JP4248652B2 - 光ケーブルの製造方法および製造装置 - Google Patents

光ケーブルの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバを備えたケーブルコアを中心に備え、その周上にシースが被覆され、該シース内にテンションメンバが埋め込まれている構造を有する光ケーブルの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、数十心から数百心の光ファイバを集合させてケーブル化する際のケーブル構造として、図5に例示するようなセンターチューブ型ケーブル40が知られている。
この例のセンターチューブ型ケーブル40は、センターチューブ43内に光ファイバテープ心線41が収納され、その光ファイバテープ心線41の周囲にジェリー44が充填されてケーブルコア46が構成されている。そしてこのケーブルコア46が中心に配され、その周上にシース45が形成され、このシース45内に長さ方向に沿うテンションメンバ42が埋め込まれている。センターチューブ型ケーブル40は構造が単純で比較的少ない製造工程数で製造できるという利点がある。
【0003】
このようなセンターチューブ型ケーブル40を製造する方法としては、通常、押出成形機を用いてケーブルコア46とテンションメンバ42上にシース45を一括被覆する方法が適用される。図6および図7はセンターチューブ型ケーブル40の製造に好適に用いられる従来の押出成形機のダイスの例を示したものである。
図6の例において、ダイス50は光ケーブル40の外面形状とほぼ同様の内面形状を有するダイス孔51を備えている。またダイス50内にはニップル52が設けられており、このニップル52の先端にはケーブルコア46をダイス孔51に導くためのニップル孔53が形成されている。またニップル孔53近傍のニップル52壁面には、テンションメンバ42をケーブルコア46と平行に配した状態でダイス孔51に導くためのテンションメンバ通過孔54が穿設されている。そしてダイス50とニップル52との間には溶融された樹脂55が供給されており、ケーブルコア46とテンションメンバ42とが平行に配された状態でそれぞれニップル52から出て、樹脂55中を通過し、ダイス孔51から引き出されることによって、ケーブルコア46の周上にこの樹脂55からなるシース45が被覆されるとともに、そのシース45内にテンションメンバ42が埋め込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の押出成形機を用いた方法ではケーブルコア46がダイス50とニップル52との間に供給されている溶融樹脂55中を通過する際に、樹脂圧によりケーブルコア46を構成しているセンターチューブ43が潰れてしまうという欠点があった。
そこで、図7に示すように、ニップル孔63の先端がダイス孔51先端まで延びているニップル62を備えた押出成形機を用いることにより、ケーブルコア46の潰れを防止できる。すなわち、このようなニップル62を用いると、テンションメンバ42のみがダイス50とニップル62との間の溶融樹脂55中を通過し、ケーブルコア46はこの溶融樹脂55中を通過しないのでセンターチューブ43の潰れが防止される。図7において上記図6と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
ところが、ダイス孔51から引き出された後、テンションメンバ42の周りに塗布された樹脂55は、テンションメンバ42との間の粘着作用によってケーブルコア46側へ流動するのが妨げられる。また樹脂55内に内臓されているテンションメンバ42によって樹脂55が光ケーブル径方向へ収縮するのが阻害される。その結果、図8に示すようにケーブルコア46とシース45との間に隙間47が生じてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバを備えたケーブルコアが中心に配され、その周上にシースが被覆され、該シース内にテンションメンバが埋め込まれている構造の光ケーブルを、ケーブルコアの潰れやケーブルコアとシースとの間の隙間といった製造不良が発生しないように製造できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明の光ケーブルの製造方法は、光ファイバと充填材を収容したセンターチューブからなるケーブルコアにテンションメンバを沿わせた状態で、該ケーブルコアとテンションメンバを、内部に樹脂が供給されており出口側にダイス孔を備えた押出成形機に導入し、前記ダイス孔から引き出すことによって、前記ケーブルコアの周上に前記樹脂からなるシースが被覆され、該シース内にテンションメンバが埋め込まれてなる光ケーブルを製造する方法であって、前記ケーブルコアおよびテンションメンバのうちテンションメンバのみを、前記押出成形機内の樹脂中に導入し、前記ダイス孔から引き出された後の前記ケーブルコアとテンションメンバとの距離を漸次縮小させることを特徴とするものである。
