JP4248102B2 - 摺動ドクター装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙用のドライヤーロール等の外周面にドクターブレードを圧接することにより、当該ロール外周面から紙滓等を除去するドクター装置に関するものである。更に詳しくは、対象となるロール外周面の軸長よりも短い幅のドクターブレードを、ロール外周面に圧接した状態でロール軸線方向に往復移動させながらドクターリングを行う摺動ドクター装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本願人は先に、特開平10−37094号公報において、ロール幅よりも短い幅のドクターブレードを、ロール外周面に沿ってその軸線方向に往復移動させながらドクターリングを行う摺動ドクター装置を提案している。この摺動ドクター装置は、ロール幅と同一幅のドクターブレードによるドクターリングに比べて、ドクターブレードを適切な圧力でロール外周面に圧接させることが容易であり、また、ロール外周面上における汚れのひどい部分等を重点的にドクターリングできる等の優れた利点がある。
【0003】
この摺動ドクター装置は、ドクターブレードを保持しているブレードホルダを、ドクターバックに取り付けた直線往復スライド機構によってロール幅方向(ロール軸線方向)にスライドさせる構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例えば、ドライヤーロール等の外周面の汚れを掻き落とすために摺動ドクター装置を用いた場合、ドクターブレードによって掻き落とされた紙滓等が直線往復スライド機構のスライド部分に詰まる可能性がある。紙滓等が直線往復スライド機構のスライド部分に詰まると、ドクターブレードの移動を円滑に行うことができなくなってしまう。また、場合によってはスライド機構の破損、その駆動モータが過負荷状態に陥り、焼損するおそれもある。
【0005】
本発明の課題は、このような弊害を回避可能な摺動ドクター装置を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の摺動ドクター装置は、支持フレームと、この支持フレームによって回転可能に支持されているドクターバックと、このドクターバックに搭載されている直線スライド機構と、この直線スライド機構によって直線往復移動が可能な状態で支持されているブレードホルダと、このブレードホルダによって保持されているドクターブレードと、前記直線スライド機構をその移動範囲に渡って覆っている区画室とを有することを特徴としている。
【0007】
本発明の摺動ドクター装置では、その直線スライド機構が区画室内に位置している。従って、掻き落とされた紙滓などが直線スライド機構のスライド部分等に入り込むことを防止できる。
【0008】
また、本発明の摺動ドクター装置では、上記構成に加えて、区画室を密閉状態としてあるので、確実に塵等の侵入を防止できる。
【0009】
さらに、区画室内を加圧状態に保持する空気供給機構を有していることが望ましい。区画室内を大気圧に比べて僅かに高い圧力状態となるように、空気供給機構によって区画室内に空気を供給すれば、細かな紙滓等が外部から区画室内に侵入してスライド機構に入り込んでしまうことを確実に防止できる。
【0010】
前記直線スライド機構は、典型的には、スライドレールと、このスライドレールに沿って直線往復移動するスライドテーブルと、このスライドテーブルを移動させるためのモータとを備えている。この場合、前記スライドテーブルは、前記区画室に形成したスリットを貫通して区画室外に延びている先端部分を備え、この先端部分に前記ブレードホルダが支持される。この構成の直線スライド機構を備えた摺動ドクター装置では、前記スリットと前記スライドテーブルの隙間を、前記スリット形成側の部材に取り付けた耐熱性ゴムからなるシール材によって封止しておくことが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した摺動ドクター装置の一実施例を説明する。図1ないし図3には、抄紙用のドライヤーロール外周面をドクターリングするための摺動ドクター装置を示してある。
【0012】
