JP4247755B2 - 展開トラス構造及びアンテナ反射鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば人工衛星等に搭載されてなるパラボラアンテナの支持構造や大型宇宙構造物の基本骨格を形成する展開トラス構造及びアンテナ反射鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
宇宙空間に大型の構造物を構築する場合、現在ではスペースシャトルや宇宙ステーション・ミールに於いて宇宙飛行士が作業を行う方式が採用されているが、これらの方式では人的被害を考慮する必要性があると共にコストも高くつくという欠点を有し、また作業期間の制約や構築構造物サイズの制約を受けることもあり得る。
【0003】
このため、昨今では、宇宙空間に大型構造物を構成する方式として、モーター等の駆動力によって自動的に構造体を構成する展開トラス構造なるものが国内外で研究されている。
【0004】
日本国内においても宇宙空間に大型アンテナを構成する手法として、既に特許第2555487号公報や特許第2567164号公報同じく特許第2567192号公報に記載されるように展開トラス構造を用いる方式が一般的になってきている。
【0005】
図9は、従来の放射状リブによる展開トラスを用いたアンテナ反射鏡の一例を示す。
【0006】
中央縦部材201には、四辺リンク202を構成する横部材203、204と外側縦部材205が回転自在に取り付けられ、中央縦部材201と外側縦部材205には7本の支持柱206a,b,c,d,e,f,gが取り付けられ、支持柱206a,b,c,d,e,f,gの間には、適当な張力がかけられた複数のワイヤーからなるワイヤーネットワーク207があり、このワイヤーネットワーク207によりメッシュ208はパラボラ面に沿うように支持されている。
【0007】
図10は、展開トラスの四辺リンク202が、展開トラスの展開収納運動に伴い、収納された様子を示す。
【0008】
図のように、中央縦部材201と外側縦部材205には支持柱206g,aが立てられており、支持柱206g,aの長さにおいて、支持柱206gの長さが支持柱206aの長さよりも短いと、展開トラスを収納させることにより支持柱206g,aの先端どうしの距離が長くなる。
【0009】
また、図11の例では、3角形に接続されたワイヤーの集合体として構成した反射鏡面を周囲6点の棒状の支持柱の鏡面側端部とアンテナ中心部の支持柱の鏡面側端部で支持し、支持柱の支持構造側端部と鏡面側形状を支持できるように接続するバックワイヤによって、反射鏡面は構成される。この構成では、伸び剛性の高いバックワイヤと伸び剛性の低い鏡面ワイヤーを接続するタイワイヤーの長さを調整することで、ワイヤー長誤差、ワイヤーの張力を与える力の誤差に対して、安定な鏡面を構成できると考えられている。
【0010】
また、図12のような反射鏡面の支持構造では、傘骨のような支持構造になっており、傘骨の間にネットワークを張架する構成となる。この構成では、ワイヤーネットワーク形状がシンプルで、反射鏡面を支持するワイヤーが周方向ワイヤーで構成されるために、外周部の変形が少なく、ワイヤーの弛みによるワイヤーの引っかかりも少ないと考えられる。
【0011】
ところが、上記展開トラス構造では、いずれもロケットへの搭載性を考慮して折り畳みによる収納効率の向上を目指したものや軽量化のために構成部材の数を減少させると言ったような単一性能の向上を目的として構成されたものであり、収納性・軽量化・展開信頼性の向上といった総合的に展開トラス構造としての性能を満足することが困難なものであるという問題を有していた。
【0012】
また、展開トラス構造を用いてアンテナ反射鏡を構成した場合、展開トラスの収納運動に伴い支持柱206g,aの先端どうしの距離が長くなることにより、メッシュ208をパラボラ面に沿わせるように、適当な張力がかけられたワイヤーネットワーク207は支持柱206g,aの先端を結ぶワイヤーの張力が上がり、ワイヤーが破損したり、展開収納を行う際に異常な力が発生して、展開収納動作が阻害される恐れがあった。
【0013】
また、展開トラス構造を用いてアンテナ鏡面を構成する際に外周囲の変形、ピロー変形の影響が少なく、反射鏡面を構成するワイヤーが収納展開時に、支持構造の展開動作によって過度な力がかからないように構成するのが困難であり、この点からもアンテナ展開動作の信頼性を確保するのが困難であるという問題を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の展開トラス構造は、いずれのものも、宇宙開発の分野で要請される収納性・軽量化・展開信頼性の向上といった総合的な性能を満足することが困難であるという問題を有する。
【0015】
また、従来のアンテナ反射鏡では、ワイヤーの張力が上がり、ワイヤーが破損したり、展開収納を行う際に異常な力が発生して、展開収納動作が阻害される虞れを有する。
【0016】
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、収納性・軽量化・展開信頼性の向上を図り得るようにした展開トラス構造及びアンテナ反射鏡を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、第1から第4の四辺部材の端部を回転自在に四辺形状に結合した四辺構造を放射状に組み合わせて、この四辺構造の一方の対角線間に、中間部が回転自在に折れ曲がり自在に連接される第1及び第2の斜部材を架設した四辺トラス構造と、この四辺トラス構造の第1の四辺部材に摺動自在として架設される第1の摺動部材と、この第1の摺動部材と前記第1の斜部材とを回転自在にリンク結合する第1のリンク部材と、前記四辺トラス構造の第1の四辺部材に前記第1の摺動部材に干渉しない位置に摺動自在として架設される第2の摺動部材と、この第2の摺動部材と前記第1のリンク部材とを回転自在として結合される第2のリンク部材と、前記第1及び第2の摺動部材間に設置され、第1及び第2の摺動部材を前記第1の四辺部材に対して摺動させる力を付与するバネ部材とを備えて展開トラス構造を構成した。
