JP4242700B2 - 三次元形状測定方法および三次元形状測定機 - Google Patents

三次元形状測定方法および三次元形状測定機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定面に対してプローブを走査して、被測定面の表面形状を測定する三次元形状測定方法および三次元形状測定機に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転する被測定物の被測定面に対してプローブを走査することにより、レンズ等の回転対称な被測定面の形状を測定する三次元形状測定機が知られている。例えば特開平10−38556号公報は、このような三次元形状測定機のひとつを開示している。この三次元形状測定機は、図16に示されるように、エアースピンドル204により回転される測定台203に保持された被測定物202の被測定面に、プローブ201の先端のルビー球201Aを接触させて移動させ(つまりプローブを走査して)、プローブ201の座標と被測定物(エアースピンドル)の回転角度とに基いて被測定物の表面形状の測定を行うものである。
【0003】
この三次元形状測定機では、測定に先だって、プローブ201をエアースピンドル204の回転軸上に正確に位置決めしておく必要がある。そのため、レーザダイオードやレンズやCCDカメラ等から構成される光学系210と、光学系210の像を表示するためのモニター220とを備えている。
【0004】
プローブ201の位置決めは次のようにして決められる。まずエアースピンドル204上の測定台203の開口部に被測定物202の代わりに基準反射球面をその球心が回転軸と一致するように載せる。基準反射球面の反射像を光学系210で検出しながら、基準反射面の球心と共役な反射像が得られる位置に光学系210を移動させ、そのときの反射像の座標を記憶する。その後、基準反射球面を取り外して、光学系210を固定したままプローブ201を移動させ、ルビー球201Aの反射像の位置が基準反射面の反射像の位置と一致するようにプローブ201の位置を調整する。このプローブの初期位置を原点とする測定座標系におけるプローブ201の座標を測定することにより、被測定物202の形状を測定するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−38556号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、測定機本体とは別に設けられた光学系210を用いて、プローブ201を被測定面の回転軸上に正確に位置決めしている。そのため、表面形状測定機の大型化や、測定工程の複雑化を招いている。
【0007】
本発明は、この様な実状を考慮して成されたものであり、その目的は、ひとつには、プローブを被測定面の回転軸上に正確に位置決めする必要なく、被測定面の三次元形状を測定し得る三次元形状測定方法を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、ひとつには、プローブを被測定面の回転軸上に位置決めするための光学系を必要としない、被測定面の三次元形状を測定し得る三次元形状測定機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ひとつには、三次元形状測定方法に向けられており、以下の各項に列記する三次元形状測定方法を含んでいる。
【0010】
1.本発明の三次元形状測定方法は、設計形状データが既知の基準面を持つ基準物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ)を測定する工程と、互いに略直交するx軸とy軸とz軸を有し、z軸が回転手段の回転軸に略平行に設定された測定座標系において、回転している基準面にプローブを接触させ、基準面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定する工程と、プローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから基準面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する工程と、基準面の形状測定データ(x,y,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程と、基準面の設計形状データと基準面の形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して基準面の測定誤差データ(X,Y,ΔZ)を算出する工程と、基準面の測定誤差データの評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の補正値(Δx,Δy)を求める工程と、基準物に代えて被測定面を持つ被測定物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ)を測定する工程と、回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、プローブをx軸に沿って移動させると共に、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定する工程と、測定座標系内のプローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する工程と、被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx,Δy)を実質的に加算して形状測定データを補正する工程と、被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx,y+Δy,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程とを有し、基準面は平面であり、測定誤差データを算出する工程の座標変換は、平面の基準面(以下「基準平面」という)の設計形状データと基準平面の形状測定データとを相対的にx軸とy軸との周りに回転移動させると共にz軸に沿って並進移動させる変換である。本明細書において、「形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx,Δy)を実質的に加算」するとは、形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx,Δy)を実際に加算することだけでなく、補正値(Δx,Δy)に従ってプローブの測定座標系の原点位置を補正することも含む。
【0016】
この三次元形状測定方法は第一実施形態に対応する。
【0017】
.本発明の別の三次元形状測定方法は、第項の三次元形状測定方法において、更に、基準平面の測定誤差データの評価値を設計上の許容値よりも小さくする回転手段の回転軸と直交する面に対するプローブの測定座標系のx軸の傾き誤差の補正値を求める工程と、被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に傾き誤差の補正値を実質的に加算して形状測定データを補正する工程とを有している。測定座標系のx軸の傾き誤差の補正値はExで与えられる。ここでEは回転手段の回転軸と直交する面に対する測定座標系のx軸の傾き誤差を補正する補正係数である。さらには、回転手段の回転軸と直交する面に対する測定座標系のy軸の傾き誤差の補正値をも求めてもよい。測定座標系のy軸の傾き誤差の補正値はFyで与えられる。ここでFは回転手段の回転軸と直交する面に対する測定座標系のy軸の傾き誤差を補正する補正係数である。
【0018】
この三次元形状測定方法は第一実施形態に対応する。
【0019】
この三次元形状測定方法においては、回転手段の回転軸と直交する面に対するプローブの測定座標系のx軸の傾き誤差により発生する測定誤差を補正することが可能となる。更に必要であれば、y軸の傾き誤差により発生する測定誤差をも補正することも可能となる。
【0020】
.本発明の別の三次元形状測定方法は、第項または第項の三次元形状測定方法において、更に、設計形状データが既知の球面の一部から成る基準面(以下「基準球面」という)を持つ基準物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ')を測定する工程と、基準球面とプローブの接触を維持しつつプローブを走査すると共にプローブの位置を測定する工程と、回転している基準面にプローブを接触させ、基準面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x',y',z')を測定する工程と、プローブのxyz座標(x',y',z')と回転手段の回転角(θ')とから基準球面の形状測定データ(x',y',z',θ')を取得する工程と、基準球面の形状測定データ(x',y',z',θ')をXYZ直交座標系の形状測定データ(X',Y',Z')に変換する工程と、基準球面の設計形状データと基準球面の形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して基準球面の測定誤差データ(X',Y',ΔZ')を算出する工程と、基準球面の測定誤差データの評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブの測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差の補正値を求める工程と、基準物に代えて被測定面を持つ被測定物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ')を測定する工程と、回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x',y',z')を測定する工程と、測定座標系内のプローブのxyz座標(x',y',z')と回転手段の回転角(θ')とから被測定面の形状測定データ(x',y',z',θ')を取得する工程と、被測定面の形状測定データ(x',y',z',θ')に測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差の補正値を実質的に加算して形状測定データを補正する工程と、被測定面の補正された形状測定データをXYZ直交座標系の形状測定データ(X',Y',Z')に変換する工程とを有している。測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差の補正値はGzで与えられる。ここでGは測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差を補正する補正係数である。さらには、測定座標系のy軸に対するz軸の直角度誤差の補正値をも求めてもよい。測定座標系のy軸に対するz軸の直角度誤差の補正値はHzで与えられる。ここでHは測定座標系のy軸に対するz軸の直角度誤差を補正する補正係数である。
