JP4241369B2 - リニアスケール - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械及び測定機等の可動部の位置及び移動量等を測定する際に使用されるリニアスケールに関する。
工作機械等の可動部(測定対象物)の位置及び移動量の測定に使用されるリニアスケールは、目盛りが形成されたスケール部とこのスケール部の目盛りを読み取る検出部とを有する。リニアスケールによる測定対象物の位置及び移動量の測定方法としては、例えば、スケール部に規則的にパターン(目盛り)を形成し、このパターン(目盛り)に光を照射し、検出部によりその変位量を測定して位置を検出する光学式(例えば、特許文献1参照。)と、スケール部をその長手方向に周期的に磁極が形成された磁石より構成し、検出部である磁気センサによりこの磁極を感知して位置を検出する磁気式(例えば、特許文献2参照。)とがある。
従来、リニアスケールにより工作機械の可動部の位置を検出する際は、例えば、工作機械の非可動部にスケール部が取り付けられ、前記工作機械の可動部に検出部が取り付けられ、この検出部が前記工作機械の可動部と共にスケール部の長手方向に沿って移動することにより、前記可動部の位置を検出していた。
しかしながら、従来のリニアスケールは、測定環境の温度が変化すると、スケール材の熱膨張率に依存してその長さが変化して、真の値が表示されないという問題がある。そこで、従来のリニアスケールでは、温度検出器により測定環境の温度を測定し、計算により測定値の補正を行っている。また、熱膨張率が異なる材料からなる2本のスケール部を設け、その伸縮の差を検出することにより、測定誤差を補正するリニアスケールも提案されている(例えば、特許文献3及び4参照。)。
実開平6−53915号公報 (第4−7頁、第1図) 特開平11−148842号公報 (第3−5頁、第1図) 特開平4−9713号公報 (第2頁、第1図) 特開平9−24679号公報 (第3頁、第3図)
しかしながら、前述の従来の技術には以下に示す問題点がある。スケール部が長尺である場合、その長手方向に温度分布が生じるため、温度検出器を設ける方法では、複数個の温度検出器により多点の温度を測定しなければならず、測定誤差が大きくなったり又は測定時間が長くなったりする等の問題点がある。
また、前述の特許文献3に記載のリニアスケールは、スケール材として熱膨張率の絶対値が等しく、正負が逆の材料が必要であるが、このような材料は工業生産上不可能である。更に、特許文献4のリニアスケールにおいては、先ず、2つのヘッドを物理的に同じ位置に設置し、その後、一方のヘッドの測定値と同じ値を示すように、他方のヘッドの位置を移動させることにより、検出位置のずれを測定するため、2回の操作が必要であり、また、ヘッドの設置位置に誤差が生じる可能性もある。
更にまた、特許文献4においては、検出位置のずれからオフセット値を算出するが、その方法が開示されていない。通常、オフセット値を計算する場合、予め、測定した検出位置ずれの値の補正量を計算するための比例定数を算出しておくが、この比例定数は、温度が一定の条件下で成り立つため、測定環境の温度が異なる場合、再度算出するか、又は、各温度における定数を記載した表を準備しておかなければならない。このため、検出位置のずれを測定する度に測定環境の温度測定も必要になる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、温度を測定せずに、基準点から検出器までの距離の真値を計測することができるリニアスケールを提供することを目的とする。
本発明に係るリニアスケールは、基準点からの距離を求めるリニアスケールにおいて、前記基準点から平行に延び温度変化により前記基準点からの長さが変化する2本のスケール部と、前記2本のスケール部上における前記基準点からの目盛りを読み取る検出器と、を有し、前記2本のスケール部は熱膨張率が相違し、一方のスケール部の熱膨張率をα、他方のスケール部の熱膨張率をαとし、前記検出器による一方のスケール部の目盛りの読み取り値をa、他方のスケール部の目盛りの読み取り値をbとしたとき、前記基準点からの距離の真値Lは下記数式1により求まることを特徴とする。
Figure 0004241369
本発明においては、熱膨張率が異なる2本のスケール部を設けているため、これらのスケール部から同時に読み取った目盛り読み取り値a及びb、並びにこれらの熱膨張率α及びαから真値Lを求めることができる。これにより、測定環境の温度を測定せずに、基準点から検出器までの距離の真値Lを計測することができる。
