JP4237371B2 - 遮断器及び遮断器用電磁操作器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遮断器及び遮断器用電磁操作器に係わり、電磁石の吸引力を用いて一方側の電極を他方側の電極に移動して、投入及び遮断を操作する電磁操作器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術は、遮断器の操作を電磁力で行うことはよく知られている。特開平8−287790号公報には1組の永久磁石を用い、投入電磁石と引き外し電磁石を用いる電磁操作器が開示されている。特開平6−349383号公報には、投入用電磁石と遮断用電磁石を用いた操作器が開示されている。いずれの公知例においても、可動電極の投入操作時は電磁力を用いているが、遮断操作時は蓄勢されたバネの弾性力を利用して可動電極の引き離しを行うから、遮断用バネを強くする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は電磁石の吸引力を利用して遮断器の投入および遮断を行うことによって、投入および遮断の操作力を小さくして、操作器を小型化することが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、投入用電磁石および遮断用電磁石の両者が、可動電極を吸引することによって、遮断器の可動導体に第1のバネたとえばワイプバネを介して接続された操作ロッドを操作する。遮断器の投入時は操作ロッドに結合されたレバーを反時計方向に回転して操作ロッドを可動電極側に押し上げ、第1のバネを蓄勢するとともに可動電極を投入する。この際、レバーの一端に結合されたピンに係合したラッチを反時計方向に回転して係合をはずす。遮断操作においては、第2の電磁石(遮断用電磁石)にラッチに固定された可動鉄心を吸引して、ラッチを時計方向に回転し、ピンとラッチを係合させるとともに、第2のバネの蓄勢を解除し、小さい力で遮断操作を行う。
【0005】
本発明の遮断器は、容器内に配置された可動電極から該容器外に延びた可動部材に操作力を与え該可動電極を駆動して該容器内に配置された固定電極に対し該可動電極を接離する遮断器において、該可動部材の一端が第1のバネ2Dを介して操作ロッドに接続され、上記操作ロッドの一端が第1の可動鉄心を備えたレバー6に接続され、該可動電極の投入時に該第1の可動鉄心を吸引して該レバーを反時計方向に回転し該操作ロッドを該可動電極の方向に移動させ第1のバネを蓄勢する第1の電磁石13Bと、該レバーに固定され該レバーと該操作ロッドを回転可能に結合する第1のピン6Aと、第2の可動鉄心を有し該レバーと対向し該第1のピンと係合する延長部10Bを有するラッチ10と、該可動電極の引き離し時に、該第2の可動鉄心を吸引して該ラッチを時計方向に回転して該第1のピン6Aを係合し、第1のバネの蓄勢を解除して該遮断器を遮断するとともに、該第2のバネを蓄勢する第2の電磁石とを有し、該レバーが反時計方向に回転するときは該ラッチと該第2のピンの係合が外され、該レバーが時計方向に回転するときは該第2のバネの蓄勢を解除し該第1の電磁石と第1の可動鉄心が引き離されるように構成されたことを特徴とする。
【0006】
本発明の遮断器用電磁操作器は、容器内に配置された可動電極から該容器外に延びた可動導体に操作力を与え該可動電極を駆動して該真空容器内に配置された固定電極に対し該可動電極を接離する遮断器用電磁操作器において、該可動導体の一端が第1のバネ2Dを介して接続された操作ロッド2Fと、該操作ロッドに第1のピンを介して回転可能に結合され第1の可動鉄心を有するレバー6と、該可動電極の投入時に、該第1の可動鉄心を吸引して該レバーを反時計方向に回転し、該第1のバネを蓄勢する第1の電磁石13Bと、該操作ロッドと該レバーに固定された第2のバネ11と、該レバーの先端部に固定された第1のピン6Aと、第2の可動鉄心を有し、該レバーと該第1のピン6Aと係合する延長部10Bを有するラッチ10と、該可動電極の引き離し時に、該第2の可動鉄心を吸引して該ラッチを時計方向に回転して該第1のピン6Aを係合し、該第1のバネ11の蓄勢を解除して該遮断器を遮断する第2の電磁石とを有し、該第1の電磁石は該ラッチ10を反時計方向に回転する時に該第2のバネ11を圧縮して該遮断器を投入し、該第2の電磁石は該ラッチを時計方向に回転させる時に該第2のバネの蓄勢を解除するように構成されたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図4により説明する。図1及び図2は本発明の真空遮断器の電磁操作器の全体構造を示す図であり、電磁操作器の投入及び遮断動作を図5ないし図7の部分拡大図に示した。