これらの図に示すように、摺動ドクター装置1は、両側の支持用フレーム21、22と、これらのフレーム21、22によって回転可能に支持されているドクターバック3と、このドクターバック3によって支持されている直線スライド機構4と、この直線スライド機構4によって直線往復移動が可能な状態で支持されているブレードホルダー5と、このブレードホルダー5によって保持されているドクターブレード6を有している。また、直線スライド機構4は矩形断面の筒状の区画室7の内部に密閉状態で収納されている。区画室7は直線スライド機構4の移動範囲を包含する長さとされ、その両端も端板(図示せず)によって封鎖されている。
【0013】
上記の各部分の構成を詳しく説明する。まず、ドクターバック3は、その両端に支軸31、32を備えており、これらの支軸31、32がそれぞれフレーム21、22の側の軸受けによって回転可能に支持されている。このドクターバック3によって支持されている直線スライド機構4は、例えば、THK株式会社製のベルト式のLMガイドである。
【0014】
この直線スライド機構4は、ドクターバック3に取り付けたベース41と、このベース41に形成した前後の直線スライドレール42、43と、これら直線スライドレール42、43に沿って直線往復移動するスライドテーブル44を備えている。スライドテーブル44は、その裏面が、駆動用ベルト45に連結されている。駆動用ベルト45は、一端側の駆動プーリー46と、他端側の従動プーリー47の間に架け渡されて、スライドレール42、43と平行に延びている。駆動プーリー46は、駆動源であるACサーボモータ48の出力軸に固着されている。モータ48を駆動すると、スライドテーブル44は駆動用ベルト45によってレール42、43に沿って直線移動する。モータ48を逆転すれば、反対方向に直線移動する。
【0015】
このスライドテーブル44の上にはブレードホルダー5が取付けられている。ブレードホルダー5は、トッププレート51と、このトッププレート51の裏面側に取り付けた多数のフィンガ52を備えている。これらの部材51、52の先端側部分の間に、ドクターブレード6の元端側の部分が抜き差し可能な状態で挟まれて保持されている。各フィンガ52は、その中心部分にロッド53が貫通している。ロッド53の両端は、回転可能な状態で、スライドテーブル44の側に支持されている。
【0016】
ここで、フィンガ52の裏面とスライドテーブル44の間に隙間が形成されており、ロッド53を挟み、前側(すなわちロール10の側)には小さい隙間が形成され、後ろ側には大きな隙間が形成されている。これらの隙間には、小径エアーチューブ54、大径エアーチューブ55がそれぞれ装着されている。これらのチューブ54、55に供給する空気量を調整することにより、ロッド53を中心として、ドクターブレード6を、ロール外周面10aに圧接した圧接状態と、そこから離れた開放状態とに切り換えることができる。すなわち、後ろ側の大径のチューブ55を膨張させ、小径のチューブ54を収縮させることにより、ドクターブレード6の刃先6aのロール外周面10aに対する圧接力を増加させることができる。逆に、小径のチューブ54を膨張させ、大径のチューブ55を収縮させることにより、ドクターブレードの圧接力を減少させることができる。さらには、ドクターブレード6をロール外周面から離れた開放状態にすることもできる(図においてはこの状態を想像線で示してある。)。
【0017】
ここで、上記構成の直線スライド機構4を覆っている区画室7は、ドクターバック3に取り付けた断面L形のプレート71と、このプレート71の前端に取り付けられた同じくL形断面のプレート72と、ドクターバック3に取り付けられた同じくL形断面のプレート73によって区画されている矩形の筒状断面となっている。これらのプレート71、72、73はロール幅方向に延びており、直線スライド機構4の移動範囲を包含する長さの区画室7を形成している。
【0018】
直線スライド機構4のスライドテーブル44は、プレート72、73の縁によって形成されているロール幅方向に延びるスリット74を通ってロール外周面10Aの側に突出しており、その先端にブレードホルダ5が保持されている。スリット74の上下の縁にはそれぞれ耐熱ゴムからなるシール材75、76が取り付けられている。これらシール材75、76の端はスリット74に沿って移動するスライドテーブル44の表面、裏面に接触しており、区画室7を実質的な密閉状態に保持している。
【0019】
この区画室7には空気供給機構8によって空気を供給可能であり、空気が供給されると、その内圧が周囲の大気圧よりも僅かに高くなる。空気供給機構8は、プレート71を貫通して区画室内に連通している空気供給管81と、この空気供給管81を介して空気を供給する空気源82とを備えている。この空気源82は、前述した一対のチューブ54、55に空気を供給するための空気源(図示せず)と共用することができる。
