JP2000319258A - 4−置換ピペリジン誘導体フッ化物 - Google Patents

4−置換ピペリジン誘導体フッ化物

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JP2000319258A
JP2000319258A JP2000057016A JP2000057016A JP2000319258A JP 2000319258 A JP2000319258 A JP 2000319258A JP 2000057016 A JP2000057016 A JP 2000057016A JP 2000057016 A JP2000057016 A JP 2000057016A JP 2000319258 A JP2000319258 A JP 2000319258A
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洋一 飯村
Takashi Ozasa
貴史 小笹
Yoshiharu Yamanishi
嘉晴 山西
Hachiro Sugimoto
八郎 杉本
Yoshio Takeuchi
義雄 竹内
Tetsuo Shibata
哲男 柴田
Emiko Suzuki
英美子 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたアセチルコリンエステラーゼ阻害活性
を有する新規化合物の提供 【解決手段】式 【化57】 〔式中、R1およびR2は置換基を示す;ただし、1-ベン
ジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2
-イル]メチルピペリジンもしくはその薬理学的に許容さ
れる塩またはそれらの水和物を除く。〕で表される4−
置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に
許容される塩またはそれらの水和物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬として、具体
的にはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤として、より
具体的には各種老人性痴呆症、脳血管性痴呆または注意
欠陥多動障害(ADHD, Attention Deficit Hyperactivity
Disease)の予防・治療・改善剤として、各種老人性痴
呆症としてさらに具体的にはアルツハイマー型老年痴呆
の予防・治療・改善剤である有用な新規化合物、またそ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】老年人口が急激に増大する中で、アルツ
ハイマー型老年痴呆などの老年痴呆や脳血管性痴呆、注
意欠陥多動障害の治療法を確立することが渇望されてい
る。これらの疾患の治療薬の開発は種々の方法から研究
されているが、有力な方向として、これらの疾患は脳の
コリン作動性機能低下を伴うことから、アセチルコリン
前駆物質、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の方向か
ら開発することが提案され、実際に臨床でも応用されて
いる。代表的なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤とし
ては、塩酸ドネペジル〔Donepezil Hydrochloride, 1-
ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]
メチルピペリジン・塩酸塩〕、リバスティグミン〔Riva
stigmine, N-エチル-N-メチルカルバミン酸3-[1-(ジメ
チルアミノ)エチル]フェニル〕、メトリフォネート〔Me
trifonate, (2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル)リ
ン酸ジメチル〕、塩酸タクリン〔Tacrine Hydrochlorid
e,1,2,3,4-テトラヒドロ-9-アクリジナミン〕、臭化水
素酸ガランタミン〔Galanthamine Hydrobromide〕、ネ
オスティグミン〔Neostigmine〕、フィゾスチグミン〔P
hysostigmine〕などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの薬剤の
中で、実際に臨床で使用されて疾患に対する薬理効果が
確認され、しかも副作用や投与回数の観点からも十分な
有用性が認められるのは塩酸ドネペジルのみであり、他
のものは効果が十分でない、好ましくない副作用があ
る、1日の投与回数が多い、注射剤のみで経口投与不可
など、何らかの欠点を有しており、塩酸ドネペジル以外
には、ほとんど選択肢がないのが現状である。上述のよ
うに塩酸ドネペジルは優れた薬剤であるが、さらに優れ
た効果を有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤があ
れば、臨床における薬剤選択肢が広がり、より好ましい
ことは言うまでもなく、したがって、本発明の目的は、
医薬として、具体的にはアセチルコリンエステラーゼ阻
害剤として、より具体的には各種老人性痴呆症、脳血管
性痴呆または注意欠陥多動障害の予防・治療・改善剤と
して、各種老人性痴呆症としてさらに具体的にはアルツ
ハイマー型老年痴呆の予防・治療・改善剤として有用な
新規化合物、またその製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より優れ
た効果を有し、かつ安全性もより高い薬剤を開発すべ
く、永年にわたって種々の化合物について鋭意研究を重
ねてきた。その結果、式
【化11】 〔式中、R1は下記置換基
【化12】 (式中、R3は同一または相異なって水素原子、ハロゲ
ン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキ
ル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキシ
基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アル
キル基、シアノC 1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アル
コキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6
アルコキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されてい
てもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メ
ルカプト基またはC1-6チオアルコキシ基を示す;R4
水素原子またはC1-6アルキル基を示す;下記式
【化13】 で表される結合は単結合または二重結合を示す;mは0
または1ないし6の整数を示す;nは1ないし4の整数
を示す;pは1または2の整数を示す。)から選ばれた
いずれかの基を示す;R2はC3-8シクロアルキルメチル
基、2,2-(アルキレンジオキシ)エチル基または式
【化14】 (式中、環Aはベンゼン環または複素環を示す;R5
それぞれ同一または相異なって水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、ニトリル基、C1-6アルキル基、C3-8シク
ロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、
ハロゲン化C 1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル
基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキ
シ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アル
コキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されていても
よいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メルカ
プト基またはC1-6チオアルコキシ基を示し、さらに、
5は2つのR5どうしで脂肪環、芳香環、ヘテロ環また
はアルキレンジオキシ環を形成してもよい。;qはそれ
ぞれ0または1ないし5の整数を示す。)で表される基
を示す;ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フ
ルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンもしく
はその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物を
除く。〕で表わされる新規な4−置換ピペリジン誘導体
フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそ
れらの水和物が所期の目的を達することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の第一の特徴は、 1) 前記式(I)で表される4−置換ピペリジン誘導
体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩または
それらの水和物にあり、さらに、 2) 上記1)において、R1は式
【化15】 〔式中、R3、mおよびnは前記定義に同意義を示
す。〕で表される基であってもよく、 3) 上記1)において、R2は式
【化16】 〔式中、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で
表される基であってもよく、 4) 上記3)において、環Aは式
【化17】 〔式中、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で
表される基であってもよく、 5) 上記3)において、環Aは芳香族複素環であって
もよく、 6) 上記3)において、環Aはピリジン環であっても
よく、 7) 上記1)ないし6)において、qは1または2の
整数であってもよく、 8) 上記1)において、4−置換ピペリジン誘導体フ
ッ化物は (1) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-2-フルオロ-1-イ
ンダノン)-2-イル]メチルピペリジン、(2) 1-ベンジル-
4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]ピペリジン(3) 1-ベンジル-4-[2-[(5,6-ジメトキシ-
2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]エチル]ピペリジ
ン、(4) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノ
ン)-2-イル]メチル-1-(3-フルオロベンジル)ピペリジ
ン、(5) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノ
ン)-2-イル]メチル-1-(3-メチルベンジル)ピペリジン、
(6) 1-シクロヘキシルメチル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フ
ルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、(7)
4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリ
ジン、(8) 1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジ
メトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピ
ペリジン、(9) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2-フ
ルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン
-8-イル)-1-プロパノン、(10) 3-(1-ベンジルピペリジ
ン-4-イル)-2,2-ジフルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-
1H-1-ベンズアゼピン-8-イル)-1-プロパノン、(11) 5,7
-ジヒドロ-3-{1-フルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピ
ペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソ
オキサゾール-6-オン、(12) 5,7-ジヒドロ-3-{1,1-ジフ
ルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]エチ
ル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソオキサゾール-6-
オン、(13) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-
(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2-フルオロ-1-プロ
パノンおよび(14) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3
-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2,2-ジフルオ
ロ-1-プロパノンから選ばれたいずれか一種であっても
よい。また、本発明の第二の特徴は、 9) 上記1)記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化
物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの
水和物を有効成分としてなる医薬にあり、さらに、 10) 上記9)において、当該医薬はアセチルコリン
エステラーゼ阻害剤であってもよく、 11) 上記9)において、当該医薬は各種老人性痴呆
