JP4243378B2 - 栓体、この栓体を用いた真空採血管及び栓体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空採血管の開口に設けられた封止シート部材の外面に貼着される栓体、この栓体を用いた真空採血管及びその栓体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空採血管は、図10及び図11に示すように構成されている。図10は真空採血管の外観斜視図であり、図11はその要部断面図である。すなわち、真空採血管は、内部が真空状態にされている筒状容器51と、筒状容器51の開口に接着されて取り付けられ、内部を真空状態に保持するための封止シート部材52と、封止シート部材52の外面に貼着されたゴムからなる栓体53とから構成されている。
【0003】
この栓体53は、図12に示すようにゴム材料により複数の栓体53を薄板54により相互に連結した状態の母材55として予め加熱プレス機により成型し、この母材55の各栓体53部分を上下動する打ち抜き金型56で打ち抜くことにより得たもので、パーツフィーダにより整列した状態で真空採血管の組立工程に供給されると共に、真空パッドで吸引保持されて接着剤が塗布された封止シール部材52上に搬送され、自動的に貼着されるようになっている。
【0004】
このように構成された真空採血管では、図13に示すように、ゴムチューブ58の一端に取り付けられた採血針59の先端が人体等の血管に刺し込まれた状態で他端の供給針60の先端が栓体53及び封止シート部材52を貫通して筒状容器51内に挿入されると、筒状容器51内の負圧により血管から血液が吸引され、その血液が供給針60を介して筒状容器51内に供給される。そして、所定の採血量に達すると、採血針59が血管から引き抜かれると共に、供給針60が筒状容器51から引き抜かれる。このとき、栓体53に形成された供給針60による貫通孔はゴムの弾性により閉じられ、筒状容器51内に貯留されている血液が外部に漏れないようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように形成された栓体53は、打ち抜き金型56による打ち抜き作業時に母材55と打ち抜き金型56との間で相対的な位置ずれが生じると周縁に薄板54が残存してバリを有するものとなる。このため、多数の栓体53をパーツフィーダにより真空採血管の組立工程へ整列供給するときに搬送方向の前後に隣接する栓体53がバリに乗り上げる等して正常な整列供給が阻止される結果、自動組立ラインの正常な組立動作が阻害されることになるという問題があった。
【0006】
また、バリが大きい場合には栓体53の商品価値が低下することから選別を厳格に行わなければならず、選別作業が煩雑になるという問題があった。また、薄板54は本来的に不要な部分であって廃棄するものであることから、栓体53の収率(母材55の有効利用率)が低下してコストアップの要因になるという問題があった。さらに、打ち抜き金型56による打ち抜き位置が大きくずれたときには隣接する位置の栓体53の一部が欠落した状態になるため、母材55における各栓体53間のピッチを余裕を持たせて確保しておかなければならず、この点からも栓体53の収率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、バリの発生を効果的に抑制する共に、収率を向上させることができる栓体、この栓体を用いた真空採血管及びその栓体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の栓体は、真空採血管の開口に設けられた封止シート部材の外面に貼着される栓体であって、弾性高分子材料からなる所定厚さの母材を多角形状を有する複数の小片にカットして形成され、さらに、前記封止シート部材に対する貼着面とは反対側の面に凹部が形成されたことを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、栓体が所定厚さの母材をカットすることにより形成されるものであることから周縁にバリが生じないようになる一方、多角形状を有していることから例えば隣接する栓体の境界をカットすることができるようになる結果、廃棄部分が大幅に削減されて栓体の収率を向上させることができる。また、凹部が供給針を刺し込む目標位置となる結果、供給針の刺し込み作業が容易にできるようになる一方、その凹部が栓体から引き抜いた供給針の先端に付着している血液の溜り部となる結果、血液が外部に不用意に流れ出ることが防止される。