【0021】
この三次元形状測定方法は第一実施形態に対応する。
【0022】
この三次元形状測定方法においては、プローブの測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差により発生する測定誤差を補正することが可能となる。更に必要であれば、測定座標系のy軸に対するz軸の直角度誤差により発生する測定誤差をも補正することも可能となる。
【0023】
.本発明の別の三次元形状測定方法は、被測定面を持つ測定物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ)を測定する工程と、互いに略直交するx軸とy軸とz軸を有し、z軸が回転手段の回転軸に略平行に設定された測定座標系において、x座標がプラスの範囲とマイナスの範囲とにおいて、回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定する工程と、プローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから、プローブのx座標がプラスの範囲における被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)とプローブのx座標がマイナスの範囲における被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する工程と、被測定面の二つの形状測定データ(x,y,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程と、被測定面の設計形状データと被測定面の二つの形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して被測定面の形状誤差データ(X,Y,ΔZ)を算出する工程と、プローブのx座標がプラスの範囲における被測定面の形状誤差データとプローブのx座標がマイナスの範囲における被測定面の形状誤差データとの差を算出する工程と、被測定面の二つの形状誤差データの差の評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の補正値(Δx',Δy')を求める工程と、被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx',Δy')を実質的に加算して形状測定データを補正する工程と、被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx',y+Δy',z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程とを有している。
【0024】
この三次元形状測定方法は第二実施形態に対応する。
【0025】
この三次元形状測定方法においては、光学系等を用いてプローブの測定原点を求めることなく、設計形状データが既知の基準面を必要とすることなく、被測定面の三次元形状を測定することができる。
【0026】
本発明は、ひとつには、三次元形状測定機に向けられており、以下に記す三次元形状測定機を含んでいる。
【0027】
本発明の三次元形状測定機は、被測定面を持つ測定物を回転させる回転手段と、回転している被測定面に接触されるプローブと、プローブと被測定面の接触を維持しつつプローブを走査する走査手段と、回転手段の回転角(θ)を測定する回転角測定手段と、走査中のプローブの位置を測定する位置測定手段とを備えている。位置測定手段は、互いに略直交するx軸とy軸とz軸を持つ測定座標系を有し、測定座標系はz軸が回転手段の回転軸に略平行に設定されており、走査手段は、プローブをx軸とz軸に沿って移動させるステージを含み、測定座標系のx座標がプラスの範囲とマイナスの範囲とにおいて、回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させ、位置測定手段は、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定する。三次元形状測定機は更に、プローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから、プローブのx座標がプラスの範囲の被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)とプローブのx座標がマイナスの範囲の被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する手段と、被測定面の二つの形状測定データ(x,y,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する手段と、被測定面の設計形状データと被測定面の二つの形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して被測定面の形状誤差データ(X,Y,ΔZ)を算出する手段と、プローブのx座標がプラスの範囲における被測定面の形状誤差データとプローブのx座標がマイナスの範囲における被測定面の形状誤差データとの差を算出する手段と、被測定面の二つの形状誤差データの差の評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の補正値(Δx',Δy')を求める手段と、被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx',Δy')を加算して形状測定データを補正する手段と、被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx',y+Δy',z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する手段とを有している。
【0028】
この三次元形状測定機は第三実施形態に対応する。
【0029】
この三次元形状測定機においては、プローブの測定原点を求める光学系等を必要とすることなく、被測定面の三次元形状を測定することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
参考例
本参考例は、三次元形状測定方法に向けられている。
【0032】
図1は、参考例における三次元形状測定機のプローブと被測定面とエアースピンドルの関係を示す概念図である。図2は、測定のフローチャートを示している。図3は、被測定面の回転軸に対する偏心誤差がキャンセルされる原理を示す概念図である。図4は、原点位置誤差がある場合に発生する測定誤差を示す概念図である。
【0033】
以下、図2のフローチャートに従って本参考例の三次元形状測定方法について説明する。
【0034】
今、簡単化のために原点位置誤差以外の誤差は無視できるものとする。
【0035】
図1に示されるように、設計形状データが既知の基準面を持つ基準物である基準球2を、回転手段であるエアースピンドル3に固定する(Step1)。基準球2は、基準面として、曲率半径が既知で面精度の良い球面の一部1(以下「基準球面」という)を有している。
【0036】
図1において、互いに略直交するx軸とy軸とz軸を有する測定座標系を、z軸が回転手段の回転軸に略平行になるように設定する。
【0037】
次に、エアースピンドル3により基準球2を回転させ、回転している基準球面1にプローブ4を接触させ、基準球面1の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させる。さらに、エアースピンドル3の回転軸3Aに略直交するx軸に沿ってプローブ4を移動させる。その間、プローブ4のxyz座標(x,y,z)とエアースピンドル3の回転角度(θ)を測定して、基準球面1の形状測定データ(xa,ya,za,θa)(a=1,2,3,…)を点列データとして取得する(Step2)。
【0038】
Step2において、x軸に沿ったプローブ4の移動は、間欠的に行っても、連続的に行ってもよい。つまり、プローブ4のx方向の位置を任意の複数箇所で固定して測定すると、エアースピンドル3の回転軸3Aを中心とした同心円状の形状測定データが得られる。また、プローブ4をx方向に移動しながら測定すると、スパイラル(渦巻き)状の形状測定データが得られる。取得する形状測定データは、このような同心円状の形状測定データやスパイラル状の形状測定データであってもよく、または、これらを複合した形状測定データであってもよい。
【0039】
次に、Step2で取得した基準球面1の形状測定データ(xa,ya,za,θa)を、XYZ直交座標系の測定データ(Xa,Ya,Za)に変換する(Step3)。
【0040】
Step3で求めた基準球面1の測定データを座標変換して基準球面1の測定誤差データ(Xa,Ya,ΔZa)を算出する(Step4)。
【0041】
Step4の座標変換は、例えば特開2002−116019号公報で開示されているような、被測定面の設計式にプローブの先端球の曲率半径を加味した設計形状データと形状測定データを比較し、最小二乗法やニュートン法等既知の方法を用いて、設計形状データと形状測定データの間の誤差が最小となるように、測定データを座標変換するものである。
【0042】
Step4において、X座標とY座標に対するZ方向の差が最少となるように座標変換を行うので、原点位置誤差がなければ、基準球面1の測定誤差データのΔZaは、測定点列データに含まれるノイズ成分だけであり、無視できるほど小さいものになる。
【0043】
一般に、回転軸3Aを中心として定義された被測定面の設計形状データに対して、被測定面を完全に一致させて被測定物をエアースピンドル上に固定することは困難であり、回転軸3Aに対する被測定面の偏心誤差が発生する。しかし、Step4で被測定面の設計形状データと測定データとの差が最小となるように測定データを座標変換することにより、この偏心誤差はキャンセルされる。偏心誤差がキャンセルされる原理について図3を用いて説明する。図3では簡単化のために、偏心誤差以外の誤差は無視できるものとし、被測定面は基準球面1であるとする。
【0044】
