JP4218233B2 - 内径加工工具用ホルダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸状の内径加工工具を取り付けて工作機械の刃物台に装着される内径加工工具用ホルダ(以下、単にホルダと称する。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワークの加工穴内径部を加工する内径加工工具は、この加工する穴の内径が小さくなると工具自体も細径の軸状となって、直接工作機械の刃物台に装着することができなくなるので、これをホルダに取り付けた上で刃物台に装着される。図6ないし図8は、従来のこのようなホルダを示すものであって、このホルダにおいては、外形略円柱状をなすホルダ本体1の中心軸線Oに沿ってその先端面2から断面円形の取付凹所3が形成されるとともに、この取付凹所3に向けては上記軸線Oに対する径方向にネジ孔4,5が形成されてクランプネジ6,7がねじ込まれており、さらにホルダ本体1の上下の外周面にはこのネジ孔4,5の中心線C,Cに垂直な方向に面取り部8,9が形成されている。
【0003】
このようなホルダに取り付けられる内径加工工具は、例えば図9ないし図11に示すように、上記取付凹所3内に嵌挿可能な外径の概略円柱の軸状をなすシャンク11の両端部に切刃部12,12が設けられるとともに、このシャンク11の上下の外周面には該シャンク11の中心軸線Xに平行かつ互いにも平行に面取り部13,14が形成されたものであって、切刃部12においてはすくい面15がこれら面取り部13,14に平行に軸線Xに略沿うように形成され、このすくい面15の先端側稜線部に切刃16が形成されている。なお、これら図9ないし図11に示すのは上記切刃部12がワークの内径を拡げるボーリング用の内径加工工具であるが、これ以外にも例えば図12に示すようにワークの内径部に溝加工を施す切刃部12を有する溝入れ加工用のものや、図13に示すようにワークの内径部に雌ねじを形成する切刃部12を有するねじ切り加工用のものも用いられる。
【0004】
かかる内径加工工具は、その一方の切刃部12のすくい面15を上記クランプネジ6,7側に向けて上記面取り部13,14とともにホルダ本体1の面取り部8,9と平行とした上で、この一方の切刃部12がホルダ本体1の先端面2から突出するようにしてシャンク11が上記取付凹所3に挿入され、クランプネジ6,7をねじ込むことによってこのシャンク11が取付凹所3内で中心線C,C方向に押し付けられることにより、上記ホルダに取り付けられる。そして、こうして内径加工工具が取り付けられたホルダは、さらに図14および図15に示すように、工作機械の刃物台21の底面22に下側の面取り部9が着座させられた上で上側の面取り部8がこの刃物台21のクランプネジ23,24により押し付けられて該刃物台21に固定され、同じく工作機械の回転チャック25に取り付けられて上記軸線Xに平行な中心線Y回りに回転されるワークWの加工穴Hの内径部を加工してゆく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようにワークWの加工穴Hの内径が小径であって、内径加工工具も細径の軸状となる場合、工具取付剛性を確保するために、ホルダ本体1の先端面2からの内径加工工具の切刃部12の突出量は、加工穴Hの深さに応じた必要最小限にしなければならない。ところがその一方で、内径加工工具をホルダ本体1に確実に取り付けるには、上記クランプネジ6,7がねじ込まれるネジ孔4,5に十分な長さを確保しなければならず、その結果外形略円柱状をなすホルダ本体1の外径およびその先端面2の外径も大きくなってしまうため、内径加工の特に加工穴H最深部の加工を行うときには、図14および図15に示したようにこの外径の大きなホルダ本体1の先端面2が加工穴Hの開口部を塞ぐような状態となり、図14に符号Fで示すような加工時の切刃16により生成される切屑の流れを先端面2が遮ってスムーズに切屑を排出することができなくなるとともに、図15に符号Gで示すように切刃16による切削部位に工作機械側から切削液を供給しようとしても、ホルダ本体1の先端部が障害となって刃先に切削液を効率的に噴射することが困難となる。
【0006】
また、このホルダ本体1に内径加工工具を取り付ける際にも、上記従来のホルダでは、ホルダ本体1の断面円形をなす取付凹所3に概略円柱状の内径加工工具のシャンク11を嵌挿した上でクランプネジ6,7により押し付ける構造であるため、図8において矢線Tで示す方向にシャンク11が取付凹所3内で回転しやすく、切刃部12のすくい面15をホルダ本体1の面取り部8,9と平行にすることができなくなる。そして、これに伴いすくい面15を刃物台21の底面22と平行になるようにホルダ本体1を取り付けることもできなくなるため、内径加工時の切刃16の刃先位置が所定の位置からずれてしまって加工精度を損なったり、切刃16のすくい角や逃げ角も当初の設定と異なるものとなって切削抵抗の増大等を招いたりするおそれがある。さらに、こうしてシャンク11が取付凹所3内で回転した状態での内径加工工具のホルダへの取り付けが繰り返し行われると、シャンク11の面取り部13と外周面との角部にクランプネジ6,7の先端が押し付けられることによってこのクランプネジ6,7の先端に図16に示すような変形が生じ、これにより切刃16の刃先位置が一層ずれやすくなってしまって、クランプネジ6,7の交換を余儀なくされることにもなる。
