JP4242988B2 - コンクリート施工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネル内吹付施工法のように、原材料準備位置より相当に離隔した位置においてコンクリート施工するに当り分割混練方式によって強度的に優れた吹付施工を掘削施工の進捗状態や原材料準備位置からの距離に影響されることなく、またスランプロスを適切に回避し、更には減水剤や急結剤などの使用を節減した条件下で品質的に優れた施工を的確に実施することのできる施工法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
車輌交通の発展普及に伴い、特に山岳地帯の如きにおいてトンネルを施工することが我が国においては多く、それによって平面的に迂回した遠距離走行や垂直的に登頂と下降を繰返すことがなく、しかも安全且つ短時間内に目的地に到達することを可能ならしめる。従って今日においてはこのようなトンネルの掘削に当っては掘削直後の岩盤面などの坑内壁面に早期且つ能率的に施工し得る吹付けコンクリートを支保部材に採用し、早期に地山の安定を計って比較的短時間に安全に目的のトンネルを完成するようにすることが殆んどである。
【0003】
また上記のような吹付けコンクリートを施工するに当って、本発明者等によって開発した分割混練(SEC)工法を採用し、先ず1次水により砂その他の骨材に所定の水分を均一状態に分散附着させると共に気泡の残留を排除した状態を形成してからセメントその他の粉体を添加混合して予め検討して求められている水および粉体の骨材面に対する一様な附着状態を形成する1次練りを行い、その後に所定の流動性その他のコンクリート特性を得るための2次水を添加した2次混練を行い目的のコンクリート混練物とすることが吹付け時の跳ね返りを少くし、且つ粉塵の発生を減少せしめると共に硬化時における強度等の性能についても優れた適切な吹付施工を得しめる好ましい技術手法があることについては多くの実験ないし施工結果によって確認されており、今日におけるトンネル施工に関し広汎に採用され、有効に施工目的を達しつつある。特に特開平10−287461号においてはこのような場合においての添加材などについて高度の技術が発表されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記したような本発明者等の開発提案した手法によるものが、今日において特に坑口より数kmあるいはそれ以上の長い坑内に搬入されて吹付けに供され、あるいは坑内先端の掘削直後の岩盤面に吹付けられるに当り、掘削切羽、地山状況の脆弱化などにより作業が難渋すると共に土砂の搬出その他の関係から坑内搬入後に相当時間を経た後でなければ吹付けできないような場合が発生し、このような場合においては該資料による吹付け性能が低下し、吹付けコンクリート硬化体の品質も劣化することが確認された。
【0005】
即ち砂などの細骨材に対し適量の1次水を均等に添加した条件下でセメント粉などの粉体を添加することにより該粉体が細骨材粒子の表面に均等且つ安定に附着せしめられ、このような状態で更に2次混練水を添加混練することにより適切な流動性を得しめることになり的確な吹付け施工をなし得るものと理解されるに拘わらず、上記したような長距離坑内搬送時またはそうした搬送後の坑内等において長時間待機したような条件下ではスランプ値や流動性などが変化し、それによって前記したようにコントロールされた吹付け性能が低下し、吹付けコンクリートの品質低下などが避け得ない。
【0006】
上記したような吹付け性能低下や吹付けコンクリートの品質低下の原因として本発明者等の検討したところによれば、特に前記したような特開平10−287461号に示されたように石灰石粉末およびシリカフューム微粉末の如き、セメント粉より一層微細化された微粒分を活用しようとするような場合のフレッシュコンクリートの特性から次のようなスランプロスの原因が考えられる。
▲1▼ セメントの水和反応生成物に高性能減水剤が取込まれてしまうことからその分散能力が低下する。
▲2▼ 一度分散して(−)電荷を有しているセメント粒子相互がぶつかり合うことにより(−)電荷が相殺されて再凝集する。
【0007】
従って、上記のようなスランプロスを防止し、スランプを保持するためにそれなりの方法も提案されており、代表的なものとしては次のような対応策がある。
(イ) 減水剤に対し分散成分の他にスランプ保持成分を含有保持させる方法。
(ロ) 減水剤の主成分自身にセメントの分散作用とスランプ保持作用を併せて有せしめる方法。
【0008】