【0010】
また、請求項2記載の栓体は、請求項1に係るものにおいて、前記母材は、前記小片を縦方向及び横方向にそれぞれ複数含む寸法を有する板状に構成されたものであることを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、母材を縦方向及び横方向にカットすることで複数の栓体を得ることができ、量産性に優れたものとなる。
【0012】
また、請求項3記載の栓体は、請求項1に係るものにおいて、前記母材は、前記小片を縦方向に複数含む寸法を有する帯状に構成されたものであることを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、母材を縦方向と直交する横方向にのみ順次カットすることで複数の栓体を得ることができ、カッタ機構を簡素化することができる。
【0016】
また、請求項4記載の栓体は、請求項1乃至3のいずれかに係るものにおいて、前記封止シート部材に対する貼着面が外方に突出する湾曲形状にされたことを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、筒状容器の開口の封止シート部材が容器内部の負圧により窪んだ状態になる場合であっても封止シート部材面に密着させて貼着することができる結果、封止シート部材と栓体との間に不要な間隙が形成されるのを防止することができる。
【0018】
また、請求項5記載の栓体は、請求項1乃至4のいずれかに係るものにおいて、前記小片のカット面が微細な凹凸形状にされたことを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、栓体をパーツフィーダで真空採血管の組立工程等へ整列供給するときにカット面どおしが密着して吸引し合うようなことが防止できる結果、正常な整列供給が可能になる。
【0020】
また、請求項6記載の栓体は、請求項1乃至5のいずれかに係るものにおいて、前記多角形状は四角形状であることを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、母材を縦方向及び横方向にカットすることで栓体が得られる結果、カッタ刃の構造が単純化でき、また、栓体の製造が容易となる。
【0022】
また、請求項7記載の真空採血管は、開口に封止シート部材が取り付けられて内部が実質的に真空状態にされた筒状容器と、前記封止シート部材の外面に貼着された請求項1乃至6のいずれかに記載の栓体とを備えたことを特徴としている。
【0023】
この構成によれば、栓体と封止シート部材とに供給針が刺し込まれることにより容器内の負圧により人体の血管に刺し込まれた採血針から血液が採取される一方、栓体と封止シート部材とから供給針が引き抜かれても栓体の弾性により供給針の刺し込み時に形成された貫通孔が閉じられるので、採取された血液が外部に漏れるようなことがなくなる。
【0024】
また、請求項8記載の発明は、真空採血管の開口に設けられた封止シート部材の外面に貼着される栓体の製造方法であって、弾性高分子材料からなる、所定厚さを有し、且つ、縦横に所定ピッチで複数の凹部が形成されている板状の母材を成型する工程と、前記母材を多角形状の複数の小片にカットする工程とを備えたことを特徴としている。
【0025】
この方法によれば、栓体が所定厚さの母材をカットすることにより形成されるので周縁にバリが生じないようになる一方、多角形状を有していることから例えば隣接する栓体の境界をカットすることができるようになる結果、廃棄部分が大幅に削減されて栓体の収率を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る栓体が適用された真空採血管の外観斜視図、図2は、その要部断面図である。これらの図において、真空採血管10は、内部が真空状態にされた筒状容器11と、筒状容器11の開口12に接着されて取り付けられ、内部の真空状態を保持するための封止シート部材13と、封止シート部材13の外面に接着剤等で貼着された栓体14とを備えている。
