JP4242032B2 - 4−置換ピペリジン誘導体フッ化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬として、具体的にはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤として、より具体的には各種老人性痴呆症、脳血管性痴呆または注意欠陥多動障害(ADHD, Attention Deficit Hyperactivity Disease)の予防・治療・改善剤として、各種老人性痴呆症としてさらに具体的にはアルツハイマー型老年痴呆の予防・治療・改善剤である有用な新規化合物、またその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
老年人口が急激に増大する中で、アルツハイマー型老年痴呆などの老年痴呆や脳血管性痴呆、注意欠陥多動障害の治療法を確立することが渇望されている。
これらの疾患の治療薬の開発は種々の方法から研究されているが、有力な方向として、これらの疾患は脳のコリン作動性機能低下を伴うことから、アセチルコリン前駆物質、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の方向から開発することが提案され、実際に臨床でも応用されている。代表的なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤としては、塩酸ドネペジル〔Donepezil Hydrochloride, 1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩〕、リバスティグミン〔Rivastigmine, N-エチル-N-メチルカルバミン酸3-[1-(ジメチルアミノ)エチル]フェニル〕、メトリフォネート〔Metrifonate, (2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)リン酸ジメチル〕、塩酸タクリン〔Tacrine Hydrochloride, 1,2,3,4-テトラヒドロ-9-アクリジナミン〕、臭化水素酸ガランタミン〔Galanthamine Hydrobromide〕、ネオスティグミン〔Neostigmine〕、フィゾスチグミン〔Physostigmine〕などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこれらの薬剤の中で、実際に臨床で使用されて疾患に対する薬理効果が確認され、しかも副作用や投与回数の観点からも十分な有用性が認められるのは塩酸ドネペジルのみであり、他のものは効果が十分でない、好ましくない副作用がある、1日の投与回数が多い、注射剤のみで経口投与不可など、何らかの欠点を有しており、塩酸ドネペジル以外には、ほとんど選択肢がないのが現状である。上述のように塩酸ドネペジルは優れた薬剤であるが、さらに優れた効果を有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤があれば、臨床における薬剤選択肢が広がり、より好ましいことは言うまでもなく、したがって、本発明の目的は、医薬として、具体的にはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤として、より具体的には各種老人性痴呆症、脳血管性痴呆または注意欠陥多動障害の予防・治療・改善剤として、各種老人性痴呆症としてさらに具体的にはアルツハイマー型老年痴呆の予防・治療・改善剤として有用な新規化合物、またその製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、より優れた効果を有し、かつ安全性もより高い薬剤を開発すべく、永年にわたって種々の化合物について鋭意研究を重ねてきた。その結果、式
【化11】
〔式中、R1は下記置換基
【化12】
(式中、R3は同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アルコキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メルカプト基またはC1-6チオアルコキシ基を示す;
R4は水素原子またはC1-6アルキル基を示す;
下記式
【化13】
で表される結合は単結合または二重結合を示す;
mは0または1ないし6の整数を示す;
nは1ないし4の整数を示す;
pは1または2の整数を示す。)から選ばれたいずれかの基を示す;
R2はC3-8シクロアルキルメチル基、2,2-(アルキレンジオキシ)エチル基または式
【化14】
(式中、環Aはベンゼン環または複素環を示す;
R5はそれぞれ同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトリル基、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アルコキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メルカプト基またはC1-6チオアルコキシ基を示し、さらに、R5は2つのR5どうしで脂肪環、芳香環、ヘテロ環またはアルキレンジオキシ環を形成してもよい。;
qはそれぞれ0または1ないし5の整数を示す。)で表される基を示す;
ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンもしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物を除く。〕で表わされる新規な4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物が所期の目的を達することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明の第一の特徴は、
1) 前記式(I)で表される4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物にあり、さらに、
2) 上記1)において、R1は式
【化15】
〔式中、R3、mおよびnは前記定義に同意義を示す。〕で表される基であってもよく、
3) 上記1)において、R2は式
【化16】
〔式中、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で表される基であってもよく、
4) 上記3)において、環Aは式
【化17】
〔式中、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で表される基であってもよく、
5) 上記3)において、環Aは芳香族複素環であってもよく、
6) 上記3)において、環Aはピリジン環であってもよく、
7) 上記1)ないし6)において、qは1または2の整数であってもよく、
8) 上記1)において、4−置換ピペリジン誘導体フッ化物は
(1) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(2) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]ピペリジン
(3) 1-ベンジル-4-[2-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]エチル]ピペリジン、
(4) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(3-フルオロベンジル)ピペリジン、
(5) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(3-メチルベンジル)ピペリジン、
(6) 1-シクロヘキシルメチル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(7) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリジン、
(8) 1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(9) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2-フルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-8-イル)-1-プロパノン、
(10) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2,2-ジフルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-8-イル)-1-プロパノン、
(11) 5,7-ジヒドロ-3-{1-フルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソオキサゾール-6-オン、
(12) 5,7-ジヒドロ-3-{1,1-ジフルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソオキサゾール-6-オン、
(13) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2-フルオロ-1-プロパノンおよび
(14) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2,2-ジフルオロ-1-プロパノンから選ばれたいずれか一種であってもよい。
また、本発明の第二の特徴は、
9) 上記1)記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物を有効成分としてなる医薬にあり、さらに、
10) 上記9)において、当該医薬はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤であってもよく、
11) 上記9)において、当該医薬は各種老人性痴呆症、脳血管性痴呆または注意欠陥多動障害の治療・予防・改善剤であってもよく、
12) 上記11)において、各種老人性痴呆症はアルツハイマー型老年痴呆であってもよい。
また、本発明の第三の特徴は、
13) 式
【化18】
〔式中、R11は下記置換基
【化19】
(式中、R3、R4、n、m、pおよび下記式
【化20】
で表される結合は前記定義に同意義を示す。)から選ばれたいずれかの基を示す;
R2は前記定義に同意義を示す;
ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンを除く。〕で表される4−置換ピペリジン誘導体をフッ素化し、必要に応じて塩にすることを特徴とする上記1)記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物の製造法にあり、さらに、
