JP4238513B2 - 断熱スリーブ及びこれを用いた定着装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を採用したデジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置、及びこれに用いられる断熱スリーブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記電子写真方式を採用したデジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、感光体ドラムの表面を帯電手段によって一様に帯電した後、当該感光体ドラムの表面に画像露光を施して、画像情報に応じた静電潜像を形成し、当該静電潜像を現像装置によって現像してトナー像を形成する。そして、上記画像形成装置においては、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、給紙装置から給紙される記録用紙上に転写した後、当該トナー像が転写された記録用紙を、定着装置によって熱及び圧力で定着することにより、画像を形成するように構成されている。
【0003】
上記定着装置は、内部に加熱源を有する加熱ローラと加圧ローラとを圧接し、これら加熱ローラと加圧ローラのニップ部に、未定着トナー像を担持した記録用紙を通過させ、未定着トナー像を熱及び圧力によって記録用紙上に定着するように構成されている。
【0004】
ところで、上記定着装置は、図14(a)に示すように、加熱ローラ100の軸部101と、当該加熱ローラ100の軸部101を回転自在に支持するボールベアリング102(軸受部材)との間に断熱スリーブ103を配置し、加熱ローラ100の熱が軸受部材としてのボールベアリング102に伝わるのを防止するようになっている。
【0005】
上記断熱スリーブ103には、図14(b)に示すように、軸方向に沿ってスリット104を設け、加熱ローラ100の軸部101の熱膨張を吸収するように構成した技術が、特開2001−56020号公報に開示されている。
【0006】
この特開2001−56020号公報に係る断熱スリーブは、定着ローラと、この定着ローラを回転自在に両端で支持する転がり軸受けとの間に介在する断熱スリーブにおいて、前記断熱スリーブは円周方向の1箇所で分断するスリットを有し、このスリットの両側の合い口が互いに軸方向に重なる形状であるように構成したものである。
【0007】
また、上記断熱スリーブ103には、図14(c)に示すように、その内周面に係合用のボス部105を設け、当該ボス部105を加熱ローラ軸部101の凹溝106に係合して、回り止めの構成とすることによって、加熱ローラ軸部101と断熱スリーブ103との間のすべりを防止する技術が、特開平8−1015976号公報に開示されている。
【0008】
この特開平8−1015976号公報に係る熱ローラ定着装置は、一対の定着ローラ間を通過させて転写材上のトナー像を加熱定着する熱ローラ定着装置において、前記定着ローラの少なくとも一方のローラの軸と軸受けとの間に、耐熱ブッシュを前記軸と固定するように配置し、該耐熱ブッシュは前記軸に対して非回転とするように構成したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開2001−56020号公報に係る断熱スリーブ103の場合には、図14(b)に示すように、加熱ローラ軸部101の熱膨張に対して、当該断熱スリーブ103のスリット104が広がることにより、ストレスを受けることはないが、加熱ローラ軸部101と断熱スリーブ103との間にすべりが発生するため、このすべりに起因して異常音が生じるという問題点を有していた。
【0010】
また、上記特開平8−1015976号公報に係る熱ローラ定着装置の場合には、図14(c)に示すように、加熱ローラ軸部101と断熱スリーブ103との間のすべりを防止するため、回り止めの構成を採用しており、異常音は発生しにくいが、断熱スリーブ103にスリット104が設けられておらず、加熱ローラ軸部101の熱膨張に対して、断熱スリーブ103がストレスを受け、場合によっては、断熱スリーブ103のフランジ部103aが破損する虞れがあるという問題点を有していた。
【0011】
そこで、かかる問題点を解決するためには、図15に示すように、スリット104を設けた断熱スリーブ103に対して、更に回り止め用のボス部105を設けることにより、加熱ローラ軸部101の熱膨張に対して、断熱スリーブ103がストレスを受けるのを防止しつつ、加熱ローラ軸部101と断熱スリーブ103との間のすべりに起因する異常音の発生を防止することが考えられる。なお、図15中、符号107は断熱スリーブ103の抜け止め用の止め輪を示している。
【0012】
