昇し、天井に達したのち、若干温度下がり重くなって下降し、人浴者の皮膚に接触して結露し、多量の潜熱を皮膚に与えると共に、温度の低下により皮膚に与えられる熱量によって、急速に人体が加熱され、劇的な体感を生じさせたものである。古くからの北欧のサウナで、入浴者が石や人体に水を掛け、瞬間的に相対湿度を高めて、多量に発汗するサウナ浴が愛用されていたが、そのときの体感を、本発明では現代の技術を用いて、より劇的に全自動で再現することが出来た。
【0035】
水の噴霧を停止したa時直後においても、図4に示すとおり、サウナ室の温度は約84℃、相対湿度は約15%であり、露点は約42℃なので、入浴者の皮膚近くで、空気温度が皮膚と同程度まで低下すると結露し、結露による潜熱と空気の温度低下による熱の双方により人体は加熱され、皮膚の温度を低下させようとして行われる発汗も高湿度の為蒸発せず、皮膚は激しく加熱され続ける。
【0036】
温度調節器114 の動作とは無関係にバーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFを駆動させていたタイマーT1 のA接点T1 −A1 がa時に切れると、バーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFは、再び温度調節器114 の動作によって制御されるようになるが、サウナ室101 の温度が80℃以上と、温度調節器114 の設定温度75℃より高いので、バーナ108 と冷却送風機110 は自動停止し、燃焼が停止する。
燃焼が停止するとサウナ室101 の温度は低下し始め、温度が低下すると絶対湿度が変化しなくとも相対湿度は上昇し、入浴者はやや蒸し熱く感じ、水噴霧による急速加湿の影響で激しく発汗した汗腺も発汗を続ける。
【0037】
バーナ108 の燃焼が停止し続けるので、サウナ室101 の温度は徐々に低下し、温度の低下により上昇していた相対湿度も、ドアの開閉等による換気によって横ばい又は徐々に低下し始める。このように温度も相対湿度も低下するので、入浴者が感じる熱さも徐々に和らぎ始める。
d時になると、サウナ室101 の温度が温度調節器114 の設定温度75℃程度まで低下し、温度調節器114 の接点TCがオンとなって、バーナ108 が燃焼を開始し、同時に冷却送風機110 も起動して、温度も湿度もより低い機械室102 内の新鮮な空気でサウナ室101 が換気される。サウナ室の温度は75℃程度と低く、相対湿度も低下し続けるので、入浴者は低温のドライサウナに入浴している状態となり、余り熱くなく、相対湿度が低いので発汗した汗も蒸発し、人体から蒸発潜熱を奪って人体を冷却するので、楽に入浴できる。但し、サウナ浴としては余り熱くなく、やや物足りなく感じることとなる。
a時前後の急激な発汗により体力を消耗していた入浴者も、温度や相対湿度が低く、余り熱くないサウナ浴で一息つき、体力を回復することができる。
【0038】
b時になるとタイマーT1 の動作により、バーナ108 は、温度調節器114 の動作とは無関係に再び燃焼を開始し、サウナ室101 の温度は上昇し続け、冷却送風機110 の強制換気の効果により相対湿度は低下し続ける。この時のサウナ室101 においては、乾燥した高温のサウナ浴装置、即ち従来から広く用いられていたフィンランド式サウナ浴装置と同様な体感が得られる。
【0039】
【発明の効果】
本発明方法及び装置には様々な効果があるが、最も大きな第一の効果は、入浴者が様々に異なった体感のサウナ浴を、一回だけのサウナ浴で体験できることである。
例えば、前記段落[0037]で述べたとおり、図4のd時に入浴した人の場合、d時から6〜7分間のサウナ室は、温度が75℃、相対湿度は15%前後である。この空気の露点温度は、丁度体温程度であるので、汗が蒸発しにくく75℃程度と温度は余り高くないが、汗の蒸発による体からの熱の放出がないので、適度に発汗しながら、ゆったりと入浴出来る。
この後も強制換気により、徐々に相対湿度が低下しつづけ、発汗した汗は蒸発し始めるので、体から熱が奪われ、熱さが更に和らいで、よりゆったりと入浴出来る。
【0040】
図4のb時になると前記段落[0032]及び[0038]で述べたとおり、バーナ108 は、温度調節器114 の動作とは無関係に燃焼し始め、サウナ室101 の温度は上昇し続け、強制換気の効果により相対湿度は低下し続ける。
このb時からc時までの間は、蒸発した汗は乾いた高温の空気により素早く蒸発し、体から熱が奪われながらも、高温の空気により加熱され続ける。
従って、この時のサウナ室101 内では、乾燥した高温のサウナ浴装置、即ち従来から広く用いられているフィンランド式のドライサウナと同様な体感が得られる。
【0041】
