JP4237590B2 - 紙鳴り音の予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、複写機やプリンタなどの紙送り装置における紙鳴り音の予測方法に関するものである。
一般に、複写機やプリンタは、記録紙である用紙を搬送する紙送り装置を備えている。この紙送り装置は、ステッピングモータによって回転される回転軸に複数のローラを設け、この回転軸の各ローラに所定の付勢力にて押し付けられて従動する従動ローラを備えている。
そして、この種の紙送り装置では、ローラ間に送り込まれた用紙をローラによって挟持しながらステッピングモータによる回転方向に、順次送り出している。
このような紙送り装置を備えた複写機やプリンタでは、紙送り装置によって用紙を搬送する際に、ステッピングモータの回転速度むらなどに起因して、紙が振動して発生する紙鳴り音と呼ばれる放射音が発生する。
このため、この種の紙送り装置を備えた複写機やプリンタにおいては、紙鳴り音を極力抑えることが要求されている。
従来、印刷装置における給紙装置に関し、ローラ対によって給送された用紙のたわみが伸張されるときの用紙の騒音を低減する給紙装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、レジスト手段に当接させてたわみを形成する用紙搬送手段を版胴の駆動系に対して独立して駆動することにより、版胴駆動系のベルトの経時変化による伸びやギヤのバックラッシ等により絶えず変動する印刷速度に依存することなく、設定印刷速度が標準印刷速度よりも高速側であるとき、各設定印刷速度に対応した用紙印刷速度となるように用紙搬送手段を駆動することで、たわみ量不足を解消してスキューや不送りの発生を防止し、設定印刷速度が標準印刷速度以下であるとき、標準印刷速度に対応した用紙搬送速度となるように用紙搬送手段を駆動することで、低速側でのたわみ量不足を解消してスキューや不送りの発生を防止し、なおかつ、通常よく使用される標準印刷速度以下での騒音を低減する給紙装置が開示されている。
特開2000−141856号公報
従来は、設計者の経験と勘及び複数の試作による評価実験に基づいて搬送路形状や紙送り用のローラ等の設計を行うか、あるいは上記のように用紙搬送速度を制御することで、紙鳴り音についての対策を施していた。しかしながら、実験などにあまりコストをかけずにさらなる騒音の低減を図るため、設計段階においてその装置から発生する紙鳴り音を予測し、事前に対策を施すことが望まれている。
本発明は、コストをかけずに紙の搬送時に生じる紙鳴り音の低減を図るべく、紙鳴り音を事前に予測する紙鳴り音の予測方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成することのできる本発明の紙鳴り音の予測方法は、回転するローラ間に用紙を送り込んで搬送させる際に生じる紙鳴り音の予測方法であって、前記用紙の有限要素モデルを構築し、さらに、前記用紙と同形状である薄板を用いて測定された該薄板の搬送方向の加速度に基づいて、前記ローラから前記薄板にかかる加振力を算出し前記有限要素モデル、及び、前記ローラから前記用紙にかかる加振力として近似される前記薄板にかかる加振力を用いて振動解析を行い、さらに、紙の振動を境界条件として放射音解析を行い、単位加振力における紙鳴り音の周波数特性を算出することで、前記用紙から生じる紙鳴り音の予測を行うことを特徴としている。
このような紙鳴り音の予測方法によれば、用紙の有限要素モデル及び用紙にかかる加振力から紙鳴り音を予測するので、紙送り装置を設計する際に、紙鳴り音の予測値から装置の静音化を効果的に行うことができ、試作による実験を減らして開発費の低減、開発時間の短縮を図ることができる。
また、本発明の紙鳴り音の予測方法において、前記用紙の周波数特性を測定し、前記周波数特性から前記用紙のヤング率、ポアソン比及び減衰比を算出し、前記ヤング率、前記ポアソン比及び前記減衰比からなる物性値を用いて前記用紙の前記有限要素モデルを構築することが好ましい。
また、本発明の紙鳴り音の予測方法において、紙鳴り音に生じるばらつきの要因となる前記用紙におけるばらつきを算出し、前記ばらつきの幅を含めて紙鳴り音の予測を行うことが好ましい。
本発明の紙鳴り音の予測方法によれば、用紙の有限要素モデル及び用紙への加振力から紙鳴り音を予測するので、紙送り装置を設計する際に、紙鳴り音の予測値から装置の静音化を効果的に行うことができ、試作による実験を減らして開発費の低減、開発時間の短縮を図ることができる。