【0008】
真空バルブ1の内部に可動側電極1Aと固定側電極1Bとが対応配置されている。可動側電極1A及び固定側電極1Bには真空バルブ内から外部に可動側ロッド2A及び固定側ロッド2Bが延びている。可動側ロッド2Aと真空バルブ1の端板との間にベローズ3を取り付け、容器の真空を外気から完全に遮断する。可動側ロッド2Aの端部に形成した長孔4Aと絶縁操作ロッド2Cの孔とにロッドピン4Bを挿入し、可動側ロッド2Aと絶縁操作ロッド2Cとをロッドピン4Bにより連結している。絶縁操作ロッド2C内にはワイプバネである第1のバネ2Dを収納し、第1のバネ2Dの押圧力により、ロッドピン4Bが長孔4Aを移動し、適宜な位置で可動側電極1Aが固定側電極1Bを押圧し、可動側電極1Aと固定側電極1Bとが所定の接触圧を維持している。絶縁操作ロッド2Cの接続金具2Eに操作ロッド2Fを接続している。操作ロッド2Fの他端は電磁操作器5に連結している。
【0009】
電磁操作器5により操作ロッド2Fを矢印方向のY1またはY2に移動して、可動側電極1Aを固定側電極1Bに投入(図1)または遮断する(図2)。電磁操作器5は次のように構成されている。
【0010】
即ち、操作ロッド2Fの端部の裏側で操作ロッド2Fの横方向にレバー6が延びている。操作ロッド2Fの端部とレバー6の中間とに形成した貫通孔に主ピン7を挿入し、操作ロッド2Fの端部とレバー6とを主ピン7で支持する。主ピン7は奥行方向つまり紙面の表面から裏面側に延びている。主ピン7は図3,図4,図5に示すように支持金具8の一端側に形成した長穴8Aに挿入されている。長穴8Aと反対側の支持金具8の他端側に長穴8Aより縦寸法の狭い穴8Bを形成している。穴8Bに挿入した連結ピン9はラッチ10に接続している。主ピン7と連結ピン9との間には第2のバネである遮断バネ11を取り付けている。遮断バネ11は当板8C間に配置されている。遮断バネ11は主ピン7が長穴8Aを外側から内側つまり投入方向に移動すると、遮断バネ11を圧縮して圧縮エネルギーを蓄勢する。圧縮エネルギーの保持はラッチ10にて行う。
【0011】
ラッチ10は連結ピン9により連結されていると共に、ラッチ10はラッチ軸10Aに支持されている。ラッチ軸10Aは支持板12に取り付けられている。ラッチ10はラッチ軸10Aを支点として時計方向及び反時計方向に回転する。ラッチ10の他端部10BにR面の係合10C及び突起部10Dを形成している。
【0012】
突起部10Dにレバー6の一端側に取り付けた第1のピン6Aが当接している。第1のピン6Aと反対側のレバー6の他端側と投入用可動鉄心である第1の可動鉄心13Aとはメインシャフト14により連結している。メインシャフト14は支持板(図示せず)に取り付けられている。第1の可動鉄心13Aはメインシャフト14を支点として時計方向及び反時計方向に回転する。第1の可動鉄心13Aに対応して投入用電磁石である第1の電磁石13Bが支持板(図示せず)に取り付けられている。第1の電磁石13Bの外側に投入用コイル13Cを装着し、投入用コイル13Cは接続線15を介して制御部16に接続している。
【0013】
ラッチ10には遮断用可動鉄心である弟2の可動鉄心18Aをピン18Dにより一体に取り付けている。弟2の可動鉄心18Aを吸引する遮断用電磁石である弟2の電磁石18Bを支持板に取り付けている。弟2の電磁石18Bの外側に遮断用コイル18Cを装着し、この遮断用コイル18Cは制御部16に接続している。
【0014】
制御部16は投入用スイッチ20及び遮断用スイッチ21を接続している。投入用コイル13Cは図2の遮断位置でレバー6が投入用スイッチ20を押してオン状態になり、この信号が制御部16に入力し、制御部16からの指令により投入用コイル13Cは何時でも電流が流せる状態にある。このオン状態から図1の連絡ピン4Aが係合面10Cに係合する投入位置で、レバー6が投入用コイル13Cから離れてオフ状態になり、投入用コイル13Cの電流を切り、第1の電磁石13Bの電磁吸引力を無励磁状態にする。
【0015】