しかしながら、このように構成した場合には、図16(a)に示すように、スリット104の反対側に回り止め用のボス部105があると、断熱スリーブ103が回転して、当該ボス部105側からスリット104の方向に加圧ローラからの荷重が作用する状態になると、ボス部105に対して回転方向に作用する力Fが、断熱スリーブ103のスリット104を開く方向に働き、スリット104によって開いた断熱スリーブ103の部分が、加熱ローラ軸部101と擦れて、異常音の原因となるという他の問題点を有していた。
【0013】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、加熱回転部材の軸部の熱膨張によるストレスや、加熱回転部材の軸部との間のすべりに起因した異常音の発生を防止することが可能な断熱スリーブ及びこれを用いた定着装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、加熱源を有する加熱回転部材の軸部と、当該加熱回転部材の軸部を回転自在に支持する軸受部材との間に配置される断熱スリーブにおいて、前記断熱スリーブは、スリットによって周方向に拡開自在に分割されているとともに、前記加熱回転部材の軸部に対して相対的に係合する係合部によって回り止め状態に装着され、前記断熱スリーブの係合部は、前記スリットに対して前記加熱回転部材の回転方向上流側の近傍に隣接して配置されていることを特徴とする断熱スリーブである。
【0015】
また、請求項2に記載された発明は、トナー像を定着する加熱ローラを備え、前記加熱ローラの軸部と、当該加熱ローラの軸部を回転自在に軸支する軸受部材との間に断熱スリーブを配置した定着装置において、前記断熱スリーブは、スリットによって周方向に拡開自在に分割されているとともに、前記加熱ローラの軸部に対して相対的に係合する係合部によって回り止め状態に装着され、前記断熱スリーブの係合部は、前記スリットに対して前記加熱回転部材の回転方向上流側の近傍に隣接して配置されていることを特徴とする定着装置である。
【0016】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記加熱ローラの軸部に設けられた係合部が、穴形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の定着装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタを示すものである。
【0019】
このデジタルプリンタは、図示しないパーソナルコンピュータや画像読取装置等から送られてくる画像情報に基づいて、画像を形成するように構成されている。上記デジタルプリンタ本体1の内部には、感光体ドラム等の画像形成部材を一体的にユニット化したプロセスカートリッジ2が配設されている。このプロセスカートリッジ2は、プリンタ本体1の上端面に設けられた上部カバー3を開いた状態で、当該プリンタ本体1に対して着脱自在に構成されており、当該プロセスカートリッジ2に備えられた感光体ドラム等が寿命に達した場合や、現像装置のトナーが空になった場合など、プリンタ本体1の上部カバー3を開けて、新たなカートリッジ2と交換可能となっている。
【0020】
上記プロセスカートリッジ2は、図2に示すように、像担持体としての感光体ドラム4と、帯電手段としての帯電ローラ5と、現像ローラ6を備えた現像手段としての現像装置7と、クリーニング装置8とを備えるように構成されている。
【0021】
上記感光体ドラム4としては、例えば、アルミニウム等からなる円筒状の金属製芯金の表面に、有機光導電体(OPC)を被覆したものが用いられ、この感光体ドラム4は、図示しない駆動手段により矢印方向に沿って、所定の回転速度で駆動されるようになっている。上記感光体ドラム4の表面は、帯電ローラ5によって所定の電位に一様に帯電された後、露光手段としてのROS(RasterOutput Scanner)9によって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。そして、上記感光体ドラム4上に形成された静電潜像は、一成分現像剤(トナー)を収容した現像装置7によって現像され、トナー像となる。なお、現像装置7としては、二成分現像剤を使用したものであっても勿論よい。
【0022】
上記感光体ドラム4上に形成されたトナー像は、図2に示すように、転写手段としての転写ロール10によって、記録媒体としての記録用紙P上に転写される。この記録用紙Pは、プリンタ本体1内の下部に配設された給紙装置11、あるいはプリンタ本体1の下部に配置された給紙装置12、13、又はプリンタ本体1の側面から給紙可能に構成された手差しトレイ14から、所望サイズの記録用紙Pが所定のタイミングで給紙されるようになっている。上記給紙装置11は、所望サイズの記録用紙Pを収容した給紙カセット15を備えている。この給紙カセット15は、複数枚の記録用紙Pを載置したボトムプレート16を有しており、当該ボトムプレート16は、基端部に設けられた支点17を中心にして傾動自在となっているとともに、スプリング18によって最上位の記録用紙Pの先端部を給紙ロール19に圧接させるように構成されている。そして、上記給紙カセット11は、給紙ロール19を間欠的に回転させるとともに、捌きロール20を回転させることにより、ボトムプレート16上に載置された記上記給紙装置11は、所望サイズの記録用紙Pを収容した給紙カセット15を備えている。この給紙カセット15は、複数枚の記録用紙Pを載置したボトムプレート16を有しており、当該ボトムプレート16は、基端部に設けられた支点17を中心にして傾動自在となっているとともに、スプリング18によって最上位の記録用紙Pの先端部を給紙ロール19に圧接させるように構成されている。そして、上記給紙カセット11は、給紙ロール19を間欠的に回転させるとともに、捌きロール20を回転させることにより、ボトムプレート16上に載置された記録用紙Pを1枚ずつ分離した状態で給紙するようになっている。