図3(A)は、基準球面1が回転軸3Aに対して全く偏心誤差がなく設置されている状態を示している。基準球面1の面頂(最高点)1Pが回転軸3Aと一致している。位置41は、プローブ4が回転軸3Aから距離Lだけ離れた位置にあり、かつ回転軸3Aの回転角度が0度であるときの基準球面1上でのプローブ4の位置を示している。また位置42は、プローブ4が回転軸3Aから距離Lだけ離れた位置にあり、かつ位置41に対して回転軸3Aの回転角度が180度であるときの基準球面1上でのプローブ4の位置を示している。このとき被測定面1の測定データは測定誤差が全く無いので、実線で示す設計形状データ50と精度良く一致している。
【0045】
図3(B)は、基準球面1が回転軸3Aに対して偏心して設置されている状態を示している。被測定面は球面であるので、球面1の軸1Aと回転軸3Aとの偏心誤差はシフトδで表される。位置43は、プローブ4が回転軸3Aから距離Lだけ離れた位置にあり、かつ回転軸3Aの回転角度が0度であるときの基準球面1上でのプローブ4の位置を示している。また位置44は、プローブ4が回転軸3Aから距離Lだけ離れた位置にあり、かつ位置43に対して回転軸3Aの回転角度が180度であるときの基準球面1上でのプローブ4の位置を示している。このとき、基準球面1の測定データは、基準球面1の偏心誤差δがあるため、点線で示す測定データ51となる。
【0046】
図3(C)は、設計形状データ50と測定データ51を座標変換せずに、回転軸3Aを基準として比較した状態を示している。設計形状データ50に対して測定データ51には偏心誤差δによる測定誤差が残っているため両者は一致しない。
【0047】
図3(D)は、設計形状データ50との差が最小となるように測定データ51を座標変換した結果を示している。被測定面は球面であるので、測定データ51の座標変換のパラメータとしては、xyzの各軸方向の並進移動を用いる。すなわち、測定データ51の座標変換は、設計形状データと形状測定データとを相対的にx軸とy軸とz軸に沿って並進移動させる変換である。測定データ51の座標変換を行うことにより、測定データ51は設計形状データ50と一致する。
【0048】
従って、偏心誤差δがあっても、座標変換を行うことにより偏心誤差はキャンセルすることができる。ただし、偏心誤差δがあると、基準球面1上での測定位置がずれるので、測定時に被測定面からプローブが外れない程度に偏心誤差を抑える必要がある。
【0049】
次に、原点位置誤差がある場合に発生する測定誤差について図4を用いて説明する。図4において、プローブ4が原点位置誤差なく被測定面1上にある場合を位置45とし、原点位置誤差ΔL'がある場合の位置を46とする。プローブ4をx方向に距離L'だけ移動すると、原点位置誤差がなければプローブ4は位置45から位置47に移動するはずであるが、実際には原点位置誤差ΔL'があるためプローブ4は位置48に移動する。しかし、Step2で取得した形状測定データでは、原点位置誤差ΔL'は認識できないので、プローブ4が位置48にあってもプローブ4は位置47での測定データとして認識してしまう。このため位置48と位置47の間の測定誤差ΔZ'が発生する。このΔZ'は、被測定面1のx方向の座標により異なる値となり、Step4で測定データの座標変換を行ってもキャンセルされず、原点位置誤差による測定誤差は残ってしまう。
【0050】
つまり、Step4で求めた基準球面1の測定誤差データ(Xa,Ya,ΔZa)には、エアースピンドル3の回転軸3Aに対するプローブ4のx方向とy方向の原点位置誤差による測定誤差が含まれている。プローブ4にx方向の原点位置誤差がある場合の測定誤差データの例を図5に示す。またプローブ4にy方向の原点位置誤差がある場合の測定誤差データの例を図6に示す。図5と図6は、同心円状の形状測定データから求めた測定誤差データ(Xa,Ya,ΔZa)のXaを横軸に、測定誤差であるΔZaを縦軸にしてグラフ表示したものである。プローブ4にx方向とy方向の両方の原点位置誤差がある場合には、図5と図6に示す測定誤差が複合して現われる。プローブ4にx方向とy方向の原点位置誤差が無ければ測定誤差(ΔZa)は無くなる。
【0051】
次に、Step4で算出した測定誤差データ(Xa,Ya,ΔZa)の測定誤差ΔZaの二乗平均値を評価値として、この測定誤差ΔZaの二乗平均値が設計上の許容値より小さいかを判断し、許容値より大きい場合には原点位置誤差があるものとして、Step6に進む(Step5)。
【0052】
測定誤差ΔZaの二乗平均値が許容値より大きい場合には、プローブ4のx方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δxとy方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δyをパラメータとして形状測定データに加え、新たな形状測定データ(xa+Δx,ya+Δy,za,θa)とし、再びStep3に戻る(Step6)。
【0053】
Step3〜Step6のループは測定誤差ΔZaの二乗平均値が許容値より小さくなるまで繰り返す。測定誤差ΔZaの二乗平均値が許容値より小さくなったらStep5からStep7に進む。
【0054】
なお、Step5の判断基準である許容値としては、被測定面の形状に対する許容公差(P−V値,RMS値等)や、この三次元形状測定機において原点位置誤差等の測定誤差が無い状態で取得した測定誤差データに含まれるノイズ成分により発生する測定誤差ΔZaの二乗平均値(すなわち三次元形状測定機の測定能力)等の設計上の許容範囲を加味して設定する。あるいは許容値として測定誤差ΔZaの二乗平均値が最小値であるかを判断基準としてもよい。この場合には、オフセット値ΔxとΔyを所定量だけ順次変更し、オフセット値の変更前後の測定誤差ΔZaの二乗平均値を比較することにより最小値であるかを判断する。このように測定誤差ΔZaの二乗平均値が最小値であるかを判断基準としてオフセット値を算出すると、三次元形状測定機のノイズ成分が大きい場合にも最適な原点位置誤差の補正値が求められる。
【0055】
Step3〜Step6のループにおいて求められた測定誤差ΔZaの二乗平均値が許容値より小さくなるオフセット値(Δx,Δy)をプローブ4の原点位置補正値(Δx,Δy)として記憶する(Step7)。
【0056】
つまり、Step3〜Step6のループによって、基準球面1の測定誤差データの評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブ4のxy座標の原点位置補正値(Δx,Δy)が求められる。
【0057】
次に、基準球2に代えて、被測定面である例えば非球面を持つ非球面レンズをエアースピンドル3に固定する(Step8)。
【0058】
次に、この非球面レンズをエアースピンドル3により回転させ、回転している被測定面である非球面にプローブ4を接触させ、非球面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブ4を追従させる。さらに、プローブ4をx軸に沿って移動させる。その間、プローブ4のxyz座標(x,y,z)とエアースピンドル3の回転角度(θ)を測定して、非球面の形状測定データ(xb,yb,zb,θb)(b=1,2,3,…)を点列データとして取得する(Step9)。
【0059】
Step9においても、Step2と同様、x軸に沿ったプローブ4の移動は、間欠的に行っても、連続的に行ってもよい。
【0060】
Step7で記憶したプローブ4の原点位置補正値(Δx,Δy)を読み出し、Step9で取得した非球面の形状測定データ(xb,yb,zb,θb)に加算し、形状測定データ(xb+Δx,yb+Δy,zb,θb)とする(Step10)。
【0061】
Step10で取得した非球面の形状測定データ(xb+Δx,yb+Δy,zb,θb)を、XYZ直交座標系の測定データ(Xb,Yb,Zb)に変換する(Step11)。
【0062】
最小二乗法やニュートン法等既知の方法を使用して、被測定面である非球面の設計形状データとこの非球面の測定データとの差が最小となるように非球面の測定データを座標変換して非球面の形状誤差データ(Xb,Yb,ΔZb)を算出する(Step12)。
【0063】
Step12で算出した非球面の形状誤差データ(Xb,Yb,ΔZb)により、被測定面である非球面の設計形状データに対する三次元形状が分かる(Step13)。
【0064】
本参考例によれば、エアースピンドル3の回転軸3Aに対するプローブ4のx方向とy方向の原点位置誤差を、曲率半径が既知で面精度の良い基準面である基準球面1を用いて算出し、これを考慮することにより被測定面である非球面の形状測定データを補正しているので、非球面の三次元形状を高精度に評価できる。また、被測定面の設計形状データと形状測定データとの間の差が最小となるように座標変換して測定誤差や形状誤差を求めているので、エアースピンドル3の回転軸3Aに対して被測定面すなわち基準球面1や非球面が偏心していても、座標変換時に偏心がキャンセルされる。従って、エアースピンドル3の回転軸3Aに対する被測定面の高精度な心出し調整が不要である。
【0065】
なお、本参考例では、基準球2を用いて求めたプローブ4の原点位置補正値(Δx,Δy)に基いて被測定物の形状測定データを補正しているが、原点位置補正値(Δx,Δy)に基いてプローブの初期位置すなわち測定座標系の原点位置を補正してから測定を行ってもよい。
【0066】
本明細書においては、これも、形状測定データに原点位置補正値を実質的に加算するに含まれるものとする。つまり、本明細書において、形状測定データに原点位置補正値を実質的に加算するとは、形状測定データに原点位置補正値を実際に加算することだけでなく、原点位置補正値に従って測定座標系の原点位置を補正することも含む。
【0067】
また、本参考例では、基準面を曲率半径が既知で面精度の良い球面の一部としたが、面精度が良く形状が既知であれば非球面を基準面としてもよい。
【0068】
第一実施形態
本実施形態は、別の三次元形状測定方法に向けられている。
【0069】
本実施形態は、特に、エアースピンドルの回転軸と直交する面に対してプローブの位置座標を測定する測定座標系のx軸あるいはy軸が傾いている場合や、プローブの位置座標を測定する測定座標系のx軸とy軸とz軸の間に相対的な直角度誤差がある場合に有効である。
【0070】
本実施形態は、基準物の基準面が平面である点と、基準面の測定誤差データを算出する際の座標変換とが、参考例と相違している。
【0071】
本実施形態における三次元形状測定機の構成や測定のフローチャートは、基本的に参考例と同じである。以下、参考例との相違点に重点を置いて、本実施形態の三次元形状測定方法について説明する。
【0072】
Step1において、基準球に代えて、設計形状データが既知の基準面を持つ基準物である平行平面板をエアースピンドル3に固定する。平行平面板は、基準面として、面精度の良い平面(以下「基準平面」という)を有している。
