JP4245668B2 - 2−(ベンゾ〔b〕チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩の製造法 - Google Patents
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Description
本発明は、脳機能改善剤として有用な一般式[1]
「式中、R2は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を;R3は、水素原子またはヒドロキシル保護基を;R5およびR6は、同一または異なって、低級アルキル基をそれぞれ示す。」で表される化合物またはその光学活性体を製造する際の中間体として有用な2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩の製造法並びに一連の有用な中間体に関するものである。
一般式[1]の化合物またはその光学活性体の製造法として、特開平3−232830号、同4−95070号、同6−9615号およびWO96/JP/12717に記載の方法が知られている。特に、特開平6−9615号に記載の方法は、R2が水素原子である一般式[1]の化合物またはその光学活性体の工業的製造法として優れた方法であるが、該方法は優先晶出法であるため、化合物の物性による依存性が高く、R2がハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基である化合物に適用することが困難である。
一般式[1]の化合物またはその光学活性体において、R2がハロゲン原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基である化合物を製造するためには、危険なグリニヤール反応および高価な不斉還元剤などを用いなければならなかった。
本発明の目的は、工業的規模で一般式[1]の化合物またはその光学活性体を製造する際の中間体である2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩の新規製造法を提供することにある。
発明の開示
このような状況下、一般式[1]の化合物またはその光学活性体を製造するための中間体、特に2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩を工業的に製造する方法の開発が求められていた。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を行った結果、化学構造が単純で入手容易な化合物を出発物質として、次の一般式[2]
「式中、R1は、水素原子またはカルボキシル保護基を;R2は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を;R3は、水素原子またはヒドロキシル保護基をそれぞれ示す。」
で表される2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩を、工業的に安価で、かつ高収率に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、特に断らない限り、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を;低級アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-6アルキル基を;低級アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシ基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-6アルコキシ基などの基を、それぞれ意味する。
カルボキシル保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1,1−ジメチルプロピル、ブチルおよびtert-ブチルなどの低級アルキル基;フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジルおよびビス(p-メトキシフェニル)メチルなどのアル低級アルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチル、p-ニトロベンゾイルメチル、p-ブロモベンゾイルメチルおよびp-メタンスルホニルベンゾイルメチルなどのアシル−低級アルキル基;2−テトラヒドロピラニルおよび2−テトラヒドロフラニルなどの含酸素複素環式基;2,2,2−トリクロロエチルなどのハロゲノ−低級アルキル基;2−(トリメチルシリル)エチルなどの低級アルキルシリル−低級アルキル基;アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどのアシルオキシ−低級アルキル基;フタルイミドメチルおよびスクシンイミドメチルなどの含窒素複素環式−低級アルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシメチル、メトキシエトキシメチルおよび2−(トリメチルシリル)エトキシメチルなどの低級アルコキシ−低級アルキル基;ベンジルオキシメチルなどのアル−低級アルコキシ−低級アルキル基;メチルチオメチルおよび2−メチルチオエチルなどの低級アルキルチオ−低級アルキル基;フェニルチオメチルなどのアリールチオ−低級アルキル基;1,1−ジメチル−2−プロペニル、3−メチル−3−ブテニルおよびアリルなどの低級アルケニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert-ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