前記検出器は、例えば、測定対象物と共に移動し、前記検出器の前記基準点からの距離の真値Lを求めることにより、前記測定対象物の移動量を求めることができる。また、前記2本のスケール部は、一方をCu−Ni−Fe合金により形成し、他方をFe−Cr−Co合金により形成してもよい。又は、前記2本のスケール部を、一方のスケール部の熱膨張率αと、他方のスケール部の熱膨張率αとの差が0.5×10−6以上である材料で形成してもよい。更に、前記2本のスケール部は、磁気的に又は光学的に読み取り可能な目盛りが記録されていることが好ましい。これにより、検出器として磁気ヘッド又は光学ヘッドを使用することにより、前記スケール部に記録されている目盛りを読み取ることができる。
本発明によれば、線熱膨張率が異なる2本のスケール部を設け、検出器によりこれらの目盛りを同時に読み取とることにより、これらの目盛り読み取り値と熱膨張率の値から、基準点から検出器までの距離の真値を求めることができるため、測定環境の温度が目盛り形成時の温度と異なっていても、温度検出器等による測定環境の温度測定を行わずに、基準点から検出器までの距離の真値を求めることができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るリニアスケールについて、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1(a)は本実施形態のリニアスケールを示す平面図であり、図1(b)は図1(a)に示すヘッドユニットの構成を示す断面図である。図1(a)に示すように、本実施形態のリニアスケールは、熱膨張率が互いに異なる第1のスケール部1と、第2のスケール部2とが設けられている。これらの第1のスケール部1及び第2のスケール部2には、目盛りとして、その長手方向に沿って周期的にスリットが形成されている。また、第1のスケール部1は、例えば、熱膨張率が16.5×10−6であるCuにより形成され、第2のスケール部2は、例えば、熱膨張率が11.8×10−6であるFeにより形成されている。そして、この第1のスケール部1及び第2のスケール部2は、工作機械等の可動部(測定対象物)の移動方向xに沿って配置され、一方の端部が工作機械等の非可動部4に固定される。
また、本実施形態のリニアスケーにおいては、第1のスケール部1及び第2のスケール部2を上下から挟み込むように、コの字型のヘッドユニット3が配置される。このヘッドユニット3は、測定対象物(工作機械等の可動部)に固定されており、第1のスケール部1及び第2のスケール部2に沿って移動する。また、図1(b)に示すように、このヘッドユニット3には、下方から順に、光源6、コリメートレンズ7、固定スリット部材8、光学検出器9が取り付けられている。そして、第1のスケール部1及び第2のスケール部2は、コリメートレンズ7と固定スリット部材8との間に配置され、光源6から出射した光10はコリメートレンズ7を介して第1のスケール部1及び第2のスケール部2に照射され、第1のスケール部1及び第2のスケール部2のスリットを通過し、更に固定スリット部材8に形成されたスリットを通過して光学検出器9により検出されるようになっている。即ち、ヘッドユニット3が第1のスケール部1及び第2のスケール部2の基準点から両スケール部に沿って移動したときに、スリットを透過した光10を光学検出器9により検出した回数をカウントすることにより、ヘッドユニット3が通過したスリットの数をカウントし、これにより、第1のスケール部1及び第2のスケール部2の夫々の目盛りを読み取る。
次に、上述の如く構成された本実施形態のリニアスケールの動作について説明する。本実施形態のリニアスケールは、先ず、第1のスケール部1及び第2のスケール部2を、工作機械等の可動部(測定対象物)の移動方向xに沿って配置し、これらの一方の端部を工作機械等の非可動部4に固定すると共に、ヘッドユニット3を工作機械等の可動部(測定対象物)に固定する。そして、測定対象物が移動している間、ヘッドユニット3に取り付けられた光源6から第1のスケール部1及び第2のスケール部2に向けて光10を照射する。光源6から出射した光10は、コリメートレンズ7にて並行光となり、第1のスケール部1及び第2のスケール部2に照射される。そして、第1のスケール部1及び第2のスケール部2のスリットを通過した光10は、固定スリット部材8のスリットを通過して、光学検出器9で検出される。このとき、ヘッドユニット3は測定対象物と共に第1のスケール部1及び第2のスケール部2に沿って移動しているため、固定スリット部材8と第1のスケール部1及び第2のスケール部2のスリットとが相対的に移動する。このため、光学検出器9で検出される光10の光量は、スケール部1及び第2のスケール部2のスリットが形成されている間隔に応じて周期的に変化する。このため、光学検出器9においては正弦波として検出される。この光学検出器9で検出された信号を分割処理をすることにより、検出器3と移動開始点(基準点)との間に存在するスリットの数を、検出器3と移動開始点(基準点)との間の距離として、第1のスケール部1及び第2のスケール部2の目盛りを読み取る。
