JP4241236B2 - 車両挙動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の挙動を検出し、車両挙動を安定方向へ導く車両挙動制御装置の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両挙動制御装置の技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この公報には、車両が走行しているときに得られる横加速度センサ値と、左右の車輪速差に基づいて得られる推定横加速度とを比較し、この比較結果に基づいて傾斜路面走行と判断する。そして、路面の傾斜角の影響を無くすために横加速度に補正をかけ、傾斜角の影響によって車両挙動制御装置の早期作動を防止する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−122096号公報(第3頁左中段参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両が低μ路を走行中のオーバーステア状態のときと、高μかつ傾斜角を有する路面を走行している状態では、発生するヨーレイトと、舵角及び横加速度の状態がほぼ同じとなり、走行状態を判別しにくい。そのため、高μかつ傾斜角を有する路面を走行中に、低μ路走行と誤判断し、車両挙動制御が作動してしまう虞があり、運転者の意志に反した制動力の作用によって違和感を与えるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、各種センサ群からの信号に基づいて走行状態を推定し、推定された走行状態に基づいて車両挙動制御を行う際、運転者に違和感を与えることのない車両挙動制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、車両に搭載されたセンサ群の出力値から車両挙動を検出し、横加速度に基づいて算出されたスリップ角が所定値以上のときは、車輪のスリップを制御して車両挙動を安定させる挙動制御手段を備えた車両挙動制御装置において、前記センサ群の内、前後加速度と横加速度の出力値から走行中の路面摩擦係数を推定する路面μ推定手段と、前記挙動制御手段による挙動制御実行中に検出された前後加速度が路面μ推定値に基づいて演算される所定値を越え、かつ、車輪のスリップが所定値以下の時は、前記挙動制御を中止する挙動制御中止手段とを設けた。
【0007】
すなわち、検出された前後加速度は実路面μと大きく関係しており、路面μ推定値に基づく所定値を越えたときは、路面μ推定値が間違っていると判断できる。更に、実際の車輪のスリップを検出し、車輪がスリップしていないときは、やはり路面μ推定値が間違っていると判断できる。よって、挙動制御が必要ない場合に挙動制御を実行したとしても、上記2つの判断に基づいてすぐに挙動制御を中止することが可能となり、挙動制御の早期作動による違和感を効果的に防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、走行中に所望の輪に自動的に制動力を発生させて車両挙動を安定させる車両挙動制御制御をブレーキ制御装置により達成した例である。
【0009】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態の全体構成を表すシステム図である。各車輪FL,FR,RL,RRのホイルシリンダ圧を任意に制御するブレーキユニット33と、自動変速機の作動を制御する自動変速機コントロールユニット32と、エンジンを制御するエンジンコントロールユニット31と、これら各ユニットに指令信号を出力するコントロールユニット30を備えている。
【0010】
コントロールユニット30は、車輪速センサ40、舵角センサ41、横加速度センサ42、ヨーレイトセンサ43、前後加速度センサ44(特許請求の範囲に記載のセンサ群に対応)からの信号を入力とする。そして、入力された各種センサ信号に基づいて各ユニットに対し指令信号を出力する。
【0011】
図2は、ブレーキユニット33の構造の一例を示す概略図である。4輪のそれぞれに制動力を発生させるホイルシリンダ15,16,17,18は、2系統のブレーキ配管(P系統及びS系統)を介してマスタシリンダ22に接続されている。そして、P系統及びS系統の途中には、ブレーキユニット33が設けられている。
【0012】