ヒドロキシル保護基としては、通常のヒドロキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリブロモエトキシカルボニル、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2−(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル2−フルフリルオキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、S−ベンジルチオカルボニル、4−エトキシ−1−ナフチルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert-ブチル、2,2,2−トリクロロエチルおよび2−トリメチルシリルエチルなどの低級アルキル基;アリルなどの低級アルケニル基;ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル−低級アルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、1−エトキシエチルおよび1−メチル−1−メトキシエチルなどの低級アルコキシ−および低級アルキルチオ−低級アルキル基;メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどの低級アルキル−およびアリール−スルホニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert-ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
次に、本発明の製造方法および本発明化合物について説明する。
「式中、R1aは、R1と同様のカルボキシル保護基を;R4は、脱離基を;R1、R2、R3およびXは、上記と同じ意味を有する。」
脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシおよびイソプロピルスルホニルオキシなどの低級アルキルスルホニルオキシ基;フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシおよびナフチルスルホニルオキシなどのアリールスルホニルオキシ基などが挙げられる。
一般式[2]の化合物またはその光学活性体は塩とすることもでき、塩としては、例えば、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;バリウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属との塩;プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、メチルピペリジン、メチルピペラジン、アニリンおよびピリジンなどの有機アミンとの塩などが挙げられる。
また、一般式[3]、[4]、[6]、[7]、[8]の化合物および2−メルカプト酢酸は、塩として使用することもでき、それらの塩としては、一般式[2]の化合物の塩と同様の塩が挙げられる。
(1)一般式[6]の化合物またはその塩の製法
1.1)一般式[3]の化合物またはその塩に2−メルカプト酢酸またはその塩を塩基の存在下に反応させることにより、一般式[6]の化合物またはその塩を製造することができる。
この反応に使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応に使用される塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ピリジン、tert-ブトキシカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水素化ナトリウムなどの有機または無機塩基が挙げられる。
塩基および2-メルカプト酢酸またはその塩の使用量は、一般式[3]またはその塩の化合物に対して等モル以上、好ましくは、1〜5モルである。
この反応は通常、−10〜150℃、好ましくは、0〜100℃で10分〜24時間実施すればよい。
得られた一般式[6]の化合物またはその塩は、単離せずにそのまま次の反応に用いてもよい。
1.2)一般式[4]の化合物またはその塩にルイス酸の存在下、一般式[5]の化合物を反応させることにより、一般式[6]の化合物またはその塩を製造することができる。
この反応に使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ニトロベンゼンなどのニトロ化合物類;並びに二硫化炭素などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応で使用されるルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素、四塩化チタン、塩化鉄、塩化スズ、塩化水銀および硫酸などが挙げられる。
ルイス酸および一般式[5]の化合物の使用量は、一般式[4]の化合物またはその塩に対して、1〜5モルである。
この反応は、通常、−10〜100℃、好ましくは、0〜50℃で5分〜24時間実施すればよい。
得られた一般式[6]の化合物またはその塩は、単離せずにそのまま次の反応に用いてもよい。
(2)一般式[7]の化合物またはその塩の製法
一般式[6]の化合物またはその塩を、金属および金属塩、金属水素化物、金属水素錯化合物、ボランなどの還元剤を用いる、通常知られたケトンの還元反応に付すことにより、一般式[7]の化合物またはその塩を製造することができる。具体的には、第4版実験化学講座、第26巻、日本化学会編、第159-251頁(1992年)(丸善)に記載されている方法に準じて製造することができる。
この反応に使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンおよびジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は、混合して使用してもよい。
この反応に用いられる還元剤としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属;亜鉛、アルミニウム、クロム、チタン、鉄、サマリウム、セレン、ハイドロサルファイトナトリウムなどの金属およびそれらの金属塩;水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化トリアルキルアルミニウム、水素化スズ化合物、ヒドロシランなどの金属水素化物;水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウムなどの水素化ホウ素錯化合物;水素化アルミニウムリチウムなどの水素化アルミニウム錯化合物などの金属水素錯化合物;ボラン、アルキルボランなどが挙げられる。
この反応に用いられる還元剤の使用量は、還元剤の種類により異なるが、0.25モル以上必要であり、例えば、水素化ホウ素錯化合物の場合、一般式[6]の化合物またはその塩に対して0.25モル以上、好ましくは0.25〜2モルである。
この反応は、通常、−20〜100℃、好ましくは、0〜50℃で10分〜24時間実施すればよい。
(3)光学活性な一般式[7]の化合物またはその塩の製法