【0020】
次に、図2を参照して、上記の各部分の長さ、移動範囲について説明する。図に示すように、ロール10の面長(軸線方向の長さ)をL10とする。直線スライド機構4を支持しているドクターバック3の長さL3は、このロール面長L10よりも十分に長くなるように設定される。この結果、直線スライド機構4のスライドテーブル44の移動範囲は、ロール面長L10よりも広くなるように設定できる。
【0021】
本例では、ブレードホルダー5の長さL5を例えば120mmに設定してあり、ここに保持されているドクターブレード6の長さL6を例えば100mmに設定してある。ドクターブレード6がロール外周面の一方の端から他方の端まで摺動できるようにするために、すなわち、図2において、実線で示す一方の端から想像線で示す他方の端まで移動できるように、ブレード移動量Lは、ロール面長L10よりも左右50mmだけ少なくなるように設定されている。
【0022】
なお、ドクターブレード6の移動範囲をこのように制御するためには、移動範囲を規定するためのリミットスイッチ等を配置しておき、これらのリミットスイッチの出力信号に基づき、モータ48を制御すればよい。図2においてモータ48には、その制御基盤の部分に、電源用リード線48bと共に、リミットスイッチ等からの信号が伝送される検出器用ケーブル48cが接続されている。
【0023】
このように構成した本例のドクター装置1においては、ドクターブレード6を回転するロール10の表面10Aに適切な圧接力で押し付け、モータ48によってドクターブレード6を保持しているブレードホルダー5をロール軸線方向に向けて往復移動させる。この結果、ドクターブレード6は、ロール外周面10Aに沿ってその軸線方向に向けて摺動しながら、当該ロール外周面10Aのドクタリングを行なう。
【0024】
本例のドクターブレード6の幅は狭いので、ロール外周面10Aに対する圧接力の調整を簡単に行なうことができる。また、モータ48として回転速度が可変のものを使用すれば、ドクターブレード6の摺動速度を変化させることができる。このようにすれば、ロール外周面10Aのうち、紙滓等の異物が付着しやすい部分のドクタリングは摺動速度を遅くして十分に行い、それ以外の部分は摺動速度を速くして行なうことにより、効率の良いドクタリングを実現できる。
【0025】
また、本例では、直線スライド機構4は区画室7内に実質的に密閉状態で収納されている。これに加えて、動作中においては空気供給機構8によって区画室内は加圧状態に保持される。従って、ドクタリングによって掻き落とされた紙滓等の塵が直線スライド機構4の側に入り込み、駆動部分に詰まってしまうという弊害の発生を防止できる。
【0026】
次に、主として図4を参照して、本例の摺動ドクター装置の制御機構について説明する。摺動制御回路100は、直線スライド機構4を駆動制御して、当該直線スライド機構4によって支持されているブレードホルダ5により保持されているドクターブレード6の摺動を制御する。この摺動制御回路100には、ドクターブレードの最大移動範囲を規定する左右のセンサ131、132から検出信号が入力される。また、タイマー回路101および手動操作盤120が接続されている。
【0027】
次に、加圧・開放回路110は、ブレードホルダー5の一対のエアーチューブ54、55に対して空気の供給および排出を行なうことにより、これらのチューブを膨張、収縮させて、ドクターブレード6をロール外周面10Aに圧接した加圧状態およびロール外周面10Aから離れた開放状態に切り換える空気圧回路である。また、空気供給回路130は、空気供給機構8による空気供給を制御する回路である。
【0028】
手動操作版120には、加圧、開放の切り換えを行なう加圧スイッチ121、開放スイッチ122と、ドクターブレード6をロール外周面10Aに沿って摺動開始させる摺動開始スイッチ123およびそれを中止させる摺動中止スイッチ124とが備わっている。さらに、センサ131、132で規定される最大移動範囲の間において、座標入力により、ドクターブレード6の移動範囲を指定入力するためのスイッチ群125を備えている。さらには、ドクター装置1の動作モードを切り換えるモード切り換えスイッチ126を備えている。動作モードとしては例えば、自動モードと手動モードがある。
【0029】