14) 上記13)に記載の製造法において、フッ素化剤はN-フルオロベンゼンスルホンイミド、3-シクロヘキシル-2-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-1,1-ジオキシド-1,2-ベンズイソチアゾールまたは2-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1,2-ベンズイソチアゾール 1,1-ジオキシドであってもよい。
【0006】
以下に、本願明細書において記載する記号、用語等の意味を説明し、本発明を詳細に説明する。
【0007】
なお、本願明細書中においては、化合物の構造式が便宜上一定の異性体や同位体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる総ての、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体などの異性体、異性体混合物および同位体を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよく、また、いずれか一の同位体でもよい。したがって、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体およびラセミ体が存在することがあり得るが、本発明においては限定されず、いずれもが含まれる。さらに結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、いずれかの結晶形単一あるいは混合物であってもよく、無水物以外に水和物であってもよい。
【0008】
[R 1 の意義]
前記式(I)において、R1は下記式
【化21】
〔式中、R3は同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アルコキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メルカプト基またはC1-6チオアルコキシ基を示す;
R4は水素原子またはC1-6アルキル基を示す;
下記式
【化22】
で表される結合は単結合または二重結合を示す;
mは0または1ないし6の整数を示す;
nは1ないし4の整数を示す;
pは1または2の整数を示す。〕で表わされる置換基から選ばれたいずれかの基を示す。ただし、式(I)で表わされる4−置換ピペリジン誘導体フッ化物が、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンとなる場合を除く。
【0009】
前記R3で示される「ハロゲン原子」とは、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の原子を示し、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子である。
【0010】
前記R3およびR4で示される「C1-6アルキル基」とは、炭素数1ないし6のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、1-メチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基等の直鎖または分枝状アルキル基があげられる。
【0011】
前記R3で示される「C3-8シクロアルキル基」とは、炭素数3ないし8の環状アルキル基を意味し、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等があげられる。
【0012】
前記R3で示される「C1-6アルコキシ基」とは、前記定義における「C1-6アルキル基」に同意義の基が酸素原子と結合した基を意味し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の直鎖または分枝状アルコキシ基があげられる。
【0013】
前記R3で示される「C1-6アルコキシアルコキシ基」とは、前記定義におけるC1-6アルコキシ基に同意義の基にさらに「C1-6アルコキシ基」が結合した基を意味し、例えばメトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシプロポキシ基等があげられる。
【0014】
前記R3で示される「ハロゲン化C1-6アルキル基」とは、前記定義におけるC1-6アルキル基に同意義の「C1-6アルキル基」に1または2個以上の同一または相異なるハロゲン原子が結合した基を意味し、例えばクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基等があげられる。
【0015】
前記R3で示される「ヒドロキシC1-6アルキル基」とは、前記定義におけるC1-6アルキル基に同意義の基に1または2個以上の水酸基が結合した基を意味し、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、2,3-ジヒドロキシプロピル基等があげられる。
【0016】
前記R3で示される「シアノC1-6アルキル基」とは、前記定義におけるC1-6アルキル基に同意義の基に1または2個以上のシアノ基が結合した基を意味し、具体的には例えばシアノメチル基、シアノエチル基、シアノプロピル基等があげられる。
【0017】
前記R3で示される「ハロゲン化C1-6アルコキシ基」とは、前記定義におけるハロゲン化C1-6アルキル基に同意義の「ハロゲン化C1-6アルキル基」が酸素原子に結合した基を意味し、「ヒドロキシC1-6アルコキシ基」とは、前記定義におけるヒドロキシC1-6アルキル基に同意義の「ヒドロキシC1-6アルキル基」が酸素原子に結合した基を意味し、また、「シアノC1-6アルコキシ基」とは、前記定義におけるシアノC1-6アルキル基に同意義の「シアノC1-6アルキル基」が酸素原子に結合した基を意味する。
【0018】
前記R3で示される「低級アシル基」とは、炭素数1ないし6の脂肪酸から誘導される直鎖または分枝状アシル基を意味し、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基等があげられる。
【0019】
前記R3で示される「置換されていてもよいアミノ基」とは、窒素原子がC1-6アルキル基等の基で置換されていてもよいアミノ基を意味し、さらに、当該アミノ基には環状のアミノ基も含まれる。当該「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えばアミノ基( −NH2 )、メチルアミノ基( −NHCH3 )、ジメチルアミノ基( −N(CH3)2 )、ピロリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基等があげられる。
【0020】
前記R3で示される「置換されていてもよいアミド基」とは、窒素原子がC1-6アルキル基等の基で置換されていてもよいアミド基を意味し、さらに、当該アミド基には環状アミンのアミド基も含まれる。当該「置換されていてもよいアミド基」としては、例えばアミド基(−CONH2)、N-メチルアミド基(−CONHCH3)、N,N-ジメチルアミド基(−CON(CH3)2)、N-エチルアミド基
(−CONHC2H5)、N,N-ジエチルアミド基(−CON(C2H5)2)、N-メチル-N-エチルアミド基(−CON(CH3)C2H5)、ピロリジニルカルボニル基、ピラゾリニルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基、ピペラジニルカルボニル基等があげられる。
【0021】
前記R3で示される「C1-6チオアルコキシ基」とは、前記定義におけるC1-6アルキル基に同意義の基が硫黄原子に結合した基を意味し、例えばメチルチオ基(−SCH3)、エチルチオ基(−SC2H5)等があげられる。
【0022】
前記式(I)中、R1において、記号mは0または1ないし6の整数を示すが、mとして好ましくは0または1ないし5の整数であり、より好ましくは0または1ないし3の整数であり、さらに好ましくは0または1ないし2の整数であり、もっとも好ましくは0または1である。また、記号nは1ないし4の整数を示すが、nとして好ましくは1ないし3の整数であり、より好ましくは1または2の整数である。また、記号pは1または2の整数を示すが、pとして好ましくは1である。
【0023】
前記式(I)において、R1として好ましいのは式
【化23】
〔式中、R3、mおよびnは前記定義に同意義を示す。〕で表される基であるが、かかる場合、より好ましくはR3が水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基またはシアノC1-6アルコキシ基であり、かつmが0または1ないし5の整数である場合であり、さらに好ましくはR3が水素原子、C1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基またはシアノC1-6アルコキシ基であり、かつmが0または1ないし3の整数である場合であり、もっとも好ましくはR3が水素原子またはC1-6アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基等)であり、かつmが0、1または2である場合である。
【0024】
[R 2 の意義]
前記式(I)において、R2はC3-8シクロアルキルメチル基、2,2-(アルキレンジオキシ)エチル基または下記式
【化24】
〔式中、環Aはベンゼン環または複素環を示す;
R5はそれぞれ同一または相異なって水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトリル基、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アルコキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メルカプト基またはC1-6チオアルコキシ基を示し、さらに、R5は2つのR5どうしで脂肪環、芳香環、ヘテロ環またはアルキレンジオキシ環を形成してもよい。;
qはそれぞれ0または1ないし5の整数を示す。〕で表わされる基を示す。ただし、式(I)で表わされる4−置換ピペリジン誘導体フッ化物が、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンとなる場合を除く。
【0025】
前記R2で示される「C3-8シクロアルキルメチル基」における「C3-8シクロアルキル基」とは、前記定義におけるC3-8シクロアルキル基に同意義の基を意味し、当該「C3-8シクロアルキルメチル基」とは、前記C3-8シクロアルキル基がメチル基に結合した基を意味する。例えばシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等があげられ、これらの中でもシクロヘキシルメチル基がより好ましい。
【0026】
前記R2で示される「2,2-(アルキレンジオキシ)エチル基」とは、エチル基の末端炭素原子が環状アルキレンジオキシ基で置換された基(アセタール基)を意味し、例えば2,2-(エチレンジオキシ)エチル基[別名:(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル基]、2,2-(プロピレンジオキシ)エチル基[別名:(1,3-ジオキサン-2-イル)メチル基]、2,2-(ブチレンジオキシ)エチル基[別名:(1,3-ジオキセパン-2-イル)メチル基]等があげられ、これらの中でも2,2-(エチレンジオキシ)エチル基がより好ましい。