ところが上記したような▲1▼▲2▼のような技術事情に対する(イ)(ロ)のような手法を採用しても上記したような坑内への長距離搬送または坑内等における長時間待機のような場合においては経時的なスランプロスなどが大きく作用し的確な解決をなし得ないことが一般であり、このため斯様な場合の現場的解決法としては当該コンクリートを廃棄するか、該コンクリートにそれなりに加水して吹付け可能状態とすることが行われるが、これら何れにしても好ましいことではない。即ち当該コンクリートを廃棄することによってスランプロスの欠陥を避け得るとしても、それは明らかに著しい損失であり、しかも廃棄されたコンクリートによって自然環境が損なわれる。これらを避けるために万一加水して吹付け施工するならば夫々の材料に関して折角の各成分組成に応じた精密且つ正確な計数結果によって求められた施工条件を満足せしめる吹付工の組成が大きく変更、劣化されることになり、当該吹付け工による所期特性は大幅に低下したものとならざるを得ない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記したような従来技術における課題を解消することについて検討を重ね、前述したような複合混練方式(分割混練、SEC工法)によって吹付コンクリートを得るに当り、坑外において1次水による1次混練を行ったものを坑内掘削現場に搬入し、吹付けに当って2次水および適量の減水剤を添加した2次混練を行うことにより前記したようなスランプ値の低下を的確に防止し、しかも安定且つ的確な品質を有する吹付コンクリート施工を得しめることに成功したものであって、以下の如くである。
【0010】
(1) 施工現場より離隔した場所においてキャピラリー状態とするために1次水を添加し1次混練をなした混練物を施工現場に搬入し、施工に当って目的混練物である強度と流動性を得られるコンクリートを製造するための合計水量から前記1次水を除いた2次水を添加した2次混練を行うことを特徴としたコンクリート施工法。
【0011】
(2) 坑外などの施工現場より離隔した場所においてキャピラリー状態とするために1次水を添加し混練した1次混練物をミキサー車により坑内掘削現場などの施工現場近傍に搬入して待機し、吹付けに当って目的混練物である強度と流動性を得られるコンクリートを製造するための合計水量から前記1次水を除いた2次水を車載ミキサーに添加した2次混練を行ってから吹付け施工することを特徴としたコンクリート施工法。
【0012】
(3)2次水を添加した2次混練練り上り時におけるスランプ値が30%低下しない条件下において吹付け施工することを特徴とした前記(1)(2)項の何れか1つに記載のコンクリート施工法。
【0016】
【作用】
施工現場より離隔した場所において1次水を添加した1次混練をなして得られる混練物を坑内掘削現場などの施工現場に搬入することにより最終的に得られる2次混練された後における精度高く計算して求められた混練水の2分の1を相当に超えた目的混練水の2分の1から3分の2のような特定且つ均一な水量状態の混練物として坑内掘削現場に送られ、即ち水量のそれなりに少い混練物であってキャピラリー状態であることから搬入走行時の振動などを受けても1次混練水が分離したり一部に片寄ったりすることがなく安定且つ均一な水分の附着分布状態のままで吹付け現場に待機される。また、上記のような1次混練物は上述したような待機によって、より安定した状態で2次混練されることとなるから、この2次混練により造殻の損傷も少なくなるものの如くである。
【0017】
上記のような1次混練状態で送られたものはキャピラリー状態であって攪拌混合操作時における抵抗が最大状態であることから坑内の所定位置に送られるための時間内における、しかも車輛走行の如きによる振動などによっても含有付着水分の偏りなどを発生することがなく、またこのような状態のものが吹付けに当って2次水を添加した2次混練を行ってから吹付け施工することにより目的の2次混練状態を短時間内において有効且つ均一に形成せしめ、従って有効な2次混練による吹き付け施工を適切に行わしめることができる。更に施工現場に待機した状態で2次混練されることからトンネル掘削作業の進捗状況に合致させた機敏な調整および吹付け施工を可能とし掘削作業をも含むトンネルの施工全般を合理的に行わしめる。
【0018】
坑外において1次水を添加し混練した1次混練物をミキサー車により坑内掘削現場近傍に搬入して待機しても該水量およびその附着分布状態は当該材料における安定した強固な保有吸着水量範囲であって、その分布が偏ったり、変動したりすることがない。また吹付けに当って2次水を車載ミキサーに対し添加した2次混練を行ってから吹付け位置に移動し吹付け施工することにより特別に2次水を準備する程のことなく、トラックミキサー車に適宜搭載された比較的小型タンクのような2次水量で足り、従ってまた坑内の適所において目的の2次混練を適切に行わしめる。
【0019】