症、脳血管性痴呆または注意欠陥多動障害の治療・予防
・改善剤であってもよく、 12) 上記11)において、各種老人性痴呆症はアル
ツハイマー型老年痴呆であってもよい。また、本発明の
第三の特徴は、 13) 式
【化18】 〔式中、R11は下記置換基
【化19】 (式中、R3、R4、n、m、pおよび下記式
【化20】 で表される結合は前記定義に同意義を示す。)から選ば
れたいずれかの基を示す;R2は前記定義に同意義を示
す;ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダ
ノン)-2-イル]メチルピペリジンを除く。〕で表される
4−置換ピペリジン誘導体をフッ素化し、必要に応じて
塩にすることを特徴とする上記1)記載の4−置換ピペ
リジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容され
る塩またはそれらの水和物の製造法にあり、さらに、 14) 上記13)に記載の製造法において、フッ素化
剤はN-フルオロベンゼンスルホンイミド、3-シクロヘキ
シル-2-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-1,1-ジオキシ
ド-1,2-ベンズイソチアゾールまたは2-フルオロ-3,3-ジ
メチル-2,3-ジヒドロ-1,2-ベンズイソチアゾール 1,1-
ジオキシドであってもよい。
【0006】以下に、本願明細書において記載する記
号、用語等の意味を説明し、本発明を詳細に説明する。
【0007】なお、本願明細書中においては、化合物の
構造式が便宜上一定の異性体や同位体を表すことがある
が、本発明には化合物の構造上生ずる総ての、幾何異性
体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異
性体などの異性体、異性体混合物および同位体を含み、
便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか
一方の異性体でも混合物でもよく、また、いずれか一の
同位体でもよい。したがって、分子内に不斉炭素原子を
有し光学活性体およびラセミ体が存在することがあり得
るが、本発明においては限定されず、いずれもが含まれ
る。さらに結晶多形が存在することもあるが同様に限定
されず、いずれかの結晶形単一あるいは混合物であって
もよく、無水物以外に水和物であってもよい。
【0008】[R 1 の意義]前記式(I)において、R1
は下記式
【化21】 〔式中、R3は同一または相異なって、水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C3-8シクロアル
キル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキ
シ基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6
ルキル基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6
ルコキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC
1-6アルコキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換され
ていてもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド
基、メルカプト基またはC1-6チオアルコキシ基を示
す;R4は水素原子またはC1-6アルキル基を示す;下記
【化22】 で表される結合は単結合または二重結合を示す;mは0
または1ないし6の整数を示す;nは1ないし4の整数
を示す;pは1または2の整数を示す。〕で表わされる
置換基から選ばれたいずれかの基を示す。ただし、式
(I)で表わされる4−置換ピペリジン誘導体フッ化物
が、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-
イル]メチルピペリジンとなる場合を除く。
【0009】前記R3で示される「ハロゲン原子」と
は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子等の原子を示し、好ましくはフッ素原子、塩素原子、
臭素原子である。
【0010】前記R3およびR4で示される「C1-6アル
キル基」とは、炭素数1ないし6のアルキル基を意味
し、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロ
ピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペン
チル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、
1-メチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチ
ル基等の直鎖または分枝状アルキル基があげられる。
【0011】前記R3で示される「C3-8シクロアルキル
基」とは、炭素数3ないし8の環状アルキル基を意味
し、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シ
クロオクチル基等があげられる。
【0012】前記R3で示される「C1-6アルコキシ基」
とは、前記定義における「C1-6アルキル基」に同意義
の基が酸素原子と結合した基を意味し、例えばメトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-
ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオ
キシ基、ヘキシルオキシ基等の直鎖または分枝状アルコ
キシ基があげられる。
【0013】前記R3で示される「C1-6アルコキシアル
コキシ基」とは、前記定義におけるC1-6アルコキシ基
に同意義の基にさらに「C1-6アルコキシ基」が結合し
た基を意味し、例えばメトキシメトキシ基、メトキシエ
トキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシメトキシ
基、エトキシエトキシ基、エトキシプロポキシ基、プロ
ポキシプロポキシ基等があげられる。
【0014】前記R3で示される「ハロゲン化C1-6アル
キル基」とは、前記定義におけるC 1-6アルキル基に同
意義の「C1-6アルキル基」に1または2個以上の同一
または相異なるハロゲン原子が結合した基を意味し、例
えばクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメ
チル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリ
フルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチ
ル基、トリフルオロエチル基等があげられる。
【0015】前記R3で示される「ヒドロキシC1-6アル
キル基」とは、前記定義におけるC 1-6アルキル基に同
意義の基に1または2個以上の水酸基が結合した基を意
味し、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル
基、2,3-ジヒドロキシプロピル基等があげられる。
【0016】前記R3で示される「シアノC1-6アルキル
基」とは、前記定義におけるC1-6アルキル基に同意義
の基に1または2個以上のシアノ基が結合した基を意味
し、具体的には例えばシアノメチル基、シアノエチル
基、シアノプロピル基等があげられる。
【0017】前記R3で示される「ハロゲン化C1-6アル
コキシ基」とは、前記定義におけるハロゲン化C1-6
ルキル基に同意義の「ハロゲン化C1-6アルキル基」が
酸素原子に結合した基を意味し、「ヒドロキシC1-6
ルコキシ基」とは、前記定義におけるヒドロキシC1-6
アルキル基に同意義の「ヒドロキシC1-6アルキル基」
が酸素原子に結合した基を意味し、また、「シアノC
1-6アルコキシ基」とは、前記定義におけるシアノC1-6
アルキル基に同意義の「シアノC1-6アルキル基」が酸
素原子に結合した基を意味する。
【0018】前記R3で示される「低級アシル基」と
は、炭素数1ないし6の脂肪酸から誘導される直鎖また
は分枝状アシル基を意味し、例えばホルミル基、アセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、
バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノ
イル基等があげられる。
【0019】前記R3で示される「置換されていてもよ
いアミノ基」とは、窒素原子がC1-6アルキル基等の基
で置換されていてもよいアミノ基を意味し、さらに、当
該アミノ基には環状のアミノ基も含まれる。当該「置換
されていてもよいアミノ基」としては、例えばアミノ基
( −NH2 )、メチルアミノ基( −NHCH3 )、ジ
メチルアミノ基( −N(CH3)2 )、ピロリジニル基、
ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基等があ
げられる。
【0020】前記R3で示される「置換されていてもよ
いアミド基」とは、窒素原子がC1-6アルキル基等の基
で置換されていてもよいアミド基を意味し、さらに、当
該アミド基には環状アミンのアミド基も含まれる。当該
「置換されていてもよいアミド基」としては、例えばア
ミド基(−CONH2)、N-メチルアミド基(−CON
HCH3)、N,N-ジメチルアミド基(−CON(C
3)2)、N-エチルアミド基(−CONHC25)、N,N
-ジエチルアミド基(−CON(C25)2)、N-メチル-N
-エチルアミド基(−CON(CH3)C25)、ピロリジ
ニルカルボニル基、ピラゾリニルカルボニル基、ピペリ
ジルカルボニル基、ピペラジニルカルボニル基等があげ
られる。
【0021】前記R3で示される「C1-6チオアルコキシ
基」とは、前記定義におけるC1-6アルキル基に同意義
の基が硫黄原子に結合した基を意味し、例えばメチルチ
オ基(−SCH3)、エチルチオ基(−SC25)等が
あげられる。
【0022】前記式(I)中、R1において、記号mは
0または1ないし6の整数を示すが、mとして好ましく
は0または1ないし5の整数であり、より好ましくは0
または1ないし3の整数であり、さらに好ましくは0ま
たは1ないし2の整数であり、もっとも好ましくは0ま
たは1である。また、記号nは1ないし4の整数を示す
が、nとして好ましくは1ないし3の整数であり、より
好ましくは1または2の整数である。また、記号pは1
または2の整数を示すが、pとして好ましくは1であ
る。
【0023】前記式(I)において、R1として好まし
いのは式
【化23】 〔式中、R3、mおよびnは前記定義に同意義を示
す。〕で表される基であるが、かかる場合、より好まし
くはR3が水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アル
キル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルキル
基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6アルキル
基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシC1-6
ルコキシ基またはシアノC1-6アルコキシ基であり、か
つmが0または1ないし5の整数である場合であり、さ
らに好ましくはR3が水素原子、C1-6アルコキシ基、ハ
ロゲン化C1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ
基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基またはシアノC1-6
ルコキシ基であり、かつmが0または1ないし3の整数
である場合であり、もっとも好ましくはR3が水素原子
またはC1-6アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキ
シ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基等)であり、か
つmが0、1または2である場合である。
【0024】[R 2 の意義]前記式(I)において、R2
はC3-8シクロアルキルメチル基、2,2-(アルキレンジオ
キシ)エチル基または下記式
【化24】 〔式中、環Aはベンゼン環または複素環を示す;R5
それぞれ同一または相異なって水素原子、ハロゲン原
子、水酸基、ニトリル基、C1-6アルキル基、C3-8シク
ロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、
ハロゲン化C 1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル
基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキ
シ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アル
コキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されていても
よいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メルカ
プト基またはC1-6チオアルコキシ基を示し、さらに、
5は2つのR5どうしで脂肪環、芳香環、ヘテロ環また
はアルキレンジオキシ環を形成してもよい。;qはそれ
ぞれ0または1ないし5の整数を示す。〕で表わされる
基を示す。ただし、式(I)で表わされる4−置換ピペ
リジン誘導体フッ化物が、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメト
キシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンとなる場
合を除く。
【0025】前記R2で示される「C3-8シクロアルキル
メチル基」における「C3-8シクロアルキル基」とは、
前記定義におけるC3-8シクロアルキル基に同意義の基
を意味し、当該「C3-8シクロアルキルメチル基」と
は、前記C3-8シクロアルキル基がメチル基に結合した