【0018】
また、この発明の展開トラス構造は、前記四辺トラス構造を、第1,第2の四辺部材と、第3,第4の四辺部材が略平行状態かつ対向するように並ぶ収納形状から、前記第1から第4の四辺部材が四辺形状をなす展開状態に至るまで、展開収納運動が可能に構成した。
【0019】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第1から第4の四辺部材の互いの端部を回転自在に結合する結合部どうしの距離に於いて、第1の四辺部材における結合部距離と第2の四辺部材における結合部距離の和が、第3の四辺部材における結合部距離と第4の四辺部材における結合部距離の和とほぼ等しくなるように構成した。
【0020】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第1から第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部に於いて、上記第1及び第3の四辺部材における結合部は、各々の部材の中心線上からお互いの対抗方向に突出して配置されるように構成した。
【0021】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第3の四辺部材と上記第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部は、第3の四辺部材の中心線上もしくは該中心線に対して第1の四辺部材と反対側に配置するように構成した。
【0022】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第1の斜部材の方が上記第2の斜部材よりも短くするように構成した。
【0023】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第1の摺動部材もしくは第2の摺動部材の位置を制御することにより、展開収納動作を制御するように構成した。
【0024】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第1の四辺部材と上記第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部の近傍に、モーターを設置し、モーターと同軸に設置されたプーリーとプーリーに巻かれたワイヤーを、上記第1の摺動部材もしくは第2の摺動部材に接続することにより、展開収納動作を制御するように構成した。
【0025】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第1のリンク部材と上記第2のリンク部材を結合する箇所を、四辺トラス構造の収納状態で、第1のリンク部材の両端部の回転自在に結合される箇所間を結ぶ中心線に対して、第1の四辺部材と反対側に配置するように構成した。
【0026】
また、この発明の展開トラス構造は、前記第2のリンク部材の数が第1のリンク部材の数よりも少なく備えて構成した。
【0027】
上記構成によれば、上記収納時において、四辺形を構成する4部材のうち2部材をほぼ一直線上に並べることができるので、上記収納状態において全体寸法をコンパクトにすることが出来る。
【0028】
また、展開力を与えるバネを第1及び第2の摺動部の間に設置し、これら摺動部に取り付けた第1及び第2リンク部材と第1及び第2の斜部材を介して展開力を上記四辺部材に伝達しているので、トラスの展開収納に伴うバネの伸縮距離が、リンクのてこ比により縮小され、結果としてバネの重量を低減させることができる。
【0029】
また、上記第1から第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部に於いて、上記第1及び第3の四辺部材における結合部は、各々の部材の中心線上からお互いの対抗方向に突出して配置させることにより、上記収納状態において、上記第1と第2の斜部材が、突出部して配置された4個の結合部の内側に移動して、全体寸法をコンパクトに収納することが出来る。
【0030】
また、上記第3の四辺部材と上記第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部を、第3の四辺部材の中心線上もしくは該中心線に対して第1の四辺部材と反対側に配置することで、上記収納時に第3の四辺部材と第4の四辺部材の四辺部材外側の形状を凹凸の無い形にすることができ、全体寸法をコンパクトにすることが出来る。
【0031】
また、上記第1の斜部材を上記第2の斜部材よりも短くすることで、上記収納時に上記第1と第2の斜部材を上記の四辺部の内側に収納することができる。
【0032】
また、上記第1の摺動部材もしくは第2の摺動部材の位置を、上記第1の四辺部材と上記第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部の近傍に配置されたモーターと、モーターと同軸に設置されたプーリーとプーリーに巻かれたワイヤーにより制御することで、重力下で展開トラスを保持しやすい構成とすることができる。
【0033】
また、上記展開トラス構造が上記収納形状にある際に、上記第1のリンク部材と上記第2のリンク部材を結合する箇所を、第1のリンク部材の両端部の回転自在に結合される箇所間を結ぶ中心線に対して、第1の四辺部材と反対側に配置することで、第2のリンク部材を太くすることができ、上記圧縮バネによる引っ張 り力が働く第2のリンク部材の強度を増すことができる。
【0034】
また、上記第2のリンク部材の数を上記第1のリンク部材の数よりも少なくすることにより、展開トラスの重量を低減することができる。
【0035】
また、上記第2から第4の四辺部材と上記第1と第2の斜部材を第1の四辺部材に対して放射方向に複数配設し、同数の上記第1及び同数もしくは少数の第2のリンク部材を上記第1及び第2の摺動部材に配設しすることで、略多角柱形状あるいは略多角錐形状の展開トラス構造を構成することができる。
