JP4246364B2 - Aedによる治療支援の制御装置、制御支援方法、及びそれに使用されるデフィブリレータ - Google Patents

Aedによる治療支援の制御装置、制御支援方法、及びそれに使用されるデフィブリレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、デフィブリレータに関するものであり、とりわけ、自動または半自動外部デフィブリレータ(「AED」)に関するものである。とりわけ、本発明は、AEDの機能性が働かないようにする方法に関するものである。モニタ及び解析能力が機能しなくなることがないように、機能性は、選択的に働かないようにすることが可能である。本発明は、未熟な第1の階層の応答者によって操作される場合には、患者看護供給プロトコルを推進することが可能であり、また、訓練された第2の階層の応答者によって操作される場合には、ユーザに患者看護供給プロトコルを推進させることも可能な単一装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
心臓性突然死は、米国における主たる死亡原因であり、2分間毎に1人が死に、その死亡の70%が家庭内で起こっている。大部分の心臓性突然死は、心筋繊維の協調のとれない収縮を生じ、そのために、身体に対する正常な血液の流れが妨げられることになる、心室細動(「VF」)によって生じる。VFに関して既知の唯一の有効な治療は、患者の心臓に電気パルスを加える、電気的細動除去である。電気パルスは、患者が助かるそれ相応の見込みが得られるように、VFの開始後、短時間の内に加えられなければならない。電気的細動除去は、衝撃性心室性頻拍(「VT」)の治療に利用することも可能である。従って、細動除去は、いかなる衝撃性心臓律動、すなわち、VTまたは衝撃性VTにも適した療法である。
【0003】
電気的細動除去を施す方法の1つでは、外部デフィブリレータが利用される。外部デフィブリレータが、患者の胴に取り付けられた電極を介して、患者の心臓に電気パルスを送り込む。外部デフィブリレータは、一般に、病院の緊急治療室、手術室、及び、救急車に配置されて、利用される。現在利用可能な多種多様な外部デフィブリレータのうち、比較的未熟な職員による利用が可能であるため、自動及び半自動外部デフィブリレータ(集合的に「AED」と呼ばれる)が、次第に普及するようになっている。こうしたAEDは、とりわけ、軽量で、コンパクトで、携帯式でもある。AEDについては、その明細書が本明細書において援用されている、Cameron他に対する「Electrotherapy Method and Apparatus」と題する米国特許第5,607,454号、及び、「Defibrillator with Self−TestFeatures」と題するPCT国際公開WO 94/27674に記載がある。
【0004】
AEDによれば、住居、公共ビル、会社、個人車両、公共輸送車両等といった、外部細動除去が滅多に実施される見込みのない場所における外部細動除去の可用性を含めて、いくつかの利点が得られる。AEDには、装置が、犠牲者に衝撃性律動が生じているか否かを判定できるようにするアルゴリズムが含まれている。従って、AEDによれば、訓練されたユーザがECGの解釈を行う必要がなくなる。更に、AEDは、当を得たプロトコルでユーザに看護の管理をプロンプトする。第1の階層の応答者(客室乗務員及び警備員のような)の場合、特定の命令を備えたプロンプト情報を送り出す装置が、最も有効である。この利用モデルの場合、詳細にわたるプロンプトのため、AEDが患者看護プロトコルを推進する。
【0005】
AEDによって与えられるプロンプトの一例が、HeartstreamによるForeRunner によって供給されるものである。ユーザが装置をオンにすると、装置は、ユーザに「パッドを取り付けて下さい」とのプロンプトを与える。電極パッドが取り付けられると、装置は、ユーザに、「心臓の律動を解析して下さい − 患者には触れないように」との指示を行う。装置は、衝撃性の心臓律動が存在すると判定すると、ユーザに、「すぐに衝撃を加えて下さい −オレンジのボタンを押して下さい」とのプロンプトを与える。衝撃が加えられた後、装置は、「衝撃が加えられました − 患者に触れて、気道を検査し、呼吸を検査し、脈拍を検査して、必要があれば、CPRを開始するのが安全です」とのプロンプトを与える。装置の構成及び患者の状態に従って、他のプロンプトを与えることも可能である。
【0006】