【0073】
Step2において、基準平面の形状測定データ(xa,ya,za,θa)(a=1,2,3,…)を点列データとして取得する。
【0074】
Step3において、基準平面の形状測定データ(xa,ya,za,θa)を、XYZ直交座標系の測定データ(Xa,Ya,Za)に変換する。
【0075】
Step4において、基準平面の測定データを、設計形状データと形状測定データの間の誤差が最小となるように座標変換して基準平面の測定誤差データ(Xa,Ya,ΔZa)を算出する。この測定誤差データを算出する座標変換は、基準平面の設計形状データと基準平面の形状測定データとを相対的にx軸とy軸との周りに回転移動させると共にz軸に沿って並進移動させる変換である。
【0076】
Step4において、エアースピンドル3の回転軸3Aに対するプローブ4のx方向とy方向の原点位置誤差がある場合の基準平面を用いて求めた測定誤差データ(X,Y,ΔZ)は、参考例の基準球面1の場合と異なるグラフとなり、例えばx方向の原点位置誤差があると図7に示すようなグラフとなる。
【0077】
以下、参考例と同様にして、すなわち、Step3〜Step6のループによって、原点位置補正値(Δx,Δy)を求める。
【0078】
その後、参考例と同様に、原点位置補正値(Δx,Δy)に基づいて、すなわち、Step7〜Step13を経て、被測定面たとえば非球面の形状測定データを補正する。
【0079】
なお基準平面の法線が回転軸3Aに対して全く誤差がなく一致している場合には、エアースピンドル3を回転しても基準平面の高さは変化しないので、原点位置誤差による測定誤差は検出できない。しかし一般に、回転軸3Aに対して平面の法線を全く誤差なく一致させて、エアースピンドル3上に平行平面板を固定することは困難であり、回転軸3Aに対して傾き誤差が発生するので、原点位置誤差を検出することが可能である。回転軸3Aに対して平面の法線の傾きが大きいほど、原点位置誤差の測定誤差データに与える影響は大きくなり、原点位置誤差の検出感度が高くなるが、原点位置誤差以外の測定誤差も大きくなる。そこで本実施形態のStep1においては、原点位置誤差およびその他の測定誤差を考慮し、回転軸3Aに対する基準平面の法線の傾きを適宜調整して平行平面板をエアースピンドル3に固定してもよい。
【0080】
回転軸と直交する面に対する測定座標系のx軸およびy軸の傾き誤差の補正
本実施形態は、エアースピンドルの回転軸と直交する面に対してプローブの位置座標を測定する測定座標系のx軸あるいはy軸が傾いている場合にも有効である。
【0081】
従来技術では、エアースピンドル204の回転軸と直交する面に対して、プローブ201の座標を測定する測定座標系のx軸あるいはy軸が相対的に傾いていると、プローブ201がx方向あるいはy方向に移動した時に、エアースピンドル204の回転軸と直交する面に対するプローブ201のz方向の位置座標も変化してしまう。エアースピンドル204あるいはプローブ201の測定座標系を調整しても、完全に一致させることは不可能であり傾き誤差が発生する。このような場合は求める精度によっては被測定物202の形状を正確に測定できない可能性がある。
【0082】
以下、エアースピンドルの回転軸と直交する面に対して測定座標系のx軸あるいはy軸が傾いているとの想定において、本実施形態の三次元形状測定方法について説明する。
【0083】
今、簡単化のためにエアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面とプローブ4の測定座標系のx軸あるいはy軸の傾き誤差以外の誤差は無視でき、更にプローブ4の測定座標系のx軸とy軸とz軸の相対的な直角度誤差も無視できるものとする。
【0084】
本実施形態では、Step4において、最小二乗法やニュートン法等既知の方法を使用して基準平面の設計形状データと基準平面の測定データとの差が最小となるように基準平面の測定データを座標変換することにより基準平面の測定誤差データ(Xa,Ya,ΔZa)を算出している。
【0085】
ここで、エアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対するプローブ4の測定座標系のx軸あるいはy軸の傾き誤差(測長器(光学系)の光軸の傾き)があると、測定誤差が発生する。例えば、エアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対する測定座標系のx軸の傾き誤差がある場合の基準平面を用いて求めた測定誤差データ(Xa,Ya,ΔZa)は図8に示すようなグラフとなり、Xaに比例した測定誤差ΔZaが発生する。
【0086】
この測定誤差ΔZaの二乗平均値が設計上の許容値より小さくなるような補正値を算出する。算出手順は、図2のStep3からStep6に準じるが、測定座標系の傾き誤差による測定誤差は、x座標に比例したz座標の誤差が現われるので、求める補正値はz=Exである。ここでEはエアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対する測定座標系のx軸の傾き誤差を補正する補正係数である。
【0087】
その後、Step7〜Step13に準じて、被測定面の形状測定を行う。ただし、Step10では、z座標の補正値(z=Ex)をStep9で取得した被測定面の形状測定データ(xb,yb,zb,θb)に加算して、形状測定データ(xb,yb,zb+Exb,θb)とする。これにより、エアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対するプローブ4の測定座標系のx軸の傾き誤差を補正できる。
【0088】
本実施形態では、プローブ4をx軸に沿って移動させて形状測定を行うので、プローブ4はy軸に沿っては移動しない、あるいは移動しても微小量である。従って、測定座標系のy軸の傾き誤差は測定誤差にあまり影響しないので無視できることが多い。しかし、測定座標系のy軸の傾き誤差が大きい場合や、プローブ4がy軸に沿っても大きく移動する場合には、測定座標系のy軸の傾き誤差も無視できない。このときは、測定座標系のx軸の傾き誤差の算出と同様の手順で、測定座標系のy軸の傾き誤差の補正値z=Fyを求める。ここでFはエアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対する測定座標系のy軸の傾き誤差を補正する補正係数である。従って、x座標とy座標に対するz座標の補正値としては、z=Ex+Fyとなる。このz座標の補正値(z=Ex+Fy)を被測定面の形状測定データ(xb,yb,zb,θb)に加算して、形状測定データ(xb,yb,zb+Exb+Fyb,θb)とすることにより、エアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対するプローブ4の測定座標系のx軸の傾き誤差とy軸の傾き誤差とを補正できる。
【0089】
従って、エアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対するプローブ4の測定座標系のx軸あるいはy軸の傾き誤差があっても、被測定面である非球面の三次元形状を高精度に評価できる。
【0090】
測定座標系のx軸とy軸とz軸の直角度誤差の補正
本実施形態は、また、プローブの位置座標を測定する測定座標系のx軸とy軸とz軸の間に相対的な直角度誤差がある場合に有効である。
【0091】
また従来技術のように、プローブ201をx方向とz方向に移動し、このときのプローブ201のxyz座標を測定することにより被測定物202の形状を測定する場合には、プローブ201のxyz座標を測定する測定座標系の各軸の直角度が重要であり、特にx軸に対するz軸の直角度が非常に重要である。測定座標系のx軸とy軸とz軸の間に直角度誤差があると、被測定物202の測定結果に誤差が発生する。
【0092】
以下、測定座標系のx軸とy軸とz軸の間に相対的な直角度誤差があるとの想定において、本実施形態の三次元形状測定方法について説明する。
【0093】
本実施形態において、面精度の良い基準平面を用いて、エアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対するプローブ4の測定座標系のx軸およびy軸の傾き誤差の補正値と、エアースピンドル3の回転軸3Aに対するプローブ4のx方向とy方向の原点位置誤差の補正値をそれぞれ算出し記憶する。
【0094】
その後、基準面を基準平面に代えて、参考例で用いたような曲率半径が既知で面精度の良い基準球面1を用いる。
【0095】
すなわち、曲率半径が既知で面精度の良い基準面である基準球面1を持つ基準物である基準球2をエアースピンドル3に固定する(Step1)。
【0096】
この基準球2をエアースピンドル3により回転させ、回転している基準球面1にプローブ4を接触させ、プローブ4を基準球面1の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させる。さらに、x軸に沿ってプローブ4を移動させる。その間、プローブ4のxyz座標(x',y',z')とエアースピンドル3の回転角度(θ')を測定して、基準球面1の形状測定データ(xa',ya',za',θa')(a=1,2,3,…)を取得する(Step2)。x軸に沿ったプローブ4の移動は、間欠的に行っても、連続的に行ってもよい。
【0097】
次に、Step2で取得した形状測定データ(xa',ya',za',θa')を、XYZ直交座標系の測定データ(Xa',Ya',Za')に座標変換する(Step3)。
【0098】
最小二乗法やニュートン法等既知の方法を使用して、基準球面1の設計形状データと基準球面1の測定データとの差が最小となるように基準球面1の測定データを座標変換することにより基準球面1の測定誤差データ(Xa',Ya',ΔZa')を算出する(Step4)。
【0099】
ここでプローブ1のxyz座標を測定する測定座標系のx軸とy軸とz軸に相対的な直角度誤差があると、測定誤差が現われる。例えば、x軸に対してz軸の直角度誤差がある場合の測定誤差データ(Xa',Ya',ΔZa')は図9に示すようなグラフとなる。
【0100】
この測定誤差ΔZa'の二乗平均値が設計上の許容値より小さくなるような補正値を算出する。算出手順は、図2のStep3からStep6に準じるが、求める補正値はx軸に対するz軸の直角度誤差の補正値x=Gzである。ここでGはx軸に対するz軸の直角度誤差を近似的に補正する補正係数である。
【0101】
