JP4242383B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents
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Description
一般に、画像読み取り装置では、光源の光を原稿の画像面に照射し、その画像面からの反射光を複数のミラーで反射させながら集光レンズを通してCCD等の読み取りデバイスに入射させ、この読み取りデバイスで反射光を電気信号に変換している。
これに対処するに、光学移動体が出荷ポジションから離脱したことをスイッチなどの検出手段で検出することも考えられるが、出荷ポジションからの固定解除は通常は納入時に1度実行するだけであり、そのためだけに前記検出手段を追加するのはコストアップにもなるので現実的でない。
そこで、この発明は、コストアップを招くことなく、セットアップ時に光学移動体等の損傷を防止することができる画像読み取り装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、光学系を搭載し原稿載置部に沿って移動可能な光学移動体と、前記光学移動体を移動せしめる駆動モータと、前記光学移動体を出荷ポジションに固定する固定手段と、前記光学移動体を前記出荷ポジションからホームポジションへ移動させるときに前記駆動モータに流す電流を通常の読み取り動作時に流す電流よりも小さい電流に制御する固定解除制御モードと、を備えることを特徴とする画像読み取り装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記駆動モータはステッピングモータであることを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、光学移動体が出荷ポジションから離脱していない場合に、これをホームポジション検出手段で検出し、報知手段でユーザーに報知して、固定手段の解除を促すことができる。
請求項3に係る発明によれば、誤って固定手段を解除しない状態で駆動モータを運転したときには、駆動モータを確実に脱調させることができる。
図1は出荷状態における画像読み取り装置1の要部縦断面図であり、図2は図1のII−II矢視図である。画像読み取り装置1は矩形箱形のハウジング2を備え、ハウジング2の上部開口2aには透明ガラスからなるコンタクトガラス3が固定されていて、読み取るべき原稿がこのコンタクトガラス3の上に載置される。すなわち、コンタクトガラス3の上面が原稿載置部3aとなる。ハウジング2の上部には、コンタクトガラス3の上に載置された原稿を押さえつける原稿押さえ板4が、その一端側を支点にして上下方向に回動可能に取り付けられている。また、ハウジング2の上面であってコンタクトガラス3から離間した部位には表示部5が設けられている。表示部5には、画像読み取り装置1の情報(例えばエラー情報等)が表示される。
第1光学移動体10は、ランプキャリッジ11に、光源12、反射板13、第1ミラー14(光学系)が搭載されてなる。光源12はLEDアレイや蛍光管ランプ等によって構成されており、コンタクトガラス3の下方から原稿の画像面に向けて光を照射する。反射板13は、光源12から出射された光を効率良く原稿の画像面に照射させるものである。第1ミラー14は、原稿の画像面で反射された原稿の反射光を第2光学移動体20に向けて反射させるものである。また、第1光学移動体10には、ホームポジションスイッチ50の検知対象となる遮光板15が取り付けられている。
ホームポジションスイッチ50はフォトインタラプタなどから構成されていて、図示しないサポートを介してハウジング2に固定されている。ホームポジションスイッチ50は、図2及び図3に示すようにホームポジションスイッチ50の光路が遮光板15によって遮られているときに「ON」となり、図4及び図5に示すようにホームポジションスイッチ50の光路が遮られていないときに「OFF」となる。
撮像部40は、第2光学移動体20の軌道延長上に配置され、ハウジング2に固定されたベース6に設置されている。撮像部40は、複数のレンズからなる集光レンズ群41と、固体撮像素子としてのCCD42とを備えている。集光レンズ群41は、第3ミラー23からの反射光をCCD42に集光させるものであり、CCD42は、集光レンズ群41により集光された原稿反射光を受光して電気信号(画像データ)に変換する。なお、集光レンズ群41とCCD42は、原稿反射光がCCD42上で結像するように位置決めされている。
画像読み取り装置1の通常の運転時には第1光学移動体10及び第2光学移動体20が出荷ポジションまで移動することはなく、出荷時にシミュレーション等の操作で「出荷設定」を選択した時にだけ、前記駆動制御回路がステッピングモータ31を制御して、第1光学移動体10及び第2光学移動体20を出荷ポジションまで移動させるように構成されている。