【0036】
さらに、上記略多角柱形状あるいは略多角錐形状の展開トラスを、上記第3の四辺部材どうしを組み合わせるように複数個組み合わせることで、組み合わせ構造体を形成することができる。
【0037】
また、この発明は、電波を反射するメッシュと、このメッシュを所望の曲面に整形するワイヤーをつなぎ合わせて構成したワイヤーネットワークとを備えて、このワイヤーネットワークを支持する支持柱を、展開トラス構造の略多角柱形状あるいは略多角錐台形状の角の点に相当する部位のみに配置してアンテナ反射鏡を構成した。
【0038】
また、この発明のアンテナ反射鏡は、前記ワイヤーネットワークの網構造によりメッシュ表面を多角形の集合体のような支持構造で支持し、外周の支持構造に支持される多角形部分については、周方向、及び面直方向のみのワイヤーネットで構成し、他の多角形部分は、径方向、周方向、面直方向のワイヤーネットで構成した。
【0039】
また、この発明のアンテナ反射鏡は、前記ネットワークワイヤーと展開トラス構造が隣接する箇所で、前記ネットワークワイヤーを、所定の傾斜角度をもって前記展開トラス構造に取付配置するように構成した。
【0040】
上記構成によれば、略多角柱形状あるいは略多角錐形状を構成する展開トラス構造と、電波を反射するメッシュと、該メッシュを所望の曲面に整形するワイヤーをつなぎ合わせて構成したワイヤーネットワークと、上記展開トラス構造に取り付けられワイヤーネットワークを支持する支持柱とを有するアンテナ反射鏡において、上記支持柱を上記展開トラス構造の上記略多角柱形状あるいは上記略多角錐形状の角の点に相当する部位にのみ設置するようにアンテナ反射鏡を構成しているので、展開トラス構造の展開収納動作により支持柱の先端どうしの距離が長くなることでワイヤーの張力が上がり、ワイヤーが破損したり、展開収納動作を妨げることはない。
【0041】
また、メッシュ反射鏡面を多角形の集合体のように構成したワイヤーネットで押さえ、外周の支持構造に支持される多角形部分については、周方向、及び面直方向のみのワイヤーネットで構成し、他の多角形部分は、径方向、周方向、面直方向のワイヤーネットで構成することで、反射鏡面の外周部変形が少なくなる。
【0042】
また、ネットワークワイヤーと径方向の支持構造部材が隣接する箇所で部材とワイヤーを接続して、支持構造の収納展開動作にならってワイヤーが収納展開動作する構造と、支持構造部材とネットワークワイヤーの接続部分を支持部材とある角度だけ傾斜させて接続した構造としているので、収納展開動作時に過度な力がワイヤーに作用せずに、高い形状精度の反射鏡面が確保できるアンテナ支持構造を提供できる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る放射状リブによる展開トラス構造を用いたアンテナ反射鏡の一例を示す。
【0045】
図1に示すように、この発明の一実施の形態に係る展開トラス構造は、ほぼ6角柱形状であるが、パラボラアンテナ鏡面などの曲面形状を形成する場合には、6角柱の上面と下面の大きさが異なり、本実施例では下面側6角形状が上面側6角形状よりも大きくなる6角錐台形状となっている。この発明の展開構造物の構成は、アンテナ反射鏡面となるメッシュ11と、メッシュの形状を保持するワイヤー12と、ワイヤー12、メッシュ11を支持する6本の支持柱13からなる反射鏡面部14と、反射鏡面部14を支持する展開トラス20からなる。
【0046】
図2は、この発明のアンテナ反射鏡を構成する展開トラス構造を示す。図のように6個の四辺リンク21a,b,c,d,e,fは中央縦部材22を共有する形で組み合わされ、6角錐台の展開トラス20を構成している。
【0047】
この展開トラス20をモジュール23と呼ぶ。6角錐台形状のモジュール23の外側の縦部材24a,b,c,d,e,fの外側にはモジュール結合ヒンジ25a,b,c,d,e,fと26a,b,c,d,e,fが取り付けられている。
【0048】
図3は、図2に示すモジュール23を14個結合して構成した展開トラス30を示す。展開トラス30は複数のモジュール23をモジュール結合ヒンジ25a,b,c,d,e,fと26a,b,c,d,e,fにより回転自在に結合することにより構成される。展開トラス30を構成する個々のモジュール23の上面の6角形の各点31a,b,c,d,e,fは、直接パラボラ面を構成してもよい。
【0049】
ただし、図3に示す展開トラス30では、図2に示す点31a,b,c,d,e,fは、このモジュール23を構成する四辺リンク21の基本寸法を同一とし、これら四辺リンク21の中心線を含む平面どうしがなす角度を、360度を四辺リンク21の数6で割った60度より2〜3度以下程度増減させることにより、同一球面状に存在するように構成している。
【0050】
パラボラアンテナの機能を満たすためには、メッシュ11はパラボラ面上に無ければならないが、上記支持柱13の長さを適当な値にすることで、支持柱13の先端の点32a,b,c,d,e,fがパラボラ面上の点となるように設定してある。
【0051】
上述のように、図3に示す展開トラス30は、図2に示す展開トラス20の集合体であり、この展開トラス30を用いてアンテナ反射鏡を構成するには、図1の支持柱13の先端の点32a,b,c,d,e,fを、モジュールごとに個別に、パラボラ面上の点となるように設定すればよい。
【0052】
メッシュ11を支持するケーブルは、上記のようにメッシュの形状がパラボラ面になるようにワイヤー12により保持されるが、ワイヤー12は、メッシュ11を直接支持するサーフェスワイヤー40とサーフェスワイヤー40より展開トラス20に近い位置に存在するサポートワイヤー41と、サーフェスワイヤー40とサポートワイヤー41もしくは四辺リンク部材を結ぶタイワイヤー42からなる。
【0053】
サーフェスワイヤー40はタイワイヤー42によりサポートワイヤー41もしくは四辺リンク部材と結ばれることにより、サーフェスワイヤー40上の点がパラボラ面上の点となるように設定される。