ブレーキユニット33は、図2の油圧回路図に示すように、各ホイルシリンダ15,16,17,18の液圧を増圧・保持・減圧可能な液圧制御バルブ(INバルブ3,5,9,11及びOUTバルブ4,6,10,12)と、マスタシリンダ22とは別途設けられ、モータ21により駆動する制御用油圧源(P系統ポンプ13,S系統ポンプ14)の接続を切り換える油圧供給源切り換えバルブ(P系統カットバルブ1,P系統吸入バルブ2,S系統カットバルブ7,S系統吸入バルブ8)と、リザーバ19,20を備えている。
【0013】
運転者がブレーキペダル23を操作してマスタシリンダ22に油圧が発生すると、このマスタシリンダ圧をホイルシリンダ15,16,17,18に供給する通常ブレーキ状態と、運転者がブレーキ操作を行っていない時、もしくは運転者のブレーキ操作以上に液圧が必要な時に、制御用油圧源13,14の液圧をホイルシリンダ15,16,17,18に向けて供給すると共に、各液圧制御バルブによりホイルシリンダ圧を減圧・保持・増圧制御を適宜選択して最適制御する制御ブレーキ状態とに切り換え可能に構成されている。
【0014】
図3は車両挙動制御を表すフローチャートである。
【0015】
ステップ101では、各変数の初期値をセットする。ここで、各変数とは、制御に用いられる各種フラグや、タイマ値、車両モデル演算係数等を表す。
【0016】
ステップ102では、各センサの検出値を読み込む。
【0017】
ステップ103では、車両前後加速度XG及び横加速度YGを算出する。
【0018】
ステップ104では、算出された車両前後加速度等からホイルシリンダ圧を推定する。
【0019】
ステップ105では、傾斜路面を走行中であるかどうかを判断する。この傾斜路面走行判断としては、例えば横加速度センサ値と左右車輪速差から演算される推定横加速度YG*の値を比較し、所定以上の差が生じたときには傾斜路面を走行していると判断する。ここで、推定横加速度YG*の算出については、種々の方法が考えられるが、特に限定しない。
【0020】
ステップ106では、傾斜路面判断がなされたときは、横加速度YGを補正し、補正後横加速度YG1を演算する。補正方法としては、検出された横加速度YGを用いず、推定横加速度YG*を横加速度としてセットする方法や、検出された横加速度YGを推定横加速度YG*に基づいて演算により補正してもよいが特に限定しない。
【0021】
ステップ107では、車両前後加速度XG及び横加速度YGから下記式により路面μ推定値RMを演算する。
RM=(XG2+YG2)1/2
尚、この路面μ推定値RMは、あくまでセンサ等で検出される前後加速度XGと横加速度YGの値から算出される値である。
【0022】
ステップ108では、車両挙動制御処理を実行する。尚、車両挙動制御処理については後述する。
【0023】
ステップ109では、車両挙動制御早期作動判断処理を実行する。
【0024】
ステップ110では、車両挙動制御における制御量を決定し、この制御量だけアクチュエータを駆動させる。
【0025】
ステップ111では、車両挙動制御の終了を判断する。
【0026】
〔車両挙動制御処理〕
次に、ステップ108における車両挙動制御について、基本的な制御内容について説明する。図4は車両挙動制御を表すフローチャートである。
【0027】
ステップ201では、前後加速度XG、補正後の横加速度YG1、ヨーレイトYVを読み込む。
【0028】
ステップ202では、車輪速センサ40から車輪速VWを読み込む。
【0029】
ステップ203では、各車輪の車輪速VWから車体速VXを算出する。
【0030】
ステップ204では、スリップ角βを下記式より算出する。
β=∫(YG1/VX−YV)dt
尚、スリップ角とは、車両進行方向に対する車輪の切れ角を表す。
【0031】
ステップ205では、算出されたスリップ角βの絶対値が、予め設定された所定スリップ角β0よりも大きいかどうかを判断し、大きいときは車両挙動が不安定であると判断してステップ206へ進み、それ以外はステップ207へ進む。
【0032】
ステップ206では、車両挙動制御実行フラグFOSを1にセットする。
【0033】
ステップ207では、車両挙動制御実行フラグFOSを0にセットする。
【0034】
ステップ208では、スリップ量SLIPを車輪速VW及び車体速VXの差から算出する。
【0035】
ステップ209では、車両挙動制御実行フラグFOSが1にセットされているかどうかを判断し、1にセットされているときはステップ210へ進み、それ以外はステップ211へ進む。
【0036】
ステップ210では、目標スリップ量SLIP*を下記式より算出する。
SLIP*=K・|β|
尚、Kはスリップ角βをスリップ量に変換するVDC制御ゲインである。