【0007】
本発明は、このような背景の下になされたもので、第1には内径加工時に切屑の排出や切削液の供給を阻害することのないホルダを提供し、また第2には内径加工工具の切刃の刃先位置のずれを防ぐことができるホルダを提供して、長期に亙って円滑かつ安定した内径加工を可能とすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、まず上記第1の目的を達成するために、本発明は、柱状に延びるホルダ本体の先端部に、先端に切刃が形成された軸状の内径加工工具が取り付けられる取付凹所を上記ホルダ本体の側面に長手方向に沿って形成し、上記ホルダ本体の先端部に、上記取付凹所に開口し、取付凹所が形成された前記側面に対向する他の側面側に平面状に延びるスリットを、他の側面との間に間隔を残して上記長手方向に形成することにより、他の側面側を中心として取付凹所側のスリットの幅を拡縮する方向に弾性変形可能な平板状の可撓部を形成するとともに、この可撓部を上記スリットに垂直な方向に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする。従って、このようなホルダにおいては、取付凹所がスリットによって分断されてその半分が平板状の可撓部側に形成されており、このような取付凹所に上記内径加工工具を挿入した上で、上記押圧手段によって可撓部を押圧してスリットを縮幅するように弾性変形させることにより、内径加工工具はホルダ本体側と可撓部側とに挟まれるようにして取付凹所に固定される。このため、上記可撓部は、こうして内径加工工具を挟み込んで固定するのに十分な厚さであればよく、これにより、ホルダ本体の先端面から突き出された内径加工工具の切刃部の後方に、切屑を排出し、かつ切削液を供給するのに十分な空間を確保することができる。
【0009】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、このような構成のホルダにおいて、さらに、上記取付凹所を、上記ホルダ本体側に形成される底面とこの底面に対向して上記可撓部側に設けられる天井面とを備えて上記長手方向視に断面略方形状に形成したことを特徴とする。すなわち、上記構成のホルダにおいては、上述のように内径加工工具をホルダ本体側と可撓部側とで挟み込むようにして取付凹所に固定するので、従来のようにこの取付凹所に向けて長さが確保されたネジ孔を形成する必要はなく、従ってこの取付凹所をホルダ本体の中心軸線に沿ってその中央部に形成する必要もなくなって、上記構成のようにホルダ本体の側面に設けることが可能となり、これに伴って該取付凹所の断面形状も従来のように断面円形に限定されることなく、上述のような底面と天井面とを備えた略方形状に形成することが容易に可能となる。従って、これら底面と天井面とに内径加工工具のシャンクの上記面取り部を密着させて取り付けることができるので、取付凹所内で内径加工工具が回転して切刃の刃先位置がずれてしまうようなことがなく、しかも内径加工工具が面接触で取付凹所に固定されるので、取付剛性が高い。なお、上記可撓部を弾性変形させる押圧手段としては、例えば上記スリットに垂直な方向に上記可撓部に係合可能に挿通されて上記ホルダ本体にねじ込まれるクランプネジを用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は、本発明の一実施形態を示すものである。ただし、本実施形態のホルダに取り付けられる内径加工工具、およびこうして内径加工工具を取り付けたホルダが装着される工作機械は、図9ないし図11や図14および図15に示したものと同じであるので、その各部についてはこれらの図面と同一の符号を配して説明を省略する。
【0011】
本実施形態においてホルダ本体31は、その上面32の先端部が一段肉厚とされている以外は断面略方形の四角柱状をなし、この上面32先端部の肉厚とされた部分が可撓部33とされる。ここで、上記上面32とこれに直交する側面34との交差稜線部には、ホルダ本体31の後端から先端側に向けて該ホルダ本体31の長手方向視にL字状をなす切欠部35が形成されており、この切欠部35は段差部36を介してホルダ本体31の先端面37にまで達していて、この段差部36よりも先端側の切欠部35の底面が、本実施形態における取付凹所38の底面39とされている。なお、この底面39は、ホルダ本体31の上記上面32および下面40と平行とされている。