基を意味する。例えばシクロプロピルメチル基、シクロ
ブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキ
シルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチ
ルメチル基等があげられ、これらの中でもシクロヘキシ
ルメチル基がより好ましい。
【0026】前記R2で示される「2,2-(アルキレンジオ
キシ)エチル基」とは、エチル基の末端炭素原子が環状
アルキレンジオキシ基で置換された基(アセタール基)を
意味し、例えば2,2-(エチレンジオキシ)エチル基[別
名:(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチル基]、2,2-(プロ
ピレンジオキシ)エチル基[別名:(1,3-ジオキサン-2-イ
ル)メチル基]、2,2-(ブチレンジオキシ)エチル基[別
名:(1,3-ジオキセパン-2-イル)メチル基]等があげら
れ、これらの中でも2,2-(エチレンジオキシ)エチル基が
より好ましい。
【0027】前記R5で示される「アリールオキシ基」
における「アリール基」とは、芳香環を構成した炭化水
素環基を意味し、例えばフェニル基、インデニル基、ナ
フチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アンスニル
基、フェナントレニル基等の単環式、ニ環式または三環
式のアリール基があげられる。当該「アリールオキシ
基」とは、前記アリール基が酸素原子と結合した基を意
味し、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基等があげ
られる。
【0028】前記R5で示される「アラルキルオキシ
基」とは、前記アリール基に同意義の基がC1-6アルキ
ル基と結合し、当該アリールアルキル基がさらに酸素原
子と結合した基を意味し、例えばベンジルオキシ基、フ
ェニルエトキシ基、フェニルプロポキシ基、ナフチルメ
トキシ基等があげられる。
【0029】前記R5で示される「ハロゲン原子」、
「C1-6アルキル基」、「C3-8シクロアルキル基」、
「C1-6アルコキシ基」、「C1-6アルコキシアルコキシ
基」、「ハロゲン化C1-6アルキル基」、「ヒドロキシ
1-6アルキル基」、「シアノC1- 6アルキル基」、「ハ
ロゲン化C1-6アルコキシ基」、「ヒドロキシC1-6アル
コキシ基」、「シアノC1-6アルコキシ基、「低級アシ
ル基」、「置換されていてもよいアミノ基」、「置換さ
れていてもよいアミド基」および「C1-6チオアルコキ
シ基」とは、前記定義におけるハロゲン原子、C1-6
ルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-6アルコキシ
基、C1-6アルコキシアルコキシ基、ハロゲン化C1-6
ルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、シアノC1-6
ルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ
1-6アルコキシ基、シアノC1-6アルコキシ基、低級ア
シル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されてい
てもよいアミド基およびC1-6チオアルコキシ基にそれ
ぞれ同意義を示す。C1-6アルコキシカルボニル基と
は、前記C1-6アルコキシ基がカルボニル基と結合した
基を意味し、具体的には例えばメトキシカルボニル基
(−COOCH3)、エトキシカルボニル基(−COO
25)等を挙げることができる。
【0030】前記R5の定義において、2つのR5どうし
で脂肪環を形成した例としては、例えばシクロペンタン
環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオク
タン環等があげられる。また、芳香環を形成した例とし
ては、例えばベンゼン環等があげられる。さらに、ヘテ
ロ環を形成した例としては、例えばフラン環、チオフェ
ン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、
チアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン
環、ピリミジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒド
ロピラン環、ジオキサン環、ジオキソラン環、ピペリジ
ン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環
等があげられ、アルキレンジオキシ環を形成した例とし
ては、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ
基、プロピレンジオキシ基等があげられる。
【0031】前記R2において、環Aで示される「複素
環」とは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子等のヘテロ原
子を1ないし4個含む環を意味し、「5ないし14員芳
香族複素環」および「5ないし10員非芳香族複素環」
が含まれる。 1) 「5ないし14員芳香族複素環基」としては、例
えば窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる原
子を1ないし4個含む単環式、ニ環式または三環式の5
ないし14員芳香族複素環があげられ、例えば (1) ピ
ロール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジ
ン、ピラゾール、イミダゾール、インドール、イソイン
ドール、インドリジン、プリン、インダゾール、キノリ
ン、イソキノリン、キノリジン、フタラジン、ナフチリ
ジン、キソキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリ
ジン、イミダゾトリアジン、ピラジノピリダジン、アク
リジン、フェナントリジン、カルバゾール、カルバゾリ
ン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナシン環等の
含窒素芳香族複素環; (2) チオフェン、ベンゾチオフ
ェン環等の含硫黄芳香族複素環; (3) フラン、ピラ
ン、シクロペンタピラン、ベンゾフラン、イソベンゾフ
ラン環等の含酸素芳香族複素環; (4) チアゾール、イ
ソチアゾール、ベンズチアゾール、ベンズチアジアゾー
ル、フェノチアジン、イソキサゾール、フラザン、フェ
ノキサジン、ピラゾロオキサゾール、イミダゾチアゾー
ル、チエノフラン、フロピロール、ピリドオキサジン環
等のような窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ば
れる2個以上の異種原子を含んでなる芳香族複素環があ
げられる。 2) 「5ないし10員非芳香族複素環」とは、1ない
し4個の炭素原子が窒素原子、硫黄原子および酸素原子
から選ばれるいずれかのヘテロ原子で置換された炭化水
素環を意味し、さらに不飽和縮合環をも含む意である。
当該「5ないし10員非芳香族複素環」としては、例え
ばピロリジン、ピロリン、ピペリジン、ピペラジン、イ
ミダゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、モルフォ
リン、テトラヒドロピラン、アジリジン、オキシラン、
オキサチオラン環や、フタルイミド、スクシンイミド等
があげられる。 3) 環Aとしては、好ましくはベンゼン、ピリジン、
ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペ
ラジン、モルフォリン環である。
【0032】前記式(I)において、R2として好まし
くはC3-8シクロアルキルメチル基または式
【化25】 〔式中、環A、R5およびqは前記定義に同意義を示
す。〕で表される基であり、より好ましくは式
【化26】 〔式中、環A、R5およびqは前記定義に同意義を示
す。〕で表される基であり、さらに好ましくは式
【化27】 〔式中、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で
表される基である。ただし、式(I)で表わされる4−
置換ピペリジン誘導体フッ化物が、1-ベンジル-4-[(5,6
-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン
となる場合は除かれる。
【0033】以上、前記式(I)におけるR1およびR2
の意義を示したが、前記式(I)において、R1および
2としては独立して各定義に基づく基を選ぶことがで
き、その組合せが限定されるものでないことはいうまで
もない(ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-イ
ンダノン)-2-イル]メチルピペリジンとなる場合を除
く)。本発明にかかる化合物のもっとも好ましい態様と
しては、以下にあげる化合物もしくはその塩またはそれ
らの水和物があげられるが、本発明がこれらに限定され
るものでないことはいうまでもない。 (1) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-2-フルオロ-1-イ
ンダノン)-2-イル]メチルピペリジン、(2) 1-ベンジル-
4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]ピペリジン、(3) 1-ベンジル-4-[2-[(5,6-ジメトキ
シ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]エチル]ピペリジ
ン、(4) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノ
ン)-2-イル]メチル-1-(3-フルオロベンジル)ピペリジ
ン、(5) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノ
ン)-2-イル]メチル-1-(3-メチルベンジル)ピペリジン、
(6) 1-シクロヘキシルメチル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フ
ルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、(7)
4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリ
ジン、(8) 1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジ
メトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピ
ペリジン、(9) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2-フ
ルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン
-8-イル)-1-プロパノン、(10) 3-(1-ベンジルピペリジ
ン-4-イル)-2,2-ジフルオロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-
1H-1-ベンズアゼピン-8-イル)-1-プロパノン、(11) 5,7
-ジヒドロ-3-{1-フルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピ
ペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソ
オキサゾール-6-オン、(12) 5,7-ジヒドロ-3-{1,1-ジフ
ルオロ-2-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]エチ
ル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベンズイソオキサゾール-6-
オン、(13) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-
(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2-フルオロ-1-プロ
パノン、(14) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-
(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-2,2-ジフルオロ-1-
プロパノン
【0034】また本発明における「薬理学的に許容され
る塩」とは、本発明にかかる化合物と付加塩を形成した
ものであれば特に限定されないが、例えばフッ化水素酸
塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などのハロ
ゲン化水素酸塩;硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸
塩、炭酸塩、重炭酸塩などの無機酸塩;酢酸塩、シュウ
酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩などの有機
カルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタ
ンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホ
ン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸
塩などの有機スルホン酸塩;アスパラギン酸塩、グルタ
ミン酸塩などのアミノ酸塩;トリメチルアミン塩、トリ
エチルアミン塩、プロカイン塩、ピリジン塩、フェネチ
ルベンジルアミン塩などのアミンとの塩;ナトリウム
塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム
塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩等があげら
れ、好ましくは塩酸塩、シュウ酸塩である。
【0035】本発明にかかる化合物の製造方法としては
種々の方法が考えられるが、代表的な方法として、例え