【0054】
また、各ワイヤーは、ゆるんでメッシュ11の姿勢が変化しないように、展開トラス20が展開した状態で適当な張力がかけられている。
【0055】
さらに展開トラス20においては、図1のように外側の縦部材24の上部の点と隣接する外側の縦部材24の下部の点、外側の縦部材24の下部の点と隣接する外側の縦部材24の上部の点を結ぶようにクロスワイヤーが張架されており、各クロスワイヤーは、ゆるんで展開トラス20の姿勢が変化しないように、展開トラス20が展開した状態で適当な張力がかけられている。
【0056】
また、クロスワイヤーどうしの交点は、固定してもよい。
【0058】
さらに、クロスワイヤーは、外側の縦部材24の上部の点どうし、下部の点どうしを結ぶように張架してもよい。
【0059】
図4に展開トラス20を構成する6個の四辺リンク21a,b,c,d,e,fの構造を示す。中央縦部材22からメッシュ11にほぼ沿うように横部材52、横部材53がヒンジ54、55を介して回転自在に支持されている。また、横部材52、横部材53の先には、中央縦部材22と同じように、ヒンジ56、57を介して回転自在なように外側の縦部材24が支持されている。
【0060】
なお、上述の6本の支持柱13は、外側の縦部材24に接合されるよう構成される。
【0061】
上記四辺リンク21は、四辺リンク21を構成する中央縦部材22のヒンジ54,55を結ぶ距離と横部材52の長さの和と、外側の縦部材24のヒンジ56,57を結ぶ距離と横部材53の長さの和がほぼ等しくなるように構成されている。
【0062】
また、図4に示すように、中央縦部材22のシャフト部58の中心線とヒンジ55の回転中心の間が離れており、同様に外側の縦部材24のシャフト部59の中心線とヒンジ56の回転中心の間が離れるように構成している。
【0063】
四辺リンク21の内側には中央縦部材22にヒンジ60を介して回転自在に取り付けられた斜部材61と、横部材53にヒンジ62を介して回転自在に取り付けられた斜部材63が、互いの端部においてヒンジ64を介して互いに回転自在になるように取り付けられている。中央縦部材22には、摺動部材70が中央縦部材22に対して摺動自在に取り付けられ、摺動部材70と斜部材61には、それぞれヒンジ71、72が取り付けられ、それらヒンジ71、72には回転自在にリンク73が支持されている。リンク73には、ヒンジ71,72を結んだ直線とはずれた位置にヒンジ74が設けられ、ヒンジ74によりリンク73にはリンク75が回転自在に支持されている。
【0064】
上記リンク73と斜部材61の長さは、中央縦部材22の半分程度であり、これに対して斜部材63は、中央縦部材22の半分と横部材52の長さの和から外側の縦部材24の長さを引いた差分の長さとほぼ等しくなっている。一方、中央縦部材22には、摺動部材70とは別の摺動部材76が中央縦部材22に対して摺動自在に取り付けられており、摺動部材76にはヒンジ77が取り付けられ、ヒンジ77により上記リンク75が回転自在に支持されている。
【0065】
そして、摺動部材70と摺動部材76の間には、圧縮バネ80が係着されている。
【0066】
上記圧縮バネが摺動部材70と摺動部材76を押し広げるように運動することにより、斜部材61とリンク73,75により構成されたリンク群が自動開傘機構と同様に作用し、摺動部材70と摺動部材76が図4中A方向に進むとともに、ヒンジ64が図4中B方向に、中央縦部材22から離れる方向に運動する。
【0067】
このときの四辺リンクのヒンジ62の位置は、ヒンジ64の位置に対して、ヒンジ64から斜部材63を自由に回転させたときのヒンジ62の軌跡と四辺リンク21を自由に運動させたときに時の横部材53に取り付けられたヒンジ62の軌跡の交点に定まるため、本来1自由度である四辺リンク21の形状は一意に定まる。いまヒンジ64の位置が図4中B方向に移動することにより、斜部材61と斜部材63が直線に近づくため、四辺リンク21の対角の位置にあるヒンジ60とヒンジ62の距離が広がるので、四辺リンク21が展開運動し、展開トラス20が展開運動することになる。
【0068】
したがって、上記圧縮バネが摺動部材70と摺動部材76を押し広げるように運動することにより、展開トラス20が展開運動する。
【0069】
さらに、摺動部材70には、図示しない制御ワイヤーが取り付けられており、中央縦部材22の反射鏡面部14と反対側には図示しない制御モーターが取り付けられていて、制御モーターの回転軸と同軸に取り付けられた図示しないプーリーに制御ワイヤーを取り付けている。制御モーターは、該モーターと同軸の前記プーリーに制御ワイヤーを巻き取ることで摺動部材70の動きを制御するとともに、四辺リンク21の動きおよび、該四辺リンク21の組み合わせにより構成される展開トラス20の展開収納動作を制御する。
【0070】
上記実施の形態においては、上述のように、展開トラス20において外側の縦部材24に接合される支持柱13は上記略多角錐形状の角の点に相当する部位にのみ設置されていて、中央縦部材22のシャフト部58と同軸上には支持柱13を設けていない。
【0071】
また、上記サーフェスワイヤー40を支持するタイワイヤー42は取り付け部位90により横部材52に接合されているが、タイワイヤー42の端点91,92を結ぶ直線と隣接するタイワイヤーとサーフェスワイヤーの交点93,94を結ぶ直線と直交する直線が、図4に示すように図4中矢印Cに示す方向に傾斜角度をもって傾斜するように取り付けられている。なお該傾斜角度は約20度前後である。
【0073】
図5は、展開トラス20を収納して、上記の四辺リンクを折り畳んだ状態を示す。
【0074】
上記のように、リンク73には、ヒンジ71,72を結んだ直線とはずれた位置にヒンジ74が設けられているが、図5に示すように展開トラス20の収納時には、ヒンジ74はヒンジ71,72を結んだ直線に対して中央縦部材22と反対側になるように構成されている。
【0075】
