JP4245993B2 - 半導体多層膜反射鏡及びこれを含む光半導体デバイス - Google Patents

半導体多層膜反射鏡及びこれを含む光半導体デバイス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフラーレンを有する半導体多層膜反射鏡及びこれを含む光半導体デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体多層膜構造のフラッグ反射鏡は半導体のAlGaAsのAl組成を変えてエピタキシャル成長により面発光レーザの反射鏡の一部として作製されていた。しかしながら、AlAsとGaAsの屈折率差は0.6程度であるため、99%の反射率を得るためには高屈折率の層と低屈折率の層を20ペア程度必要とし、成長膜厚が厚くなって結晶状態が劣化したり、高抵抗になったり、光吸収の割合が高くなるなどの問題点があった(例えば下記の非特許文献1参照)。
【0003】
高屈折率の層と低屈折率の層の屈折率差を上げるために酸化物を導入した例もあるが、酸化物は電流を通さないため横から電流注入するなど、作製工程は複雑であった(例えば下記の非特許文献2参照)。
【0004】
また、面発光レーザの反射鏡はAlGaAsやGaInAsPなどで構成されるため、資源の少ないInや毒性のAsを多量に含むものであった(下記の非特許文献3参照)。
【0005】
【非特許文献1】
K.Kurihara, et al., V.Appl.Phys.73(1993)21
【非特許文献2】
M.H.MacDougal, et al., IEEE Photonics Technol. Lett.8(1996)310
【非特許文献3】
牧田等、材料科学 vol.37,2000,p-1
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑み、環境に優しい材料からなり、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差が0.6よりも大きく、電流を流すこともでき、特に通信波長帯である1300nmや1550nm帯で動作する面型光デバイスの実現が可能な半導体多層膜反射鏡及びこれを含む光半導体デバイスを提供することが課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1発明の半導体多層膜反射鏡は、フラーレン(Cα1)からなる第1の層(屈折率n0)と、該第1の層とは屈折率の異なるフラーレン(Cα2)からなる第2の層(屈折率n1)とが交互に繰り返し積層された構造で構成され、作用する光(波長λ)に対し、第1の層の厚さがm0を正の整数としてm0・λ/(4・n0)であり、第2の層の厚さがm1を正の整数としてm1・λ/(4・n1)であることを特徴とする。
【0008】
また、第2発明の半導体多層膜反射鏡は、フラーレン(Cα1)からなる第1の層(屈折率n0)と、該第1の層とは屈折率の異なるIV族半導体からなる第2の層(屈折率n1)とが交互に繰り返し積層された構造で構成され、作用する光(波長λ)に対し、第1の層の厚さがm0を正の整数としてm0・λ/(4・n0)であり、第2の層の厚さがm1を正の整数としてm1・λ/(4・n1)であることを特徴とする。
【0009】
また、第3発明の半導体多層膜反射鏡は、第2発明の半導体多層膜反射鏡において、IV族半導体はSiであることを特徴とする。
【0010】
また、第4発明の半導体多層膜反射鏡は、フラーレン(Cα1)からなる第1の層(屈折率n0)と、該第1の層とは屈折率の異なるII1−V族半導体からなる第2の層(屈折率n1)とが交互に繰り返し積層された構造で構成され、
作用する光(波長λ)に対し、第1の層の厚さがm0を正の整数としてm0・λ/(4・n0)であり、第2の層の厚さがm1を正の整数としてm1・λ/(4・n1)であることを特徴とする。
【0011】
また、第5発明の半導体多層膜反射鏡は、第4発明の半導体多層膜反射鏡において、III−V族半導体はGaPであることを特徴とする。
【0012】
また、第6発明の半導体多層膜反射鏡は、第4発明の半導体多層膜反射鏡において、III−V族半導体のAs,Sb,Inの含有量がいずれも1%以下であることを特徴とする。
【0013】
また、第7発明の半導体多層膜反射鏡は、第1発明の半導体多層膜反射鏡において、フラーレン(Cα1)からなる第1の層、及びフーレン(Cα2)からなる第2の層の各々の次数α1、α2が、ともに60以上200以下であることを特徴とする。
【0014】
また、第8発明の半導体多層膜反射鏡は、第2発明乃至第6発明の何れかの半導体多層膜反射鏡において、フラーレン(Cα1)からなる第1の層の次数α1が、60以上200以下であることを特徴とする。