【0023】
また、上記給紙装置12、13は、給紙装置11と同様に構成されており、所望サイズの記録用紙Pを収容した給紙カセット21を備えている。この給紙カセット21は、複数枚の記録用紙Pを載置したボトムプレート22を有しており、当該ボトムプレート22は、基端部に設けられた支点23を中心にして傾動自在となっているとともに、スプリング24によって最上位の記録用紙Pの先端部を給紙ロール25に圧接させるように構成されている。そして、上記給紙カセット12、13は、給紙ロール25を間欠的に回転させるとともに、捌きロール26を回転させることにより、ボトムプレート22上に載置された記録用紙Pを1枚ずつ分離した状態で給紙するようになっている。さらに、上記手差しトレイ14は、給紙ロール27を備えており、不使用時は、側面カバー28によって閉じられるように構成されている。
【0024】
上記給紙カセット15、21から給紙された記録用紙Pは、搬送ロール29によってレジストロール31まで搬送され、当該レジストロール31によって感光体ドラム4上のトナー像と同期して、感光体ドラム4の転写位置へ搬送される。また、上記給紙装置11、12、13には、記録用紙Pを上方に搬送するための用紙搬送路32が、縦方向に沿って設けられており、この用紙搬送路32の上下両端部には、記録用紙Pを搬送するための搬送ロール29、30がそれぞれ設けられている。
【0025】
なお、図2中、33、34は給紙装置12、13を積載した状態に位置決めするための突起とクッションを示している。
【0026】
このトナー像が転写された記録用紙Pは、感光体ドラム4から分離された後、定着装置35へ搬送され、当該定着装置35によって熱及び圧力で定着された後、排出ロール36によってプリンタ本体1の上部に設けられた排紙トレイ37上に排出されて、一連の画像形成工程が終了する。また、トナー像が転写された記録用紙Pは、切り替えゲート38によって、プリンタ本体1の上端部に設けられた排出ロール39によって、オプションとしてのオフセットキャッチトレイ40上に排出される。このオフセットキャッチトレイ40は、搬送ロール41、42を備えた用紙搬送路43の先端に、記録用紙Pの排出位置を用紙の幅方向に沿って移動可能なトレイ44を備えている。
【0027】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム4の表面は、クリーニング装置8によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程に備える。
【0028】
また、上記デジタルプリンタは、図2に示すように、記録用紙Pを排出ロール36によって排出せずに、当該排出ロール36で記録用紙Pの後端を挟持した状態で、排出ロール36を逆転させ、搬送ロール45、46が設けられた両面用搬送路47に沿って、記録用紙Pを搬送して、再度、表裏を反転した状態で記録用紙Pをレジストロール31に搬送し、記録用紙Pの裏面に画像を形成するように構成されている。
【0029】
ところで、この実施の形態に係る定着装置では、トナー像を定着する加熱ローラを備え、前記加熱ローラの軸部と、当該加熱ローラの軸部を回転自在に軸支する軸受部材との間に断熱スリーブを配置した定着装置において、
前記断熱スリーブは、スリットによって周方向に拡開自在に分割されているとともに、前記加熱回転部材の軸部に対して相対的に係合する係合部によって回り止め状態に装着され、前記断熱スリーブの係合部は、前記スリットの近傍であって、加熱回転部材の回転方向上流側に配置されるように構成されている。
【0030】
すなわち、この実施の形態に係る定着装置35は、図3に示すように、内部に加熱源を有する加熱回転部材としての加熱ローラ50と、加圧ローラ51とを圧接させ、これら加熱ローラ50と加圧ローラ51のニップ部52に、未定着トナー像を担持した記録用紙Pを通過させることにより、熱及び圧力によって未定着トナー像を記録用紙P上に定着するものである。
【0031】
上記加熱ローラ50は、ステンレスやアルミニウム等の金属製芯金の表面に、耐熱性弾性体や、離型層を被覆して構成されており、当該加熱ローラ50の内部には、図示しないハロゲンランプ等の加熱源が配設されている。また、上記加圧ローラ51は、ステンレスやアルミニウム等の金属製芯金の表面に、加熱ローラ50よりも厚い耐熱性弾性体や、離型層を被覆して構成されている。なお、上記加熱ローラ50の表面には、温度検知センサー53が設けられている。図3中、54は記録用紙Pを案内するインレットシュートを示している。