2次水を添加した2次混練仕上り時におけるスランプ値が設計値の30%を低下することのない条件下において吹付け施工することにより好ましい吹付けが行われ、跳ね返りが少なく、また粉塵発生も少ない好ましい吹付け条件下での施工を行わしめ、安定且つ的確な吹付コンクリートを形成せしめる。
【0020】
1次水を添加した1次混練状態で前述したような待機に相当した60分以上の1次練り置き時間経過後において2次水添加による2次混練をなし吹付施工することにより1次混練状態での好ましい凝結状態の熟成的条件が形成され、しかも2次水添加による2次混練によって合理的に計算して求められた特定水分条件が的確な分布状態で得られ、1次混練により形成された造殻が損われることが少いことから圧縮強度その他の特性値が合理的に向上された吹付けコンクリートを提供せしめる。
【0021】
減水剤をセメント類などの水硬性物質粉体量の0.7wt%以下、特に0.5wt%以下としたことによって経済的な吹付け施工を可能とし、また水硬性物質その他の有効成分による凝結状態を効率的に形成せしめて有効な吹付施工を形成せしめ、得られた吹付施工の強度向上を図らしめる。
【0022】
急結剤をセメント類などの水硬性物質粉体量の6wt%以下としたことによって急結剤の使用量を減少せしめて有利な施工を行わしめ、しかもセメントなどの水硬性物質による凝結作用を効率的に行わしめて混練物のスランプ値を練上り後60分以上の長時間に亘って高く維持し適切な吹付けを可能とすると共に急結剤などの添加量を低減し、粉塵の発生や跳ね返り率を縮減し、しかも得られる吹付施工の強度を向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
上記したような本発明によるものの具体的な実施態様をトンネル吹付の例で添附図面に示すものについて説明すると、本発明は図1に示すようにトンネル掘削現場(A)より例えば数kmも離隔した坑外工場の如き作業位置(B)においてタンクを備えたコンクリートトラックミキサー車1により本発明者等の提案する分割練り混ぜ(SEC)工法による1次混練を行うもので、このような工場などのトンネル掘削現場(A)より離隔した作業位置(B)においてはそれ相当の作業用敷地を採ることができ、運搬車や作業車または各種作業設備ないし機器を充分に利用して資材および機器を有効に活用した目的の1次混練を的確に実施することができる。1次混練において用いられる水量は混練材料の如何により若干異るが一般的に2次混練して得られる最終混練物における水量の50〜70%程度である。
【0024】
上記のように1次混練されたものは前記コンクリートトラックミキサー車6によってトンネル10内の掘削現場に搬ばれ待機せしめられる。掘削現場においては掘削機構などと共に吹付機構車7が位置していてミキサー車6のタンク11から排出されたコンクリートはホッパー21を介して吹付機構車7に受入れられる。なおミキサー車6には2次水タンク12が設けられていてトンネル内掘削現場における作業の進捗状況に応じて該2次水が減水剤と共にミキシングタンク13に添加され、2次混練されたものとして待機せしめる。従って吹付機構車7に対しては2次混練されたコンクリートが提供される。
【0025】
前記した2次水タンク12は標準的なトラックミキサー車1内の1次混練物量を対象とした場合においてはその容量からして500リットル程度のもので充分であり、この程度の2次水タンク12はミキサー車1の適宜の位置にセットすることができる。
【0026】
前述した1次混練物の状態は図3において拡大して示す如くであって、砂1とセメント粉粒子2および石灰石粉3とシリカフューム微粉4から成り、砂1,1,1間の如きに若干の封入空気5を有するとして粉粒表面は水で実質的に被覆されたキャピラリー状態のものであって、攪拌翼を回転させて混合した場合の抵抗は、より水の少ない場合およびより多い場合の何れよりも高い抵抗を示し、従って運搬走行時の振動や待機時における重力条件で砂粒1間の水分移動は殆んどなく、安定した一様な分布状況を維持せしめる。即ち安定した配合構成条件を維持して目的の吹付施工位置に搬入せしめられ、2次水添加による2次混練に備える。
【0027】
吹付機構車2はホッパー21で受入れたミキサー車1からのコンクリートを吹付機24に送り込みアーム23の先端に設けられたノズル22により急結剤を添加した状態で掘削された掘削現場(A)におけるトンネル内面10Aに吹きつけることは従来から知られているところと同様であるが、上記のように2次水が吹付け直前に添加混合されたものであるから少くともスランプが大きく低下したり、あるいは吹付コンクリートの品質を低下することはなく、また、その他の多くのメリットが実地検討結果によって確認された。
【0028】