c時になると、前記段落[0033]に記載のとおり、散水管113 より燃焼管107 とサウナストーン112 に水が噴霧される。充分に熱せられ蓄熱された燃焼管106 とサウナストーン112 の表面に霧状に噴霧された水は瞬間的に蒸発し、サウナ室101 を急速に加湿する。その後1分経過し、図3、図4の右側のa時になると、タイマーT3 が励磁し、B接点のT3 −B2 が切れ、水電磁弁のコイルWSへの通電が断たれて、水の噴霧が停止する。この時、サウナ室101 の温度は83℃程度あり、温度調節器114 の設定温度75℃よりも大幅に高いので、バーナ駆動装置BCと冷却送風機110 のモータPFは自動停止し、サウナ室101 の温度は暫くのあいだ低下し続ける。この時点で水の噴霧は停止しているが、瞬時に蒸発せずサウナストーン112 や加熱装置105 内に付着していた残留水が蒸発し続け、そのため暫くは絶対湿度が上昇し且つ温度が低下するので、相対湿度は暫くのあいだ上昇し続ける。
【0042】
この時のサウナ入浴者の体感の変化を調べるため、実験用のサウナ室のベンチに座って入浴実験を行った処、c時に水を噴霧してからすぐに、まるで天井から熱の波が降りて来たような体感が得られた。これは、瞬間的に蒸発した水蒸気を含む高温で絶対湿度の高い空気が、加熱装置105 より上昇し、天井を伝いながら、若干温度下がり重くなって下降し、入浴者の皮膚に接触して結露し、多量の潜熱を皮膚に与えると共に、温度の低下により空気から皮膚に与えられた熱によって急速に人体が加熱されたため、劇的な体感が得られたものである。古くからの北欧のサウナで、入浴者が石や人体に水を掛け、瞬間的に相対湿度を高めて、多量に発汗するサウナ浴が愛用されていたが、そのときの体感を、本発明では現代の技術を用いて、より劇的に全自動で再現することが出来た。
【0043】
入浴者の上記の如き体感の変化を要約すれば、次のとおりである。
(1)d時から6〜7分間:
低温で相対湿度がやや高く、汗の蒸発が少ないので、温度のわりには、熱さを感じるサウナ浴となる。
(2)b時の数分前の時期からb時まで:
低温で相対湿度が低く、汗はやや蒸発しやすいので、本サウナ浴中最も熱くなく、ゆったり入浴出来るサウナ浴となる。
(3)b時からc時まで:
温度はやや高く、相対湿度が低いので、人体は高い空気温度に加熱されながら、同時に、発汗した汗が急速に蒸発して人体が冷却されると言う、高温で極度に乾操した従来の空気対流式サウナ浴(通称、フィンランド式サウナ)となる。
(4)c時からa時の数分後まで:
温度は本サウナ浴中最も高く、水噴霧急速加湿によって相対湿度も急速に最高レベルに達し、人体は高温の空気で加熱されると共に、高湿度空気が人体に触れて温度が低下し結露することによる潜熱によっても急速に加熱され、あたかも急激な熱波を受けた様に感じられるサウナ浴となる。
以上の如く、4種類の様々に異なった体感が、ただ一回のサウナ浴で得られることと、入浴中にやや低温の時間帯があるので、入浴者は、従来の常に高温のドライサウナに比べて息苦しさや熱さが少なく、より長時間のサウナ浴が可能となり、発汗量も多く、健康的なサウナ浴が得られることが本発明の第一の効果である。
【0044】
本発明の第二の効果は、上記のような温度及び湿度の制御を自動的に行うことを可能とした点である。
従来のフィンランドサウナにおいて、人為的に水を掛けることにより上記の如くサウナ室の相対湿度を上昇させるサウナ浴が僅かながら知られている。
然しながら、そのようなシステムには、様々な問題点がある。
まず一般の入浴者が水を掛けて加湿する場合には、大勢の入浴者が個別に加湿するため、加湿しすぎて相対湿度が高くなりすぎて熱すぎたり、サウナ室下部の壁に結露が生じてサウナ室の内装材が損傷したり、また、これとは反対に、誰も水を掛けない場合には、高温低湿度のサウナ浴のままであったりと言うように、相対湿度が無秩序に変化すると言う問題点と、一般の入浴者には温度調節器の設定温度を変更することが困難なため、温度が一定のままであると言う問題点がある。
そこで専門の係員のみが定期的に水を掛けて急速加湿している例も見られる。通常20分に1回程度係員がサウナストーンに水を掛けて、急速に熱波を発生させているが、係員は1日に何回も高温のサウナ室に出入りすることになり、その体は急速加熱と急速冷却を繰り返すので、風邪を引きやすく、健康が阻害されると言う問題点がある。稼働中に、さらに温度調節器の設定温度まで人為的に変更している例は知られていない。
これに対し、本発明によるときは、温度と相対湿度の調節制御を総て自動的に行うので、入浴者の体感が良く、且つ人件費の節減効果がある。
【0045】
本発明の第三の効果は、従来のサウナ装置では行われていない強制換気により、相対湿度の過昇を防止する効果である。
換気を行わずに定時的に加湿し続けると、相対湿度が過昇し、熱すぎたり、壁の結露等の問題が発生する。通常のサウナの場合、ドアの開閉と小型の換気口によって自然換気を行っているが、入浴者が全くいない時等、換気量が極端に減少し相対湿度が過昇する場合がある。これに対して、本発明においては、加熱装置が稼働しているときは、少量ながら強制的に新鮮な空気で換気しているので、相対湿度が過昇する恐れが少ないと言う効果がある。
この換気には、人体の汗や油で汚れたサウナ室の空気を、より新鮮で衛生的な空気に入れ換えると言う効果もある。本発明の前記実施例では、この換気空気を燃焼筒の冷却に利用しているので、一石三鳥とも言うべき効果がある。