AED利用の欠点の1つは、プロンプトが階層応答者に合わせて設計されており、AEDの基本となる働きを変更することなく、緊急時の使用中に、プロンプトを変更または無効にする方法がないということである。従って、上級の介護者(EMTまたは救急医療士のような)が、緊急の現場に到着した場合、AEDが取り外される間に、及び、別の装置が取り付けられる時点より前に、犠牲者が突然心拍停止に逆戻りする可能性があるので、犠牲者をAEDから切り離し、救急医療士のデフィブリレータ(ECG解析を含むことも可能であるが、制限されたプロンプトを特徴とするだけである)を取り付けることを望まない可能性がある。更に、初期データが第1の階層の応答者のAEDによって記録され、後続データが、救急医療士のデフィブリレータによって記録されることになるので、犠牲者について収集されたECGデータに不連続が生じることになる。しかし、第2の階層の応答者は、一般に、よりいっそうの訓練を受けているので、患者看護プロトコルを推進するのにより適している。結果として、上級の介護者は、AEDによって詳細にわたるプロンプトを与えられることを必要としないか、または、望まない。しかし、AEDのプロンプトを無効にする唯一の方法は、装置をオフにすることである。従って、装置をオンのままにしておくと、上級の介護者は、不必要で、しばしば気が散ることになるプロンプトを強制的に聞かされることになる。
【0007】
緊急応答職員が、心拍停止の現場に呼び出される場合、あるいは、患者が緊急治療室に輸送される場合、AEDのプロンプト機能が働かないようにすることが可能であることが望ましい。更に、AEDのモニタ及び解析機能性が働かないようにすることなく、AEDのプロンプト機能が働かないようにすることが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ユーザが、解析アルゴリズムが機能しないようにすることなく、装置のプロンプト機能性が働かないようにすることが可能なAEDによる治療支援を制御する装置及び方法を医療職員に提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のAEDによる治療支援の制御方法によれば、患者のECGデータをモニタする工程と、衝撃性律動の存在について、患者のECGデータを解析する工程と、モニタした患者のECGデータの解析に基づいて、救助をプロンプトする工程と、ユーザ入力の起動と同時に、プロンプト・工程を静止させる工程が含まれている。モニタ及び解析工程は、静止させる工程中にもなお実施することが可能である。更に、この方法には、静止させる工程に応答して、解析工程を中止する工程を含むことも可能である。実施形態の1つでは、静止させる工程は、ユーザの介入によって起動する。すなわち、静止させる工程は、上級の介護者によって起動することが可能である。モニタ・工程は、ユーザが介入することなく、自動的に行われるのが理想である。更に、解析工程は、ユーザが介入することなく、自動的に実施される。すなわち、解析工程は、ユーザ入力の起動と同時に行われる。AEDがトレーナとして利用される場合、患者のECGデータが、メモリから検索される。プロンプト機能が働かなくなった後、静止させる工程を停止することによって、プロンプト機能を再起動することが可能である。これは、ユーザの介入によって、あるいは、タイマに応答して実施される。
【0010】
本発明のAED制御装置によれば、コントローラと、エネルギー源から電極インターフェイスに電気的衝撃を加えるようにコントローラによって操作可能なエネルギー供給システムと、患者のECGデータを収集するためのモニタと、患者のECGデータを解析するための解析器と、解析器から受信した情報に基づいて、ユーザにプロンプトするようにコントローラによって操作可能なユーザ命令出力と、選択的にユーザ命令出力が機能しないようにするためのユーザ入力が含まれている、AED。実施形態の1つでは、AEDは、ユーザ命令出力が機能しなくなった後、引き続き、患者のECGデータを収集し、解析器は、引き続き、患者のECGデータを解析する。AEDのユーザ命令出力には、視覚イメージ発生器を含むことが可能である。ユーザ入力は、ソフト・キーによって実現することが可能である。実施形態の1つでは、ユーザ・プロンプトが機能しない状態にあっても、AEDは、衝撃性心臓律動に応答して、ユーザ・プロンプトを送り出す。
【0011】
更に、本発明のデフィブリレータは、動的患者看護プロトコルを供給することが可能なデフィブリレータであって、休止モードが起動すると、デフィブリレータは、ユーザによる患者看護プロトコルの推進を可能にし、あるいはまた、休止モードが起動されなければ、デフィブリレータは、ユーザのために患者看護プロトコルを推進する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下の説明は、当該技術者が本発明を製作し、利用できるようにするために提示される。当該技術者には、好適実施形態に対するさまざまな修正が容易に明らかになるであろうし、本明細書において定義される一般原理は、付属の請求項によって定義される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他の実施形態及び応用例に適用可能である。従って、本発明は、図示の実施形態に制限されることを意図したものではなく、本明細書に開示の原理及び特徴に一致する最大の範囲が許されることになっている。