以下、本発明に係る紙鳴り音の予測方法の実施の形態について説明する。
本実施形態の紙鳴り音の予測方法では、振動解析に必要である用紙の物性値を推定し、それにより用紙の有限要素モデルを構築する。次いで、紙送り装置による用紙の搬送時にローラから用紙へ作用する加振力を同定する。その後、これら構築した有限要素モデル及び同定した加振力を用い、さらに、所定のばらつき要因を考慮して紙送り装置における紙鳴り音を予測する。
(有限要素モデルの構築)
用紙の有限要素モデルを構築するために、まず、用紙の物性値を推定する。
ここで、振動解析する上で必要となる用紙の物性値としては、ヤング率、ポアソン比、減衰比などである。したがって、これら用紙の物性値であるヤング率、ポアソン比及び減衰比を算出する。
なお、用紙には、漉く方向により縦目及び横目があるため、直交異方性を有する。このため、縦目及び横目のそれぞれの用紙において、物性値を算出する。
(1)ヤング率の算出
実際に記録用紙として用いられている規格の用紙は、その密度と寸法の関係により1次曲げの固有振動数が低く、精度の良い振動解析を行うには不都合であるため、縦目及び横目のそれぞれの用紙について、短冊状に切断した小片の試験紙を用意する。
次いで、図1に示すように、この試験紙1の一端を支持するとともに、試験紙1の先端1aから側方へ所定寸法離れた位置に、点音源としてスピーカ2を設置する。
この状態において、スピーカ2によって試験紙1を音響加振し、非接触式のレーザ振動計によって、振動する試験紙1の先端1aの単位加振力当たりの振幅を測定し、図2に示すように、縦目及び横目の試験紙1のそれぞれについて周波数応答比関数を求める。
次に、1次曲げの固有振動数を用いて、1次曲げのはりの理論式を変形した式(1)より、縦目の試験紙1のヤング率ET(Pa)及び横目の試験紙1のヤング率EY(Pa)を求める。
Figure 0004237590
ここで、l:試験紙の長さ(m)
ρ:試験紙の密度(Kg/m
:r次曲げの固有振動数(Hz)
:r次曲げの固有振動数に応じた係数
t:試験紙の厚さ(m)
である。
なお、ヤング率E、Eの算出に用いた試験紙1の密度ρは、試験紙1の単位面積あたりの質量であるつぼ量を、試験紙1の厚さtで割った値とする。
(2)ポアソン比の算出
前述したように、用紙は直交異方性を有するので、式(2)に示すベッチの相反定理が成り立つ。
Figure 0004237590
ここで、γYT:横目方向に引っ張ったときの縦目のポアソン比
γTY:縦目方向に引っ張ったときの横目のポアソン比
である。
そこで、測定した縦目及び横目の試験紙1の振動数から、1次及び2次曲げの固有振動数について、最小2乗法により誤差が最小となるポアソン比を算出する。
(3)モード減衰比の算出
r次のモード減衰比ξは、通常、式(3)のように定義されている。
Figure 0004237590
そして、バンド幅Δfは、式(4)のように、r次曲げの固有振動数fの1次式で表せる。
Figure 0004237590
ここで、α:バンド幅の傾き
β:バンド幅の切片
である。
なお、バンド幅Δfとは、r次曲げの固有振動数fでの振幅の最大値から2−1/2の値の周波数の幅であり、図2に示した周波数応答比関数のグラフからバンド幅Δfを算出し、直線の傾きと切片を得て、モード減衰比ξを求める。なお、固有振動数以外の振動数においては、モード減衰比ではなく、減衰比を用いて算出すると良い。
(4)用紙のモデリング
次に、推定した用紙の物性値を用いて、紙送り装置に設置した状態の用紙の数値モデルを作成する。なお、ここでは、紙送り装置のローラが用紙を拘束しているとして振動解析を行う。
(用紙にかかる加振力の同定)
まず、図3に示すように、回転軸11の固定された駆動ローラ12に対して、従動軸13に固定された従動ローラ14をバネ15によって所定の付勢力によって押し付けた紙送り機構16を用意する。この紙送り機構16では、駆動ローラ12と従動ローラ14との間に送り込んだ用紙が、回転軸11がステッピングモータによって回転されることにより、駆動ローラ12と従動ローラ14とに挟持されながら搬送される。なお、これら駆動ローラ12及び従動ローラ14は、それぞれ軸方向に間隔をあけて複数対設ける。本実施形態では、一例として5対の駆動ローラ12及び従動ローラ14を設ける。