【0037】
ステップ211では、目標スリップ量SLIP*を0にセットする。
【0038】
ステップ212では、スリップ量SLIPと目標スリップ量SLIP*との偏差eに基づいてPID制御等によりホイルシリンダ液圧制御を各輪について実行する。
【0039】
上述のように、車両挙動制御では、車体速VXに対する横加速度YG1とヨーレイトYVの関係を用いて車輪のスリップ量SLIPを目標スリップ量SLIP*とする制御が実行される。
【0040】
ここで、高μ路で傾斜角(旋回中心側に傾斜)のある路面を走行時の課題について説明する。通常、一定速旋回中は、横加速度センサ値からその路面で出しうる横加速度が分かる。ところが傾斜角のついた路面を走行すると、路面傾斜角の影響により、横加速度センサ値は重力加速度の影響によって小さめに出力される。
【0041】
横加速度YGとヨーレイトYVを用いた車両挙動制御では、この誤差が発生すると、低μ路旋回中のオーバーステア挙動(ヨーレイトYVは発生しているが、横加速度が小さい)なのか、傾斜角のついた高μ路面をスリップすることなく高い横加速度で旋回しているが傾斜の影響により低い横加速度としてセンサ出力される場合(横加速度YGは小さいが、ヨーレイトYVは発生している)なのかの区別を難しくしている。ここで、センサの出力値が似通っているにもかかわらず、低μ路オーバーステア挙動では車両挙動制御を必要としており、傾斜角のある高μ路のグリップ走行時では車両挙動制御を必要としていない。
【0042】
この路面傾斜角の影響を完全に取り除くためには絶対加速度が必要であるが、高価であり、量産化するのは困難である。また、本実施の形態でも傾斜路面の判断を行い、その判断に基づいて横加速度を補正しているが、必ずしも正確な補正値が得られるわけではない。すなわち、現在量産されている車両挙動制御装置のほとんどが路面の傾斜角の影響を完全に取り除くことができず、路面傾斜角を有する高μ路面において、車両挙動制御の早期作動から免れることは不可能である。そこで、下記に早期作動した場合の対策について説明する。
【0043】
〔車両挙動制御早期作動判断処理〕
図5は図4のステップ109において判断される車両挙動制御早期作動判断処理を表すフローチャートである。
【0044】
ステップ301では、前後加速度センサ44により検出された前後加速度XGと、横加速度センサ42により検出された横加速度YGから推定される推定路面摩擦係数RMが、低μ路を表す所定値S1よりも小さいかどうかを判断し、小さいときはステップ302へ進み、それ以外はステップ304へ進む。
【0045】
ステップ302では、車両のオーバーステア挙動を抑制する車両挙動制御実行フラグFOSが1にセットされているかどうかを判断し、1にセットされているときはステップ303へ進み、それ以外はステップ306へ進む。
【0046】
ステップ303では、車輪速センサ40により検出された車輪速度VWが所定値S2よりも大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ304へ進み、それ以外はステップ306へ進む。尚、所定値S2は車輪がスリップしているかどうかを判断する閾値であり、車輪速VWが所定値S2を下回るときとは、スリップが発生していることを表す。
【0047】
ステップ304では、前後加速度XGが所定値S3よりも小さいかどうかを判断し、小さいときはステップ305へ進み、それ以外はステップ307へ進む。尚、S3は路面μ推定値RMに基づいて決定される値であり、例えばS3=k・RM(kは所定値)のように演算される。
【0048】
ステップ305では、禁止カウンタCSをカウントアップする。
【0049】
ステップ306では、禁止カウンタCSを0にリセットする。
【0050】
ステップ307では、禁止カウンタCSのカウント値が所定値S4より大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ308へ進み、それ以外はステップ309へ進む。
【0051】
ステップ308では、車両のオーバーステア制御の実行を禁止する実行禁止フラグFSを1にセットする。
【0052】
ステップ309では、ヨーレイトセンサから求めた車両のヨーレイトYVが所定値S5未満かどうかを判断し、S5未満の時はステップ310へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。尚、S5とは、車速と横加速度から演算する理論上のグリップ限界ヨーレイトである。すなわち、ヨーレイトYVがグリップ限界ヨーレイトS5よりも小さいときは、車両が安定した状態であると判断できる。一方、安定していない状態で本制御を終了すると、オーバステア制御が再び許可され、結局誤作動が継続してしまうため、安定状態に戻った時点で再び早期作動の判断を行うこととしている。