【0013】
図1は、本発明の好適実施形態によるデフィブリレータ・システム10の概略ブロック図である。デフィブリレータ・システム10には、電圧または電流パルスを供給するためのエネルギー源12が含まれている。コントローラ20は、エネルギー供給システム19を操作して、患者に電気療法を施すため、電極インターフェイス14を介して、患者18に電気的に取り付けられた1対の電極16に対して、選択的に、エネルギー源12の接続及び切断を行う。デフィブリレータ・システム10は、AEDのような電気療法装置である。代替案として、デフィブリレータ・システム10は、使用中のAEDの挙動をシミュレートするデフィブリレータ・トレーナとすることも可能であり、この場合、電極インターフェイス及びエネルギー供給システムを省略することが可能である。コントローラ20には、タイマ21も含まれている。タイマ21は、例えば、休止または静止モードを終了するために利用することが可能である。
【0014】
メモリ22は、患者のモニタ及び治療中、AEDによって収集されたデータを記録する。メモリ22には、フラッシュ、EEPROM、ROM、または、RAMといった、任意の適合する記憶装置を含むことが可能である。メモリ22は、取り外し可能とすることもできるし、あるいはまた、AEDと一体化することも可能である。
【0015】
視覚イメージ発生器24と可聴音声発生器26から構成される、自動ユーザ命令出力23が設けられている。視覚イメージ発生器24は、とりわけ、AEDの動作並びに患者のECGデータに関して、ユーザに命令を表示することが可能である。視覚イメージ発生器24は、例えば、液晶ディスプレイ(「LCD」)とすることが可能である。更に、AEDを使用中のAEDユーザに命令する、可聴音声発生器26を設けることが可能である。視覚イメージ発生器24及び可聴音声発生器26の起動は、メモリ22から受信する情報に応答して、コントローラによって制御される。
【0016】
更に、ユーザが、AED命令機能性を休止させるか、または、機能しなくなるようにすることができるように、ユーザ入力28を設けて、メモリ22との対話が行えるようにすることも可能である。AEDにおいて現在利用可能なオーバライド機能には、衝撃を加えるための手動オーバライドが含まれる。例えば、Heartstream ForeRunnerは、高度なユーザが衝撃を加えることを可能にして、高度なユーザが、衝撃の必要がないという衝撃勧告アルゴリズムの決定をオーバライドできるようにする。
【0017】
現在利用可能なAEDの動作モードには、患者治療モード(例えば、治療パルスが、エネルギー供給システム19を介して患者に供給される)、モニタ・モード(例えば、患者のECGがモニタされる)、及び、自己テスト・モード(デフィブリレータ・システム10が、自己テスト手順を実行し、その動作状態を判定する)が含まれている。
【0018】
現在利用可能な動作モード以外に、本発明のAEDには、静止または休止モード(デフィブリレータ・システム10のプロンプトが中断される)が含まれている。その動作モードのいずれにおいても、デフィブリレータ・システム10は、メモリ22と事象データの通信を行うことが可能である。
【0019】
患者治療モードによる動作中、デフィブリレータ・システム10は、患者に関連した事象情報(患者ECGのような)、及び、装置自体に関連した事象情報(衝撃、または、衝撃の伝達自体に備えた、エネルギー供給及びモニタ・モジュールの充電のような)を収集することが可能である。コントローラ20は、この事象情報をメモリ22に伝送する。更に、コントローラ20は、クロック(不図示)から得た時間情報と事象データを関連づけ、関連づけられた時間情報をメモリ22に記憶することも行う。
【0020】
静止モードにおける動作中、デフィブリレータ・システム10は、プロンプト機能性を休止させる。実施形態の1つでは、デフィブリレータ・システムは、全てのプロンプト機能性を休止させることが可能である。あるいはまた、デフィブリレータ・システムは、プロンプト機能性を選択的に休止させることも可能である。その状況において、例えば、「衝撃を勧告します」あるいはまた「患者を検査して下さい」(従って、介護者に衝撃性律動が検出されたことを警告する)といったプロンプトを除いて、全プロンプトが休止させられる。実施形態の1つでは、患者ECGのモニタ及び解析が引き続き行われる、選択的プロンプトも利用可能である。
【0021】