この製造方法において、前記ダイス孔から引き出された後のケーブルコアの周囲を減圧することが好ましい。
【0007】
また発明の製造装置は、シースを被覆するための装置としてダイスとニップルを有する押出成形機を備えてなり、前記ダイスの出口側にはダイス孔が設けられており、前記ニップルには光ファイバと充填材を収容したセンターチューブからなるケーブルコアが通過するニップル孔と、テンションメンバが通過するテンションメンバ通過孔が設けられており、前記ダイス孔とニップル孔とは同心円状にかつダイス孔の先端とニップル孔の先端とが同一平面上に位置するように設けられており、前記テンションメンバ通過孔が、前記ニップル孔の中心線に対して斜めに形成されていることを特徴とするものである。
この装置において、前記ニップル内を減圧する手段を設けることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。ここでは本発明の実施例として図1に示す光ケーブル10を製造する方法および装置について説明する。
本実施例における光ケーブル10は、筒体3内に光ファイバテープ心線1が収納され、光ファイバテープ心線1と筒体3の内壁との隙間に充填材4が間欠的に充填されてケーブルコア7が構成されており、このケーブルコア7が中心に配され、その周上にシース5が被覆され、シース5内に2本のテンションメンバ2が光ケーブル10の中心に対して対称に設けられている。この光ケーブル10の外径は10mm程度である。
【0009】
筒体3は、帯状材料11の幅方向両端部を互いに接合させることによって筒状に成形したものである。この筒体3において、帯状材料11両端部の接合部3a上には接着テープ6が接着されており、これによって帯状材料11の両端部が貼り合わされている。
筒体3の成形に用いられる帯状材料11としては、例えば不織布テープ、プラスチックテープ等が挙げられ、これらに吸水性材料を塗布した吸水テープを用いれば防水性を有する筒体3が得られる。
帯状材料11両端部の接合部3aは、図1に示すように、帯状材料11の端面が互いに突き合わされていることが好ましいが、接着テープ6による両端部の貼り合わせが良好に行われるならば、両端部が若干重なり合っていても良い。ただし、両端部の重なりが大きいと後分岐等の際に筒体3内から光ファイバ心線1を取り出し難くなるので、重なりはできるだけ小さい方が好ましい。
【0010】
接着テープ6としては、図2に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等からなるプラスチックテープや、不織布テープ等のテープ材料6aの両面上に、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などからなるホットメルト型の接着材層6bを積層させたものが好ましく用いられる。接着テープ6は、少なくとも筒体3と接する面が接着性を有することが必要であるが、両面に接着性を有しているとシース5との接着性が向上するので、帯状材料11の両端部の貼り合わせを確実に行う上で好ましい。
接着テープ6の幅は、狭すぎると帯状材料11の両端部を十分に貼り合わせることができず、また接着テープ6が取り扱い難くなるので、3mm以上であることが好ましい。また幅が広すぎると後分岐の際などに筒体3を解体する作業性が悪くなるので好ましくない。すなわち、例えば光ケーブル10を後分岐する際などには、筒体3から接着テープ6を剥離して接合部3aを開き、そこから光ファイバ心線1を取り出す作業が必要となるが、接着テープ6の幅が広すぎて筒体3の周面の1/2以上が接着テープ6で覆われると、接着テープ6を筒体3から剥離させ難くなるので、手間がかかり作業が面倒になる。したがって接着テープ6の幅は筒体3の外周の1/2未満であることが好ましい。本実施例では筒体3の外周が15mmであり、接着テープ6の幅は5mm程度に好ましく設定されている。
【0011】
また接着テープ6が、引張力を加えても容易に切断しない耐張力体を備えていれば、この接着テープ6を、シース5の解体時にシース5を引き裂くための引き裂き紐として用いることができるので好ましい。例えば耐張力体として、ガラス繊維、アラミド繊維、またはカーボン繊維などの抗張力繊維を用い、これらの繊維を含有する繊維強化樹脂を用いてテープ材料6aを形成してもよく、あるいは長尺の抗張力繊維を接着テープ6内部の適宜の位置に縦沿えして用いてもよい。