ば以下の方法があげられる。本発明にかかる化合物がこ
れ以外の方法によっても製造可能であることはいうまで
もない。
【0036】4−置換ピペリジン誘導体のフッ素化 例えば特開昭64−79151号公報(EP−2965
60−A1号公報)、特開平55−140149号公報
(EP−487071−A1号公報)、特表平6−50
0794号公報、特表平6−510788号公報、特表
平6−508904号公報、特開平5−279355号
公報、特開平5−320160号公報、特開平6−11
6237号公報あるいは特開平6−41070号公報等
に従って製造した下記式
【化28】 〔式中、R11は下記置換基
【化29】 (式中、R3、R4、n、m、pおよび下記式
【化30】 で表される結合は前記定義に同意義を示す。)から選ば
れたいずれかの基を示す;R2は前記定義に同意義を示
す;ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダ
ノン)-2-イル]メチルピペリジンを除く。〕で表される
4−置換ピペリジン誘導体をフッ素化し、必要に応じて
塩にすることによって得ることができる。この場合一般
的には、まず塩基と反応させ、次いでフッ素化剤と反応
させることにより、好ましい結果が得られる。
【0037】前記製造法において、使用する塩基として
は、強塩基が好ましく、例えばリチウム・ビス(トリメ
チルシリル)アミド、n-ブチルリチウム、リチウムジイ
ソプロピルアミド、ナトリウムアミド、水素化ナトリウ
ム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウム・t-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等があげられるが特に限定されない。使用するフッ
素化剤としては、例えばN-フルオロベンゼンスルホンイ
ミド(NFSI, CAS登録番号:[133745-75-2])、3-シクロ
ヘキシル-2-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-1,1-ジオ
キシド-1,2-ベンズイソチアゾール(CMIT-F, 同:[18680
6-24-6][196106-79-3])、2-フルオロ-3,3-ジメチル-2,
3-ジヒドロ-1,2-ベンズイソチアゾール 1,1-ジオキシド
(CAS登録番号:[124170-23-6])、ジエチルアミノ硫黄
トリフルオリド(DAST, 同:[38078-09-0])、N,N-ジエ
チル-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルアミン(石
川試薬)、フッ化水素、テトラアルキルアンモニウムフ
ルオリド、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化水
素−ピリジン(オラー試薬)等があげられる。これらの
中でも、好ましいフッ素化剤としては、N-フルオロベン
ゼンスルホンイミド、3-シクロヘキシル-2-フルオロ-2,
3-ジヒドロ-3-メチル-1,1-ジオキシド-1,2-ベンズイソ
チアゾールあるいは2-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒ
ドロ-1,2-ベンズイソチアゾール 1,1-ジオキシドがあげ
られる。使用する溶媒は、上記強塩基あるいはフッ素化
剤に対して不活性なものであれば特に限定されないが、
例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジメトキシエタ
ン(DME, エチレングリコールジメチルエーテル)、エチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、
1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n-ヘ
キサン、n-ペンタン、n-オクタン、石油エーテル等があ
げられ、これらは単独でも2種類以上の混合物であって
もよい。
【0038】以上が本発明に係る化合物(I)の製造方
法であるが、前記反応における原料化合物は塩や水和物
を形成していてもよく、反応を阻害しないものであれば
特に限定されるものではない。本発明に係る化合物
(I)がフリー体として得られる場合は、前記の化合物
(I)が形成していてもよい塩の状態に常法に従って変
換することができる。本発明に係る化合物(I)につい
て得られる種々の異性体は、通常の分離手段(例えば再
結晶、クロマトグラフィー等)を用いることにより精製
し、単離することができる。特に、本発明化合物の光学
活性体が必要な場合には、例えば以下に掲げるいずれか
の方法によって得ることができる。 (1) 光学活性なフッ素化剤を用いる。 (2) ラセミ体を光学分割する。
【0039】本発明に係る化合物(I)は、慣用されて
いる方法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠
剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐
剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳
剤、パップ剤、ローション剤等の剤に製剤化することが
できる。製剤化には通常用いられる賦形剤、結合剤、滑
沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化
剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐
剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品
製剤の原料として用いられる成分を配合して常法により
製剤化される。例えば経口製剤を製造するには、本発明
にかかる化合物またはその薬理学的に許容される塩と賦
形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着
色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により散剤、細
粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等とする。
これらの成分としては例えば、大豆油、牛脂、合成グリ
セライド等の動植物油;流動パラフィン、スクワラン、
固形パラフィン等の炭化水素;ミリスチン酸オクチルド
デシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;セ
トステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級
アルコール;シリコン樹脂;シリコン油;ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポ
リマー等の界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、
ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチ
レングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロ
ースなどの水溶性高分子;エタノール、イソプロパノー
ルなどの低級アルコール;グリセリン、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ソルビトールなどの
多価アルコール;グルコース、ショ糖などの糖;無水ケ
イ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミ
ニウムなどの無機粉体、精製水などがあげられる。賦形
剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブド
ウ糖、マンニトール、ソルビット、結晶セルロース、二
酸化ケイ素などが、結合剤としては、例えばポリビニル
アルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、
エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチ
ン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン、ポリプロピレングリコール・ポリオキシエチレン
・ブロックポリマー、メグルミンなどが、崩壊剤として
は、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、
炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシ
ウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセル
ロース・カルシウム等が、滑沢剤としては、例えばステ
アリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に
添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤とし
ては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、
桂皮末等が用いられる。これらの錠剤・顆粒剤には糖
衣、その他必要により適宜コーティングすることはもち
ろん差支えない。また、シロップ剤や注射用製剤等の液
剤を製造する際には、本発明にかかる化合物またはその
薬理学的に許容される塩にpH調整剤、溶解剤、等張化剤
などと、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤などを加え
て、常法により製剤化する。外用剤を製造する際の方法
は限定されず、常法により製造することができる。すな
わち製剤化にあたり使用する基剤原料としては、医薬
品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を
用いることが可能である。使用する基剤原料として具体
的には、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワック
ス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面
活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール
類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの原料が
挙げられ、さらに必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キ
レート剤、防腐防黴剤、着色料、香料などを添加するこ
とができるが、本発明にかかる外用剤の基剤原料はこれ
らに限定されない。また必要に応じて分化誘導作用を有
する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、
ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を
配合することもできる。なお上記基剤原料の添加量は、
通常外用剤の製造にあたり設定される濃度になる量であ
る。
【0040】本発明にかかる化合物またはその薬理学的
に許容される塩を有効成分とする剤を投与する場合、そ
の形態は特に限定されず、通常用いられる方法により経
口投与でも非経口投与でもよい。例えば錠剤、散剤、顆
粒剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、
坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点
耳剤、パップ剤、ローション剤などの剤として製剤化
し、投与することができる。本発明にかかる医薬の投与
量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の
種類、疾患の具体的な種類等に応じて適宜選ぶことがで
きる。
【0041】以下に示す参考例、実施例(さらにその薬
理学的に許容される塩、それらの水和物、それらを含ん
でなる医薬または医薬組成物)、試験例は例示的なもの
であって、本発明にかかる化合物は如何なる場合も以下
の具体例に制限されるものではない。当業者は、以下に
示す実施例のみならず本願明細書にかかる特許請求の範
囲に様々な変更を加えて本発明を最大限に実施すること
ができ、かかる変更は、本願明細書にかかる特許請求の
範囲に含まれるものである。
【0042】参考例14-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-
(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリジン
【化31】 4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペ
リジン 1.00g(3.46mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(D
MF) 10mlに溶解し、トリエチルアミン 0.96ml(6.92mmo
l)と2-ブロモメチル-1,3-ジオキソラン 0.43ml(4.13mmo
l)を加えた。60℃にて一晩攪拌した後室温まで放冷し、
水50mlを加え、酢酸エチル50mlにて抽出した。有機層を
飽和塩化ナトリウム水溶液50ml×2にて洗浄し、乾燥(Mg
SO4)後、減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(NH-シリカゲル;n-ヘキサン/酢酸エチ
ル系)にて精製し、さらに酢酸エチル/n-ヘキサンから
再結晶して、白色結晶の標題化合物 0.48gを得た。(収
率;37%) 融点; 125-126℃.1 H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.27-1.56(4H,m)、1.6
4-1.78(2H,m)、1.91(1H,ddd,J=4Hz,J=8Hz,J=13.6Hz)、
2.09(1H,ddt,J=2.8Hz,J=5.6Hz,J=11.6Hz)、2.58(2H,d,J
=4.4Hz)、2.67-2.75(2H,m)、3.02(1H,bdt,J=3.2Hz,J=7.
