JP4247154B2 - PPARγ活性化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、PPAR活性化作用を有する健康食品およびPPAR活性化剤であって、安全な天然材料を用いていることから、毎日の飲用も可能となり得るものに関する。
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(Peroxisome proliferator-activated receptor,以下、「PPAR」という)は、細胞の核内に存在するホルモン受容体タンパク質の1種であり、これにリガンドが結合すると、レチノイドX受容体(retinoid X receptor,RXR)と複合体を形成する。この複合体は、特定遺伝子の上流配列に結合することによって、当該遺伝子の発現を誘導する。つまりPPARは、特定遺伝子の発現を調節する因子の1つとして生体内で重要な役割を担っている。
そして、PPARが調節因子として関わっている代表的な代謝系としては、脂質代謝系がある。即ち、PPARは、肝臓などにおいて脂質の酸化(β酸化)に関わる遺伝子の発現を制御する。
その他、PPARは、生体の恒常性維持にも関与していることが明らかになってきている。例えば、オータコイド(局所的な情報伝達物質)であるプロスタグランジンの中でも最近注目されているPGJ2(15-デオキシ-△12,14-PGJ2など)は、PPARのアイソフォームであるPPARγの内因性リガンドであり、脂肪細胞の分化に重要な転写因子であることが知られている。また、PPARは、肝細胞増殖因子の発現調節など、様々な疾病に関係する代謝に関与することも明らかになってきている。従って、PPARを活性化できる薬剤(リガンド)は、高脂血症や糖尿病等のみならず、炎症やある種の癌などの治療薬や予防薬となり得る。
PPAR活性化剤である合成薬剤としては、トログリタゾン,ロジグリタゾン,ピオグリタゾン等のいわゆるチアゾリジンジオン誘導体が知られており、糖尿病治療剤として使用された実績がある。しかしこれら合成薬剤には、常に副作用の問題が伴う。例えば、トログリタゾンでは、その投与により死者まで発生しており、既に世界的規模で発売が中止されている。また、チアゾリジンジオン誘導体以外にも除草剤であるラクトフェンや、半導体等の洗浄に用いられるトリクロロエチレンなどにもPPAR活性化作用があることが知られているが、これらは当然に有害であって、毎日の服用など到底不可能である。
ところで本発明者らは、世界中の伝承医学で用いられる天然物に関して、新たな薬効やその応用につき長年研究している。これら天然物は、副作用の問題が避けられない合成薬剤とは異なって安全であり、毎日の服用も可能であり得る。従って、特にいわゆる生活習慣病の発症を恒常的に防ぐための予防薬としての利用が有効である。
この様な研究の成果は、既に発明として特許出願しているものがある。例えば特許文献1には、タラノキ植物,紅景天属植物およびサラシア属植物の3種からなる抽出物等を有効成分とする抗糖尿病剤とダイエット剤が開示されている。また、特許文献2には、ザクロ花の抽出物やサラシア属植物等を有効成分とする抗糖尿病剤が記載されている。
しかし、糖尿病の主な原因はインスリンの分泌不足やインスリン抵抗性とされているが、その更なる根本的な原因は、I型糖尿病では遺伝的要因の他に悪性腫瘍や感染症,薬物によるβ細胞の破壊、II型糖尿病では過食,運動不足,肥満などが挙げられ、必ずしも明確でない。つまり、その原因は多様であるため、糖尿病治療剤がPPAR活性化剤であるとは限らない。
特開2002−316938号公報(請求項1) 特開2002−20308号公報(請求項1)
上述した様な状況の下、本発明が解決すべき課題は、生活習慣病を予防したり腸過敏症など難治性の症状を軽減するために、安全であり毎日でも飲用できるものであって、且つ広い作用効果が期待できるPPAR活性化剤、およびPPAR活性化作用を有する健康食品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、長年世界中の伝承医学、特に漢方や中国医学で用いられており或いはアーユルベーダやユナーニ等に記載されている生薬や天然物のみならず、果実や野菜なども検体とし、PPAR活性化能を有するものを探索した。その結果、特定のものが適度なPPAR活性化能を示すことを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明に係るPPAR活性化作用を有する健康食品は、マンゴー(Mangifera indica),マンゴスチン(Garcinia mangostana),ザクロ(Punica granatum)および大高良姜(大高リョウキョウ,Alpina galangal)からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物、および/またはアセンヤクを有効成分とする。