一般式[6]の化合物またはその塩を、光学活性ホスフィン配位−ロジウム錯体およびBINAP−ルテニウム錯体などの光学活性触媒を用いる不斉水素化反応;不斉ヒドロシリル化反応;水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムおよびボランなどの金属水素化物を光学活性プロトン性化合物で修飾した光学活性金属水素化合物によるカルボニル化合物の不斉還元;メーアバイン−ポンドロフ−ファーリイ(Meerwein-Ponndorf-Verley : MPV)型不斉還元;酵素やパン酵母などの微生物を用いる不斉還元など、通常知られたケトンの不斉還元反応に付し、ついで、光学活性なアミンで光学分割すれば、光学活性な一般式[7]の化合物またはその塩を製造することができる。具体的には、ブルティン・ケミカル・ソサイアティ・オブ・ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jpn.)第64巻、第175-182頁(1991年);第4版実験化学講座、第26巻、日本化学会編、第23-68頁(1992年)(丸善)などに記載されている方法に準じて製造することができる。
光学活性なアミンとしては、例えば、2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、アルギニン、リジン、フェニルアラニン、ブルシン、シンコニジン、シンコニン、ジヒドロアビエチルアミン、α−メチル−4−ニトロベンジルアミン、1−(1−ナフチル)エチルアミン、ヒドロキニジン、キニジン、キニン、ストリキニン、1−(p-トリル)エチルアミンおよび1−フェニルエチルアミンなどの光学活性体が挙げられる。
金属水素化物を光学活性プロトン性化合物で修飾した光学活性金属水素化合物によるカルボニル化合物の不斉還元の際に用いられる光学活性金属水素化合物の使用量は、光学活性金属水素化合物の種類によって異なるが、一般式[6]の化合物またはその塩に対して、0.001〜10倍モル、好ましくは0.01〜3倍モルである。
また、この反応に使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンおよびジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
また、反応は、通常、−20〜100℃、好ましくは、0〜50℃で10分〜24時間実施すればよい。
(4)一般式[8]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩の製法
一般式[7]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩に(4.1)塩基の存在下または不存在下でハロゲン化剤を反応させ、一般式[7]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩の酸ハロゲン化物とし、ついで、ルイス酸を反応させ閉環し、さらに(4.2)還元反応に付すことにより一般式[8]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩を製造することができる。
(4.1)の反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ニトロベンゼンなどのニトロ化合物類;並びに二硫化炭素などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
(4.1)の反応で使用される塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ピリジン、tert-ブトキシカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムなどの有機または無機塩基が挙げられる。
(4.1)の反応で使用されるハロゲン化剤としては、例えば、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、塩化チオニルおよび塩化オキサリルなどが挙げられる。
ハロゲン化剤および必要に応じて用いられる塩基の使用量は、一般式[7]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩に対して、それぞれ、等モル以上、好ましくは、1〜3倍モルである。
(4.1)の反応で使用されるルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素、四塩化チタン、塩化鉄、塩化スズ、塩化水銀および硫酸などが挙げられる。
ルイス酸の使用量は、一般式[7]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩に対して、等モル以上、好ましくは、2〜5倍モルである。
(4.1)の反応は、通常、−20〜100℃、好ましくは、0〜50℃で、10分〜24時間実施すればよい。
(4.2)の反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンおよびジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応に用いられる還元剤としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属;亜鉛、アルミニウム、クロム、チタン、鉄、サマリウム、セレン、ハイドロサルファイトナトリウムなどの金属およびそれらの金属塩;水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化トリアルキルアルミニウム、水素化スズ化合物、ヒドロシランなどの金属水素化物;水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウムなどの水素化ホウ素錯化合物;水素化アルミニウムリチウムなどの水素化アルミニウム錯化合物などの金属水素錯化合物;ボラン、アルキルボランなどが挙げられる。
この反応に用いられる還元剤の使用量は、還元剤の種類により異なるが、例えば、水素化ホウ素錯化合物の場合、一般式[7]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩に対して、0.25モル以上、好ましくは0.25〜2モルである。
この反応は、通常、−20〜100℃、好ましくは、0〜50℃で10分〜24時間実施すればよい。
得られた一般式[8]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩は、単離せずにそのままつぎの反応に用いることができる。
(5)一般式[2]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩の製法