【0046】
本発明の第四の効果は、所定の時期に、温度調節器の設定温度とは無関係に、強制的にサウナ室の加熱量を増大させて、サウナストーンとその周辺部材を加熱し、充分に加熱、蓄熱された石や部材に対してのみ水を噴霧することにより、急激に相対湿度を上昇させて熱波を発生させ得ると言う、従来のサウナ装置には見られない効果が得られることである。
即ち、従来のサウナ装置の場合、水をかける時にサウナ室の温度が温度調節器の設定温度より高い場合には、電力又は燃焼熱の供給が停止していて、石や加熱装置が充分に蓄熱されていない場合がある。これに対して本発明の場合には、水をかける数分前から強制的に石や加熱装置を加熱し、充分に蓄熱されるようにしているので、噴霧された水は必ず急速に蒸発し、充分に加湿が行われると言う効果がある。
【0047】
尚、本発明の構成は、叙上の実施例に限定されるものではなく、例えば、前記実施例では、強制温度上昇期間PHの終了直前期にサウナの温度を高めながら加湿しているが、強制温度上昇期間PHの終了直後のサウナ室の温度が余り低下しない中温保持期間PLの初期に加湿するようにしてもよく、又加湿する水量はタイマーによらず流量計や升状の容器を用いて一回あたりの加湿水量を定めるようにしても良い。更に又、b時からa時までの間、バーナ108 は温度調節器114 と無関係に燃焼し続けるが、安全の為、温度調節器114 の設定温度より10℃以上サウナ101 の温度が上昇した場合には、別の温度調節器を用いて自動停止するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るサウナ装置の一実施例の要部を示す説明図である。
【図2】 本発明に係るサウナ装置において、温湿度の自動制御を行うための制御回路の一実施例の説明図である。
【図3】 本発明に係るサウナ装置が稼働中の熱出力と時間との関係を説明するグラフである。
【図4】 本発明に係るサウナ装置が稼働中のサウナ室の温度と相対湿度の時間的変化を説明するグラフである。
【符号の説明】
101 サウナ室
102 機械室
103 仕切壁
104 貫通穴
105 サウナ加熱装置
106 燃焼管
107 通風間隙
108 バーナ
109 バーナ用吸引ブロアー
110 冷却送風機
111 通風冷却管
112 サウナストーン
113 散水管
114 温度調節器
CS 起動スイッチ
BC バーナ駆動装置
PF 冷却送風機用モータ
TC 温度調節器の接点
WS 水電磁弁のコイル
T1 、T2 、T3 タイマーリレー

Claims (7)

  1. 扉及び換気装置を備えたサウナ室と、サウナ室内温度を高める加熱装置と、加熱装置の熱出力を制御してサウナ室内温度を所定値に保持する温度制御装置と、サウナ室内の高温部に定期的に一定量の水を供給する加湿装置とを具備する高温低湿度のサウナ装置のサウナ室内温湿度をシーケンシャルに制御する方法であって;
    温度制御装置により加熱装置の熱出力を制御し、サウナ室内温度を60℃以上、110 ℃以下の温度に保つ中温保持期間PLと、
    中温保持期間PLの直後に設けられ、温度制御装置による制御とは無関係に加熱装置の熱出力を増大させ、サウナ室内温度を、5K以上、20K以下の温度範囲で強制的に上昇させる強制昇温期間PHと、
    強制昇温期間PHの終期から中温保持期間PLの初期の間の所定時期において加湿装置を作動させる加湿期間PWと、
    から成る温湿度制御サイクルを繰り返し実行することを特徴とする上記のサウナ装置の温湿度制御方法。
  2. 中温保持期間PLが、5分間以上、15分間以下に設定された、請求項1に記載のサウナ装置の温湿度制御方法。
  3. 強制昇温期間PHが、3分間以上、10分間以下に設定された、請求項1又は2に記載のサウナ装置の温湿度制御方法。
  4. 加湿期間Pが、30秒間以上、90秒以下に設定された、請求項1ないし3の何れか一に記載のサウナ装置の温湿度制御方法。
  5. 少なくとも強制昇温期間PH及び加湿期間PWの間中、換気装置を作動させることを含む、請求項1ないし4の何れか一に記載のサウナ装置の温湿度制御方法。
  6. 扉及び換気装置を備えたサウナ室と、サウナ室内温度を高める加熱装置と、加熱装置の熱出力を制御してサウナ室内温度を所定値に保持する温度制御装置と、サウナ室内の高温部に定期的に一定量の水を供給する加湿装置とを具備する高温低湿度のサウナ装置において;
    請求項1ないし5の何れか一に記載の温湿度制御方法を実施し得る制御装置を備えた上記のサウナ装置。
  7. 換気装置が、サウナ室内の空気よりも温度及び絶対湿度の低い空気を連続的又は間欠的にサウナ室内へ強制的に流入させる強制換気装置である、請求項6に記載のサウナ装置。