【0015】
また、第9発明の半導体多層膜反射鏡は、第1発明乃至第8発明の何れかの半導体多層膜反射鏡において、第1の層と第2の層の両方がp型、もしくはn型となるように不純物がドーピングされていることを特徴とする。
【0016】
また、第10発明の半導体多層膜反射鏡は、第1発明乃至第9発明の何れかの半導体多層膜反射鏡において、電流を流すこと、もしくは電圧を印加することにより、第1の層、もしくは第2の層の屈折率を変化させることにより、ピーク反射率となる波長を変化させることが可能としたことを特徴とする。
【0017】
また、第11発明の半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスは、第1発明乃至第9発明の何れかの半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、上側の前記半導体多層膜反射鏡、中間層、下側の前記半導体多層膜反射鏡で構成された垂直共振器構造を有し、上側の前記半導体多層膜反射鏡と下側の前記半導体多層膜反射鏡に電流を流すこと、もしくは電圧を印加することにより、波長可変フィルタの機能を持たせたことを特徴とする。
【0018】
また、第12発明の半導体多層膜反射鏡をふくみむ光半導体デバイスは、第1発明乃至第9発明の何れかの半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、少なくとも1つの該半導体多層膜反射鏡と発光層を有して構成された垂直共振器構造を有し、面発光レーザの機能を持たせたことを特徴とする。
【0019】
また、第13発明の半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスは、第1発明乃至第9発明の何れかの半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、少なくとも1つの該半導体多層膜反射鏡と受光層を有して構成され、フォトダイオードの機能を持たせたことを特徴とする。
【0020】
また、第14発明の半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスは、第1発明乃至第9発明の何れかの半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、少なくとも1つの該半導体多層膜反射鏡と光変調層を有して構成され、光変調器の機能を持たせたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態例]
本発明の第1実施形態例を説明する。第1実施形態例では、Si基板上にKセルを用いてC60フラーレン膜を蒸着した。
【0022】
図1には、このC60フラーレン膜の屈折率と吸収係数の波長分散を示す。図1から、C60フラーレン膜は、通信波長領域の1300nmや1550nm帯で吸収係数(図では消衰係数)が小さく、透明であることがわかる。また、図1から、C60フラーレン膜は、Siとの屈折率差が約1.5と非常に大きいことがわかる。
【0023】
また、ホール測定から、C60フラーレン膜は、n型の半導体であり1010cm-3のキャリア濃度を示した。
【0024】
更に、C84、C90の薄膜をSi基板上に蒸着し、これらのC84フラーレン膜及びC90フラーレン膜の屈折率を測定した所、C84フラーレン膜及びC90フラーレン膜の屈折率は1550nmでそれぞれ3.0、3.4と、C60フラーレン膜の屈折率よりも大きく、その屈折率差はGaAs/AlAsの屈折率差(0.6)以上であることを確認した。
【0025】
本発明では、炭素の高次化合物であるフラーレンの次数α(Cααで定義)は60以上200以下が適用される。
【0026】
[第2実施形態例]
本発明の第2実施形態例を、図2,図3及び図4に基づいて説明する。
【0027】
半導体多層膜反射鏡を用いて共振器構造を作製する場合、まず、図2(a)〜図2(c)に示すように、Si基板2上にSiO2膜3及びSi膜4を形成してなるn型のSOI基板1のSi膜4上と、n型のSi基板5上とにそれぞれ、C60とAlを同時に蒸着して、C60フラーレン膜6を形成する。Alを共蒸着するのはC60フラーレン膜6を導電性とするためである。
【0028】
その後、図2(e)に示すように、SOI基板1に形成したC60フラーレン膜6と、Si基板5に形成したC60フラーレン膜6とを接触させるようにして基板1,5を重ね合わせた状態とし、これらを真空雰囲気で350℃に昇温して、相互のC60フラーレン膜6同士を接着することにより、基板1,5同士を強固に接着する。
【0029】