一般式[8]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩を酸触媒下、脱水反応に付すことにより、一般式[2]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩を製造することができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびジクロロ酢酸などのプロトン酸類;塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素および三塩化ホウ素などのルイス酸類が挙げられる。
酸触媒の使用量は、一般式[8]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩に対して、0.01〜1倍モルである。
この反応は、通常、0〜150℃、好ましくは、20〜100℃で5分〜24時間実施すればよい。
ついで、一般式[3]および[4]の化合物またはそれらの塩の製造法について説明する。
一般式[3]の化合物またはその塩は、例えば、次の反応によって製造することができる。
「式中、R1、R1a、R2、R4およびXは、上記と同じ意味を有する。」
この反応は、上記の製造法(1.2)で説明したと同様の方法で実施すればよい。
また、一般式[4]の化合物またはその塩は、例えば、次の反応によって製造することができる。
「式中、R5は、脱離基を;R6は、カルボキシル保護基を;R2は、上記と同じ意味を有する。」
R5の脱離基としては、R4と同様の脱離基が挙げられる。
一般式[10]の化合物またはその塩に一般式[11]の化合物を塩基の存在下に反応させることにより、一般式[4a]の化合物を製造することができる。一般式[10]の化合物の塩としては、一般式[2]の化合物の塩と同様の塩が挙げられる。この反応は、製造法(1.1)で説明したと同様の方法で実施すればよい。
ついで、一般式[4a]の化合物を、公知方法によって脱保護反応に付し、一般式[4]の化合物またはその塩を製造することができる。
上で述べた製造法における一般式[3]〜[11]の化合物において異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、これら全ての異性体を使用することができ、また、水和物、溶媒和物および全ての結晶形を使用することができる。
また、一般式[3]〜[11]の化合物におけるヒドロキシル基またはカルボキシル基は、通常使用されるヒドロキシル保護基またはカルボキシル保護基で保護しておき、反応後、必要に応じて自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することもできる。
本発明の製造法で製造できる一般式[2]の化合物またはその光学活性体としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(7−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−クロロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(6−ブロモベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
さらに、好ましい化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
・2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
一般式[6]の化合物として、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−3−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−クロロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−ブロモフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−メチルフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−メトキシフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
さらに好ましい化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
・2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル
一般式[7]の化合物またはその光学活性体として、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−クロロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−メトキシフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
さらに好ましい化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
・2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
一般式[8]の化合物またはその光学活性体として、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(2,3−ジヒドロ−4−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(2,3−ジヒドロ−6−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(2,3−ジヒドロ−6−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(2,3−ジヒドロ−6−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(2,3−ジヒドロ−7−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(4−クロロ−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−メチルベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−6−メチルベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