2Hz)、3.24(1H,dd,J=8Hz,J=17.6Hz)、3.84-4.00(4H,
m)、3.91(3H,s)、3.97(3H,s)、5.02(1H,t,J=4.4Hz)、6.
86(1H,s)、7.17(1H,s). ESI-MS: m/z = 376(M+H+).
【0043】参考例21-(3-シアノベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノ
ン)-2-イル]メチルピペリジン
【化32】 4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペ
リジン 0.60g(2.07mmol)を1,2-ジクロロエタン 10mlに
溶解し、3-シアノベンズアルデヒド 0.30ml(2.29mmol)
を加えた。さらに酢酸 0.18ml(3.16mmol)とトリアセト
キシ水素化ホウ素ナトリウム 0.66g(3.11mmol)を加え室
温にて3時間攪拌した。 酢酸エチル60mlを加え、飽和
炭酸ナトリウム水溶液 60mlと飽和塩化ナトリウム水溶
液 60ml にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(NH-シリカゲル;n-ヘキサン /酢酸エチル系)にて精
製し、淡黄オイルの標題化合物0.84gを得た。(収率;
定量的)1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.29-1.41 (2H,m), 1.47-1.
58 (1H,m), 1.60-1.78 (3H,m), 1.88-2.05 (3H,m), 2.6
7-2.74 (2H,m), 2.80-2.89 (2H,m), 3.25 (1H, dd,J=8H
z,J=17.6Hz), 3.51 (2H,s), 3.91 (3H,s), 3.96 (3H,
s), 6.86 (1H,s), 7.17 (1H,s), 7.39-7.50 (1H,m), 7.
52-7.70 (3H,m). ESI-MS : m/z = 405 (M+H+).
【0044】参考例34-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル] メチル-1-
(2-ピコリル)ピペリジン
【化33】 参考例2と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;62%)1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.29-1.58 (3H,m), 1.64-1.
70 (1H,m), 1.72-1.79 (1H,m), 1.80-1.96 (2H,m), 2.0
4-2.13 (2H,m), 2.67-2.75 (2H,m), 2.88-2.96 (2H,m),
3.24 (1H, dd,J=8Hz,J=17.6Hz), 3.65 (2H,s), 3.91
(3H,s), 3.96 (3H,s), 6.86 (1H,s), 7.14-7.17 (1H,
m), 7.17 (1H,s), 7.43 (1H,d, J=8Hz), 7.65(1H, dd,J
=2Hz,J=7.6Hz), 8.54-8.58 (1H,m). ESI-MS : m/z = 381 (M+H+).
【0045】参考例41-[2-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)メチルベンジ
ル]-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチル
ピペリジン
【化34】 参考例2と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を
得た。(収率;94%)1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.00-1.10 (1H,m), 1.11 (9
H,s), 1.20-1.28 (1H,m), 1.32-1.46 (1H,m), 1.48-1.5
5 (1H,m), 1.55-1.63 (2H,m), 1.79-1.88 (3H,m), 2.62
-2.71 (4H,m), 3.20 (1H,dd,J=8Hz,J=17.6Hz), 3.32 (2
H,s), 3.91 (3H,s), 3.96 (3H,s), 4.94 (2H,s), 6.85
(1H,s), 7.17 (1H,s), 7.18-7.46 (9H,m),7.65-7.73 (5
H,m).
【0046】参考例54-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチル-1-
(2-ヒドロキシメチルベンジル)ピペリジン
【化35】 参考例4で得られた1-[2-(t-ブチルジフェニルシリルオ
キシ)メチルベンジル]-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノ
ン)-2-イル]メチルピペリジン0.10g(0.15mmol)をTHF 5m
lに溶解し、テトラ-n-ブチルアンモニウムフロライド0.
23ml(0.23mmol)を加えた。室温にて45分間攪拌した後、
減圧濃縮し、得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフ
ィー(塩化メチレン・メタノール系)にて精製し、淡黄
色オイル状の標題化合物22mgを得た。(収率;35%)1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.20-1.35 (4H,m), 1.55-1.
68 (1H,m), 1.70-1.79 (2H,m), 1.86-1.95 (1H,m), 2.0
3-2.13 (2H,m), 2.63-2.72 (2H,m), 2.91-3.00 (2H,m),
3.23 (1H,dd,J=8Hz,J=17.6Hz), 3.59 (2H,s), 3.90 (3
H,s), 3.96 (3H,s), 4.60 (2H,s), 6.84 (1H,s), 7.16
(1H,s), 7.19-7.37 (4H,m). ESI-MS : m/z = 410 (M+H+).
【0047】参考例61-[2-(t-ブチルジフェニルシリルオキシ)メチルベンジ
ル]-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-
イル]メチルピペリジン
【化36】 参考例5で得られた4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)
-2-イル]メチル-1-(2-ヒドロキシメチルベンジル)ピペ
リジンから、参考例2と同様にして、淡黄色オイル状の
標題化合物を得た。(収率;58%)1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 0.95-1.20 (2H,m), 1.47-1.
65 (4H,m), 1.75-1.86 (2H,m), 1.90-2.01 (1H,m), 2.5
5-2.65 (2H,m), 3.19-3.34 (1H,m), 3.24 (1H,d,J=4.8H
z), 3.29 (2H,s), 3.91 (3H,s), 3.97 (3H,s), 4.92 (2
H,s), 6.82 (1H,s), 7.13-7.47 (9H,m), 7.20 (1H,s),
7.63-7.72 (5H,m).
【0048】参考例71-ベンジル-4-[[[5,6-ジ-(1-プロピルオキシ)]- 1-イン
ダノン]-2-イル]メチルピペリジン
【化37】 メチル 3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロピオネート
19.8g(0.10mol)をDMF 200mlに溶解し、炭酸カリウム33.
4g(0.24mol)と1-プロピルヨーダイド23.6ml(0.24mol)を
加えた。150℃にて5時間攪拌した後、室温まで放冷し、
酢酸エチル800mlを加え、飽和塩化ナトリウム水溶液800
ml×3にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘ
キサン/酢酸エチル系)にて精製し、淡黄オイルの標題
化合物15.6gを得た。(収率;58%) 上記オイル15.6g (58.1mol)をTHF 100mlに溶解し、1N水
酸化ナトリウム水溶液70mlを加え、1時間加熱還流し
た。室温まで放冷した後減圧濃縮し、水500mlを加え、
ジエチルエーテル400mlにて洗浄した。水層を1N塩酸を
用いて酸性に調製した後、酢酸エチル500mlにて抽出
し、飽和塩化ナトリウム水溶液500mlにて洗浄した。乾
燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得られた残渣を酢酸エチル
/n-ヘキサンから再結晶して、白色結晶13.2gを得た。
(収率;89%) 上記結晶13.2g (51.9mol)をベンゼン200mlに溶解し、塩
化チオニル15.1ml(0.207mol)を加え、3時間加熱還流し
た。室温まで放冷した後減圧濃縮し得られた残渣を1,2-
ジクロロエタン500mlに溶解し、塩化アルミニウム8.30g
(62.2mmol)を加えた。0℃にて1時間攪拌した後、氷水50
0mlを加え、セライトを用いて不溶物を濾別した。有機
層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500mlと飽和塩化ナ
トリウム水溶液500ml にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、
減圧濃縮して得られた残渣をメタノールから再結晶し
て、白色結晶5.70gを得た。(収率;44%) 上記結晶5.00g (20.1mmol)をTHF 50mlに溶解し、1-ベン
ジル-4-ホルミルピペリジン5.73g(28.2mmol)のTHF 20ml
溶液と28%ナトリウムメトキシド4.27g(22.2mmol)のTHF
10ml溶液を加えた。室温にて3時間攪拌した後、酢酸エ
チル300mlを加え、飽和塩化ナトリウム水溶液300ml×2
にて洗浄した。乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得られた
残渣を酢酸エチル/n-ヘキサンから再結晶して、淡黄白
色結晶5.53gを得た。(収率;63%) FAB-MS : m/z = 434 (M+H+). 上記結晶3.00g(6.92mmol)をTHF 70mlに溶解し、10%パラ
ジウム炭素0.3gを加え、1.5時間室温常圧にて水素添加
を行った。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮し、得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチ
レン /メタノール系)にて精製し、淡黄オイルの標題
化合物2.20gを得た。(収率;73 %)1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.04 (3H,t,J=7.2Hz), 1.07
(3H, t,J=7.2Hz), 1.24-1.45 (3H,m), 1.45-1.57 (1H,
m), 1.64-1.77 (2H,m), 1.80-1.95 (5H,m), 1.95-2.07
(2H,m), 2.63-2.72 (2H,m), 2.88-2.97 (2H,m), 3.20
(1H,dd,J=8Hz,J=17.2Hz), 3.54 (2H,s), 3.97 (2H,t,J=
6.8Hz), 4.03 (2H,t,J=6.8Hz), 6.82 (1H,s), 7.15 (1
H,s), 7.15-7.38 (5H,m). FAB-MS : m/z = 436 (M+H+).