このように構成された上記実施の形態によれば、外側の縦部材24がほぼ横部材52ないしは横部材53を半径とする1/4円運動をするのに対し、摺動部材70と摺動部材76の間に勘合された圧縮バネ80の長さの変化量はリンク75の長さと同程度であり、リンク75の長さは中央縦部材22の長さの約半分であるリンク73よりも短いので、図4と図5に示すように、四辺リンクを運動させる際に、力点であるバネの長さの変化量を少なくすることができ、これによりバネの仕事量を抑えることができるので、バネの重量を低減させることができる。
【0076】
また、上記実施の形態のように、四辺リンクを構成する中央縦部材22のヒンジ54,55を結ぶ距離と横部材52の長さの和と、外側の縦部材24のヒンジ56,57を結ぶ距離と横部材53の長さの和がほぼ等しくなっているので、図5のように、四辺リンクは展開トラス20の収納時に細長い四角形形状に折り畳むことができる。
【0077】
さらに、図5のように中央縦部材22のシャフト部58とヒンジ55の回転中心に距離があり、同様に外側の縦部材24のシャフト部59とヒンジ56の回転中心に距離があることで、これらの距離によって生じる隙間100に収納状態での斜部材61,63を収納することができる。
【0078】
また、上記実施の形態では、四辺リンク21の外側の凹凸を少なくするために、外側の縦部材24のシャフト部59の中心線とヒンジ57の回転中心を一致させているが、これは外側の縦部材24のシャフト部59と横部材53のシャフト部101の直径を同一としているためであり、例えばサーフェスワイヤー40の張力に耐えてメッシュ11をパラボラ面に一致させるために、シャフト部59をシャフト部101よりも太くする場合には、図5のようにヒンジ57をシャフト部59の中心線から四辺リンクの外側に移動させれば、本実施例と同様に四辺リンク21の外側の凹凸を少なくすることができる。
【0079】
さらに、斜部材63に対し斜部材61が短いことにより、図のように収納状態においても、細長い略四角形形状をした四辺リンクの内部に、斜部材61,63を収納することができる。
【0080】
また、図1、2に示す展開トラス20の対称性から、展開トラス20の重心は、中央縦部材22の中心線上にあることは言うまでもないが、中央縦部材22の反射鏡面部14と反対側に制御モーターを取り付けることにより、重力下で展開トラス20を保持する際に、中央縦部材22をワイヤーでつり下げるだけで、反射鏡面部14を上、もしくは下に向けることができ、これにより反射鏡面部14の平面精度を測定する際に重力の補償が行いやすくなる。
【0081】
さらに、反射鏡面部14を上にした状態で展開トラス20をつり下げるために、メッシュ11に中央部分に直径10mm程度の小穴を設けてもかまわない。
【0082】
また、図5に示すように展開トラス20の収納時には、ヒンジ74をヒンジ71,72を結んだ直線に対して中央縦部材22と反対側になるように構成することにより、圧縮バネ80により引っ張り力が作用するリンク75を太くすることができるので、リンク75が破損する懸念がない。
【0083】
また、この実施の形態ではリンク75の数をリンク73と同数にしているが、摺動部材70と摺動部材76の間を回転自在なリンクとして結合するリンク75は、少なくとも1つだけ存在すれば、自動開傘機構としての機能を発揮する。
【0084】
ただし、リンク75の数を1つにすると、斜部材61とリンク73,75により構成されたリンク群による自動開傘機構が、中央縦部材22のシャフト部58に対して非対称になるので、展開トラス20が展開収納運動する際に摺動部76がシャフト部58と直角方向に押しつけられ、摺動部76を運動させるための摩擦力が大きくなる。
【0085】
したがって、リンク75は少なくともシャフト部58に対して、ほぼ対称に2個以上設けることが望ましい。
【0086】
図6は、図3に示す展開トラス30に反射鏡面部14を組み合わせることにより、開口径の大きな展開アンテナを構成し、これを搭載した衛星の概観を示したものである。このように図2に示すモジュール23を複数個結合すると、大型の展開トラス30を構成することができ、これに反射鏡面部14を組み合わせることにより、開口径の大きな展開アンテナの反射鏡として使用することができる。
【0087】
また、図6に於いて、ブーム110に取り付けられた、大型の展開トラス30を展開運動させる際に、ブーム110は大型の展開トラス30の展開による重心移動の反力を受けるが、上記制御モーターにより複数個の展開トラス20の展開を制御して、展開に要する時間を長くすることにより、該反力の最大値を低く抑えることができ、ブーム110が受ける負荷を小さくすることができるので、ブーム110の構造を簡略化することができ、結果としてブーム110の重量を低減させることができる。
【0088】
さらに、上記実施の形態では、上述のように、展開トラス20において外側の縦部材24に接合される支持柱13は上記略多角錐形状の角の点に相当する部位にのみ設置されていて、中央縦部材22のシャフト部58と同軸上には支持柱13を設けていないので、図5のように外側の縦部材23に接合された支持柱13が収納時に縦になることで、サーフェスワイヤー40が図5中上方向に引っ張られても、サーフェスワイヤー40の中点120が支持柱により固定されていないので、該中点120は図5中上方向に移動可能であり、サーフェスワイヤー40の張力が上がり、ワイヤーが破損したり、展開収納動作を妨げることはない。
【0089】
さらに、図4に示すようにタイワイヤー42の端点91,92を結ぶ直線と隣接するタイワイヤーとサーフェスワイヤーの交点93,94を結ぶ直線と直交する直線が、図4中矢印Cに示す方向に傾斜角度をもって傾斜するように取り付けられているので、端点91,92を結ぶ線分と端点92と支持柱13の先端点121を結ぶ線分が、タイワイヤー42の端点91,92を結ぶ直線と隣接するタイワイヤーとサーフェスワイヤーの交点93,94を結ぶ直線と直交する直線が平行になるよう構成した場合に比べて長くなっており、図5のように四辺リンク21が収納された状態で、外側の縦部材24に接合された支持柱13が縦になり、サーフェスワイヤー40が図5中上方向に引っ張られても、サーフェスワイヤー40の張力が上がり、ワイヤーが破損したり、展開収納動作を妨げることはない。