【0027】
前記R5で示される「アリールオキシ基」における「アリール基」とは、芳香環を構成した炭化水素環基を意味し、例えばフェニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アンスニル基、フェナントレニル基等の単環式、ニ環式または三環式のアリール基があげられる。当該「アリールオキシ基」とは、前記アリール基が酸素原子と結合した基を意味し、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基等があげられる。
【0028】
前記R5で示される「アラルキルオキシ基」とは、前記アリール基に同意義の基がC1-6アルキル基と結合し、当該アリールアルキル基がさらに酸素原子と結合した基を意味し、例えばベンジルオキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルプロポキシ基、ナフチルメトキシ基等があげられる。
【0029】
前記R5で示される「ハロゲン原子」、「C1-6アルキル基」、「C3-8シクロアルキル基」、「C1-6アルコキシ基」、「C1-6アルコキシアルコキシ基」、「ハロゲン化C1-6アルキル基」、「ヒドロキシC1-6アルキル基」、「シアノC1-6アルキル基」、「ハロゲン化C1-6アルコキシ基」、「ヒドロキシC1-6アルコキシ基」、「シアノC1-6アルコキシ基、「低級アシル基」、「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよいアミド基」および「C1-6チオアルコキシ基」とは、前記定義におけるハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アルコキシ基、低級アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基およびC1-6チオアルコキシ基にそれぞれ同意義を示す。C1-6アルコキシカルボニル基とは、前記C1-6アルコキシ基がカルボニル基と結合した基を意味し、具体的には例えばメトキシカルボニル基(−COOCH3)、エトキシカルボニル基(−COOC2H5)等を挙げることができる。
【0030】
前記R5の定義において、2つのR5どうしで脂肪環を形成した例としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等があげられる。また、芳香環を形成した例としては、例えばベンゼン環等があげられる。さらに、ヘテロ環を形成した例としては、例えばフラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、ジオキサン環、ジオキソラン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環等があげられ、アルキレンジオキシ環を形成した例としては、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基等があげられる。
【0031】
前記R2において、環Aで示される「複素環」とは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子等のヘテロ原子を1ないし4個含む環を意味し、「5ないし14員芳香族複素環」および「5ないし10員非芳香族複素環」が含まれる。
1) 「5ないし14員芳香族複素環基」としては、例えば窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる原子を1ないし4個含む単環式、ニ環式または三環式の5ないし14員芳香族複素環があげられ、例えば (1) ピロール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピラゾール、イミダゾール、インドール、イソインドール、インドリジン、プリン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、フタラジン、ナフチリジン、キソキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、イミダゾトリアジン、ピラジノピリダジン、アクリジン、フェナントリジン、カルバゾール、カルバゾリン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナシン環等の含窒素芳香族複素環; (2) チオフェン、ベンゾチオフェン環等の含硫黄芳香族複素環; (3) フラン、ピラン、シクロペンタピラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン環等の含酸素芳香族複素環; (4) チアゾール、イソチアゾール、ベンズチアゾール、ベンズチアジアゾール、フェノチアジン、イソキサゾール、フラザン、フェノキサジン、ピラゾロオキサゾール、イミダゾチアゾール、チエノフラン、フロピロール、ピリドオキサジン環等のような窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる2個以上の異種原子を含んでなる芳香族複素環があげられる。
2) 「5ないし10員非芳香族複素環」とは、1ないし4個の炭素原子が窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるいずれかのヘテロ原子で置換された炭化水素環を意味し、さらに不飽和縮合環をも含む意である。当該「5ないし10員非芳香族複素環」としては、例えばピロリジン、ピロリン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、モルフォリン、テトラヒドロピラン、アジリジン、オキシラン、オキサチオラン環や、フタルイミド、スクシンイミド等があげられる。
3) 環Aとしては、好ましくはベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン環である。
【0032】
前記式(I)において、R2として好ましくはC3-8シクロアルキルメチル基または式
【化25】
〔式中、環A、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で表される基であり、より好ましくは式
【化26】
〔式中、環A、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で表される基であり、さらに好ましくは式
【化27】
〔式中、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で表される基である。ただし、式(I)で表わされる4−置換ピペリジン誘導体フッ化物が、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンとなる場合は除かれる。
【0033】
以上、前記式(I)におけるR1およびR2の意義を示したが、前記式(I)において、R1およびR2としては独立して各定義に基づく基を選ぶことができ、その組合せが限定されるものでないことはいうまでもない(ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンとなる場合を除く)。本発明にかかる化合物のもっとも好ましい態様としては、以下にあげる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物があげられるが、本発明がこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
(1) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(2) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]ピペリジン、
(3) 1-ベンジル-4-[2-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]エチル]ピペリジン、
(4) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(3-フルオロベンジル)ピペリジン、
(5) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(3-メチルベンジル)ピペリジン、
(6) 1-シクロヘキシルメチル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(7) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリジン、
(8) 1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(9) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2-フルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-8-イル)-1-プロパノン、
(10) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2,2-ジフルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-8-イル)-1-プロパノン、
(11) 5,7-ジヒドロ-3-{1-フルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソオキサゾール-6-オン、
(12) 5,7-ジヒドロ-3-{1,1-ジフルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソオキサゾール-6-オン、
(13) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2-フルオロ-1-プロパノン、
(14) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2,2-ジフルオロ-1-プロパノン
【0034】
また本発明における「薬理学的に許容される塩」とは、本発明にかかる化合物と付加塩を形成したものであれば特に限定されないが、例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などのハロゲン化水素酸塩;硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩などの無機酸塩;酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩などの有機カルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩などの有機スルホン酸塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、プロカイン塩、ピリジン塩、フェネチルベンジルアミン塩などのアミンとの塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩等があげられ、好ましくは塩酸塩、シュウ酸塩である。