【0053】
ステップ310では、実行禁止フラグFSを0にセットする。
【0054】
上述の車両挙動制御早期作動判断処理について、図6の従来技術におけるタイムチャートと、図8,9における本実施の形態におけるタイムチャートに基づいて説明する。
【0055】
(従来技術の車両挙動制御早期作動例)
図6の時刻t1において、傾斜角を有する高μ路を走行時に各種センサ値からオーバーステア制御が必要であると判断される。すると、発生しているヨーレイトYVを目標ヨーレイトに収束させる車両挙動制御が実行される。本実施の形態の場合には、車輪のスリップ量SLIPを目標スリップ量SLIP*に収束させるように旋回外輪側の前後輪に制動力が与えられる。
【0056】
旋回外輪側に制動力が与えられると、高μ路走行時は、目標スリップ量SLIP*に収束させようと液圧を高めることになり、実際の路面μが大きいため、車両の前後加速度は減速側に大きくなる。そして、目標スリップ量SLIP*に収束する時点では、かなり車両が減速してしまい、運転者に違和感を与えることとなる。本実施の形態ではこのような車両挙動制御の早期作動を改善することを目的とする。
【0057】
図7は路面μ推定値RMと実際の路面μとの関係を表す図である。図に示すように、発生している前後加速度XG及び横加速度YVから路面μ推定値RMを算出する。このとき、路面μは図7中Aで表される円となる。ここで、実際の路面μが高いにも係わらず、誤判断により車両挙動制御が開始すると、制動力が発生するため、前後加速度XGが増大する(XG_R)。実際の路面μが高いときは、前後加速度XGがRM相当の前後加速度XG<XG_Rとなる。よって、この状態が所定時間継続するときは、車両挙動制御早期作動と判断して車両挙動制御を禁止する。上述の制御内容について、タイムチャートに基づいて説明する。
【0058】
(本実施の形態の車両挙動制御早期作動判断処理)
〔車両挙動制御実行時〕
図8は車両挙動制御実行時を表すタイムチャートである。
時刻t11において車両挙動制御実行フラグFOS=1にセットされると、旋回外輪側の前後輪に制動力が与えられる。これにより車両に減速度が発生し、前後加速度XGが低下する。すなわち、ステップ301→ステップ302→ステップ303→ステップ304→ステップ307→ステップ309へと進む処理である。
【0059】
時刻t12において、前後加速度XGが路面μ推定値RMに基づいて算出された所定値S3を下回ると、推定された路面μよりも実際の路面μが大きい可能性があるため、禁止カウンタCSのカウントアップを開始する。すなわち、ステップ304→ステップ305へと進む処理である。
【0060】
時刻t13において、車輪がスリップを開始するため、実際の路面μは低く、車両挙動制御を継続する必要があると判断して禁止カウンタCSを0にリセットする。そして、時刻t14において車両挙動制御が終了する。すなわち、ステップ301→ステップ302→ステップ303→ステップ306へと進む処理である。
【0061】
〔車両挙動制御早期作動時〕
図9は高μ路・傾斜路面走行時に車両挙動制御が早期作動した場合のタイムチャートである。
【0062】
時刻t21において、車両挙動制御実行フラグFOS=1にセットされると、旋回外輪側の前後輪に制動力が与えられる。これにより車両に減速度が発生し、前後加速度XGが低下する。すなわち、ステップ301→ステップ302→ステップ303→ステップ304→ステップ307→ステップ309へと進む処理である。
【0063】
時刻t22において、前後加速度XGが路面μ推定値RMに基づいて算出された所定値S3を下回ると、推定された路面μよりも実際の路面μが大きい可能性があるため、禁止カウンタCSのカウントアップを開始する。すなわち、ステップ304→ステップ305へと進む処理である。
【0064】
このとき、実際の路面μが路面μ推定値RMよりも大きいため、推定された路面μに基づいて制動力を与えても車輪がスリップすることがない。よって、禁止カウンタCSのカウントアップが継続される。
【0065】
時刻t23において、禁止カウンタCSのカウント値が所定値S4を越えると、車両挙動制御の必要がない高μ路・傾斜路面を走行していると判断し、実行禁止フラグFSを1にセットすることで車両挙動制御の実行を禁止する。すなわち、ステップ304→ステップ305→ステップ307→ステップ308へと進む処理である。