続いて、この基板1,5同士を接着したものに対し、SOI基板1を構成するSi基板2及びSiO2膜3を、研磨とウエットエッチングによって除去する。このことにより、図3(b)に示すように、Si基板5上に第1の層であるC60フラーレン膜6と、第2の層であるIV族半導体のSi膜3とを積層した積層構造7とする。
【0030】
そして更に、図3(a)に示すように新たに用意したSOI基板1と、図3(b)の積層構造7とを用いて、上記と同様の手順を繰り返す。即ち、SOI基板1のSi膜4上と、積層構造7のSi膜4上とにC60とAlを同時に蒸着してC60フラーレン膜6を形成し、これらをC60フラーレン膜6同士が接触するようにして重ね合わせた状態とし、真空雰囲気で350℃に昇温して接着する。そして、この接着したものに対し、SOI基板1を構成するSi基板2及びSiO2膜3を研磨とウエットエッチングによって除去することにより、Si基板5上にC60フラーレン膜6とSi膜4とを交互に積層した積層構造とする。
【0031】
このような手順を繰り返すことにより、C60フラーレン膜6とSi膜4とが交互に繰り返し積層された構造を作製する。かくして、図3(c)に示すように、C60フラーレン膜6とSi膜4のペアが6ペアの半導体多層膜反射鏡8を、2組作製した。このとき、波長λ=1550nmの光に対し、半導体多層膜反射鏡8の各層の厚さは、各層の屈折率をnとしてλ/(4n)となるようにしている。即ち、半導体多層膜反射鏡8に作用する波長λ=1550nmの光に対し、第1の層であるC60フラーレン膜6の厚さは、C60フラーレン膜6の屈折率をn0とし、m0を正の整数(ここでは1)として、m0・λ/(4・n0)とし、第2の層であるSi膜4の厚さは、Si膜4の屈折率をn1とし、m1を正の整数(ここでは1)として、m1・λ/(4・n1)としている。
【0032】
次に、図3(d)に断面の構造を示すように、これら2組の半導体多層膜反射鏡8の間にSi膜9を挟んで共振器構造10とした。波長λ=1550nmの光に対し、Si膜8の厚さは、Si膜9の屈折率をnとして、λ/nとした。なお、このようなSi膜8は、下側の半導体多層膜反射鏡8の作製時に一番外側(Si基板5側から数えて6ペア目)のC60フラーレン膜6とSi膜4を積層する際、SOI基板1のSi膜4を上記のようなSi膜8の厚さにしておくことにより、形成される。また、上側の半導体多層膜反射鏡8のSi基板5は、研磨などより除去している。
【0033】
最後に、図3(e)に示すように、この共振器構造10の表面と裏面に電極11をつけて、波長可変フィルタ12とした。電極11には直流電源13を接続している。なお、図3(e)において、L1は波長可変フィルタ12に入射する入射光、L2は波長可変フィルタ12を透過した透過光である。
【0034】
この共振器構造10の反射スペクトルを図4に示す。直流電源13によって共振器構造10に電流を流すことにより、C60フラーレン膜6の屈折率が主に変化して、図4に示すように共振周波数が変化する。即ち、反射スペクトルでのディップの位置が、電流値(0mA、5mA、10mA)に応じて変化し、透過帯の周波数が変化することがわかった。
【0035】
ここで半導体多層膜反射鏡の一部を半絶縁層、或いはpnダイオード構造として微小電流しか流れない構造とし、電圧印加で半導体のバンド構造を変化させて光吸収、或いは屈折率を変化させる構造としても、同様な効果の光変調器を作製することができる。
【0036】
また、Si膜の代わりに、GaP膜、或いはAs,Sb,Inがいずれも1%以下のIII−V族化合物半導体膜を用いることができる。
【0037】
[実施形態例3]
本発明の第3実施形態例を、図5に基づいて説明する。第3実施形態例では、図5(b)に示すように面発光レーザ構造21を作製した。
【0038】
具体的には、Kセルを用いてn型のSi基板22上に第1の層であるC60フラーレン膜23と、第2の層であるC90フラーレン膜24とを交互に繰り返し積層して、フラーレン膜23,24のペアが6ペアの半導体多層膜反射鏡25を、2組作製した。ここでC60フラーレン膜23及びC90フラーレン膜24を導電性にするため、C60又はC90とAlと同時に蒸着して、それぞれのフラーレン膜23,24を形成した。Alを共蒸着することにより、C60フラーレン膜23及びC90フラーレン膜24は、キャリア濃度がn型の1010cm-3から1018cm-3と変化し、低抵抗となった。
【0039】
更に、図5(c)に示すように、InP基板27上にInPに格子整合するGaInAs層28を1μm積層した後、GaInAs層28上に層厚170nmのn−InP層29と、1400nm発光のGaInAsPと1200nm発光のGaInAsPの繰り返し多層膜で、量子効果により1300nm発光の全層厚50nmの量子井戸構造30と、層厚50nmのp−InP層31と、層厚170nmのn−InP層32とを、連続して結晶成長させた。