デフィブリレータ・システム10は、表面に出ない患者の状態を引き続きモニタすることも、あるいは、患者のモニタを中断することも、共に可能である。静止モードは、専用のユーザ起動ボタンによって、または、ソフト・キーを用いることによって起動可能である。静止モードは、いつでも中断することが可能であり、それによって、AEDは、ユーザ・プロンプトの供給を含む自動プロンプト・モードに戻ることが可能になる。その後の静止モードの終了は、専用自動ボタン、ソフト・キーの利用、または、タイマの満了(例えば、タイマは、所定の時間期間が経過すると、静止モードを終了するようにあらかじめ決められている)によって実施することが可能である。当該技術者には明らかなように、専用起動ボタンが設けられているとしても、その後、ソフト・キーを用いて、静止モードを終了させることも可能である。
【0022】
好適実施形態によるAED100の主要コンポーネントが、図2にブロック図の形で示されている。AED100の制御機能は、マイクロプロセッサ装置(MPU)102と2つのカスタム・ゲート・アレイ104及び106の間で分割される。しかし、言うまでもないことではあるが、ゲート・アレイ104及び106は、オプションであり、その機能は、他の回路によって実施することが可能である。
【0023】
MPU102は、ROM114からそれに与えられるソフトウェア命令に基づいてプログラム・工程を実施する。MPU102は、所定のボタン(ディスプレイ・コントラスト・ボタン108のような)、及び、所定のシステムLED110(衝撃ボタン及び電極コネクタに関連したLEDのような)の動作を制御する。MPU102は、ブロック112によって示されるシステム状況情報も受信する。MPU102は、装置が静止モードにある場合のように、ソフト・キーとして機能することも可能なディスプレイ・コントラスト・ボタン108の動作も制御する。
【0024】
ゲート・アレイ104は、システムROM114、データ・カード・ポート116、及び、他のシステム・メモリ構成要素に対するメモリ・マップを実施する。システムROM114は、フラッシュROMが望ましいが、EPROMまたは他の電気的に消去可能で、プログラム可能な不揮発性メモリを利用することも可能である。データ・カード・ポート116が、患者のデータをAED100から除去できるようにするための手段として設けられている場合、1995年のPCカード規格に従うPCデータ・カードとインターフェイスするように構成されたデータ・カード・スロットを設けることが望ましい。
【0025】
ゲート・アレイ106は、デフィブリレータ及びそのコンポーネントの自動自己テストを実施することによって、システム・モニタ機能を可能にする。ゲート・アレイ106は、状況ディスプレイ128にデフィブリレータの動作状況を表示する。ゲート・アレイ106は、ユーザによって起動されるon/offスイッチ130との、デフィブリレータのインターフェイスでもある。
【0026】
ゲート・アレイ106は、電力管理サブシステム132を制御して、バッテリ134からシステム・コンポーネントを操作するための電力を供給させ、治療モード中は、治療衝撃を加えるため、衝撃供給システムのコンデンサにエネルギーを供給させる。電力管理サブシステム132は、衝撃供給及びECGフロント・エンド124を介して、バッテリ134から患者18にエネルギーを供給できるようにする。そのため、電力管理サブシステム132には、コンデンサ(不図示)が含まれている。ゲート・アレイ106は、デフィブリレータのECGフロント・エンド124ともインターフェイスし、衝撃供給システムが、治療を必要とする患者のECGパターンの検出(及び、衝撃ボタンの作動)に応答して、衝撃を加えることができるようにし、衝撃を加えている間に得られる衝撃供給状況情報に応答して、電極コネクタ136に対して加えられる衝撃を制御する。この最後の機能に関するこれ以上の情報については、その開示が参考までに本明細書に援用されている、「Electrotherapy Method for External Defibrillators」に関する米国特許第5,735,879号、及び、「Electrotherapy Method andApparatus」に関する米国特許第5,607,454号において知ることが可能である。
【0027】
上述のように、AED100は、自己テスト・モード、待機モードモード、及び、患者治療モードのような、異なるモードで動作可能である。自己テスト・モード、待機モード、及び、患者治療モードにおける外部デフィブリレータの動作に関するこれ以上の説明については、その明細書が本明細書に援用されている米国特許第5,800,460号に記載がある。
【0028】
患者治療モード中、AEDは、電極137を介して患者からECG情報を受信する。AEDは、次に、ECG情報を解析して、治療衝撃を勧告するか否かを判定し、衝撃を勧告する場合には、衝撃ボタン126がユーザによって作動すると、電極を介して患者に衝撃を加える。一般に、AEDは、モニタされた信号に応答して、ユーザとの通信を行う。例えば、人為要素が検出されると、AEDは、患者に触れないようにユーザに命令する。衝撃性律動が検出されると、AEDは、衝撃を加える準備として、コンデンサの充電を開始し、ユーザに衝撃を勧告する命令又は指示を与える。
【0029】
