JP4245208B2 - ブラシレスモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はブラシレスモータに関し、低回転及び高回転に関係なく正確な回転数を算出することができるブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の空調装置におけるブロアファンの回転駆動用のモータは、永久磁石を回転子、電機子巻線を固定子として、整流機構を磁極センサとスイッチング素子で置き換えたブラシレスモータが用いられるようになってきている。
【0003】
この従来のブラシレスモータの構成図を用いて説明する。図10はブラシレスモータの概略構成図である。図10はブラシレスモータのモータ本体部の構成図である。
【0004】
図10に示すようにブラシレスモータ1は、モータ本体部2と、モータ本体部2の各コイルに複数のスイッチング素子により、互いに異なる位相のドライブ信号を供給する駆動回路部3と、モータ本体部2の回転検出用のホール素子4aの検出信号(以下回転信号という)からノイズを除去するフィルタ5とを備えている。
【0005】
このフィルタ5は、周波数帯域を狭めて低回転時の回転信号をフィルタリングするフィルタ特性或いは高域まで周波数域を拡大させて高回転時の回転信号をフィルタリングするフィルタ特性にされている。
【0006】
また、フィルタ5からの回転信号を一個の入力ポート6aで受付け、この入力ポート6aの回転信号と図示しない操作部からの目標回転数とから駆動回路部3への制御信号を送出するマイコン6を備えている。
【0007】
このマイコン6はモータ本体部2のホール素子4a、4b、4cからの回転信号(ホール素子4aからの回転信号はフィルタ5を介して入力する)とを入力し、これらの回転信号からセンサマグネットの磁極位置を判断し、この判断位置とロータの回転数と目標回転数とから駆動回路部3の複数のトランジスタのオンオフタイミングを決定する。この目標回転数は図示しないアンプからのFAN指示電圧に基づいて求められた回転数である。
【0008】
また、ホール素子4aからの回転信号のパルス数に基づいてロータ(ロータとFANとは連結されている)の回転数を判断する。
【0009】
前述のモータ本体部2は図11に示すように、シャフト7の周囲に回転検出用のためのマグネット8(以下センサマグネット8という)を設け、このセンサマグネット8の周囲に6個の突極9a、9b、……を有する固定子9を取付けている。
【0010】
また、固定子9の6個の突極9a、9b、……にはコイルが巻かれている。さらに、これらを覆うロータ10の内周には所定間隔をおいて回転を生じさせるための磁石11a、11b、…が設けられている。
【0011】
また、固定子9には、120度間隔でホール素子4a、4b、4cが取り付けられている。
【0012】
上記のように構成された従来のブラシレスモータは、ホール素子4aの回転信号をフィルタ5が入力し、回転信号に含まれるノイズを除去してマイコン6に送出する。すなわち、フィルタ5は、固定子9の各コイルから発生するノイズ又は外部ノイズがホール素子4aに検出されても、このノイズを除去する。
【0013】
マイコン6は、フィルタ5からの回転信号を入力ポート6aで入力し、このポートへの回転信号の立ち下がりエッジ(又は立ち上がりエッジ)と、前回の立ち下がりエッジ(又は立ち上がりエッジ)とから両方のエッジ間の時間を計測して回転数を求める。
【0014】
また、マイコン6は各ホール素子4a、4b、4cからの回転信号を用いてセンサマグネット8の磁極(N、S)の位置を判断し、この位置と各ホール素子4a、4b、4cからの各回転信号に基づいて、各スイッチング素子のオンオフの切換のタイミングを制御させる制御信号を生成する。この制御信号の生成においては、ホール素子4aの回転信号に基づいて求めた回転数と目標回転数の差と、磁極位置とを用いている。
【0015】
そして、駆動回路部3はこの制御信号に基づき、図示しない6個の電界効果トランジスタ(MOSFET)を順次駆動することによって、ロータ10に連結されたブロアファンを回転して吹出口からの風を送る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のブラシレスモータは、ホール素子4aの回転信号を1個のフィルタによってノイズを除去してマイコンの一個の入力ポートに入力させ、この入力ポートに入力された回転信号の立ち下がりエッジ(又は立ち上がりエッジ)と前回の回転信号の立ち下がりエッジ(又は立ち上がりエッジ)との時間差からロータの回転数を求めている。