そして、ここでは、この紙送り機構16による用紙の搬送時に、駆動ローラ12及び従動ローラ14から用紙にかかる紙面内方向(図中x方向)への加振力を同定する。
ここで、紙は質量が軽く、紙にかかる加振力を直接精度良く測定することが困難である。このため、紙の代わりに、用紙と同形状の薄板であるアルミニウム板17を用いる。
そして、このアルミニウム板17を紙送り機構16によって搬送させ、アルミニウム板17の紙面内方向である搬送方向の加速度aを測定する。
ここで、同形状のアルミニウム板17は、振動解析より1次面内の収縮の固有振動数が例えば17404Hzであり、ここで測定しようとしている周波数の範囲外であるので、面内方向は剛体として扱うことができる。
なお、紙面外方向(図中y方向)、紙面内方向である搬送方向に直交する方向(図中z方向)の振動は、いずれも搬送方向(図中x方向)の振動と比較した比率が小さいことを、測定により見出した。そのため、紙面外方向(図中y方向)、紙面内方向である搬送方向に直交する方向(図中z方向)の加振力は、ここでは加振力として考慮しない。つまり、紙鳴り音に影響する加振の方向は搬送方向が支配的であるので、用紙にかかる加振力としては、搬送方向だけを考慮すれば良い。但し、3方向について加速度を測定して、それぞれの加振力を求めても良い。
また、軸方向の複数対(本実施形態では5対)のローラごとの回転速度むらはなく、各ローラの加振力は同一であると仮定する。
次に、式(5)に示すように、剛体であるアルミニウム板17の紙面内方向の加速度axにアルミニウム板17の質量mを乗じ、駆動ローラ12と従動ローラ14とによる加振点の数n(本実施形態ではn=5)で除することで1つの加振点における加振力Fを求める。
Figure 0004237590
ステッピングモータの駆動周波数の範囲にて、図3に示すような紙送り機構16を可動させ、一つの加振点からの加振力の周波数特性を求める。
(紙鳴り音の予測)
構築した上記の有限要素モデルに対して、ローラの位置に同定した加振力を与え、振動解析を行う。ここで、紙の振動の周波数特性が予測できる。
さらに、紙の振動を境界条件として放射音解析を行い、単位加振力における紙鳴り音の周波数特性Hを算出する。
これにより、紙鳴り音の予測を行うことができる。
また、紙鳴り音には、ばらつきが生じるが、そのばらつきを生じさせる要因としては、図4に示すように、紙の含水量、紙のへたり、紙のつぼ量などが寄与すると考えられる。それぞれの要因を検討したところ、特につぼ量は、紙鳴り音への寄与度が大きく、支配的な要因であることがわかった。
度数分布を用いた統計的な量として、ばらつきUは、式(6)のように表せる。
Figure 0004237590
ここで、HAv(f):紙鳴り音の単位加振力における周波数特性の平均値
n:自由度
2,n−2;α:自由度n=2、n=n−2のF分布の100α百分比点
xy(f):紙鳴り音と加振力のクロスパワースペクトル
xx(f):加振力のオートパワースペクトル
yy(f):紙鳴り音のオートパワースペクトル
である。
またここで、複数の種類のつぼ量の異なる紙について、紙鳴り音のばらつきを把握すると良い。
このように求められたばらつき値を用いることで、設計段階において例えばモータの仕様を決めることで、ばらつきを考慮した紙鳴り音の予測を行うことができる。ばらつきの幅を含めて紙鳴り音を予測することで、設計にかかるコストを軽減でき、紙送り装置の静音化を効果的に行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の紙鳴り音の予測方法によれば、用紙の有限要素モデル及び同定した用紙への加振力から紙鳴り音を予測するので、紙送り装置を設計する際に、紙鳴り音の予測値から装置の静音化を効果的に行うことができ、試作による実験を減らして開発費の低減、開発時間の短縮を図ることができる。
また、紙鳴り音のばらつきを考慮し、紙を送る角度、支持するスパンをパラメータとして紙の搬送状態を変更することにより、ばらつきを加味した紙鳴り音を予測することもでき、さらに開発費の低減、開発時間の短縮を図ることができる。
(物性値の推定の算出例)
厚さ9.1×10−5m、密度705Kg/mの用紙を、長さ0.03m、幅0.01mの短冊形に切断した縦目及び横目の2つの試験紙を用い、上記の実施形態に基づいて、それぞれのヤング率E,Eを求めた。