また、本発明に係るもう一つの健康食品は、マンゴー(Mangifera indica),マンゴスチン(Garcinia mangostana),ザクロ(Punica granatum)および大高良姜(Alpina galangal)からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物、および/またはアセンヤクと、サラシア属植物(Salacia)および/または金時ショウガ(Zingiber officinale Rosc)とを有効成分とする。
本発明の健康食品では、マンゴー若しくは大高良姜の抽出物、またはアセンヤクを有効成分とするものが好ましい。
本発明のPPAR活性化剤は、マンゴー(Mangifera indica),マンゴスチン(Garcinia mangostana),サラシア属植物(Salacia),ザクロ(Punica granatum),金時ショウガ(Zingiber officinale Rosc)および大高良姜(Alpina galangal)からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物、および/またはアセンヤクを有効成分とすることに要旨を有する。
後述する実施例で実証されている通り、本発明に係るマンゴー,マンゴスチン,サラシア属植物,ザクロ,金時ショウガおよび大高良姜の抽出物並びにアセンヤクは、PPARのアイソフォームであるPPARα,β,γの少なくとも1種を特異的に活性化し得る。これらPPARのアイソフォームは、生体内での発現組織や関係する酵素系が異なることから、症状や体の傾向に応じて、これら抽出物を選択したり或いは組合わせて服用することができる。また、合成されたPPAR活性化剤よりもその効果はマイルドである上に、これら材料は古来より生薬や食用等として利用されてきたものばかりであるので、毎日の服用も可能となり得る。
従って、本発明に係る健康食品とPPAR活性化剤は、PPARが関与する様々な疾病の治療剤としてのみでなく、毎日服用できる予防剤としても極めて有用である。
以下に、本発明の実施形態とその効果について説明する。
本発明で材料として使用するマンゴー(Mangifera indica)は、熱帯や亜熱帯の各地で広く栽培されているウルシ科の常緑潅木であり、その産地は特に問わず、本発明ではその果実および葉を主な材料として用いる。
マンゴスチン(Garcinia mangostana)は、東南アジアをはじめとして主に熱帯地方で栽培されているオトギリソウ科植物であり、本発明では果皮を主な材料として用いる。
サラシア属植物(Salacia属、ニシキギ科)はインドやスリランカ等に自生する植物であり、サラシア オブロンガ(Salacia oblonga)やサラシア プリノイデス(Salasia prinoides)をその代表例として挙げることができる。本発明では、その根や幹の皮を主な材料として用いることができる。
ザクロ(Punica granatum)はザクロ科の植物であって、従来でも、アラビアやインドおよび中国医学では鼻血止めの特効薬として、また、日本でもこれを煎じて眼の洗浄剤として用いる地方があるが、学術的な研究は殆どされていないのが実情である。本発明では主に花を材料として用いるが、花の種類は特に制限されるものではなく、一重や八重などは問わず、落花する前に花冠部分から取ったものを使用することが好ましい。
金時ショウガ(Zingiber officinale Rosc)は日本古来のショウガであるが、調理し難い小ショウガ系であることや安価な外国産大ショウガの流入によって、いまや日本ではほとんど栽培されていない。しかし、本発明者らによる技術指導によって、ベトナム等での栽培が増えている品種である。
大高良姜(Alpina galangal)は、中国南部,台湾,熱帯アジアに広く分布し、ベトナムでは香辛料や胃腸薬として栽培されているナンキョウソウの根茎である。斯かるナンキョウソウの果実は紅豆久(こうずく)と呼ばれ、やはり胃腸薬や香辛料などに用いられる。
アセンヤクは、ガンビール(Uncaria gambir,熱帯アジアに広く分布するアカネ科植物であり、他の樹木に巻き付くツル性の低木で、日本国内に自生するカギカズラの仲間)の圧縮液を固化乾燥させたものである。即ち、アセンヤクは、ガンビールの若い枝葉を釜に入れ、数時間煮沸した後に取り出してプレスすることによりしみ出す圧縮液を冷却し、固化したものを4〜5cm程度のサイコロ状に切断して天日乾燥したものである。最近では、圧縮液を真空乾燥してアセンヤクを製造する工場もみられ、本発明で用いるアセンヤクは、特にその製法を問わない。このアセンヤクは、口中収斂薬など生薬として用いられる他、工業用に染料や皮のなめしに用いられているが、健康食品としての活用は知られていない。本発明では、アセンヤクを粉末としたり、温湯に溶解するなどして用いる。