【0012】
充填材4は筒体3の長さ方向に沿って連続して充填されているのではなく、間隔をおいて充填されている。充填材4としては、加熱されると溶融し室温に戻ると半固体状に固化する性質を有する樹脂が好適に用いられ、例えばポリエチレン系樹脂、スチレン系エラストマー、ゴム系樹脂等を用いることができる。
【0013】
ケーブルコア7の周上にはシース5が被覆され、シース5内にはケーブルコア7の長さ方向に沿って2本のテンションメンバ2,2が埋め込まれている。またケーブルコア7とシース5との間には、長さ方向に沿って引き裂き紐(図示せず)を必要に応じて配することができるが、上述のように接着テープ6が耐張力体を備えている場合には、引き裂き紐を設ける必要はない。
テンションメンバ2,2は適宜の抗張力材料を用いて構成することができ、例えば鋼線、ガラス繊維強化樹脂、アラミド繊維(ケブラー;商標)強化樹脂等が好ましく用られる。
またシース5は適宜の樹脂材料を押し出し被覆して形成され、例えばポリエチレン(PE)を好ましく用いることができる。
【0014】
このような光ケーブル10は、例えば次のようにして製造される。図3は本発明の光ケーブルの製造方法の一実施例を示した説明図である。
まず図3に示すように、帯状材料11上に複数の光ファイバテープ心線1を帯状材料11と平行に配する。このとき、帯状材料11と光ファイバテープ心線1とは接していてもよく、離れていてもよい。
【0015】
次いで帯状材料11および光ファイバテープ心線1上に充填材4を長さ方向に間隔をおいて充填する。このとき充填される充填材4の量は、少なくとも、後の工程で帯状材料11が筒体3に成形されたときに筒体3の内壁に光ファイバテープ心線1を固定できるだけの量が必要である。また筒体3の内壁と光ファイバテープ心線1との間を隙間無く埋めることができる量とすれば光ケーブル10の防水機能上好ましい。
続いて、帯状材料11および光ファイバテープ心線1をフォーマー12に導入する。フォーマー12は帯状材料11および光ファイバテープ心線1が挿入される入口部12aから出口部12bに向かって徐々に縮径する円錐管状に形成されており、このフォーマー12を通過することによって帯状材料11は光ファイバ心線1を包囲するように湾曲され、帯状材料11の両端部が接合されて筒体3に成形される。
【0016】
この後、フォーマー12から出た筒体3の接合部3a上に接着テープ6を積層させ、これをホットジェット等の加熱手段14で加熱して、接着テープ6の接着材層6bを溶融させて帯状材料11の両端部を貼り合わせ、ケーブルコア7を得る。
続いて、ケーブルコア7に2本のテンションメンバ2,2を沿わせた状態で、これらを押出成形機13に導入する。そして押出成形機13を通過させることによって、ケーブルコア7およびテンションメンバ2,2に樹脂を一括被覆してシース5を形成し、光ケーブル10を得る。
【0017】
上記押出成形機13としてはダイスおよびニップルを備えたものが用いられる。図4は押出成形機13の一例を示したもので、ダイス20およびニップル24の先端部分の断面図である。ダイス20内にニップル24が設けられており、ダイス20とニップル24の間には、シース5を形成するために使用される樹脂23が溶融された状態で供給されている。
ダイス20は出口側にダイス孔21を備えており、ダイス孔21の内面形状は得ようとする光ケーブル10の外面形状とほぼ同様に形成されている。ダイス孔21の内径が一定であるランド部22の長さは、樹脂23の種類や得ようとする光ケーブル10の太さ等に応じて適宜設定されるが、本実施例において樹脂23がポリエチレンである場合には、ランド部22の長さはダイス孔21の内径の0.3〜2倍程度に好ましく設定される。
【0018】
ニップル24の先端には内径がケーブルコア7の外径より若干大きいニップル孔25が形成されている。ニップル孔25の先端25aはダイス孔21の先端21aと同一平面上に達しており、ダイス孔21とニップル孔25とは同心円状に配されている。またダイス孔21のランド部22の内側では、ニップル孔25の内径およびニップル24の外径が一定に形成されている。