【0035】
本発明にかかる化合物の製造方法としては種々の方法が考えられるが、代表的な方法として、例えば以下の方法があげられる。本発明にかかる化合物がこれ以外の方法によっても製造可能であることはいうまでもない。
【0036】
4−置換ピペリジン誘導体のフッ素化
例えば特開昭64−79151号公報(EP−296560−A1号公報)、特開平55−140149号公報(EP−487071−A1号公報)、特表平6−500794号公報、特表平6−510788号公報、特表平6−508904号公報、特開平5−279355号公報、特開平5−320160号公報、特開平6−116237号公報あるいは特開平6−41070号公報等に従って製造した下記式
【化28】
〔式中、R11は下記置換基
【化29】
(式中、R3、R4、n、m、pおよび下記式
【化30】
で表される結合は前記定義に同意義を示す。)から選ばれたいずれかの基を示す;
R2は前記定義に同意義を示す;
ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンを除く。〕で表される4−置換ピペリジン誘導体をフッ素化し、必要に応じて塩にすることによって得ることができる。この場合一般的には、まず塩基と反応させ、次いでフッ素化剤と反応させることにより、好ましい結果が得られる。
【0037】
前記製造法において、使用する塩基としては、強塩基が好ましく、例えばリチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム・t-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられるが特に限定されない。使用するフッ素化剤としては、例えばN-フルオロベンゼンスルホンイミド(NFSI, CAS登録番号:[133745-75-2])、3-シクロヘキシル-2-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-1,1-ジオキシド-1,2-ベンズイソチアゾール(CMIT-F, 同:[186806-24-6][196106-79-3])、2-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1,2-ベンズイソチアゾール 1,1-ジオキシド(CAS登録番号:[124170-23-6])、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST, 同:[38078-09-0])、N,N-ジエチル-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルアミン(石川試薬)、フッ化水素、テトラアルキルアンモニウムフルオリド、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化水素−ピリジン(オラー試薬)等があげられる。これらの中でも、好ましいフッ素化剤としては、N-フルオロベンゼンスルホンイミド、3-シクロヘキシル-2-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-1,1-ジオキシド-1,2-ベンズイソチアゾールあるいは2-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1,2-ベンズイソチアゾール 1,1-ジオキシドがあげられる。使用する溶媒は、上記強塩基あるいはフッ素化剤に対して不活性なものであれば特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジメトキシエタン(DME, エチレングリコールジメチルエーテル)、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-オクタン、石油エーテル等があげられ、これらは単独でも2種類以上の混合物であってもよい。
【0038】
以上が本発明に係る化合物(I)の製造方法であるが、前記反応における原料化合物は塩や水和物を形成していてもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではない。本発明に係る化合物(I)がフリー体として得られる場合は、前記の化合物(I)が形成していてもよい塩の状態に常法に従って変換することができる。本発明に係る化合物(I)について得られる種々の異性体は、通常の分離手段(例えば再結晶、クロマトグラフィー等)を用いることにより精製し、単離することができる。特に、本発明化合物の光学活性体が必要な場合には、例えば以下に掲げるいずれかの方法によって得ることができる。
(1) 光学活性なフッ素化剤を用いる。
(2) ラセミ体を光学分割する。
【0039】
本発明に係る化合物(I)は、慣用されている方法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の剤に製剤化することができる。製剤化には通常用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により製剤化される。例えば経口製剤を製造するには、本発明にかかる化合物またはその薬理学的に許容される塩と賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等とする。これらの成分としては例えば、大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動植物油;流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の炭化水素;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;シリコン樹脂;シリコン油;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水溶性高分子;エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコール;グルコース、ショ糖などの糖;無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどの無機粉体、精製水などがあげられる。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素などが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリオキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミンなどが、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。これらの錠剤・顆粒剤には糖衣、その他必要により適宜コーティングすることはもちろん差支えない。また、シロップ剤や注射用製剤等の液剤を製造する際には、本発明にかかる化合物またはその薬理学的に許容される塩にpH調整剤、溶解剤、等張化剤などと、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤などを加えて、常法により製剤化する。外用剤を製造する際の方法は限定されず、常法により製造することができる。すなわち製剤化にあたり使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能である。使用する基剤原料として具体的には、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が挙げられ、さらに必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐防黴剤、着色料、香料などを添加することができるが、本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれらに限定されない。また必要に応じて分化誘導作用を有する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合することもできる。なお上記基剤原料の添加量は、通常外用剤の製造にあたり設定される濃度になる量である。
【0040】
本発明にかかる化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする剤を投与する場合、その形態は特に限定されず、通常用いられる方法により経口投与でも非経口投与でもよい。例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤などの剤として製剤化し、投与することができる。本発明にかかる医薬の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応じて適宜選ぶことができる。
【0041】
以下に示す参考例、実施例(さらにその薬理学的に許容される塩、それらの水和物、それらを含んでなる医薬または医薬組成物)、試験例は例示的なものであって、本発明にかかる化合物は如何なる場合も以下の具体例に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例のみならず本願明細書にかかる特許請求の範囲に様々な変更を加えて本発明を最大限に実施することができ、かかる変更は、本願明細書にかかる特許請求の範囲に含まれるものである。
【0042】
参考例1
4-[(5,6- ジメトキシ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(1,3- ジオキソラン -2- イル ) メチルピペリジン
【化31】
4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン 1.00g(3.46mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF) 10mlに溶解し、トリエチルアミン 0.96ml(6.92mmol)と2-ブロモメチル-1,3-ジオキソラン 0.43ml(4.13mmol)を加えた。60℃にて一晩攪拌した後室温まで放冷し、水50mlを加え、酢酸エチル50mlにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液50ml×2にて洗浄し、乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH-シリカゲル;n-ヘキサン/酢酸エチル系)にて精製し、さらに酢酸エチル/n-ヘキサンから再結晶して、白色結晶の標題化合物 0.48gを得た。(収率;37%)
融点; 125-126℃.