その後、Step7〜Step13に準じて、被測定面の形状測定を行う。ただし、Step10では、x座標の補正値(x=Gz)をStep9で取得した被測定面の形状測定データ(xa',ya',za',θa')に加算して、(xa'+Gza',ya',za',θa')とする。これにより、x軸に対するz軸の直角度誤差を補正できる。
【0102】
本実施形態では、プローブ4をx軸に沿って移動させて形状測定を行うので、プローブ4はy軸に沿っては移動しない、あるいは移動しても微小量である。従って、y軸に対するz軸の直角度誤差は測定誤差にあまり影響しないので無視できることが多い。しかし、y軸に対するz軸の直角度誤差が大きい場合や、プローブ4がy軸に沿って大きく移動する場合には、y軸に対するz軸の直角度誤差も無視できない。このときは、x軸に対するz軸の直角度誤差の補正値の算出と同様の手順で、y軸に対するz軸の直角度誤差の補正値y=Hzを求める。ここでHはy軸に対するz軸の直角度誤差を近似的に補正する補正係数である。これらの直角度誤差の補正値(x=Gz)と(y=Hz)を形状測定データ(xa',ya',za',θa')に加算して、(xa'+Gza',ya'+Hza',za',θa')とすることにより、x軸に対するz軸の直角度誤差とy軸に対するz軸の直角度誤差とを補正できる。
【0103】
従って、測定座標系のx軸とy軸とz軸の間に相対的な直角度誤差があっても、被測定面である非球面の三次元形状を高精度に評価できる。
【0104】
以上のように、本実施形態によれば、基準面として面精度の良い平面と曲率半径が既知で面精度の良い球面の一部を用いることにより、エアースピンドル3の回転軸3Aに対するプローブ4のx方向とy方向の原点位置誤差だけでなく、エアースピンドル3の回転軸3Aと直交する面に対するプローブ4の測定座標系のx軸およびy軸の傾き誤差と測定座標系のx軸とy軸とz軸の間の相対的な直角度誤差も算出し、各誤差の補正値を記憶し形状測定データを補正しているので、被測定面である非球面の三次元形状を高精度に評価できる。
【0105】
第二実施形態
本実施形態は、別の三次元形状測定方法に向けられている。
【0106】
図10は、本発明の第二実施形態の三次元形状測定方法のフローチャートを示している。図11は、測定範囲の説明図である。
【0107】
以下、図10のフローチャートに従って本実施形態の三次元形状測定方法について説明する。
【0108】
図11に示されるように、被測定面5を持つ被測定物6をエアースピンドル3に固定する(Step21)。被測定面5の有効半径(測定半径)をRとする。
【0109】
プローブ4をエアースピンドル3の回転軸3A付近の位置4Aに移動し、プローブ4のxyz座標値とエアースピンドル3の回転角度をリセットする(Step22)。
【0110】
Step22では、プローブ4の位置4Aはエアースピンドル3の回転軸3Aに厳密に一致させる必要はなく、被測定面5の形状測定時にプローブ4が被測定面5から外れない程度に合わせればよい。
【0111】
図11において、互いに略直交するx軸とy軸とz軸を有する測定座標系を、z軸が回転手段の回転軸に略平行になるように設定する。
【0112】
被測定物6をエアースピンドル3により回転させ、回転している被測定面5にプローブ4を接触させ、被測定面5の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブ4を追従させる。さらに、被測定面の測定範囲である±Rの範囲(図11の位置4Bから位置4Cまでの範囲)でプローブ4をx軸に沿って移動させる。その間、プローブ4のxyz座標(x,y,z)とエアースピンドル3の回転角度(θ)を測定して、被測定面5の形状測定データ(xc,yc,zc,θc)(c=1,2,3,…)を点列データとして取得する(Step23)。
【0113】
Step23で取得した形状測定データには、プローブ4のx座標がマイナス(図11の位置4Aから4B)の範囲における形状測定データと、プローブ4のx座標がプラス(図11の位置4Aから4C)の範囲における形状測定データとが含まれている。つまり、Step23では、プローブ4のx座標がプラスの範囲の被測定面5の形状測定データ(x,y,z,θ)とプローブ4のx座標がマイナスの範囲の被測定面5の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する。
【0114】
次にStep23で取得した形状測定データ(xc,yc,zc,θc)を、XYZ直交座標系の測定データ(Xc,Yc,Zc)に変換する(Step24)。
【0115】
最小二乗法やニュートン法等既知の方法を使用して、被測定面5の設計形状データと被測定面5の測定データとの差が最小となるように被測定面5の測定データを座標変換して被測定面5の形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)を算出する(Step25)。
【0116】
Step25で求めた被測定面5の形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)には、エアースピンドル3の回転軸3Aに対するプローブ4のx方向とy方向の原点位置誤差による測定誤差が含まれている。プローブ4にx方向の原点位置誤差がある場合の形状誤差データの例を図12に示す。図12は形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)のXcを横軸に、形状誤差であるΔZcを縦軸にしてグラフ表示したものである。プローブ4に原点位置誤差がある場合には、図12の形状誤差データのように、プローブ4のx座標がマイナス(図11の位置4Aから4B)の範囲における形状誤差データ29とプラス(図11の位置4Aから4C)の範囲における形状誤差データ30との間で差が生じる。プローブ4に原点位置誤差が無ければ、形状誤差データ29と形状誤差データ30は重なる。
【0117】
Step25で算出した形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)において、プローブ4のx座標がマイナスの範囲における形状誤差データ29とプラスの範囲における形状誤差データ30の差を算出する。さらに、形状誤差データ29と形状誤差データ30の差の二乗平均値を評価値として、この形状誤差データの差の二乗平均値が設計上の許容値より小さいかを判断し、許容値より大きい場合には原点位置誤差があるものとして、Step27に進む(Step26)。
【0118】
形状誤差データの差の二乗平均値が許容値より大きい場合には、プローブ4のx方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δx'とy方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δy'をパラメータとして形状測定データに加算して、形状測定データ(xc+Δx',yc+Δy',zc,θc)とし、再びStep24に戻る(Step27)。
【0119】
Step24〜Step27のループは、形状誤差データ29と形状誤差データ30の差の二乗平均値が設計上の許容値より小さくなるまで繰り返す。形状誤差の差の二乗平均値が許容値より小さくなったらStep26からStep28に進む。
【0120】
Step24〜Step27のループでは、被測定面5の二つの形状誤差データ29と30の差の評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の原点位置補正値(Δx',Δy')を求め、被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に原点位置補正値(Δx',Δy')を加算して形状測定データを補正し、被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx',y+Δy',z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換している。
【0121】
なお、Step26の判断基準である許容値としては、被測定面の形状に対する許容公差(P−V値,RMS値等)や、この三次元形状測定機において原点位置誤差等の測定誤差が無い状態で取得した形状誤差データに含まれるノイズ成分により発生する形状誤差ΔZcの二乗平均値(すなわち三次元形状測定機の測定能力)等の設計上の許容範囲を加味して設定する。あるいは許容値として形状誤差の差の二乗平均値が最小値であるかを判断基準としてもよい。この場合には、オフセット値Δx'とΔy'を所定量だけ順次変更し、オフセット値の変更前後の形状誤差の差の二乗平均値を比較することにより最小値であるかを判断する。このように形状誤差の差の二乗平均値が最小値であるかを判断基準としてオフセット値を算出すると、三次元形状測定機のノイズ成分が大きい場合にも最適な原点位置誤差の補正値が求められる。
【0122】
Step26で算出した被測定面5の形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)により、被測定面5の設計形状データに対する三次元形状が分かる(Step28)。
【0123】
本実施形態では、エアースピンドル3の回転軸3Aに対するプローブ4のx方向とy方向の原点位置誤差を、被測定面5の形状測定データを用いて算出している。従って、面精度の良い球面や平面等の基準面を用いることなく、被測定面の三次元形状を高精度に評価できる。また、被測定面5の設計形状データと形状測定データとの間の差が最小となるように座標変換して形状誤差を求めているので、エアースピンドル3の回転軸3Aに対して被測定面5が偏心していても、座標変換時に偏心がキャンセルされる。従って、エアースピンドル3の回転軸3Aに対する被測定面5の高精度な心出し調整が不要である。なお、本実施形態では、被測定面5を用いて求めたプローブ4の原点位置補正値(Δx',Δy')に基いて被測定物の測定値を補正しているが、この原点位置補正値(Δx',Δy')に基いてプローブの初期位置すなわち測定座標系の原点位置を補正してから測定を行ってもよい。
【0124】
本明細書においては、これも、形状測定データに原点位置補正値を実質的に加算するに含まれるものとする。つまり、本明細書において、形状測定データに原点位置補正値を実質的に加算するとは、形状測定データに原点位置補正値を実際に加算することだけでなく、原点位置補正値に従って測定座標系の原点位置を補正することも含む。
【0125】
第三実施形態
本実施形態は、三次元形状測定機に向けられている。以下、図13〜図15を参照しながら本実施形態について説明する。
【0126】