固定解除制御モードにおいて、ステッピングモータ31に流す電流は、通常の画像走査時(画像読み取り動作時)に流す電流よりも小さく、ステッピングモータ31が脱調を起こさすことなくワイヤ34を引っ張って第1光学移動体10及び第2光学移動体20を移動させることができる程度の大きさに制御される。さらに、ステッピングモータ31は第1光学移動体10及び第2光学移動体20を次のように移動するように制御される。
このように誤操作された場合にも、この画像読み取り装置1によれば、第1光学移動体10、第2光学移動体20、駆動装置30などが損傷するのを防止することができ、且つ、ユーザーにネジ7の取り外しを促すことができる。以下、画像読み取り装置1の始動制御を図6のフローチャートに従って説明する。
ステップS102における判定結果が「YES」(出荷設定)である場合は、ステップS103に進み、ステッピングモータ31の運転を固定解除制御モードで制御する。前述したように、固定解除制御モードではステッピングモータ31に流す電流が画像走査モードのときよりも小さい電流で制御される。
前述したように、画像読み取り装置1をONする前にネジ7が取り外されているときには、ステッピングモータ31の運転により第1光学移動体10及び第2光学移動体20は出荷ポジションを離れ、ホームポジションを通り過ぎてホームポジションスイッチ50がOFFになるはずである。
しかしながら、ネジ7が取り外されていないときにはステッピングモータ31が運転されても第1光学移動体10及び第2光学移動体20は移動することが不可能なため、ホームポジションスイッチ50はいつまでもON状態に保持されることになる。この場合、第1光学移動体10及び第2光学移動体20が移動不能な状態でステッピングモータ31を運転することになるが、固定解除制御モードではステッピングモータ31に流す電流が小さく制御されているので、ステッピングモータ31が脱調するだけで済み、ワイヤ34が外れたり、第1光学移動体10のランプキャリッジ11や第2光学移動体20のミラーキャリッジ21に負荷が加わって損傷したりするのを防止することができる。
一方、ステップS104における判定結果が「NO」である場合は、ネジ7が取り外されていないと判断し、ステップS108に進み、固定解除を促すメッセージを表示部5に表示して、ステッピングモータ31の運転を停止して、本ルーチンの実行を終了する。これにより、ユーザーは表示部5の表示からネジ7を取り外していないことを認識することができる。つまり、この実施の形態では、表示部5にメッセージを表示することで、「固定手段の未解除」を報知する。
また、ステップS102における判定結果が「NO」である場合は、「出荷設定」ではないので、ステップS106に進んで画像走査モードとしてステッピングモータ31の制御電流を通常制御にし、ステップS107において通常処理に移行する。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、光学移動体を固定する固定手段はネジに限るものではなく、フックなど種々の機構で構成することが可能である。
また、固定手段が未解除であることの報知手段は、表示部へのメッセージ表示に限るものではなく、ブザーによる警報などであってもよい。
3a 画像載置部
5 表示部(報知手段)
7 ネジ(固定手段)
10 第1光学移動体(光学移動体)
12 光源(光学系)
13 反射板(光学系)
14 第1ミラー(光学系)
20 第2光学移動体(光学移動体)
22 第2ミラー(光学系)
23 第3ミラー(光学系)
31 ステッピングモータ(駆動モータ)
50 ホームポジションスイッチ(ホームポジション検出手段)
Claims (3)
- 光学系を搭載し原稿載置部に沿って移動可能な光学移動体と、
前記光学移動体を移動せしめる駆動モータと、
前記光学移動体を出荷ポジションに固定する固定手段と、
前記光学移動体を前記出荷ポジションからホームポジションへ移動させるときに前記駆動モータに流す電流を通常の読み取り動作時に流す電流よりも小さい電流に制御する固定解除制御モードと、
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。 - 前記固定解除制御モードのときの前記光学移動体の移動経路は、前記出荷ポジションから出発して前記ホームポジションを通過した後に再び該ホームポジションに戻る経路であり、
前記光学移動体の前記ホームポジションへの帰還を検出するホームポジション検出手段と、
前記固定解除制御モードを実行したときに前記ホームポジション検出手段が前記光学移動体の帰還を検出しない場合に未解除を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。 - 前記駆動モータはステッピングモータであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読み取り装置。
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