基本的な実地検討の仔細について具体的に述べると、次の表1におよび表2に示すような秩父小野田社や宇部セメント社、住友セメント社等の各社製普通ポルトランドセメントと神奈川県津久井産の砕砂(比重2.61,吸水率0.93%,βOH;1.66%,FM;2.74)やFM;2.5前後の海砂とポリカルボン酸系高性能減水剤や急結剤を用い主として本出願人等による前記特開平10−287461号に示すような条件による実地的材料を準備し、施工した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
即ち上記した表1、表2に示したような配合の材料は前記特開平10−287461号に示されたように砂に1次水を加えてから30秒間の混合操作をなし、次いでセメントを添加して60秒間の混練をなし、その後に練り置き時間による影響を検討すべく0〜60分の練り置き時間を採ってから2次水と減水剤などの添加剤(Ad)を加えて60秒間の2次練りを行うことにより得られるものであって、上記のように0分の場合と20〜60分間後に2次水を添加し2次混練して得られた性状ないし強度は表2に示す如くであった。
【0032】
即ち表2の結果によるならば1次混練に連続して2次水を添加し2次混練したもの(練り置き時間0分のもの)はモルタルフローが高く、ブリージング率が低いが、それによって得られたモルタルによる製品強度は圧縮強度が3日強度は兎も角として7日強度および28日強度において何れも練り置き時間(20〜60分)を採って2次混練したものよりも劣っており、特に長期強度である28日強度においては練り置き時間を採ったものが何れも高く、練り置き時間60分のものは13%以上も高い圧縮強度の得られることが確認された。
【0033】
即ち、上記したようなモルタルについての検討結果からして、本発明による1次練り置き後40分または60分のような練り置き時間を採って2次水を添加し2次混練したものの有効性が確認されたので更にトンネル内吹付施工上、より実地的な粗骨材をも配合したコンクリートについての検討を進めた。即ち九州地区でMトンネル吹付施工と、これとは別に東北地区におけるIトンネルの吹付施工に関して採用した材料は次の表3と表4に示す如くである。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
前記した特開平10−287461号公報の技術に従い決定し吹付け施工された吹付け工の配合組成はMトンネルのものは、次の表5に示す如くであり、同様にIトンネルの場合は次の表6に示す如くで、減水剤の添加率は何れもセメント量の0.5%で、表面水率設定値は表5のものが6.5%、表6のものは7.0%とされたものである。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
即ちMトンネルに関する表7のものについては、測定表面水率は前記のように6.5%であり、このものについては減水剤の添加率はセメント量の0.5%であるが混練後120分および75分に亘る経時変化状態は別に表7に示す如くで、この表7の左側に示された測定表面水率6.5%のものは60分後から吹付けを開始し、100分で吹付け完了したものであり、表7の右側に示された測定表面水率7.0%のものは支保工設置に時間がかかり、75分後において測定してから減水剤を後添加して吹付けたものである。なお左側の測定表面水率6.5%のものは平均吐出量が11m3/hrの割合で施工し、粉塵発生量は5mg/m3と比較的僅少で、はね返り率16%で施工され、また右側の測定表面水率7.0%のものは平均吐出量9m3/hrの割合で施工でき、はね返り率18%、粉塵発生量は11mg/m3で施工することができた。また得られた吹付工の材令3時間後および24時間後と28日後における圧縮強度(平均値)は前記表7の下段において併せて示す如くであって、材令3時間で3〜4N/mm2 、24時間で13〜16N/mm2 、材令28日の長期強度は25〜33N/mm2 程度である。
【0040】
【表7】
【0041】
なお、具体的な試験方法としてはそれぞれの現場における作業に対し極力支障を来さない内容とし、以下のような項目と要領による測定をなした。
スランプ値,温度:
練り上り後、0分から120分まで15分間隔の測定。
空気量,フロー値:
練り上り後、0分から120分まで30分間隔の測定。
コンクリートの練り混ぜ開始は、吹付け終了時に練り上り120分を経過するように推定して行った。
また、設定スランプは吹付け開始時に15cm程度を目標とした。
【0042】
即ち上記した表7の結果によるときは急結剤添加率がセメント量の6.5%または7.2%と相当に高いものであるが、しかも発生粉塵量は5mg/m3または11mg/m3とそれなりに高く、はね返り率も16%または18%とそれなりに高いものであって、長期強度においても32N/mm2 または27N/mm2 のものであった。