さらに、好ましい化合物としては、以下のものが挙げられる。
・2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(−)−2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・2−(2,3−ジヒドロ−6−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
・(+)−2−(2,3−ジヒドロ−6−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル
本発明の一般式[2]の化合物もしくはその光学活性体またはそれらの塩を原料として製造される一般式[1]の化合物またはその光学活性体としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
・1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・(+)−1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・(−)−1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジプロピルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・(+)−1−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・(−)−1−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(7−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(4−クロロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(6−ブロモベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(4−メトキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
さらに、好ましい化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
・1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・(−)−1−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・1−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
・(+)−1−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノール
発明を実施するための最良の方法
次に、本発明を参考例、実施例および製造例を挙げて説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、IRにおける数値は、吸収(cm-1)を;NMRにおける数値はδ値を示す。また、実施例中7、9、10および製造例で用いられる記号は、次の意味を有する。
d6−DMSO:重ジメチルスルホキシド
参考例
m-ジフルオロベンゼン150gおよび無水塩化アルミニウム350.5gを塩化メチレン900mlに懸濁させ、氷冷下、クロログリオキシル酸エチル215.4gを1時間要して滴下する。ついで、15℃で30分間撹拌した後、反応混合物を氷水2000ml中へ導入し、有機層を分取する。分取した有機層を1N塩酸、水、5%(W/V)炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を減圧蒸留すれば、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル249gを得る。
沸点:131〜135℃/18mmHg
IR(ニート);1741,1694,1615
NMR(CDCl3);1.40(3H,t,J=7.2Hz),4.44(2H,q,J=7.2Hz),6.60-7.40(2H,m),7.70-8.30(1H,m)
実施例1
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル251.2gおよび2−メルカプト酢酸ナトリウム147.2gをジメチルスルホキシド502mlに懸濁させ、トリエチルアミン179.8mlを55℃で30分間要して滴下する。さらに、60℃で2時間撹拌した後、水754mlおよび酢酸エチル754mlを加え、濃塩酸でpH2.0に調整する。有機層を分取した後、水層を酢酸エチル251mlで抽出し、抽出液を先に分取した有機層と合わせ、水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。硫酸マグネシウムを濾去し、濾液にジシクロヘキシルアミン233.7mlを滴下し、室温で2時間撹拌する。さらに、氷冷下、1時間撹拌した後、析出晶を濾取すれば淡黄色の2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル・ジシクロヘキシルアミン塩372g(収率67.8%)を得る。
IR(KBr);1752,1677,1635,1601
実施例2
2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル・ジシクロヘキシルアミン塩355gを水1420mlおよび酢酸エチル710mlに懸濁させ、室温で濃塩酸75.9mlを滴下する。室温で1時間撹拌した後、トルエン710mlを加えて不溶物を濾去し、有機層を分取する。分取した有機層に水710mlを加え、炭酸水素ナトリウムでpH4.0に調整した後、有機層を分取する。ついで、分取した有機層に水1410mlおよび炭酸水素ナトリウム76.5gを加え、室温で1時間撹拌した後、水層を分取する。分取した水層をトルエンで洗浄した後、濃塩酸75.9mlを1時間要して滴下する。室温で1時間撹拌した後、5℃まで冷却し、析出晶を濾取すれば、2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル189g(収率87.0%)を得る。
IR(KBr);1738,1690,1604
NMR(CDCl3);1.38(3H,t,J=7.2Hz),3.79(2H,s),4.42(2H,q,J=7.2Hz),6.50(1H,bs),6.90-7.60(3H,m)