【0027】
筒状容器11は、透明のガラスや合成樹脂等で構成され、例えば、真空室内等において封止シート部材13が接着されて開口12が封止されることにより内部が実質的に真空状態になるようにされたものである。封止シート部材13は、例えば、アルミ箔の表面にエポキシ樹脂等の補強用の合成樹脂フィルムが接着されて形成されたものである。なお、筒状容器11内には予め検査薬が収納されている。
【0028】
栓体14は、イソプレンゴムにより周縁が四角形状となるように形成され、上面(封止シート部材13に対する貼着面とは反対側の面)が平坦形状にされると共に、その中央位置に凹部15が形成される一方、下面(封止シート部材13に対する貼着面)が外方に突出する湾曲部16とされ、その湾曲部16が封止シート部材13に瞬間接着剤等で接着されたものである。なお、封止シート部材13は大気圧下においては筒状容器11内の負圧により中央部が僅かに窪んだ状態となるため、栓体14下面の湾曲部16はその封止シート部材13の曲面に近似した湾曲形状とされている。
【0029】
この栓体14は、次のようにして製造される。まず、金型内に配設したゴム材料に対して加熱プレス機により所定の熱と圧力とを加え、図3に示すような四角形状を有する所定厚さ(栓体14に必要な厚さで、例えば、0.8〜2.0mm)を有する板状の母材20を成型する。図3(a)は母材20の上面における斜視図であり、図3(b)は母材20の下面における斜視図である。すなわち、母材20は、上面が平坦形状とされ、縦横に所定ピッチで複数の凹部15が形成される一方、下面の各凹部15に対応する箇所に外方に突出する湾曲部16がそれぞれ形成されたものである。
【0030】
次いで、図4に示すように、上記のように成型された母材20を互いに直交する方向である矢印X及び矢印Yで示す方向に凹部15の形成ピッチと同一のピッチで間欠移送する図略の搬送台上に載置し、矢印X方向に間欠移送しながら搬送台上方に配設された図略の昇降機構により上下動する横カッタ刃21により順次横短冊形状にカットする。この横カッタ刃21によるカット位置は、母材20の移送方向(X方向)における隣接する凹部15間の真中位置(図3の点線L1で示す位置)とされる。
【0031】
そして、横カッタ刃21によるカットが終了すると、図5に示すように、横短冊形状にカットされた母材20を矢印Y方向に間欠移送しながら搬送台上方に配設された図略の昇降機構により上下動する縦カッタ刃22により順次独立した四角形状の小片にカットする。この縦カッタ刃22によるカット位置は、母材20の移送方向(Y方向)における隣接する凹部15間の真中位置(図3の点線L2で示す位置)とされる。この縦カッタ刃22によりカットされた四角形状の小片が栓体14となる。
【0032】
このようにして製造された栓体14は、栓体14に必要な厚さを有する板状の母材20を縦横にカットして得たものであるため、栓体14の周縁に従来のようなバリが生じないようになる結果、多数の栓体14をパーツフィーダにより真空採血管10の組立工程へ整列供給する場合でも従来のように搬送方向の前後に隣接する栓体14がバリに乗り上げるような事態が生じないことから正常な整列供給が可能になり、自動組立ラインが不用意に停止される等の問題が生じないようになる。
【0033】
また、栓体14の周縁に従来のようなバリが生じないことから選別作業が簡素化できることになる一方、横カッタ刃21及び縦カッタ刃22でカットした互いに隣接する小片がそのまま栓体14となるものであるため、各小片間に廃棄しなければならないようなロス分が生じないことから栓体14の収率(母材20の有効利用率)が向上することになり、栓体14のコストダウンが可能となる。
【0034】
また、栓体14のコストダウンが可能になる結果、この栓体14が適用された真空採血管10のコストダウンも可能になる。また、自動組立ラインが不用意に停止することがないため、真空採血管10の全体的な組立時間が実質的に削減でき、この面からも真空採血管10のコストダウンが可能になる。また、栓体14が四角形状を有しているので、横カッタ刃21及び縦カッタ刃22の構造を単純化することができ、カット作業が容易になることから栓体14を容易に製造することができる。
【0035】