モード切り換えスイッチ126によって手動モードが選択された場合には、次のようにドクタリングを行なう。まず、加圧スイッチ121を操作してドクターブレード6をロール外周面10Aに適切な圧接力で押し付ける。次に、摺動開始スイッチ123を操作して、モータ48を駆動して直線スライド機構4によってブレードホルダ5によって保持されているドクターブレード6の摺動を開始させる。この後は、直線スライド機構4によって、ドクターブレード6は、センサ131、132で規定される最大移動範囲を往復移動してロール外周面10Aのドクタリングを行なう。
【0030】
ここで、例えば、ドクターブレード6の刃先が過熱状態であると操作者が判断した場合には、操作者は開放スイッチ122を操作すればよい。このスイッチ122を操作すると、ドクターブレード6は開放状態に切り換わり、ロール外周面10Aから離れた状態で移動する。この結果、過熱状態を回避することができる。また、操作者が、ロール外周面10Aのうち、特定の部分に異物の付着を見てとった場合には、例えば、ドクター装置1の動作を一旦停止させる。次に、スイッチ群125を介して、異物の付着の多いロール外周面の部分を含む移動範囲を座標入力する。この後に、加圧スイッチ122を操作し、摺動開始スイッチ123を操作すると、ドクターブレード6は指定された移動範囲内を往復してロール外周面のドクタリングを行なう。
【0031】
一方、スイッチ126によって自動モードが設定された場合には、例えば次のようなドクタリングが実行される。この場合、スイッチ群125によって移動範囲の入力が無い場合には、ドクターブレード6はセンサ131、132で規定される最大移動範囲を往復移動するように制御される。また、タイマー101によるタイマカウントに応じて、一定の時間毎に、ドクターブレード6は開放状態に一時的に切り換わり、ドクターブレード6の刃先が過熱状態に陥らないように制御される。移動範囲がスイッチ群125によって入力された場合には、ドクターブレード6をその範囲内で往復移動させる。
【0032】
ここで、自動モードにおいては、次のような動作状態が考えられる。まず、ドクターブレード6の刃先の部分の温度状態を検出するための温度センサを設置しておけば、このセンサ出力に基づき、ドクターブレード6の刃先が過熱状態に陥ってしまうことを確実に回避できる。すなわち、センサによって刃先が予め設定した温度を超えた場合には、タイマ101によって規定される一定の時間だけ、ドクターブレード6を開放状態に保持して、当該ドクターブレードの刃先を冷却すればよい。
【0033】
また、ロール外周面10Aの各部分の汚れ具合を検出するためのセンサ、すなわち、異物の付着度合いを検出するセンサを配置しておき、このセンサの出力に基づき、ドクターブレードの移動範囲を自動設定すれば、ドクタリングを効率良く行なうことができる。詳細に説明すると、センサによって異物の付着が多い部分(汚れが多い部分)を検出し、この結果に基づき摺動制御回路100においてこの部分を含むドクターブレードの移動範囲を算出する。そして、この移動範囲内でドクターブレード6を往復移動させて異物を確実にかき落とす。このように制御すれば、常に、ロール外周面から異物を確実に除去でき、効率の良いドクタリングを実現できる。
【0034】
一方、上記構成の摺動ドクター装置を用いて多段ドクター装置を構成することができる。すなわち、上記構成の摺動ドクター装置と、当該摺動ドクター装置よりもロール回転方向の上流側の位置に配置され、ロール幅とほぼ同一の幅を備えたドクターブレードを用いて前記ロール外周面のドクタリングを行なうドクター装置とを有する構成を採用することができる。この構成によれば、上流側の一般的なドクター装置によってロール全幅のドクタリングを行い、その表面の滓を除去する。次に、摺動ドクター装置を用いて、部分的に付着している紙滓等を除去する。このように二段階でドクタリングを行うことにより、効率の良いドクタリングを実現できる。
【0035】
次に、図5には、図1ないし図3に示す摺動ドクター装置の変形例を示してある。この図に示す摺動ドクター装置1Aが前述のドクター装置1と異なっている点は、直線スライド機構4のスライドテーブル44Aが直角に折れ曲がっている点である。これ以外の点は同一であるので、図においては対応する部分に同一の符号を付してある。設置場所によっては図1に示す摺動ドクター装置を取り付けるスペースが確保できない場合等において、本例の摺動ドクター装置1Aが有効となる。
【0036】