またニップル24の壁面にはテンションメンバ2をダイス孔21とニップル孔25との間に導くためのテンションメンバ通過孔26が設けられている。このテンションメンバ通過孔26は内径がテンションメンバ2の外径より若干大きく形成されており、テンションメンバ2の数および位置に応じて設けられる。本発明においては、このテンションメンバ通過孔26がニップル孔25の中心線に対して斜め形成されていることが大きな特徴点である。すなわちテンションメンバ通過孔26の中心線とニップル孔25の中心線とが平行とならず、ニップル孔25側における通過孔26とニップル孔25との中心線間の距離d1より、ニップル24内方側における通過孔26とニップル孔25との中心線間の距離d2の方が大きくなるように、テンションメンバ通過孔26が斜めに設けられている。これにより、テンションメンバ2は、ニップル24のテンションメンバ通過孔26を通り、ダイス孔21とニップル孔25との間の溶融樹脂23中を通過し、ダイス孔21から引き出された後、ケーブルコア7との距離を漸次縮小しながら走行する。そして、テンションメンバ2の周囲に塗布された樹脂23がケーブルコア7に付着するとテンションメンバ2とケーブルコア7との距離は一定となり、 テンションメンバ2とケーブルコア7が平行に配された状態で樹脂が硬化し、シース5が形成される。
ここで、テンションメンバ通過孔26の中心線とニップル孔25の中心線とがなす角度は、ダイス孔21から引き出されたテンションメンバ2が、ダイス20から遠ざかるに従って次第にケーブルコア7に近づき、テンションメンバ2の周囲の樹脂23が硬化する前にケーブルコア7に付着するように、かつその後テンションメンバ2に曲がりを生じることなくテンションメンバ2とケーブルコア7とが平行に走行できるように、ケーブルコア7の太さや樹脂23の性状、走行スピード等に応じて適宜設定される。
【0019】
このようにテンションメンバ通過孔26が、ニップル孔25の中心線に対して斜めに形成されている押出成形機を用いることによって、樹脂23がテンションメンバ2に対して強い粘着作用を及ぼしてもシース5とケーブルコア7との間に隙間ができるのを防止することができ、特に光ケーブル10のテンションメンバ2近傍では、隙間が生じるのが確実に防止される。
そして、さらにダイス孔21から引き出されたケーブルコア7の周囲の空間を減圧して外気圧より低くすれば、テンションメンバ2が配されていない部位においてもシース5とケーブルコア7との間に隙間ができるのを確実に防止することができるので好ましい。具体的には真空ポンプ等の減圧手段を用いて、ニップル24内が外気圧より低くなるように減圧することが好ましい。
樹脂23(シース5)とケーブルコア7との間は外気圧より低ければよいが、低すぎるとチューブの潰れが生じるので好ましくなく、ニップル24内の気圧を外気圧より100〜800mmAq程度に減圧するのが好ましい。
【0020】
本実施例によれば、ケーブルコア7とテンションメンバ2にシース5を一括被覆するための押出成形機13として、ダイス20およびニップル24備え、ニップル孔25の先端25aがダイス孔21の先端21aと同一平面上に達している押出成形機13を用いることにより、ケーブルコア7がダイス20内で樹脂圧を受けて潰れるのを防止することができる。また押出成形機13は、テンションメンバ通過孔26が、ニップル孔25の中心線に対して斜めに形成されているので、ダイス21から引き出されたテンションメンバ2は、ケーブルコア7との距離を漸次縮めながら走行する。したがって、テンションメンバ2の周囲に塗布された樹脂23がケーブルコア7側に流動し難い場合でも、樹脂23をケーブルコア7に確実に密着させて、シース5とケーブルコア7との間に隙間ができるのを防止する効果が得られる。この効果はテンションメンバ2の近傍において特に有効である。
またニップル24内を減圧することにより、ダイス孔21から引き出された後のケーブルコア7の周囲にできた空間を外気圧より低くすることができ、これによってシース5とケーブルコア7とが確実に密着され、これらの間に隙間ができるのを防止する効果が得られる。この効果はテンションメンバ2が配されていない部位でも有効であるので、テンションメンバ2の数が少ない光ケーブルを製造する場合には特に好ましく適用される。
【0021】
また、本実施例によれば光ケーブルを製造する際に、帯状材料11を筒状に成形すると同時に、その内部に光ファイバテープ心線1を収納するので、製造工程が少なく、製造が容易で製造コストも低くて済む。また筒体3を成形する工程と、その内部に光ファイバテープ心線1を収納する工程と、シース5を一括被覆する工程を連続して行うことができるので、製造効率が良い。
また光ファイバテープ心線1を収納する筒体3を、帯状材料11を用いて成形するので、光ファイバテープ心線1を収納するチューブを押し出し成形する必要がない。したがって、ジェリーを用いなくて済むので、低コストで製造でき、光ケーブル接続時や後分岐時の作業も簡単である。