本発明の抽出物を製造するに当たっては、先ず、上記材料を乾燥或いは粗乾燥することが好ましい。この「乾燥」の方法は特に制限されず、例えば日干し,半日干し,陰干し,加熱乾燥,常温乾燥,凍結乾燥,真空乾燥などを挙げることができるが、従来から生薬製造に用いられる日干し、半日干し、陰干しが好ましい。但し、乾燥せずに材料を粗切するのみでもよい。
次に、材料そのもの若しくは材料を乾燥したもの、またはこれらを粗切したり粉末にしたものを溶媒で抽出する。抽出するための溶媒としては、主として水系溶媒が使用される。抽出作業の利便性や、水系溶媒から抽出されたものであれば水溶性であるため安全であること、また、溶媒が残留した場合の安全性等を考慮したものである。斯かる水系溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール等の低級アルコール;水と低級アルコールとの混合溶媒を挙げることができ、安全性を考慮すれば、水,エタノール,または水とエタノールとの混合溶媒が好ましい。
使用する溶媒量は、抽出素材が乾燥したものであれば素材質量の2〜50倍、乾燥したものでなければ0.5倍〜30倍が一般的である。また、抽出温度も特に制限されないが、効率を考慮すれば加熱することが好ましい。
抽出時間は特に制限されないが、1時間から12時間が好ましい。また、抽出の際には静置したままでもよいし、攪拌してもよい。
抽出終了後の処理は、常法に従う。例えば、濾過後に残渣を使用溶媒で洗浄し、濾液と合わせた後、溶媒を減圧や加熱により留去すればよい。但し、過剰な加熱は好ましくなく、好適には室温〜50℃程度で減圧濃縮する。
こうして得られた抽出物はそのまま服用してもよいが、適量の添加成分を加えて組成物としてもよい。つまり、本発明に係る健康食品およびPPAR活性化剤の剤形としては、散剤,錠剤,顆粒剤,カプセル剤,茶剤などを挙げることができるが、特に制限されない。また、菓子に添加するなど加工食品の構成成分として用いてもよい。
服用量は、目的や服用者の症状、服用回数などによって異なるが、例えば1日数回粉末を服用する場合には、1回100mg〜5g服用することができる。
本発明剤が活性化するPPARには、α,βおよびγというアイソフォームが存在しており、それぞれ発現している組織や関係する代謝系、発現量などが異なっている。例えば、PPARαは肝臓における脂質代謝に、PPARγは脂肪合成や免疫応答に関係していると考えられる。従って、何れかのPPARを活性化すれば、糖尿病(特にII型糖尿病),糖尿病合併症,高血圧症,脳溢血,動脈硬化症,腸過敏症などの慢性的な炎症,アレルギー疾患または癌を治療または予防でき得る。また、後述する実施例の結果の通り、本発明剤のPPAR活性化能は、PPARアイソフォームに対する選択性があり得る。よって、服用者の症状に応じて、本発明剤の材料の種類を決定することができる。
また、上述した様に、本発明で使用する材料は果実など安全な天然物であり、且つ、後述する実施例の結果の通り、本発明剤のPPAR活性化能は、常に副作用の危険が伴うPPARの合成活性化剤よりも、その効果はマイルドである。従って、本発明に係る健康食品およびPPAR活性化剤を恒常的に服用することによって、健康体を維持することができ、PPARが関係する疾病を予防することが可能になる。
後述する実施例結果によれば、本発明に係る健康食品およびPPAR活性化剤は、キサントン誘導体を含んでいるものがある。しかし、本発明剤のPPAR活性化能は、標品としたキサントン誘導体と同等かより優れていることから、本発明剤はキサントン誘導体以外にも優れた成分を含んでいるか、或いは当該成分とキサントン誘導体が相乗効果を発揮していることが考えられる。
以下に、製造例および試験例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
製造例1 PPAR活性化剤の製造
マンゴー果実は、市販のもの(フィリピン産)を購入して核(種子を包含する組織)をステンレス製の包丁で除去し、すぐに凍結乾燥した。乾燥した結果、その重量は乾燥前の1/10〜1/12となった。その他、マンゴスチン(ベトナム産)の果皮,サラシア オブロンガ根,ザクロ花,金時ショウガ(静岡産またはベトナム産),大高良姜(ベトナム産)は、粗乾燥したものを材料として用いた。また、アセンヤクは、粉末にして用いた。
上記材料を粗切したもの 各500gを50%エタノール水溶液 5000mLに加え、3時間加熱抽出した後に濾過した。得られた濾液を45℃以下で減圧濃縮し、完全に溶媒を留去して各検体の抽出物を得た。各抽出物の収率は、各乾燥物に対するパーセンテージで、マンゴー果実:13%,マンゴスチン果皮:8%,サラシア オブロンガ根:5%,ザクロ花:20%,金時ショウガ:9.8%であった。