なお、上記の各例では、区画室7を実質的に密閉状態として、内部を僅かに加圧状態としている。加圧状態にする代わりに、区画室内から外部に向かう空気流が常に形成されるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の摺動ドクター装置は、ドクターブレードをロール幅方向にスライドさせるための直線スライド機構が密閉状態で区画室内に配置されている。従って、掻き落とされた紙滓等の塵が直線スライド機構のスライド部分に入り込むことを防止できる。
【0038】
また、本発明では、区画室内を大気圧よりも僅かに高い加圧状態に保持しているので、細かな塵が区画室内に入り込むことも確実に防止できる。
【0039】
さらに、本発明では、直線スライド機構のスライドテーブルの軌道軌跡にそって区画室に形成されているスリットと、当該スライドテーブルの間の隙間を、耐熱性ゴムからなるシール材で封止しているので、区画室内への塵の侵入を一層確実に防止できる。
【0040】
このように、本発明の摺動ドクター装置では、その直線スライド機構に掻き落とされた紙滓等の塵が入り込むことを確実防止でき、塵が入り込むことに起因して起きる弊害を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した摺動ドクター装置の例を示す概略構成図である。
【図2】図1のドクター装置における各部分の長さ関係およびドクターブレードの移動範囲を説明するための説明図である。
【図3】図1のドクター装置におけるドクターブレードおよびブレードホルダの部分を拡大して示す部分拡大図である。
【図4】図1のドクター装置の駆動制御系を示す概略ブロック図である。
【図5】図1の摺動ドクター装置の変形例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 摺動ドクター装置
4 直線スライド機構
5 ブレードホルダ
6 ドクターブレード
7 区画室
71、72、73 プレート
74 スリット
75、76 シール材
8 空気供給機構
81 空気供給管
82 空気源
10 ロール
10A ロール外周面
10a ロール軸線
100 摺動制御回路
130 空気供給回路

Claims (4)

  1. 支持フレームと、
    この支持フレームによって回転可能に支持されているドクターバックと、
    このドクターバックに搭載されている直線スライド機構と、
    この直線スライド機構によって直線往復移動が可能な状態で支持されているブレードホルダと、
    このブレードホルダによって保持されているドクターブレードと、
    前記直線スライド機構をその移動範囲に渡って覆っている区画室とを有し、
    前記区画室は、密閉状態とされていることを特徴とする摺動ドクター装置。
  2. 請求項1において、
    前記区画室内を加圧状態に保持する空気供給機構を有していることを特徴とする摺動ドクター装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記直線スライド機構は、スライドレールと、このスライドレールに沿って直線往復移動するスライドテーブルと、このスライドテーブルを移動させるためのモータとを備えており、
    前記スライドテーブルは、前記区画室に形成したスリットを貫通して区画室外に延びている先端部分を備え、この先端部分に前記ブレードホルダが支持されており、
    前記スリットと前記スライドテーブルの隙間は、前記スリット形成側の部材に取り付けた耐熱性ゴムからなるシール材によって封止されていることを特徴とする摺動ドクター装置。
  4. 支持フレームと、
    この支持フレームによって回転可能に支持されているドクターバックと、
    このドクターバックに搭載されている直線スライド機構と、
    この直線スライド機構によって直線往復移動が可能な状態で支持されているブレードホルダと、
    このブレードホルダによって保持されているドクターブレードと、
    前記直線スライド機構をその移動範囲に渡って覆っている区画室とを有し、
    前記直線スライド機構は、スライドレールと、このスライドレールに沿って直線往復移動するスライドテーブルと、このスライドテーブルを移動させるためのモータとを備えており、
    前記スライドテーブルは、前記区画室に形成したスリットを貫通して区画室外に延びている先端部分を備え、この先端部分に前記ブレードホルダが支持されており、
    前記スリットと前記スライドテーブルの隙間は、前記スリット形成側の部材に取り付けた耐熱性ゴムからなるシール材によって封止されていることを特徴とする摺動ドクター装置。
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