【0049】実施例11-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-2-フルオロ-1-インダ
ノン)-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩
【化38】 以下の反応は窒素雰囲気下行った。1-ベンジル-4-[(5,6
-ジエトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン
0.20g(0.49mmol)をテトラヒドロフラン(THF) 10mlに溶
解し、-78℃に冷却後、1.0M-リチウム・ビス(トリメチ
ルシリル)アミド/THF溶液 0.59ml(0.59mmol)を注入し
た。45分間かけて-78℃から-20℃まで昇温した後、再び
-78℃に冷却し、N-フルオロベンゼンスルホンイミド 0.
23g(0.73mmol)のTHF 2ml溶液を注入した。 -78℃から
徐々に室温まで昇温し、4時間攪拌後、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液30mlを加え、酢酸エチル30mlにて抽出し
た。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液30mlにて洗浄
し、乾燥(MgSO4)後、減圧濃縮して得た残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(NH-シリカゲル;塩化メチ
レン/メタノール系)にて精製し、淡黄色オイル状の標
題化合物の遊離体 0.12gを得た。(収率;57%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/イソプロピ
ルエーテルから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を
得た。 塩酸塩: 融点; 195-198℃.1 H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.47(3H,t,J=7.2Hz)、
1.52(3H,t,J=7.2Hz)、1.70-1.78(1H,m)、1.86-1.96(2H,
m)、2.00-2.23(4H,m)、2.56-2.74(2H,m)、3.16(1H,dd,J
=9.2Hz,J=17.2Hz)、3.28(1H,dd,J=17.2Hz,J=21.6Hz)、
3.43(2H,dd,J=12Hz,J=20Hz)、4.10(2H,q,J=7.2Hz)、4.1
2(2H,s)、4.18(2H,q,J=7.2Hz)、6.77(1H,s)、7.12(1H,
s)、7.40-7.50(3H,m)、7.55-7.65(2H,m)、12.32(1H,b
s). ESI-MS: m/z = 426(M+H+).
【0050】実施例21-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダ
ノン)-2-イル]ピペリジン
【化39】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を
得た。(収率;84%)1 H-NMR(500Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.14-1.30(2H,m)、1.5
0-1.63(1H,m)、1.89-2.07(3H,m)、2.10-2.20(1H,m)、2.
83(1H,bd,J=11Hz)、3.00(1H,bd,J=11Hz)、3.10(1H,dd,J
=17.5Hz,J=23.5Hz)、3.40(1H,dd,J=11Hz,J=17.5Hz)、3.
49(2H,s)、3.90(3H,s)、3.98(3H,s)、6.83(1H,s)、7.17
(1H,s)、7.20-7.32(5H,m). ESI-MS: m/z = 384(M+H+).
【0051】実施例31-ベンジル-4-[2-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-イン
ダノン)-2-イル]エチル] ピペリジン
【化40】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を
得た。(収率;61%)1 H-NMR(270Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.14-1.48(5H,m)、1.5
5-2.12(6H,m)、2.82-2.94(2H,m)、3.21(2H,bs)、3.49(2
H,s)、3.91(3H,s)、3.98(3H,s)、6.84(1H,s)、7.20(1H,
s)、7.22-7.34(5H,m). ESI-MS: m/z = 412(M+H+).
【0052】実施例44-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(3-フルオロベンジル)ピペリジン・塩酸塩
【化41】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;62%) これを常法により塩酸塩にし、エタノールから再結晶し
て、淡黄色結晶の標題化合物を得た。 塩酸塩: 融点; 213-215℃.1 H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.76-1.82(1H,m)、1.8
8-1.97(2H,m)、2.06-2.24(4H,m)、2.62-2.78(2H,m)、3.
19(1H,dd,J=9.2Hz,J=17.2Hz)、3.31(1H,dd,J=17.2Hz,J=
21.6Hz)、3.45(2H,dd,J=12.8Hz,J=18.8Hz)、3.91(3H,
s)、3.98(3H,s)、4.14(2H,d,J=4Hz)、6.75(1H,s)、7.12
-7.20(1H,m)、7.14(1H,s)、7.36-7.54(3H,m)、12.43(1
H,bs). ESI-MS: m/z = 416(M+H+).
【0053】実施例54-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(3-メチルベンジル)ピペリジン・塩酸塩
【化42】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;67%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/イソプロピ
ルエーテルから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を
得た。 塩酸塩: 融点; 219-221℃(分解).1 H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.72-1.80(1H,m)、1.8
6-1.98(2H,m)、2.00-2.24(4H,m)、2.40(3H,s)、2.54-2.
74(2H,m)、3.14-3.50(4H,m)、3.91(3H,s)、3.98(3H,
s)、4.09(2H,bs)、6.81(1H,s)、7.14(1H,s)、7.23-7.40
(4H,m)、12.28(1H,bs). ESI-MS: m/z = 412(M+H+).
【0054】実施例61-シクロヘキシルメチル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオ
ロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩
【化43】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;57%) これを常法により塩酸塩にし、エタノールから再結晶し
て、淡黄色結晶の標題化合物を得た。 塩酸塩: 融点; 215-225℃(分解).1 H-NMR(400Mz,CD3OD); δ(ppm) 0.99-1.10(2H,m)、1.2
0-1.28(1H,m)、1.28-1.42(2H,m)、1.60-1.90(9H,m)、1.
92-2.22(4H,m)、2.90-3.00(4H,m)、3.28(1H,dd,J=17.2H
z,J=22.4Hz)、3.41(1H,dd,J=11.6Hz,J=17.2Hz)、3.54(2
H,bd,J=12Hz)、3.86(3H,s)、3.95(3H,s)、7.07(1H,s)、
7.18(1H,s). ESI-MS: m/z = 404(M+H+).
【0055】実施例74-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペリ
ジン・塩酸塩
【化44】 参考例1で得られた4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)
-2-イル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピ
ペリジンから、実施例1と同様にして、淡黄色オイル状
の標題化合物(遊離体)を得た。(収率;65%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/イソプロピ
ルエーテルから再結晶して、淡黄色結晶の標題化合物を
得た。 塩酸塩: 融点; 143-145℃.1 H-NMR(400Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.75-2.25(7H,m)、2.7
6-2.92(2H,m)、3.11(2H,bs)、3.18-3.40(2H,m)、3.68(2
H,t,J=12Hz)、3.58-4.05(4H,m)、3.92(3H,s)、3.99(3H,
s)、5.59(1H,t,J=4Hz)、6.83(1H,s)、7.17(1H,s)、12.5
4(1H,bs). ESI-MS: m/z = 394(M+H+).
【0056】実施例81-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-2-
フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン
【化45】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物を
得た。(収率;58%)1 H-NMR(270Mz,CDCl3); δ(ppm) 1.32-1.52(2H,m)、1.5
6-1.80(4H,m)、1.90-2.10(3H,m)、2.86(2H,bd,J=11.7H
z)、3.25(1H,d,J=3.2Hz)、3.31(1H,s)、3.45(2H,s)、3.
91(3H,s)、3.98(3H,s)、5.05(2H,s)、6.83(1H,s)、6.91
(1H,s)、6.94(1H,s)、7.18-7.46(8H,m). ESI-MS: m/z = 504(M+H+).
【0057】実施例91-(3-シアノベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ
-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩
【化46】 参考例2で得られた 1-(3-シアノベンジル)-4-[(5,6-ジ
メトキシ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンか
ら、実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合
物(遊離体)を得た。(収率;16%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 139-141℃.1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.60-2.28 (7H,m), 2.65-2.
83 (2H,m), 3.14-3.52 (4H,m), 3.91 (3H,s), 3.98 (3
H,s), 4.19 (2H,bs), 6.82 (1H,s), 7.15 (1H,s),7.62
(1H,t,J=7.6Hz), 7.75 (1H, t,J=7.6Hz), 7.85 (1H,s),
8.28 (1H,d,J=8Hz), 12.62 (1H,bs). ESI-MS : m/z = 423 (M+H+).