このとき、第1のスケール部1と第2のスケール部2とは、夫々熱膨張率が異なるため、異なる値を示す。第1のスケール部1の目盛り読みとり値をa、線熱膨張率をαとし、第2のスケール部2の目盛り読みとり値をb、線熱膨張率をαとし、第1のスケール部1及び第2のスケール部2にスリット(目盛り)を形成した時の温度(基準温度)と測定時の温度との温度差をΔtとしたとき、第1のスケール部1における基準点からの距離L及び第2のスケール部2における基準点からの距離Lは下記数式2及び数式3により表される。
Figure 0004241369
Figure 0004241369
この距離L及び距離Lは、1つの検出器3で読み取っているため、第1のスケール部1における基準点からの距離L及び第2のスケール部2における基準点からの距離Lは等しく、この距離L及び距離Lが検出器3の基準点からの距離の真値Lである。従って、上記数式2から下記数式4が、上記数式3から下記数式5が夫々導かれる。
Figure 0004241369
Figure 0004241369
そして、上記数式4から上記数式5を引くことにより、下記数式6が求められる。
Figure 0004241369
上記数式6より、検出器3の基準点からの距離の真値Lを表す下記数式7が導かれる。
Figure 0004241369
本実施形態においては、線熱膨張率が異なる2本のスケール部を設け、検出器によりこれらのスケール部に形成された目盛り(スリット)の数を同時に検出することにより、その目盛り読み取り値及びスケール部の熱膨張率の値から、基準点から検出器までの距離の真値を求めることができる。これにより、測定環境の温度が目盛り(スリット)形成時の温度と異なっていても、温度検出器等による測定環境の温度測定を行う必要がなくなる。
また、本実施形態のリニアスケールは、2本のスケール部が同一温度であれば、その長さ方向に温度分布をもっていても、基準点からの距離の真値を求めることができる。図2(a)は基準温度における本実施形態のリニアスケールの状態を示す模式図であり、図2(b)はこのリニアスケールが熱膨張した状態を示す模式図である。例えば、第1のスケール部1の熱膨張率が10×10−6であり、第2のスケール部2の熱膨張率が15×10−6であり、共に基準温度から1℃高い部分と5℃高い部分がある場合、第1のスケール部1及び第2のスケール部2は、図2(a)に示す基準温度における長さよりも長くなる。但し、図2(b)に示すように、第1のスケール部1と第2のスケール部2とは熱膨張率が異なるため、その伸び量が異なり、基準温度で付した第1のスケール部1及び第2のスケール部2の目盛りにずれが生じ、第1のスケール部1の読み取り値aと第2のスケール部2の読み取り値bとは異なる値を示す。このとき、上記数式2及び数式3から求められる距離L及び距離Lは等しいので、第1のスケール部1の読み取り値aに対応する第2のスケール部2の読み取り値bは、下記数式8により表される。
Figure 0004241369
一方、第1のスケール部1の読み取り値aで表される基準点からの距離を、基準温度のスケールで測定したときの値、即ち、基準温度における基準点からの距離の真の値Aは下記数式9により求められる。
Figure 0004241369
本実施形態のリニアスケールにおいては、第1のスケール部1を熱膨張率が16.5×10−6であるCuにより形成し、第2のスケール部2を熱膨張率が11.8×10−6であるFeにより形成した場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1のスケール部1の熱膨張率と、第2のスケール部2の熱膨張率との差が0.5×10−6以上であればよい。第1のスケール部1の熱膨張率と、第2にスケール部2の熱膨張率との差は、2.0×10−6以上であることがより好ましい。図3は横軸に第1及び第2にスケール部における熱膨張率の差をとり、縦軸に誤差の最大値をとって、第1及び第2にスケール部における熱膨張率の差と誤差の最大値との関係を示すグラフ図である。図3に示すように、本実施形態のリニアスケールにおいては、熱膨張率の差を2.0×10−6以上にすることにより、上記数式9から求められる温度分布による伸びを補正した真の値Aと、本実施形態のリニアスケールを使用し上記数式7から求めた真の値Lとの差(誤差)を2.5×10−13m以下にすることができるため、測定値と真の距離Lとの誤差を測定分解能(1×10−8m)よりも十分に小さくすることができる。これにより、測定誤差を極めて小さくすることができる。なお、熱膨張率の差を4.0×10−6以上にすると、測定誤差は1×10−13m以下になる。