上記のように構成された真空採血管10では、従来例のものと同様に、ゴムチューブの一端に取り付けられた採血針の先端が人体等の血管に刺し込まれた状態で他端の供給針の先端が栓体14及び封止シート部材13を貫通して筒状容器11内に挿入されると、筒状容器11内の負圧により血管から血液が吸引され、その血液が供給針を介して筒状容器11内に供給される。そして、所定の採血量に達すると、採血針が血管から引き抜かれると共に、供給針が筒状容器11から引き抜かれる。このとき、栓体14に形成された供給針による貫通孔はゴム状弾性により閉じられ(すなわち、再シールされ)、筒状容器11内に貯留されている血液が外部に漏れないようになる。
【0036】
また、栓体14の上面に凹部15が形成されていることから、この凹部15が供給針を刺し込む目標位置となって供給針の刺し込み作業が容易にできるようになる一方、その凹部15が栓体14から引き抜いた供給針の先端に付着している血液の溜り部となり、血液が外部に不用意に流れ出て真空採血管10以外の他の部分に付着することが効果的に防止される。
【0037】
また、栓体14の下面が湾曲部16とされていることから、封止シート部材13に密着して貼着することができ、封止シート部材13と栓体14との間に隙間が形成されるようなことがなくなり、封止シート部材13と栓体14との間に隙間が形成された場合に生じる血液の漏れが効果的に防止される。
【0038】
なお、本発明に係る栓体14及び栓体14が適用された真空採血管10は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、次に述べるような種々の変形態様を採用することが可能である。
【0039】
(1)上記実施形態では、母材20を最初に横カッタ刃21でカットした後に縦カッタ刃22でカットして栓体14を得るようにしているが、母材20を最初に縦カッタ刃22でカットした後に横カッタ刃21でカットして栓体14を得るようにすることもできる。また、複数の横カッタ刃21と複数の縦カッタ刃22とを格子状に組み合わせた形状のカッタ刃を構成し、この格子状のカッタ刃を上下動させて母材20を打ち抜いてカットすることにより複数の栓体14を同時に得るようにすることもできる。
【0040】
(2)上記実施形態では、横カッタ刃21及び縦カッタ刃22を上下動させて母材20をカットするようにしているが、横カッタ刃21及び縦カッタ刃22をスライドさせて母材20をカットするようにしてもよい。この場合、各カッタ刃を回転可能に支持された円盤状にすることもできる。
【0041】
(3)上記実施形態では、横カッタ刃21及び縦カッタ刃22に対して母材20を所定ピッチで間欠移送するようにしているが、母材20は停止させたままで横カッタ刃21及び縦カッタ刃22を母材20面に沿って所定ピッチで間欠移送させるようにしてもよい。
【0042】
(4)上記実施形態では、母材20を四角形状の小片にカットすることにより四角形状の栓体14を得るようにしているが、三角形状や六角形状等の四角形状以外の多角形状の小片にカットすることにより三角形状や六角形状等の四角形状以外の多角形状の栓体14を得るようにすることも可能である。また、カットした小片の形状が若干異なった複数種類に跨ってもよい場合では、五角形状や七角形状等の多角形状とすることもできる。要するに、従来のような円形状の栓体では隣接する小片間に不可避的に廃棄しなければならないロス分が形成されることになるが、栓体の形状が複数の直線の組み合わせからなる多角形状であれば、隣接する小片間にロス分を形成させずにすべてを栓体として利用することが可能になるので、ロス分を効果的に削減することができ、栓体の収率を向上させることができる。
【0043】
(5)上記実施形態では、カットした互いに隣接する小片のすべてが栓体14となるように母材20を横カッタ刃21及び縦カッタ刃22でカットするようにしているが、三角形状、四角形状、六角形状等の多角形状の打ち抜き刃を準備し、この多角形状の打ち抜き刃で打ち抜くことにより母材20をカットするようにすることもできる。この場合でも、栓体の形状が複数の直線の組み合わせからなる多角形状となるので、栓体の形状が従来のような円形状の場合に比べてロス分を効果的に削減することができ、しかも母材の厚さが栓体14の厚さとなっているのでバリを形成しないようにすることができる。
【0044】