1H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.27-1.56(4H,m)、1.64-1.78(2H,m)、1.91(1H,ddd,J=4Hz,J=8Hz,J=13.6Hz)、2.09(1H,ddt,J=2.8Hz,J=5.6Hz,J=11.6Hz)、2.58(2H,d,J=4.4Hz)、2.67-2.75(2H,m)、3.02(1H,bdt,J=3.2Hz,J=7.2Hz)、3.24(1H,dd,J=8Hz,J=17.6Hz)、3.84-4.00(4H,m)、3.91(3H,s)、3.97(3H,s)、5.02(1H,t,J=4.4Hz)、6.86(1H,s)、7.17(1H,s).
ESI-MS: m/z = 376(M+H+).
【0043】
参考例2
1-(3- シアノベンジル )-4-[(5,6- ジメトキシ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン
【化32】
4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン 0.60g(2.07mmol)を1,2-ジクロロエタン 10mlに溶解し、3-シアノベンズアルデヒド 0.30ml(2.29mmol)を加えた。さらに酢酸 0.18ml(3.16mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム 0.66g(3.11mmol)を加え室温にて3時間攪拌した。 酢酸エチル60mlを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液 60mlと飽和塩化ナトリウム水溶液 60ml にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH-シリカゲル;n-ヘキサン /酢酸エチル系)にて精製し、淡黄オイルの標題化合物0.84gを得た。(収率;定量的)
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.29-1.41 (2H,m), 1.47-1.58 (1H,m), 1.60-1.78 (3H,m), 1.88-2.05 (3H,m), 2.67-2.74 (2H,m), 2.80-2.89 (2H,m), 3.25 (1H, dd,J=8Hz,J=17.6Hz), 3.51 (2H,s), 3.91 (3H,s), 3.96 (3H,s), 6.86 (1H,s), 7.17 (1H,s), 7.39-7.50 (1H,m), 7.52-7.70 (3H,m).
ESI-MS : m/z = 405 (M+H+).
【0044】
参考例3
4-[(5,6- ジメトキシ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(2- ピコリル ) ピペリジン
【化33】
参考例2と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;62%)
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.29-1.58 (3H,m), 1.64-1.70 (1H,m), 1.72-1.79 (1H,m), 1.80-1.96 (2H,m), 2.04-2.13 (2H,m), 2.67-2.75 (2H,m), 2.88-2.96 (2H,m), 3.24 (1H, dd,J=8Hz,J=17.6Hz), 3.65 (2H,s), 3.91 (3H,s), 3.96 (3H,s), 6.86 (1H,s), 7.14-7.17 (1H,m), 7.17 (1H,s), 7.43 (1H,d, J=8Hz), 7.65 (1H, dd,J=2Hz,J=7.6Hz), 8.54-8.58 (1H,m).
ESI-MS : m/z = 381 (M+H+).
【0045】
参考例4
1-[2-(t- ブチルジフェニルシリルオキシ ) メチルベンジル ]-4-[(5,6- ジメトキシ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン
【化34】
参考例2と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を得た。(収率;94%)
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.00-1.10 (1H,m), 1.11 (9H,s), 1.20-1.28 (1H,m), 1.32-1.46 (1H,m), 1.48-1.55 (1H,m), 1.55-1.63 (2H,m), 1.79-1.88 (3H,m), 2.62-2.71 (4H,m), 3.20 (1H,dd,J=8Hz,J=17.6Hz), 3.32 (2H,s), 3.91 (3H,s), 3.96 (3H,s), 4.94 (2H,s), 6.85 (1H,s), 7.17 (1H,s), 7.18-7.46 (9H,m), 7.65-7.73 (5H,m).
【0046】
参考例5
4-[(5,6- ジメトキシ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(2- ヒドロキシメチルベン ジル ) ピペリジン
【化35】
参考例4で得られた1-[2-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)メチルベンジル]-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン0.10g(0.15mmol)をTHF 5mlに溶解し、テトラ-n-ブチルアンモニウムフロライド0.23ml(0.23mmol)を加えた。室温にて45分間攪拌した後、減圧濃縮し、得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(塩化メチレン・メタノール系)にて精製し、淡黄色オイル状の標題化合物22mgを得た。(収率;35%)
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.20-1.35 (4H,m), 1.55-1.68 (1H,m), 1.70-1.79 (2H,m), 1.86-1.95 (1H,m), 2.03-2.13 (2H,m), 2.63-2.72 (2H,m), 2.91-3.00 (2H,m), 3.23 (1H,dd,J=8Hz,J=17.6Hz), 3.59 (2H,s), 3.90 (3H,s), 3.96 (3H,s), 4.60 (2H,s), 6.84 (1H,s), 7.16 (1H,s), 7.19-7.37 (4H,m).
ESI-MS : m/z = 410 (M+H+).
【0047】
参考例6
1-[2-(t- ブチルジフェニルシリルオキシ ) メチルベンジル ]-4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン
【化36】
参考例5で得られた4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(2-ヒドロキシメチルベンジル)ピペリジンから、参考例2と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を得た。(収率;58%)
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 0.95-1.20 (2H,m), 1.47-1.65 (4H,m), 1.75-1.86 (2H,m), 1.90-2.01 (1H,m), 2.55-2.65 (2H,m), 3.19-3.34 (1H,m), 3.24 (1H,d,J=4.8Hz), 3.29 (2H,s), 3.91 (3H,s), 3.97 (3H,s), 4.92 (2H,s), 6.82 (1H,s), 7.13-7.47 (9H,m), 7.20 (1H,s), 7.63-7.72 (5H,m).