これとは逆に遮断用スイッチ21は図1の投入位置で、レバー6が遮断用スイッチ21を押してオン状態になり、この信号を制御部16に入力し、制御部16からの指令により遮断用コイル18Cは何時でも電流が流せる状態にある。このオン状態から図2の連絡ピン4Aが係合面10Cから離れた遮断位置で、レバー6が遮断用スイッチ21から離れてオフ状態になり、遮断用コイル18Cの電流を切り、弟2の電磁石18Bの電磁吸引力を無励磁状態にする。
【0016】
また投入用スイッチ20及び遮断用スイッチ21は次のようにタイマーで行えば、必要でない。即ち、レバー6が遮断位置から投入位置に移動する時間T1(投入状態)と、レバー6が投入位置から遮断位置に移動する時間T2(遮断状態)とを制御部16のタイマーに設定する。時間T1を経過したら制御部16により投入用コイル13Cへの電流を切り、第1の電磁石13Bの電磁吸引力を無励磁にする。遮断用コイル18Cには電流を流せるオン状態にある。また時間T2を経過したら遮断用コイル18Cへの電流を切り、弟2の電磁石18Bの電磁吸引力を無励磁にする。投入用コイル13Cには電流を流せるオン状態にある。
【0017】
次に電磁操作器5の動作について説明する。
【0018】
制御部16より投入用コイル13Cに電流を流し、第1の電磁石13Bに発生した電磁吸引力で第1の可動鉄心13Aを吸引する。第1の可動鉄心13Aはメインシャフト14を支点として反時計方向に回転する。それに応じてレバー6も反時計方向に回転する。この回転により主ピン9が操作ロッド2Fを投入方向Y1に移動して図1及び図5のように可動側電極1Aを固定側電極1Bに投入すると共に、主ピン9が長穴8Aを外側から内側に移動し、遮断バネ11を圧縮して遮断バネ11の圧縮エネルギーを蓄勢する。蓄勢された圧縮エネルギーの保持は第1のピン6Aが突起部10Dから係合面10Cに移動し、連絡ピン4Aが係合面10Cに係合し、投入状態を維持すると共に、遮断バネ11の圧縮エネルギーを保持する。
【0019】
連絡ピン4Aが係合面10Cに係合する投入位置で、レバー6が投入用スイッチ20から離れてオフ状態にあり、投入用コイル13Cに電流は流れず、第1の電磁石13Bの電磁吸引力は無励磁状態になる。図1の投入位置で、レバー6が遮断用スイッチ21を押して遮断用スイッチ21がオン状態になり、この信号を制御部16に入力し、制御部16からの指令により遮断用コイル18Cは何時でも電流が流せる状態にある。
【0020】
投入状態(図1)から遮断状態(図2)にするには、遮断用コイル18Cに電流を流し、弟2の電磁石18Bを励磁し、その電磁吸引力により弟2の可動鉄心18Aを吸引する。この吸引力によりラッチ10がラッチ軸10Aを支点として反時計方向に回転する。第1のピン6Aが図6及び図7のように移動し、第1のピン6Aが突起部3Dに移動し、第1のピン6Aと係合面10Cとの係合が外れ、遮断バネ11の圧縮エネルギーが釈放される。この釈放力により、主ピン7が操作ロッド2Fを遮断方向Y2に移動し、図1の投入状態から図2の遮断状態に移動すると共に、弟2の電磁石18Bの電磁吸引力により、更にラッチ10の連結ピン9が支持金具8を介して主ピン7を遮断方向Y2に押圧し、更に可動側電極1Aが固定側電極1Bから離れて遮断する働きをする。
【0021】
遮断位置で遮断用スイッチ21は電流を流せないオフ状態になる。これとは逆に投入用スイッチ20は投入位置で制御部16からの指令により、投入用コイル13Cに電流が流れオン状態にある。
【0022】
このように本発明では、遮断動作の初期には、遮断バネ11の釈放力が、後期には弟2の電磁石18Bの電磁吸引力で遮断できるから、遮断バネ11は遮断用電磁石を使用した分だけ遮断バネ11の弾性力は小さくてよい。このため、第1の電磁石13Bは弱い弾性力の遮断バネ11を押圧する電磁吸引力でよいから、第1の電磁石13Bを小型化できるので、電磁操作器5を小型化できる。
【0023】
また、図5の投入状態でレバー6の両端のメインシャフト14及び第1のピン6Aと、レバー6及び操作ロッド2Fの端部と直交する主ピン7のレバー6と反対側の端部を支持金具8の長孔8Aに挿入し、主ピン7及び長孔8Aに基準線Lを引き、主ピン7が基準線Lの内側又は外側にあるかにより、遮断バネ11の劣化を判断する。例えば主ピン7の基準線Lが長孔8Aの基準線Lの外側にあれば、遮断バネ11のバネ圧が弱まり、遮断バネ11の交換時期が分かり、保守点検作業が容易になり、保守点検作業の能率を向上することができる。基準線Lは実際に主ピン7及び長孔8Aとに印を付ける。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、遮断器の可動電極の投入及び遮断に際し、それぞれ電磁石の吸引力を利用して可動電極を操作し、遮断バネ及び投入バネの弾性力を小さくして、操作器を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である遮断器の電磁操作器の投入時を示す概略断面図。