【0040】
その後、これを1組の半導体多層膜反射鏡(フラーレン反射鏡)25と張り合わせた後、GaInAs層28及びInP基板27を除去することにより、図5(a)に示すような発光層33を形成した。そして、この発光層33に更にもう1組の半導体多層膜反射鏡(フラーレン反射鏡)25を張り合わせて、図5(b)に示すトンネルダイオード型の面発光レーザ21の構造を作製した。
【0041】
この場合、作用する波長λの光に対し、第1の層であるC60フラーレン膜23の厚さは、C60フラーレン膜23の屈折率をn0とし、m0を正の整数(例えば1)として、m0・λ/(4・n0)とし、第2の層であるC90フラーレン膜24の厚さは、C90フラーレン膜24の屈折率をn1とし、m1を正の整数(例えば1)として、m1・λ/(4・n1)としている。
【0042】
また、発光層33は、上下の半導体多層膜反射鏡25のC60フラーレン膜23の間に挟んでいる。即ち、上下の半導体多層膜反射鏡25の一番外側(Si基板22側から数えて6ペア目)のC90フラーレン膜24を研磨などで除去して、6ペア目のC60フラーレン膜23を一番外側にした後、これらのC60フラーレン膜23で発光層33を挟んでいる。また、上側の半導体多層膜反射鏡25のSi基板22は、研磨などにより薄くして所定の厚さ(例えば波長をλ、屈折率をnとしてλ/(4n)の厚さ)のSi膜となっている。
【0043】
そして、この面発光レーザ21の構造の表面と裏面にAl電極34を形成し、これらの電極34に接続した直流電源35により、面発光レーザ21に電流を流した所、図6に示すようにレーザ発振を確認した。図5(b)のL3が面発光レーザ21から出力したレーザ光である。
【0044】
なお、ここでは垂直共振器構造を構成する発光層33の両側の反射鏡を、何れも半導体多層膜反射鏡25としたが、必ずしもこれに限定するものではなく、片側の反射鏡は他の反射鏡(例えば誘電体多層膜反射鏡)であってもよい。
【0045】
また、ここではフラーレンをC60、C90としたが、金属内包のEr@C84、Er2@C85、やY@C82等の金属内包フラーレンでも同様の効果を得ることができる。また、窒素や燐をドーピング、あるいはフラーレンのCと置換した構造等でp型となったフラーレンを用いても同様の効果を得る。更に、このようなフラーレンを用いた半導体多層膜反射鏡を利用して、面型フォトダイオード、面型変調器、面型フィルタ等の一部として組み込むことが可能である。
【0046】
【発明の効果】
このように本発明の半導体多層膜反射鏡を用いることにより、毒性が少ないため、環境に優しく、高性能な面型光デバイスが作製される。特に安価で特性の良い面発光レーザには有効である。また、地球上で豊富な資源を用いるため、製造・廃棄コストを大幅に低減した廉価な光通信システムが提供される。また、社会に多量の毒物がもたらされる不安要素がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SiおよびC60フラーレンの屈折率と吸収の波長分散を表した図である。
【図2】共振器構造の作製手順を表した図である。
【図3】共振器構造の作製手順を表した図である。
【図4】電流注入による共振周波数の変化を反射スペクトルで表した図である。
【図5】フラーレンを用いた面発光レーザを表した図である。
【図6】面発光レーザの電流注入に対する光出力を表した図である。
【符号の説明】
1 SOI基板
2 Si基板
3 SiO2
4 Si膜
5 Si基板
6 C60フラーレン膜
7 積層構造
8 半導体多層膜反射鏡
9 Si膜
10 共振器構造
11 電極
12 波長可変フィルタ
13 直流電源
21 面発光レーザ
22 Si基板
23 C60フラーレン膜
24 C90フラーレン膜
25 半導体多層膜反射鏡
27 InP基板
28 GaInAs層
29 n−InP層
30 GaInAsP量子井戸構造
31 p−InP層
32 n−InP層
33 発光層
34 Al電極
35 直流電源

Claims (14)

  1. フラーレン(Cα1)からなる第1の層(屈折率n0)と、該第1の層とは屈折率の異なるフラーレン(Cα2)からなる第2の層(屈折率n1)とが交互に繰り返し積層された構造で構成され、
    作用する光(波長λ)に対し、第1の層の厚さがm0を正の整数としてm0・λ/(4・n0)であり、第2の層の厚さがm1を正の整数としてm1・λ/(4・n1)であることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  2. フラーレン(Cα1)からなる第1の層(屈折率n0)と、該第1の層とは屈折率の異なるIV族半導体からなる第2の層(屈折率n1)とが交互に繰り返し積層された構造で構成され、