図4(a)は横軸にスケールの目盛りをとり、縦軸に誤差をとって、本実施形態のリニアスケール及び従来のリニアスケールにより求めた測定値の誤差を示すグラフ図であり、図4(b)は図4(a)に示す本実施形態のリニアスケールの温度変化部における測定誤差を拡大して示すグラフ図である。なお、図4(a)に示す従来のリニアスケールは、スケール部は1本で、目盛りの読み取り値のみを使用して基準点からの距離を求めており、温度分布による伸びの補正を行っていない。また、図4(a)及び(b)では、スケール目盛り210mmの部分までが基準温度よりも1℃上昇しており、スケール目盛り210mmを超え410mmまでの部分が基準温度よりも5℃上昇している。
図4(a)に示すように、従来のリニアスケールにより求めた値は、基準温度との温度差が大きくなるに従い、温度補正をして求めた真の値Aとの誤差が大きくなる。一方、本実施形態のリニアスケールにより求めた真の値Lの誤差は、図4(b)に示すように、場所によって1×10−12乃至2.5×10−12mの範囲で変動しているが、基準温度との温度差が大きくなっても測定誤差はほぼ一定であり、測定誤差は全ての部分で測定分解能(1×10−8m)よりも十分に小さい。このため、本実施形態のリニアスケールは、従来のリニアスケールでは温度測定により目盛り読み取り値を補正することが困難であったスケール部の長さ方向における温度変動が大きい場合に特に有効である。
前述の第1実施形態のリニアスケールは、スケール部に目盛りとしてスリットが形成されている場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気的に目盛りが記録された方式にも適用することができる。以下、本発明の第2実施形態として、磁気を利用したリニアスケールについて説明する。図5(a)は本実施形態のリニアスケールを示す平面図であり、図5(b)はその読み取り部における断面図である。図5(a)に示すように、本発明の第2実施形態に係るリニアスケールには、熱膨張率が互いに異なる第1のスケール部11と、第2のスケール部12とが設けられている。これらの第1のスケール部11及び第2のスケール部12は、目盛りとして、その長手方向に沿って周期的に着磁されている。この第1のスケール部11は、例えば、Fe−Cr−Coにより形成されており、第2のスケール部12はCu−Ni−Feにより形成されている。そして、第1のスケール部11及び第2のスケール部12は、工作機械等の可動部(測定対象物)の移動方向xに沿って配置され、一方の端部が工作機械等の非可動部14に、高熱導電性両面テープにより固定されている。
また、本実施形態のリニアスケールにおいては、第1のスケール部11及び第2のスケール部12の上方には、ヘッドユニット13が配置される。このヘッドユニット13は、測定対象物(工作機械等の可動部)に固定されており、第1のスケール部11及び第2のスケール部12に沿って移動する。また、図5(b)に示すように、このヘッドユニット13の第1のスケール部11及び第2のスケール部12側の面には、外部磁界の変動に応じて電気抵抗が変化するMRヘッド(Magneto Resistive Head)19が取り付けられている。
図6(a)は本実施形態における第1のスケール部11を示す平面図であり、図6(b)はその着磁状態を示す平面図であり、図6(c)はMRヘッド19の取り付け位置を示す側面図である。図6(a)に示すように、第1のスケール部11は、一定の間隔で目盛り17が形成されている。即ち、第1のスケール部11は、図6(b)に示すように、一定間隔をあけてN極とS極とが交互になるように磁化されており、これらの磁極間の距離(ピッチp)は一定である。また、図6(c)に示すように、ヘッドユニット13には、1つのスケール部に対して、移動方向xに(1/2)pだけずらして配置された1対のMRヘッドが、(3/4)pだけずらして2対、合計4対取り付けられている。そして、ヘッドユニット13が基準点からスケール部に沿って移動したときに、MRヘッド対により検出した磁極の数をカウントすることにより、第1のスケール部11及び第2のスケール部12の夫々の目盛りを読み取る。なお、第2のスケール部12も、同様に着磁され、第1のスケール部11に形成された目盛りと同じ間隔で目盛りが形成されている。
