JP4239887B2 - エンジンのインジェクタ取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのインジェクタ取付構造に関するものである。
従来のインジェクタのエンジンへの取付構造としては、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された発明では、インジェクタは、シリンダヘッド上部に設けられたノズル挿入孔に取り付けられる。このように取り付けられたインジェクタはシリンダヘッド上面に設けられたクランプ部材によってシリンダヘッドに固定されている。
さらに、詳しくは、このクランプ部材の一端部には支点部が設けられる一方、他端部にはインジェクタ押さえ部が設けられ、これらの略中間部に該クランプ部材をシリンダヘッド上面に固定するための固定ボルトを挿通させるボルト挿通孔が形成されている。そして、該クランプ部材の取付状態においては、上記支点部はシリンダヘッド上面のスペーサに当接するとともに、上記インジェクタ押さえ部はインジェクタに設けられたクランプ当接面に当接することによって、インジェクタをシリンダヘッドに取り付けている。
また、上記スペーサには上方に突出する位置決めピンが配設されるとともに、上記クランプ部材には支点部より中央側の位置に該位置決めピンが挿入される長孔が支点部とインジェクタ押さえ部とを結ぶ方向へ延びて設けられている。これら位置決めピンと長孔とによって、上記クランプ部材は廻り止めされており、上記インジェクタ押さえ部がインジェクタの軸心から回転してずれることを防止している。
さらに、上記クランプ部材の回転を規制する別の構造として、上記シリンダヘッドに上記スペーサに替えて、上方に突出しかつ先端に球面凸部が形成された支点ピンを設けるとともに、上記クランプ部材の支点部は該支点ピンの球面凸部と摺接する球面凹部が形成されているものがある(特許文献1参照)。かかる構造においては、この球面凹部がクランプ部材の支点部となるとともに、球面凹部及び球面凸部とによってクランプ部材の廻り止めをしている。
特開平10−82355号公報
しかしながら、上記インジェクタは精密機械であるため、上記インジェクタを押圧固定する場合には、押圧力が軸心からずれてインジェクタに曲げモーメントがかからないようにする必要がある。そのため、上記インジェクタ押さえ部をインジェクタの所定の押圧位置に出来る限り精度良く当接させることが望まれる。上記2つの従来例は、インジェクタ押さえ部の位置精度が比較的低く、改善の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クランプ部材の位置決め精度を向上させかつ、インジェクタの応力が過大になることがないインジェクタの取付構造を提供することにある。
第1の発明は、インジェクタをエンジンのシリンダヘッドに取り付けるエンジンのインジェクタ取付構造が対象である。
そして、ボルト挿通孔に挿通された固定ボルトによって上記シリンダヘッドに固定されて、上記シリンダヘッドに配設されたインジェクタを固定するクランプ部材と、上記クランプ部材の上記ボルト挿通孔を中心とした回転方向に対する位置決めをする位置決め部材と、を備えているものとする。
また、上記クランプ部材は、上記ボルト挿通孔を挟んだ一端部に、その端縁に向かって上方に湾曲し且つ上記シリンダヘッドと当接する当接面と、その他端部に、上記インジェクタを下方に押圧するインジェクタ押さえ部と、を有していて、上記湾曲した当接面に従って上記インジェクタの軸心方向に揺動可能とされている。
さらに、上記位置決め部材は、略上下方向に配置される断面円形状の位置決めピンであり、上記クランプ部材とシリンダヘッドとの間において、上記当接面よりも端縁側に配置されている。
さらにまた、上記クランプ部材には、上記ピンの上端部が嵌合される断面円形状のクランプ側嵌合孔が形成され、上記シリンダヘッドには、上記ピンの下端部が嵌合される断面円形状のヘッド側嵌合孔が形成され、上記インジェクタ及びクランプ部材は、上記シリンダヘッド内の動弁室の上部を画成するヘッド上壁に取り付けられ、上記シリンダヘッドは、そのヘッド上壁に貫通形成されたボルト貫通孔と、上記動弁室の底壁を構成するミドルデッキ部に設けられたボルトネジ孔とを有し、上記固定ボルトは、そのボルトヘッド部とネジ部との間に拡径部を有すると共に、上記ボルト挿通孔及びボルト貫通孔を貫通し且つ上記ボルトネジ孔に螺合されて、その中間部が動弁室空間に露出しており、上記固定ボルトの外周面と上記ボルト貫通孔の内周面との間は、弾性シール部材によってシールされ、上記拡径部は、その取付状態において、上記クランプ部材のボルト挿通孔の下部位置からシリンダヘッドのボルト貫通孔の上部位置に亘って位置している。
上記の構成の場合、上記インジェクタは、シリンダヘッドに取り付けられ、上記クランプ部材によって固定される。
具体的には、支点としての上記当接面がシリンダヘッドに当接して、力点としてのボルト挿通孔に固定ボルトが挿通されて締結力が付与され、作用点としてのインジェクタ押さえ部がインジェクタをその軸心方向に押圧してシリンダヘッドに固定する。ここで、上記当接面が湾曲していることによって、クランプ部材は該当接面に従ってインジェクタの軸心方向に揺動することでき、該クランプ部材の位置及び姿勢を適切に調整して、インジェクタを軸心方向に押圧固定することができる。
ここで、該クランプ部材は、上記位置決め部材によってボルト挿通孔を中心とした回転方向の位置決めがされている。その結果、上記インジェクタ押さえ部がインジェクタの軸心からボルト挿通孔を中心とした回転方向にずれて、インジェクタに曲げモーメントが作用することが防止されている。
ところで、一般に、設計した寸法と実際に製造された物の寸法とには寸法公差の分だけ誤差が生じ、例えば、固定ボルトとインジェクタとを結ぶ方向に対し交差する方向の寸法公差は、クランプ部材の回転方向の位置(クランプ部材の回転角)に影響を及ぼす。この寸法公差を小さくすると、上述の位置決め精度を向上させることができるという利点はあるが、高い加工精度を必要とする分製造コストが高くなるという欠点がある。
そこで、上記位置決め部材を上記当接面よりも端縁側に配置することによってクランプ部材の回転の中心となる固定ボルトと位置決め部材との距離が比較的長くなり、許容される寸法公差に対応するクランプ部材の回転角度が小さくなる。
したがって、本発明によれば、上記位置決め部材を上記当接面よりもさらに端縁側に配置することによって、位置決め部材と固定ボルトとの距離に対する寸法公差の影響が小さくして、加工精度を上げなくても位置決め精度を向上させることができる。
それと共に、支点としての当接面がインジェクタ押さえ部の比較的近くに位置するため、支点と作用点間の剛性が高くなり、固定ボルトによる押圧力が正確にインジェクタ押さえ部に伝えることができる。その結果、インジェクタへの押圧力の調整が容易となり、インジェクタの応力が過大になることがない
また、断面円形状の位置決めピンの両端部は、断面円形状のクランプ側嵌合孔及び断面円形状のヘッド側嵌合孔が嵌合しているため、上記クランプ部材のインジェクタ押さえ部は、ボルト挿通孔を中心とする周方向へ位置決めがなされるだけでなく、位置決めピンとインジェクタとを結ぶ方向へも位置決めされる。
そして、上記位置決めピンの配設位置は寸法公差によってずれる可能性があるが、上記位置決めピンは作用点としてのインジェクタ押さえ部から比較的離れた位置に配置されているため、位置決めピンとインジェクタ押さえ部との長さに対する寸法公差の影響は比較的小さくなる。
したがって精密機械であるインジェクタの押さえ位置の精度が向上し、クランプ部材による押圧力はインジェクタの軸心に作用して、インジェクタに曲げモーメントがかからない。
また、上記特許文献1に開示された構造のように、球面凸部及び球面凹部によって揺動可能とする当接面と位置決め部材との2つの役割を持たせる構造と比較して、揺動可能とする当接面と位置決め部材とが別の構成であるとともに、位置決め部材がピン形状であるため、製造コストを抑制することができる。
さらに、上記クランプ部材、ボルトヘッド部及びインジェクタの上端部は、動弁室の外部に位置する。そして、該固定ボルトのネジ部は、動弁室空間の底部を構成するミドルデッキ部のボルトネジ孔に螺合されている。そのため、固定ボルトの中間部は動弁室空間に露出するとともに、上記ヘッド上壁のボルト貫通孔内周面と固定ボルト外周面との間には隙間が生じている。この動弁室内には、給気及び排気のバルブ機構が収納されており、エンジンオイルも存在する。そこで、ボルト貫通孔内周面と固定ボルト外周面との間の隙間を弾性シール部材で塞いでいる。
また、一般にインジェクタの本体及び固定ボルトは、例えば鉄系金属等の略同じ材料からなる。そして、エンジンが温度上昇した場合には、作用点としてのインジェクタのクランプ当接面は、シリンダヘッドとインジェクタの熱膨張分だけ上方に変位する。一方、力点としての固定ボルトのボルトヘッド部は、シリンダヘッドと固定ボルトの熱膨張分だけ上方に変位する。このため、熱膨張に対してクランプ部材当接面とボルトヘッド部の高さ位置を略等しくするには、略同じ材料からなるインジェクタと固定ボルトとの長さの差を小さくしたい。そこで、固定ボルトをミドルデッキ部に螺合させて、動弁室空間を上下に貫通させることによって、該固定ボルトの全長は比較的長くなり、その全長は、インジェクタのインジェクタ押さえ部が当接するクランプ当接面からインジェクタの噴孔側がシリンダヘッドに当接する部分までの長さに近づく。その結果、インジェクタのクランプ当接面位置と、固定ボルトのボルトヘッド位置との熱膨張による変位の差が小さくなる。
したがって動弁室内の空気がエンジン運転による温度変化によって膨張及び収縮しても、上記弾性シール部材によって上記隙間から空気が出入りすることなく、それに伴うエンジンオイルの流出や異物の混入を防止することができる。
また、ボルトの締結構造としてミドルデッキ部のネジ孔に螺合するのではなく、ヘッド上壁から動弁室空間に突出する肉盛り部を設けて、この肉盛り部にネジ孔を設ける構造も考えられ、かかる構造であれば、ヘッド上壁に動弁室空間と連通する挿入孔を設ける必要がなく動弁室とのシールを考慮する必要がない。しかし、動弁室は給気及び排気のバルブ機構を収納する必要があり、かかるスペースを確保するためにはヘッド上壁の下面において動弁室空間内に突出する肉盛り部を設けることは避けたい。この要求は、エンジンがコンパクトになって動弁室空間が狭小になるほど強くなる。すなわち、ミドルデッキ部にネジ孔を設けたボルト締結構造は、動弁室空間を有効に活用することができる。
さらに、固定ボルトの全長を長くすることによって、シリンダヘッド下面を基準として、インジェクタのクランプ当接面と、固定ボルトのボルトヘッド位置との熱膨張による変位の差が小さくなり、シリンダヘッド等の温度が変化しても、固定ボルトの締結力が緩み難い。
また、上記クランプ部材は、支点の当接面に従って上下に揺動する一方、固定ボルトは、ミドルデッキ部のネジ孔に螺合して鉛直方向に延びて固定されているため、上記固定ボルトとボルト挿通孔との間にはクランプ部材が揺動可能なだけの隙間が必要である。一方、上記固定ボルト外周面とボルト貫通孔内周面との間の隙間をシールするシール部材のシール性を確保するためには、固定ボルトとボルト貫通孔との位置ずれを防止する必要がある。
そこで、上記固定ボルトに、その取付状態においてボルト挿通孔の下部からシリンダヘッドのボルト貫通孔入口部分に亘って位置する拡径部を設けることによって、ボルト挿通孔の下部では、固定ボルト外周面とボルト貫通孔内周面との隙間を小さくする一方、ボルト挿通孔の上部においては、ボルト外周面とボルト挿通孔内周面との間には十分な隙間を設けている。位置決め部材によって、クランプ部材のボルト挿通孔とシリンダヘッドのボルト貫通孔とはその軸心が揃うように位置決めされており、このボルト挿通孔に挿通される固定ボルトのボルトヘッド部側は、その取り付け時において、拡径部によってボルト挿通孔内での移動が規制されるため、固定ボルトとシリンダヘッドのボルト貫通孔との位置関係も規制される。そうして、固定ボルトがボルト貫通孔に対して精度良く位置付けられるから、確実なシール性が得られるように、固定ボルト、弾性シール部材の組み付けが可能になる。一方、ボルト挿通孔上部の隙間は十分あるためクランプ部材は揺動することができる。
したがって上記固定ボルトの拡径部によって、クランプ部材の揺動を阻害せずかつ、ボルトとボルト貫通孔との位置ずれを防止してシール性を確保することができる。
第2の発明は、インジェクタをエンジンのシリンダヘッドに取り付けるためのエンジンのインジェクタ取付構造が対象である。
そして、ボルト挿通孔に挿通された固定ボルトによって上記シリンダヘッドに固定されて、上記シリンダヘッドに配設されたインジェクタを固定するクランプ部材と、上記クランプ部材の上記ボルト挿通孔を中心とした回転方向に対する位置決めをする位置決め部材と、を備えているものとする。
また、上記クランプ部材は、上記ボルト挿通孔を挟んだ一端部に、その端縁に向かって上方に湾曲し且つ上記シリンダヘッドと当接する当接面と、その他端部に、上記インジェクタを下方に押圧するインジェクタ押さえ部と、を有していて、上記湾曲した当接面に従って上記インジェクタの軸心方向に揺動可能とされており、上記位置決め部材は、上記クランプ部材とシリンダヘッドとの間において、上記当接面よりも端縁側に配置され、上記クランプ部材を該位置決め部材と上記インジェクタとを結ぶ方向へ位置決めするように構成され、上記インジェクタ及びクランプ部材は、上記シリンダヘッド内の動弁室の上部を画成するヘッド上壁に取り付けられ、上記シリンダヘッドは、そのヘッド上壁に貫通形成されたボルト貫通孔と、上記動弁室の底壁を構成するミドルデッキ部に設けられたボルトネジ孔とを有し、上記固定ボルトは、そのボルトヘッド部とネジ部との間に拡径部を有すると共に、上記ボルト挿通孔及びボルト貫通孔を貫通し且つ上記ボルトネジ孔に螺合されて、その中間部が動弁室空間に露出しており、上記固定ボルトの外周面と上記ボルト貫通孔の内周面との間は、弾性シール部材によってシールされ、上記拡径部は、その取付状態において、上記クランプ部材のボルト挿通孔の下部位置からシリンダヘッドのボルト貫通孔の上部位置に亘って位置している。
上記の構成の場合、上記インジェクタは、シリンダヘッドに取り付けられ、上記クランプ部材によって固定される。
具体的には、支点としての上記当接面がシリンダヘッドに当接して、力点としてのボルト挿通孔に固定ボルトが挿通されて締結力が付与され、作用点としてのインジェクタ押さえ部がインジェクタをその軸心方向に押圧してシリンダヘッドに固定する。ここで、上記当接面が湾曲していることによって、クランプ部材は該当接面に従ってインジェクタの軸心方向に揺動することでき、該クランプ部材の位置及び姿勢を適切に調整して、インジェクタを軸心方向に押圧固定することができる。
ここで、該クランプ部材は、上記位置決め部材によってボルト挿通孔を中心とした回転方向の位置決めがされている。その結果、上記インジェクタ押さえ部がインジェクタの軸心からボルト挿通孔を中心とした回転方向にずれて、インジェクタに曲げモーメントが作用することが防止されている。
ところで、一般に、設計した寸法と実際に製造された物の寸法とには寸法公差の分だけ誤差が生じ、例えば、固定ボルトとインジェクタとを結ぶ方向に対し交差する方向の寸法公差は、クランプ部材の回転方向の位置(クランプ部材の回転角)に影響を及ぼす。この寸法公差を小さくすると、上述の位置決め精度を向上させることができるという利点はあるが、高い加工精度を必要とする分製造コストが高くなるという欠点がある。
そこで、上記位置決め部材を上記当接面よりも端縁側に配置することによってクランプ部材の回転の中心となる固定ボルトと位置決め部材との距離が比較的長くなり、許容される寸法公差に対応するクランプ部材の回転角度が小さくなる。
したがって、本発明によれば、上記位置決め部材を上記当接面よりもさらに端縁側に配置することによって、位置決め部材と固定ボルトとの距離に対する寸法公差の影響が小さくして、加工精度を上げなくても位置決め精度を向上させることができる。
それと共に、支点としての当接面がインジェクタ押さえ部の比較的近くに位置するため、支点と作用点間の剛性が高くなり、固定ボルトによる押圧力が正確にインジェクタ押さえ部に伝えることができる。その結果、インジェクタへの押圧力の調整が容易となり、インジェクタの応力が過大になることがない。
さらに、上記クランプ部材、ボルトヘッド部及びインジェクタの上端部は、動弁室の外部に位置する。そして、該固定ボルトのネジ部は、動弁室空間の底部を構成するミドルデッキ部のボルトネジ孔に螺合されている。そのため、固定ボルトの中間部は動弁室空間に露出するとともに、上記ヘッド上壁のボルト貫通孔内周面と固定ボルト外周面との間には隙間が生じている。この動弁室内には、給気及び排気のバルブ機構が収納されており、エンジンオイルも存在する。そこで、ボルト貫通孔内周面と固定ボルト外周面との間の隙間を弾性シール部材で塞いでいる。
また、一般にインジェクタの本体及び固定ボルトは、例えば鉄系金属等の略同じ材料からなる。そして、エンジンが温度上昇した場合には、作用点としてのインジェクタのクランプ当接面は、シリンダヘッドとインジェクタの熱膨張分だけ上方に変位する。一方、力点としての固定ボルトのボルトヘッド部は、シリンダヘッドと固定ボルトの熱膨張分だけ上方に変位する。このため、熱膨張に対してクランプ部材当接面とボルトヘッド部の高さ位置を略等しくするには、略同じ材料からなるインジェクタと固定ボルトとの長さの差を小さくしたい。そこで、固定ボルトをミドルデッキ部に螺合させて、動弁室空間を上下に貫通させることによって、該固定ボルトの全長は比較的長くなり、その全長は、インジェクタのインジェクタ押さえ部が当接するクランプ当接面からインジェクタの噴孔側がシリンダヘッドに当接する部分までの長さに近づく。その結果、インジェクタのクランプ当接面位置と、固定ボルトのボルトヘッド位置との熱膨張による変位の差が小さくなる。
したがって、動弁室内の空気がエンジン運転による温度変化によって膨張及び収縮しても、上記弾性シール部材によって上記隙間から空気が出入りすることなく、それに伴うエンジンオイルの流出や異物の混入を防止することができる。
また、ボルトの締結構造としてミドルデッキ部のネジ孔に螺合するのではなく、ヘッド上壁から動弁室空間に突出する肉盛り部を設けて、この肉盛り部にネジ孔を設ける構造も考えられ、かかる構造であれば、ヘッド上壁に動弁室空間と連通する挿入孔を設ける必要がなく動弁室とのシールを考慮する必要がない。しかし、動弁室は給気及び排気のバルブ機構を収納する必要があり、かかるスペースを確保するためにはヘッド上壁の下面において動弁室空間内に突出する肉盛り部を設けることは避けたい。この要求は、エンジンがコンパクトになって動弁室空間が狭小になるほど強くなる。すなわち、ミドルデッキ部にネジ孔を設けたボルト締結構造は、動弁室空間を有効に活用することができる。
さらに、固定ボルトの全長を長くすることによって、シリンダヘッド下面を基準として、インジェクタのクランプ当接面と、固定ボルトのボルトヘッド位置との熱膨張による変位の差が小さくなり、シリンダヘッド等の温度が変化しても、固定ボルトの締結力が緩み難い。
また、上記クランプ部材は、支点の当接面に従って上下に揺動する一方、固定ボルトは、ミドルデッキ部のネジ孔に螺合して鉛直方向に延びて固定されているため、上記固定ボルトとボルト挿通孔との間にはクランプ部材が揺動可能なだけの隙間が必要である。一方、上記固定ボルト外周面とボルト貫通孔内周面との間の隙間をシールするシール部材のシール性を確保するためには、固定ボルトとボルト貫通孔との位置ずれを防止する必要がある。
