JP4245238B2 - ガラス繊維集束剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カチオン性水系ポリウレタン樹脂を必須成分としてなるガラス繊維集束剤に関する。より詳細には、リンまたはホウ素に結合するOH基を1つ以上持つリン酸化合物または硼酸化合物の少なくとも1種で中和されたカチオン性水系ポリウレタン樹脂を含有するガラス繊維集束剤であって、機械的強度および耐熱温水性に優れたガラス繊維強化プラスチック(FRP)またはガラス繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)成形体を得ることができるガラス繊維集束剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ガラス繊維の用途として、各種合成樹脂の強化材料があるが、近年FRPやFRTPがその良好な成形性、2次加工性の面から注目されてきている。
ところで、ガラス繊維は、溶融したガラスを紡糸してフィラメントを形成せしめた後、それらを数百本を束ねて1本のストランドとし、これを3〜6mmの長さに切断してチョップドストランドとするか、あるいは更にそれら数十本を集めてロービングを形成せしめることにより得られる。ガラス繊維の製造時あるいは樹脂とのブレンド時の摩擦によって生じる糸割れ、ケバ立ちを防ぎ、フィラメントを保護するためにガラス繊維集束剤が用いられている。
従来、ガラス繊維集束剤としては、でんぷん、加工でんぷん、デキストリン、アミロースなどのでんぷん類(例えば、特開昭50―12394号公報、特開平3−183644号公報)、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリルアミド−酢酸ビニル共重合体(例えば、特開昭63−236733号公報)などの合成高分子化合物が用いられていたが、皮膜形成性が充分とは言えず、そのためにガラス繊維の毛羽発生を充分抑えているとは言えなかった。
【0003】
また、水系ウレタン樹脂を含有するガラス繊維集束剤も一般的に知られている。アニオン系水系ウレタン樹脂を含有するガラス繊維集束剤で処理されたガラス繊維は、集束性、伸び、強度、スチレン溶解性などの物性面では良好な性能を示すが、アニオン性のため酸性サイドにおける集束剤の他の併用材料との安定性にかけ、用途によりガラス繊維が変色、着色してしまう現象がある。さらに、ノニオン性水系ウレタン樹脂を含有するガラス繊維集束剤は、高濃度で使用すると、増粘し、作業性が悪くなり、耐水系、耐熱性にも問題があった。また、カチオン性水系ポリウレタン樹脂を含有するガラス繊維集束剤は、酸性下での使用は可能であるが、耐温水系に対しては未だその効果は不十分であった。
【0004】
従って、本発明の目的は、ガラス繊維に適用することにより集束性に優れたガラス繊維を得ることができ、さらに、このガラス繊維を熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の補強材として用いることにより、機械的強度および耐温熱水性に優れたガラス繊維強化樹脂成形体を得ることができるガラス繊維集束剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カチオン性ポリウレタン樹脂を必須成分としてなるガラス繊維集束剤において、前記カチオン性ポリウレタン樹脂として、分子中に3級アミノ基を含有し、リンまたはホウ素に結合するOH基を1つ以上持つリン酸化合物または硼酸化合物のうち少なくとも1種でカチオン成分の一部または全部が中和されているカチオン性水系ポリウレタン樹脂を用いることを特徴とするガラス繊維集束剤を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、上記要旨をもってなる本発明のガラス繊維集束剤について詳述する。
【0007】
本発明のガラス繊維集束剤が適用されるガラス繊維としては、含アルカリガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスのいずれの原料から製造されたものでもよく、またその製造法も、特に限定されるものではなく、例えば、ロービング、チョップドストランド、ミルドファイバーなどの方法が挙げられる。
【0008】
上記ガラス繊維の形態は、特に限定されるものではないが、繊維長で0.5〜10mm、繊維径で1〜50μ、特に繊維長1〜5mm、繊維径2〜20μのものを用いることが、物性あるいは表面性が特に良好なものが得られるため好ましい。
【0009】
また、本発明で用いられるカチオン性水系ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールからなるカチオン性ポリウレタンにおいて中和剤として前記特定のリン酸化合物または硼酸化合物を使用してカチオン成分の一部または全部を中和してなるものである。
【0010】
本発明で用いられるカチオン性水系ポリウレタン樹脂を製造するために使用される上記ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環族および芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネートなどが挙げられ、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0011】
また、本発明で用いられるカチオン性水系ポリウレタン樹脂を製造するために使用される上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、水添ビスフェノールAなどの低分子量ポリオール、ビスフェノールAなどの低分子量多価フェノール、アンモニアおよびメチルアミン、エチルアミン、アニリン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミンなどの活性水素を2個以上有する低分子量アミン化合物のエチレンオキシド重付加物またはエチレンオキサイド/プロピレンオキシド共重付加物などが挙げられる。さらに高分子量ポリオールとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリシリコンポリオールが挙げられる。
【0012】
上記ポリイソシアネートは、上記ポリオールおよび後述の鎖延長剤の活性水素の合計に対し、好ましくは0.8〜3倍当量、より好ましくは1〜2倍当量となるように使用される。該イソシアネートの使用量が0.8倍当量未満の場合には過剰のポリオールなどが残存することとなり、また、3倍当量より多い場合には水を加えたときに尿素結合が多量に発生することになり、何れの場合もその特性を低下させるおそれがある。
【0013】
さらに、本発明で用いられるカチオン性水系ポリウレタン樹脂のカチオン成分として、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの3級アミンをその他のポリオール成分として用いる。これらの3級アミンは、カチオン性水系ポリウレタン樹脂を構成する全ての反応成分に対して、0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%が用いられる。0.5重量%未満では保存安定性が劣り、また50重量%を超えて使用すると特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0014】
また、上記カチオン成分の3級アミンを中和するために使用される中和剤としては、リンまたはホウ素に結合するOH基を1つ以上持つリン酸化合物または硼酸化合物があげられる。
【0015】
上記リン酸化合物としては、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ホスホン酸、アルキル基またはフェニル基で水素原子が置換されたホスホン酸およびこれらの部分エステルなどが挙げられ、上記硼酸化合物としては、オルト硼酸、メタ硼酸、ポリ硼酸およびこれらの部分エステルなどが挙げられる。これらのリン酸化合物および硼酸化合物の代表例を一般式で示すと下記〔化1〕の通りである。
【0016】
【化1】
【0017】
上記式(1)および(2)におけるRで示されるる有機基としては、炭素数1〜20のアルキル基、エーテル結合を1つ以上もつアルキル基またはフェニル基が挙げられる。炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチル、ペンチル、第2ペンチル、第3ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシルなどが挙げられる。エーテル結合を1つ以上もつアルキル基としては、下記〔化2〕に示す化合物が挙げられる。
【0018】
【化2】
【0019】
ここで、上記式(1)および(2)で表されるリン酸化合物および硼酸化合物の具体的な代表例としては、オルトリン酸、ホスホン酸、メチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、オルト硼酸が挙げられる。
【0020】
上記中和剤以外の中和剤は必要に応じて使用してもさしつかえない。その他の中和剤としては、蟻酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸などの有機カルボン酸、パラトルエンスルホン酸、スルホン酸アルキルなどの有機スルホン酸、塩酸、硝酸、スルホン酸などの無機酸、エピハロヒドリンなどのエポキシ化合物の他、ジアルキル硫酸、ハロゲン化アルキルなどの4級化剤が挙げられる。
【0021】
リン酸化合物および硼酸化合物の使用量は、好ましくは全中和剤の重量の80重量%以上である。さらに好ましくは90重量%以上である。
【0022】
上記のリン酸化合物および硼酸化合物はカチオン成分に対して、好ましくは0.1〜3倍モル、より好ましくは0.3〜2倍モルとなるように使用される。該リン酸化合物および硼酸化合物の使用量が0.1倍モル未満の場合には中和が完全に行われず、分散が不十分になり、また、3倍モルより多い場合には余剰のリン酸または硼酸イオンが遊離してガラス繊維集束剤に配合した際、特性を低下させるおそれがある。
【0023】
本発明で用いられるカチオン性水系ポリウレタン樹脂は、周知の方法で製造でき、例えば、上記ポリイソシアネート、上記ポリオールおよび上記3級アミンを、ウレタン化反応させてプレポリマーとし、次いで、プレポリマーを、上記のリン酸化合物または硼酸化合物の中和剤により中和し、鎖延長剤により鎖延長し、水を加えて水系ウレタンとする方法によって製造できる。
【0024】
また、必要に応じて上記カチオン性水系ポリウレタン樹脂を製造するために溶媒が使用される。使用される溶媒は、反応に不活性で水との親和性の大きい溶媒が好ましく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドンなどを挙げることができる。これらの溶媒は、通常、プレポリマーを製造するために用いられる上記原料の合計量に対して、3〜100重量%が用いられる。これら溶媒のなかで、沸点100℃以下の溶媒はプレポリマー合成後、減圧留去することが好ましい。
【0025】
また、上記カチオン性水系ポリウレタン樹脂を製造するために使用される鎖延長剤としては、例えば、前記低分子量ポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、メラミン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのアミン類、ポリエタノールアミン類および水などが挙げられる。これらの鎖延長剤の使用量は、目的とするカチオン性水系ポリウレタン樹脂の分子量にもよるが、通常は、プレポリマーに対して0.5〜10重量%が用いられる。
【0026】
前述のように、これらの原料からカチオン性水系ポリウレタン樹脂を製造することは周知であり、これらの原料の仕込み順序を適宜変更したり、あるいは分割して仕込むことも可能である。
【0027】
このようにして得られたカチオン性水系ポリウレタン樹脂は、通常、樹脂固形分が1〜90重量%、より好ましくは5〜80重量%となるように調整される。
【0028】
本発明のガラス繊維集束剤には、上記カチオン性水系ポリウレタン樹脂と共に、通常用いられる配合剤、例えば、表面処理剤、潤滑剤、滑剤(あるいは風合改良剤)、帯電防止剤、PH調整剤、水などが配合されるが、これらを別途の処理液として用い、ガラス繊維を多段階に分けて処理することもできる。
【0029】
上記表面処理剤としては、例えばアミノシラン系、エポキシシラン系、ビニルシラン系、メタクリロシラン系、ウレイドシラン系、ボラン系、チタネート系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系などのカップリング剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなどのコロイダルゲルなどが挙げられる。
【0030】
また、上記潤滑剤としては、例えば、動植物油水添硬化物、パラフィンワックス、エステル系合成油などが挙げられる。
【0031】
また、上記滑剤(あるいは風合改良剤)としては、例えば、ブチルステアレート、テトラエチレンペンタミンジステアレート、水添ひまし油、イミダゾリン系脂肪酸アミド、カチオン性脂肪酸アミド、カチオン性ポリエチレンイミンポリアミド、ビスフェノールAポリ(オキシエチレン)エーテルグリコールなどが挙げられる。
【0032】
また、上記帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン性の各種界面活性剤が挙げられる。
【0033】
また、上記PH調整剤としては、例えば、アンモニア、酢酸などが挙げられる。
【0034】
また、本発明のガラス繊維集束剤においては、上記カチオン性水系ポリウレタン樹脂を、単独でコーティング剤として用いてもよいが、集束性、耐水系などのバランスをより優れたものにするために、他の水系樹脂と併用することができる。例えば、各種のデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、種々の分子量およびケン化度のポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子、並びにスチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、エポキシ、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどのラテックスなどの水中分散型樹脂が挙げられる。
【0035】
また、本発明のガラス繊維集束剤には、耐候性を改善するために、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤を添加しても良い。
【0036】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどの2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリドなどの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどのシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジンなどのトリアリールトリアジン類が挙げられる。
【0037】
また、上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカンなどのヒンダードアミン化合物が挙げられる。これらのヒンダードアミン化合物のなかでも、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物などのエステル結合を有する化合物は、水系ウレタンとの相溶性に優れるので好ましい。
【0038】
本発明のガラス繊維集束剤は、例えば、水溶液やコロイダルディスパージョンの形態で、あるいは乳化剤を用いたエマルジョンの形態で使用することができる。
本発明のガラス繊維集束剤は、公知のガラス繊維製造工程において、浸漬塗布、ローラー塗布、吹き付け塗布、流し塗布、スプレー塗布などの公知の方法により本発明のガラス繊維集束剤でガラス繊維を処理することにより、ガラス繊維に付与することができる。得られたガラス繊維ストランドは、乾燥、切断してチョップドストランドとすることができる。また、上記ガラス繊維ストランドの乾燥は切断工程後に行ってもよい。
【0039】
本発明のガラス繊維集束剤によるガラス繊維の処理は、本発明のガラス繊維集束剤が、ガラス繊維100重量部に対し、ポリウレタン樹脂残存固形分で好ましくは0.05〜10重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部となるように処理するとよい。該ガラス繊維集束剤の処理量が0.05重量部未満であるとガラス繊維集束剤としての機能が不十分となる場合があり、10重量部を超えても本発明の効果の更なる改善は期待されず、むしろ物性に悪影響をおよぼす恐れがある。
【0040】
本発明のガラス繊維集束剤で処理されたガラス繊維は、種々の樹脂と混合することができ、混合する際にガラス繊維の破損を十分に抑制できるので、優れた機械的性能を示すガラス繊維補強樹脂製品を与える。本発明のガラス繊維集束剤で処理されたガラス繊維を混合することができる樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリアセタール、ポリイミドなどあるいはこれらのポリマーアロイが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
【0041】
前記のガラス繊維補強樹脂製品としての具体的用途としては、FRTPではアイロン、ドライヤーなどの熱機具の耐熱部品、コネクター、スイッチ、ケースなどの電子・電気部品、パソコン、FAX,複写機の部品、タンク、エンジンカバー、ドアミラー、バンパーなどの自動車内外部品、時計、カメラ、ガスバーナーなどの部品が挙げられる。FRPでは、ユニットバス、システムキッチン、トイレ、浄化槽等の住宅設備、ガソリンタンク、オートバイ部品、サンルーフなどの自動車部品、食器洗浄などの家電製品、小型船舶、ヘルメットなどに成形する用途が挙げられる。最近では、FRPをSMC(Sheet molding conpound)法やBMC(バルク・モールディング・コンパウンド)法により成形する方法が知られている。特にSMC法の場合、ガラス繊維の集束性、酸性領域での集束剤液のpH安定性に優れ、適当なスチレン溶解性を持ち、SMCシートの強度があるため厚膜化に向いている。
【0042】
【実施例】
以下、製造例および実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の製造例、実施例によりなんら制限されるものではない。
【0043】
製造例1
ポリエステルポリオール250重量部、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン7重量部および水添ジフェニルメタンジイソシアネート129重量部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させてプレポリマーを製造した。次いで、水650重量部、ノニオン乳化剤35重量部、消泡剤0.5重量部およびリン酸3重量部の混合物を添加して固形分40.2重量%の水系ポリウレタンA(以下、水系Aという)を得た。同様の方法にて、下記表1記載の配合により水系ポリウレタンB〜K(以下、それぞれ水系B〜Kという)を得た。尚、下記表1中の配合数字は全て重量部を示す。また、下記表1中の*1〜*8は下記の注釈を示す。
*1:平均分子量1000の1,4−ブタンジオール/アジピン酸、フタル酸系ポリオール
*2:平均分子量1000の1,6−ヘキサングリコール/アジピン酸系ポリエステルポリオール
*3:N−メチル−N,N−ジエタノールアミン
*4:水添ジフェニルメタンジイソシアネート
*5:イソフォロンジイソシアネート
*6:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
*7:エチレンジアミン
*8:アジピン酸ジヒドラジド
【0044】
【表1】
【0045】
試験例1
<配合>
製造例1で得た水系A〜K(下記表2を参照) 10.0重量部
(固形分40.2重量%)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 0.8重量部
パラフィン系潤滑剤 0.3重量部
水 88.9重量部
【0046】
上記配合によりガラス繊維集束剤(実施例1〜8および比較例1〜3)をそれぞれ調製した。これらのガラス繊維集束剤を用いてチョップドストランド法により直径13μ、長さ3mmのガラス繊維を製造した。この際、ガラス繊維集束剤の付着重量は固形分として1重量%であった。この試験片を用いて、集束性(バルキー性)、外観(表面状態)を観察した結果を下記表2に示す。集束性(バルキー性)は次のようにして測定した。
集束性(バルキー性):チョップドストランド50gを内径80mmの500ccビーカーに入れ、回転翼で2600rpmで特定時間攪拌し、次いで内径50mmメスシリンダーに移しその高さ(mm)を測定する。集束性が良いほど高さが低い。
【0047】
【表2】
【0048】
試験例2
実施例1〜8および比較例1〜3のガラス繊維集束剤を用いて得られたそれぞれのチョップドストランド33重量%とポリアミド(ナイロン66)樹脂67重量%とを270℃で混練し、ペレタイザーでペレットを作成し、これを成型温度300℃、金型温度80℃で射出成型法で試験片をそれぞれ作成した。
これらの試験片を用いて、JIS K−7054の方法により引張強度(常態、吸水後)、ASTMD−256により衝撃強度を測定した。
尚、吸水後の引張強度はプレッシャークッカー120℃、15時間熱水に吸水させた後、引張試験を行った結果である。
試験結果を下記表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】
本発明のガラス繊維集束剤は、ガラス繊維に適用することにより集束性に優れたガラス繊維を得ることができ、さらに、このガラス繊維を熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の補強材として用いることにより、機械的強度および耐温熱水性に優れたガラス繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
Claims (1)
- カチオン性ポリウレタン樹脂を必須成分としてなるガラス繊維集束剤において、前記カチオン性ポリウレタン樹脂として、分子中に3級アミノ基を含有し、リンまたはホウ素に結合するOH基を1つ以上持つリン酸化合物または硼酸化合物のうち少なくとも1種でカチオン成分の一部または全部が中和されているカチオン性水系ポリウレタン樹脂を用いることを特徴とするガラス繊維集束剤。
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