JP4240316B2 - 演算増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、低電圧の電源であっても、レイルトゥレイル動作し、かつ、入力電流がゼロである折り返しカスコード型の演算増幅器に関するものである。
ここで、レイルトゥレイル動作とは、入出力電圧の動作範囲が正電源から負電源にわたって常に動作することを意味し、「Rail to Rail」はモトローラ社の商標である。
最近のプロセスの微細化に伴いLSI回路(大規模集積回路)に供給できる電源電圧は低下しており、将来的には、1V前後しか供給できなくなる日も近い。また、近年、電子機器の携帯化に伴い電池の本数を減らしても動作可能な回路が要求されている。
特に、連続な信号を扱うアナログ回路では、深刻な問題となる。アナログ回路の代表は演算増幅器であり、演算増幅器が低電圧で動作できるかどうかが、アナログ回路の低電圧化可否の鍵を握っていると言っても過言でない。
図8に、低電圧の電源で動作させるための従来の演算増幅器の一例を示す。
この演算増幅器は、図8に示すように、MOSトランジスタM101〜M103からなる差動入力部110と、MOSトランジスタM104〜M106からなる差動入力部120と、MOSトランジスタM107〜M114からなる加算部130と、MOSトランジスタM115,M116、抵抗R100,およびキャパシタC100からなる出力部150と、を備えている。
さらに、この演算増幅器は、非反転入力端子100と、反転入力端子101と、電流源として動作するMOSトランジスタM103、M106、M113、M114、M116の各ゲートにバイアス電圧をそれぞれ供給するためのバイアス端子102、103、107と、カスコードMOSトランジスタとして機能するMOSトランジスタM109,M110,M111,M112の各ゲートにバイアス電圧を供給するバイアス端子104、105と、出力端子106とを備えている。
図8において、MOSトランジスタM101〜M103を省略したMOSトランジスタM104〜M116から構成される回路は、従来からよく知られているN型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする折り返しカスコード型演算増幅器である。
また、図8において、MOSトランジスタM104〜M106を省略した、MOSトランジスタM101〜M103とMOSトランジスタM107〜M116とで構成される回路は、従来からよく知られているP型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする折り返しカスコード型演算増幅器である。
従って、図8の演算増幅器は、P型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする折り返しカスコード型演算増幅器と、N型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする折り返しカスコード型演算増幅器とを組み合わせた回路とみなすことができる。
ここで、図8に示す演算増幅器から、上記のP型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする折り返しカスコード型演算増幅器を取り出すと、図9に示すようになる。なお、図9において、140Aはカスコード電流源部であり、140Bはカレントミラー部である。
次に、図8に示す演算増幅器の動作について説明する。
一般に、N型のMOSトランジスタの入力電圧Vinとドレイン−ソース間に流れる電流Idsとの関係は、次式で表すことができる。
Ids=(W/L)・μ・Cox(Vin−Vs1−Vthn)2 ・・・(1)
ここで、WはMOSトランジスタ(MOSFET)のチャネル幅、Lはチャネル長、μは移動度、Coxは単位面積あたりの容量、Vs1はMOSトランジスタのソース電圧、Vthnはしきい値電圧である。
(1)式によれば、N型のMOSトランジスタでは、入力電圧VinがVs1+Vthnより大きな値でなければ、電流が流れなくなる。すなわち、この場合にはN型のMOSトランジスタがオフ状態となって、正常な動作ができなくなる。
同様に、P型のMOSトランジスタの入力電圧Vinとそれに流れる電流Idsとの関係は、次式で表すことができる。
Ids=(W/L)・μ・Cox(Vs2+Vthp−Vin)2 ・・・(2)
ここで、WはMOSトランジスタのチャネル幅、Lはチャネル長、μは移動度、Coxは単位面積あたりの静電容量、Vs2はMOSトランジスタのソース電圧、Vthpはしきい値電圧である。
(2)式によれば、P型のMOSトランジスタでは、入力電圧VinがVs2+Vthpより小さな値でなければ、電流が流れなくなる。ここで、通常よく用いられるエンハンスメント型PMOSの場合、Vthの符号は負である。
次に、図8に示す演算増幅器において、入力信号電圧と動作可能な範囲について図10を参照して説明する。
図10おいて、Vssは下側(低電位側)の電源電圧、Vddは上側(高電位側)の電源電圧を示している。図10(a)の斜線部分はN型のMOSトランジスタが動作しないところを示し、図10(b)の斜線部分はP型のMOSトランジスタが動作しないところを示す。また、図10(c)はN型のMOSトランジスタとP型のMOSトランジスタとがいずれも動作しない範囲に斜線を入れることにしたが、図10(a)(b)により、必ずN型のMOSトランジスタまたP型のMOSトランジスタのいずれか一方は動作するため、入力信号に関しては、正電源から負電源にわたって常に動作する。
次に、MOSトランジスタのしきい値電圧Vthとソース電圧Vsの和(Vth+Vs)を変えずに、電源電圧だけ低下させたときの動作範囲について、図11を参照して説明する。
図11(a)の斜線部分はN型のMOSトランジスタが動作しないところを示し、図11(b)の斜線範囲はP型のMOSトランジスタが動作しないところを示す。図10に比べてともに電源電圧が下がったために、斜線部分の幅は同じであるが、逆に動作できる斜線が入っていない部分が減少している。図11(c)に、その両方動作しない範囲を斜線部分で示しているが、この両方動作しない範囲が電源電圧の中央付近に発生する。
このため、P型のMOSトランジスタとN型のMOSトランジスタとのしきい値の和が電源電圧を超えた場合には、演算増幅器は動作させることができなかった。
これを解消するために、しきい値を下げて例えば、しきい値電圧Vthnを負にしていわゆるデプレション型にするということも考えられる。
しかし、この場合には、(1)式からわかるように、ソース電圧であるVs1が入力電圧Vinよりも高くなる。入力電圧が電源電圧Vddまたは電源電圧Vdd付近の場合、ソース電圧は電源電圧Vddより高くなろうとするため、動作できない。すなわち、図10(a)において、電源電圧Vdd側に斜線部分、すなわち動作しない領域が発生することになり、しきい値電圧Vthnの符号を変えても改善できることにならない。
また、しきい値電圧Vthnをゼロ付近にするとかなり現実的に動作するように考えられるが、しきい値電圧Vthnの絶対値の制御は容易でなく、現実には±0.1〜0.2のばらつきが発生する。さらに、温度によってもしきい値電圧Vthnは変動するので、しきい値電圧Vthnをゼロにするという方法も現実的な解決法ではない。
そこで、非特許文献1には、このような不具合を解決するために、レベルシフタ回路を用いて動作範囲を確保するという方法が提案されている。
さらに、ウエル電位を制御して演算増幅器のダイナミックレンジを広げるという方法が特許文献1に記載されている。
J.Francisco Duque-Carrilo, L. Ausin Torelli, Jose M.Valverde, Miguel A.Dominguez著 IEEE Journal of Solid-State Circuits ,Vol. 35, No.1, January 2000 33 頁 特開平5−102756号公報
しかし、上記の非特許文献1による方法では、入力電流がゼロでなくなるという問題がある。入力電流があるとスイッチトキャパシタ回路に適用できないとか、バイポーラ回路のときのように入力端子に抵抗を追加する必要が発生する。この抵抗値が大きいとオフセットが大きくなるという問題がある。また、抵抗値が小さいと、回路全体の抵抗が小さい値に制限されてしまい、使用するオペアンプはこの低い抵抗を駆動する能力を課せられるという不具合がある。
一方、上記の特許文献1による方法では、ウエル電位はソース電位または電源のいずれか一方の2値しか選択できないため、制御して実現できるしきい値も2値しかなく、得られるしきい値の自由度が狭い。さらに、これら選択のための切り替え用の制御信号が必要であるため、使用範囲は限定されるという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、低電圧の電源であってもレイルトゥレイル動作し、かつ、入力電流がゼロである演算増幅器を提供することにある。
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するために、請求項に係る各発明は以下のように構成した。
請求項1に係る発明は、ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する差動対のMOSトランジスタと、この差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する電流源とを含む差動入力部と、前記差動対のMOSトランジスタの負荷として動作するMOSトランジスタ対で構成されるロード部と、前記差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、を備え、前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給する
請求項2に係る発明は、ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、前記差動信号を入力し、第1差動対のMOSトランジスタとは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、前記第1差動入力部からの電流と前記第2差動入力部からの電流を加算するための加算部と、前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、を備え、前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給する
請求項3に係る発明は、ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、ウエル端子をそれぞれ有し、前記差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタ対とは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、前記第1差動入力部からの電流と前記第2差動入力部からの電流を加算するための加算部と、前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第1基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第1ウエル電圧制御部と、前記第2差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第2基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第2差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第2ウエル電圧制御部と、を備え、前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給する