【0032】
また、上記加熱ローラ50の両端部には、図4に示すように、当該加熱ローラ50を回転自在に支持するための軸部55が、加熱ローラ50の定着部分よりも直径が小さく形成されている。この加熱ローラ軸部55の外周には、図1に示すように、当該加熱ローラ50を回転自在に支持するための軸受部材としてのボールベアリング56が嵌合状態に配設されているとともに、加熱ローラ50の軸部55とボールベアリング56との間には、断熱スリーブ57が配置されている。
【0033】
この断熱スリーブ57は、例えば、ポリイミド樹脂等の耐熱性の合成樹脂によって一体的に成形されており、図5に示すように、加熱ローラ50の軸部55とボールベアリング56との間に配置される円筒状部58と、当該円筒状部58の軸方向内側に設けられたフランジ部59とから構成されている。また、上記断熱スリーブ57は、図1及び図5に示すように、軸方向に沿って設けられたスリット60によって、周方向に拡開自在に分割されており、加熱ローラ50の軸部55が熱膨張によって拡径した場合でも、当該加熱ローラ50の熱膨張を吸収するようになっている。なお、上記スリット50は、軸方向に沿って斜めなどに設けてもよい。
【0034】
さらに、上記断熱スリーブ57は、加熱ローラ50の軸部55に対して相対的に係合する係合部61、62によって回り止め状態に装着されている。加熱ローラ50の軸部55には、図4に示すように、細長い円形の穴形状に形成された係合部61が設けられており、断熱スリーブ57の内周面には、図5に示すように、加熱ローラ50の軸部55に設けられた穴形状に形成された係合部61に、相対的に係合する突起状に形成されたボス部62(係合部)が設けられている。この断熱スリーブ57のボス部62は、スリット60の近傍(図示例では、3〜4mm程度の位置)であって、加熱ローラ50の回転方向上流側に配置されている。また、上記断熱スリーブ57のボス部62は、図5に示すように、当該断熱スリーブ57の軸方向に沿って全長に亙って設けられている訳ではなく、断熱スリーブ57の内側に軸方向に沿った長さよりも短く、かつ加熱ローラ50の軸部55の穴形状よりも若干短く形成されている。
【0035】
以上の構成において、この発明の実施の形態に係る定着装置を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタでは、次のようにして、加熱回転部材の軸部の熱膨張によるストレスや、加熱回転部材の軸部との間のすべりに起因した異常音の発生を防止することが可能となっている。
【0036】
すなわち、この実施の形態に係る定着装置35では、図3に示すように、内部に図示しない加熱源を有する加熱ローラ50と、加圧ローラ51とを圧接させ、これら加熱ローラ50と加圧ローラ51のニップ部52に、未定着トナー像を担持した記録用紙Pを通過させることにより、熱及び圧力によって未定着トナー像を記録用紙P上に定着するようになっている。
【0037】
その際、上記加熱ローラ50は、図1に示すように、その両端部に設けられた軸部55が、断熱スリーブ57を介して軸受部材としてのボールベアリング56によって回転自在に軸支されているとともに、当該加熱ローラ50の駆動側の軸部55に取り付けられた図示しない駆動用のギアによって、所定の速度で回転駆動されるようになっている。
【0038】
ところで、上記断熱スリーブ57には、図1、図5、図6に示すように、軸方向に沿ってスリット60が設けられ、当該スリット60によって周方向に拡開自在に分割されており、加熱ローラ50の軸部55が熱膨張によって拡径した場合でも、当該加熱ローラ50の熱膨張を吸収するようになっている。
【0039】
また、上記断熱スリーブ57は、図1及び図6に示すように、加熱ローラ50の軸部55に対して相対的に係合する係合部61、62によって回り止め状態に装着されている。この断熱スリーブ57のボス部62(係合部)は、スリット60の近傍であって、加熱ローラ50の回転方向上流側に配置されている。そのため、上記断熱スリーブ57は、図7(a)に示すように、当該断熱スリーブ57が回転して、スリット60の反対側からスリット60の方向に加圧ローラ51からの荷重が作用する状態になった場合でも、ボス部62に対して回転方向に作用する力Fが、断熱スリーブ57のスリット60を締める方向に働き、断熱スリーブ57が加熱ローラ50の軸部55に嵌合された状態を維持し、断熱スリーブ57と加熱ローラ軸部55とが擦れることがなく、異常音の発生を防止することができる。
【0040】
また、上記断熱スリーブ57は、図7(b)に示すように、当該断熱スリーブ57が回転して、スリット60側からスリット60の反対方向に加圧ローラ51からの荷重が作用する状態になった場合でも、ボス部62に対して回転方向に作用する力Fが、断熱スリーブ57のスリット60を締める方向に働き、断熱スリーブ57が加熱ローラ50の軸部55に嵌合された状態を維持し、断熱スリーブ57と加熱ローラ軸部55とが擦れることがなく、異常音の発生を防止することができる。