得られた各抽出物について、主な有効成分であると予想されるキサントン誘導体の定量を行なった。キサントン誘導体の標品としては、マンギフェリン(シグマ社製,C191811)とマンゴスチン(果実名ではなく化合物名,C24266,融点:182℃)を用いた。HPLC装置、検出器、自動分注器は、(株)島津製作所製のLC-10ATVP、SPD-10ADVP、CBM-10Aを用いた。カラムは、同じく(株)島津製作所製のMAX-RP80A(250×4.6mm)を用い、HPLC測定条件は、温度:35℃、流速:1.0mL/分、検出器波長:270nmと360nmとした。
各抽出物を濃度1.0mg/mLで水に溶解し、その50μLをカラムに注入した。移動相としては、アセトニトリルと0.1%(v/v)リン酸水の混合液を用い、初期10:90、5分後で15:85、15分後で20:80、30〜35分後で40:60のグラジュエントをかけた。
その結果によれば、サラシア根抽出物中にはマンギフェリンが1.4%、マンゴスチン果皮抽出物中にはマンゴスチン(化合物名)が0.9%含まれていた。
試験例1 PPARαの活性化試験
先ず、細胞用基本培地であるDMEM/F-12(イントロゲン社製)に、牛血清(終濃度:10%)、ペニシリン(100単位/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、1-グルタミン(1%)およびHEPES(15mM)を添加し、細胞用培地を調製した。この細胞用培地へヒト胚由来腎細胞(HEK-293)を添加し、培養した。
この培養したヒト胚由来腎細胞を、3種のプラスミド(tK-RDRE×3-Luc,pBI-G-hPPAR-αとpSV-β-ガラクトシダーゼ)を用いてトランスフェクションし、PPARα活性化試験に用いた。即ち、これら3種のプラスミドを用いて細胞にPPARα遺伝子とレポーター遺伝子を導入すると、PPARαが活性化された場合には、レポーター酵素であるルシフェラーゼの発現が促進される。その一方で、β-ガラクトシダーゼの発現はPPARαの影響を受けない。従って、各サンプルで処理された細胞のルシフェラーゼ活性を、β-ガラクトシダーゼ活性により補正すれば、より正確なPPARα活性化能を測定することができる。
具体的には、栄養液を入れた5mLのT25フラスコへ、ヒト胚由来腎細胞 1×105個をトランスフェクションの48時間前に接種した。ここへ、上記プラスミドを含むトランスフェクション液(ロシュ社製,FvGENE6)を、細胞(DNA)に対してプラスミドが3倍当量になる様に加えた。24時間インキュベート後、96ウェルプレートへ、穴1個当たり細胞5×104個となる様に分注し、更に2時間インキュベートした。
上記製造例1で得た各抽出物とアセンヤクをジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」という)に溶解し、濃度25〜100μg/mLの溶液を調製した。また、比較のために、PPARαの合成活性化剤であるGW7647(シグマ−アルドリッチ社製)の0.1μM溶液と、PPARα活性化作用が知られているマンギフェリン,マンゴスチン(化合物),エピカテキン,エピガロカテキンの溶液も調製した。各サンプル溶液を、1μLずつ上記ウェルへ加え、48時間インキュベートした。その後、Cell Lysis Buffer(Cell Signaling Technology社製)を用いて細胞を融解し、Promega社製のルシフェラーゼ定量システム(Bright-GloTM Luciferase Assay System)を用いて、各サンプルのルシフェラーゼ活性を測定した。また、Promega社製のβ-ガラクトシダーゼ定量システム(Beta-GloTM Assay System)を用いてβ-ガラクトシダーゼ活性を測定し、形質転換率を補正した。以上の測定結果を用いて、各サンプルのPPARα活性化能を、β-ガラクトシダーゼに対するルシフェラーゼ活性の比で評価した。結果を図1に示す。
当該結果より、ザクロ花抽出物には弱いPPARα活性化能しか認められなかったものの、サラシア根抽出物,マンゴー果実抽出物,マンゴスチン果皮抽出物,金時ショウガ抽出物,大高良姜抽出物およびアセンヤクは、高いPPARα活性化能を有することが実証された。
試験例2 PPARα活性化能の特異性試験
上記試験例1において調製したものと同様の96穴ウェルプレートへ、PPARαの合成拮抗剤(合成アンタゴニスト)であるMK-866(BIOMOL研究所製)の0.1μM水溶液を加え、1時間インキュベートした後に、上記試験例1と同様に各サンプルを添加して処理した。その結果を図2に示す。