請求項4に係る発明は、ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する差動対のMOSトランジスタと、この差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する電流源とを含む差動入力部と、前記差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型のカスコード回路を構成するMOSトランジスタ対と、このMOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第1電流源および第2電流源とを含む第1カスコード電流源部と、前記第1カスコード電流源部のMOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第3電流源および第4電流源を含む第2カスコード電流源部と、前記差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、を備え、前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給する
請求項5に係る発明は、ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、前記差動信号を入力し、第1差動対のMOSトランジスタとは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、前記第1差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と、この第1MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第1電流源および第2電流源と、前記第2差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対と、この第2MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第3電流源および第4電流源とを含み、前記第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と前記第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対とが直列に接続される加算部と、前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、を備え、前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給する
請求項6に係る発明は、ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、ウエル端子をそれぞれ有し、前記差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタ対とは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、前記第1差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と、この第1MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第1電流源および第2電流源と、前記第2差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対と、この第2MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第3電流源および第4電流源とを含み、前記第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と前記第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対とが直列に接続される加算部と、前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第1基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第1ウエル電圧制御部と、前記第2差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第2基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第2差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第2ウエル電圧制御部と、を備え、前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給する
請求項7に係る発明は、請求項4乃至請求項6のうちのいずれかに記載の発明において、前記第1電流源および前記第2電流源と、前記第3電流源および前記第4電流源とのいずれか一方の電流源の組を、カレントミラー構成とした。
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項7のうちのいずれかに記載の発明において、前記ウエル電圧制御部、第1ウエル電圧制御部、または第2ウエル電圧制御部が少なくとも差動増幅部および出力回路から構成されており、出力回路に供給する正側または負側のいずれか一方の電源電圧は、差動増幅部を含むその他の回路の電源電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧により低い電圧を供給する
請求項に係る発明は、請求項1乃至請求項8のうちのいずれかに記載の発明において、前記ウエル電圧制御部、第1ウエル電圧制御部、または第2ウエル電圧制御部の一部または全部に供給する電圧は、昇圧回路或いは降圧回路を用いて生成する
このような構成からなる本発明では、例えば、ウエル電圧制御部が、差動入力部の差動対のMOSトランジスタのソース電圧が一定値になるように、その差動対のMOSトランジスタのウエル電圧を制御し、これにより、そのMOSトランジスタのしきい値電圧が可変に制御できる。
このため、本発明によれば、低電圧の電源であってもレイルトゥレイル動作し、すなわち入出力電圧の動作範囲が正電源から負電源にわたって常に動作し、かつ、入力電流がゼロである演算増幅器が得られる。
以下、本発明を実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の演算増幅器の第1実施形態の構成について、図12を参照して説明する。
この第1実施形態に係る演算増幅器は、図12に示すように、差動信号を入力しその差動増幅を行う差動増幅部70と、ウエル電圧制御部である差動増幅器50とを備えている。
差動増幅部70は、差動信号を入力する差動対のP型のMOSトランジスタM2,M3と、この差動対のMOSトランジスタM2,M3に定電流を供給する電流源として機能するP型のMOSトランジスタM1と、MOSトランジスタM2,M3に定電流を供給する電流源として機能すると同時にそのMOSトランジスタM2,M3の負荷として機能するN型のMOSトランジスタ対M21,M22とを備えている。
MOSトランジスタM2,M3は、それぞれウエル端子を備え、その各ウエル端子に差動増幅器50からの出力電圧が供給されることにより、MOSトランジスタM2,M3の各ウエル電圧が制御されるようになっている。
差動増幅器50は、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧と、所定の基準電圧Vrefとを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を生成し、この生成した出力電圧を、MOSトランジスタM2,M3のウエル電圧として各ウエル端子に供給するようになっている。
さらに、第1実施形態の構成について、図12を参照して詳述する。
差動対を構成する一方のMOSトランジスタM2のゲートは非反転入力端子2に接続され、そのゲートに非反転入力信号が入力されるようになっている。また、差動対を構成する他方のMOSトランジスタM3のゲートは反転入力端子1に接続され、そのゲートに反転入力信号が入力されるようになっている。
MOSトランジスタM2,M3の各ソースは共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM1のドレインと差動増幅器50の−入力端子とにそれぞれ接続されている。MOSトランジスタM2のドレインは、MOSトランジスタM32のドレインに接続されるとともに、反転出力端子35に接続されている。また、MOSトランジスタM3のドレインは、MOSトランジスタM33のドレインに接続されるとともに、非反転出力端子36に接続されている。MOSトランジスタM2,M3のウエル端子は、共通接続されている。
差動増幅部50の−入力端子には、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧が供給されるようになっている。また、差動増幅器50の+入力端子は基準電圧入力端子7と接続され、その+入力端子には所定の基準電圧Vrefが供給されるようになっている。さらに、差動増幅部50の出力電圧はMOSトランジスタM2,M3の各ウエル端子に供給され、その出力電圧によりMOSトランジスタM2,M3の各ウエル電圧が制御されるようになっている。
MOSトランジスタM1のゲートはバイアス端子3に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM1のソースには、高電位側の電源電圧Vddが供給されるようになっている。
MOSトランジスタM32,M33の各ゲートはバイアス端子34にそれぞれ接続され、その各ゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM32,M33の各ソースは共通接続され、この共通接続部には低電位側の電源電圧Vssが供給されるようになっている。
差動増幅部50の具体的な回路構成は、後述の第2実施形態の差動増幅回路50の構成と同様である(図3参照)。
このような構成からなる第1実施形態によれば、ウエル電圧制御部50が、差動増幅部70の差動対のMOSトランジスタM2,M3のソース電圧が一定値になるように、その差動対のMOSトランジスタM2,M3のウエル電圧を制御し、これにより、そのMOSトランジスタM2,M3のしきい値電圧が可変に制御できる。
なお、図12では、MOSトランジスタM2,M3の負荷として、ゲートに任意のバイアス電圧を印加する一対のMOSトランジスタM32,M33としたが、これに代えて、図13に示すように、そのMOSトランジスタM32,M33をカレントミラー回路で構成するようにしても良い。
[第2実施形態]
本発明の演算増幅器の第2実施形態の構成について、図1を参照して説明する。
この第2実施形態に係る演算増幅器は、折り返しカスコード型の演算増幅器であって、図1に示すように、差動入力部10と、カスコード電流源部20と、カレントミラー部30と、出力部40と、ウエル電圧制御部である差動増幅器50とを備えている。
ここで、この第2実施形態は、図12に示す第1実施形態を基本とし、これを折り返しカスコード型の演算増幅器に発展させたものである。
差動入力部10と、カスコード電流源部20と、カレントミラー部30とは、P型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする折り返しカスコード型の差動増幅部を構成する。
差動入力部10は、差動信号を入力する差動対のP型のMOSトランジスタM2,M3と、この差動対のMOSトランジスタM2,M3に定電流を供給する電流源として機能するP型のMOSトランジスタM1と、を備えている。MOSトランジスタM2,M3は、それぞれウエル端子を備え、その各ウエル端子に差動増幅器50からの出力電圧が供給されることにより、MOSトランジスタM2,M3の各ウエル電圧が制御されるようになっている。なお、MOSトランジスタM2,M3の具体的な構造については後述する。
カスコード電流源部20は、MOSトランジスタM3との間で折り返し型のカスコード回路を構成するN型のMOSトランジスタM6と、MOSトランジスタM2との間で折り返し型のカスコード回路を構成するN型のMOSトランジスタM7と、MOSトランジスタM3,M6に定電流を供給する第1電流源として機能するN型のMOSトランジスタM8と、MOSトランジスタM2,M7に定電流を供給する第2電流源として機能するN型のMOSトランジスタM9と、を備えている。
カレントミラー部30は、MOSトランジスタM6に定電流を供給する第1電流源として機能するMOSトランジスタM4と、MOSトランジスタM7に定電流を供給する第2電流源として機能するMOSトランジスタM5と、を備えており、差動入力部10の負荷として動作する。
出力部40は、カスコード電流源部20(カレントミラー部30)から出力される信号が、N型のMOSトランジスタM11を能動負荷とするP型のMOSトランジスタM10により増幅され、出力されるようになっている。また、出力部40は、図1に示すように、位相補償を行うための抵抗R10とキャパシタC10とを含んでいる。
差動増幅器50は、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧と、所定の基準電圧Vrefとを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を生成し、この生成した出力電圧を、MOSトランジスタM2,M3のウエル電圧として各ウエル端子に供給するようになっている。
さらに、第2実施形態の構成について詳述する。
図1に示すように、差動対を構成する一方のMOSトランジスタM2のゲートは非反転入力端子2に接続され、そのゲートに非反転入力信号が入力されるようになっている。また、差動対を構成する他方のMOSトランジスタM3のゲートは反転入力端子1に接続され、そのゲートに反転入力信号が入力されるようになっている。
MOSトランジスタM2,M3の各ソースは共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM1のドレインと差動増幅器50の−入力端子とにそれぞれ接続されている。MOSトランジスタM2のドレインは、MOSトランジスタM7のソースと接続されている。MOSトランジスタM3のドレインは、MOSトランジスタM6のソースと接続されている。MOSトランジスタM2,M3のウエル端子は、共通接続されている。
差動増幅部50の−入力端子には、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧が供給されるようになっている。また、差動増幅器50の+入力端子は基準電圧入力端子7と接続され、その+入力端子には所定の基準電圧Vrefが供給されるようになっている。さらに、差動増幅部50の出力電圧はMOSトランジスタM2,M3の各ウエル端子に供給され、その出力電圧によりMOSトランジスタM2,M3の各ウエル電圧が制御されるようになっている。
MOSトランジスタM1のゲートはバイアス端子3に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM1のソースには、高電位側の電源電圧Vddが供給されるようになっている。
MOSトランジスタM8,M9の各ゲートはバイアス端子5にそれぞれ接続され、その各ゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM8,M9の各ソースは共通接続され、この共通接続部には低電位側の電源電圧Vssが供給されるようになっている。さらに、MOSトランジスタM8,M9の各ドレインは、MOSトランジスタM6,M7の対応する各ソースに接続されている。
MOSトランジスタM6,M7の各ゲートは共通接続され、その共通接続部はバイアス端子4に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM6,M7の各ドレインは、カレントミラーを構成するMOSトランジスタM4,M5の対応する各ドレインに接続されている。
MOSトランジスタM4,M5は、カレントミラーを構成している。すなわち、MOSトランジスタM4,M5は、その各ゲートが共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM4のドレインに接続されている。さらに、MOSトランジスタM4,M5の各ソースは共通接続され、その共通接続部には電源電圧Vddが供給されるようになっている。
MOSトランジスタM10のゲートは、MOSトランジスタM5とMOSトランジスタM7との共通接続部に接続されている。また、MOSトランジスタM10は、そのソースに電源電圧Vddが供給され、そのドレインが出力端子6に接続されている。
MOSトランジスタM11のゲートはバイアス端子5に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM11は、そのソースに電源電圧Vssが供給され、そのドレインが出力端子6に接続されている。
さらに、MOSトランジスタM5とMOSトランジスタ7の共通接続部と、出力端子6との間に、抵抗R10とキャパシタC10とが直列接続され、この直列回路が位相補償回路を形成している。
次に、差動入力部10に使用されるP型のMOSトランジスタM2,M3の構造例について説明する。
このP型のMOSトランジスタM2,M3は、公知であるP型基板のCMOSプロセスにより製造されるCMOS回路で実現できるので、その構造例について図2を参照して説明する。
このCMOS回路は、図2に示すように、P型基板213に形成されるN型のMOSトランジスタ200とP型のMOSトランジスタ300とからなる。
N型のMOSトランジスタ200は、P型基板213内にPウエル203が形成され、そのPウエル203内に、ソースとなるN型の領域201とドレインとなるN型の領域202とが形成されている。N型の領域201はソース電極204に接続され、N型の領域202はドレイン電極206に接続されている。また、P型基板213上にはゲートが形成され、そのゲートはゲート電極205に接続されている。さらに、Pウエル203は、ウエル端子214に接続されている。
P型のMOSトランジスタ300は、P型基板213内にNウエル209が形成され、そのNウエル209内に、ソースとなるP型の領域207とドレインとなるP型の領域208とが形成されている。P型の領域207はソース電極210に接続され、P型の領域208はドレイン電極212に接続されている。また、P型基板213上にはゲートが形成され、そのゲートはゲート電極211に接続されている。さらに、Nウエル209は、ウエル端子215に接続されている。
ここで、図2の例では、P型基板213を使用するが、これに代えてN型の基板も使用可能であるが、近年はP型基板を用いることが多い。
以下の説明では、基板213はP型とする。P型基板213には、それに対して電圧を供給する電圧供給端子216が接続されている。この電圧供給端子216には、低電位側の電源電圧Vssが供給され、通常は0Vが用いられる。
この図2の場合には、N型のMOSトランジスタ200のPウエル203は基板と同種の材料のためPウエル電圧はP基板の電圧と同じになっている。このため、Pウエル電圧を任意の電圧に設定することはできない。
一方、P型のMOSトランジスタ300のNウエル209の電圧は、ソース207またはドレイン208とNウエル209の間で形成されるダイオードがオンしないことを条件に、低電位側の電源電圧Vssから高電位側の電源電圧Vddまでの範囲で任意の電圧が供給可能である。
従って、図2に示すような構造からなるP型のMOSトランジスタ300を、差動入力部10に使用されるP型のMOSトランジスタM2,M3として使用できる。
次に、このような構成からなる第2実施形態において、差動対からなるP型のMOSトランジスタM2,M3の電流電圧特性に基づき、動作が可能である入力電圧の範囲について説明する。
演算増幅器は、通常、帰還させて使用するため、イマジナリショートの効果によって入力端子1,2の電圧は同じになる。すなわち、P型のMOSトランジスタM2,M3に流れる電流は同じである。このP型のMOSトランジスタM2,M3のそれぞれの電流電圧特性は、以下のように(2)式と同じ式を用いることができる。
Ids=(W/L)・μ・Cox(Vs2+Vthp−Vin)2 ・・・(2)
ここで、WはMOSトランジスタM2,M3のチャネル幅、Lはチャネル長、μは移動度、Coxは単位面積あたりの静電容量、Vs2はMOSトランジスタM2,M3の共通ソース電圧である。Vthpは、そのしきい値電圧である。
ここで、電流値Idsは、電流源用のMOSトランジスタM1によって一定電流が供給されているため、一定値となる。(2)式よりMOSトランジスタM2,M3のソース電圧Vs2は,次式で与えられる。
Vs2=Vin−Vthp+Δ ・・・(3)
但し、Δ=√{Ids/(W/L)・μ・Cox}である。
この(3)式により、ソース電圧Vs2は入力電圧Vinからしきい値電圧VthpとΔを差し引いた値になることがわかる。通常、P型のMOSトランジスタはエンハンスメント型のものが用いられるため、Vthpの符号は負であり、ソース電圧Vs2は入力電圧に一定値を加えた値となる。
ここで、しきい値電圧Vthpは、ウエルとソースとの間の電圧Vbsによって変化する。しきい値電圧Vthpとウエル・ソース間電圧Vbsとの関係を第一近似で表現すると、次式に従って与えられる。
Vthp=Vthp0+γ・Vbs・・・(4)
ここで、Vthp0はウエルとソースとの間の電圧がゼロの場合のしきい値電圧、Vbsはウエルとソースとの間の電圧差、γは定数であり、P型のMOSトランジスタの場合は正である。
ここで、(4)式は、岸野正剛、小柳光正著 丸善株式会社発行「電子材料シリーズ
VLSIデバイスの物理」の118頁の式(3.87)に基づいている。
この(4)式によると、ウエルの電圧がソースの電圧よりも高くなると、しきい値Vthpはよりマイナス方向にシフトする。すなわち、(3)式においてはシフト量が大きくなる。また、逆に、ウエルの電圧がソースの電圧よりも低くなると、しきい値Vthpはプラス方向にシフトする。すなわち、(3)式においてはシフト量が小さくなるという特性がある。
次に、図1に示すMOSトランジスタM2のウエル電圧を、差動増幅器50で制御する場合について説明する。
差動増幅器50の非反転入力端子には、所定の基準電圧Vrefが供給されている。また、差動増幅器50の反転入力端子には、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧Vs2が供給されている。差動増幅器50の出力Vwは、(5)式のように表される。
Vw=A(Vref−Vs2)・・・(5)
ここで、Aは差動増幅器50の利得である。
いま、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧Vs2が、基準電圧Vrefよりも低いときは、(5)式によって、差動増幅器50の出力電圧Vwは、より高い電圧になる。すなわち、ウエル電圧はより高くなる。すると、(4)式で説明したようにしきい値電圧Vthpは、より負の方向へ増大する。(3)式よりソース電圧Vs2は、高くなるように制御される。
逆に、ソース電圧Vs2が基準電圧Vrefよりも低いときは、(5)式より差動増幅器50の出力電圧Vwは、より低い電圧になる。すなわち、ウエル電圧はより低くなる。すると、(4)式で説明したように、しきい値電圧Vthpは負の値が減少して、(3)式よりソース電圧Vs2は低くなるように制御される。
このような制御の結果、ソース電圧Vs2は、いつも基準電圧Vrefに近づこうとする。
ここで、差動増幅器50の利得Aが十分高い場合は、差動増幅器50の非反転入力端子と反転入力端子の電圧は等しくなる。すなわち、差動増幅器50の作用によって、(3)式に示されている入力電圧Vinに関係なく、入力のMOSトランジスタM2,M3のソース電圧Vs2は、いつも一定値である基準電圧Vrefになるように制御される。
さて、電流源用のMOSトランジスタM1が電流源として正常に機能するためには、ドレイン・ソース間電圧Vds1は、次式を満足すれば良い。
Vds1≧Vgs1−Vthp・・・(6)
ここで、Vgs1はMOSトランジスタM1のゲート・ソース間電圧、VthpはMOSトランジスタM1のしきい値電圧である。すなわち、基準電圧Vrefの値はMOSトランジスタM1のドレイン電圧が(6)式を満足するような値に設定すれば、電流源用のMOSトランジスタM1は正常動作が確保できる。
このように、図1に示す演算増幅器の入力端子1,2にいかなる入力電圧レベルが供給されても、正常に動作できる。言い換えると、従来の演算増幅器に比べ、より低い電源電圧においても、レイルトゥレイル動作することが可能となる。
図1に示す出力部40は、P型のMOSトランジスタM10とN型のMOSトランジスタM11とで構成される公知の出力増幅回路であり、この構成の回路は出力電圧が広い範囲で動作可能であり、低電圧のもとで良好に動作する。
以上まとめると、第2実施形態に係る演算増幅器は、入力電圧、出力電圧については下側(低電位側)の電源電圧から、上側(高電位側)の電源電圧まで動作可能であり、いわゆるレイルトゥレイル動作可能である。
しかも、電源電圧を下げていってもウエル電圧を制御する差動増幅器50としきい値電圧の変動が有効に働く限り動作可能であり、従来の演算増幅器と比較して格段に低電圧で動作が可能になる。
また、この第2実施形態では、反転入力端子1、非反転入力端子2が、MOSトランジスタM2,M3のゲートのみしか接続していないため、入力電流がゼロである。
次に、図1に示す差動増幅器50の具体的な構成について、図3を参照しながら説明する。
この差動増幅器50は、図3に示すように、差動入力部51と、出力部52と、備えている。
差動入力部51は、差動信号を入力する差動対からなるN型のMOSトランジスタM22、23と、カレントミラー回路を構成するP型のMOSトランジスタM20、M21と、電流源として機能するN型のMOSトランジスタM24とを備えている。
出力部52は、差動入力部51から出力される信号が、N型のMOSトランジスタM26を能動負荷とするP型のMOSトランジスタM25により増幅され、出力されるようになっている。また、出力部52は、図3に示すように、位相補償を行うための抵抗R30とキャパシタC31とを含んでいる。
さらに詳述すると、差動対を構成する一方のMOSトランジスタM22のゲートは反転入力端子32に接続され、そのゲートに反転入力信号が入力されるようになっている。また、差動対を構成する他方のMOSトランジスタM23のゲートは非反転入力端子33に接続され、そのゲートに非反転入力信号が入力されるようになっている。
MOSトランジスタM22,M23の各ソースは共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM24のドレインに接続されている。また、MOSトランジスタM22,M23の各ドレインは、カレントミラーを構成するMOSトランジスタM20,M21の対応するドレインにそれぞれ接続されている。
MOSトランジスタM20,M21は、カレントミラーを構成している。すなわち、MOSトランジスタM20,M21は、その各ゲートが共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM20のドレインに接続されている。さらに、MOSトランジスタM20,M21の各ソースは共通接続され、その共通接続部には電源電圧Vddが供給されるようになっている。
MOSトランジスタM24のゲートはバイアス端子34に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM24のソースには、電源電圧Vssが供給されるようになっている。
MOSトランジスタM25のゲートは、MOSトランジスタM23とMOSトランジスタ21との共通接続部と接続されている。また、MOSトランジスタM25は、そのソースに電源電圧Vddが供給され、そのドレインが出力端子35に接続されている。
MOSトランジスタM26のゲートはバイアス端子34に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM26は、そのソースに電源電圧Vssが供給されるようになっており、そのドレインが出力端子35に接続されている。
さらに、MOSトランジスタM23とMOSトランジスタ21の共通接続部と、出力端子との間に、抵抗R30とキャパシタC31とが直列接続され、この直列回路が位相補償回路を形成している。
ところで、低電圧の下で動作させる図1に示すような第2実施形態に係る演算増幅器を設計するためには、その構成物の1つである図3に示す差動増幅器50についても低電圧で動作させなければならない。
しかし、差動増幅器50の動作については、入力電圧は常に基準電圧Vrefであるため、入力電圧の動作範囲が正電源から負電源にわたって常に動作させる必要がない。しかも、基準電圧Vrefの値は、図1の電流源として動作するMOSトランジスタM1のドレイン・ソース間電圧が十分確保できるようにすれば良い。
その基準電圧Vrefは、最適に設計すると、(Vdd−0.05)〜(Vdd−0.3)V程度で良い。従って、この範囲の電圧に対してのみ動作すればよく、図3に示すように差動入力部51のMOSトランジスタとして、N型を用いると容易に動作させることができる。
次に、このような構成からなる第2実施形態の動作の有効範囲について説明する。
式(4)によって、MOSトランジスタM2,M3のしきい値電圧の制御は可能である。しかし、現実的には、図1のように全ての入力電圧に対して差動入力部10のMOSトランジスタM2,M3のソース電圧を一定値である基準電圧Vrefにすることは簡単ではない。
MOSトランジスタM2,M3のしきい値は、式(4)のようにウエル電圧で制御することになるが、(4)式中の定数γが高い値、例えば3以上の数値であるなら、先ほど述べたような動作が実現できる。
一般に、ウエルとソース間の電位差Vbsに対する比例定数γは、ゲート酸化膜の単位容量とウエルの不純物濃度によって決まるので、3以上の数値も実現不可能な値ではない。これらのパラメータは、MOSトランジスタの重要な性能である、電流駆動能力、耐圧性能等、種々の性能から決まるため、それら他の性能を無視すればある程度高いγは実現できる。
しかし、他の性能も含めて総合的に高い性能が発揮できるプロセスを採用する場合において、実現の可能性は高くない。例えば、最小線幅が0.35μ〜1μのCMOSプロセスの場合、γの典型的な値は0.2〜0.4程度である。このような数値であると、図1に示す回路では、低電圧でかつレイルトゥレイル動作を達成することは難しい。
さらに、ウエルとソースとの間に印加される電圧Vbsに関しても制限条件が存在する。P型のMOSトランジスタの場合に、ウエルはN型、ソースはP型である。すなわち、ウエルとソースとの間には、PN接合が形成されている。ソース電圧がウエル電圧より約0.7V以上高い場合には、PN接合が順方向ダイオードとしてオンして電流が流れる。このため、0.7V以上の電圧差を形成することはできない。
従って、しきい値電圧の制御範囲の一方の制限は、式(4)においてVbsが−0.7Vが下限値である。逆に、しきい値をマイナス側に大きくする場合にはPN接合が逆方向のため、電源電圧の許容範囲で制御は可能である。
次に、上記のような条件が課せられた場合に、図1の差動入力部10のMOSトランジスタM2,M3のゲート電圧に対してソース電圧がどのように変化するか説明する。
一例として、電源電圧Vdd=1V、Vthp=−0.3V、Δ=0.2V,Vref=0.9V、γ=0.3とする。比較のために、図9の従来の演算増幅器を参照しながら説明する。
まず、図1に示す第2実施形態と図9に示す従来の演算増幅器との構成の差異について説明する。
第2実施形態がその従来の演算増幅器と構成上で異なる点は、差動増幅器50が追加され、この差動増幅器50がMOSトランジスタM2,M3のソースの電圧と基準電圧Vrefとを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を生成し、この生成した出力電圧を、MOSトランジスタM2,M3のウエル電圧としてウエル端子に供給するようになっていることである。換言すると、MOSトランジスタM2,M3のウエルとソースとの間の印加電圧Vbsが、Vbs=0ではなく制御される点である。
図9の従来の演算増幅器の差動入力部110のMOSトランジスタM101,M102のゲート端子とソース端子の電圧の挙動を、図4において細い実線Cで示す。図4において、横軸は入力電圧を示し、縦軸はソース電圧を示す。
(3)式よりソース電圧Vsとゲート電圧すなわち入力電圧Vinの関係は、次式のようになる。
Vs=Vin+0.5・・・(7)
このため、「a」の領域では(7)式に従うが、出力が電源電圧である1Vに近づくと電流源用のMOSトランジスタM103のソース・ドレイン間電圧が小さくなり、電流の供給量が減る。従って、領域「b」「c」では、図4のように出力は1Vに近いところで飽和する。
次に、図1の第1実施形態のようにウエル電圧を制御した場合の特性を、図4の太い実線Aに示す。縦軸はソース電圧である。また、このときのウエル電圧を実線Bで示す。
この場合には、「a」の領域ではソース電圧はVrefの値である0.9Vよりも低い状態になっている。また、この場合は、しきい値をマイナスに大きくして出力を0.9Vに近づけようとするが、ウエル電圧は電源電圧である1Vを超えることができないため1Vに固定されていて、しきい値電圧は、Vbs=0のときより少しだけマイナスに大きめの値となっている。入力電圧Vinが大きくなるとVbsが減り、その結果としてVthはプラス側に少しずつ変化するため、ウエル電圧の制御が効いていない場合(細い実線C)に比べて傾きは緩やかに変化する。
そして、「b」の領域に入った所で、ウエル電圧は1Vから減り始める。そして、ソース電圧に対してウエル電圧が0.7Vになるまで出力が0.9Vになるように制御が働く。このウエル端子とソース端子間電圧Vbsとして0.1から−0.7Vまでの範囲は出力が0.9Vになるように働いている。この「b」の領域はγが0.3なので、およそ0.24Vの区間が出力一定の範囲といえる。
そして、Vbsが0.7Vに達するとダイオードがオンして一定値になる。このため、これ以上入力電圧(ゲート電圧)が高くなっても、しきい値制御は効かないため、「c」の領域に示すように、出力は再び上がり始めて電源電圧に近づく。
このように、差動入力部10のMOSトランジスタM2,M3の動作範囲は、ウエル電圧の制御がない場合に比べて「b」の領域に相当する区間だけ広がっていることになる。この「b」の区間は、電流源MOSFETであるM1は正常に機能している。仮に、M1のドレイン電圧が0.9Vを超えた所で正常に動作しないとする。
図4からわかるように、図1の第2実施形態に係る演算増幅器が正常に動作する範囲は、0V〜0.64Vである。一方、図9の従来の演算増幅器が正常に動作する範囲は、0V〜0.4Vである。
従って、図1の第2実施形態の回路の使用により、入力動作範囲が0.24〔V〕広がることになる。このように、定数γの値が小さい場合には、図1の第2実施形態で入力動作範囲を広げることができるが、レイルトゥレイル動作をさせることはできない。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る演算増幅器について、図5を参照して説明する。この第3実施形態は、定数γが3よりもはるかに小さい値の場合でも、レイルトゥレイル動作が可能な演算増幅器である。
この第3実施形態は、折り返しカスコード型の演算増幅器であって、図5に示すように、差動入力部10Aと、差動入力部10Bと、加算部80と、出力部40と、ウエル電圧制御部である差動増幅器50と、を備えている。
すなわち、この第3実施形態は、差動入力部10Aおよび加算部80から構成されP型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする第1の折り返しカスコード型の差動増幅部と、差動入力部10Bおよび加算部80から構成されN型のMOSトランジスタを入力トランジスタとする第2の折り返しカスコード型の差動増幅部とを組み合わせたものである。
換言すると、この第3実施形態は、図1に示す第2実施形態にN型MOSトランジスタを入力トランジスタとする差動入力部10Bを追加し、この追加に伴って第2実施形態のカスコード電流源部20およびカレントミラー部30を加算部80に置き換えたものである。
従って、第3実施形態の差動入力部10A、出力部40、および差動増幅器50は、図1に示す第2実施形態の差動入力部10、出力部40、および差動増幅器50とその構成が同じである。このため、その同一の構成要素には同一符号を付し、その構成の詳細な説明は必要に応じて省略する。
差動入力部10Aは、差動信号を入力する差動対のP型のMOSトランジスタM2,M3と、この差動対のMOSトランジスタM2,M3に定電流を供給する電流源として機能するP型のMOSトランジスタM1と、を備えている。MOSトランジスタM2,M3は、それぞれウエル端子を備え、その各ウエル端子に差動増幅器50からの出力電圧が供給されることにより、MOSトランジスタM2,M3の各ウエル電圧が制御されるようになっている。MOSトランジスタM2,M3の具体的な構造は、図1に示す差動入力部10のMOSトランジスタM2,M3と同様である。
差動入力部10Bは、差動信号を入力する差動対のN型のMOSトランジスタM15,M16と、この差動対のMOSトランジスタM15,M16に定電流を供給する電流源として機能するN型のMOSトランジスタM14と、を備えている。
加算部80は、差動入力部10Aの電流と差動入力部10Bの電流とを加算するための回路である。
このため、加算部80は、MOSトランジスタM3との間で折り返し型のカスコード回路を構成するN型のMOSトランジスタM6と、MOSトランジスタM2との間で折り返し型のカスコード回路を構成するN型のMOSトランジスタM7と、MOSトランジスタM3,M6に定電流を供給する第1電流源として機能するN型のMOSトランジスタM8と、MOSトランジスタM2,M7に定電流を供給する第2電流源として機能するN型のMOSトランジスタM9と、を備えている。
さらに、加算部80は、MOSトランジスタM15との間で折り返し型のカスコード回路を構成するP型のMOSトランジスタM12と、MOSトランジスタM16との間で折り返し型のカスコード回路を構成するP型のMOSトランジスタM13と、MOSトランジスタM15,M12に定電流を供給する第3電流源として機能するMOSトランジスタM4と、MOSトランジスタM16,M13に定電流を供給する第4電流源として機能するMOSトランジスタM5と、を備えている。
出力部40は、加算部80から出力される信号が、N型のMOSトランジスタM11を能動負荷とするP型のMOSトランジスタM10により増幅され、出力されるようになっている。また、出力部40は、図5に示すように、位相補償を行うための抵抗R10とキャパシタC10とを含んでいる。
差動増幅器50は、MOSトランジスタM2,M3とMOSトランジスタM1との共通接続部の電圧と、所定の基準電圧Vrefとを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を生成し、この生成した出力電圧を、MOSトランジスタM2,M3のウエル電圧としてウエル端子に供給するようになっている。
次に、差動入力部10Bおよび加算部80の詳細な構成について、図5を参照して説明する。
まず、差動入力部10Bの詳細について説明する。差動対を構成する一方のMOSトランジスタM15のゲートは反転入力端子1に接続され、そのゲートに反転入力信号が供給されるようになっている。また、差動対を構成する他方のMOSトランジスタM16のゲートは非反転入力端子2に接続され、そのゲートに非反転入力信号が入力されるようになっている。
MOSトランジスタM15,M16の各ソースは共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM14のドレインに接続されている。MOSトランジスタM15のドレインは、MOSトランジスタM12のソースと接続されている。MOSトランジスタM16のドレインは、MOSトランジスタM13のソースと接続されている。
MOSトランジスタM14のゲートはバイアス端子11に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM14のソースには、電源電圧Vssが供給されるようになっている。
次に、加算部80の構成について説明する。MOSトランジスタM12,M13の各ゲートはバイアス端子12にそれぞれ接続され、その各ゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM12,M13の各ドレインは、MOSトランジスタM6,M7の対応する各ドレインに接続されている。さらに、MOSトランジスタM12,M13の各ソースは、MOSトランジスタM4,M5の対応する各ドレインに接続されている。
MOSトランジスタM4,M5は、カレントミラーを構成している。すなわち、MOSトランジスタM4,M5は、その各ゲートが共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM6とMOSトランジスタM12の共通接続部に接続されている。さらに、MOSトランジスタM4,M5の各ソースは共通接続され、その共通接続部には電源電圧Vddが供給されるようになっている。
なお、加算部80の他の部分の詳細な構成は、図1の第2実施形態のカスコード電流源部20の構成と同じであるので、その説明は省略する。
次に、このような構成からなる第3実施形態の動作の有効範囲について説明する。
この第3実施形態の差動入力部10AのMOSトランジスタM2,M3の入力動作範囲は、第2実施形態の差動入力部10のMOSトランジスタM2,M3の入力動作範囲の場合と同じになる。
次に、この入力動作範囲について、具体的な数値を用いて説明する。図5において、差動入力部10AのMOSトランジスタM2,M3の入力に対する電圧範囲は、図4の説明で使用したパラメータであるVdd=1V、Vthp=−0.3V、Δ=0.2V,γ=0.3の場合を例として考える。
図1の第2実施形態のように、差動入力部10だけでその入力用のMOSトランジスタM2,M3がP型だけの場合には、図4で説明したように、入力電圧範囲は0V〜0.64Vである。また、上述のように、図9に示す従来の演算増幅器の場合には、入力電圧範囲は0V〜0.4Vである。
次に、この第3実施形態の差動入力部10BのMOSトランジスタM15,M16の入力動作範囲について説明する。
このMOSトランジスタM15、M16はN型であり、この電流電圧特性は(1)式で説明した場合と同じように、次の式(8)で表すことができる。
Ids=(W/L)・μ・Cox(Vin−Vs−Vthn)2 ・・・(8)
ここで、WはMOSトランジスタM15,M16のチャネル幅、Lはチャネル長、μは移動度、Coxは単位面積あたりの容量、VsはMOSトランジスタM15,M16のソース電圧である。Vthnは、そのしきい値電圧である。
ここで、電流値Idsは、電流源用のMOSトランジスタM14によって一定電流が供給されているため、一定値となる。
(8)式より、MOSトランジスタM15、M16の各ソース電圧Vsは、次式で与えられる。
Vs=Vin−Vthn−Δ・・・(9)
但し、Δ=√{Ids/(W/L)・μ・Cox}である。
この(9)式により、ソース電圧Vsは、入力電圧Vinからしきい値電圧VthnとΔを差し引いた値になることがわかる。
電流源用のMOSトランジスタM14が正常に動作するには、ソース電圧Vsは最低0.05V〜0.2V程度必要である。仮に、Vthn=0.3V、Δ=0.2V、Vs=0.1Vとすると、入力電圧Vinとしては0.6V以上の場合に正常に動作する。すなわち、MOSトランジスタM15,M16が正常に動作する入力電圧Vinの範囲は、電源電圧Vdd=1Vのときに、0.6V〜1Vの範囲である。
また、上述のように差動入力部10AのMOSトランジスタM2,M3は、入力電圧Vinとして0V〜0.64Vの範囲で正常に動作する。
このように、図5に示す第3実施形態は、電源電圧Vdd=1Vの場合、入力電圧Vinが0V〜1Vの範囲では、差動入力部10BのN型のMOSトランジスタM15,M16または差動入力部10AのP型のMOSトランジスタM2,M3のいずれか一方または両方が常に動作するため、レイルトゥレイル動作する演算増幅器が実現できる。
この場合、N型のMOSトランジスタとP型のMOSトランジスタとが同時に動作する区間が0.04Vであるので、電源電圧をさらに0.04V下げて0.96Vまで低下させても、全ての入力電圧範囲に対して正常に動作する。
一方、電源電圧Vdd=1Vの場合、図8のような従来の演算増幅器の場合、N型のMOSトランジスタの動作可能な入力電圧範囲は0.6V〜1Vで、P型のMOSトランジスタの動作範囲は上述のように0V〜0.4Vであるため、0.4V〜0.6Vの区間(範囲)では正常に動作しない。従って、全ての入力電圧に対して動作するためには、電源電圧を1.2Vにする必要がある。
なお、上記の計算では、しきい値電圧、Δの値だけを用いたが、実際には複雑な計算が必要である。しかし、従来の演算増幅器との効果の差異を説明するには上記の計算で十分である。
すなわち、図5に示す第3実施形態に係る演算増幅器では、従来から用いられているプロセスを使用し、基板係数が小さい場合であっても、電源電圧を従来よりもさらに下げて使用してもレイルトゥレイル動作が可能である。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る演算増幅器について、図6を参照して説明する。
この第4実施形態は、図5に示す第3実施形態よりもさらに低い電源電圧であっても、レイルトゥレイル動作する演算増幅器であり、図6に示すように、差動入力部10Aと、差動入力部10Cと、加算部80と、出力部40と、第1ウエル電圧制御部である差動増幅器50と、第2ウエル電圧制御部である差動増幅器60と、を備えている。
すなわち、この第4実施形態は、図5に示す第3実施形態の差動入力部10Bを図6に示す差動入力部10Cに置き換え、これに伴って図6に示すように差動増幅器60を追加したものである。
従って、第4実施形態の差動入力部10A、加算部80、出力部40、および差動増幅器50は、図5に示す第3実施形態の差動入力部10A、加算部80、出力部40、および差動増幅器50とその構成が同じである。このため、その同一の構成要素には同一符号を付し、その構成の詳細な説明は必要に応じて省略する。
差動入力部10Aは、差動信号を入力する差動対のP型のMOSトランジスタM2,M3と、この差動対のMOSトランジスタM2,M3に定電流を供給する電流源として機能するP型のMOSトランジスタM1と、を備えている。MOSトランジスタM2,M3は、それぞれウエル端子を備え、その各ウエル端子に差動増幅器50からの出力電圧が供給されることにより、MOSトランジスタM2,M3の各ウエル電圧が制御されるようになっている。
差動入力部10Cは、差動信号を入力する差動対のN型のMOSトランジスタM15’,M16’と、この差動対のMOSトランジスタM15’,M16’に定電流を供給する電流源として機能するN型のMOSトランジスタM14と、を備えている。MOSトランジスタM15’,M16’は、それぞれウエル端子を備え、その各ウエル端子に差動増幅器60からの出力電圧が供給されることにより、MOSトランジスタM15’,M16’の各ウエル電圧が制御されるようになっている。
ここで、差動入力部10AのP型のMOSトランジスタM2,M3および差動入力部10CのN型のMOSトランジスタM15’,M16’の具体的な構造例は、図7に示すようになっており、この点について後述する。
加算部80は、差動入力部10Aの電流と差動入力部10Cの電流とを加算するための回路である。
このため、加算部80は、MOSトランジスタM3との間で折り返し型のカスコード回路を構成するN型のMOSトランジスタM6と、MOSトランジスタM2との間で折り返し型のカスコード回路を構成するN型のMOSトランジスタM7と、MOSトランジスタM3,M6に定電流を供給する第1電流源として機能するN型のMOSトランジスタM8と、MOSトランジスタM2,M7に定電流を供給する第2電流源として機能するN型のMOSトランジスタM9と、を備えている。
さらに、加算部80は、MOSトランジスタM15’との間で折り返し型のカスコード回路を構成するP型のMOSトランジスタM12と、MOSトランジスタM16’との間で折り返し型のカスコード回路を構成するP型のMOSトランジスタM13と、MOSトランジスタM15’,M12に定電流を供給する第3電流源として機能するMOSトランジスタM4と、MOSトランジスタM16’,M13に定電流を供給する第4電流源として機能するMOSトランジスタM5と、を備えている。
出力部40は、加算部80から出力される信号が、N型のMOSトランジスタM11を能動負荷とするP型のMOSトランジスタM10により増幅され、出力されるようになっている。また、出力部40は、図6に示すように、位相補償を行うための抵抗R10とキャパシタC10とを含んでいる。
差動増幅器50は、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧と、所定の基準電圧Vrefとを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を生成し、この生成した出力電圧を、MOSトランジスタM2,M3のウエル電圧としてその各ウエル端子に供給するようになっている。
差動増幅器60は、MOSトランジスタM15’,M16’のソース電圧と、所定の基準電圧Vref’とを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を生成し、この生成した出力電圧を、MOSトランジスタM15’,M16’のウエル電圧としてその各ウエル端子に供給するようになっている。なお、差動増幅器60の具体的な構成は、図3に示す差動増幅器50と同様である。
次に、差動入力部10Cの詳細な構成について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、差動対を構成する一方のMOSトランジスタM15’のゲートは反転入力端子1に接続され、そのゲートに反転入力信号が供給されるようになっている。また、差動対を構成する他方のMOSトランジスタM16’のゲートは非反転入力端子2に接続され、そのゲートに非反転入力信号が入力されるようになっている。
MOSトランジスタM15’,M16’の各ソースは共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM14のドレインに接続されている。MOSトランジスタM15’のドレインは、MOSトランジスタM12のソースと接続されている。MOSトランジスタM16’のドレインは、MOSトランジスタM13のソースと接続されている。MOSトランジスタM15’,M16’の各ウエル端子は共通接続されている。
差動増幅部60の−入力端子には、MOSトランジスタM15’,M16’のソース電圧が供給されるようになっている。また、差動増幅器60の+入力端子は基準電圧入力端子8と接続され、その+入力端子には所定の基準電圧Vref’が供給されるようになっている。さらに、差動増幅部60の出力電圧はMOSトランジスタM15’,M16’の各ウエル端子に供給され、その出力電圧によりMOSトランジスタM15’,M16’の各ウエル電圧が制御されるようになっている。
MOSトランジスタM14のゲートはバイアス端子11に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM14のソースには、電源電圧Vssが供給されるようになっている。
次に、差動入力部10AのP型のMOSトランジスタM2,M3および差動入力部10CのN型のMOSトランジスタM15’,M16’の構造例について説明する。
これらのMOSトランジスタは、ディープNウエル(deep Nウエル)を有するCMOSプロセスにより製造されるCMOS回路で実現できるので、その構造例について図7を参照して説明する。ここで、このような構造は、トリプルウエル構造ともいわれている。
このCMOS回路は、図7に示すように、P型基板213に形成されるN型のMOSトランジスタ200’とP型のMOSトランジスタ300とからなり、図2に示すCMOS回路と比較してMOSトランジスタ200’の構造が異なる。
すなわち、MOSトランジスタ200’では、Pウエル203とP型基板213との間に、ディープNウエル217が挿入され、そのディープNウエル217に電圧を供給するためのウエル端子218が接続されている。
一般に、ウエル端子218には上側(高電位側)の電圧Vddが供給されている。このように、ディープNウエル217を形成することによって、Pウエル203の電圧がソース201またはドレイン202とPウエル203の間で形成されるダイオードがオンしない限り、下側の電源電圧Vssから上側の電源電圧Vddの範囲で任意の電圧を供給することが可能になる。
従って、図7に示すような構造からなるN型のMOSトランジスタ200’を、差動入力部10Cに使用されるN型のMOSトランジスタM15’,M16’として使用でき、P型のMOSトランジスタ300を、差動入力部10Aに使用されるP型のMOSトランジスタM2,M3として使用できる。
このような構成からなる第4実施形態によれば、差動増幅器60が、MOSトランジスタM15’,M16’のソース電圧と、基準電圧Vref’とを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を生成し、この生成した出力電圧を、MOSトランジスタM15’,M16’のウエル電圧としてウエル端子に供給する。
ここで、基準電圧Vref’は、電流源用のMOSトランジスタM14が正常に動作する電圧を供給すれば良いので、例えば、最低でも0.05Vから0.2V程度でよい。このため、第4実施形態では、差動入力部10CのMOSトランジスタM15,M16の入力に対する電圧範囲は、図5に示す第3実施形態の場合と同じように大きく広げることが可能になる。一例として、Vthn=0.3V、Δ=0.2V、γ=0.3とすると動作可能な範囲は、0.24V程度広げることが可能になる。
従って、図5の第3実施形態の場合には0.96Vでレイルトゥレイル動作が可能であったが、図6の第4実施形態の場合には0.72Vでレイルトゥレイル動作が可能となり、さらに低い電源電圧のもとで演算増幅器は動作することになる。
なお、第3実施形態および第4実施形態は、その入力端子は全てMOSトランジスタのゲート端子のみにしか接続していないので、入力電流がゼロである。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る演算増幅器について、図14を用いて説明する。
この第5実施形態の回路は、図1に示す第2実施形態と比較すると、図1におけるウエル電圧制御部である差動増幅器50を、図14に示すように差動増幅器150に置き換えたものであり、それ以外の構成は図1と同じである。
図1に示す第2実施形態では、各部を駆動させる電源電圧について特に説明しなかった。すなわち、全ての回路において、正の電源ならびに負の電源それぞれは共通に接続されている。
しかし、この第5実施形態では、図14に示すように、差動増幅器150に供給されている正の電源電圧が共通に使用されるVddでなく、そのVddの2倍の電圧である2Vddになるようにした。
以下、このような構成からなる第5実施形態の動作について説明するが、第2実施形態での説明と共通するところは省いて説明する。
図14のウエル電圧制御部である差動増幅器150は電源電圧が2Vddであるので、差動増幅器150の出力電圧もVss〜2Vddとなる。通常、Vss=0であるので、電源電圧をVddから2Vddに置き換えることによって出力電圧範囲は2倍になる。
このため、第5実施形態では、MOSトランジスタM2,M3の制御できるウエル電圧範囲を大幅に拡張することができて、第2実施形態の場合に比べてより一層の入力電圧範囲の拡張が期待できる。
次に、第5実施形態に係る演算増幅器の動作について、図15を用いてより具体的に説明する。
図15は図4で説明したように、横軸は入力電圧Vinを示しており、縦軸のAはMOSトランジスタM2、M3のソース端子の電圧を示し、BはMOSトランジスタM2,M3のウエル電圧を示す。また、比較のために、差動増幅器150に供給する電源電圧がVddの場合のM2,M3のソース電圧をC、M2,M3のウエル電圧をDとする。言い換えると、C,Dは図1に示す演算増幅器を用いた時のグラフに相当する。
図15を図4と比較すると、図4で示してある領域cに相当する領域fが非常に狭くなっている。これは、第5実施形態の場合に、より一層動作範囲を拡張させるという効果を得るためにPMOSトランジスタのしきい値の絶対値を小さくするか、または電流を減少させる或いは(W/L)を大きくすることでΔを小さくさせて、領域cを狭くしている。ここで、Δの説明は上記の(3)式の説明を参照のこと。
なお、しきい値を変更するためには、MOSトランジスタの製造工程において、しきい値調整用の不純物の打ち込み量を増減することで容易に達成できる。
ここで、電源電圧Vdd=0.6V、Vthp= 0.3V、Δ=0.2V,γ=0.3の場合を例として考える。
まず、差動増幅器150の正の電源電圧がVddの場合について説明する。
入力電圧Vinが領域fにある場合、ウエル電圧が負の電源に到達しており、しきい値の制御が有効に働かなくなっている。領域eはしきい値制御が有効に働いており、ソース電圧は0.5Vと一定になり、図1の演算増幅器は正常に動作する。
領域dはウエル電圧がVdd、すなわち差動増幅器の正の電源0.6Vに到達しており、しきい値制御は働いていない。しかし、図14の全ての回路が正常に働いており、演算増幅器は正常に動作する。
領域a,b,cでは、ソース電圧の振る舞いを示すCの傾きが領域dに比べて緩やかになっており、演算増幅器は正常に動作しない。この領域a,b,cについて詳しく説明する。
図の場合は、MOSトランジスタM2,M3のソース電圧が0.4V以下になると正常に動作しない。何故なら、入力MOSトランジスタM2,M3および電流源として働くMOSトランジスタM8、M9が正常に動作するためにはそれぞれソース・ドレイン間にある所定の電圧が必要であり、ソース電圧Vsをある値より下げることができなくなるのである。
この場合、それぞれ必要な電圧の和が0.4であるために、ソース電圧が0.4Vより小さい所では、MOSトランジスタM2,M3またはMOSトランジスタM8,M9のいずれかが、必要なソース・ドレイン間電圧以下になり正常に動作しなくなるのである。この場合の0.4Vは代表的な値であり、MOSトランジスタの性能、設計条件によって変動する。一般には、しきい値電圧の製造ばらつき変動、温度によるしきい値変動等を考慮すると正常動作として設定した0.4Vという数値を格段に下げることは期待することができない。
次に、差動増幅器150の正の電源電圧が2Vddの場合について説明する。
入力電圧が領域fにある場合、ウエル電圧が負の電源に到達しておりしきい値の制御が有効に働かなくなっている。領域c、d、eはしきい値制御が有効に働いており、ソース電圧は0.5Vと一定になり、図1の演算増幅器は正常に動作する。
正の電源電圧がVddの場合この領域はeのみであるので、正の電源電圧を2Vddにすることによって格段に広くなっていることがわかる。領域bはウエル電圧が2Vddすなわち差動増幅器の正の電源電圧1.2Vに到達しており、しきい値制御は働いていない。しかし、図14の全ての回路が正常に働いており、演算増幅器は正常に動作する。これは、正の電源電圧がVddの場合の領域dに相当する。
領域aではソース電圧の振る舞いを示すAの傾きが領域bに比べて緩やかになっており、演算増幅器は正常に動作しない。このようにウエル電圧を制御する差動増幅器の電源がVddから2Vddにすることによって、演算増幅器が正常に動作する範囲が領域c、dの分だけ広げることができる。
このように、第5実施形態では、ウエル電圧を制御する差動増幅器150に用いる電圧電圧を演算増幅器の本体部分である差動入力部10、カスコード電流源部20、カレントミラー部30、出力部40に用いられている正側の電源Vddとは別のより高い電源を使用することで動作範囲を拡大できる。
しかも、その電源電圧が高ければ高いほどより動作範囲を広げることができる。しかし、この電源電圧には上限がある。
すなわち、MOSトランジスタを形成するプロセス毎に耐圧の制限があり、その上限耐圧を越えない範囲で使用しなくてはいけないからである。
また、演算増幅器を低電圧で動作させる目的で差動増幅器150を使用する時は、別に高い電源電圧を用意しないことが多いからである。
この場合には、ICチップ外または内蔵で昇圧回路を設置する必要があるが、昇圧回路の出力電圧を高くすると回路が複雑になるし、また電力効率が悪くなるという問題も発生するため、むやみに高い電圧をいつでも使用できるとは限らない。しかし、差動増幅器150に使用する電圧を高くするだけで、容易に動作範囲を拡大できる。
ここで、差動入力部10のMOSトランジスタがPMOSの場合は、ウエルに印加する電圧がソース電圧より高い場合はなんら問題がないが、逆に低すぎるとソース・ウエル間の寄生ダイオードがオンしてしきい値電圧制御ができなくなる。従って、負側の電源を下げても効果はない。逆に、NMOSの場合には、ウエル電圧がソース電圧より高いと寄生ダイオードがオンするので、ウエル電圧を制御するウエル制御部の負側の電源電圧をより低い電圧に置き換えることによって同じような効果を得ることができる。
すなわち、図6の差動増幅器60の負側の電源電圧をVssより低い電圧にすることによって、NMOS側の動作範囲をより一層拡大することができるのである。
さて、Vddよりも高い正側の電源電圧またはVssよりも低い負側の電源電圧を昇圧回路または降圧回路を用いて生成することは有効な手法である。すなわち、最適な電源電圧をLSIの外の部品に依存することなく生成できるからである。しかし、昇圧回路を新たに設置することで余分な回路、余分な電力が必要になる。
ウエル電圧制御用の増幅器は必要とする出力電流が殆どないという理由により、電力の観点であまり負担にならないが、ウエル電圧制御用の増幅器の出力部のみVddより高い正側の電源を供給して、出力部以外の回路は正側の電源であるVddを用いることで、昇圧回路の負担が一層軽くなり回路的にも電力的にも軽減できるという長所が得られる。
図16には、電源をそれぞれ別にした場合のウエル電圧制御用の差動増幅器の一例を示す。この差動増幅器は、図16に示すように、差動入力部81と、出力部82とを、備えている。
差動入力部81は、差動信号を入力する差動対からなるN型のMOSトランジスタM41、M42と、電流源として機能するN型のMOSトランジスタM40と、P型MOSトランジスタM43,M44と、カスコードトランジスタとして機能するP型のMOSトランジスタM45,M46と、カレントミラー回路を構成するN型のMOSトランジスタM47、M48とを備えている。
出力部82は、差動入力部81から出力される信号が、P型のMOSトランジスタM49を能動負荷とするN型のMOSトランジスタM50により増幅され、出力されるようになっている。また、出力部82は、図16に示すように、位相補償を行うための抵抗R40とキャパシタC40とを含んでいる。
さらに詳述すると、差動対を構成する一方のMOSトランジスタM41のゲートは反転入力端子70に接続され、そのゲートに反転入力信号が入力されるようになっている。また、差動対を構成する他方のMOSトランジスタM42のゲートは非反転入力端子71に接続され、そのゲートに非反転入力信号が入力されるようになっている。
MOSトランジスタM41,M42の各ソースは共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM40のドレインに接続されている。また、MOSトランジスタM41,M42の各ドレインは、電流源を構成するMOSトランジスタM43,M44の対応するドレインに、およびカスコード回路を構成するMOSトランジスタM45,M46の対応するソースにそれぞれ接続されている。さらに、MOSトランジスタM43,M44の各ソースは共通接続され、その共通接続部には電源電圧Vddが供給される端子77に接続されるようになっている。MOSトランジスタM43,M44の各ゲートは共通接続され、その共通接続部はバイアス端子73に接続されている。MOSトランジスタM45,M46の各ゲートは共通接続され、その共通接続部はバイアス端子74に接続されている。
MOSトランジスタM47,M48は、カレントミラーを構成している。すなわち、MOSトランジスタM47,M48は、その各ゲートが共通接続され、その共通接続部がMOSトランジスタM47のドレインに接続されている。さらに、MOSトランジスタM47,M48の各ソースは共通接続され、その共通接続部には電源電圧Vssが供給される端子79が接続されるようになっている。
またMOSトランジスタM47、M48の各ドレインはカスコード回路として構成するMOSトランジスタM45,M46のドレインにそれぞれ接続されている。
MOSトランジスタM40のゲートはバイアス端子72に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM40のソースには、電源電圧Vssが供給されるよう端子79に接続されている。
MOSトランジスタM50のゲートは、MOSトランジスタM46とMOSトランジスタ48との共通接続部と接続されている。また、MOSトランジスタM50は、そのソースに電源電圧Vssが供給される端子79に接続されており、そのドレインが出力端子76に接続されている。
MOSトランジスタM49のゲートはバイアス端子75に接続され、そのゲートに所定のバイアス電圧が印加されるようになっている。また、MOSトランジスタM49は、そのソースに電源電圧Vddと別の電圧であるVdd2が供給される端子78に接続されており、そのドレインが出力端子76に接続されている。
さらに、MOSトランジスタM46とMOSトランジスタM48の共通接続部と、出力端子との間に、抵抗R40とキャパシタC40とが直列接続され、この直列回路が位相補償回路を形成している。
なお、図16において、電流源として動作するMOSトランジスタM49のゲート端子に供給するバイアス電圧はM49と対で形成するカレントミラー回路によって生成することで最適なバイアス電圧が容易に生成できる。図17に、その具体的な回路を示す。
MOSトランジスタM49は、図16の出力部82を構成するMOSトランジスタM49であり、MOSトランジスタM51とMOSトランジスタM49でカレントミラー回路を構成している。端子75にバイアス電流を供給することでカレントミラー回路の作用により、MOSトランジスタM49にも設定された電流が流れることになる。このような回路構成によって別の電源電圧Vdd2はVddに対して任意の値が設定できる。
このようにして構成される差動増幅器は、原理的には、出力部82の電源電圧を供給する端子78が差動入力部81の電源電圧を供給する端子77と別個に設けられていること以外同じである。
また、図16に示す差動増幅器は、出力部82の電源をVddよりも高い電圧であるVdd2を用いることによって、出力電圧をVssからVdd2まで拡大することが容易にできる。
従って、図16に示す差動増幅器を図14の差動増幅器150と置き換えることによって、差動入力部10のMOSトランジスタM2,M3のウエル電圧の制御範囲をVddからVdd2に拡大することができるようになる。
図16のような回路の増幅器で構成すると、Vdd2に必要な電流は出力部のみであるため、差動増幅器150のように全体にVdd2を供給する場合に比べて、Vdd2を生成する電源の負担を小さくすることができる。
また、回路のシステム上、電源がVssとVddの1組しかない場合が多いが、Vdd2に流れる電流が非常に小さいので、昇圧回路を同一チップ上に容易に形成できる。こうすることで、外部からはVddのみを供給するだけで、低電圧でかつ広い入力電圧範囲を有する演算増幅器を提供できる。
なお、図16の例では出力が電源電圧Vddよりも高い電圧を出力する場合について述べたが、逆に出力が電源電圧Vssよりも低い電圧を出力する場合には、図3の出力部のM26のソースをVssと異なるVss2が供給できる別の端子に接続されており、さらにM26のゲートにはバイアス端子34ではなく、M26と対で構成されるカレントミラー回路で形成されるバイアス電圧が供給できる。
(その他)
第5実施形態は、図1に示す第1実施形態のウエル電圧制御部である差動増幅器50を、図14に示すように差動増幅器150に置き換えたものであり、差動増幅器150の電源電圧を2Vddにしたものである。