r次曲げの固有振動数fは、縦目が41Hz、横目が30Hzであり、また、r次曲げの固有振動数に応じた係数aを1.9とした場合、式(1)から、それぞれのヤング率は、E=4.5×10Pa、E=2.4×10Paとなり、また、それぞれのポアソン比は、γYT=0.06、γTY=0.03となった。
また、バンド幅の傾きαが3.2×10−2、バンド幅の切片βが1.1Hzであったことより、モード減衰比ξは、縦目の1次が3.0%、横目の1次が3.2%となった。
(用紙のモデリングの比較例)
推定した上記のヤング率(E=4.5×10Pa、E=2.4×10Pa)、ポアソン比(γYT=0.06、γTY=0.03)及びモード減衰比(縦目の1次;3.0%、横目の1次;3.2%)を用いて、A3の用紙がローラに拘束されているとして振動解析を行い、有限要素モデルを作成した。
また、実際に紙送り装置のローラにA3の用紙を拘束させて設置した状態で音響加振を行い、そのときの振動を測定し曲げの固有振動数を求めた。
その結果、図5に示すように、振動解析により得られたローラ間の2次曲げの固有振動数、振動モードは、測定によって求めた固有振動数、振動モードと相関が取れており、用紙の数値モデリングが正しいことが確認された。
(紙にかかる加振力の同定例)
まず、縦0.2m、横0.2m、厚さ0.002m、質量0.335kgのアルミニウム板を紙送り機構によって搬送させ、そのときの搬送方向の加速度α(f)を測定し、その加速度α(f)から加振力の同定を行った。
ステッピングモータを、駆動周波数200〜1000Hzにて駆動させて装置を駆動させた結果、図6に示すように、ステッピングモータの駆動周波数が高くなるにつれ加振力が小さくなる特性値が得られた。
(紙鳴り音の比較例)
紙鳴り音を実際に測定し、予測値との比較を行った。
まず、図7及び図8に示すような簡易紙送り装置21を用意する。この簡易紙送り装置21は、中央に紙送り機構22を有し、この紙送り機構22の両側に紙案内部23を有している。
紙送り機構22は、それぞれ回転軸26の軸方向に間隔をあけて、複数対の駆動ローラ25及び従動ローラ24を有し、駆動ローラ25の回転軸26がステッピングモータ27によって回転されるようになっている。
紙案内部23は、上下に回転可能に配設された回転軸31を有し、これら回転軸31は、それぞれ軸方向に複数のローラ32が間隔をあけて設けられている。
この簡易紙送り装置21では、紙送り機構22の駆動ローラ25と従動ローラ24の間に用紙が挟持された状態にてステッピングモータ27によって駆動ローラ25が回転されると、用紙が駆動ローラ25と従動ローラ24によって挟持されながら搬送される。また、この用紙は、紙送り機構22の両側に設けられた紙案内部23のローラ32間に挟持されながら搬送方向に案内される。
そして、上記簡易紙送り装置21によって用紙を搬送させたときに発生する特異騒音Pallを、簡易紙送り装置21の所定位置(図7中Mにて示す位置)にて測定する。
ここで、簡易紙送り装置21で用紙を搬送させたときに発生する特異騒音Pallは、簡易紙送り装置21自体から発生する騒音Pmech及び紙鳴り音Ppaperの二つからなる。
したがって、紙鳴り音Ppaperは、簡易紙送り装置21から発生する騒音Pmechが用紙のない状態での稼働時の騒音であることより、式(7)より算出する。
Figure 0004237590
次に、簡易紙送り装置21のステッピングモータ27に、駆動電圧Vを印加し、このステッピングモータ27を駆動周波数200〜1000Hzで駆動させ、そのときの紙鳴り音Ppaperを求め、式(8)に基づいて、周波数特性Hを割り出す。
Figure 0004237590
そして、このようにして割り出した、単位加振力当たりの紙鳴り音の周波数特性Hと、推定した物性値から求めた有限要素モデル及び同定した加振力から振動解析を行って求めた単位加振力当たりの紙鳴り音の周波数特性Hとを比較した。
図9は、その結果を示すグラフ図である。図9に示すように、実測値と数値解析による予測値とでは、振幅はほぼ一致し、右上がりの周波数特性も同様な傾向を示しており、相関が取れていることがわかった。
すなわち、簡易紙送り装置21から発生する紙鳴り音を、本実施形態の紙鳴り音の予測方法により精度良く予測することが可能であることがわかった。
(ばらつきを考慮した場合の紙鳴り音の比較例)
8種類のつぼ量の異なる用紙について簡易紙送り装置21を駆動させ、それぞれの種類の用紙について、紙鳴り音の周波数特性を測定し、加振力が紙のつぼ量によって変化しないとしてばらつきUを求める。