(6)上記実施形態では、母材20は周縁が四角形状になるように成型されたものであるが、周縁が湾曲形状となるように成型することも可能である。この場合は、湾曲形状になっている周縁部分は廃棄することになるが、それ以外の部分では栓体14の収率を向上させることができるので、母材20の全体に対する栓体14の収率を従来よりも向上させることが可能となる。
【0045】
(7)上記実施形態では、栓体14は上面に凹部15を有したものであるが、この凹部15は必ずしも必要とするものではない。また、栓体14の下面が湾曲部16とされているが、この下面を平坦部とすることも可能である。
【0046】
(8)上記実施形態では、横カッタ刃21及び縦カッタ刃22の両面は平滑状に形成されており、栓体14のカット面が平滑状になるようにされているが、横カッタ刃21及び縦カッタ刃22の一面又は両面に微細な凹凸部を形成しておき、栓体14のカット面が微細な凹凸形状を有するようにすることもできる。こうした場合、栓体14をパーツフィーダ等で真空採血管の組立工程等へ整列供給するとき等にカット面どおしが密着して吸引し合うようなことを防止することができ、円滑な整列供給が可能となる。また、母材20の表面を梨地処理しておくと、上記と同様に、栓体14をパーツフィーダ等で真空採血管の組立工程等へ整列供給するとき等に面どおしが密着して吸引し合うようなことを防止することができ、円滑な整列供給が可能となる。
【0047】
(9)上記実施形態では、栓体14を得るための母材20は、合成ゴムであるイソプレンゴムを用いて構成されているが、ゴム弾性を有するものであれば他の種々の材料を用いることができる。すなわち、天然ゴムの他、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、塩化ビニル系、アミド系等の熱可塑性エラストマー等の弾性高分子材料であればよい。なお、天然ゴムやイソプレンゴム等を用いた場合は、特に再シール性に優れた栓体14を実現することができる。
【0048】
(10)上記実施形態では、母材20は、金型内に配設したゴム材料に対して加熱プレス機により所定の熱と圧力とを加えてプレス成型したものであるが、加熱した状態の弾性高分子材料をロール間を通過させて圧縮するカレンダーロール式の成型機や、加熱した状態の弾性高分子材料を加圧して所定形状の口金を通過させる押出式の成型機等で板状のものを連続的に成型するようにしてもよい。
【0049】
このように母材20を連続的に形成した場合は、例えば、図6に示すように予め母材20をローラ31に巻装しておき、このローラ31から前方に間欠的に引き出した母材20を周面に複数の刃321が形成された上ローラ32及び周面に上ローラ32の刃321を受け入れる複数の溝331が形成された下ロータ33とで挟み込んで回転させることにより縦方向にカットする一方、このカットした母材20を上下動する横カッタ刃34で幅方向にカットすることで栓体14を連続的に得ることができ、栓体14の生産効率を高めることができる。なお、栓体14に図2等に示す凹部15や湾曲部16を形成する場合は、成型機のロール面に凹部15に対応する凸部や湾曲部16に対応する凹部を形成しておけばよい。
【0050】
また、押出式の成型機を用いて母材20を形成する場合は、例えば、図7に示すように、母材20を栓体14の幅寸法と同一の幅寸法Wを有する所定厚さの帯状のものとして形成することもできる。このとき、同時に図2等に示す凹部15と同一の機能を有する連続した凹部35を必要に応じて形成しておけばよい。このように母材20を細長い帯状に形成した場合は、母材20を前方に間欠移送すると共に、上下動する横カッタ36で母材20を幅方向にカットするだけで栓体14を連続的に得ることができ、横カッタ36を備えるだけでよいことからカッタ機構を簡素化することができる。
【0051】
また、所定厚さの帯状の母材20は、図8に示すように、内部に空洞部37を連続的に形成したものとすることもできる。この場合でも、母材20を前方に間欠移送すると共に、上下動する横カッタ36で母材20を幅方向にカットするだけで栓体14を連続的に得ることができる。このように内部に空洞部37を形成した場合は、採血後に栓体14から引き抜いた供給針の先端に付着している血液が上方へ飛び散るのを効果的に防止することができる。また、空洞部37の下部中央に図示のような窪み38を形成しておくと、この窪み38を栓体14から引き抜いた供給針の先端に付着している血液の溜り部とすることができる。