【0041】
このように、上記実施の形態によれば、加熱ローラ50の軸部55の熱膨張によるストレスや、加熱ローラ50の軸部55との間のすべりに起因した異常音の発生を防止することが可能となっており、信頼性が高いものとなっている。
また、この実施の形態では、加熱ローラ軸部55の回り止め受け部61が、図8に示すような端部までつながった溝ではなく、穴形状61であり、かつ断熱スリーブ57がスリット60とボス部62を有しており、スリット60を介して断熱スリーブ57を拡開して、ボス部62を穴形状61に嵌合するスナップフィット構成となっており、リング等の止め輪を使用する必要がなく、部品点数を削減でき、コストダウン及び組み立て性を改善することができる。
【0042】
図9は、本発明の実施の形態1に係る断熱スリーブと、従来の図 (a)〜(c)及び図 に示す断熱スリーブとの効果を比較して示したものである。
【0043】
実施の形態2
図10はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、断熱スリーブがフランジ部を有しておらず、円筒状部のみによって形成されている。
【0044】
すなわち、この実施の形態では、図10乃至図12に示すように、断熱スリーブ57が円筒状部58のみによって形成されている。なお、上記断熱スリーブ57の位置決めを行うために、図10に示すように、止め輪70を用いても良いが、図13に示すように、加熱ローラ50の軸部55に、段差部71を設けて、断熱スリーブ57の位置決めを行うように構成しても良い。
【0045】
この実施の形態の場合には、断熱スリーブ57に軸方向の位置を規制するフランジ部を設ける必要がなく、フランジ部の破損などの懸念もなくなり、信頼性を向上させることができる。
【0046】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、加熱回転部材の軸部の熱膨張によるストレスや、加熱回転部材の軸部との間のすべりに起因した異常音の発生を防止することが可能な断熱スリーブ及びこれを用いた定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタを示す構成図である。
【図3】 図3は定着装置を示す構成図である。
【図4】 図4は加熱ローラを示す斜視図である。
【図5】 図5は断熱スリーブを示す外観斜視図である。
【図6】 図6は加熱ローラを示す斜視図である。
【図7】 図7はこの発明の実施の形態1に係る断熱スリーブの作用を示す説明図である。
【図8】 図8は加熱ローラの係合部の他の例を示す構成図である。
【図9】 図9はこの発明の実施の形態1と従来の断熱スリーブの作用を示す図表である。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態2に係る断熱スリーブを示す構成図である。
【図11】 図11は断熱スリーブを示す斜視図である。
【図12】 図12は断熱スリーブの使用状態を示す斜視図である。
【図13】 図13はこの発明の実施の形態2における変形例を示す斜視図である。
【図14】 図14は従来の断熱スリーブを示す構成図である。
【図15】 図15は断熱スリーブの考え得る態様を示す構成図である。
【図16】 図16は従来の断熱スリーブの作用を示す説明図である。
【符号の説明】
35:定着装置、50:加熱ローラ(加熱回転部材)、52:ニップ部、55:加熱ローラの軸部、57:断熱スリーブ、60:スリット、61、62:係合部。
Claims (3)
- 加熱源を有する加熱回転部材の軸部と、当該加熱回転部材の軸部を回転自在に支持する軸受部材との間に配置される断熱スリーブにおいて、前記断熱スリーブは、スリットによって周方向に拡開自在に分割されているとともに、前記加熱回転部材の軸部に対して相対的に係合する係合部によって回り止め状態に装着され、前記断熱スリーブの係合部は、前記スリットに対して前記加熱回転部材の回転方向上流側の近傍に隣接して配置されていることを特徴とする断熱スリーブ。
- トナー像を定着する加熱ローラを備え、前記加熱ローラの軸部と、当該加熱ローラの軸部を回転自在に軸支する軸受部材との間に断熱スリーブを配置した定着装置において、前記断熱スリーブは、スリットによって周方向に拡開自在に分割されているとともに、前記加熱ローラの軸部に対して相対的に係合する係合部によって回り止め状態に装着され、前記断熱スリーブの係合部は、前記スリットに対して前記加熱回転部材の回転方向上流側の近傍に隣接して配置されていることを特徴とする定着装置。
- 前記加熱ローラの軸部に設けられた係合部は、穴形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
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