【0017】
しかし、ブラシレスモータのロータは、外部温度、外気の状態等によって回転数が高速回転又は低速回転に制御されるものである。
【0018】
ところが、従来のブラシレスモータは、周波数帯域を狭めて低回転時の回転信号をフィルタリングするフィルタ特性或いは高域まで拡大して高回転時の回転信号をフィルタリングするフィルタ特性のいずれかの特性にされた一個のフィルタによってホール素子4aの回転信号のノイズを除去するようにしている。
【0019】
このため、例えば周波数帯域を狭めて低速回転時の回転信号を通過させようとすると、ノイズは除去できても高速回転時の回転信号までもが除去されるという課題があった。
【0020】
また、逆に周波数帯域を拡大して高速回転時の回転信号を通過させるようなフィルタにすると、低速回転にされたときに、この回転に追従して発生するノイズが除去できなくなるという課題があった。
【0021】
さらに、従来のブラシレスモータは、一個の入力ポートに入力された回転信号の立ち下がりエッジ(又は立ち上がりエッジ)と前回の回転信号の立ち下がりエッジ(又は立ち上がりエッジ)との時間差からロータの回転数を求めるものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、永久磁石を回転子(10)、電機子巻線(12)を固定子(9)とし、該固定子(9)に一定間隔でホール素子を複数配設し、このいずれかのホール素子(4a、4b、4c)の出力を回転信号とし、該回転信号に基づいて求められた回転速度と目標回転速度とから生成された制御信号から前記回転子(10)を低回転又は高回転にさせる多相のドライブ信号を前記電機子巻線(12)に生成して供給する駆動回路(3)を備えたブラシレスモータにおいて、
前記回転子(10)が低回転時に前記ホール素子(4a、4b、4c)から送出される前記回転信号の周波数帯域まで通過させる第1の周波数特性を有して前記回転信号を濾波した低回転時の検知信号を送出する第1のフィルタ(25)と、
前記高回転時に前記ホール素子(4a、4b、4c)から送出される前記回転信号の周波数帯域まで通過させる第2の周波数特性を有して前記回転信号を入力し、前記第2の周波数特性で濾波した高回転時の回転信号を出力する第2のフィルタ(26)と、
2個の入力ポート(30a、30b)のいずれかを前記低回転時の回転信号を入力する低回転用の入力ポート(30b)とし、他方の入力ポートを前記高回転時の回転信号を入力する高回転用の入力ポート(30a)として、前記低、高の回転信号を入力し、この高回転用の入力ポート(30a)に高回転時の回転信号が書き込まれているかどうか、又は、低回転用の入力ポート(30b)に低回転時の回転信号が書き込まれているかどうか、或いは両方のポート(30a、30b)に信号が書き込まれているかどうかを判定し、その判定結果を出力する回転用ポート信号有無判定手段(31)と、
前記両入力ポート(30a、30b)にデータが共に有りのときは、読み込み入力ポートを前記低回転用の入力ポート(30b)に切換させ、また前記低回転用の入力ポート(30b)にデータが無で、かつ前記高回転用の入力ポート(30a)にデータが有るときは、前記高回転用の入力ポート(30a)に切換させ、さらに、前記両ポートにデータが存在しないときは前記低回転用の入力ポート(30b)に切換させる読み取りポート切換指示を送出するポート選択指示手段(32)と、
前記ポート選択指示手段(32)からの読み取りポート切換指示に基づく前記低回転用の入力ポート(30b)又は高回転用の入力ポート(30a)の書き込みタイミングを読み、前回の書き込みタイミングと今回の書き込みタイミングとから前記回転子の回転速度を求める回転速度算出手段(33)と、
いずれかのホール素子(4a、4b、4c)の出力を回転信号とし、該回転信号に基づいてセンサマグネット(8)の磁極の位置を判断し、求められた回転速度と目標回転速度とから前記制御信号を生成する制御手段(34)とを備えたことを要旨とする。
【0023】
また、逆に周波数帯域を拡大したフィルタでは低速回転時にはノイズが除去されないで入力ポートに入力するので、マイコンは誤った制御信号を駆動回路に送出してしまうという課題があった。
【0024】