さらに筒体3は、帯状材料11の両端部を接合させ接着テープ6で貼り合わせて作製されるので、製造が容易である。特に接着テープ6として両面に接着性を有するものを用いれば、熱融着により筒体3と接着テープ6および接着テープ6とシース5の良好な接着性が得られるので、帯状材料11の両端部の貼り合わせを容易かつ確実に行うことができる。また筒体3の接合部3aの貼り合わせに接着テープ6が用いられているので、後分岐時などには、接着テープ6を筒体3から剥離させることによって筒体3を容易に解体することができ、筒体3内から光ファイバテープ心線1を簡単に取り出すことができる。
さらに、接着テープ6として耐張力体を備えたものを用いれば、この接着テープ6を、シース5を引き裂くための引き裂き紐として使用することができる。
【0022】
また光ファイバテープ心線1は、長さ方向に間隔をおいて充填されている充填材4によって筒体3の内壁に固定されているので、筒体3内で光ファイバテープ心線1が長さ方向に移動するのが防止される。またジェリーは充填されておらず、充填材4も間欠的に充填されているので、光ケーブル接続時や後分岐時の作業が簡単で取り扱い性も良好である。さらにまた充填材4が筒体3の内壁と光ファイバテープ心線1との隙間を埋めるように充填されていれば、筒体3内に水が侵入した場合に、水が筒体3内の全体に流れるのを防止することができるので、防水機能上好ましい。
なお本実施例では図1に示す構成の光ケーブルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、光ファイバを備えたケーブルコアが中心に配され、その周上にシースが被覆され、該シース内にテンションメンバが埋め込まれた構造を有するものであれば、各種構成の光ケーブルに適用可能である。
【0023】
以下、具体的な実施例を示して本発明の効果を明らかにする。
(実施例1)
図3に示す手順にて図1に示す光ケーブルを製造した。押出成形機13としては図4に示す構成を備えたものを用いた。
すなわち、まず図3に示すように、帯状材料1を、内部に光ファイバテープ心線1を収納しつつ、かつ充填材4を間欠充填しつつ、筒状に成形し、得られた筒体3の接合部3aを接着テープ6で張り合わせてケーブルコア7を得た。ケーブルコア7の外径は5.0mmであった。
続いて、このケーブルコア7に、外径1.2mmの2本のテンションメンバ2を沿わせた状態で押出成形機13に導入して、シース5を一括被覆し、外径9.5mmの光ケーブル10を得た。
押出成形機13において、ダイス孔21の内径は10mm、ニップル孔25の内径は5.5mm、ランド部22内側におけるニップル24の外径は6.5mm、テンションメンバ通過孔26の内径は1.4mm、テンションメンバ通過孔26の中心線とニップル孔25の中心線とのなす角度は5度とした。また、樹脂23としてはシース用低密度ポリエチレンを用い、ケーブルコア7およびテンションメンバ2の走行速度は20mm/分とした。
そして、ニップル24内を真空ポンプ(図示せず)を用いて、外気圧より400mmAqに減圧しながら、シース5の被覆を行った。
得られた光ケーブル10において、ケーブルコア7に潰れはなく、またケーブルコア7とシース5との間に隙間は生じておらず、両者の密着性は良好であった。
【0024】
(比較例1)
上記実施例1において、押出成形機13におけるテンションメンバ通過孔26の中心線とニップル孔25の中心線とを平行とし、かつこれら両中心線の間の距離を8.5mmとした。またニップル24内の減圧を行わず、その他の条件は上記実施例1と同様にして光ケーブル10を製造した。
得られた光ケーブル10において、ケーブルコア7の潰れはなかったが、ケーブルコア7とシース5とが密着しておらず、これらの間に隙間が生じていた。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の製造方法は、光ファイバを備えたケーブルコアにテンションメンバを沿わせた状態で、該ケーブルコアとテンションメンバを、内部に樹脂が供給されており出口側にダイス孔を備えた押出成形機に導入し、前記ダイス孔から引き出すことによって、前記ケーブルコアの周上に前記樹脂からなるシースが被覆され、該シース内にテンションメンバが埋め込まれてなる光ケーブルを製造する方法であって、前記ケーブルコアおよびテンションメンバのうちテンションメンバのみを、前記押出成形機内の樹脂中に導入し、前記ダイス孔から引き出された後の前記ケーブルコアとテンションメンバとの距離を漸次縮小させることを特徴とするものである。
したがって、押出成形機内でテンションメンバのみが樹脂中に導入され、ケーブルコアは成形機内の樹脂中を通過しないので、ケーブルコアが樹脂圧を受けて潰れるおそれがない。またダイス孔から引き出された後のケーブルコアとテンションメンバとの距離を漸次縮小させることにより、テンションメンバの周囲に塗布された樹脂をケーブルコアに確実に密着させることができるので、シースとケーブルコアとの間に隙間ができるのを防止することができる。