図13は、本発明の第三実施形態の三次元形状測定機の構成を概略的に示す斜視図である。図14は、図13に示された三次元形状測定機の主要部を概略的に示している。図15は、図13に示されたコンピュータの主要部を概略的に示している。
【0127】
図13に示されるように、本実施形態の三次元形状測定機は、測定機本体100と、除振台101と、電装ラック130とから成る。測定機本体100は除振台101の石定盤102上に設置されており、外部振動の影響を受けないようになっている。
【0128】
電装ラック130は、測定機本体100のモータやレーザー光源121等の電源等を内蔵する電源部131と、コンピュータ132と、モニター133と、電源スイッチやアラームランプ等を有するパネル134とを備えている。
【0129】
測定機本体100の石定盤102の中央にはエアースピンドル103が設置されている。エアースピンドル103は、図14に示されるように、被測定面104Aを持つ被測定物104を保持する保持部材103Bを有する。保持部材103Bは回転軸103Aを中心軸として回転される。従って、保持部材103Bに保持された被測定物104は、エアースピンドル103の回転軸103Aを回転中心として回転する。なおエアースピンドル103は、図示しないが、回転モータと回転角度(θ)を出力するロータリーエンコーダを内蔵している。
【0130】
図13に示されるように、石定盤102の上には門型コラム105があり、門型コラム105はx軸に平行に延びる二本のx軸ガイド106を支持している。二本のx軸ガイド106にはエアースライド式のxステージ107が設けられている。xステージ107は不図示のリニアサーボモータとガラススケールを有しており、ガラススケールの座標値を基準としてx方向に位置決め制御される。xステージ107はz方向に平行に伸びる二本のz軸ガイドを支持しており、二本のz軸ガイドにはエアースライド式のzステージ108が設けられている。zステージ108も不図示のリニアサーボモータとガラススケールを有しており、ガラススケールの座標値を基準としてz方向に位置決め制御される。またxステージ107には、後述する測長光学系とカバー110を載せたテーブル109が固定されている。zステージ108の下端にはプローブ111が取り付けられている。またテーブル109には、zステージ108とプローブ111の自重を支えるための不図示の定荷重ばねがある。
【0131】
図14に示されるように、プローブ111の下端には、軸113を有するエアースライド112が設けられている。エアースライド112は、その軸113がz方向には摩擦抵抗無く移動し得るが、x方向とy方向には剛性が非常に高く変位しない機構となっている。軸113の上端にはプローブミラー115とガラススケール116が取り付けられ、下端には被測定面104Aと接触するルビー球114が取り付けられている。プローブ111内は、コリメータレンズ117やミラー118、119等の光学部品が設けられている。軸113とプローブミラー115とガラススケール116とルビー球114から成る触針部の自重は、不図示のバネにより支えられている。プローブ111内には、ガラススケール116と対向する検出ヘッド120が設けられており、検出ヘッド120はプローブ111に対する触針部のz方向の変位を検出する。この検出ヘッド120の出力が一定となるように、zステージ108のリニアサーボモータを駆動しプローブ111を位置決め制御する。
【0132】
以上のような構成により、ルビー球114の接触圧を、一定に保ちながら、プローブ111は被測定面104Aのz軸に沿った変位に追従される。
【0133】
次に、プローブ111のxyzの三次元座標を測定するヘテロダイン測長干渉計について説明する。
【0134】
図13に示されるように、測定機本体100の石定盤102上にはベース125があり、ベース125はレーザー光源121やミラー123や干渉計124等を支持している。測定機本体100は、プローブ111のxyz座標を測定するための基準となるx軸基準ミラー126とy軸基準ミラー(不図示)とz軸基準ミラー127を有している。これら三個の基準ミラーは、xステージ107やzステージ108等の可動部とは分離されて、石定盤102またはベース125に固定されており、各軸の測定基準となっている。
【0135】
レーザー光源121から射出されたレーザー光122は、ミラー123で曲げられ干渉計124に入射する。干渉計124において、レーザー光122はx軸とy軸とz軸用に三分割され、更にそれぞれの軸用のレーザー光は参照光と測定光とに二分割されて計六本のレーザー光となり、干渉計124からカバー110の内部の測長光学系に向けて射出される。
【0136】
カバー110に入射したx軸参照光128Rとx軸測定光128Sは、測長光学系(不図示)により折り曲げられ、プローブ111の方向に向けられる。x軸参照光128Rは、プローブ111のミラー118で曲げられ、x軸基準ミラー126の基準面126Aで反射され、干渉計124に戻る。またx軸測定光128Sは、プローブ111のミラー119で反射され、干渉計124に戻る。干渉計124に戻ったx軸参照光128Rとx軸測定光128Sのビート信号を検出することにより、プローブ111のx軸方向の位置を測定する。また図示していないが、プローブ111のy軸方向の位置についても同様にして測定される。
【0137】
干渉計124から射出されカバー110に入射したz軸参照光129Rは、カバー110の内部の測長光学系を構成するミラー141で反射され干渉計124に戻る。一方、カバー110に入射したz軸測定光129Sは、カバー110の内部の測長光学系を構成するPBS142と144、1/2波長板143、1/4波長板145と146とプローブ111のコリメータレンズ117により、z軸基準ミラー127の基準面127Aと触針部のプローブミラー115で反射される。更に測長光学系を構成する三個のミラー147とPBS142で反射され干渉計124に戻る。干渉計124に戻ったz軸参照光129Rとz軸測定光129Sのビート信号を検出することにより、プローブ111のz軸方向の位置を測定する。ヘテロダイン測長干渉計を以上のような構成とし、測定基準である三個の基準ミラーの基準面に対するプローブ111のxyz座標を測定するので、xステージ107とzステージ108の真直度誤差の影響を受けずにプローブ111の三次元座標(x,y,z)を高精度に測定できる。
【0138】
図15に示されるように、コンピュータ132は、全体の制御を行う制御部150と、測定機本体100の制御を行うための制御プログラムを格納したプログラムメモリ151と、被測定面104Aの設計式、測定条件、各種データ等の入力を行う入力手段152と、形状測定データ等の各種データを記憶する記憶手段153と、形状測定データ等の座標変換を行う座標変換手段154と、形状測定データに含まれる測定誤差を補正する補正値を演算する補正値演算手段155と、形状測定データを補正するデータ修正手段156とを備えている。
【0139】
以上のように構成された三次元形状測定機において、第二実施形態で示した測定方法(図10〜図12参照)を用いて非球面レンズ104の非球面104Aの形状測定を行う。
【0140】
まず、非球面104Aを有する非球面レンズ104を、保持部材103Bを介してエアースピンドル103に固定する(Step21)。またコンピュータ132の入力手段152により、非球面104Aの設計式や有効半径(測定半径)R、測定条件等を入力する。入力された設計式等は制御部150の制御に基づき記憶手段153に記憶される。
【0141】
次に手動操作あるいは制御部150の制御に基づき、xステージ107とzステージ108を駆動してプローブ111を移動し、エアースピンドル103の回転軸103A付近の位置(図11の位置4A)でルビー球114を非球面104Aに接触させる。ルビー球114の接触圧が一定となるように、検出ヘッド120の出力を用いたzステージ108の位置制御を開始する。その後、プローブ111のxyz座標値とエアースピンドル103のロータリーエンコーダの回転角度をリセットする(Step22)。
【0142】
プローブ111の位置はエアースピンドル103の回転軸103Aに厳密に一致させる必要はなく、非球面104Aの形状測定時にルビー球114が非球面104Aから外れない程度に合わせればよい。
【0143】
制御部150の制御に基づき、非球面レンズ104をエアースピンドル103により回転させながら、zステージ108を制御してプローブ111を非球面104Aの高さ変化(z軸に沿った変化)に追従させる。さらに、非球面104Aの測定範囲である±Rの範囲(図11の位置4Bから位置4Cまでの範囲)でプローブ111をxステージ107により移動する。このときのヘテロダイン測長干渉計によるプローブ111のxyz座標(x,y,z)と、エアースピンドル103のロータリーエンコーダによる回転角度(θ)を点列データとしてコンピュータ132に取り込み、非球面104Aの形状測定データ(xc,yc,zc,θc)(c=1,2,3,…)として記憶手段153に記憶する(Step23)。
【0144】
記憶手段153に記憶された形状測定データには、プローブ111のx座標がマイナス(図11の位置4Aから4B)の範囲における形状測定データと、プローブ111のx座標がプラス(図11の位置4Aから4C)の範囲における形状測定データとが含まれている。
【0145】
次にStep23で取得した形状測定データ(xc,yc,zc,θc)を、座標変換手段154により直交座標系の測定データ(Xc,Yc,Zc)に変換する(Step24)。
【0146】
更に座標変換手段154により、最小二乗法やニュートン法等既知の方法を使用して、非球面104Aの設計形状データと非球面104Aの測定データとの差が最小となるように測定データを座標変換することにより、非球面104Aの形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)を算出して記憶手段153に記憶する(Step25)。被測定面は非球面であるので、座標変換のパラメータとしては、x軸とy軸とz軸に沿った三つの並進移動と、x軸とy軸の周りの二つの回転移動を用いる。
【0147】
Step25で求めた非球面104Aの形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)には、エアースピンドル103の回転軸103Aに対するプローブ111のx方向とy方向の原点位置誤差による測定誤差が含まれている。形状誤差データは、例えば図12に示されるグラフとなり、プローブ111のx座標がマイナスの範囲における形状誤差データ29とプラスの範囲における形状誤差データ30との間で差が生じる。プローブ111に原点位置誤差が無ければ、形状誤差データ29と形状誤差データ30は重なる。