JP2003083376A 2003-03-25 2003-03-25 サウナ装置及びその温湿度制御方法 Expired - Fee Related JP4248905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003083376A JP4248905B2 (ja) 2003-03-25 2003-03-25 サウナ装置及びその温湿度制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003083376A JP4248905B2 (ja) 2003-03-25 2003-03-25 サウナ装置及びその温湿度制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004290262A JP2004290262A (ja) 2004-10-21
JP4248905B2 true JP4248905B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=33398864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003083376A Expired - Fee Related JP4248905B2 (ja) 2003-03-25 2003-03-25 サウナ装置及びその温湿度制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4248905B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006141856A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Reihi Tei 温熱治療用サウナ装置
KR101111527B1 (ko) 2009-12-23 2012-02-16 이점오 의자 및 후면히터의 출력조절이 가능한 사우나장치
US9976764B2 (en) * 2014-05-28 2018-05-22 Leviton Manufacturing Co., Inc. Apparatus and methods for controlling a ventilation mechanism
CN104666063A (zh) * 2014-12-04 2015-06-03 丹东惠凯感应器有限责任公司 一种为桑拿炉自动浇水设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004290262A (ja) 2004-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004538114A5 (ja)
CN107339684B (zh) 一种蒸汽发生设备、蒸汽桑拿系统及其控制方法
JP2007029183A (ja) 血行促進装置
KR0172673B1 (ko) 사우나실용 방향발생 및 가습장치와 이를 구비한 사우나목욕장치
JP4738138B2 (ja) 浴室用ミスト装置
JP4248905B2 (ja) サウナ装置及びその温湿度制御方法
JP4150027B2 (ja) 浴室暖房機
JP4150019B2 (ja) ミストサウナ機能付浴室暖房装置
EP0959865B1 (en) Sauna ventilation system
EP3167865B1 (en) Sauna indoor climate adjusting device and method for adjusting
JP7090223B2 (ja) 浴室暖房乾燥機
JP5181457B2 (ja) ミストサウナ装置
KR100652834B1 (ko) 개별식 장작 사우나장치
JP4878578B2 (ja) ミストサウナ機能付浴室暖房装置
JP6969882B2 (ja) 浴室暖房乾燥機
JP2008188187A (ja) サウナ制御方法およびサウナ装置
JPH07275317A (ja) サウナ浴設備
JP5264102B2 (ja) ミストサウナ装置及びミストサウナ装置の殺菌方法
JP7260947B1 (ja) 溶岩浴スパ装置
CA3222450A1 (en) Sauna heating apparatus and method of heating sauna sweat room
JP2000140063A (ja) サウナ浴装置
JP3255870B2 (ja) 加湿装置を具備したサウナ装置
JP2011069531A (ja) 浴室暖房装置
JP2004181033A (ja) 気浴休養室
JPH0852192A (ja) 沐浴装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081218

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4248905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140123

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees