JP4240477B2 - 極めて小型の水上乗り物の推進機 - Google Patents
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Description
推進機を固定的に備える式のサーフボードは、特許文献1で知られている。
この技術では、板状のサーフボード内にエンジン及びスクリューを内装するので全体が大型化、大重量化し、サーフボードの用途も推進機で推進するという乗り物のみになってしまい、サーフボード本来の軽快な水上乗り物遊びである波乗り等の楽しみ方ができない。
また、これにより、推進機付サーフボートとなってしまい、サーフボードでありながら極めて高価なものとなってしまう。
この技術では、サーフボードの姿勢変化を重錘で検知し、パイロット弁をパイロット圧で切換弁を作動させ、ジェットポンプ後流の水圧を利用して水圧シリンダを作動させ、ステアリングノズルを回動させてサーフボードの操舵を行なうものである。
上記した特許文献1では、カヌー艇尾の左右両側、艇尾甲板を囲むフレームと、該フレームに支持され、カヌー艇尾の左右両側及び艇尾甲板面に吸盤を吸着させてブラケットを艇尾に固定し、ブラケットの後部には船外機を脱着するボード部を備える。
カヌーは浮力が大きく、舵取りは船外機の転舵操作による。
該本体に対して前後方向を向いた軸で揺動自在に連結され、縦向きの軸で操舵可能とした推進部とを有し、前記推進部には、該推進部を前記本体に対して装着する概ね縦の面を有する装着部を有し、前記推進部の前記装着部と本体との間には、水上乗り物の水面に対する左右の傾動により、該傾動と関連して前記推進部の舵取り運動を行なうように変換する変換機構を介在させたことを特徴とする。
従って、推進機を装着し、推進力で動力で推進するに際し、サーフボード等と同様に体重移動による転舵を楽しむことができる。
また、操舵は、艇体等の体重移動と関連して、推進機本体の後部と揺動する装着部との間に介装した変換機構を介して行なうので、ステアリングバーを常時把持する必要がなく、重心移動による遊戯的な操縦で操舵が行える。
また、サーフボードやボート等の小型の水上乗り物と推進機とを任意に分離、分解することができるので、推進機の運搬性が向上する、という利点もある。
図1は、極めて小型の水上乗り物と推進機の分解斜視図で、水上乗り物に推進機を装着する直前の図である。
水上乗り物の一例として図ではサーフボードの例を示し、サーフボードで構成される艇体60上に推進機1を着脱自在に装着する。
推進機1の本体2は、パイプ材で構成されたパイプフレーム状であり、サーフボードの前後に沿って前部3、中間部4、後部5を備え、後部には本体2側に対して揺動自在に推進部(推進装置)50を着脱自在に装着する装着部11を備える。
また、エクステンションケース50cの前側に突出するようにスターンブラケット52が設けられており、エクステンションケース50cの外周部はスイベル軸としての機能を果たし、エクステンションケース50cの左右の揺動中心が舵取軸心となる。
スターンブラケット52は側面視逆凹方で、平面視凹方の二股状であり、装着部11に締着するための締着金具52a,52aを備える。
推進機本体2の前部3は、最前部に若干後傾した正面視逆U形の把持用のハンドル部6を備え、ハンドル部6は左右の縦杆部3a,3aの下端部に、本体の前後方向に延びる左右の前後向き杆部3b,3bを備え、後部には上方に彎曲したクロス部材3cが架設されている。
そして、縦杆部3a,3aと前後向き杆部3b,3bの後部との間には斜めに補強杆3d、3dが架設されている。また、縦杆部3a,3aの高さ方向中間部には、クロス部材3eが架設されている。
以上の杆部材4a,4aにより中間部4を構成し、中間部4は、前後の部分3b,5aとの間で連結部材7…(…は複数を表す。以下同じ)を介して入れ子式として伸縮させ、この部分で前後方向の長さを調節可能とし、前部3と後部5との間の間隔を調節可能とした。
これにより、艇体の長さに対応して本体2の前後長さを調節することができる。
左右の杆部5a,5aの前部間には上方に彎曲したクロス部材5cを架設し、中間部〜後部間には床板8を貼設する。
左右の杆部5a,5aの後端部は、左右で平行するように上方にL形に屈曲して起立部5b,5bを形成する。
この起立部5b,5b間に支持板9を概ね縦向きに架設する。
吸盤10…は、実施例では前部3の前後向き左右杆部3b,3bの下端部、後部の左右の杆部5a,5aの前端部及び中間後部の都合8カ所設置した。吸盤10…の設置箇所、設置数は任意である。
尚、装着機構は吸盤に限られず任意である。
図4は、装着部と支持板との間の分解斜視図で、推進装置の舵取り運動を行なように変換する変換機構の分解斜視図、図5は、同組付け状態を示す部分破断斜視図、図6は図5の要部の縦断側面図である。
これらの図面を参照しつつ、推進装置の舵取り運動を行なように変換する変換機構を説明する。
支軸12の後半部12bは、板状の装着部11に設けた取付孔11aに固定したスリーブ14に通し、径方向の通しボルト15により固定し、装着部11と一体化する。スリーブ14は、支持板9側(前向き)に設けた取付フランジ14aをボルト14b…で装着部に固定される。