このように、ウエル電圧制御部としての差動増幅器における電源電圧を、他の回路部分における電源電圧よりも大きくするという構成は、図5、図6、および図12に示す各実施形態におけるウエル電圧制御部としての差動増幅器についても、同様に実施することができる。
本発明の演算増幅器の第2実施形態の構成を示す回路図である。 図1に示す差動入力部のMOSトランジスタの具体的な構造例を説明する断面図である。 図1に示す差動増幅器の具体的な構成を示す回路図である。 第2実施形態の所定条件の下でのMOSトランジスタM2,M3の入力電圧とソース電圧の関係を説明する図である。 本発明の演算増幅器の第3実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の演算増幅器の第4実施形態の構成を示す回路図である。 図6に示す差動入力部のMOSトランジスタの具体的な構造例を説明する断面図である。 従来の演算増幅器の回路例を示す回路図である。 従来の演算増幅器の他の回路例を示す回路図である。 従来の演算増幅器の入力動作範囲を示す図である 従来の演算増幅器の入力動作範囲を示す図である 本発明の演算増幅器の第1実施形態の構成を示す回路図である。 第1実施形態の負荷の変形例の回路図である。 本発明の演算増幅器の第5実施形態の構成を示す回路図である。 第5実施形態の所定条件の下でのMOSトランジスタM2,M3の入力電圧とソース電圧の関係を説明する図である。 本発明の演算増幅器の第5実施形態に使用されるウエル電圧制御部(差動増幅器)の他の構成例を示す回路図である。 バイアス発生回路の一例を示す回路図である。
符号の説明
10、10A〜10C 差動入力部
20 カスコード電流源部
30 カレントミラー部
40 出力部
50、60 差動増幅器
70 差動増幅部
80 加算部

Claims (9)

  1. ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する差動対のMOSトランジスタと、この差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する電流源とを含む差動入力部と、
    前記差動対のMOSトランジスタの負荷として動作するMOSトランジスタ対で構成されるロード部と、
    前記差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、
    を備え
    前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給することを特徴とする演算増幅器。
  2. ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、
    前記差動信号を入力し、第1差動対のMOSトランジスタとは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、
    前記第1差動入力部からの電流と前記第2差動入力部からの電流を加算するための加算部と、
    前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、
    を備え
    前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給することを特徴とする演算増幅器。
  3. ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、
    ウエル端子をそれぞれ有し、前記差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタ対とは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、
    前記第1差動入力部からの電流と前記第2差動入力部からの電流を加算するための加算部と、
    前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第1基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第1ウエル電圧制御部と、
    前記第2差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第2基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第2差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第2ウエル電圧制御部と、
    を備え
    前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給することを特徴とする演算増幅器。
  4. ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する差動対のMOSトランジスタと、この差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する電流源とを含む差動入力部と、
    前記差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型のカスコード回路を構成するMOSトランジスタ対と、このMOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第1電流源および第2電流源とを含む第1カスコード電流源部と、
    前記第1カスコード電流源部のMOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第3電流源および第4電流源を含む第2カスコード電流源部と、
    前記差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、
    を備え
    前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給することを特徴とする演算増幅器。
  5. ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、
    前記差動信号を入力し、第1差動対のMOSトランジスタとは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、
    前記第1差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と、この第1MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第1電流源および第2電流源と、前記第2差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対と、この第2MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第3電流源および第4電流源とを含み、前記第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と前記第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対とが直列に接続される加算部と、
    前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記各ウエル端子に供給し、前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル電圧を制御するウエル電圧制御部と、
    を備え
    前記ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給することを特徴とする演算増幅器。
  6. ウエル端子をそれぞれ有し、差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタと、この第1差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第1電流源とを含む第1差動入力部と、
    ウエル端子をそれぞれ有し、前記差動信号を入力する第1差動対のMOSトランジスタ対とは極性が逆である第2差動対のMOSトランジスタと、この第2差動対のMOSトランジスタに定電流を供給する第2電流源とを含む第2差動入力部と、
    前記第1差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と、この第1MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第1電流源および第2電流源と、前記第2差動対のMOSトランジスタとの間で折り返し型の第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対と、この第2MOSトランジスタ対にそれぞれ定電流を供給する第3電流源および第4電流源とを含み、前記第1カスコード回路を構成する第1MOSトランジスタ対と前記第2カスコード回路を構成する第2MOSトランジスタ対とが直列に接続される加算部と、
    前記第1差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第1基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第1差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第1ウエル電圧制御部と、
    前記第2差動対のMOSトランジスタのソース電圧と所定の第2基準電圧とを比較し、この比較結果に応じて生成される出力信号を前記第2差動対のMOSトランジスタの各ウエル端子に供給し、その各ウエル電圧を制御する第2ウエル電圧制御部と、
    を備え
    前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部に供給する正側または負側どちらか一方の電源の全部または一部が、前記第1ウエル電圧制御部または第2ウエル電圧制御部以外に供給している電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧より低い電圧を供給することを特徴とする演算増幅器。
  7. 前記第1電流源および前記第2電流源と、前記第3電流源および前記第4電流源とのいずれか一方の電流源の組を、カレントミラー構成としたことを特徴とする請求項4乃至請求項6のうちのいずれかに記載の演算増幅器。
  8. 前記ウエル電圧制御部、第1ウエル電圧制御部、または第2ウエル電圧制御部が少なくとも差動増幅部および出力回路から構成されており、出力回路に供給する正側または負側のいずれか一方の電源電圧は、差動増幅部を含むその他の回路の電源電圧よりも正側の電圧に高い電圧を供給するか、或いは負側の電圧により低い電圧を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちのいずれかに記載の演算増幅器。
  9. 前記ウエル電圧制御部、第1ウエル電圧制御部、または第2ウエル電圧制御部の一部または全部に供給する電圧は、昇圧回路或いは降圧回路を用いて生成することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちのいずれかに記載の演算増幅器。
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