【0043】
上記したような従来の特開平10−287461のものに対し、本発明によるものは1次混練してから60〜120分後に2次水および減水剤を添加し2次混練したものは別に次の表8として示す如くであって、それぞれに充分吹付け施工し得るものであることが確認され、具体的に60分後に2次混練したコンクリートを用いて吹付け施工したものの初期強度および長期強度はそれぞれ表8に示す如くであって、急結剤添加率はセメント量の5.5%であり、粉塵発生率は2.5mg/m3、はね返り率は12.0%とそれぞれに改善され、長期強度も39.0N/mm2 と表7の結果に比し相当に改善向上されていることが確認された。
【0044】
【表8】
【0045】
またこのMトンネルとは別に上記したIトンネルの場合は上記した特開平10−287461に従って実施した結果は次の表9に示す如くであって、減水剤の添加率がそれぞれ0.75%の条件下で1次混練後15分から吹付けを開始し、60分または75分で吹付けを完了し、急結剤添加率がセメント量の6%の場合で粉塵発生率は5mg/m3または12mg/m3、はね返り率は15%または20%であって、圧縮強度は28日の長期強度において30.9N/mm2 または27.3N/mm2 であった。
【0046】
【表9】
【0047】
この表9に示したような特開平10−287461のものに対し本発明によるものは別に次の表10に示す如くで、1次混練後60分で2次混練したもののその後120分までのスランプ値は12〜10cmであって、モルタルフローも170〜180mmと変化が少なく適切に吹きつけ施工し得ることが確認され、60分後から120分に亘る吹きつけ完了の間における急結剤添加率はセメントの5.0%であり、粉塵発生率は2.0mg/m3、はね返り率は11.0%であって、何れも表9の場合の半減状態であり、しかも28日後の長期強度において38N/mm2 であって充分に高められていることが知られた。
【0048】
【表10】
【0049】
【発明の効果】
以上説明したような本発明によるトンネル施工法は、トンネル掘削が長距離化し、少なくとも数 km 以上に亘って坑内を移送し、またコンクリート調整基地から少くとも3 km 以上長距離化した移送後にコンクリート施工するような条件下において安定且つ適切で施工時におけるロスが少なく、また好ましい強度を確保した施工を安定且つ的確に実施し得るものであって、このようなコンクリートの施工上その効果の大きい発明であることは明らかである。
また、本発明によるトンネル施工法は、トンネル掘削が長距離化し、少なくとも数km以上に亘って坑内を移送し、またコンクリート調整基地から少くとも3km以上長距離化した移送後に吹付け施工するような条件下において安定且つ適切で吹付時におけるロスが少なく、また好ましい強度を確保した吹付け施工を安定且つ的確に実施し得るものであって、このようなトンネル内コンクリートの吹付け施工上その効果の大きい発明であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する全般的態様を略解的に示した説明図である。
【図2】図1に示したもののトンネル内掘削現場付近における態様を図1より拡大して示した説明図である。
【図3】本発明による1次混練物の吸着状態を示した断面的拡大説明図である。
【符号の説明】
1 砂
2 セメント粉粒子
3 石灰石粉
4 シリカフューム微粉
5 封入空気
6 ミキサー車
7 吹付機構車
10A トンネル内面
11B ミキシングプラント
12 水タンク
21 ホッパー
22 ノズル
Claims (3)
- 施工現場より離隔した場所においてキャピラリー状態とするために1次水を添加し1次混練をなした混練物を施工現場に搬入し、施工に当って目的混練物である強度と流動性を得られるコンクリートを製造するための合計水量から前記1次水を除いた2次水を添加した2次混練を行うことを特徴としたコンクリート施工法。
- 坑外などの施工現場より離隔した場所においてキャピラリー状態とするために1次水を添加し混練した1次混練物をミキサー車により坑内掘削現場などの施工現場近傍に搬入して待機し、吹付けに当って目的混練物である強度と流動性を得られるコンクリートを製造するための合計水量から前記1次水を除いた2次水を車載ミキサーに添加した2次混練を行ってから吹付け施工することを特徴としたコンクリート施工法。
- 2次水を添加した2次混練練り上り時におけるスランプ値が30%低下しない条件下において吹付け施工することを特徴とした請求項1,2の何れか1つに記載のコンクリート施工法。
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