また、8種類のつぼ量の異なる用紙について、上記と同様に数値解析によってばらつきUを算出する。
なお、このときの自由度nは16、F2,n−2;αのαは0.05とし、信頼区間を95%とする。
そして、このようにしてそれぞれ求めたばらつきUを比較した。
図10は、その結果を示すグラフ図である。図10に示すように、実測値と数値解析による予測値とでは、何れの周波数でもばらつきUのレベルが近い値を示しており、数値解析により求めたばらつきUが、周波数特性とその大きさの両者において適切に推定されていることがわかった。
また、簡易紙送り装置21のローラから用紙への加振力が、581Hz,0.001N±0.5%であるステッピングモータのばらつきを考慮した紙鳴り音を算出した。
表1は、その結果を示すもので、この表1からわかるように、紙鳴り音、正負の最大ばらつきは、ともに実測値と数値解析による予測値とで近い値を示している。
したがって、設計段階で、ステッピングモータの使用を決定すれば、ばらつきを考慮した紙鳴り音の予測が容易に行えることがわかった。
Figure 0004237590
また、表2は、上記のステッピングモータ(加振力;581Hz,0.001N±0.5%)を用いるとともに、用紙の送り角度θ及び支持するスパンL(図8参照)を最適な値であるθ=15°、L=0.04mとした場合の紙鳴り音を示すものである。表2に示すように、この場合も、紙鳴り音、正負の最大ばらつきは、ともに実測値と予測値とで近い値を示していることがわかり、また、用紙の送り角度θ及び支持するスパンLを考慮しない場合(表1の場合)と比較して6dB程度低減されると予測することができた。
Figure 0004237590
用紙の物性値を算出する際に用いる用紙の周波数特性の測定の仕方を示す概略斜視図である。 測定した用紙の周波数特性を示すグラフ図である。 ローラから用紙へかかる加振力を測定する際に用いる紙送り装置の概略側面図である。 紙鳴り音へ影響するそれぞれの要因の寄与度を示すグラフ図である。 用紙の物性値及び同定した加振力から構築した有限要素モデルと紙送り装置にて実際に搬送される用紙の固有振動数、振動モードとを示した図である。 ステッピングモータの駆動周波数に対する加振力の変化を示すグラフ図である。 実施例にて用いた簡易紙送り装置を説明する紙送り装置の概略平面図である。 実施例にて用いた簡易紙送り装置を説明する紙送り装置の概略側面図である。 紙鳴り音の予測値と実測値とを比較するグラフ図である。 用紙のつぼ量のばらつきを考慮した際の紙鳴り音の予測値と実測値とのばらつきを比較するグラフ図である。
符号の説明
1 試験紙(用紙)
12 駆動ローラ(ローラ)
14 従動ローラ(ローラ)
16 紙送り機構
17 アルミニウム板(薄板)
21 簡易紙送り装置
22 紙送り機構
24 従動ローラ
25 駆動ローラ
26,31 回転軸
32 ローラ
,E ヤング率
加振力
α 加速度
γYT,γTY ポアソン比
ξ モード減衰比

Claims (3)

  1. 回転するローラ間に用紙を送り込んで搬送させる際に生じる紙鳴り音の予測方法であって、
    前記用紙の有限要素モデルを構築し、さらに、前記用紙と同形状である薄板を用いて測定された該薄板の搬送方向の加速度に基づいて、前記ローラから前記薄板にかかる加振力を算出し
    前記有限要素モデル、及び、前記ローラから前記用紙にかかる加振力として近似される前記薄板にかかる加振力を用いて振動解析を行い、さらに、紙の振動を境界条件として放射音解析を行い、単位加振力における紙鳴り音の周波数特性を算出することで、前記用紙から生じる紙鳴り音の予測を行うことを特徴とする紙鳴り音の予測方法。
  2. 請求項1に記載の紙鳴り音の予測方法であって、
    前記用紙の周波数特性を測定し、
    前記周波数特性から前記用紙のヤング率、ポアソン比及び減衰比を算出し、
    前記ヤング率、前記ポアソン比及び前記減衰比からなる物性値を用いて前記用紙の前記有限要素モデルを構築することを特徴とする紙鳴り音の予測方法。
  3. 請求項1または2に記載の紙鳴り音の予測方法であって、
    紙鳴り音に生じるばらつきの要因となる前記用紙におけるばらつきを算出し、
    前記ばらつきの幅を含めて紙鳴り音の予測を行うことを特徴とする紙鳴り音の予測方法。
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