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、回転検出用のホール素子からのノイズを除去して低回転及び高回転に関係なく正確な回転数を算出することができるブラシレスモータを得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラシレスモータの回転信号検出回路は、永久磁石を回転子、電機子巻線を固定子とし、該固定子に一定間隔でホール素子を複数配設し、このいずれかのホール素子からの出力を回転信号として入力する回転信号検出回路において、
第1のフィルタが回転子が低回転時にホール素子から送出される回転信号の周波数帯域まで通過させる第1の周波数特性を有して回転信号を濾波した低回転時の検知信号を送出する。
【0035】
すなわち、第1のフィルタから回転信号が有り、かつ第2のフィルタから回転信号が有る論理状態になると、第1のフィルタで除去できなかった低回転に伴うノイズが第2のフィルタを介して入力したことになるので、低回転時として第1のフィルタからの回転信号が書き込まれる低回転用の入力ポートのデータに基づく回転速度が求められることになる。
【0036】
また、両方の入力ポートにデータが無い状態では、回転が停止している場合であるから低回転用の入力ポートを読み取る制御になる。
【0037】
さらに、低回転用の入力ポートにデータが無く、かつ高回転用の入力ポートにデータが有る状態になると、高回転時で第1のフィルタによってホール素子の検知信号及びノイズが除去されていることになるので高回転用の入力ポートの検知信号に基づいて回転速度が求められる。
【0038】
【発明の効果】
このため、第1のフィルタから回転信号が有り、かつ第2のフィルタから回転信号が有る状態になると、第1のフィルタで除去できなかった低回転に伴うノイズが第2のフィルタを介して入力したことになるので、低回転時として第1のフィルタからの回転信号が書き込まれる低回転用の入力ポートのデータに基づく回転速度が求められることになる。
【0042】
また、両方の入力ポートにデータが無い状態では、回転が停止している場合であるから低回転用の入力ポートを読み取る体制になる。
【0043】
さらに、低回転用の入力ポートにデータが無く、かつ高回転用の入力ポートにデータが有る状態になると、高回転時で第1のフィルタによってホール素子の検知信号及びノイズが除去されていることになるので高回転用の入力ポートの検知信号に基づいて回転速度が求められる。
【0044】
従って、ブラシレスモータの回転子が低回転又は高回転にされても、それぞれの回転時に検知信号に重畳するノイズを誤って検知信号として読み取ることがないので、常に正確な回転速度を求めることができるという効果が得られている。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のブラシレスモータの概略構成図である。図1に示すブラシレスモータ20は、回転検出用のホール素子4aの回転信号Aa(低回転時の回転信号Aa1、高回転時の回転信号Aa2)を入力し、低回転時の周波数の低い回転信号Aa2を通過させる第1のフィルタ25と、回転検出用のホール素子4aの回転信号Aaを入力し、高回転時の周波数の高い回転信号Aa2までを通過させる第2のフィルタ26とを備え、第1のフィルタ25の出力端を後述するマイコンの回転信号用の入力ポート30bに接続すると共に第2のフィルタ26の出力端を後述するマイコンの回転信号用の入力ポート30aに接続し、マイコンがこれらの入力ポートの状態によっていずれかの回転信号用の入力ポートに書き込まれた回転信号Aaを読み込んで、モータ本体部2の回転数を算出するものである。
【0046】
すなわち、回転検出用のホール素子4aの回転信号Aaを第1のフィルタ25と第2のフィルタ26とを介して低及び高回転時の回転信号を抽出し、それぞれのフィルタからの回転信号を互いに異なる入力ポートに入力させ、この両入力ポートの論理状態によって低速又は高速回転を判定し、この判定結果に応じていずれか一方の入力ポートの回転信号を読み込むことによって低速又は高速回転時のノイズを読み込みしないようにしている。
【0047】
また、モータ本体部2の固定子9に設けられているホール素子4aの回転信号Aaはバッファ22を介して低回転用である第1のフィルタ25に入力させられると共に、この回転信号Aaはバッファ23を介して高回転用である第2のフィルタ26に入力させられる。
【0048】