【0048】
参考例7
1- ベンジル -4-[[[5,6- ジ -(1- プロピルオキシ )]- 1- インダノン ]-2- イル ] メチルピペリジン
【化37】
メチル 3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロピオネート19.8g(0.10mol)をDMF 200mlに溶解し、炭酸カリウム33.4g(0.24mol)と1-プロピルヨーダイド23.6ml(0.24mol)を加えた。150℃にて5時間攪拌した後、室温まで放冷し、酢酸エチル800mlを加え、飽和塩化ナトリウム水溶液800ml×3にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル系)にて精製し、淡黄オイルの標題化合物15.6gを得た。(収率;58%)
上記オイル15.6g (58.1mol)をTHF 100mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液70mlを加え、1時間加熱還流した。室温まで放冷した後減圧濃縮し、水500mlを加え、ジエチルエーテル400mlにて洗浄した。水層を1N塩酸を用いて酸性に調製した後、酢酸エチル500mlにて抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液500mlにて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチル/n-ヘキサンから再結晶して、白色結晶13.2gを得た。(収率;89%)
上記結晶13.2g (51.9mol)をベンゼン200mlに溶解し、塩化チオニル15.1ml(0.207mol)を加え、3時間加熱還流した。室温まで放冷した後減圧濃縮し得られた残渣を1,2-ジクロロエタン500mlに溶解し、塩化アルミニウム8.30g(62.2mmol)を加えた。0℃にて1時間攪拌した後、氷水500mlを加え、セライトを用いて不溶物を濾別した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500mlと飽和塩化ナトリウム水溶液500ml にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得られた残渣をメタノールから再結晶して、白色結晶5.70gを得た。(収率;44%)
上記結晶5.00g (20.1mmol)をTHF 50mlに溶解し、1-ベンジル-4-ホルミルピペリジン5.73g(28.2mmol)のTHF 20ml溶液と28%ナトリウムメトキシド4.27g(22.2mmol)のTHF 10ml溶液を加えた。室温にて3時間攪拌した後、酢酸エチル300mlを加え、飽和塩化ナトリウム水溶液300ml×2にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチル/n-ヘキサンから再結晶して、淡黄白色結晶5.53gを得た。(収率;63%)
FAB-MS : m/z = 434 (M+H+).
上記結晶3.00g(6.92mmol)をTHF 70mlに溶解し、10%パラジウム炭素0.3gを加え、1.5時間室温常圧にて水素添加を行った。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン /メタノール系)にて精製し、淡黄オイルの標題化合物2.20gを得た。(収率;73 %)
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.04 (3H,t,J=7.2Hz), 1.07 (3H, t,J=7.2Hz), 1.24-1.45 (3H,m), 1.45-1.57 (1H,m), 1.64-1.77 (2H,m), 1.80-1.95 (5H,m), 1.95-2.07 (2H,m), 2.63-2.72 (2H,m), 2.88-2.97 (2H,m), 3.20 (1H,dd,J=8Hz,J=17.2Hz), 3.54 (2H,s), 3.97 (2H,t,J=6.8Hz), 4.03 (2H,t,J=6.8Hz), 6.82 (1H,s), 7.15 (1H,s), 7.15-7.38 (5H,m).
FAB-MS : m/z = 436 (M+H+).
【0049】
実施例1
1- ベンジル -4-[(5,6- ジエトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン・塩酸塩
【化38】
以下の反応は窒素雰囲気下行った。
1-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン 0.20g(0.49mmol)をテトラヒドロフラン(THF) 10mlに溶解し、-78℃に冷却後、1.0M-リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド/THF溶液 0.59ml(0.59mmol)を注入した。45分間かけて-78℃から-20℃まで昇温した後、再び-78℃に冷却し、N-フルオロベンゼンスルホンイミド 0.23g(0.73mmol)のTHF 2ml溶液を注入した。 -78℃から徐々に室温まで昇温し、4時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液30mlを加え、酢酸エチル30mlにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液30mlにて洗浄し、乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH-シリカゲル;塩化メチレン/メタノール系)にて精製し、淡黄色オイル状の標題化合物の遊離体 0.12gを得た。(収率;57%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/イソプロピルエーテルから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を得た。
塩酸塩:
融点; 195-198℃.
1H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.47(3H,t,J=7.2Hz)、1.52(3H,t,J=7.2Hz)、1.70-1.78(1H,m)、1.86-1.96(2H,m)、2.00-2.23(4H,m)、2.56-2.74(2H,m)、3.16(1H,dd,J=9.2Hz,J=17.2Hz)、3.28(1H,dd,J=17.2Hz,J=21.6Hz)、3.43(2H,dd,J=12Hz,J=20Hz)、4.10(2H,q,J=7.2Hz)、4.12(2H,s)、4.18(2H,q,J=7.2Hz)、6.77(1H,s)、7.12(1H,s)、7.40-7.50(3H,m)、7.55-7.65(2H,m)、12.32(1H,bs).
ESI-MS: m/z = 426(M+H+).
【0050】
実施例2
1- ベンジル -4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] ピペリジン
【化39】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を得た。(収率;84%)
1H-NMR(500Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.14-1.30(2H,m)、1.50-1.63(1H,m)、1.89-2.07(3H,m)、2.10-2.20(1H,m)、2.83(1H,bd,J=11Hz)、3.00(1H,bd,J=11Hz)、3.10(1H,dd,J=17.5Hz,J=23.5Hz)、3.40(1H,dd,J=11Hz,J=17.5Hz)、3.49(2H,s)、3.90(3H,s)、3.98(3H,s)、6.83(1H,s)、7.17(1H,s)、7.20-7.32(5H,m).
ESI-MS: m/z = 384(M+H+).
【0051】
実施例3
1- ベンジル -4-[2-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] エチル ] ピペリジン
【化40】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を得た。(収率;61%)
1H-NMR(270Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.14-1.48(5H,m)、1.55-2.12(6H,m)、2.82-2.94(2H,m)、3.21(2H,bs)、3.49(2H,s)、3.91(3H,s)、3.98(3H,s)、6.84(1H,s)、7.20(1H,s)、7.22-7.34(5H,m).
ESI-MS: m/z = 412(M+H+).
【0052】
実施例4
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(3- フルオロベンジル ) ピペリジン・塩酸塩
【化41】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;62%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノールから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を得た。
塩酸塩:
融点; 213-215℃.
1H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.76-1.82(1H,m)、1.88-1.97(2H,m)、2.06-2.24(4H,m)、2.62-2.78(2H,m)、3.19(1H,dd,J=9.2Hz,J=17.2Hz)、3.31(1H,dd,J=17.2Hz,J=21.6Hz)、3.45(2H,dd,J=12.8Hz,J=18.8Hz)、3.91(3H,s)、3.98(3H,s)、4.14(2H,d,J=4Hz)、6.75(1H,s)、7.12-7.20(1H,m)、7.14(1H,s)、7.36-7.54(3H,m)、12.43(1H,bs).
ESI-MS: m/z = 416(M+H+).
【0053】
実施例5
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(3- メチルベンジル ) ピペリジン・塩酸塩
【化42】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;67%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/イソプロピルエーテルから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を得た。
塩酸塩:
融点; 219-221℃(分解).