本発明によって得られる静止モード中、衝撃供給及びECGフロント・エンド124は、前述のように、引き続き、患者の状態をモニタすることが可能である。ECGフロント・エンド124が、引き続き、患者の状態をモニタする場合、MPU102は、ECGフロント・エンド124から情報を受信しても、各検出状態に応答して、ゲート・アレイ104と連絡をとり、ディスプレイ118またはスピーカ120を介して、ユーザに命令を送ろうとはしない。すなわち、例えば、AEDは、人為要素の存在に応答して、患者に触れないように、ユーザに自動的に命令することはない。従って、AEDのプロンプト機能は、働かなくなり、結果として、自動プロトコルの中断(または、「自動プロトコル中断」モード)が生じることになる。しかし、プロンプトが、選択的に中断されるだけの場合、AEDは、例えば、衝撃性律動の存在に応答して、ユーザに命令するだけである(例えば、ユーザに対して、「衝撃を勧告します」または「患者を検査して下さい」という旨の勧告を行う)。
【0030】
プロンプト機能が中断され、解析が中断される場合、ECGフロント・エンド124は、もはや患者の状態をモニタしない。従って、ECGフロント・エンド124は、ゲート・アレイ104との連絡をとらない。
【0031】
好適実施形態の場合、本発明は、Heartstream FORERUNNER AEDに組み込まれる。図3に示すように、FORERUNNER AED300は、4つのユーザ入力、すなわち、on/offまたは電源ボタン302、衝撃ボタン304、及び、2つのディスプレイ・コントラスト・ボタン306及び308を備えている。LCD310によって、テキスト及び/または図形表示が得られ、スピーカ312によって、音声出力が得られる。動作時、ディスプレイ310のコントラスト・ボタン308は、「休止」を選択するソフト・キーとして機能する。これにより、ディスプレイ310上において、「休止」が見えるようになる。
【0032】
図4は、デフィブリレータが、引き続き、患者の状態をモニタする自動プロトコル中断モードの間、MPU102によって制御される衝撃供給及びECGフロント・エンド124の動作を示すフロー・チャートである。
【0033】
ブロック200によって示されるように、AEDは、モニタ/治療モードにある。この時点において、衝撃供給及びECGフロント・エンド124は、患者状態をモニタしている(200)。人為要素が検出されると(202)、MPU102は、静止モードが起動しているか否かを判定する(204)。この例の場合、静止モードは、プロンプト機能の完全な中断として表される。静止モードが起動している場合、ユーザに命令が与えられることはない。この実施形態の場合、AEDは、引き続き、患者状態をモニタする(200)。静止モード(204)は、プログラマブル時間切れが生じるまで、あるいは、オペレータが「再開」を押すまで、活動状態のままである。
【0034】
上述のように、デフィブリレータの構成に従って、プロンプトの完全な中断または部分的中断を選択することが可能である。完全な中断が選択されると、デフィブリレータが、衝撃性律動に応答して、ユーザに勧告することはなくなる。しかし、プロンプトの部分的中断だけしか選択されていない場合、デフィブリレータは、図4に示すように動作することになる。従って、デフィブリレータが、衝撃性律動を検出すると(210)、MPU102は、再び、静止モードが起動しているか否かを判定する(212)。静止モードが起動していない場合、MPU102は、衝撃性律動の検出に適したプロンプト・シーケンスを起動する。AEDは、まず、ユーザに対して、「衝撃を勧告します」という命令を与え(214)、次に、衝撃を加える準備として、コンデンサの充電を開始する(216)。コンデンサが充電されると(218)、AEDは、ユーザに対して、「すぐに衝撃を加えて下さい」という命令を与える(220)。しかし、静止モードが起動している場合(212)、ユーザには、「患者を検査して下さい」という命令が与えられる(222)。重要なことは、引き続き、患者のモニタを行う以外に、追加工程は実施されないという点である。
【0035】
上述のように、所望の場合、介護者は、静止モードを出て、静止モードを終了することにより、AED操作に関連した、完全に機能を果たせるモニタ及び治療モードを再開することが可能になる。あるいはまた、介護者は、AEDをオフにして、AEDに関する治療セッションを完全に終了することも可能である。
【0036】
当該技術者には明らかなように、静止モードは、さまざまなやり方で起動し、終了することが可能である。例えば、そのために、専用ボタンを設けることもできるし、あるいは、ソフト・キーを設けることも可能である。
【0037】
明らかに、本発明の範囲は、上述の実施形態に制限されるものではない。当該技術者であれば、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、さまざまな修正及び変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を用いるのに適したAEDのブロック図である。