【0012】
一方、上記可撓部33側には、この底面39に平行とされた天井面41を有してやはり上記長手方向視にL字状をなす切欠部が形成されており、この切欠部と上記切欠部35の先端側部分とにより、上記取付凹所38が、上記長手方向視にホルダ本体31の上記1の側面34に「コ」字状に開口するように形成される。なお、この取付凹所38の底面39と天井面41との間の間隔は、上記内径加工工具のシャンク11の両面取り部13,14間の部分が嵌挿可能な大きさとされている。また、この取付凹所38の上記側面34側を向く壁面42は、底面39側と天井面41側とで該側面34に平行な同一平面上に延びるように形成され、従って底面39と天井面41とに直交するように形成されるとともに、側面34からこの壁面42までの取付凹所38の深さは、上述のように底面39と天井部41との間にシャンク11を嵌挿して該シャンクの一方の側面を壁面42に当接させた状態で、このシャンク11の他方の側面が側面34と略面一となる程度とされている。
【0013】
さらに、この可撓部33とホルダ本体31との間には、上記取付凹所38の壁面42に開口し、ホルダ本体31の上下面32,40および取付凹所38の底面39や天井面41に平行にホルダ本体31の他の側面43側に延びる平面状のスリット44が形成されている。このスリット44は、平面状に延びる該スリット44に垂直な方向(図3において上下方向)の幅が当該スリット44の全体に亙って均一とされたものであって、このスリット44に垂直な方向においては上面32よりも僅かに上方に位置するように配置され、かつ上記長手方向にはホルダ本体31の先端面37から可撓部33の後端にまで達するように、また取付凹所38から上記他の側面43側に向けての幅方向においては、この他の側面43との間に僅かな間隔を残すように形成されており、これにより上記可撓部33は、このスリット44と他の側面43との間に残された部分を中心として該スリット44の取付凹所38側の部分の幅が拡縮するように弾性変形可能とされ、かつ該スリット44からの上記垂直な方向の厚さが上記長手方向や幅方向の長さよりも小さくされた平板状に形成されている。
【0014】
また、ホルダ本体31の先端部には、こうして弾性変形可能とされた可撓部33を、上記スリット44に垂直な方向に押圧する押圧手段45が設けられている。この押圧手段45は、本実施形態ではこのスリット44に垂直な方向に上記可撓部33に係合可能に挿通されてホルダ本体31にねじ込まれるクランプネジ46であり、すなわち可撓部33には、その上記長手方向および幅方向の略中央に、スリット44側が一段小径とされた段付穴47が該スリット44に垂直な方向に可撓部33を貫通するように形成されているとともに、スリット44よりも下面40側のホルダ本体31には、可撓部33の非変形状態においてこの段付穴47と同軸となるようにネジ孔48がやはり該ホルダ本体31を貫通するように形成されており、可撓部33側から段付穴47を通してこのネジ孔48に頭部を有する上記クランプネジ46をねじ込むことにより、この頭部が段付穴47の段部に係合して可撓部33を上記垂直な方向に押圧し、これによってスリット44が縮幅する方向に可撓部33が弾性変形させられる。
【0015】
このように構成されたホルダに、上記内径加工工具は、上記クランプネジ46を緩めて可撓部33を非変形とした状態で、内径加工工具の一方の切刃部12のすくい面15を可撓部33側にして、この一方の切刃部12をホルダ本体31の先端面37から必要な長さ突出させるとともに、該一方の切刃部12のすくい面15とは反対側を向くシャンク11の面取り部14を取付凹所38の底面39に密着させて、その上記中心軸線Xをホルダ本体31の上記長手方向に沿わせて取付凹所38に挿入されて収容される。なお、この収容状態で、可撓部33はシャンク11の長手方向略中央に位置し、かつこれよりも他方の切刃部12側は上記切欠部35に位置させられている。そして、この状態から押圧手段45としての上記クランプネジ46をねじ込むことによって可撓部33を押圧してスリット44の幅が縮幅されるように弾性変形させることにより、この可撓部33側の取付凹所38の天状面41が上記面取り部14の反対側の面取り部13に密着しながらシャンク11が押し付けられて取付凹所38に固定され、図1ないし図3に示したように内径加工工具がホルダに取り付けられる。さらに、このように内径加工工具が取り付けられた上記ホルダは、図4および図5に示すようにその下面40が工作機械の刃物台21の底面22に着座させられた上で、上面32がこの刃物台21のクランプネジ23,24により押し付けられて固定され、やはり工作機械の回転チャック25に取り付けられて内径加工工具の軸線Xに平行な中心線Y回りに回転されるワークWの加工穴Hの内径部を、この内径加工工具の上記一方の切刃部12の切刃16によって加工してゆく。
【0016】