当該結果より、本発明に係る各抽出物およびアセンヤクのPPARα活性化能は、PPARαアンタゴニストによりその活性化能がほぼ消失したことから、高い特異性を有することが明らかとなった。
試験例3 PPARγの定量試験
細胞用基本培地であるRPMI1640(日水製薬社製)に、牛血清(終濃度:10%)、ペニシリン(100単位/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)および1-グルタミン(1%)を添加し、細胞用培地を調製した。別途、ATCC(American Type Culture Collection)から購入したTHP−1ヒト単球細胞を95% O2,5% CO2,37℃で加湿し、GIBCO社製の培養器を用いて培養した。以下の実験では、5〜20μm通過分の単球を用いた。また、上記製造例1で得たサラシア根,マンゴー果実,マンゴスチン果皮,ザクロ花,金時ショウガ,大高良姜の各抽出物およびアセンヤクの50または100μg/mLDMSO溶液と、比較のためにPPARγの合成活性化剤であるGW1929(シグマ−アルドリッチ社製)の3μg/mL水溶液を調製した。また、試験例1と同様に、マンギフェリン等の溶液も調製した。
上記で調製した単球を5×105個/mLの濃度で10mLのT25フラスコに接種し、各サンプルのDMSO溶液を1mL加え、48時間インキュベートした。
各サンプルのPPARγ活性化能は、G.Daviesら,ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピュティクス(J. Pharmacol. Exp. Ther.),第72巻,300頁〜(2000年)に記載の方法により評価した。詳しくは、先ず各サンプルを作用させた単球に融解液を加え、遠心分離機(Sorvall社製,SS-340-g)を用いて30分間遠心分離した。得られた上澄をSDA−PAGE(10%ポリアクリルアミド)に融解し、更にDunn-Carbonate Transfer Buffer(10mM 炭酸水素ナトリウム+3mM 炭酸ナトリウム+15% メタノール,4℃)を加え、これをポリビニリデンジフルオライド膜に通し、含有タンパク質を膜に移した上で5% スキムミルクを加えて1晩静置することによって、含有タンパク質を膜上に固定した。この膜に抗ヒトPPARγ抗体−抗ウサギ抗体(1:500希釈、Santa Cruz Biotechnology社製)を加えた。膜を洗浄後、ワサビダイコン由来のペルオキシダーゼと結合した抗ウサギ二次抗体(1:8000希釈、Promega社製)を加えた。
結合した抗体を高感度のケミルミネサンスキット(ロシュ社製、Lum-Light Western Blotting Substrate)で検出した。この膜をX線フィルム(Kodak社製)で撮影してX線現像機(SRX-101A)で現像後、分子分析ソフトであるNIHイメージバージョン1.62(version 2.1.2、Biorad社)を用いることによって、PPARγを定量した。また、PPARγの定量の対照とするために、上記膜にβ-アクチンと抗アクチン抗体(1:1000希釈、A5060、シグマ社製)を加え、0.2M 水酸化ナトリウム水溶液で5分間処理したものを用いた。結果を図3に示す。
当該結果によれば、サラシア根,マンゴー果実,マンゴスチン果皮,金時ショウガと大高良姜の抽出物には明確なPPARγの増強作用はないものの、ザクロ花抽出物とアセンヤクは明確なPPARγ増強作用を示す。従って、PPARγの発現量が増えればPPARγリガンドに対する応答能が向上することから、本発明のザクロ花抽出物とアセンヤクは、PPARγ活性化能に優れることが実証された。
本発明に係る抽出物とアセンヤクのPPARα活性化能を示す図である。 本発明に係る抽出物とアセンヤクのPPARαに対する特異性を示す図である。 本発明に係る抽出物とアセンヤクのPPARγ活性化能を示す図である。

Claims (4)

  1. ザクロ(Punica granatum)の花の水系溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とするPPARγ活性化剤。
  2. 水系溶媒が、水、低級アルコール、または水と低級アルコールとの混合溶媒である請求項1に記載のPPARγ活性化剤。
  3. 低級アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはt−ブチルアルコールである請求項1または2に記載のPPARγ活性化剤。
  4. さらにアセンヤクを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のPPARγ活性化剤。
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