さらに、ダイス孔から引き出された後のケーブルコアの周囲を減圧することにより、シースとケーブルコアとを密着させて、これらの間に隙間ができるのを防止することができる。
【0026】
また本発明の製造装置は、シースを被覆するための装置としてダイスとニップルを有する押出成形機を備えており、ダイスの出口側にはダイス孔が設けられており、ニップルにはケーブルコアが通過するニップル孔と、テンションメンバが通過するテンションメンバ通過孔が設けられており、ダイス孔とニップル孔とは同心円状にかつダイス孔の先端とニップル孔の先端とが同一平面上に位置するように設けられているものである。したがって、ダイスとニップルの間に樹脂を供給し、ケーブルコアをニップル孔に導入することによって、ケーブルコアは押出成形機内の樹脂中を通過せずにダイス孔から引き出されるので、ケーブルコアが樹脂圧を受けて潰れるおそれがない。
また本発明の装置はテンションメンバ通過孔が、ニップル孔の中心線に対して斜めに形成されているものであるので、ダイス孔から引き出された後のケーブルコアとテンションメンバとの距離が漸次縮小し、これによりテンションメンバの周囲に塗布された樹脂がケーブルコアに確実に密着する。したがって、シースとケーブルコアとの間に隙間ができるのを防止することができる。
さらに、ニップル内を減圧する手段を設けることによって、ダイス孔から引き出された後のケーブルコアとシースとの間を外気圧より低くすることができ、これにより、シースとケーブルコアとを密着させて、これらの間に隙間ができるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る光ケーブルの断面図である。
【図2】 本発明の実施例に係る接着テープの斜視図である。
【図3】 本発明の実施例に係る光ケーブルの製造方法の説明図である。
【図4】 本発明の実施例に係る光ケーブルの製造装置の要部を示す断面図である。
【図5】 従来の光ケーブルの例を示す断面図である。
【図6】 従来の光ケーブルの製造装置の例の要部を示す断面図である。
【図7】 従来の光ケーブルの製造装置の例の要部を示す断面図である。
【図8】 従来の光ケーブルにおける製造不良を説明するための断面図である。
【符号の説明】
2…テンションメンバ、5…シース、7…ケーブルコア、10…光ケーブル、
20…ダイス、21…ダイス孔、21a…ダイス孔先端、23…樹脂、
24…ニップル、25…ニップル孔、26…テンションメンバ通過孔

Claims (4)

  1. 光ファイバと充填材を収容したセンターチューブからなるケーブルコアにテンションメンバを沿わせた状態で、該ケーブルコアとテンションメンバを、内部に樹脂が供給されており出口側にダイス孔を備えた押出成形機に導入し、前記ダイス孔から引き出すことによって、前記ケーブルコアの周上に前記樹脂からなるシースが被覆され、該シース内にテンションメンバが埋め込まれてなる光ケーブルを製造する方法であって、
    前記ケーブルコアおよびテンションメンバのうちテンションメンバのみを、前記押出成形機内の樹脂中に導入し、前記ダイス孔から引き出された後の前記ケーブルコアとテンションメンバとの距離を漸次縮小させることを特徴とする光ケーブルの製造方法。
  2. 前記ダイス孔から引き出された後のケーブルコアの周囲を減圧することを特徴とする請求項1記載の光ケーブルの製造方法。
  3. シースを被覆するための装置としてダイスとニップルを有する押出成形機を備えてなり、前記ダイスの出口側にはダイス孔が設けられており、前記ニップルには光ファイバと充填材を収容したセンターチューブからなるケーブルコアが通過するニップル孔と、テンションメンバが通過するテンションメンバ通過孔が設けられており、前記ダイス孔とニップル孔とは同心円状にかつダイス孔の先端とニップル孔の先端とが同一平面上に位置するように設けられており、前記テンションメンバ通過孔が、前記ニップル孔の中心線に対して斜めに形成されていることを特徴とする光ケーブルの製造装置。
  4. 前記ニップル内を減圧する手段を備えてなることを特徴とする請求項3記載の光ケーブルの製造装置。
JP36826698A 1998-12-24 1998-12-24 光ケーブルの製造方法および製造装置 Expired - Lifetime JP4248652B2 (ja)

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