さらに、ホール素子4bの回転信号Abはバッファ24、フィルタ28(ノイズ除去用)を介してマイコンの入力ポート30cに、ホール素子4cの回転信号Acはバッファ21、フィルタ27(ノイズ除去用)を介してマイコンの入力ポート30dにそれぞれ入力される。
【0049】
前述の第1のフィルタ25は、抵抗R1とコンデンサC1とからなるRCフィルタであり、例えば図2に示すように、500rpm程度までの低回転の回転信号Aa1を通過させる周波数特性にされている。
【0050】
すなわち、低回転時(例えば500回転以下に相当する周波数)の回転信号を通過させるように構成されている。
【0051】
また、第2のフィルタ26は、抵抗R2とコンデンサC2とからなるRCフィルタであり、例えば図3に示すように、3000回転程度までの周波数の回転信号Aa2を通過させる周波数特性にされている。
【0052】
すなわち、低回転時(例えば3000回転以下)の回転信号を通過させるように構成されている。
【0053】
一方、マイコン29は、図1に示すように、複数の入力ポート30a、30b、30c、30d、…を備え、入力ポート30a、30bを回転検出用のポートとし、入力ポート30aに高回転用の第2のフィルタ26からの回転信号Aaを取り込み、入力ポート30bに低回転用の第1のフィルタ25からの回転信号Aa1を取り込むようにしている。。
【0054】
また、マイコン29は、回転用ポート信号有無判定手段31と、回転用ポートセレクト指示手段32と、回転数算出手段33と、制御信号生成部34とを備えている。
【0055】
回転用ポート信号有無判定手段31は、入力ポート30a(高回転ポートともいう)及び入力ポート30b(低回転ポートともいう)の状態を監視し、入力ポート30aに高回転時の回転信号Aaが書き込まれているかどうか、又は入力ポート30bに低回転時の回転信号Aa1が書き込まれているかどうか、或いは両方のポートに信号が書き込まれているどうかを判定する。そして、この判定結果を回転用ポートセレクト指示手段32に送出する。
【0056】
回転用ポートセレクト指示手段32は、回転用ポート信号有無判定手段31における判定結果を読み、この判定結果に基づいて入力ポート30a又は30bのいずれか一方の信号を読み、この信号で回転数を求める。
【0057】
制御信号生成部34は、各ホール素子4b、4cからの回転信号を用いてセンサマグネット8の磁極(N、S)の位置を判断し、この位置と各ホール素子4a、4b、4cからの各回転信号に基づいて、各スイッチング素子のオンオフの切換のタイミングを制御させる制御信号を生成して駆動回路部3に送出する。
【0058】
上記のように構成されたブラシレスモータの動作を以下に説明する。例えば、図4の(a)に示すように、低回転時の回転信号Aa1がホール素子4aから送出され、この回転信号Aa1にノイズが乗っているとする。
【0059】
そして、この回転信号Aa1は、バッファ22、23を介して第1のフィルタ25、第2のフィルタ26に入力する。
【0060】
しかし、第1のフィルタ25は図2に示すように、500回転程度までの低回転の回転信号Aa1(500rpmで8.3Hz)を通過させる特性にされているので、高周波のノイズ成分は除去されて図4の(b)に示すように低回転の回転信号Aa1のみがマイコン29の入力ポート30aに入力する。
【0061】
また、第2のフィルタ26は、図3に示すように3000回転程度の周波数帯域を通過させることによって高回転時の回転信号Aa2を通過させるようにしている。
【0062】
このため、図5の(a)に示すように、例えば低回転時の回転信号Aa1にノイズを含んで第2のフィルタ26に入力すると、図5の(b)に示すように、この回転信号Aa1はそのまま入力ポート30bに入力する。無論、ノイズが3500回転以上に対応する周波数であれば、そのノイズは第2のフィルタ26によって除去される。
【0063】
一方、モータ本体部2のロータ10が高回転になり、図6の(a)に示す高回転の回転信号Aa2がホール素子4aから送出されると、第1のフィルタ25は図2に示すように、低回転の回転信号Aa1を通過させる特性にされているので、高周波のノイズ成分及び高回転の回転信号Aa2は除去される。
【0064】
また、第2のフィルタ26は、図3に示すように3000回転程度間での周波数帯域を有しているので、図7の(a)に示すように高回転時の回転信号Aa2に高周波数ノイズを含んで第2のフィルタ26に入力すると、図7の(b)に示すように、ノイズは除去されて回転信号Aa2のみた入力ポート30bに入力する。無論、ノイズが例えば3000回転以下に対応する周波数の場合は除去されない。
【0065】
前述のノイズについて説明を補充する。一般にブラシレスモータは3相のドライブ信号で駆動しており、また図示しないFAN指示電圧によって低速回転又は高速回転にされる。すなわち、低速又は高速回転に追従した周波数のノイズが発生する。
【0066】
例えば、3000rpmの高速回転(周期:20msec)ではこれに対応した50Hzよりも高い周波数で例えば60Hz以上のノイズ、500rpm回転以下の低速回転では例えば10Hz以上のノイズが発生する。このようなノイズによる誤検出が外来ノイズよりも最も多い。
【0067】
このため、マイコン29は、上記のように第1のフィルタ25の回転信号を入力ポート30aに第2のフィルタ26の回転信号を入力ポート30bに入力して上記の回転用ポート信号有無判定手段31と回転用ポートセレクト指示手段32と回転数算出手段33とにより以下の動作を行う。
【0068】
図8は本実施の形態のマイコン29の動作を説明するフローチャートである。回転用ポート信号有無判定手段31は、入力ポート30a(高回転ポート)及び入力ポート30b(低回転ポート)の状態を読む(S1)。
【0069】
そして、入力ポート30bに回転信号Aaが書き込まれているかどうかを判定する(S2)。図8においては、入力ポート30aに書き込まれている回転信号を高回転ポート信号と称している。
【0070】
ステップS2において、入力ポート30bに回転信号Aa(高回転ポート信号)が有ると判定したときは、入力ポート30aに回転信号Aa1が書き込まれているかどうかを判定する(S3)。図8においては、入力ポート30aに書き込まれている回転信号Aa2を低回転ポート信号と称している。
【0071】
ステップS3において、入力ポート30aに回転信号Aa2(低回転ポート信号)が書き込まれていないと判定したときは、回転用ポートセレクト指示手段32によって、第1のノイズ判定処理を行わせる。つまり、入力ポート30aに高回転ポート信号があって入力ポート30bに低回転ポート信号が存在しないときは第1のノイズ判定処理をおこなわせる。
【0072】
すなわち、入力ポート30bは第2のフィルタ26に接続されており、第2のフィルタ26によって、低回転時の回転信号Aa2(例えば2500回転程度以下に相当する周波数ノイズ41.6Hzは除去されていない)又は高回転時の回転信号Aa1(例えば、3200回転以上のに相当する周波数ノイズは除去されている)が入力ポート30aに書き込まれたときのみ第1のノイズ判定処理を行う。
【0073】
ステップS2及びステップS3の処理によって回転用ポート信号有無判定手段31が低回転ポート信号が無しで高回転ポート信号が有るとする第1の判定結果信号(低無高有信号)を送出すると、回転用ポートセレクト指示手段32がカウンタ35を起動させて、第1の判定結果信号をカウントさせる(S4)。
【0074】
次に、回転用ポートセレクト指示手段32はカウント値Kiが「3」に到達したかどうかを判定する(S5)。すなわち、入力ポート30aのみに高回転ポート信号が3回、連続して書き込まれたかどうかを判定している。
【0075】
ステップS5において、カウント値Kiが「3」に到達していないときは、処理をステップS1に戻して、両方のポートの状態を判定させる。
【0076】
また、ステップS5において、カウントKiが「3」に到達したと判定したとき、つまり、低回転ポート信号が全く無く、高回転ポート信号が3回連続したときは入力ポート30aにノイズがない正規の高回転ポート信号(回転信号Aa1)が書き込まれたと判定する(S6)。例えば、図7の(b)の回転信号Aa1が書き込まれていることになる。
【0077】
次に、回転用ポートセレクト指示手段32はカウンタ35をゼロクリアし(S7)、回転数算出手段33に高回転ポート(入力ポート30a)を読み込みさせる選択信号を送出する(S8)。
【0078】
従って、回転数算出手段33はノイズが存在しない高回転時の回転信号Aa2で回転数を算出することになる。
【0079】
また、ステップS2において、回転用ポート信号有無判定手段31が高回転ポート信号が無いと判定したときは第2のノイズ処理を行わせる。ステップS2の処理によって回転用ポート信号有無判定手段31が高回転ポート信号が無しとする第2の判定結果信号(高無信号)を送出すると、回転用ポートセレクト指示手段32がカウンタ35を起動させて、第2の判定結果信号をカウントさせる(S9)。次に、回転用ポートセレクト指示手段32はカウント値Kiが「3」に到達したかどうかを判定する(S10)。すなわち、入力ポート30aのみに信号が高回転ポート信号が3回、連続して書き込まれなかったかどうかを判定している。すなわち、ノイズによるデータか正規のデータかを判定している。
【0080】
ステップS5において、カウント値Kiが「3」に到達していないときは、処理をステップS1に戻して、高回転ポートである入力ポート30aの状態を判定させる。
【0081】
また、ステップS10において、カウントKiが「3」に到達したと判定したとき、つまり、高回転ポート信号が3回連続して全く無しのときは入力ポート30aにノイズ又は正規の高回転ポート信号(回転信号Aa1)のいずれも書き込まれていないと判定する(S11)。すなわち、FANが停止状態(ロータが停止状態)にあることになる。
【0082】
そして、カウンタ35をゼロクリアし(S12)、回転数算出手段33に低回転ポート(入力ポート30b)を読み込みさせる選択信号を送出する(S13)。
【0083】
従って、回転数算出手段33は低回転ポートである入力ポート30bの信号を読み込むことになる。
【0084】
さらに、ステップS2及びステップS3により、回転用ポート信号有無判定手段31が高回転ポート信号及び低回転信号が存在すると判定したときは、第3の判定結果信号(高有低無信号)を回転用ポートセレクト指示手段32に送出し、回転用ポートセレクト指示手段32が低回転ポートである入力ポート30bの状態を読み込みさせる信号を回転数算出手段33に送出する(S14)。
【0085】
例えば、図4及び図5に示すように低回転時においては第1のフィルタ25から入力ポート30bにノイズが除去された回転信号Aa2が入力し、第2のフィルタ26からは低回転時の回転信号Aa2が入力する。しかし、図5に示すように低回転時においては第2のフィルタ26からはノイズを含んだ回転信号Aa2が入力する。
【0086】
このため、ステップS2、S3及びステップS14の処理によって、低回転ポートを選択する。
【0087】
以上のことから本実施の形態では、マイコン29は図9に示すように読み取るポートを切り替えている。
【0088】
高回転ポートにデータが有って、かつ低回転ポートにデータが有るとき、すなわち両ポートが同じくデータ有りの状態では低回転ポートに切り替えている。
【0089】
また、高回転ポートにデータが有って、かつ低回転ポートにデータが無いとき、すなわち両ポートのデータの状態が異なっているときは高回転ポートに切り替えている。
【0090】
さらに、高回転ポートにデータが無く、かつ低回転ポートにデータが無いとき、すなわち両ポートが同じくデータ無しの状態では低回転ポートに切り替えている。
【0091】
従って、第1のフィルタ25から回転信号が有り、かつ第2のフィルタから回転信号が有る状態になると、第1のフィルタ25で除去できなかった低回転に伴うノイズが第2のフィルタ26を介して入力したことになるので、低回転時として第1のフィルタ25からの回転信号が書き込まれる低回転用の入力ポートのデータに基づく回転速度が求められることになる。
【0092】
また、両方の入力ポートにデータが無い状態では、回転が停止している場合であるから低回転用の入力ポートを読み取る体制になる。
【0093】
さらに、低回転用の入力ポートにデータが無く、かつ高回転用の入力ポートにデータが有る状態になると、高回転時で第1のフィルタによってホール素子の検知信号及びノイズが除去されていることになるので高回転用の入力ポートの検知信号に基づいて回転速度が求められる。
【0094】
従って、ブラシレスモータの回転子が低回転又は高回転にされても、それぞれの回転時に検知信号に重畳するノイズを誤って検知信号として読み取ることがないので、常に正確な回転速度を求めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のブラシレスモータの概略構成図である。
【図2】第1のフィルタ25の周波数特性を説明する説明図である。
【図3】第2のフィルタ26の周波数特性を説明する説明図である。
【図4】低回転時の第1のフィルタの動作を説明する説明図である。
【図5】低回転時の第2のフィルタの動作を説明する説明図である。
【図6】高回転時の第1のフィルタの動作を説明する説明図である。