【0058】実施例104-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル] メチル-1-(2-ピコリル)ピペリジン・2塩酸塩
【化47】 参考例3で得られた4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダノン)
-2-イル] メチル-1-(2-ピコリル)ピペリジンから、実施
例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離
体)を得た。(収率;34%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 177-180℃.1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.75-2.20 (6H,m), 3.17-3.
42 (7H,m), 3.92 (3H,s), 3.99 (3H,s), 4.90 (2H,bs),
6.83 (1H,s), 7.18 (1H,s), 7.91 (1H,bs), 8.45 (1H,
bs), 8.70-8.78 (1H,m), 9.12 (1H,bs).(塩酸のプロト
ンは観察されず) ESI-MS : m/z = 399 (M+H+).
【0059】実施例114-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル] メチル-1-(3-ニトロベンジル)ピペリジン・塩酸塩
【化48】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;80%) これを常法により塩酸塩にし、エタノールから再結晶し
て、淡黄白色結晶の標題化合物を得た。 融点: 161-162℃.1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.74-2.02 (4H,m), 2.05-2.
26 (3H,m), 2.76-2.94 (2H,m), 3.16-3.38 (2H,m), 3.4
3-3.56 (2H,m), 3.91 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.33 (2H,
bs), 6.82 (1H,s), 7.14 (1H,s), 7.70 (1H,t,J=8Hz),
8.30 (1H,t,J=7.6Hz), 8.40-8.53 (2H,m), 12.61 (1H,b
s). ESI-MS : m/z = 443 (M+H+).
【0060】実施例121-ベンジル-4-[(5-メトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)
-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩
【化49】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;33%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 194-195℃.1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.63-2.23 (7H,m), 2.56-2.
74 (2H,m), 3.21 (1H,dd, J=9.2Hz,J=17.2Hz), 3.34 (1
H,dd,J=17.2Hz,J=21.6Hz), 3.37-3.48 (2H,m), 3.90 (3
H,s), 4.12 (2H,bs), 6.83 (1H,s), 6.94 (1H,dd,J=2H
z,J=8.4Hz), 7.42-7.47 (3H,m), 7.57-7.64 (2H,m), 7.
69(1H,d,J=8.4Hz), 12.34 (1H,bs). ESI-MS : m/z = 368 (M+H+).
【0061】実施例131-ベンジル-4-[(2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メ
チルピペリジン・塩酸塩
【化50】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;57%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 187-189℃.1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.72-2.23 (7H,m), 2.57-2.
74 (2H,m), 3.27 (1H,dd, J=9.2Hz,J=17.2Hz), 3.40 (1
H,dd,J=17.2Hz,J=21.6Hz), 3.37-3.49 (2H,m), 4.13 (2
H,d,J=4.4Hz), 7.38-7.50 (5H,m), 7.58-7.64 (2H,m),
7.67 (1H,t, J=7.6Hz),7.76 (1H,d,J=7.2Hz), 12.37
(1H,bs). ESI-MS : m/z = 338 (M+H+).
【0062】実施例141-ベンジル-4-[3-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-イン
ダノン)-2-イル]プロピル]ピペリジン・塩酸塩
【化51】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;18%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 194-195℃.1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.30-1.53 (5H,m), 1.66-1.
88 (3H,m), 1.89-2.05 (3H,m), 2.55-2.70 (2H,m), 3.2
4 (2H,d,J=15.6Hz), 3.40-3.52 (2H,m), 3.91 (3H,s),
3.99 (3H,s), 4.17 (2H,bs), 6.86 (1H,s), 7.18 (1H,
s), 7.44 (3H,bs), 7.61 (2H,bs), 11.90 (1H,bs). ESI-MS : m/z = 426 (M+H+).
【0063】実施例154-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(4-ヒドロキシベンジル)ピペリジン・塩酸
【化52】 1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジメトキシ-2-
フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン(実
施例8) 41mg(0.081mmol)をTHF 4mlに溶解し、 10%パ
ラジウム炭素10mgを加え、室温常圧にて4時間水素添加
を行った。触媒を濾別後、濾液を減圧濃縮して得られた
残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(塩化メチレン/
メタノール)にて精製し、淡黄オイルの標題化合物(遊
離体)13mgを得た。(収率;39%) これを常法により塩酸塩に変換し、エタノール/t-ブチ
ルメチルエーテルを用いて固化し、淡黄白色アモルファ
スの目的化合物を得た。1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ:1.70-2.25 (8H,m), 2.65-2.88
(2H,m), 3.18-3.48 (4H,m), 3.89 (3H,s), 3.97 (3H,
s), 4.05 (2H,bs), 6.85 (1H,bs), 6.94 (2H,bs),7.13
(1H,s), 7.35 (2H,bs), 10.66 (1H,bs). ESI-MS : m/z = 414 (M+H+).
【0064】実施例164-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(2-ヒドロキシメチルベンジル)ピペリジン
・塩酸塩
【化53】 参考例6で得られた1-[2-(t-ブチルジフェニルシリルオ
キシ)メチルベンジル]-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ
-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンから、参考例
5と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物(遊離
体)を得た。(収率;64%) これを常法により塩酸塩にし、凍結乾燥して、淡黄白色
アモルファスの標題化合物を得た。1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.70-2.03 (5H,m), 2.05-2.
28 (3H,m), 2.93-3.15 (2H,m), 3.20-3.36 (2H,m), 3.5
5-3.70 (2H,m), 3.90 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.42 (2H,
bs), 4.86 (2H,bs), 6.85 (1H,s), 7.13 (1H,s), 7.30-
7.45 (3H,m), 7.45-7.60 (1H,m).(塩酸のプロトンは観
察されず) ESI-MS : m/z = 428 (M+H+).
【0065】実施例171-ベンジル-4-[[[5,6-ジ-(1-プロピルオキシ)]-2-フル
オロ-1-インダノン]-2-イル]メチルピペリジン・塩酸塩
【化54】 参考例7で得られた1-ベンジル-4-[[[5,6-ジ-(1-プロピ
ルオキシ)]- 1-インダノン]-2-イル]メチルピペリジン
から、実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化
合物(遊離体)を得た。(収率;33%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 211-214℃(分解).1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.04 (3H,t,J=7.2Hz), 1.07
(3H, t,J=7.2Hz), 1.70-2.23 (13H,m), 3.10-3.35 (2
H,m), 3.38-3.52 (2H,m), 3.96 (2H,t,J=6.4Hz),4.04
(2H,t,J=6.4Hz), 4.15 (2H,bs), 6.77 (1H,s), 7.12 (1
H,s), 7.45 (3H,bs), 7.60 (2H,bs), 12.09 (1H,bs). ESI-MS : m/z = 454 (M+H+).
【0066】実施例184-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(2-フルオロベンジル)ピペリジン・塩酸塩
【化55】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;57%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 203-208℃(分解).1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.74-2.00 (3H,m), 2.00-2.
26 (4H,m), 2.64-2.82 (2H,m), 3.15-3.25 (1H,m), 3.2
9 (1H,dd,J=16.8Hz,J=38.4Hz), 3.40-3.54 (2H,m), 3.9
0 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.22 (2H,s), 6.82 (1H,s),
7.12-7.18 (2H,m),7.26-7.32 (1H,m), 7.46 (1H,bdd,J=
6.4Hz,J=13.6Hz), 7.92 (1H,bt,J=6.4Hz),12.42 (1H,b
s). ESI-MS : m/z = 416 (M+H+).
【0067】実施例194-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イ
ル]メチル-1-(4-フルオロベンジル)ピペリジン・塩酸塩
【化56】 実施例1と同様にして、淡黄色オイル状の標題化合物
(遊離体)を得た。(収率;53%) これを常法により塩酸塩にし、エタノール/t-ブチルメ
チルエーテルから再結晶して、淡黄白色結晶の標題化合
物を得た。 融点: 215-220℃(分解).1 H-NMR (400Mz:CDCl3)δ : 1.70-1.98 (3H,m), 2.04-2.
26 (4H,m), 2.58-2.74 (2H,m), 3.14-3.24 (1H,m), 3.2
9 (1H,dd,J=17.2Hz,J=38.4Hz), 3.37-3.50 (2H,m), 3.9
1 (3H,s), 3.98 (3H,s), 4.11 (2H,s), 6.82 (1H,s),
7.10-7.17 (3H,m),7.64-7.72 (2H,m), 12.34 (1H,bs). ESI-MS : m/z = 416 (M+H+).