そこで、上記固定ボルトに、その取付状態においてボルト挿通孔の下部からシリンダヘッドのボルト貫通孔入口部分に亘って位置する拡径部を設けることによって、ボルト挿通孔の下部では、固定ボルト外周面とボルト貫通孔内周面との隙間を小さくする一方、ボルト挿通孔の上部においては、ボルト外周面とボルト挿通孔内周面との間には十分な隙間を設けている。位置決め部材によって、クランプ部材のボルト挿通孔とシリンダヘッドのボルト貫通孔とはその軸心が揃うように位置決めされており、このボルト挿通孔に挿通される固定ボルトのボルトヘッド部側は、その取り付け時において、拡径部によってボルト挿通孔内での移動が規制されるため、固定ボルトとシリンダヘッドのボルト貫通孔との位置関係も規制される。そうして、固定ボルトがボルト貫通孔に対して精度良く位置付けられるから、確実なシール性が得られるように、固定ボルト、弾性シール部材の組み付けが可能になる。一方、ボルト挿通孔上部の隙間は十分あるためクランプ部材は揺動することができる。
したがって、上記固定ボルトの拡径部によって、クランプ部材の揺動を阻害せずかつ、ボルトとボルト貫通孔との位置ずれを防止してシール性を確保することができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、上記ヘッド上壁は、上記シリンダヘッド上面に固定され、カムシャフトを支持するカムキャリア部材によって構成されているものとする。
上記の構成の場合、カムキャリアが上記ヘッド上壁を構成することになり、このカムキャリアに上記ボルト貫通孔及びヘッド側嵌合孔が形成される。かかる構造とすることによって、ヘッド上壁がシリンダヘッドと一体形成された構造と比較して、容易に製造できる。
第4の発明は、第1乃至3の何れか1つの発明において、上記クランプ部材には、クランプ側嵌合孔が形成され、上記位置決め部材は、上記クランプ側嵌合孔に圧入固定されるスプリングピンであるものとする。
上記の構成の場合、位置決め部材が嵌合して略一直線上に位置していた上記クランプ側嵌合孔の軸心とヘッド側嵌合孔の軸心とが、クランプ部材が揺動することによって少し角度を有するようになっても、上記スプリングピンはその径方向に弾性変形するため、位置決めピンとヘッド側嵌合孔又はクランプ側嵌合孔との嵌め合いが維持される。
したがって、クランプ部材を揺動可能にしつつ、高い位置決め精度が得られる。また、位置決め部材が挿入孔とピンからなるため、球面凸部及び球面凹部からなる球面タイプと比較してコストを低く抑えることができる。
第5の発明は、第1又は2の発明において、上記弾性シール部材は、上記シリンダヘッドと上記クランプ部材との間をシールする第1シール部材と、上記固定ボルトとボルト挿通孔との間をシールする第2シール部材とが互いに相対変位可能に連結されてなるリング状シール部材であって、上記リング状シール部材は、上記固定ボルトに嵌挿保持されているものとする。
上記の構成の場合、上記弾性シール部材は一部材で2箇所をシールする。すなわち、シリンダヘッドと上記クランプ部材との間、及び上記固定ボルトとボルト挿通孔との間をそれぞれ第1シール部材及び第2シール部材でシールしている。そして、これら第1シール部材と第2シール部材とは相対的に変位可能であるため、それぞれが独立に対応する部分をシールすることができる。例えば、第1シール部材の中心と固定ボルトの軸心とがずれても、第2シール部材は第1シール部材に対して相対変位可能であるため、第1シール部材に追従して固定ボルトの軸心からずれることはなく、固定ボルトとボルト挿通孔との間のシール性は維持される。したがって、該第1シール部材と第2シール部材とからなるリング状シール部材によって固定ボルト外周面とシリンダヘッドのボルト貫通孔との間のシール性が確保される。
また、上記リング状シール部材は、クランプ部材を介して位置決めピンにより位置決めされた固定ボルトに嵌挿保持されているため、位置決め部材が嵌合されているシリンダヘッドに対して精度良く配置されることになる。したがって、シリンダヘッド上面には第1シール部材が当接するシール面を形成する必要があるが、このシール面を比較的小さく形成することができる。
上記発明によれば、上記位置決め部材を上記当接面よりもさらに端縁側に配置することによって、位置決め部材と固定ボルトとの距離に対する寸法公差の影響を小さくして、加工精度を上げなくても位置決め精度を向上させることができる。その結果、インジェクタをその軸心位置で軸心方向に押圧することができる。
また、支点がインジェクタ押さえ部の比較的近くに位置するため、ボルト締結力、即ちインジェクタへの押圧力の調整がし易く、インジェクタの応力が過大になることがない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンの気筒列方向と直交する方向からエンジンを見て、インジェクタを中心にエンジンの構成を示す断面図である。1は、オーバーヘッドカムシャフト式直噴ディーゼルエンジンであって、このエンジン1は、その長手方向に沿って4つの気筒22、22、…が形成されているシリンダブロック2、動弁室41の下半部やウォータジャケット42が形成されたヘッド本体4とエンジン1の前後方向に延びる2本のカムシャフト(図示省略)を支持するカムキャリア5とからなるシリンダヘッド3及びシリンダヘッドカバー6等からなる。そして、この各気筒22に燃料を直接噴射するためのインジェクタ7が、シリンダヘッド3上方から各気筒22内へ挿設されている。
本実施形態では、説明の便宜のため、上記エンジン1の長手方向をエンジン前後方向として、図示省略のタイミングプーリが位置する側(図1の右側)をエンジン前側と呼び、その反対側(図1の左側)をエンジン後側という。また、上記エンジン1の前後方向に直交する左右方向(図1における紙面垂直方向)をエンジン幅方向とする。
上記ヘッド本体4は、上記シリンダブロック2の上面に配設されており、このヘッド本体4の底壁であるボトムデッキ49の下面によって上記各気筒22の上面が画成されている。そして、各気筒22の中心軸cに沿って、ボトムデッキ49からヘッド本体4の上面まで上方へ突出するボス部44が形成されて、該各ボス部44には上記各インジェクタ7が挿入されるインジェクタホール43が形成されている。この各インジェクタホール43は、各気筒22の中心軸cと同軸に鉛直下向きに貫通形成されている。また、ボス部44のボス上端面44aには、該ホール43の上端開口を囲むように細溝44bが形成されている。
そして、このヘッド本体4は、その上下方向略中央において水平方向に拡がるミドルデッキ48によって上下に区画されており、上記ボトムデッキ49とミドルデッキ48との間には、上記ボス部44を囲むようにウォータジャケット42が形成されている。このウォータジャケット42内には、エンジン冷却水が循環していて、それによってシリンダヘッド3を冷却している。一方、上記ミドルデッキ48の上方には、シリンダヘッド3の外周壁31に囲まれて上方に開口する動弁室41の下半部が形成されている。この動弁室41には、カムシャフトや吸気及び排気のバルブ機構が収納される。また、このミドルデッキ48の上記各ボス部44のエンジン後側には、後述する固定ボルト9を螺合するボルトネジ孔48aが形成されている。
上記カムキャリア5は、それぞれエンジン前後方向に延びるように形成されたカムキャリア本体部51、そのカムキャリア本体部51の途中からエンジン1の幅方向両側に分岐して延びる複数のカムジャーナル部(図示省略)及び各カムジャーナル部の上部に取り付けられるカムキャップ(図示省略)からなる。このカムキャリア5は、上記ヘッド本体4の上面に載設され、カムキャリア本体部51の下面が、上記ボス上端面44aと当接する(図1参照)。
そして、上記複数のカムジャーナル部に上記2本のカムシャフトがカムキャリア本体部51を挟んでエンジン前後方向に沿って配設され、該カムジャーナル部の上部からカムキャップが取り付けられることによって、カムシャフトはカムキャリア5に回動自在に支承される。
また、上記カムキャリア本体部51には、その長手方向の略全体に亘って上面に開口した溝部51aが形成されており、この溝部51aは上記シリンダヘッドカバー6をシリンダヘッド3に取り付けた際に、シリンダヘッドカバー6から外部空間に露出する。そのため、この溝部51aを区画する立壁51bの上面には、上記シリンダヘッドカバー6が当接するシール面が形成されている。また、溝部51aには、図示は省略するが、上記各インジェクタホール43と連通するインジェクタ挿通孔51cが長手方向に所定間隔をあけて4つ貫通形成されている。
上記シリンダヘッドカバー6は、下側開口の略箱状であって、その周壁部61の下端面には、略全周に亘って、上記シリンダヘッド3の外周壁31の上面に形成されたシール面と当接するシール部61aが設けられている。また、シリンダヘッドカバー6の略中央には、長手方向に開口したスリット62が形成されている。該スリット62の周縁部には、下方に延出する延出部62aが、該スリット62の全周に亘る環状に形成されている。そして、該延出部62aの下端面に、上記カムキャリア本体部51の立壁51bのシール面と当接するシール部62bが設けられている。
このシリンダヘッドカバー6が上記カムキャリア5を載設したシリンダヘッド3上に取り付けられることによって、上記シリンダヘッド3のミドルデッキ48、外周壁31及びシリンダヘッドカバー6に囲まれた空間である動弁室41は外部空間から遮蔽され、油密に保持されることになる。このとき、上記スリット62において、該スリット62の内側に位置する溝部51aは、上述の通り、外部空間に露出することになる。
次に、この外部空間に露出する溝部51aにおけるインジェクタ7の取付構造について説明する。上記インジェクタ7は、シリンダヘッド3の上方から上記カムキャリア本体部51のインジェクタ挿通孔51cを貫通して、シリンダヘッド3のインジェクタホール43に挿設される。そして、該インジェクタ7は、クランプ部材8によって上方から押圧固定される。これらインジェクタ7及びクランプ部材8は、溝部51aに配置されて、外部空間に露出しているため、シリンダヘッドカバー6を取り外すことなく着脱可能である。
上記インジェクタ7は、図2に示すように、全体として円筒状をなすとともに、上端部には、燃料供給部75及びコネクタ76を有し、下端部には噴射部77と噴射部77の上方に位置するヘッド当接部78を有し、その長手方向の中間部には断面が略矩形状となるように凹んだ細頸部71が形成されている。そして、該細頸部71の下端部にはフランジ72が形成されている。該フランジ72の上端面は後述するクランプ部材8のアーム部81、81が当接するクランプ当接面73、73とされ、下端面は後述するシール部材7aを押圧するシール押圧面74とされている。
上記クランプ部材8は、図3に示すように、長手方向の前端側には、インジェクタ押さえ部としての、二股状に分かれた2本のアーム部81、81が形成されている一方、後端側にはその下面に、後端に向かって上方に湾曲している湾曲面82が形成されている。このアーム部81、81の下面には、上記クランプ当接面73、73と当接する当接部81a、81aが形成されている。また、該湾曲面82よりも後端縁側には位置決めピンとしてのスプリングピン83が嵌合するクランプ側嵌合孔85が形成されており、このクランプ側嵌合孔85にスプリングピン83が嵌合され下方に突出している。そして、クランプ部材8の略中央部には、このクランプ部材8を上記シリンダヘッド3に対して締結するための固定ボルト9が貫通するボルト挿通孔84が形成されている。
上記固定ボルト9は、図1、4に示すように、ボルトヘッド部91とネジ部92との間に拡径部93を有し、この拡径部93の外径は、クランプ部材8のボルト挿通孔84の内径より少しだけ小さい寸法となっている。そして、この拡径部93には、弾性シール部材としてのワッシャ10が外挿される。該ワッシャ10は、該固定ボルト9の軸部外周面に遊嵌される円筒部10aと、該円筒部10aの一方の端部から外方に拡がる鍔部10bとからなり、その鍔部10bにはゴム製の第1シールリング10cが例えば加硫接着により一体的に設けられており、また、上記円筒部10aの他方の端部にも同様に、ゴム製の第2シールリング10dが設けられている。この第2シールリング10dは、上下方向に併設されかつ、一体成形された2つのシールリングからなり、上下方向に幅を持っているため、上記円筒部10a及び鍔部10bが第2シールリング10dに対して水平方向に相対変位しても、第2シールリング10dは剪断方向に変形してシール性を維持できる構造となっている。また、このワッシャ10は、インジェクタ7取付時には、クランプ部材8と溝部51aとの間に位置することになる。
上記カムキャリア本体部51の溝部51aには、上記各インジェクタ挿通孔51cのエンジン後側に、固定ボルト9が貫通するボルト貫通孔51dと、上記クランプ部材8を取り付けるためのクランプ取付面51eが、順に形成されている。そして、上記インジェクタ挿通孔51cの上端部には、上記シール部材7aを受けるシール受け部51fが形成されている。該シール受け部51fは、平坦な底面を有する、挿通孔よりも拡径された丸穴である。また、該ボルト貫通孔51dの上部開口の周縁部には、上記ワッシャ10の第1シールリング10cが当接するシール面51hが形成されている。さらに、該クランプ取付面51eには、上記クランプ部材8スプリングピン83が嵌合するヘッド側嵌合孔51gが形成されている。
そして、図1に示すように、上記インジェクタ7は、インジェクタ挿通孔51c及びインジェクタホール43に挿入されて、ヘッド当接部78がインジェクタホール43の下部においてシリンダヘッド3と当接した状態で、上記クランプ部材8によって取り付けられる。このクランプ部材8は、そのスプリングピン83をクランプ取付面51eに設けたヘッド側嵌合孔51gに嵌合させると共に、その湾曲面82を溝部51aのクランプ取付面51eに当接させる。そうしてアーム部81、81の当接部81a、81aを、インジェクタ7のクランプ当接面73、73に当接させ、該クランプ部材8の中央に位置するボルト挿通孔84及びボルト貫通孔51dに、固定ボルト9を貫通させ、その固定ボルト9をミドルデッキ48に設けたボルトネジ孔48aに螺合させる。これによって、該湾曲面82を支点として、アーム部81、81からクランプ当接面73、73へ鉛直下向きの押圧力が働き、インジェクタ7が固定される。そうして、該アーム部81、81は、両アーム部81、81の当接部81a、81aを結ぶ線上にインジェクタ7の軸心が位置するようにインジェクタ7のクランプ当接面73、73と当接しており、該インジェクタ7の軸心にクランプ部材8の押圧力が作用することになる。こうして、上記インジェクタ7は、各気筒22の中心線cに沿うようにシリンダヘッド3に直立に支持されている。このとき、スプリングピン83によって、アーム部81、81はボルト挿通孔84を中心として回転することを抑制されるとともに、スプリングピン83とインジェクタ7とを結ぶ方向へ位置決めされている。
ここで、スプリングピン83を配設するクランプ側嵌合孔85は所定の寸法公差を有するが、該クランプ側嵌合孔85はクランプ部材8の回転の中心となるボルト挿通孔84から比較的離れた位置に配置されているため、該寸法公差に対応するクランプ部材8の回転角度は比較的小さい。さらに、該クランプ側嵌合孔85は作用点としての当接部81a、81aからも比較的離れた位置に配置されているため、クランプ側嵌合孔85と当接部81a、81aとの長さに対する該寸法公差の影響は比較的小さい。
また、上記アーム部81、81から見てクランプ部材の長手方向へ、湾曲面82、スプリングピン83の順に配設したことによって、支点としての湾曲面82と作用点としてのアーム部81、81との距離が比較的短くなるため、支点と作用点間の剛性が向上している。すなわち、上記固定ボルト9による押圧力が正確にアーム部81、81に伝わるようになる。
さらに、上記インジェクタ7の細頸部71を、その形状に対応する二股状のアーム部81、81で挟んで支持しているため、インジェクタ7は、その軸心回りの回動変位が阻止されるとともに、軸心回りの位置決めがなされる。インジェクタ7がマルチホールタイプである場合には、軸心回りの位置決めが必要となるが、かかる場合には、その位置決めが容易になり、特に有効である。
そして、上記固定ボルト9は、カムキャリア本体部51に締結されるのではなく、カムキャリア本体部51を貫通してミドルデッキ48のボルトネジ孔48aに螺合されている。よって、薄いカムキャリア本体部51にネジ孔を設けるためにカムキャリア本体部51の下面から動弁室41内に突出する肉盛り部を設ける必要がない。すなわち、動弁室41空間を固定ボルト9の固定のために侵食することがない。
また、固定ボルト9はミドルデッキ48に螺合するため、固定ボルト9の全長は比較的長くなっており、インジェクタ7及び固定ボルト9が温度変化により熱膨張しても両者間の熱膨張差は小さくなっている。ここで、インジェクタ7の本体及び固定ボルト9は鋳鉄等の鉄系材料からなる一方、シリンダヘッド3は鉄系材料よりも線熱膨張係数が大きいアルミニウム系材料からなるため、インジェクタ7と固定ボルト9との長さの差が大きいと、エンジン1が温度上昇した際にシリンダヘッド3の下面を基準として、インジェクタ7のクランプ当接面73、73の高さ位置と、固定ボルト9のボルトヘッド部91とクランプ部材8との当接面の高さ位置とに大きな差が生じることになる。この差が大きいと固定ボルト9の締結力の緩みを招く。具体的には、該インジェクタ7は、そのヘッド当接部78がインジェクタホール43の下部にシリンダヘッド3と当接すると共に、クランプ当接面73、73がクランプ部材8によって押圧されている。すなわち、温度変化したときのクランプ当接面73、73の、シリンダヘッド3の下面を基準とした高さ位置の変化は、その下面からインジェクタホール43の下部までのシリンダヘッド3(アルミニウム系材料)とヘッド当接部78からクランプ当接面73、73までのインジェクタ7(鉄系材料)との熱膨張分となる。一方、このときのボルトヘッド部91とクランプ部材8との当接面の高さ位置の変化は、ヘッド下面からボルトネジ孔48aまでのシリンダヘッド3(アルミニウム系材料)と、ネジ部92からボルトヘッド部91までの固定ボルト9(鉄系材料)との熱膨張分となる。そこで、固定ボルト9の全長を比較的長く、インジェクタ7の長さに近くすることにより、ヘッド下面を基準とした高さ方向に対する鉄系材料とアルミニウム材料との割合が、固定ボルト9の取付位置と、インジェクタ7の取付位置との間で近くなり、上記インジェクタ7のクランプ当接面73、73の高さ位置と、固定ボルト9のボルトヘッド部91とクランプ部材8との当接面の高さ位置との差は大きくならない。
このときに、上記シール部材7aは、上記溝部51aのシール受け部51f内に配設されており、このシール部材7aは、インジェクタ7のシール押圧面74とシール受け部51fの底面とによって挟持される。このシール部材7aは、ゴム製の断面形状方形の環状体である。また、その内径は上記インジェクタ7のフランジ72直下に位置する円筒部に遊嵌できる寸法であって、その外径は上記溝部51aのシール受け部51fに遊嵌できる寸法である。本実施形態においては、該シール部材7aによるシール性を高めるため、上記外径は、該シール部材7aが上記シール押圧面74によってシール受け部51f側に押圧されたときに、径方向に膨張変形して、その外周面が上記シール受け部51fの内周壁と当接する程度の寸法となっており、シール部材7aの外周面とシール受け部51fの内周壁との間をシールすることによってシール面積を拡大させている。
また、上記カムキャリア本体部51の上面に位置するシール受け部51fにおいてシールしているため、水等が外部空間から上記インジェクタホール43へ侵入する経路と、インジェクタ挿通孔51cから上記カムキャリア本体部51の下面とインジェクタホール43上端のボス上端面44aとの間を伝わって動弁室41空間へ侵入する経路の、2つの侵入経路を、一箇所でシールすることができる。
さらに、クランプ部材8の上方からの押圧力が軸力となって、シール部材7aに作用し、シール部材7aのシール圧が確保される。すなわち、該クランプ部材8はインジェクタ7をシリンダヘッド3に固定すると同時に、インジェクタ7と溝部51aとの間のシール性も確保している。