次に、上述の如く構成された本実施形態のリニアスケールの動作について説明する。先ず、第1のスケール部11及び第2のスケール部12を、工作機械等の可動部(測定対象物)の移動方向xに沿って配置し、これらの一方の端部を工作機械等の非可動部14に固定すると共に、ヘッドユニット13を工作機械等の可動部(測定対象物)に固定する。そして、測定対象物が移動している間、MRヘッド19によりスケール部に形成された磁極を感知し、磁極を感知した回数(磁極の数)を積算計でカウントすること、又は、磁極を感知した信号から演算によって出力した値をカウントすることにより、測定対象物(検出器)と基準点(移動開始点)との間の距離を求める。
図7(a)は本実施形態のリニアスケールにおけるMRヘッド対を示す模式図であり、図7(b)は横軸に磁界強度をとり、縦軸にMR抵抗値をとって、図7(a)に示すMRヘッド対により出力されるデータを示すグラフ図である。本実施形態のリニアスケールにおいては、MRヘッド19aとMRヘッド19bとは、(p/2)だけ離れて配置されているため、ヘッドユニット13を移動させた場合、MRヘッド19aで検出される外部磁場の変動による抵抗値の変化は、MRヘッド19bで検出される磁場の変動による抵抗値の変化に対して逆位相になる。そして、図7(a)に示すように、MRヘッド19a及びMRヘッド19bの両端に直流電圧を印加しながらこれらを移動させると、中点及びいずれか一方の端子から磁界の変化に相当した出力が得られる。
また、ヘッドユニット13には、1つのスケールに対して、MRヘッド19a及びMRヘッド19bからなる第1のMRヘッド対18a及びMRヘッド19c及びMRヘッド19dからなる第2のMRヘッド対18bの2対が取り付けられている。そして、第2のMRヘッド対18bは、第1のMRヘッド対に対して(3/4)pだけずらして配置されているため、隣り合うMRヘッド19bとMRヘッド19cとは(1/4)pだけずらして配置されている。このため、第2のMRヘッド対18bでは、第1のMRヘッド対で得られた信号よりも90°ずれた信号が得られる。本実施形態のリニアスケールにおいては、この2対のMRヘッド対で得られた2相信号を、電気的に分割処理して分解能を向上させている。更に、本実施形態のリニアスケールにおいては、前述の第1実施形態と同様に、2本のスケール部を夫々熱膨張率が異なる材料により形成することにより、温度変化による測定誤差の発生を抑制しているため、測定環境の温度に影響されずに真値を求めることができる。
その結果、磁気を利用した読み取り方式においても、前述の第1実施形態と同様に、MRヘッド(検出器)により感知された磁極(目盛り)の数と、この磁極(目盛り)又は演算結果から出力される数が形成されている2本のスケール部の熱膨張率の値から、測定物の移動距離、即ち、基準点(移動開始点)からの距離の真値を求めることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るリニアスケールについて説明する。図8(a)は本発明の第3実施形態のリニアスケールを示す平面図であり、(b)はその読み取り部における断面図であり、(c)は検出器の位置を示す拡大図である。図8(a)乃至(c)に示すように、本発明の第3実施形態に係るリニアスケールは、第1のスケール部21及び第2のスケール部22の一方の端部が、工作機械等の非可動部24に固定されており、更に、第1のスケール部21の測定対象物25側の面が高熱伝導性の両面テープ26により測定対象物25の一方の面に固定されており、第2のスケール部22の測定対象物25側の面が同様に両面テープ26により測定対象物25の他方の面に固定されている。この両面テープ26は、スケール部及び測定対象物25の伸びに追従することができるものである。また、第1のスケール部21及び第2のスケール部22の外側には、工作機械等の可動部に固定され、リニアスケールに沿って移動するコの字型のヘッドユニット23が配置されている。そして、第1のスケール部21及び第2のスケール部22は、目盛りとして、その長手方向に沿って周期的に着磁されており、ヘッドユニット23のスケール部側の面には、夫々MRヘッド29が取り付けられている。