1H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.72-1.80(1H,m)、1.86-1.98(2H,m)、2.00-2.24(4H,m)、2.40(3H,s)、2.54-2.74(2H,m)、3.14-3.50(4H,m)、3.91(3H,s)、3.98(3H,s)、4.09(2H,bs)、6.81(1H,s)、7.14(1H,s)、7.23-7.40(4H,m)、12.28(1H,bs).
ESI-MS: m/z = 412(M+H+).
【0054】
実施例6
1- シクロヘキシルメチル -4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン・塩酸塩
【化43】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;57%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノールから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を得た。
塩酸塩:
融点; 215-225℃(分解).
1H-NMR(400Mz,CD3OD); δ(ppm) 0.99-1.10(2H,m)、1.20-1.28(1H,m)、1.28-1.42(2H,m)、1.60-1.90(9H,m)、1.92-2.22(4H,m)、2.90-3.00(4H,m)、3.28(1H,dd,J=17.2Hz,J=22.4Hz)、3.41(1H,dd,J=11.6Hz,J=17.2Hz)、3.54(2H,bd,J=12Hz)、3.86(3H,s)、3.95(3H,s)、7.07(1H,s)、7.18(1H,s).
ESI-MS: m/z = 404(M+H+).
【0055】
実施例7
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(1,3- ジオキソラン -2- イル ) メチルピペリジン・塩酸塩
【化44】
参考例1で得られた4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリジンから、実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;65%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/イソプロピルエーテルから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を得た。
塩酸塩:
融点; 143-145℃.
1H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.75-2.25(7H,m)、2.76-2.92(2H,m)、3.11(2H,bs)、3.18-3.40(2H,m)、3.68(2H,t,J=12Hz)、3.58-4.05(4H,m)、3.92(3H,s)、3.99(3H,s)、5.59(1H,t,J=4Hz)、6.83(1H,s)、7.17(1H,s)、12.54(1H,bs).
ESI-MS: m/z = 394(M+H+).
【0056】
実施例8
1-(4- ベンジルオキシベンジル )-4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン
【化45】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を得た。(収率;58%)
1H-NMR(270Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.32-1.52(2H,m)、1.56-1.80(4H,m)、1.90-2.10(3H,m)、2.86(2H,bd,J=11.7Hz)、3.25(1H,d,J=3.2Hz)、3.31(1H,s)、3.45(2H,s)、3.91(3H,s)、3.98(3H,s)、5.05(2H,s)、6.83(1H,s)、6.91(1H,s)、6.94(1H,s)、7.18-7.46(8H,m).
ESI-MS: m/z = 504(M+H+).
【0057】
実施例9
1-(3- シアノベンジル )-4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン・塩酸塩
【化46】
参考例2で得られた 1-(3-シアノベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンから、実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;16%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 139-141℃.
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.60-2.28 (7H,m), 2.65-2.83 (2H,m), 3.14-3.52 (4H,m), 3.91 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.19 (2H,bs), 6.82 (1H,s), 7.15 (1H,s), 7.62 (1H,t,J=7.6Hz), 7.75 (1H, t,J=7.6Hz), 7.85 (1H,s), 8.28 (1H,d,J=8Hz), 12.62 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 423 (M+H+).
【0058】
実施例10
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(2- ピコリル ) ピペリジン・2塩酸塩
【化47】
参考例3で得られた4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル] メチル-1-(2-ピコリル)ピペリジンから、実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;34%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 177-180℃.
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.75-2.20 (6H,m), 3.17-3.42 (7H,m), 3.92 (3H,s), 3.99 (3H,s), 4.90 (2H,bs), 6.83 (1H,s), 7.18 (1H,s), 7.91 (1H,bs), 8.45 (1H,bs), 8.70-8.78 (1H,m), 9.12 (1H,bs).(塩酸のプロトンは観察されず)
ESI-MS : m/z = 399 (M+H+).
【0059】
実施例11
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(3- ニトロベンジル ) ピペリジン・塩酸塩
【化48】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;80%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノールから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 161-162℃.
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.74-2.02 (4H,m), 2.05-2.26 (3H,m), 2.76-2.94 (2H,m), 3.16-3.38 (2H,m), 3.43-3.56 (2H,m), 3.91 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.33 (2H,bs), 6.82 (1H,s), 7.14 (1H,s), 7.70 (1H,t,J=8Hz), 8.30 (1H,t,J=7.6Hz), 8.40-8.53 (2H,m), 12.61 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 443 (M+H+).
【0060】
実施例12
1- ベンジル -4-[(5- メトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン・塩酸塩
【化49】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;33%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 194-195℃.
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.63-2.23 (7H,m), 2.56-2.74 (2H,m), 3.21 (1H,dd, J=9.2Hz,J=17.2Hz), 3.34 (1H,dd,J=17.2Hz,J=21.6Hz), 3.37-3.48 (2H,m), 3.90 (3H,s), 4.12 (2H,bs), 6.83 (1H,s), 6.94 (1H,dd,J=2Hz,J=8.4Hz), 7.42-7.47 (3H,m), 7.57-7.64 (2H,m), 7.69(1H,d,J=8.4Hz), 12.34 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 368 (M+H+).
【0061】
実施例13
1- ベンジル -4-[(2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチルピペリジン・塩酸塩
【化50】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;57%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 187-189℃.
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.72-2.23 (7H,m), 2.57-2.74 (2H,m), 3.27 (1H,dd, J=9.2Hz,J=17.2Hz), 3.40 (1H,dd,J=17.2Hz,J=21.6Hz), 3.37-3.49 (2H,m), 4.13 (2H,d,J=4.4Hz), 7.38-7.50 (5H,m), 7.58-7.64 (2H,m), 7.67 (1H,t, J=7.6Hz),7.76 (1H,d,J=7.2Hz), 12.37 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 338 (M+H+).
【0062】
実施例14
1- ベンジル -4-[3-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] プロピル ] ピペリジン・塩酸塩
【化51】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;18%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 194-195℃.
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.30-1.53 (5H,m), 1.66-1.88 (3H,m), 1.89-2.05 (3H,m), 2.55-2.70 (2H,m), 3.24 (2H,d,J=15.6Hz), 3.40-3.52 (2H,m), 3.91 (3H,s), 3.99 (3H,s), 4.17 (2H,bs), 6.86 (1H,s), 7.18 (1H,s), 7.44 (3H,bs), 7.61 (2H,bs), 11.90 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 426 (M+H+).