【0148】
次に補正値演算手段155において、Step25で算出した形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)のプローブ111のx座標がマイナスの範囲における形状誤差データ29とプラスの範囲における形状誤差データ30の差を算出する。さらに、形状誤差データ29と形状誤差データ30の差の二乗平均値を評価値として、この形状誤差データの差の二乗平均値が設計上の許容値より小さいかを判断し、許容値より大きい場合にはStep27に進む(Step26)。
【0149】
形状誤差データの差の二乗平均値が許容値より大きい場合には、データ修正手段156において、プローブ111のx方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δx'とy方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δy'をパラメータとして形状測定データに加算して、形状測定データ(xc+Δx',yc+Δy',zc,θc)とし記憶手段153に記憶し、再びStep24に戻る(Step27)。
【0150】
Step24〜Step27のループは、形状誤差データ29と形状誤差データ30の差の二乗平均値が設計上の許容値より小さくなるまで繰り返す。形状誤差の差の二乗平均値が許容値より小さくなったら、このときのオフセット値(Δx',Δy')と形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)を記憶手段153に記憶し、Step26からStep28に進む。
【0151】
Step24〜Step27のループでは、被測定面の二つの形状誤差データ29と30の差の評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の原点位置補正値(Δx',Δy')を求め、被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に原点位置補正値(Δx',Δy')を加算して形状測定データを補正し、被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx',y+Δy',z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換している。
【0152】
Step26で算出した非球面104Aの形状誤差データ(Xc,Yc,ΔZc)により、非球面104Aの設計形状データに対する三次元形状が分かる。非球面104Aの測定結果としては、形状誤差データΔZcのP−V値やRMS値等の数値、あるいは形状誤差データを2次元や三次元の図形としてモニター133に表示する(Step28)。
【0153】
本実施形態によれば、エアースピンドル103の回転軸103Aに対するプローブ111のx方向とy方向の原点位置誤差を、非球面104Aの形状測定データを用いて算出している。従って、面精度の良い球面や平面等の基準面を用いることなく非球面104Aの三次元形状を高精度に評価できる。また非球面104Aの設計形状データと形状測定データとの間の差が最小となるように座標変換して形状誤差を求めているので、エアースピンドル103の回転軸103Aに対して非球面104Aが偏心していても、座標変換時に偏心がキャンセルされる。従ってエアースピンドル103の回転軸103Aに対する非球面104Aの高精度な心出し調整が不要である。
【0154】
本実施形態では、接触式プローブを用いた三次元形状測定機に対して第二実施形態で説明した測定方法を適用した例であるが、同測定方法の適用対象は公知の光プローブを被測定面との距離を一定に保ちながら走査する非接触式の三次元形状測定機であってもよい。
【0155】
また、本実施形態の三次元形状測定機においては、第二実施形態の方法に従った測定動作について説明したが、第一実施形態の方法に従って測定を行ってもよい。例えば、第一実施形態において説明したように、面精度の良い平面の形状測定データと曲率半径が既知で面精度の良い球面の一部の形状測定データとを取得し、それらの形状測定データの測定誤差データに基づいて、エアースピンドル103の回転軸103Aと直交する面に対するヘテロダイン測長干渉計の測定座標系の傾き誤差(回転軸103Aに対するx軸基準ミラー126の基準面126Aの傾き誤差など)や、ヘテロダイン測長干渉計の測定座標系のx軸とy軸とz軸の相対的な直角度誤差(x軸基準ミラー126の基準面126Aとy軸基準ミラーの基準面(不図示)とz軸基準ミラー127の基準面127Aの相対的な直角度誤差)を算出し、形状測定データを補正することが可能である。
【0156】
また本実施形態では、Step22においてルビー球114の位置が図11の位置4Aにあるときに、プローブ111のxyz座標値をリセットしたが、図11の位置4B付近でプローブ111のxyz座標をリセットし被測定面104Aの形状を測定することも可能である。この場合、プローブ111のxyz座標の初期座標を(−R,0,0)とする。そしてプローブ111を図11の位置4Bから位置4Cまで一連の動作でx軸に沿って移動させて形状測定データを取得する。このようにすると、形状測定時のプローブ111のx軸に沿った移動は一方向(図11の位置4Bから4Cの方向)で済むので測定時間の短縮が図れる。
【0157】
また、プローブ111のx座標がマイナスの範囲における形状測定データを取得した後、一旦、zステージ108を上昇させてルビー球114を被測定面104Aから離し、xステージ107によりプローブ111のx座標がプラスの範囲となるまでzステージ108を移動し、zステージ108を下降させてルビー球114を再び被測定面104Aに接触させ、プローブ111のx座標がプラスの範囲における形状測定データを取得してもよい。このようにすると、被測定面104Aの中央部(回転軸103A付近)に円形の穴が開いたようなドーナツ状の被測定物の形状測定も可能となる。
【0158】
また、本実施形態のStep23では、形状測定データは点列データとして取得しているが、以降のStep24〜Step28では、プローブ111のx座標がマイナスの範囲の形状測定データとプラスの範囲の形状測定データのそれぞれに対応する近似曲面式を適宜求めて、求めた近似曲面式を基に補正値の演算等を行ってもよい。
【0159】
また、本実施形態のようにプローブ111をx軸とz軸に沿って移動させる構成では、x軸に沿った原点位置誤差の方がy軸に沿った原点位置誤差よりも形状誤差データに与える影響が大きい。このため、y軸に沿った原点位置誤差よりも、x軸に沿った原点位置誤差の方が検出感度が高い。そこで本実施形態に示した三次元形状測定機に、更にyステージを追加し、プローブ111をx軸とy軸とz軸に沿って移動させ得る構成としてもよい。この場合には、まずプローブ111をy軸に沿って移動させて非球面104Aの形状測定データを取得し、検出感度の高いy方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δy'を求める。その後プローブ111をx軸に沿って移動させて非球面104Aの形状測定データを取得し、検出感度の高いx方向の原点位置誤差を補正するオフセット値Δx'を求める。それぞれの形状測定データから求めたオフセット値(Δx',Δy')を記憶手段153に記憶しておき形状測定データを補正する。以上のように測定機本体100にyステージを追加し、プローブ111がy軸に沿っても移動可能な構成として、非球面104Aの形状を測定することにより、x軸に沿った原点位置誤差の補正値とy軸に沿った原点位置誤差の補正値を更に高精度に求めることができるので、非球面104Aのより高精度な形状測定が可能となる。
【0160】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0161】
【発明の効果】
本発明によれば、プローブを被測定面の回転軸上に正確に位置決めする必要なく、被測定面の三次元形状を測定し得る三次元形状測定方法が提供される。また、プローブを被測定面の回転軸上に位置決めするための光学系を必要としない、被測定面の三次元形状を測定し得る三次元形状測定機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例における三次元形状測定機のプローブと被測定面とエアースピンドルの関係を示す概念図である。
【図2】 参考例における三次元形状測定方法におけるフローチャートを示している。
【図3】 被測定面の回転軸に対する偏心誤差がキャンセルされる原理を示す概念図である。
【図4】 原点位置誤差がある場合に発生する測定誤差を示す概念図である。
【図5】 参考例において、プローブにx方向の原点位置誤差がある場合の測定誤差データのグラフを示している。
【図6】 参考例において、プローブにy方向の原点位置誤差がある場合の測定誤差データのグラフの一例を示している。
【図7】 本発明の第一実施形態において、プローブにx方向の原点位置誤差がある場合の測定誤差データのグラフの一例を示している。
【図8】 第一実施形態において、エアースピンドルの回転軸と直交する面に対する測定座標系のx軸の傾き誤差がある場合の測定誤差データのグラフの一例を示している。
【図9】 第一実施形態において、測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差がある場合の測定誤差データのグラフの一例を示している。
【図10】 本発明の第二実施形態の三次元形状測定方法のフローチャートを示している。
【図11】 第二実施形態の三次元形状測定方法における測定範囲の説明図である。
【図12】 第二実施形態において、プローブにx方向の原点位置誤差がある場合の測定誤差データのグラフの一例を示している。
【図13】 本発明の第三実施形態の三次元形状測定機の構成を概略的に示す斜視図である。
【図14】 図13に示された三次元形状測定機の主要部を概略的に示している。
【図15】 図13に示されたコンピュータの主要部を概略的に示している。
【図16】 従来技術の三次元形状測定機の構成を概略的に示している。
【符号の説明】
1…基準球面、2…基準球、3…エアースピンドル、3A…回転軸、4…プローブ。

Claims (5)

  1. 被測定面の三次元形状を測定する方法であり、
    設計形状データが既知の基準面を持つ基準物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ)を測定する工程と、