【0090】
続いて、この発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明においては、前述した実施の形態と同一構成要素には、同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0091】
図7は、展開トラス20を構成する四辺リンク21を示したものである。
【0092】
本実施例においても、第1の実施例同様にモジュール23の中央部には支持柱13が無く、中央縦部材22から放射状に伸びた四辺リンク21の先端にのみ支持柱13が存在する。
【0093】
この第2の実施の形態が上記実施の形態と異なる点は、タイワイヤー42の横部材52への接合方法と、該タイワイヤーがサーフェスワイヤー40となす角度にある。
【0094】
この第2の実施の形態においては、サーフェスワイヤー40を支持するタイワイヤー42は、図示しないスライドリングを介して取り付け部位に取り付けられ、該取り付け部位は横部材52に接合されている。このスライドリングは前記取り付け部位の非対称山型形状のレール部132に摺動可能なように勘合される。
【0095】
また、第2の実施の形態においては、タイワイヤー42の端点91,92を結ぶ直線と隣接するタイワイヤーとサーフェスワイヤーの交点93,94を結ぶ直線と直交する直線が平行になるよう構成してあり、図7のように展開時には、タイワイヤー42に張力が働くので、タイワイヤー42を取り付けたスライドリングは非対称山型形状のレール部132の山の頂点の位置に引き込まれて安定している。
【0096】
図5のように四辺リンク21が収納された状態で、外側の縦部材24に接合された支持柱13が縦になり、サーフェスワイヤー40が図5中上方向に引っ張られても、タイワイヤー42は、スライドリング、取り付け部位のレール部132を介して横部材52に接合されているので、タイワイヤー42を取り付けたスライドリングがレール部132に沿って図7中右側方向に移動し、非対称山型形状のレール部132の頂点位置から移動する。これにより、サーフェスワイヤー40の張力が上がり、ワイヤーが破損したり、展開収納動作を妨げることはない。
【0097】
続いて、この発明の第3の実施の形態を説明する。なお、以下の説明においては、前述の実施の形態と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0098】
図8は、図1と同様の放射状リブによる展開トラスを用いたアンテナ反射鏡の一例を示す。
【0099】
この第3の実施の形態においても、上記実施の形態と同様に、モジュール23の中央部には、支持柱13が無く、中央縦部材22から放射状に伸びた四辺リンク21の先端にのみ支持柱13が存在する。
【0100】
この第3の実施の形態が上記各実施の形態と異なる点は、タイワイヤー42の取り付け箇所である。
【0101】
即ち、サーフェスワイヤー40を支持するタイワイヤー42は、横部材52の間を環状に結ぶサポートワイヤー41に接合される。
【0102】
この実施の形態のアンテナ反射鏡が、展開トラス20の収納動作により図5のように四辺リンク21が折り畳まれると、隣接する四辺リンク21を構成する横部材52どうしの距離が近くなるため、サポートワイヤー41を弛ませることができる。したがって、タイワイヤー42をサポートワイヤー41に接合しておけば、サポートワイヤー41の弛みによりタイワイヤー42の取り付け点の拘束を自由にすることができ、タイワイヤー42に取り付けられたサーフェスワイヤー40も取り付け点の拘束を自由になり、サーフェスワイヤー40の張力が上がり、ワイヤーが破損したり、展開収納動作を妨げることはない。
【0103】
続いて、この発明の第4の実施の形態を説明する。図13に示すように、この第4の実施の形態に係る展開構造物300の構造は、ほぼ6角柱形状に形成される。すなわち、支持構造301は、中心から径方向の6方向に支持部材(以下横部材302と記す)を配置したリブ型構造であり、反射鏡面は、サーフェスワイヤー303と呼ぶ反射鏡面側の多角形集合体、ここでは、3角形形状304と外周部の8角形形状305の集合体として構成した網状のワイヤーネットと、電波反射材料を使用したメッシュ部分(図示せず)と、反射鏡面形状を支持するために支持構造の横部材間に張架したサポートワイヤー306と、サーフェスワイヤー303とサポートワイヤー306を接続するタイワイヤー307から構成される。
【0104】
上記サポートワイヤー306は、実施の形態のように横部材302間に配置することで、横部材302の間に存在するサポートワイヤー306の接続点と支持構造301を最短距離で接続することができ、ワイヤー303、306、307が弛んだ状態となっても、ワイヤーの移動可能な範囲を最小限に押さえることが可能となり、収納から展開への変形時にワイヤーと支持構造301が絡みにくい構造となる。また、支持構造301へ直接接続する部分が多く取れるので、反射鏡面接続点と支持構造への接続距離を比較的短くとれるので、構造変形が生じた際にワイヤーの弛みによる形状精度劣化を押さえることが可能となる。
【0105】
また、サーフェスワイヤー303は、反射鏡面側から金属メッシュを覆う構造とし、支持構造301側からタイワイヤー307を接続して、タイワイヤー307の長さを調整することで反射鏡面を形成する。そして、支持構造301との接続は、外周部に配置した支持柱308にサーフェスワイヤー303とサポートワイヤー307を接続し、リブ状に配置した接続部に部材接続タイワイヤー309を接続する構造を採る。
【0106】
さらに、反射鏡面中央部分のワイヤー接続部310と、径方向の鏡面側横部材に接続した中央サポートワイヤー311を鏡面中央部で中央タイワイヤー312により接続する。横部材302に接続された中央サポートワイヤー311は、支持構造301の収納動作と共に接続点が図中上部へ移動するために、せん断変形を利用した支持構造で問題となる収納動作時のワイヤーの突っ張りを低減できる。