実施例3
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル10gをジメチルスルホキシド20mlに溶解させ、室温でジイソプロピルアミン13.46mlを加える。ついで、2−メルカプト酢酸3.57mlを加え、50℃で2時間撹拌した後、さらに60℃で30分間撹拌する。5℃まで冷却後、反応混合物に酢酸エチル20ml、トルエン20mlおよび水40mlを加え、濃塩酸でpH1.8に調整した後、有機層を分取する。さらに、水層を酢酸エチル10mlおよびトルエン10mlの混合溶媒で抽出する。抽出液を先に分取した有機層と合わせ、水、1.9%(W/V)酢酸ナトリウム水溶液および水で順次洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下に溶媒を留去する。得られた残留物にトルエン26mlを加え、50℃に加熱した後、種晶を加える。0℃まで冷却し、析出晶を濾取すれば、2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル9.43g(収率70.5%)を得る。
実施例4
2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル50gおよびD−(−)酒石酸39.3gをジエチレングリコールジメチルエーテル750mlに溶解させ、この溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム6.0gを加え、同温度で1時間撹拌する。ついで、水150ml、酢酸エチル150mlおよび25%(W/V)食塩水150mlを順次加え、室温で30分間撹拌した後、有機層を分取する。水層を酢酸エチル125mlで抽出し、抽出液を先に分取した有機層と合わせ、25%食塩水で洗浄する。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン22.8mlを滴下し、室温で1時間撹拌する。さらに、氷冷下、2時間撹拌した後、析出晶を濾取すれば、(+)−2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル・(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩・1水和物の粗結晶47.6gを得る。これを含水アセトン[アセトン:水=95:5(V/V)]で再結晶すれば、無色結晶43.5g(収率58.3%)を得る。
[α]D’+61.0°(25℃,C=0.95,メタノール)
IR(KBr);3422,3128,1738
実施例5
(+)−2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル・(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン塩・1水和物56.5gを水283mlおよび酢酸エチル283mlに懸濁させ、6N塩酸でpH1.0に調整した後、有機層を分取する。分取した有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物にn-ヘキサンを加え結晶を濾取すれば、(+)−2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル36.3g(収率95.3%)を得る。
[α]D’+90.1°(25℃,C=1.082,CHCl3)
IR(KBr);3422,1737,1705
NMR(CDCl3);1.22(3H,t,J=7.3Hz),3.67(2H,s),4.21(2H,q,J=7.3Hz),5.35(1H,s),6.52(1H,s),6.90-7.60(3H,m)
実施例6
(+)−2−(4−カルボキシメチルチオ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル20gを塩化メチレン300mlに溶解させ、還流下、塩化チオニル5.57mlを40分間要して滴下し、さらに、1時間20分間、還流下撹拌する。5℃まで冷却し、無水塩化アルミニウム21.3gを加え、25℃で1時間撹拌する。反応混合物を−25℃に冷却し、1N塩酸160mlを15分間要して滴下した後、有機層を分取する。水層を塩化メチレン20mlで抽出し、抽出液を先に分取した有機層と合わせ、1N塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した後、メタノール40mlを加える。この溶液に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.92gを加え、5℃で30分間撹拌した後、水100mlを加え、10分間撹拌する。食塩20gを加え、6N塩酸でpH5.5に調整した後、有機層を分取し、水層を塩化メチレン20mlで2回抽出する。抽出液を先に分取した有機層と合わせ、活性炭を加え、15分間撹拌した後、活性炭を濾去し、濾液を常圧で300ml留去した段階でトルエン100mlを加え、内温が103℃になるまで、さらに常圧で溶媒を留去する。残留溶液を70℃まで冷却し、種晶20mgを加え、さらに40℃まで冷却した段階でトルエン80mlを加える。5℃まで冷却し、同温度で1時間撹拌した後、析出晶を濾取すれば、無色の(+)−2−(2,3−ジヒドロ−6−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル12.58g(収率66.6%)を得る。
IR(KBr);3315,1744,1727
NMR(CDCl3);1.23(3H,t,J=7.1Hz),2.30-2.85(1H,m),3.20-3.40(1H,m),3.50-3.90(2H,m),4.00-4.40(2H,m),6.94(1H,d,J=9.8Hz),7.20-7.50(1H,m)
実施例7
(+)−2−(2,3−ジヒドロ−6−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル51.24gをエタノール153.7mlに懸濁させ、p-トルエンスルホン酸1.07gを加え、57.5℃で30分間撹拌する。35℃まで冷却し、活性炭を加え、同温度で20分間撹拌した後、活性炭を濾去する。濾液に氷冷下、水153.7mlを20分間要して滴下し、同温度で30分間撹拌する。ついで、水307.4mlを1時間要して滴下し、同温度で1時間撹拌した後、析出晶を濾取すれば、無色の(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル44.05g(収率92.1%)を得る。