【図2】本発明のAEDのブロック図である。
【図3】オーバライド機能を備えたAEDの上部立面図である。
【図4】事象データを再生することが可能なAEDの働きを例証するフロー・チャートである。
【符号の説明】
12 エネルギー源
14 電極インタフェース
16 電極
19 エネルギー供給システム
20 コントローラ
24 視覚イメージ発生器
26 可聴音声発生器
28 ユーザ入力

Claims (17)

  1. AEDを制御するコントローラの制御方法であって、
    患者のECGデータを受信するモニタ工程と、
    衝撃印加可能な律動の存在について、前記患者のECGデータを解析する工程と、
    前記患者のECGデータの解析に基づいて、救助を促す操作指示を与えるプロンプト工程と、
    ユーザ入力から静止信号を受信し、前記コントローラが前記プロンプト工程を静止させる工程と、
    前記静止させる工程が機能しなくなるようにする再開信号を受信し、前記コントローラが前記プロンプト工程を再起動する工程とが含まれていることを特徴とする制御方法。
  2. 前記モニタ工程及び解析工程が、前記静止させる工程中にもなお実施されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  3. 更に、前記静止させる工程に応答して、前記解析工程を中止する工程が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  4. 前記静止信号が、ユーザの介入によって入力されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  5. 前記静止信号が、上級の介護者によって入力されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  6. 前記モニタ工程が、ユーザが介入することなく、自動的に行われることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  7. 前記解析工程が、ユーザが介入することなく、自動的に行われることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  8. 前記解析工程が、ユーザ入力の起動と同時に行われることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  9. 前記患者のECGデータが、メモリから検索されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  10. 前記再開信号が、ユーザの介入によって入力されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  11. 前記再開信号が、タイマに応答して入力されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
  12. コントローラと、
    エネルギー源から電極インターフェイスに電気的衝撃を加えるように前記コントローラによって操作可能なエネルギー供給システムと、
    患者のECGデータを収集するためのモニタと、
    患者のECGデータを解析するための解析器と、
    解析器から受信した情報に基づいてユーザに救助を促す操作指示を与え、前記コントローラによって操作可能なユーザ命令出力手段と、
    作動中選択的にユーザ命令出力手段が機能しないようにするためのユーザ入力手段と、
    ユーザ命令出力手段が機能しなくなった後、再度前記ユーザ命令出力手段が機能するよう起動する再起動手段とが含まれていることを特徴とするAED制御装置。
  13. ユーザ命令出力手段が機能しなくなった後、前記モニタが引き続き患者のECGデータを収集し、前記解析器が引き続き前記患者のECGデータを解析することを特徴とする、請求項12に記載のAED制御装置。
  14. ユーザ命令出力手段に、視覚イメージ発生器が含まれていることを特徴とする、請求項12に記載のAED制御装置。
  15. ユーザ命令出力手段に、可聴音声発生器が含まれていることを特徴とする、請求項12に記載のAED制御装置。
  16. 前記ユーザ入力手段が、ソフト・キーであることを特徴とする、請求項12に記載のAED制御装置。
  17. 選択的にユーザ命令手段が機能しない状態にあっても、AEDが、衝撃印加可能な律動に応答して、ユーザに救助を促す操作指示を送り出すことを特徴とする、請求項12に記載のAED制御装置。
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