    互いに略直交するx軸とy軸とz軸を有し、z軸が回転手段の回転軸に略平行に設定された測定座標系において、回転している基準面にプローブを接触させ、基準面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定する工程と、
    プローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから基準面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する工程と、
    基準面の形状測定データ(x,y,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程と、
    基準面の設計形状データと基準面の形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して基準面の測定誤差データ(X,Y,ΔZ)を算出する工程と、
    基準面の測定誤差データの評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の補正値(Δx,Δy)を求める工程と、
    基準物に代えて被測定面を持つ被測定物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ)を測定する工程と、
    回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、プローブをx軸に沿って移動させると共に、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定する工程と、
    測定座標系内のプローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する工程と、
    被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx,Δy)を実質的に加算して形状測定データを補正する工程と、
    被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx,y+Δy,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程とを有し、基準面は平面であり、測定誤差データを算出する工程の座標変換は、平面の基準面(以下「基準平面」という)の設計形状データと基準平面の形状測定データとを相対的にx軸とy軸との周りに回転移動させると共にz軸に沿って並進移動させる変換である、三次元形状測定方法。
  2. 請求項において、更に、基準平面の測定誤差データの評価値を設計上の許容値よりも小さくする回転手段の回転軸と直交する面に対するプローブの測定座標系のx軸の傾き誤差の補正値(Ex)を求める工程と、被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に傾き誤差の補正値を実質的に加算して形状測定データを補正する工程とを有している、三次元形状測定方法。
  3. 請求項または請求項において、更に、
    設計形状データが既知の球面の一部から成る基準面(以下「基準球面」という)を持つ基準物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ')を測定する工程と、
    基準球面とプローブの接触を維持しつつプローブを走査すると共にプローブの位置を測定する工程と、
    回転している基準面にプローブを接触させ、基準面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x',y',z')を測定する工程と、
    プローブのxyz座標(x',y',z')と回転手段の回転角(θ')とから基準球面の形状測定データ(x',y',z',θ')を取得する工程と、
    基準球面の形状測定データ(x',y',z',θ')をXYZ直交座標系の形状測定データ(X',Y',Z')に変換する工程と、
    基準球面の設計形状データと基準球面の形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して基準球面の測定誤差データ(X',Y',ΔZ')を算出する工程と、
    基準球面の測定誤差データの評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブの測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差の補正値(Gz)を求める工程と、
    基準物に代えて被測定面を持つ被測定物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ')を測定する工程と、
    回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x',y',z')を測定する工程と、
    測定座標系内のプローブのxyz座標(x',y',z')と回転手段の回転角(θ')とから被測定面の形状測定データ(x',y',z',θ')を取得する工程と、
    被測定面の形状測定データ(x',y',z',θ')に測定座標系のx軸に対するz軸の直角度誤差の補正値(Gz)を実質的に加算して形状測定データを補正する工程と、
    被測定面の補正された形状測定データをXYZ直交座標系の形状測定データ(X',Y',Z')に変換する工程とを有している、三次元形状測定方法。
  4. 被測定面の三次元形状を測定する方法であり、
    被測定面を持つ測定物を回転手段により回転させると共に回転手段の回転角(θ)を測定する工程と、
    互いに略直交するx軸とy軸とz軸を有し、z軸が回転手段の回転軸に略平行に設定された測定座標系において、x座標がプラスの範囲とマイナスの範囲とにおいて、回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させると共に、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定する工程と、
    プローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから、プローブのx座標がプラスの範囲における被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)とプローブのx座標がマイナスの範囲における被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する工程と、
    被測定面の二つの形状測定データ(x,y,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程と、
    被測定面の設計形状データと被測定面の二つの形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して被測定面の形状誤差データ(X,Y,ΔZ)を算出する工程と、
    プローブのx座標がプラスの範囲における被測定面の形状誤差データとプローブのx座標がマイナスの範囲における被測定面の形状誤差データとの差を算出する工程と、
    被測定面の二つの形状誤差データの差の評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の補正値(Δx',Δy')を求める工程と、
    被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx',Δy')を実質的に加算して形状測定データを補正する工程と、
    被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx',y+Δy',z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する工程とを有している、三次元形状測定方法。
  5. 被測定面の三次元形状を測定する測定機であり、
    被測定面を持つ測定物を回転させる回転手段と、
    回転している被測定面に接触されるプローブと、
    プローブと被測定面の接触を維持しつつプローブを走査する走査手段と、
    回転手段の回転角(θ)を測定する回転角測定手段と、
    走査中のプローブの位置を測定する位置測定手段とを備えており、
    位置測定手段は、互いに略直交するx軸とy軸とz軸を持つ測定座標系を有し、測定座標系はz軸が回転手段の回転軸に略平行に設定されており、走査手段は、プローブをx軸とz軸に沿って移動させるステージを含み、測定座標系のx座標がプラスの範囲とマイナスの範囲とにおいて、回転している被測定面にプローブを接触させ、被測定面の高さ変化(z軸に沿った変化)にプローブを追従させ、回転手段の回転軸に略直交するx軸に沿ってプローブを移動させ、位置測定手段は、プローブのxyz座標(x,y,z)を測定し、
    三次元形状測定機は更に、
    プローブのxyz座標(x,y,z)と回転手段の回転角(θ)とから、プローブのx座標がプラスの範囲の被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)とプローブのx座標がマイナスの範囲の被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)を取得する手段と、
    被測定面の二つの形状測定データ(x,y,z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する手段と、
    被測定面の設計形状データと被測定面の二つの形状測定データとの間の誤差が最小となるように座標変換して被測定面の形状誤差データ(X,Y,ΔZ)を算出する手段と、
    プローブのx座標がプラスの範囲における被測定面の形状誤差データとプローブのx座標がマイナスの範囲における被測定面の形状誤差データとの差を算出する手段と、
    被測定面の二つの形状誤差データの差の評価値を設計上の許容値よりも小さくするプローブのxy座標の補正値(Δx',Δy')を求める手段と、
    被測定面の形状測定データ(x,y,z,θ)に補正値(Δx',Δy')を加算して形状測定データを補正する手段と、
    被測定面の補正された形状測定データ(x+Δx',y+Δy',z,θ)をXYZ直交座標系の形状測定データ(X,Y,Z)に変換する手段とを有している、三次元形状測定機。
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