MRヘッドにより目盛りを読み取る方式の場合、本実施形態のように、2本のスケール部を並べて配置するのではなく、測定対象物25の一方の面に第1のスケール部21を、他方の面に第2のスケール部22を、測定対象物25を挟んで対称の位置に固定し、ヘッドユニット23に取り付けられたMRヘッド29により、夫々の目盛りを読み取ることもできる。なお、本実施形態のリニアスケールにおける動作、即ち、目盛りの読み取り方法は、前述の第2実施形態と同様である。また、本実施形態のリニアスケールにおいては、両面テープ26により各スケール部を測定対象物25に固定する場合について述べたが、本発明はこれに限定するものではなく、熱導電率が高く、スケール部及び測定対象物が伸びても、追従して剥離ないような素材であればよく、例えば、高熱導電性の接着テープ及び接着剤等を使用することができる。
(a)は本実施形態のリニアスケールを示す平面図であり、(b)は(a)に示すヘッドユニットの構成を示す断面図である。 (a)は図1に示す第1実施形態のリニアスケールの基準温度における状態を示す模式図であり、(b)は熱膨張した状態を示す模式図である。 横軸に第1及び第2のスケール部における熱膨張率の差をとり、縦軸に誤差の最大値をとって、第1及び第2のスケール部における熱膨張率の差と誤差の最大値との関係を示すグラフ図である。 (a)は横軸にスケールの目盛りをとり、縦軸に誤差をとって、第1実施形態のリニアスケール及び従来のリニアスケールにおける温度分布による測定誤差を示すグラフ図であり、(b)は(a)に示す第1実施形態のリニアスケールにおける温度変化部の測定誤差を拡大して示すグラフ図である。 (a)は本実施形態のリニアスケールを示す平面図であり、(b)はその読み取り部における断面図である。 (a)は本実施形態における第1のスケール部11を示す平面図であり、(b)はその着磁状態を示す平面図であり、(c)はMRヘッド19の取り付け位置を示す側面図である。 (a)は本実施形態のリニアスケールにおけるMRヘッド対を示す模式図であり、(b)は横軸に磁界強度をとり、縦軸にMR抵抗値をとって、(a)に示すMRヘッド対により出力されるデータを示すグラフ図である。 (a)は本発明の第3実施形態のリニアスケールを示す平面図であり、(b)はその読み取り部における断面図であり、(c)は検出器の位置を示す拡大図である。
符号の説明
1、11、21;第1のスケール部 2、12、22;第2のスケール部 3、13、23;ヘッドユニット 4、14、24;非可動部 6;光源 7;コリメートレンズ 8;固定スリット部材 9;光学検出器 10;光 16、26;両面テープ 17;目盛り 18a;第1のMRヘッド対 18b;第2のMRヘッド対 19、19a、19b、19c、19d、29;MRヘッド 25;測定対象物 x;移動方向

Claims (5)

  1. 基準点からの距離を求めるリニアスケールにおいて、前記基準点から平行に延び温度変化により前記基準点からの長さが変化する2本のスケール部と、前記2本のスケール部上における前記基準点からの目盛りを読み取る検出器と、を有し、前記2本のスケール部は熱膨張率が相違し、一方のスケール部の熱膨張率をα、他方のスケール部の熱膨張率をαとし、前記検出器による一方のスケール部の目盛りの読み取り値をa、他方のスケール部の目盛りの読み取り値をbとしたとき、前記基準点からの距離の真値Lは下記数式により求まることを特徴とするリニアスケール。
    Figure 0004241369
  2. 前記検出器は測定対象物と共に移動し、前記検出器の前記基準点からの距離の真値Lを求めることにより、前記測定対象物の移動量を求めることを特徴とする請求項1に記載のリニアスケール。
  3. 前記2本のスケール部は、一方がCu−Ni−Fe合金により形成され、他方がFe−Cr−Co合金により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアスケール。
  4. 前記一方のスケール部の熱膨張率αと、前記他方のスケール部の熱膨張率αとの差が0.5×10−6以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアスケール。
  5. 前記2本のスケール部は、磁気的に又は光学的に読み取り可能な目盛りが記録されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリニアスケール。
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