【0068】
【薬理試験例】以下に、本発明にかかる化合物の医薬と
しての有用性を示す薬理試験例を掲げる。 [In vitroアセチルコリンエステラーゼ阻害作用] 1)試験方法 アセチルコリンエステラーゼ源として、ラット脳ホモジ
ネートを用いて、Ellmanらの方法1)に準拠してエステラ
ーゼ活性を測定した。マウス脳ホモジネートに、基質と
してアセチルチオコリン、被検体及びDTNB[5,5'-ジチオ
ビス(2-ニトロ安息香酸)]を添加し、インキュベーショ
ン後、産生したチオコリンがDTNBと反応し、生じる黄色
産物を412nmにおける吸光度変化として測定し、アセチ
ルコリンエステラーゼ活性を求めた。各被験化合物のア
セチルコリンエステラーゼ阻害活性を、50%阻害濃度(IC
50)として求めた。1) ; Ellman.G.L., Courtney, K.D., Andres, V.and Fea
therstone, R.M., (1961), Biochem.Pharmacol., 7, 88
〜95. 2)被験化合物 各化合物を、それぞれ生理食塩水に溶解して用いた。 3)結果
【表1】 上記結果から、本発明にかかる化合物が有する優れた効
果が明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/454 A61K 31/454 31/4709 31/4709 31/517 31/517 31/55 31/55 A61P 25/28 A61P 25/28 43/00 111 43/00 111 C07D 401/04 C07D 401/04 401/06 401/06 401/12 401/12 405/06 405/06 413/06 413/06 417/06 417/06 498/04 103 498/04 103 (72)発明者 柴田 哲男 富山県射水郡小杉町南太閤山2−2 医薬 大宿舎5−104 (72)発明者 鈴木 英美子 富山県富山市古沢738 グランドハイツ日 本海208 Fターム(参考) 4C054 AA02 CC02 CC03 DD01 EE01 FF05 FF06 4C063 AA01 AA03 CC10 CC12 CC14 CC19 CC20 CC31 CC62 CC81 DD06 DD10 EE01 4C072 AA01 AA07 BB02 CC02 CC11 EE02 FF03 GG06 GG07 HH05 HH07 JJ03 UU01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC21 BC28 BC32 BC33 BC45 CB22 CB27 GA02 GA07 GA08 GA09 GA10 MA01 MA04 NA14 ZA16 ZC20

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、R1は下記置換基 【化2】 (式中、R3は同一または相異なって水素原子、ハロゲ
    ン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキ
    ル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシアルコキシ
    基、ハロゲン化C1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アル
    キル基、シアノC 1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アル
    コキシ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6
    アルコキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されてい
    てもよいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メ
    ルカプト基またはC1-6チオアルコキシ基を示す;R4
    水素原子またはC1-6アルキル基を示す;下記式 【化3】 で表される結合は単結合または二重結合を示す;mは0
    または1ないし6の整数を示す;nは1ないし4の整数
    を示す;pは1または2の整数を示す。)から選ばれた
    いずれかの基を示す;R2はC3-8シクロアルキルメチル
    基、2,2-(アルキレンジオキシ)エチル基または式 【化4】 (式中、環Aはベンゼン環または複素環を示す;R5
    それぞれ同一または相異なって水素原子、ハロゲン原
    子、水酸基、ニトリル基、C1-6アルキル基、C3-8シク
    ロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、
    ハロゲン化C 1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル
    基、シアノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルコキ
    シ基、ヒドロキシC1-6アルコキシ基、シアノC1-6アル
    コキシ基、低級アシル基、ニトロ基、置換されていても
    よいアミノ基、置換されていてもよいアミド基、メルカ
    プト基またはC1-6チオアルコキシ基を示し、さらに、
    5は2つのR5どうしで脂肪環、芳香環、ヘテロ環また
    はアルキレンジオキシ環を形成してもよい。;qはそれ
    ぞれ0または1ないし5の整数を示す。)で表される基
    を示す;ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フ
    ルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジンもしく
    はその薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物を
    除く。〕で表される4−置換ピペリジン誘導体フッ化物
    もしくはその薬理学的に許容される塩またはそれらの水
    和物。
  2. 【請求項2】R1が式 【化5】 〔式中、R3、mおよびnは前記定義に同意義を示
    す。〕で表される基である請求項1記載の4−置換ピペ
    リジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容され
    る塩またはそれらの水和物。
  3. 【請求項3】R2が式 【化6】 〔式中、環A、R5およびqは前記定義に同意義を示
    す。〕で表される基である請求項1記載の4−置換ピペ
    リジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容され
    る塩またはそれらの水和物。
  4. 【請求項4】環Aが式 【化7】 〔式中、R5およびqは前記定義に同意義を示す。〕で
    表される基である請求項3記載の4−置換ピペリジン誘
    導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩また
    はそれらの水和物。
  5. 【請求項5】環Aが芳香族複素環である請求項3記載の
    4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学
    的に許容される塩またはそれらの水和物。
  6. 【請求項6】環Aがピリジン環である請求項3記載の4
    −置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的
    に許容される塩またはそれらの水和物。
  7. 【請求項7】qが1または2の整数である請求項1ない
    し6のいずれか1項に記載の4−置換ピペリジン誘導体
    フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそ
    れらの水和物。
  8. 【請求項8】4−置換ピペリジン誘導体フッ化物が (1) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジエトキシ-2-フルオロ-1-イ
    ンダノン)-2-イル]メチルピペリジン、 (2) 1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-イ
    ンダノン)-2-イル]ピペリジン (3) 1-ベンジル-4-[2-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-
    インダノン)-2-イル]エチル]ピペリジン、 (4) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-
    イル]メチル-1-(3-フルオロベンジル)ピペリジン、 (5) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-
    イル]メチル-1-(3-メチルベンジル)ピペリジン、 (6) 1-シクロヘキシルメチル-4-[(5,6-ジメトキシ-2-フ
    ルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジン、 (7) 4-[(5,6-ジメトキシ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-
    イル]メチル-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)メチルピペ
    リジン、 (8) 1-(4-ベンジルオキシベンジル)-4-[(5,6-ジメトキ
    シ-2-フルオロ-1-インダノン)-2-イル]メチルピペリジ
    ン、 (9) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2-フルオロ-1-
    (2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-8-イル)-
    1-プロパノン、 (10) 3-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2,2-ジフルオ
    ロ-1-(2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンズアゼピン-8-
    イル)-1-プロパノン、 (11) 5,7-ジヒドロ-3-{1-フルオロ-2-[1-(フェニルメチ
    ル)-4-ピペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,2-ベ
    ンズイソオキサゾール-6-オン、 (12) 5,7-ジヒドロ-3-{1,1-ジフルオロ-2-[1-(フェニル
    メチル)-4-ピペリジニル]エチル}-6H-ピロロ[4,5-f]-1,
    2-ベンズイソオキサゾール-6-オン、 (13) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-(フェニ
    ルメチル)-4-ピペリジニル]-2-フルオロ-1-プロパノン
    および (14) 1-(2-メチル-6-ベンゾチアゾリル)-3-[1-(フェニ
    ルメチル)-4-ピペリジニル]-2,2-ジフルオロ-1-プロパ
    ノンから選ばれた一種である請求項1記載の4−置換ピ
    ペリジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容さ
    れる塩またはそれらの水和物。
  9. 【請求項9】請求項1記載の4−置換ピペリジン誘導体
    フッ化物もしくはその薬理学的に許容される塩またはそ
    れらの水和物を有効成分としてなる医薬。
  10. 【請求項10】アセチルコリンエステラーゼ阻害剤であ
    る請求項9記載の医薬。
  11. 【請求項11】各種老人性痴呆症、脳血管性痴呆または
    注意欠陥多動障害の治療・予防・改善剤である請求項9
    記載の医薬。
  12. 【請求項12】各種老人性痴呆症がアルツハイマー型老
    年痴呆である請求項11記載の医薬。
  13. 【請求項13】式 【化8】 〔式中、R11は下記置換基 【化9】 (式中、R3、R4、n、m、pおよび下記式 【化10】 で表される結合は前記定義に同意義を示す。)から選ば
    れたいずれかの基を示す;R2は前記定義に同意義を示
    す;ただし、1-ベンジル-4-[(5,6-ジメトキシ-1-インダ
    ノン)-2-イル]メチルピペリジンを除く。〕で表される
    4−置換ピペリジン誘導体をフッ素化し、必要に応じて
    塩にすることを特徴とする請求項1記載の4−置換ピペ
    リジン誘導体フッ化物もしくはその薬理学的に許容され
    る塩またはそれらの水和物の製造法。
  14. 【請求項14】フッ素化剤がN-フルオロベンゼンスルホ
    ンイミド、3-シクロヘキシル-2-フルオロ-2,3-ジヒドロ
    -3-メチル-1,1-ジオキシド-1,2-ベンズイソチアゾール
    または2-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1,2-ベ
    ンズイソチアゾール 1,1-ジオキシドである請求項13
    記載の4−置換ピペリジン誘導体フッ化物もしくはその
    薬理学的に許容される塩またはそれらの水和物の製造
    法。
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