[α]D’+90.7°(25℃,C=0.96,CHCl3)
IR(KBr);3374,1733
NMR(d6-DMSO);1.13(3H,t,J=7.1Hz),4.12(2H,q,J=7.1Hz),5.41(1H,s),6.22(1H,bs),7.49(1H,d,J=5.4Hz,),7.74(1H,d,J=5.4Hz),7.90(1H,d,J=6.4Hz),7.99(1H,d,J=2.9Hz)
実施例8
チオフェノキシ酢酸5.0gを塩化メチレン50mlに溶解させ、クロログリオキシル酸エチル4.46gを加える。この溶液に、氷冷下、無水塩化アルミニウム8.72gを40分間要して添加し、同温度で1時間撹拌した後、さらに室温で1時間撹拌する。ついで、反応混合液を氷水150mlおよび濃塩酸15mlの混合液中に導入し、15分間撹拌した後、有機層を分取する。分取した有機層を1N塩酸、水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物にn-ヘキサン20mlおよびトルエン20mlを加え結晶を濾取すれば、2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−オキソ酢酸5.30g(収率66.5%)を得る。
IR(KBr);1728,1713,1672
NMR(CDCl3);1.41(3H,t,J=7.1Hz),3.80(2H,s),4.44(2H,q,J=7.1Hz),7.40(2H,d,J=8.5Hz),7.95(2H,d,J=8.5Hz),10.20(1H,s)
実施例9
2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−オキソ酢酸3.50gを水35mlに懸濁させ、炭酸水素ナトリウム1.32gを加え、室温で30分間撹拌する。この溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.123gを15分間要して添加し、同温度で30分間撹拌する。ついで、氷冷下、反応混合液に酢酸エチル50mlを加え、2N塩酸でpH2.0に調整した後、有機層を分取する。分取した有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物にトルエン20mlを加え結晶を濾取すれば、2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル3.00g(収率85.1%)を得る。
IR(KBr);3473,1727
NMR(d6-DMSO);1.13(3H,t,J=7.1Hz),3.80(2H,s),4.07(2H,q,J=7.1Hz),5.08(1H,s),5.0-6.50(1H,bs),7.33(4H,s),12.00-13.20(1H,bs)
実施例10
2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル2.00gを塩化メチレン20mlに懸濁させ塩化チオニル0.57mlを加え、1時間30分間、還流下撹拌する。0℃まで冷却し、無水塩化アルミニウム2.17gを加え、室温で1時間撹拌した後、反応混合液を氷水50mlおよびメタノール10mlの混合溶媒中へ導入する。有機層を分取し、更に水層を塩化メチレン10mlで抽出し、抽出液を先に分取した有機層と合わせ、1N塩酸および5%炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄する。ついで、有機層にメタノール20mlを加え、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.11gを加え同温度で15分間撹拌した後、水20mlを加え有機層を分取する。水層を塩化メチレン20mlで抽出し、抽出液を先に分取した有機層と合わせ、水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;富士シリシア化学製BW-127ZH、溶離液;n-ヘキサン:酢酸エチル=3:1〜2:1)で精製すれば、2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル0.83g(収率44.1%)を得る。
IR(KBr);3392,1734,1200
NMR(d6-DMSO);1.14(3H,t,J=7.1Hz),3.12(1H,dd,J=6.8Hz,J=11.7Hz),3.53(1H,dd,J=6.8Hz,J=11.7Hz),3.90-4.30(2H,m),5.08(1H,d,J=5.1Hz),5.28(1H,q,J=6.8Hz),5.77(1H,d,J=6.1Hz),5.99(1H,d,J=5.1Hz),7.05-7.50(3H,m)
実施例11
2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチルを実施例7と同様にして、2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチルを得る。
IR(KBr);3448,1727,1192,1082
NMR(CDCl3);1.20(3H,t,J=7.1Hz),3.62(1H,d,J=5.9Hz),3.90〜4.60(2H,m),5.27(1H,d,J=5.6Hz),7.20〜7.60(3H,m),7.70〜8.10(2H,m)
製造例
(1)(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチル15gを塩化メチレン75mlに溶解させ、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン6.94gおよびp-トルエンスルホン酸・ピリジニウム塩1.48gを加え、25℃で3時間撹拌する。反応混合物を水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去すれば、無色油状の(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−(テトラヒドロピラニルオキシ)酢酸エチルを得る。
(2)(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−(テトラヒドロピラニルオキシ)酢酸エチルをエタノール60mlに溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム3.79gを加え、25℃で6時間撹拌する。ついで、氷冷下に、アセトン17.32gを滴下し、過剰の水素化ホウ素ナトリウムを分解させた後、トルエン75mlおよび水75mlを加え有機層を分取する。分取した有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すれば、無色油状の(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−(テトラヒドロピラニルオキシ)エタノール16.08gを得る。