【0063】
実施例15
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(4- ヒドロキシベンジル ) ピペリジン・塩酸塩
【化52】
1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン(実施例8) 41mg(0.081mmol)をTHF 4mlに溶解し、 10%パラジウム炭素10mgを加え、室温常圧にて4時間水素添加を行った。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール)にて精製し、淡黄オイルの標題化合物(遊離体)13mgを得た。(収率;39%)
これを常法により塩酸塩に変換し、エタノール/t-ブチルメチルエーテルを用いて固化し、淡黄白色アモルファスの目的化合物を得た。
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ:1.70-2.25 (8H,m), 2.65-2.88 (2H,m), 3.18-3.48 (4H,m), 3.89 (3H,s), 3.97 (3H,s), 4.05 (2H,bs), 6.85 (1H,bs), 6.94 (2H,bs), 7.13 (1H,s), 7.35 (2H,bs), 10.66 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 414 (M+H+).
【0064】
実施例16
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(2- ヒドロキシメチルベンジル ) ピペリジン・塩酸塩
【化53】
参考例6で得られた1-[2-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)メチルベンジル]-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンから、参考例5と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;64%)
これを常法により塩酸塩にし、凍結乾燥して、淡黄白色アモルファスの標題化合物を得た。
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.70-2.03 (5H,m), 2.05-2.28 (3H,m), 2.93-3.15 (2H,m), 3.20-3.36 (2H,m), 3.55-3.70 (2H,m), 3.90 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.42 (2H,bs), 4.86 (2H,bs), 6.85 (1H,s), 7.13 (1H,s), 7.30-7.45 (3H,m), 7.45-7.60 (1H,m).(塩酸のプロトンは観察されず)
ESI-MS : m/z = 428 (M+H+).
【0065】
実施例17
1- ベンジル -4-[[[5,6- ジ -(1- プロピルオキシ )]-2- フルオロ -1- インダノン ]-2- イル ] メチルピペリジン・塩酸塩
【化54】
参考例7で得られた1-ベンジル-4-[[[5,6-ジ-(1-プロピルオキシ)]- 1-インダノン]-2-イル]メチルピペリジンから、実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;33%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 211-214℃(分解).
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.04 (3H,t,J=7.2Hz), 1.07 (3H, t,J=7.2Hz), 1.70-2.23 (13H,m), 3.10-3.35 (2H,m), 3.38-3.52 (2H,m), 3.96 (2H,t,J=6.4Hz), 4.04 (2H,t,J=6.4Hz), 4.15 (2H,bs), 6.77 (1H,s), 7.12 (1H,s), 7.45 (3H,bs), 7.60 (2H,bs), 12.09 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 454 (M+H+).
【0066】
実施例18
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(2- フルオロベンジル ) ピペリジン・塩酸塩
【化55】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;57%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 203-208℃(分解).
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.74-2.00 (3H,m), 2.00-2.26 (4H,m), 2.64-2.82 (2H,m), 3.15-3.25 (1H,m), 3.29 (1H,dd,J=16.8Hz,J=38.4Hz), 3.40-3.54 (2H,m), 3.90 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.22 (2H,s), 6.82 (1H,s), 7.12-7.18 (2H,m), 7.26-7.32 (1H,m), 7.46 (1H,bdd,J=6.4Hz,J=13.6Hz), 7.92 (1H,bt,J=6.4Hz), 12.42 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 416 (M+H+).
【0067】
実施例19
4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(4- フルオロベンジル ) ピペリジン・塩酸塩
【化56】
実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;53%)
これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメチルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。
融点: 215-220℃(分解).
1H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.70-1.98 (3H,m), 2.04-2.26 (4H,m), 2.58-2.74 (2H,m), 3.14-3.24 (1H,m), 3.29 (1H,dd,J=17.2Hz,J=38.4Hz), 3.37-3.50 (2H,m), 3.91 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.11 (2H,s), 6.82 (1H,s), 7.10-7.17 (3H,m), 7.64-7.72 (2H,m), 12.34 (1H,bs).
ESI-MS : m/z = 416 (M+H+).
【0068】
【薬理試験例】
以下に、本発明にかかる化合物の医薬としての有用性を示す薬理試験例を掲げる。
[In vitroアセチルコリンエステラーゼ阻害作用]
1)試験方法
アセチルコリンエステラーゼ源として、ラット脳ホモジネートを用いて、Ellmanらの方法1)に準拠してエステラーゼ活性を測定した。マウス脳ホモジネートに、基質としてアセチルチオコリン、被検体及びDTNB[5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)]を添加し、インキュベーション後、産生したチオコリンがDTNBと反応し、生じる黄色産物を412nmにおける吸光度変化として測定し、アセチルコリンエステラーゼ活性を求めた。
各被験化合物のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を、50%阻害濃度(IC50)として求めた。
1); Ellman.G.L., Courtney, K.D., Andres, V.and Featherstone, R.M., (1961), Biochem.Pharmacol., 7, 88〜95.
2)被験化合物
各化合物を、それぞれ生理食塩水に溶解して用いた。
3)結果
【表1】
上記結果から、本発明にかかる化合物が有する優れた効果が明らかである。
Claims (13)
- 式
- 環Aが芳香族複素環である請求項2記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物。
- 環Aがピリジン環である請求項2記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物。
- qが1または2の整数である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物。
- 4−置換ピペリジン誘導体フッ化物が
(1) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(2) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]ピペリジン
(3) 1-ベンジル-4-[2-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]エチル]ピペリジン、
(4) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(3-フルオロベンジル)ピペリジン、
(5) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(3-メチルベンジル)ピペリジン、
(6) 1-シクロヘキシルメチル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、
(7) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリジン、
(8) 1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン および
(9) 4-[(5,6- ジメトキシ -2- フルオロ -1- インダノン )-2- イル ] メチル -1-(4- フルオロベンジル ) ピペリジン
から選ばれた一種である請求項1記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物。 - 請求項1記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物を有効成分としてなる医薬。
- アセチルコリンエステラーゼ阻害剤である請求項8記載の医薬。
- 各種老人性痴呆症、脳血管性痴呆または注意欠陥多動障害の治療・予防・改善剤である請求項8記載の医薬。
- 各種老人性痴呆症がアルツハイマー型老年痴呆である請求項10記載の医薬。
- フッ素化剤がN-フルオロベンゼンスルホンイミド、3-シクロヘキシル-2-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-1,1-ジオキシド-1,2-ベンズイソチアゾールまたは2-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1,2-ベンズイソチアゾール 1,1-ジオキシドである請求項12記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物の製造法。
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