【0066】
時刻t24において、前後加速度XGが所定値S3を越えると、禁止カウンタCSのカウントアップが終了する。そして、車両挙動制御実行禁止が継続される。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態の車両挙動制御装置にあっては、車両挙動制御が開始した際、実際に発生する前後加速度が路面μ推定値に基づく前後加速度よりも大きいときは、路面μ推定値が間違っていると判断できる。更に、車輪のスリップ量が所定値以下であれば、特に車両挙動制御は必要ないため、車両挙動制御を中止することで、早期作動による違和感を防止することができる。
【0068】
言い換えると、車両挙動制御の早期作動を防止する方法として、絶対横加速度を検出するという高コストな方法や、安価な横加速度センサ値の検出値を厳密に補正するという方法を採用していない点が特徴である。実際に車両挙動制御が開始された時点での車両挙動(前後加速度)が、車両挙動制御の実行により予測される車両挙動(前後加速度)と一致するかどうかを判断する。そして、不一致の時は車両挙動制御の開始を判断する基礎となるスリップ角が疑わしいと推定する。このスリップ角は、前後加速度,横加速度及びヨーレイトから演算されるが、このうち、路面の傾斜角によって影響を受けるのは横加速度であり、他の値は影響を受けるものではない。そこで、車輪にスリップが発生していないことを確認した上で、車両挙動の指標として路面の傾斜角に影響を受けない前後加速度を用いて車両挙動制御を中止する。これにより、安価な構成で正確に車両挙動制御の早期作動を防止することができるものである。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0070】
例えば、路面μ推定値を演算する際、ホイルシリンダ圧力を推定するホイルシリンダ圧力推定手段を設け、推定されたホイルシリンダ圧から路面μ推定値を演算してもよい。
【0071】
また、ホイルシリンダ圧力を検出するセンサを設け、このセンサ出力値に基づいて路面μ推定値を演算してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のブレーキ制御装置の構成を示すシステム図である。
【図2】実施の形態1のブレーキ制御装置の回路構成を表す回路図である。
【図3】実施の形態1におけるブレーキ制御を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1における車両挙動制御を表すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における車両挙動制御早期作動判断処理を表すフローチャートである。
【図6】従来技術における高μ・傾斜路面において誤作動した車両挙動制御時のタイムチャートである。
【図7】実施の形態1における路面μ推定値と実路面μとの関係を表す図である。
【図8】実施の形態1における車両挙動制御実行時のタイムチャートである。
【図9】実施の形態1における車両挙動制御早期作動判断処理を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 P系統カットバルブ
2 S系統吸入バルブ
7 S系統カットバルブ
8 P系統吸入バルブ
13,14 ポンプ
15,16,17,18 ホイルシリンダ
19,20 リザーバ
21 モータ
22 マスタシリンダ
23 ブレーキペダル
30 コントロールユニット
31 エンジンコントロールユニット
32 自動変速機コントロールユニット
33 ブレーキユニット
40 車輪速センサ
41 舵角センサ
42 横加速度センサ
43 ヨーレイトセンサ
44 前後加速度センサ
Claims (1)
- 車両に搭載されたセンサ群の出力値から車両挙動を検出し、横加速度に基づいて算出されたスリップ角が所定値以上のときは、車輪のスリップを制御して車両挙動を安定させる挙動制御手段を備えた車両挙動制御装置において、
前記センサ群の内、前後加速度と横加速度の出力値から走行中の路面摩擦係数を推定する路面μ推定手段と、
前記挙動制御手段による挙動制御実行中に検出された前後加速度が路面μ推定値に基づいて演算される所定値を越え、かつ、車輪のスリップが所定値以下の時は、前記挙動制御を中止する挙動制御中止手段と、
を設けたことを特徴とする車両姿勢制御装置。
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