【0107】
また、横部材302に直接接続されたタイワイヤー309は、横部材302とある傾斜角をもって配置しているため、例えば、図中長さaとbの和がcとdの和よりも長くなるように接続点313を決定することで、収納時にワイヤーの突っ張りが低減可能となる。
【0108】
さらに、aとbの和がcとdの和が等しくなるような位置を設定すれば、収納から展開まである程度の張力状態が保たれて、ワイヤーの絡み付きを防止することが可能となる。
【0109】
最外周に配置する外周サーフェスワイヤー314を径方向から接続するワイヤーを設けずに周方向のみのワイヤーで構成すると、最外周部エッジの内側へのえぐれ込みが小さくなることは自明であるが、周方向のみの外周サーフェスワイヤー314で構成すると、横部材302間に配置された外周サーフェスワイヤー314と横部材302上のワイヤーで反射鏡面が区分けされるために、メッシュ特有のピロー変形が大きくなり鏡面の形状精度向上に限界がある。
【0110】
この実施の形態では、形状精度を向上させるために、3角形の区分け部分304を反射鏡面内側に形成して、その最外周ワイヤーを周方向ワイヤーのみで構成し、外周部に8角形形状の区切り部分305を設けている。この構成によれば、外周部での反射鏡面の変形量を押さえて電波反射に有効な面を広くとることが可能となる。
【0111】
このように、上記展開トラス構造は、四辺構造と、対角線間に中間に折れ曲がり部分を設けた斜部材61,63で構成される四辺トラス構造と、展開駆動機構として、2個の摺動部材70,76と斜部材61,63を結合したリンク部材と、摺動部材70,76間に設置された圧縮バネ80を備えて、この展開駆動機構で四辺トラス構造を展開収納するように構成した。
【0112】
これによれば、収納状態において全体寸法がコンパクトで、しかも、バネの重量が小さく、重力下で保持しやすい構成とすることができ、圧縮バネ80による引っ張り力が働くリンク部材の強度を増すことができ、重量が軽い略多角柱形状あるいは略多角錐形状に形成することが可能となり、宇宙空間に構築する各種構造物の形成に好適される。
【0113】
また、この略多角柱形状あるいは略多角錐形状の展開トラス構造を複数個組み合わせて組み合わせ構造体を形成することができる。
【0114】
さらに、上記展開トラス構造に、ワイヤーネットワーク12を支持する支持柱13を立て、この支持柱13に電波を反射するメッシュを張設して反射鏡面を形成してアンテナ反射鏡を形成した。これによれば、大型、かつ軽量の反射鏡面を容易に構成することが可能となり、宇宙空間に構築するアンテナ反射鏡の大型化の促進に寄与される。
【0115】
なお、上記実施の形態では、略6角柱形状の展開トラス構造を放射方向の4辺リンクの組み合わせで構成した場合で説明したが、これに限ることなく、その他、略8角形等の略多角柱形状あるいは略多角錐形状に組み合わせ結合するように構成することも可能である。
【0116】
さらに、上記実施の形態では、アンテナ反射鏡に適用した場合で説明したが 、これに限ることなく、その他、宇宙空間に構築するプラットホーム等の各種の構造物においても適用可能である。
【0117】
よって、この発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施できることは勿論である。
【0118】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、収納性・軽量化・展開信頼性の向上を図り得るようにした展開トラス構造及びアンテナ反射鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係わる展開トラス構造を用いたアンテナ反射鏡を示した斜視図である。
【図2】図1の展開トラス構造を取出して示した斜視図である。
【図3】図1のモジュールを14個結合して構成したアンテナ反射鏡を示した斜視図である。
【図4】図1の展開トラス構造を構成する四辺トラス構造を取出して示した平面図である。
【図5】図1の展開トラス構造を収納して、四辺トラス構造を折り畳んだ状態を示した平面図である。
【図6】図1の展開トラス構造に反射鏡面部を組み合わせることにより構成したアンテナ反射鏡を示した斜視図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態に係わる展開トラス構造を構成する四辺リンクを示した平面図である。
【図8】この発明の第3の実施の形態に係わる展開トラス構造を用いたアンテナ反射鏡を示した斜視図である。
【図9】従来の放射状リブによる展開トラス構造を用いたアンテナ反射鏡を示す斜視図である。
【図10】従来の展開トラス構造の四辺リンクが、展開収納運動に伴い、収納された様子を示した斜視図である。
【図11】従来のトラス型展開構造物の構成を示した斜視図である。
【図12】従来の傘型展開構造物と反射鏡面との関係を説明するために一部概略を示した構成図である。
【図13】 この発明による第4の実施例に係わるアンテナ反射鏡の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
11・・・メッシュ。
12・・・ワイヤー。
13・・・支持柱。
14・・・反射鏡面部。
20・・・展開トラス。
21a,b,c,d,e,f・・・四辺リンク。
22・・・中央縦部材。
23・・・モジュール。
24a,b,c,d,e,f・・・外側の縦部材。
25a,b,c,d,e,f・・・モジュール結合ヒンジ。
26a,b,c,d,e,f・・・モジュール結合ヒンジ。
30・・・展開トラス。
31a,b,c,d,e,f・・・展開トラス上面の6角形の点。
32a,b,c,d,e,f・・・支持柱13先端の点。
40・・・サーフェスワイヤー。
41・・・サポートワイヤー。
42・・・タイワイヤー。