IR(ニート);3426,2943,2868,1454,1132,1034
(3)(+)−2−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−(テトラヒドロピラニルオキシ)エタノール5.83gをトルエン5.83mlおよび50%水酸化ナトリウム水溶液25mlの混合液に溶解させ、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルクロリド・塩酸塩4.40gおよび硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム668mgを加え、1.5時間還流する。反応混合物を20℃まで冷却後、トルエン25mlおよび水25mlを加え有機層を分取する。水層をトルエン15mlで抽出し、抽出液を先に分取した有機層と合わせ、水20mlで洗浄した後、水25mlを加え6N塩酸でpH0.5に調整し、25℃で30分間撹拌する。水層を分取し、有機層を水5mlで抽出し、抽出液を先に分取した水層と合わせ、酢酸エチル25mlを加え炭酸ナトリウムでpH10.2に調整する。有機層を分取し、水および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物に酢酸エチル100mlおよびエタノール2.5ml加えて溶解させた後、塩化水素の酢酸エチル溶液(3.95N)7.48mlを加える。25℃で1時間撹拌した後、5℃まで冷却し、析出晶を濾取すれば、無色の(+)−1−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノールの塩酸塩6.20g(収率90.5%)を得る。
[α]D’+40.9°(25℃,C=1.05,メタノール)
IR(KBr);3196,1449,1143,903
NMR(d6-DMSO);1.17(6H,t,J=7.32Hz),2.90-4.00(10H,m),5.00-5.20(1H,bs),5.80-6.00(1H,bs),7.47(1H,d,J=5.37Hz),7.73(1H,d,J=5.37Hz),7.87(1H,d,J=10.74Hz),8.05(1H,d,J=6.83Hz),10.50-10.90(1H,bs)
(4)(3)において、塩化水素の代わりにp-トルエンスルホン酸を用いれば、(+)−1−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ]エタノールのp-トルエンスルホン酸塩を得る。
[α]D’+30.4°(25℃,C=1,メタノール)
IR(KBr);3294,2890,1449,1228,1144,902
NMR(d6-DMSO);1.12(6H,t,J=7.57Hz),2.28(3H,s),2.90-4.10(10H,m),5.00-5.20(1H,bs),5.60-5.80(1H,bs),7.00-8.30(8H,m),8.90-9.20(1H,bs)
産業上の利用可能性
一般式[2]の2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはその塩は、一般式[1]の化合物を製造するための中間体として有用であり、また本発明による該中間体の製造法は、一般式[1]の化合物またはその光学活性体を工業的に得る方法として有用である。
本発明製造法および中間体は、脳機能改善剤として有用な一般式[1]の化合物またはその光学活性体を工業的に製造するために有用である。
Claims (8)
- 一般式
「式中、R1は、水素原子またはカルボキシル保護基を;R2は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を;Xは、ハロゲン原子をそれぞれ示す。」で表される2−フェニル−2−オキソ酢酸誘導体またはその塩を塩基の存在下、2−メルカプト酢酸またはその塩と反応させるか、もしくは一般式
「式中、R2は、上記と同様の意味を示す。」で表されるチオフェノキシ酢酸誘導体またはその塩をルイス酸の存在下、一般式
「式中、R1aは、カルボキシル保護基を;R4は、脱離基を示す。」で表される化合物を反応させ、一般式
「式中、R1およびR2は、上記と同じ意味を示す。」で表される2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−オキソ酢酸誘導体またはその塩を得、ついで、還元反応に付し、一般式
「式中、R3は、水素原子またはヒドロキシル保護基を示し、R1aおよびR2は、上記と同じ意味を示す。」で表される2−(4−カルボキシメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩を得、ついで、閉環反応および還元反応に付し、一般式
「式中、R1、R2およびR3は、上記と同じ意味を示す。」で表される2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩を得、ついで、脱水反応に付すことを特徴とする一般式
「式中、R1、R2およびR3は、上記と同じ意味を示す。」で表される2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩の製造法。 - R2が、水素原子またはハロゲン原子である請求の範囲1に記載の2−(ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩の製造法。
- R2が、水素原子またはハロゲン原子である請求の範囲3に記載の2−(4−カルボキシルメチルチオフェニル)−2−オキソ酢酸誘導体またはその塩。
- R2が、水素原子またはハロゲン原子である請求の範囲5に記載の2−(4−カルボキシルメチルチオフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩。
- R2が、水素原子またはハロゲン原子である請求の範囲7に記載の2−(2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−2−ヒドロキシ酢酸誘導体もしくはその光学活性体またはそれらの塩。
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