【図7】高回転時の第2のフィルタの動作を説明する説明図である。
【図8】本実施の形態に係わるマイコンの動作を説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態の入力ポートの切り替えを説明する説明図である。
【図10】従来のブラシレスモータの概略構成図である。
【図11】ブラシレスモータのモータ本体部の外観図である。
【符号の説明】
4a ホール素子
25 第1のフィルタ
26 第2のフィルタ
29 マイコン
31 回転用ポート信号有無判定手段
32 回転用ポートセレクト指示手段
33 回転数算出手段
34 制御信号生成部
Claims (3)
- 永久磁石を回転子(10)、電機子巻線(12)を固定子(9)とし、該固定子(9)に一定間隔でホール素子を複数配設し、このいずれかのホール素子(4a、4b、4c)の出力を回転信号とし、該回転信号に基づいて求められた回転速度と目標回転速度とから生成された制御信号から前記回転子(10)を低回転又は高回転にさせる多相のドライブ信号を前記電機子巻線(12)に生成して供給する駆動回路(3)を備えたブラシレスモータにおいて、
前記回転子(10)が低回転時に前記ホール素子(4a、4b、4c)から送出される前記回転信号の周波数帯域まで通過させる第1の周波数特性を有して前記回転信号を濾波した低回転時の検知信号を送出する第1のフィルタ(25)と、
前記高回転時に前記ホール素子(4a、4b、4c)から送出される前記回転信号の周波数帯域まで通過させる第2の周波数特性を有して前記回転信号を入力し、前記第2の周波数特性で濾波した高回転時の回転信号を出力する第2のフィルタ(26)と、
2個の入力ポート(30a、30b)のいずれかを前記低回転時の回転信号を入力する低回転用の入力ポート(30b)とし、他方の入力ポートを前記高回転時の回転信号を入力する高回転用の入力ポート(30a)として、前記低、高の回転信号を入力し、この高回転用の入力ポート(30a)に高回転時の回転信号が書き込まれているかどうか、又は、低回転用の入力ポート(30b)に低回転時の回転信号が書き込まれているかどうか、或いは両方のポート(30a、30b)に信号が書き込まれているかどうかを判定し、その判定結果を出力する回転用ポート信号有無判定手段(31)と、
前記両入力ポート(30a、30b)にデータが共に有りのときは、読み込み入力ポートを前記低回転用の入力ポート(30b)に切換させ、また前記低回転用の入力ポート(30b)にデータが無で、かつ前記高回転用の入力ポート(30a)にデータが有るときは、前記高回転用の入力ポート(30a)に切換させ、さらに、前記両ポートにデータが存在しないときは前記低回転用の入力ポート(30b)に切換させる読み取りポート切換指示を送出するポート選択指示手段(32)と、
前記ポート選択指示手段(32)からの読み取りポート切換指示に基づく前記低回転用の入力ポート(30b)又は高回転用の入力ポート(30a)の書き込みタイミングを読み、前回の書き込みタイミングと今回の書き込みタイミングとから前記回転子の回転速度を求める回転速度算出手段(33)と、
いずれかのホール素子(4a、4b、4c)の出力を回転信号とし、該回転信号に基づいてセンサマグネット(8)の磁極の位置を判断し、求められた回転速度と目標回転速度とから前記制御信号を生成する制御手段(34)と
を有することを特徴とするブラシレスモータ。 - 前記ポート選択指示手段(32)は、
前記低回転用の入力ポート(30b)にデータが無で、かつ前記高回転用の入力ポート(30a)にデータが有るときは、再び前記両ポートの状態を監視し、その結果、両入力ポートが同じ状態を所定回数継続したときは前記回転子が高回転中として前記高回転用の入力ポート(30a)に切換させる
ことを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータ。 - 前記ポート選択指示手段(32)は、
前記高回転用の入力ポート(30a)に前記データが無いときは、再び前記高回転用のポートの論理状態を監視し、その結果、両入力ポートが同じ論理状態を所定回数継続したときは前記回転子が低回転中として前記低回転用の入力ポート(30b)に切換させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載のブラシレスモータ。
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