しかして、上記構成のホルダにおいては、まず上述のように、内径加工工具をその取付凹所38に取り付けて固定するに際し、ホルダ本体31先端部に、この取付凹所38に開口して平面状に延びるスリット44を形成することにより、該スリット44の幅を拡縮する方向に弾性変形可能な可撓部33を形成し、押圧手段45としてのクランプネジ46によってこの可撓部33をスリット44に垂直な方向に押圧することにより、取付凹所38もそのホルダ本体31側の底面22と可撓部33側の天井面41とが接近するように変形させられ、これによって内径加工工具のシャンク11が挟み込まれて固定されるようになされている。このため、従来のホルダのようにクランプネジ6,7をねじ込んでシャンク11を固定するために大きな外径をホルダ本体1に確保したりする必要はなく、弾性変形させられる可撓部33には、こうして弾性変形させられて内径加工工具のシャンク11を固定するのに十分な厚さが確保されていればよくなって、この可撓部33を上述のように平板状に形成することが可能となり、これによって内径加工工具の突出させられた上記一方の切刃部12の後方側に大きな空間を確保することができる。
【0017】
従って、このようなホルダに取り付けられた内径加工工具によってワークWの加工穴Hの内径加工を行う場合に、ホルダ本体31の先端面37を加工穴Hの開口部に接近させても、図4に示すように切屑の流れFを妨げることがなくなり、また図5に示すように切削液の供給Gも工作機械側からこの可撓部33の上方を通して切刃16による切削部位に円滑かつ確実に行うことが可能となる。このため、上記構成のホルダによれば、切屑が加工穴H内に詰まりを生じたり内径加工工具やホルダに絡まってりして円滑な内径加工が妨げられるような事態を未然に防止することができるとともに、切削熱がこもりやすい内径加工にあっても切削液の確実な供給によって切削部位を冷却・潤滑してより安定した加工を行うことが可能となる。
【0018】
また、このような構成のホルダでは、上述のように可撓部33を弾性変形させて上記取付凹所38内に挿入・収容された内径加工工具のシャンク11を固定する構造であって、取付凹所38の周囲に従来のクランプネジ6,7をねじ込むネジ孔4,5を形成するような肉厚部を確保する必要がないために、この取付凹所38をホルダ本体31の側面34に隣接して該側面34に開口するように形成することができる。従って、内径加工工具の上記一方の切刃部12の後方には、上記可撓部33の上方に大きな空間が確保されるとともに、この側面34側にもさらに大きな空間が確保されることとなり、従って図4に示すようにこの側面34側に切刃16が位置するように内径加工工具を取り付けて切屑の流れFを該側面34側の上記空間に案内することにより、一層確実に安定した切屑の排出を図ることができる。
【0019】
そして、さらにこのように取付凹所38がホルダ本体31の側面34に隣接して設けられることにより、上記ホルダでは、この取付凹所38の断面を、従来のような円形に限定されることなく、平坦な底面39と天井面41とを備えた「コ」字状、あるいは方形状に形成したりすることができる。すなわち、従来のホルダのように取付凹所3をホルダ本体1の中心軸線Oに沿ってその中央部に形成する場合、その断面が円形であればドリルによって比較的容易に形成することができるのに対し、この取付凹所3を本実施形態のように断面「コ」字状あるいは方形状に形成しようとすると、ブローチなどを用いるか、あるいは放電加工などによらなければならず、取付凹所3の形成が甚だ困難となることが避けられない。ところが、取付凹所38がホルダ本体31の側面34に隣接する本実施形態においては、この取付凹所38を断面「コ」字状あるいは方形状に形成するにしても、スロットカッターやエンドミルによって上記長手方向に溝を形成すればよく、通常の切削加工によって極めて容易に取付凹所38を形成することができる。
【0020】
しかして、このように取付凹所38が断面「コ」字状あるいは方形状とされてホルダ本体31側の底面39と可撓部33側の天井面41とを備えていることにより、本実施形態によれば、これら底面39と天井面41とにシャンク11の面取り部13,14を密着させて内径加工工具を取付凹所38に取り付けることができ、すなわちシャンク11が面接触によって取付凹所38に固定されるので、従来のクランプネジ6,7による点接触に比べて取付剛性が高く、取付凹所38内で内径加工工具が回転して切刃16の刃先位置がずれてしまったりするようなことがない。従って、内径加工工具のシャンク11の上記面取り部13,14を常に安定して工作機械の刃物台21の底面22と平行とし、従ってこの面取り部13,14と平行とされた切刃部12のすくい面15もこの刃物台21の底面22に確実に平行とすることができて当初設定した通りのすくい角や逃げ角を上記切刃16に与えることができ、すくい角や逃げ角が相違することによって切削抵抗が増大してしまったりするような事態を未然に防止することができる。また、このように取付凹所38の底面39と天井面41とが面取り部13,14に面接触してシャンク11を固定するため、これら底面39や天井面41に変形が生じたりすることもなく、これによりホルダの寿命の延長を図って、長期に亙って安定した内径加工工具の保持を行うことが可能となる。
