JP4239880B2 - 切削工具のクーラント供給機構 - Google Patents

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Description

本発明は、各種切削工具において工具本体内部にクーラントの供給孔が切刃に向けて穿設された切削工具のクーラント供給機構に関するものである。
この種のクーラント供給機構を備えた切削工具、例えばバイトにおいては、シャンク側ではその剛性に偏りが生じるのを防ぐためにクーラントの供給孔は工具本体の中心線に沿って形成されるのが望ましく、その一方で切刃は通常シャンクの中心線よりも上方に位置しているため、供給孔は切刃側で一旦中心線から上方に延びた後に切刃に向けて開口させられなければならない。そこで、このような供給機構を備えたバイトとしては、例えば特許文献1〜3のようなものが提案されており、すなわち、これら特許文献1〜3ではシャンクの軸心に沿ってクーラントの供給孔が穿設されていて、特許文献1においては切刃が設けられるシャンクの先端近傍に、クーラントの供給孔に連通する噴射穴を備えた噴射駒がネジ締結され、また特許文献2においては先端に軸心に対して傾斜する噴射穴が穿設された円柱状の噴射駒が供給孔の先端に挿入され、さらに特許文献3においては噴射穴が穿設された球状の噴射駒が供給孔の先端に挿入されている。
特開平7−266103号公報 特開平7−266104号公報 特開平7−266105号公報
しかしながら、これら特許文献1〜3に記載の切削工具のクーラント供給機構は、上方に延びたクーラントの供給孔の開口部に、特許文献1のように切刃に向けてさらに下向きに方向を変える噴射穴が穿設された噴射駒を取り付けたり、あるいは特許文献2、3のように供給孔先端の開口部自体に噴射駒を挿入したりしたものであるので、噴射駒自体がある程度の高さを有したり、あるいは噴射駒を挿入するために供給孔の先端開口部周辺で工具本体にある程度の高さを与えなければならなかったりして、切刃の近傍に突出部が形成されることが避けられない。このため、特に小径の中ぐりバイトなどにこのような構成を転用することは難しく、また切削時に生成された切屑がこうしてある程度の高さを持った噴射駒や工具本体先端部に絡み易くなって切削作業に支障を来したり、これに伴いクーラントが切刃の刃先に供給し難くなるなどの悪影響を与えるおそれもある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、クーラント供給孔の切刃側開口部における工具本体等の突出高さを極力抑えることができ、小径の工具にも適用可能であるとともに切屑の絡まりやこれに伴ってクーラントの供給が阻害されるのを防ぐことが可能な切削工具のクーラント供給機構を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、切刃が設けられる工具本体の内部に上記切刃に向けてクーラントの供給孔が穿設された切削工具において、
上記工具本体の上記切刃側には、該切刃に向けて開放された周壁部を備えて上記工具本体の表面に開口する供給凹部が形成されて、上記供給孔は上記供給凹部に連通させられており、該供給凹部には、上記周壁部に形成された開放部を除いてこの供給凹部の上記工具本体表面側の開口部を閉塞させるべく、上記供給凹部の底面にはネジ孔を形成するとともに、該供給凹部の上記工具本体表面側の開口部を閉塞する頭部を備えて上記ネジ孔にねじ込まれるネジ部材よりなる閉塞部材が取り付けられていることを特徴とする。
このような構成のクーラントの供給機構において、上記供給孔に送られたクーラントは、工具本体表面側の開口部が閉塞部材によって閉塞された供給凹部に流れ込み、切刃に向けて開放されたこの供給凹部の周壁部の開放部から噴出させられて切刃に供給される。従って、工具本体の切刃近傍には、該工具本体の表面に開口するように凹んだ上記供給凹部とその表面側開口部を閉塞する上記閉塞部材を設けるだけでよく、実質的にこの閉塞部材の厚さと供給凹部の周壁部に形成される上記開放部の開放高さ分だけを切刃に対して高くすればよいので、その突出高さを抑えて工具本体のコンパクト化を図ることができ、小径の中ぐりバイト等にも適用が可能となるとともに、切屑の絡まりを防いでその排出性の向上を図り、確実かつ効率的に切刃にクーラントを供給することができる。
ここで、上述のような供給凹部の工具本体表面側開口部を閉塞部材によって確実に閉塞するため、この供給凹部の底面にネジ孔を形成するとともに、上記閉塞部材を、該供給凹部の工具本体表面側の開口部を閉塞する頭部を備えて上記ネジ孔にねじ込まれるネジ部材としている。また、上記閉塞部材によって閉塞された上記供給凹部内に、上記周壁部に形成された上記開放部の開度を調節する調節部材を介装することにより、この供給凹部から切刃に向けて供給されるクーラント供給量を調節することができて、一層効率的なクーラント供給を図ることが可能となる。
図1ないし図4は、本発明のクーラントの供給機構を中ぐりバイト(ボーリングバー)に適用した場合の第1の実施形態を示すものである。本実施形態において工具本体1は、図1および図2に示すように概略円柱状をなし、その後端部(図1および図2において右側)がシャンク2とされるとともに、先端部(図1および図2において左側)の上面は当該工具本体1がなす上記円柱の外周面から先端側に向けて2段に下降する段差をなすように切り欠かれ、このうち先端側の段差面1Aにはチップ取付座3が形成されてスローアウェイチップ4が着脱可能に取り付けられている。ここで、上記スローアウェイチップ4は超硬合金等の硬質材料により本実施形態では略正三角形の穴付き平板状に形成され、その1の正三角形面をすくい面4Aとして上記段差面1Aから僅かに突出させるとともに、このすくい面4Aの1のコーナ部に形成された切刃4Bを工具本体1の側面から突出させて取り付けられている。
このようなスローアウェイチップ4が取り付けられる上記チップ取付座3は、上記段差面1Aに平行に1段凹むようにしてスローアウェイチップ4のすくい面4Aとされた正三角形面とは反対側の正三角形面が着座する底面3Aと、この底面3Aから段差面1Aに向けて屹立してスローアウェイチップ4の上記切刃4Bが形成された1のコーナ部に対向する周面が当接する壁面3B、およびこの壁面3Bに対して略60°に交差する方向に延びてスローアウェイチップ4の他の1の周面が当接する短い壁面3Cとから構成されている。このうち、壁面3B,3Cは、間にスローアウェイチップ4の他のコーナ部との干渉を避けるための逃げ部3Dを介して、上記段差面1Aに対向する平面視に図1に示すように互いの二等分線を工具本体1の長手方向に略平行として先端側に向かうに従い円柱状の工具本体1の径方向に互いに離間するように配設されている。また、底面3Aには図示されないネジ孔が形成されていて、スローアウェイチップ4はその穴に挿通されてこのネジ孔にねじ込まれるクランプネジ3Eによりチップ取付座3に取り付けられる。
一方、工具本体1内部にはクーラントの供給孔5が形成されている。この供給孔5は、上記シャンク2の後端から先端側に向けて、円柱状の工具本体1の中心線に沿って延びるように穿設された断面円形の大径部5Aと、この大径部5Aの先端から工具本体1の先端側に向かうに従い上方に向けて傾斜して延びるように穿設されたやはり断面円形の小径部5Bとから構成されている。なお、シャンク2の上下には互いに平行な一対の取付面2A,2Bが工具本体1の長手方向に延びるように形成されるとともに、このシャンク2部分と上記段差で切り欠かれた工具本体1先端部との間には、凹溝状の首部2Cが環状に形成されている。
また、この工具本体1先端部の上面に上記2段の段差によって形成された段差面のうち、上記段差面1Aの後端側にあってこの段差面1Aより1段高い段差面1B側には、この段差面1Bから凹むようにして供給凹部6が形成されており、クーラントの供給孔5は、その上方に傾斜した上記小径部5Bがこの供給凹部6内に開口させられて連通させられている。なお、この後端側の段差面1Bは先端側の段差面1Aと平行に形成されたものであって、これらの段差面1A,1Bは工具本体1の先端側に向かうに従い僅かに下方に傾斜させられている。また、両段差面1A,1Bの間には、段差面1Aに滑らかに連なるとともに段差面1Bには鈍角に交差する凹円筒面状の傾斜面1Cが形成されるとともに、段差面1Bの後端側にも該段差面1Bに滑らかに接する凹円筒面状をなして円柱状の工具本体1の外周面に切れ上がる傾斜面1Dが形成され、上記供給凹部6は上記段差面1Bからこの傾斜面1Dに渡って形成されている。さらに、チップ取付座3は上記逃げ部3Dも含めて先端側の段差面1Aから上記傾斜面1Cに渡って形成されている。
ここで、上記供給凹部6は、上記段差面1Bに対向する平面視に図1に示すように円形をなすように形成されたものであって、段差面1Bに略平行とされて上記クーラント供給孔5の小径部5Bが開口させられた底面6Aと、この底面6Aの周りから上記段差面1Bおよび傾斜面1Dに屹立する周壁部6Bとを備えており、さらにこれら底面6Aと周壁部6Bとが交差する隅部には底面6Aに平行な上端面を有する段部6Cが形成されている。さらに、上記傾斜面1Cおよび段差面1Bには、チップ取付座3の上記逃げ部3D後端からこの供給凹部6に延びる上向きに開口した断面「コ」字状の凹溝6Dが形成されて該供給凹部6に連通させられており、これによって供給凹部6の上記周壁部6Bと段部6Cとは該凹溝6Dを介して工具本体1の先端側に開放させられている。そして、これら周壁部6Bおよび段部6Cの開放部とされる上記凹溝6Dは、上記平面視において工具本体1の先端側に向けては、チップ取付座3に取り付けられたスローアウェイチップ4の工具本体1外周に突出した上記切刃4Bに向けられるように延設されている。
なお、上記凹溝6Dは上記平面視において図1に示すように円形をなす供給凹部6の上記切刃4Bが突出した側(図1において下側)に連通するように形成されている。また、供給凹部6の上記周壁部6Bはこうして平面視に円形をなす供給凹部6の形状に合わせて円筒内周面状に形成されているのに対し、上記段部6Cはその上面が図1や図3に示すように、凹溝6Dによって開放された部分のうち切刃4Bが突出した側とは反対側(図1において上側)の端部で幅広で、周壁部6Bに沿った周回り方向にこの上面の幅が漸次狭くなるようにされ、ただし凹溝6Dによって開放された部分のうち切刃4Bが突出した側の端部でも僅かな幅が確保されるように形成されている。さらに、凹溝6Dの底面は供給凹部6の上記底面6Aと面一とされ、この底面6Aの中央部には、供給凹部6が平面視になす上記円形の中心に、該底面6Aおよび上記段差面1Bに垂直にネジ孔6Eが形成されている。なお、上記クーラント供給孔5の小径部5Bは、この底面6Aの上記切刃4Bが突出した側において段部6Cと上記ネジ孔6Eとの間に開口させられており、本実施形態ではその開口端部がネジ孔6Eにもオーバーラップしている。
そして、この供給凹部6には、工具本体1の表面となる上記段差部1Bおよび傾斜面1D側のその開口部を閉塞するように閉塞部材7が取り付けられており、この閉塞部材7は本実施形態では該供給凹部6の上記開口部を閉塞する頭部7Aを備えて底面6Aの上記ネジ孔6Eにねじ込まれるネジ部材とされている。すなわち、この閉塞部材7は、供給凹部6の周壁面6Bがなす上記円筒内周面に嵌合する円形で薄肉平板状の上記頭部7Aと、この頭部7Aと同軸とされて上記ネジ孔6Eにねじ込み可能な雄ネジ部7Bとを備えており、頭部7Aの表面(上面)にはレンチ等の作業用工具に係合する係合孔7Cが設けられている。従って、この係合孔7Cに作業用工具を係合させて雄ネジ部7Bをネジ孔6Eにねじ込んでゆくことにより、上記頭部7Aが周壁部6B内に嵌合しつつ収容され、その裏面(下面)が段部6Cの上面に密着したところで、供給凹部6は、この段部6Cの内周側に該段部6Cの厚さ分の空間を残したまま、この閉塞部材7の頭部7Aによって工具本体表面側の開口部が閉塞されることとなる。
従って、このように構成されたクーラントの供給機構を有する中ぐりバイトの工具本体1に、そのシャンク2後端に開口する大径部5Aからクーラントを供給孔5に供給すると、このクーラントは先端側の小径部5Bからまず供給凹部6に流れ込む。そして、このとき供給凹部6の工具本体1表面側(段差面1Bおよび傾斜面1D側)の上記開口部は閉塞部材7の頭部7Aによって閉塞されているので、供給凹部6に流れ込んだクーラントはこの供給凹部6で唯一開放された周壁部6Bおよび段部6Cの開放部から上記凹溝6Dを介して噴出させられ、この開放部(凹溝6D)が向けられたスローアウェイチップ4の切刃4Bに供給されることとなる。
しかして、上記構成のクーラント供給機構においては、工具本体1の中心線に沿って延びる供給孔5の大径部5Aから上向きに延びる小径部5Bが、上述のように工具本体1の先端部上面に形成された段差面1Bおよび傾斜面1Dから凹む供給凹部6に連通させられ、この供給凹部6の周壁部6Bおよび段部6Cを開放する上記凹溝6Dから切刃4Bに向けて噴射されるので、円柱状に形成された工具本体1の外周面の延長面から供給機構の部材や工具本体1自体がはみ出すことがない。従って、特に本実施形態のように筒状のワークの内径部の切削を行う中ぐりバイトにあって、取り分け上記内径部が小径で、これに伴い工具本体1の外径も小径とならざるを得ない場合でも、この内径部に挿入される工具本体1先端部のコンパクト化を図ることができて加工に支障を来すようなことがなく、そして確実に切刃4Bにクーラントを供給することができて切削部位の冷却や潤滑を図ることが可能となり、効率的な切削を促すことができる。
さらに、こうして供給機構の部材や工具本体1がその先端部にはみ出して高く突出したりすることがないため、切刃4Bによって生成された切屑がこのように高く突出した部分に絡みついたりすることもなく、切屑排出性の向上を図ることが可能となる。しかも、こうして切刃4B側の工具本体1先端部の高さが抑えられるのに伴い、供給凹部6から切刃4Bにクーラントを噴出する周壁部6Bおよび段部6Cの開放部の位置、すなわち本実施形態における凹溝6Dの位置も、図4に示すように切刃4Bに連なるすくい面4Aの高さと略等しくすることができ、従ってこのすくい面4Aと切屑との間にクーラントを供給することが可能となるので、より確実に切削部位にクーラントを行き渡らせることができる。さらにまた、本実施形態ではこうして供給凹部6に形成された凹溝6Dが周壁部6Bおよび段部6Cの開放部とされているので、この供給凹部6から高い指向性を持って切刃4Bにクーラントを供給することができる。
また、本実施形態では、この供給凹部6の上記開口部を閉塞する閉塞部材7が、この開口部を閉塞する円板状の頭部7Aと供給凹部6の底面6Aに形成されたネジ孔6Eにねじ込み可能な雄ネジ部7Bとを備えたネジ部材であるので、工具本体1先端部の高さを抑えながらも上記供給凹部6の開口部を確実に閉塞してこの供給凹部6に流れ込んだクーラントを効率的に切刃4Bに供給することが可能となる。しかるに、このような供給凹部6の底面6Aに形成されたネジ孔6Eにねじ込まれるネジ部材以外にも、例えばネジ孔6Eに代えてピン孔を底面6Aに形成するとともに雄ネジ部7Bに代えて閉塞部材7の頭部7A下面にピンを設け、このピンを上記ピン孔に圧入したり、あるいはピンや雄ネジ部7Bを設けずに円板状の閉塞部材の外周に雄ネジを形成する一方、供給凹部6の周壁部6B内周に雌ネジを形成して上記閉塞部材をねじ込んだりして上記開口部を閉塞することも可能ではあるが、前者の場合には、クーラントの供給圧が高い場合にはピンが抜け外れてしまうおそれがあり、また後者の場合には、円板状の閉塞部材の厚さや周壁部6Bの高さをある程度大きくしなければ、開口部を確実に閉塞し得るだけの雌雄ネジ部を形成することができず、結果的に工具本体1先端部の突出高さが大きくなるおそれがある。
ところが、これに対して本実施形態では上記構成を採ることにより、円板状の頭部7Aの厚さは薄く抑えながらもネジ孔6Eにねじ込まれる雄ネジ部7Bによって確実に供給凹部6の開口部を閉塞することができ、これにより、工具本体1の高さを抑えつつも、該供給凹部6に流れ込んだクーラントの供給圧によって閉塞部材7が外れたりするのを防ぐことができるのである。また、本実施形態ではこの供給凹部6の底面6Aと周壁部6Bとの間に段部6Cが形成されていて、この段部6C上面に閉塞部材7の頭部7Aが密着したところで雄ネジ部7Bがネジ止めされるので、上記開口部が閉塞された供給凹部6内にクーラントが流れ込んで噴出させられる内部空間を確実に確保しつつも、クーラントがこの開口部側から漏れ出るような事態も防ぐことができる。ただし、これに代えて、例えばネジ孔6Eの深さを雄ネジ部7Bの長さよりも小さくしたり、雄ネジ部7Bにワッシャを挿入して供給孔5Bを塞がないように底面6Aと頭部7Aとの間に介装したりすれば、段部6Cを設けずとも上記内部空間を確保することは可能であり、またこの頭部7A外周と周壁部6Bとの間にOリング等を介装すれば段部6Cがなくても開口部側からのクーラントの漏れも防止することができる。
次に、図5ないし図11は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、第1の実施形態と共通する要素には同一の符号を配して説明を省略する。すなわち、この第2の実施形態は、閉塞部材7によって閉塞された供給凹部6内に、その上記周壁部6Bに凹溝6Dによって形成された開放部の開度を調節する調節部材8を介装したことを特徴とするものである。
ここで、本実施形態では、供給凹部6内の段部6Cが第1の実施形態のようにその上面の幅が周方向に変化するものではなく、上記開放部を除いた平面視円形の供給凹部6の全周に渡って等しい幅で、しかも第1の実施形態より小さな幅とされている。一方、上記調節部材8は、この段部6Cの内周に嵌合可能な外径と閉塞部材7の雄ネジ部7Bが挿入可能な内径とを有する円環を周方向に一部切り欠いたC字形の平板状部材であって、その厚さは段部6Cの底面6Aからの高さと等しくされ、これら段部6C内周と雄ネジ部7B外周との間に嵌合されて、底面6Aと閉塞部材7の頭部7Aとの間に介装される。そして、このC字形をなす調節部材8の切欠部分は、周方向において上記円環の1/2未満であって、かつ図11に示すようにその一端が、周壁部6Bおよび段部6Cの凹溝6Dによって開放された部分のうち切刃4Bが突出した側とは反対側(図9〜11において上側)の端部に位置したときに、他端が底面6Aに開口するクーラントの供給孔5の小径部5Bを塞がない大きさとされている。なお、調節部材8の外径を周壁部6Bに嵌合可能な大きさとすれば、段部6Cは設けなくてもよい。
従って、このような第2の実施形態のクーラント供給機構によれば、ネジ部材とされた閉塞部材7をネジ孔6Eにねじ込んで供給凹部6の開口部を閉塞する際に、例えば図9に示すようにこの調節部材8によって周壁部6Bおよび段部6Cの開放部(凹溝6D)も塞ぐようにすれば、クーラントの供給を停止することができ、また上記図11に示したように調節部材8の一端を周壁部6Bおよび段部6Cの上記端部に位置させれば、この開放部を全開として多くのクーラントを切刃4Bに向けて供給することができる。そして、図10に示すようにこの調節部材8の一端が凹溝6Dによって開放された周壁部6Bおよび段部6Cの開放部内に位置するようにして取り付ければ、この開放部の開度を調節(図10は、開放部が40%開放された状態を示す。)して切刃4Bに供給されるクーラント量を任意に調整することができ、切削条件等に応じたクーラントの供給を図ることができる。しかも、このクーラント量の調整は1つの調節部材8を適宜回動させて取り付けるだけで済むので、操作や部品の管理が容易であるという利点も得られる。
なお、これら第1、第2の実施形態では、本発明のクーラントの供給機構を中ぐりバイトに適用した場合について説明したが、他の種の切削工具、例えば一般的なバイトのような旋削工具や、正面フライス等の転削工具、あるいはドリルのような穴明け工具に適用することも可能である。特に、本発明によれば上述のように工具本体の切刃近傍における供給機構や工具本体自体の突出を防ぐことができるので、円柱状の工具本体先端部の外径からの突出が許されない上記実施形態のような中ぐりバイトやドリル、あるいはエンドミルなどに用いて好適である。
本発明のクーラントの供給機構の第1の実施形態を適用した中ぐりバイトの平面図である。 図1に示す中ぐりバイトの側面図である。 閉塞部材7を取り外した状態の図1におけるZZ側断面図である。 図1におけるZZ断面を供給凹部6の底面6Aに沿った方向から見た側断面図である。 本発明のクーラントの供給機構の第2の実施形態を適用した中ぐりバイトの平面図である。 図5に示す中ぐりバイトの側面図である。 閉塞部材7および調節部材8を取り外した状態の図5におけるZZ側断面図である。 図5におけるZZ断面を供給凹部6の底面6Aに沿った方向から見た側断面図である。 第2の実施形態において調節部材8により開放部が閉塞された状態を示す部分平面図である。 第2の実施形態において調節部材8により開放部が40%開放された状態を示す部分平面図である。 第2の実施形態において調節部材8により開放部が全開された状態を示す部分平面図である。
符号の説明
1 工具本体
2 シャンク
4B 切刃
5 クーラントの供給孔
6 供給凹部
6A 供給凹部6の底面
6B 供給凹部6の周壁部
6D 凹溝(周壁部6Bの開放部)
6E ネジ孔
7 閉塞部材
7A 閉塞部材7の頭部
7B 閉塞部材7の雄ネジ部
8 調節部材

Claims (2)

  1. 切刃が設けられる工具本体の内部に上記切刃に向けてクーラントの供給孔が穿設された切削工具において、
    上記工具本体の上記切刃側には、該切刃に向けて開放された周壁部を備えて上記工具本体の表面に開口する供給凹部が形成されて、上記供給孔は上記供給凹部に連通させられており、該供給凹部には、上記周壁部に形成された開放部を除いてこの供給凹部の上記工具本体表面側の開口部を閉塞させるべく、上記供給凹部の底面にはネジ孔を形成するとともに、該供給凹部の上記工具本体表面側の開口部を閉塞する頭部を備えて上記ネジ孔にねじ込まれるネジ部材よりなる閉塞部材が取り付けられていることを特徴とする切削工具のクーラント供給機構。
  2. 上記閉塞部材によって閉塞された上記供給凹部内には、上記周壁部に形成された上記開放部の開度を調節する調節部材が介装されていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具のクーラント供給機構。
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