【図2】図1の遮断時を示すの概略断面図。
【図3】図1及び図2に使用した操作ロッドの裏側の構造を示す概略断面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】図1の投入時の構造を示す拡大断面図。
【図6】図5の投入状態から図2の遮断状態に移行する過程を示す拡大断面図。
【図7】図5の投入状態から図2の遮断状態に移行した拡大断面図。
【符号の説明】
1…真空バルブ、1A…可動側電極、1B…固定側電極、2F…操作ロッド、5…電磁操作器、6…レバー、6A…連絡ピン、7…主ピン、8…支持金具、8A…長孔、8B…孔、10…ラッチ、10A…ラッチ軸、10B…延長部、11…遮断バネ、13A…第1の可動鉄心、13B…第1の電磁石、13C…投入用コイル、14…メインシャフト、18A…第2の可動鉄心、18B…第2の電磁石、18C…遮断用コイル。
Claims (4)
- 容器内に配置された可動電極から容器外に延びた可動部材に操作力を与え前記可動電極を駆動して容器内に配置された固定電極に対し前記可動電極を接離する遮断器において、
前記可動部材の一端が第1のバネを介して接続される操作ロッドと、該操作ロッドの一端に第1のピンを介して回転可能に結合され第1の可動鉄心を有するレバーと、
前記可動電極の投入時に該第1の可動鉄心を吸引して前記レバーを反時計方向に回転し前記操作ロッドを前記可動電極の方向に移動させ前記第1のバネを蓄勢する第1の電磁石と、
第2の可動鉄心を有し前記レバーと対向し前記第1のピンと係合する延長部を有するラッチと、前記操作ロッドと前記レバーに結合され、前記第1のピンが前記延長部に係合し、係合が外れる直前に最も蓄勢される第2のバネと、前記第2の可動鉄心を吸引する第2の電磁石と、
前記可動電極の引き離し時にその動作の初期には、前記第2の電磁石により前記第2の可動鉄心を吸引し、前記ラッチを反時計方向に回転して前記第1のピンと前記ラッチとの係合を外して前記第2のバネを釈放し、その動作の後期には、前記第2の電磁石の吸引力により前記ラッチの回動を続けて前記可動電極の遮断を行うように構成されたことを特徴とする遮断器。 - 前記レバーと前記操作ロッドの結合点が前記操作ロッドの長手方向に移動可能に構成されている請求項1記載の遮断器。
- 前記操作ロッドと前記可動部材は絶縁物を介して結合されている請求項1記載の遮断器。
- 容器内に配置された可動電極から容器外に延びた可動導体に操作力を与え前記可動電極を駆動して容器内に配置された固定電極に対し前記可動電極を接離する遮断器用電磁操作器において、
前記可動導体の一端が第1のバネ2Dを介して接続される操作ロッド2Fと、第1の可動鉄心を有し前記操作ロッドの一端に第1のピン6Aを介して回転可能に結合されるレバーと、前記操作ロッドの移動方向に応じて前記第1のピンの結合点を移動させる支持機構8Aを有し、
前記可動電極の投入時に前記第1の可動鉄心を吸引して前記レバーを反時計方向に回転し、前記操作ロッドを前記可動電極の方向に移動させ前記第1のバネを蓄勢する第1の電磁石13Bと、
第2の可動鉄心を有し、前記レバーと対向し前記第1のピンと係合する延長部10Bを有するラッチ10と、前記操作ロッドと前記レバーに結合され、前記第1のピンが前記延長部に係合し、係合が外れる直前に最も蓄勢される第2のバネと、前記第2の可動鉄心を吸引する第2の電磁石と、
前記可動電極の引き離し時に、前記第2の電磁石が励磁して前記第2の可動鉄心を吸引し、前記ラッチを反時計方向に回転して前記第1のピンと前記ラッチの結合が外れる直前に、前記第1のピンの結合点が最も前記可動電極側に移動して前記第2のバネが最大に蓄勢され、前記第1のピンが前記ラッチの延長部から外れると前記第1のバネと前記第2のバネが釈放されて前記第1のピンの結合点が前記可動電極と反対側に移動し、継続した前記第2の電磁石の励磁により前記ラッチが反時計方向への回転を続けて、前記可動電極の遮断を行うように構成されたことを特徴とする遮断器。
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