52・・・横部材。
53・・・横部材。
54・・・ヒンジ。
55・・・ヒンジ。
56・・・ヒンジ。
57・・・ヒンジ。
58・・・シャフト部。
59・・・シャフト部。
60・・・ヒンジ。
61・・・斜部材。
62・・・ヒンジ。
63・・・斜部材。
64・・・ヒンジ。
70・・・摺動部材。
71・・・ヒンジ。
72・・・ヒンジ。
73・・・リンク。
74・・・ヒンジ。
75・・・リンク。
76・・・摺動部材。
77・・・ヒンジ。
80・・・圧縮バネ。
91・・・端点。
92・・・端点。
93・・・交点。
94・・・交点。
100・・・隙間。
101・・・シャフト部。
110・・・ブーム。
120・・・中点。
132・・・レール部。
201・・・中央縦部材。
202・・・四辺リンク。
203・・・横部材。
204・・・横部材。
205・・・外側の縦部材。
206・・・支持柱。
207・・・ワイヤーネットワーク。
300・・・展開トラス構造。
301・・・支持構造。
302・・・横部材。
303・・・サーフェスワイヤー。
304・・・三角形区切り部分。
305・・・8角形区切り部分。
306・・・サポートワイヤー。
307・・・タイワイヤー。
308・・・支持柱。
309・・・横部材接続タイワイヤー。
310・・・中央部分のワイヤー接続部。
311・・・中央サポートワイヤー。
312・・・中央タイワイヤー。
313・・・接続点。
314・・・外周サーフェスワイヤー。
Claims (12)
- 第1から第4の四辺部材の端部を回転自在に四辺形状に結合した四辺構造を放射状に組み合わせて、この四辺構造の一方の対角線間に、中間部が回転自在に折れ曲がり自在に連接される第1及び第2の斜部材を架設した四辺トラス構造と、
この四辺トラス構造の第1の四辺部材に摺動自在として架設される第1の摺動部材と、
この第1の摺動部材と前記第1の斜部材とを回転自在にリンク結合する第1のリンク部材と、
前記四辺トラス構造の第1の四辺部材に前記第1の摺動部材に干渉しない位置に摺動自在として架設される第2の摺動部材と、
この第2の摺動部材と前記第1のリンク部材とを回転自在として結合される第2のリンク部材と、
前記第1及び第2の摺動部材間に設置され、第1及び第2の摺動部材を前記第1の四辺部材に対して摺動させる力を付与するバネ部材と
を具備した展開トラス構造。 - 前記四辺トラス構造は、第1,第2の四辺部材と、第3,第4の四辺部材が略平行状態かつ対向するように並ぶ収納形状から、前記第1から第4の四辺部材が四辺形状をなす展開状態に至るまで、展開収納運動が可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の展開トラス構造。
- 前記第1から第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部に於いて、上記第1及び第3の四辺部材における結合部は、各々の部材の中心線上からお互いの対抗方向に突出して配置されて構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の展開トラス構造。
- 前記第3の四辺部材と上記第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部は、第3の四辺部材の中心線上もしくは該中心線に対して第1の四辺部材と反対側に配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の展開トラス構造。
- 前記第1の斜部材の方が上記第2の斜部材よりも短いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の展開トラス構造。
- 前記第1の摺動部材もしくは第2の摺動部材の位置を制御することにより、展開収納動作を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の展開トラス構造。
- 前記第1の四辺部材と上記第4の四辺部材の端部を回転自在に結合する結合部の近傍に、モーターを設置し、モーターと同軸に設置されたプーリーとプーリーに巻かれたワイヤーを、上記第1の摺動部材もしくは第2の摺動部材に接続することにより、展開収納動作を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の展開トラス構造。
- 前記第1のリンク部材と上記第2のリンク部材を結合する箇所を、四辺トラス構造の収納状態で、第1のリンク部材の両端部の回転自在に結合される箇所間を結ぶ中心線に対して、第1の四辺部材と反対側に配置したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の展開トラス構造。
- 前記第2のリンク部材の数が第1のリンク部材の数よりも少ないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の展開トラス構造。
- 電波を反射するメッシュと、このメッシュを所望の曲面に整形するワイヤーをつなぎ合わせて構成したワイヤーネットワークとを具備し、このワイヤーネットワークを支持する支持柱を、請求項1乃至9のいずれか記載の展開トラス構造の略多角柱形状あるいは略多角錐台形状の角の点に相当する部位のみに配置することを特徴とするアンテナ反射鏡。
- 前記ワイヤーネットワークの網構造によりメッシュ表面を多角形の集合体のような支持構造で支持し、外周の支持構造に支持される多角形部分については、周方向、及び面直方向のみのワイヤーネットで構成し、他の多角形部分は、径方向、周方向、面直方向のワイヤーネットで構成したことを特徴とする請求項10記載のアンテナ反射鏡。
- 前記ネットワークワイヤーと展開トラス構造が隣接する箇所で、前記ネットワークワイヤーを、所定の傾斜角度をもって前記展開トラス構造に取付配置したことを特徴とする請求項10又は11記載のアンテナ反射鏡。
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