【0052】
(11)上記実施形態における真空採血管10の封止シール部材13や栓体14の色彩を検査薬の種類別に変更するようにすると、目視により真空採血管10の検査薬による種別が判別可能になる。また、検査薬の種類別に栓体14のカット形状(例えば、三角形、四角形、六角形等)を変更するようにすると、目視の他に触覚によっても真空採血管10の種別が判別可能になる。
【0053】
(12)上記実施形態における栓体14は所定厚さの母材20を多角形状を有する複数の小片にカットして得るものであるが、母材20を押出式の成型機を用いる等して得た図9に示すような円柱状の長尺体とし、この母材20を栓体14の厚さ寸法に対応したピッチで間欠移動させつつ上下動するカッタ39で径方向にカットして小片とすることにより栓体14を連続的に得るようにすることもできる。なお、カッタ39を栓体14の厚さ寸法に対応したピッチで母材20に沿って間欠移動させつつカットするようにしてもよい。いずれの場合でも、カット面C(径方向に沿った面)が真空採血管10の開口に設けられた封止シート部材13に対する貼着面となる。
【0054】
この母材20を構成する長尺体は、断面円形となる上記円柱状の他に断面三角形や断面四角形等の断面多角形となる角柱状、断面楕円形となる楕円柱状等の任意の断面形状とすることができる。検査薬の種類別等で断面形状を異ならせた母材20を用いるようにしてもよく、こうした場合は目視の他に触覚によっても真空採血管10の種別が判別可能になる。要するに、この栓体14は、弾性高分子材料からなる柱状の長尺体である母材20を径方向にカットして複数の小片とすることにより形成したものであり、弾性高分子材料からなる柱状の長尺体である母材を成型する工程と、この母材を所定のピッチで径方向にカットして小片とする工程とを備えてなるものである。
【0055】
このようにして得た栓体14は、長尺状の母材20を所定のピッチで径方向にカットすることで連続的に得ることができるので、生産効率を高めることができる。また、母材20のロス部分が効果的に削減されるので、栓体14の収率を向上させることができる。さらに、上下動するカッタ39を備えるだけでよいので、カッタ機構を簡素化することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る栓体では、弾性高分子材料からなる所定厚さの母材を多角形状を有する複数の小片にカットして形成するようにしたものであるので、周縁におけるバリの発生を効果的に抑制することができるようになる一方、多角形状を有しているのでロス部分が効果的に削減されて栓体の収率を向上させることができる。また、封止シート部材に対する貼着面とは反対側の面に凹部が形成されているので、供給針等の刺し込み作業を容易に行うことができる一方、その凹部が血液の採集が終了したときに引き抜いた供給針の先端に付着している血液の溜り部とすることができ、採集した血液を栓体の外部に不用意に付着させないようにすることができる。
【0057】
また、請求項2に係る栓体では、母材が小片を縦方向及び横方向にそれぞれ複数含む寸法を有する板状に構成されたものであるので、縦方向及び横方向にカットすることで複数の栓体を得ることができる結果、量産性に優れたものとなる。
【0058】
また、請求項3に係る栓体では、母材が小片を縦方向に複数含む寸法を有する帯状に構成されたものであるので、母材を横方向にのみ順次カットすることで複数の栓体を得ることができる結果、カッタ機構を簡素化することができる。
【0060】
また、請求項4に係る栓体では、封止シート部材に対する貼着面が外方に突出する湾曲形状にされているので、容器の開口の封止シート部材が容器内部の負圧により窪んだ状態になっていても封止シート部材面に密着させて貼着することができる。
【0061】
また、請求項5に係る栓体では、小片のカット面が微細な凹凸形状にされているので、栓体をパーツフィーダ等で組立工程等へ整列供給するときにカット面どおしが吸着しあうのを効果的に防止することができる。
【0062】
また、請求項6に係る栓体では、多角形状は四角形状であるので、母材を縦方向及び横方向にカットすることで栓体が得られる結果、栓体を容易に製造することができる。