一方、装着部11の側に固定した前記スリーブ14の取付フランジ14aよりも前方で、支持板9と向かい合う前端部には、上方に起立する側面視略Z形の支持杆17を前記操作杆16と間隔を開けて向かい合うように設ける。
装着部側、従って推進部である船外機50側である支持杆17の縦向き上半部17aには、縦向き略Z形の揺動杆(操舵杆)18の下半部18aの中間部をピン19を介して揺動自在に枢支する。
船外機50は、図6で示したスターンブラケット52と船外機のマウントケースから前方に突設したボス部50e間に縦通した縦向きのステアリングシャフト(操舵軸)53を介して左右に揺動し、操舵作用を行なうものである。
尚図中aは操舵中心線であり、bは揺動回転中心である。
以上により、操作杆16、従って本体2側が左右に揺動すると該操作杆16にピン21で枢支、連結された揺動杆18はピン19を中心として左右に揺動する。
以上により、艇体60の水面に対する左右の傾動と関連して推進部50(船外機)の舵取り運動を行なう変換機構30を構成する。
浮力体22,22は、前後方向に長い円筒状をなし、前後の取付部22a,22aを装着部11の両側に設けた側面視略ハ形で、正面視対称的な弯曲L形の支持ステイ23,23の下端部間に前後向きに架設した。
各支持ステイ23は、前後の部材23a,23bからなり、中間部間に補強部材23cを架設し、図1に示すように上部間を連結板23dで連結し、図2〜図6では理解の便のため外して示した。連結板23dは必ずしも必要ではない。
図7は、艇体60上に推進機1を着脱自在に装着した状態を示し、艇体60上に操縦者Mが乗り、ハンドル部6を把持し、推進装置50の推進力により推進し、艇体60を推進して水上遊びを行ない、艇体60上で左右に重心を移動させることで操舵し、転舵する。
図8は、艇体は水平な直進状態を示す図、図9は、艇体を左に傾動させ、左に転舵する状態を示す図(図では前後が逆なので左右が逆に表われる)、図10は、艇体を右に傾動させ、右に転舵する状態を示す図(図では前後が逆なので左右が逆に表われる)である。
操縦者Mは、艇体60の上で重心移動させることで、艇体60は左右に傾動する。この際、推進部(船外機)50は、浮力体22,22の作用で鉛直に保持される。
この結果、これにピン21で枢着された揺動杆18は、中点のピン19を支点として上部が図の左方向に揺動し、長孔20に係合した船外機50の係合部54は図の左方向に移動操作される。
これにより船外機50は、ステアリングシャフト53を中心として反対方向である右方向に揺動し、図面が前方から見た図なので、艇体60の傾動方向である左方向に船外機50を転舵する。
この結果、これにピン21で枢着された揺動杆18は、中点のピン19を支点として上部が図の右方向に揺動し、長孔20に係合した船外機50の係合部54は図の右方向に移動操作される。
これにより船外機50は、ステアリングシャフト53を中心として反対方向である右方向に揺動し、図面が前方から見た図なので、艇体60の傾動方向である右方向に船外機50を転舵する。
従って、船外機50の推進力で推進しつつ、艇体の重心移動で傾斜させた方向に転舵するので、水上乗り物において元々の乗り物が醸し出す操舵感に似た感覚で操舵することができる。
本発明に係る推進機は、実施の形態ではサーフボードに適用したが、ウインドサーフボードやその他の小型の艇体にを含む小型の水上乗り物に適用可能である。
また着脱自在な装着機構として吸盤を用いたが、艇体への着脱自在な装着機構はこれに限られない。
水上乗り物の形態によっては、吸盤以外の装着機構を採用することもあり、例えばセールやマスト部が着脱自在のウインドサーフィンボードにおいては、既設の雌雄の装着機構を利用し、相手側の装着具を利用することも可能であり、装着機構は上記した吸盤に限られない。
また実施の形態では推進部(推進装置)として船外機を用いたが、船外機に代えウオータジェットポンプとすることも可能である。
Claims (3)
- 極めて小型の水上乗り物に装着機構を介して着脱自在に装着する推進機であって、
前記推進機は、水上乗り物に前記装着機構により装着される本体と、
該本体に対して前後方向を向いた軸で揺動自在に連結され、縦向きの軸で操舵可能とした推進部とを有し、
前記推進部には、該推進部を前記本体に対して装着する概ね縦の面を有する装着部を有し、
前記推進部の前記装着部と本体との間には、水上乗り物の水面に対する左右の傾動により、該傾動と関連して前記推進部の舵取り運動を行なうように変換する変換機構を介在させた、
ことを特徴とする極めて小型の水上乗り物の推進機。 - 前記変換機構は、前記装着部側に中間部を軸支した揺動杆と、前記本体側に固定した操作杆とを備え、
前記揺動杆の上部と、前記推進部から前方へ突設した係合部とを、揺動方向の相対的な変位を規制し、上下方向の相対的な変位を許容するように連結し、
前記操作杆と前記揺動杆の軸支部の下方の部分とを揺動可能に連結した、
ことを特徴とする請求項1記載の極めて小型の水上乗り物の推進機。 - 前記推進部の装着部は、左右に浮力体を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の極めて小型の水上乗り物の推進機。
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