また、図4に示すように、上記固定ボルト9の拡径部93に外挿されたワッシャ10は、クランプ部材8と溝部51aとの間に位置して、その第1シールリング10cは、上記溝部51aのシール面51hと当接することになる。こうして、上記第1シールリング10c及び第2シールリング10dによって、溝部51a上面とクランプ部材8下面との間、及び固定ボルト9外周面とボルト挿通孔84内周面との間をシールしている。
さらに詳しくは、上記固定ボルト9のボルトヘッド部91近傍は外部に露出する一方、ボルト中間部は動弁室41空間に露出している。このため、動弁室41内のエンジンオイル漏出や外部から動弁室41への水等の混入経路として、固定ボルト9を介して固定ボルト9とクランプ部材8のボルト挿通孔84との間を伝う経路と、溝部51aのボルト貫通孔51dを介してクランプ部材8の下面と溝部51aの上面との間を伝う経路とが考えられる。ここで、ボルト貫通孔51dを介してクランプ部材8の下面と溝部51aの上面との間を伝う経路は上記第1シールリング10cによって遮断されるとともに、固定ボルト9を伝う経路は、上記第2シールリング10dによって遮断されている。
ここで、上記クランプ部材8は、上記インジェクタ7を固定する際に、上記湾曲面82を支点として、上記シール部材7aを押圧する幅だけ揺動する。そのため、クランプ側嵌合孔85の軸心とヘッド側嵌合孔51gの軸心とは必ずしも一直線上に位置するわけではなく、両軸心は、クランプ部材8が揺動する角度に応じて交差することになる。ところが、クランプ部材8の揺動幅は小さいため、両軸心はほとんど一直線上に位置し、位置決めピンのピン径をクランプ側嵌合孔85又はヘッド側嵌合孔51gの内径よりも少し小さい径にしておけば、クランプ部材8の揺動を可能としつつ、クランプ部材8の位置決めを行うことができる。
さらに、本実施形態では、位置決めピンとしてスプリングピン83を採用することによって、位置決め精度をより一層向上させている。すなわち、スプリングピン83はその径方向に弾性変形するため、クランプ側嵌合孔85の軸心とヘッド側嵌合孔51gの軸心とが一直線上ではなく多少交差しても、スプリングピン83の外径が変化して、嵌合孔51g、85との嵌合状態をより精度良く維持することができる。その結果、クランプ部材8の位置決め精度がより一層向上する。
本実施形態によれば、上記クランプ部材8の後端部にスプリングピン83を設けることによって、アーム部81、81がインジェクタ7の軸心からボルト挿通孔84を中心として周方向にずれることを抑制するとともに、アーム部81、81がスプリングピン83とインジェクタ7の軸心とを結ぶ方向へ位置決めされるため、該アーム部81、81がインジェクタ7を押圧する位置の精度が向上し、インジェクタ7に曲げモーメントが作用することを防止することができる。
そして、上記スプリングピン83を上記クランプ部材8の湾曲面82よりも後端側に設けることによって、クランプ部材8の回転中心となるボルト挿通孔84とスプリングピン83との距離が比較的長くなるため、該スプリングピン83を嵌合するクランプ側嵌合孔85の寸法公差に対応するクランプ部材8の回転角度は比較的小さくなり、インジェクタ7を押圧する上記当接部81a、81aのボルト挿通孔84を中心とする周方向への位置精度を向上させることができる。
さらに、上記当接部81a、81aとスプリングピン83との距離が長くなるため、この距離に対するヘッド側嵌合孔51gとインジェクタ挿通孔51cとの距離、及びクランプ側嵌合孔85とアーム部81、81との距離の寸法公差の影響を小さくすることができる。
これらの結果、加工精度を上げなくてもインジェクタ7に対する当接部81a、81aの位置決め精度を向上させることができる。
また、支点としての湾曲面82が作用点としてのアーム部81、81の比較的近くに位置するため、固定ボルト9の締結力、即ちインジェクタ7への押圧力の調整が容易で、インジェクタ7の応力が過大になることがない。
そして、上記特許文献1に開示された構造のように、球面凸部及び球面凹部によって揺動可能とする当接面と位置決め部材との2つの役割を持たせる構造と比較して、揺動可能とする当接面としての湾曲面82と位置決め部材とを別々に分けて構成するとともに、位置決め部材として、球面体ではなく、スプリングピン83と嵌合孔51g、85とすることによって、製造コストを抑制することができる。
また、カムキャリア本体部51に固定ボルト9を締結するネジ孔を形成するためにカムキャリア本体部51下面から動弁室41空間に突出する肉盛り部を設ける構造と比較して、給気及び排気のバルブ機構を収納する動弁室41内のスペースを有効に活用することができる。
さらに、固定ボルト9の全長を長くすることによって、インジェクタ7のクランプ部材8の当接面の熱膨張量と、固定ボルト9のボルトヘッド位置の熱膨張量との差を小さくして、シリンダヘッド3等の温度が変化しても、固定ボルト9の締結力が緩み難い。
上記固定ボルト9に上記拡径部93を設けることによって、クランプ部材8の揺動を阻害せずかつ、固定ボルト9とボルト貫通孔51dとの位置ずれを防止してシール性を確保することができる。
上記溝部51a上面と上記クランプ部材8下面との間、および上記固定ボルト9外周面とボルト挿通孔84内周面との間をシールすることによって、固定ボルト9外周面とボルト貫通孔51d内周面との間をシールしており、動弁室41からのエンジンオイルの漏出や動弁室41への水や異物等の混入を防止することができる。
また、上記クランプ部材8がスプリングピン83によりスプリングピン83とインジェクタ7とを結ぶ方向へ位置決めされることによって、溝部51aのシール面51hを小さくすることができるとともに、上記ワッシャ10による溝部51a上面とクランプ部材8下面との間のシール性を確保することができる。
《その他の実施形態》
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、上記シリンダヘッド3の上部に、2本のカムシャフトを配設しているDOHC(double overhead camshaft)式エンジンが対象であるが、カムシャフトが1本のSOHC(single overhead camshaft)式エンジンを対象としてもよい。
また、上記の実施形態では、該インジェクタ7の上記シール押圧面74とシール部材7aの上端面、およびシール部材7aの下端面とシール受け部51fの底面とのシール性だけでなく、該シール部材7aの外周面とシール受け部51fの内周面との間のシール性も確保されている。しかし、該シール押圧面74とシール部材7aの上端面との間のシール性、およびシール部材7aの下端面とシール受け部51fの底面との間のシール性が確保されていれば、該インジェクタ7とインジェクタ挿通孔51cとの間のシール性は確保される。