【0063】
また、請求項7に係る真空採血管では、開口に封止シート部材が取り付けられて内部が実質的に真空状態にされた筒状容器と、封止シート部材の外面に貼着された請求項1乃至6のいずれかに記載の栓体とを備えているので、栓体のコストダウンを図ることができる結果、真空採血管のコストダウンが可能になる。
【0064】
また、請求項8に係る栓体の製造方法では、弾性高分子材料からなる、所定厚さを有し、且つ、縦横に所定ピッチで複数の凹部が形成されている板状の母材を成型する工程と、母材を多角形状の複数の小片にカットする工程とを備えているので、周縁にバリが生じないようになる一方、多角形状を有しているのでロス部分が効果的に削減されて収率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る栓体が適用された真空採血管の外観斜視図である。
【図2】図1に示す真空採血管の要部断面図である。
【図3】図1に示す真空採血管に適用された栓体の製造方法を説明するための母材の斜視図であり、(a)は上面側の斜視図、(b)は下面側の斜視図である。
【図4】図3に示す母材を横カット刃でカットする方法を説明するための図である。
【図5】図3に示す母材を縦カット刃でカットする方法を説明するための図である。
【図6】図1に示す真空採血管に適用された栓体の他の製造方法を説明するための斜視図である。
【図7】図1に示す真空採血管に適用された栓体を製造するための母材の他の形状例を示す図である。
【図8】図1に示す真空採血管に適用された栓体を製造するための母材の別の形状例を示す図である。
【図9】図1に示す真空採血管に適用された栓体の別の製造方法を説明するための斜視図である。
【図10】従来例の栓体が適用された真空採血管の外観斜視図である。
【図11】図10に示す従来例の真空採血管の要部断面図である。
【図12】従来例の栓体の製造方法を説明するための母材の斜視図である。
【図13】真空採血管の採血方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 真空採血管
11 筒状容器
12 開口
13 封止シール部材
14 栓体
15 凹部
16 湾曲部
20 母材
21 横カッタ刃
22 縦カッタ刃
32 上ローラ
33 下ローラ
34,36 横カッタ
Claims (8)
- 真空採血管の開口に設けられた封止シート部材の外面に貼着される栓体であって、弾性高分子材料からなる所定厚さの母材を多角形状を有する複数の小片にカットして形成され、さらに、前記封止シート部材に対する貼着面とは反対側の面に凹部が形成されたことを特徴とする栓体。
- 前記母材は、前記小片を縦方向及び横方向にそれぞれ複数含む寸法を有する板状に構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の栓体。
- 前記母材は、前記小片を縦方向に複数含む寸法を有する帯状に構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の栓体。
- 前記封止シート部材に対する貼着面が外方に突出する湾曲形状にされたことを特徴する請求項1乃至3のいずれかに記載の栓体。
- 前記小片のカット面が微細な凹凸形状にされたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の栓体。
- 前記多角形状は、四角形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の栓体。
- 開口に封止シート部材が取り付けられて内部が実質的に真空状態にされた筒状容器と、前記封止シート部材の外面に貼着された請求項1乃至6のいずれかに記載の栓体とを備えたことを特徴とする真空採血管。
- 請求項1に記載された真空採血器の開口に設けられた封止シート部材の外面に貼着される栓体を製造する方法であって、弾性高分子材料からなる、所定厚さを有し、且つ、縦横に所定ピッチで複数の凹部が形成されている板状の母材を成型する工程と、前記母材を多角形状を有する複数の小片にカットする工程とを備えたことを特徴とする栓体の製造方法。
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