【0021】
さらに、本実施形態では、可撓部33を弾性変形させる押圧手段45が、スリット44に垂直な方向に可撓部33に係合可能に該可撓部33の上記段付穴47に挿通されてホルダ本体31のネジ孔にねじ込まれるクランプネジ46であり、このクランプネジ46によって可撓部33全体が弾性変形してその天井面41がシャンク11の面取り部13に密着させられる。このため、従来のように複数のクランプネジ6,7をねじ込まずとも、本実施形態のようにこのクランプネジ46を可撓部33の長手方向略中央に1つだけ配置することにより、天井面41を均等な圧力で面取り部13に密着させてシャンク11を押し付け、取付凹所38に固定することができるので、本実施形態によれば、内径加工工具の着脱操作が容易であり、しかも取付安定性の向上を図ることもできるという効果を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ホルダ本体の先端部に形成された取付凹所に開口するようにスリットを形成して可撓部を設け、この可撓部を押圧手段によって押圧して弾性変形させることにより、上記取付凹所に内径加工工具を固定するようにしているので、内径加工工具の加工に供される切刃部の後方に大きな空間を確保することができ、内径加工時に生成される切屑の流れを阻害することなく円滑な切屑排出を促すことができるとともに、工作機械側からの切削液の供給も遮られることなく切削部位に確実に噴射することが可能となる。また、この取付凹所をホルダ本体の側面に設けるとともに、底面と天井面とを備えた断面方形状とすることにより、切刃部後方に一層大きな空間を確保することができ、しかも内径加工工具の取付剛性の向上を図ることができて、さらに円滑かつ安定した内径加工を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の側面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の正面図である。
【図4】 図1に示す実施形態を刃物台21に取り付けた状態を示す平面図である。
【図5】 図1に示す実施形態を刃物台21に取り付けた状態を示す側面図である。
【図6】 従来の内径加工工具用ホルダを示す平面図である。
【図7】 図6に示す従来例の一部破断側面図である。
【図8】 図6に示す従来例の正面図である。
【図9】 ボーリング用の内径加工工具の平面図である。
【図10】 図9に示す内径加工工具の側面図である。
【図11】 図9に示す内径加工工具の正面図である。
【図12】 溝入れ用の内径加工工具の切刃部12の平面図である。
【図13】 ねじ切り用の内径加工工具の切刃部12の平面図である。
【図14】 図6に示す従来例を刃物台21に取り付けた状態を示す平面図である。
【図15】 図6に示す従来例を刃物台21に取り付けた状態を示す側面図である。
【図16】 図6に示す従来例においてクランプネジ6,7に変形が生じた状態を示す、図7におけるZZ断面図である。
【符号の説明】
31 ホルダ本体
33 可撓部
34 ホルダ本体31の側面
38 取付凹所
39 取付凹所38の底面
41 取付凹所38の天井面
43 他の側面
44 スリット
45 押圧手段
46 クランプネジ

Claims (3)

  1. 柱状に延びるホルダ本体の先端部に、先端に切刃が形成された軸状の内径加工工具が取り付けられる取付凹所が上記ホルダ本体の側面に長手方向に沿って形成されていて、上記ホルダ本体の先端部には、上記取付凹所に開口し、前記取付凹所が形成された前記側面に対向する他の側面側に平面状に延びるスリットが、前記他の側面との間に間隔を残して上記長手方向に形成されることにより、前記他の側面側を中心として前記取付凹所側のスリットの幅を拡縮する方向に弾性変形可能な平板状の可撓部が形成されるとともに、この可撓部を上記スリットに垂直な方向に押圧する押圧手段が設けられていることを特徴とする内径加工工具用ホルダ。
  2. 上記取付凹所は、上記ホルダ本体側に形成される底面とこの底面に対向して上記可撓部側に設けられる天井面とを備えた上記長手方向視に断面略方形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内径加工工具用ホルダ。
  3. 上記押圧手段は、上記スリットに垂直な方向に上記可撓部に係合可能に挿通されて上記ホルダ本体にねじ込まれるクランプネジであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内径加工工具用ホルダ。
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