    作用する光(波長λ)に対し、第1の層の厚さがm0を正の整数としてm0・λ/(4・n0)であり、第2の層の厚さがm1を正の整数としてm1・λ/(4・n1)であることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  3. 請求項2に記載の半導体多層膜反射鏡において、
    IV族半導体はSiであることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  4. フラーレン(Cα1)からなる第1の層(屈折率n0)と、該第1の層とは屈折率の異なるII1−V族半導体からなる第2の層(屈折率n1)とが交互に繰り返し積層された構造で構成され、
    作用する光(波長λ)に対し、第1の層の厚さがm0を正の整数としてm0・λ/(4・n0)であり、第2の層の厚さがm1を正の整数としてm1・λ/(4・n1)であることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  5. 請求項4に記載の半導体多層膜反射鏡において、
    III−V族半導体はGaPであることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  6. 請求項4に記載の半導体多層膜反射鏡において、
    III−V族半導体のAs,Sb,Inの含有量がいずれも1%以下であることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  7. 請求項1に記載の半導体多層膜反射鏡において、
    フラーレン(Cα1)からなる第1の層、及びフーレン(Cα2)からなる第2の層の各々の次数α1、α2が、ともに60以上200以下であることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  8. 請求項2乃至請求項6の何れか1項に記載の半導体多層膜反射鏡において、
    フラーレン(Cα1)からなる第1の層の次数α1が、60以上200以下であることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の半導体多層膜反射鏡において、
    第1の層と第2の層の両方がp型、もしくはn型となるように不純物がドーピングされていることを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の半導体多層膜反射鏡において、
    電流を流すこと、もしくは電圧を印加することにより、第1の層、もしくは第2の層の屈折率を変化させることにより、ピーク反射率となる波長を変化させることが可能としたことを特徴とする半導体多層膜反射鏡。
  11. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、
    上側の前記半導体多層膜反射鏡、中間層、下側の前記半導体多層膜反射鏡で構成された垂直共振器構造を有し、
    上側の前記半導体多層膜反射鏡と下側の前記半導体多層膜反射鏡に電流を流すこと、もしくは電圧を印加することにより、波長可変フィルタの機能を持たせたことを特徴とする、半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイス。
  12. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、
    少なくとも1つの該半導体多層膜反射鏡と発光層を有して構成された垂直共振器構造を有し、
    面発光レーザの機能を持たせたことを特徴とする、半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイス。
  13. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、
    少なくとも1つの該半導体多層膜反射鏡と受光層を有して構成され、
    フォトダイオードの機能を持たせたことを特徴とする、半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイス。
  14. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイスにおいて、
    少なくとも1つの該半導体多層膜反射鏡と光変調層を有して構成され、
    光変調器の機能を持たせたことを特徴とする、半導体多層膜反射鏡を含む光半導体デバイス。
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