さらに、上記の実施形態では、上記クランプ部材8は、前端に二股状に分かれた2本のアーム部81、81を有していたが、かかる形状に限定されるものではなく、例えば、1本のみのアーム部等、上記インジェクタ7を下方へ押圧固定できるものであれば、種々の形状のものを採用できる。
本発明の実施形態に係るエンジンを側方から見て、インジェクタを中心にエンジンの構成を示す一部断面図である。 インジェクタを示す部品図である。 クランプ部材の底面図とA−A線における断面図である。 図1におけるクランプ部材の後端部近傍の拡大図である。
符号の説明
1 エンジン
3 シリンダヘッド
41 動弁室
48 ミドルデッキ部
48a ボルトネジ孔
5 カムキャリア(ヘッド上壁)
51d ボルト貫通孔
51g ヘッド側嵌合孔
7 インジェクタ
8 クランプ部材
81 アーム部(インジェクタ押さえ部)
82 湾曲面(当接面)
83 スプリングピン(位置決め部材)
84 ボルト挿通孔
85 クランプ側嵌合孔
9 固定ボルト
91 ボルトヘッド部
92 ネジ部
93 拡径部
10 ワッシャ(リング状シール部材)
10c 第1シールリング(第1シール部材)
10d 第2シールリング(第2シール部材)

Claims (5)

  1. インジェクタをエンジンのシリンダヘッドに取り付けるためのエンジンのインジェクタ取付構造であって、
    ボルト挿通孔に挿通された固定ボルトによって上記シリンダヘッドに固定されて、上記シリンダヘッドに配設されたインジェクタを固定するクランプ部材と、
    上記クランプ部材の上記ボルト挿通孔を中心とした回転方向に対する位置決めをする位置決め部材と、を備え、
    上記クランプ部材は、上記ボルト挿通孔を挟んだ一端部に、その端縁に向かって上方に湾曲し且つ上記シリンダヘッドと当接する当接面と、その他端部に、上記インジェクタを下方に押圧するインジェクタ押さえ部と、を有していて、上記湾曲した当接面に従って上記インジェクタの軸心方向に揺動可能とされており、
    上記位置決め部材は、略上下方向に配置される断面円形状の位置決めピンであり、上記クランプ部材とシリンダヘッドとの間において、上記当接面よりも端縁側に配置され、
    上記クランプ部材には、上記ピンの上端部が嵌合される断面円形状のクランプ側嵌合孔が形成され、
    上記シリンダヘッドには、上記ピンの下端部が嵌合される断面円形状のヘッド側嵌合孔が形成され、
    上記インジェクタ及びクランプ部材は、上記シリンダヘッド内の動弁室の上部を画成するヘッド上壁に取り付けられ、
    上記シリンダヘッドは、そのヘッド上壁に貫通形成されたボルト貫通孔と、上記動弁室の底壁を構成するミドルデッキ部に設けられたボルトネジ孔とを有し、
    上記固定ボルトは、そのボルトヘッド部とネジ部との間に拡径部を有すると共に、上記ボルト挿通孔及びボルト貫通孔を貫通し且つ上記ボルトネジ孔に螺合されて、その中間部が動弁室空間に露出しており、
    上記固定ボルトの外周面と上記ボルト貫通孔の内周面との間は、弾性シール部材によってシールされ、
    上記拡径部は、その取付状態において、上記クランプ部材のボルト挿通孔の下部位置からシリンダヘッドのボルト貫通孔の上部位置に亘って位置することを特徴とするエンジンのインジェクタ取付構造。
  2. インジェクタをエンジンのシリンダヘッドに取り付けるためのエンジンのインジェクタ取付構造であって、
    ボルト挿通孔に挿通された固定ボルトによって上記シリンダヘッドに固定されて、上記シリンダヘッドに配設されたインジェクタを固定するクランプ部材と、
    上記クランプ部材の上記ボルト挿通孔を中心とした回転方向に対する位置決めをする位置決め部材と、を備え、
    上記クランプ部材は、上記ボルト挿通孔を挟んだ一端部に、その端縁に向かって上方に湾曲し且つ上記シリンダヘッドと当接する当接面と、その他端部に、上記インジェクタを下方に押圧するインジェクタ押さえ部と、を有していて、上記湾曲した当接面に従って上記インジェクタの軸心方向に揺動可能とされており、
    上記位置決め部材は、上記クランプ部材とシリンダヘッドとの間において、上記当接面よりも端縁側に配置され、上記クランプ部材を該位置決め部材と上記インジェクタとを結ぶ方向へ位置決めするように構成され、
    上記インジェクタ及びクランプ部材は、上記シリンダヘッド内の動弁室の上部を画成するヘッド上壁に取り付けられ、
    上記シリンダヘッドは、そのヘッド上壁に貫通形成されたボルト貫通孔と、上記動弁室の底壁を構成するミドルデッキ部に設けられたボルトネジ孔とを有し、
    上記固定ボルトは、そのボルトヘッド部とネジ部との間に拡径部を有すると共に、上記ボルト挿通孔及びボルト貫通孔を貫通し且つ上記ボルトネジ孔に螺合されて、その中間部が動弁室空間に露出しており、
    上記固定ボルトの外周面と上記ボルト貫通孔の内周面との間は、弾性シール部材によってシールされ、
    上記拡径部は、その取付状態において、上記クランプ部材のボルト挿通孔の下部位置からシリンダヘッドのボルト貫通孔の上部位置に亘って位置することを特徴とするエンジンのインジェクタ取付構造。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンのインジェクタ取付構造において、
    上記ヘッド上壁は、上記シリンダヘッド上面に固定され、カムシャフトを支持するカムキャリア部材によって構成されていることを特徴とするエンジンのインジェクタ取付構造。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載のエンジンのインジェクタ取付構造において、
    上記クランプ部材には、クランプ側嵌合孔が形成され、
    上記位置決め部材は、上記クランプ側嵌合孔に圧入固定されるスプリングピンであることを特徴とするエンジンのインジェクタ取付構造。
  5. 請求項1又は2に記載のエンジンのインジェクタ取付構造において、
    上記弾性シール部材は、上記シリンダヘッドと上記クランプ部材との間をシールする第1シール部材と、上記固定ボルトとボルト挿通孔との間をシールする第2シール部材とが互いに相対変位可能に連結されてなるリング状シール部材であって、
    上記リング状シール部材は、上記固定ボルトに嵌挿保持されていることを特徴とするエンジンのインジェクタ取付構造。
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