JP4236096B2 - 地図型情報表示板における迂回路誘導表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は道路の高所に設置され、該道路を走行する車両に対して現在地から先の道路を表示するようにした地図型情報表示板において、前記現在地から先の道路が事故や通行止、渋滞等で走行が困難な場合に、他の迂回路を前記地図型情報表示板で表示することで、容易に迂回路を認識できるようにした迂回路誘導表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における地図を表示した地図型情報表示板にあっては、現在地より先の道路が表示されると共に、該現在地より先の道路が渋滞の場合は該渋滞箇所を赤色帯表示で点灯表示し、また、混雑の場合は橙色帯表示で点灯表示し、さらに、事故が発生した場合には赤色×印で点滅表示し、通行止区間については赤色×印を点灯表示させたものであった。
【0003】
【非特許文献1】
名古屋電機工業の総合カタログ 2002年4月発行
NEW(NEW METHOD & TECHNOLOGY) 44頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した地図型情報表示板にあっては、事故や通行止、渋滞区間を避けるには運転者が表示された前記事象の発生場所から判断して、経路を運転者自身が考えて走行する必要がある。そのため、規則情報のみを提供する従来の方法にあっては新たな渋滞や環境公害、騒音公害を起こすといった問題があった。
【0005】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、地図型情報表示板上で事故や通行止、渋滞等が発生した場合には、上記の道路環境などを考慮した上で、該表示板上で交通支障箇所を避ける迂回路を点滅あるいはスクロールして表示し誘導することで、運転者が迂回路の選択を迅速に行うことを可能にし、交通流の改善のみでなく環境を配慮した迂回路の選択をできるようにした地図型情報表示板における迂回路誘導表示方法を提供せんとするにある。
【0006】
本発明の地図型情報表示板における迂回路誘導表示方法は前記した目的を達成せんとするもので、その請求項1の手段は、事故や通行止、渋滞等の事象が発生した場合に、該事象を地図型情報表示板の道路上で点滅表示すると共に、該事象発生場所を避けて迂回路が格納されている経路変換テーブルからその時点で適した少なくとも2つの迂回路を選択し、該選択された少なくとも2つの迂回路の表示をスクロール表示すると共に、該スクロール表示は各迂回路を走行する車両の平均速度に応じてスクロールの波の速さを異ならしめるように制御することを特徴とする。
【0008】
請求項2の手段は、請求項1の手段において、前記経路変換テーブルによって選択された迂回路に対して、非優先経路情報が存在する場合には、経路誘導変換テーブルで算出された他の迂回路の経路を選択するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る地図型情報表示板における迂回路誘導表示方法の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は表示方法を実施するためのシステムブロック図にして、制御手段1と表示手段2とから構成されている。
【0010】
制御手段1は、交通管理センター等に設置された交通量監視手段に対して入力される事故や通行止、渋滞等の事象発生内容と場所を含む事象発生情報、曜日や時間帯に応じて、通行量を制限することが望ましい非優先経路情報および前記地図上の道路に設置された車速検出器からの情報である車速情報等が入力される情報入力部11と、該情報入力部11に入力された情報をどのように扱うかを判断するプログラムを記録した制御プログラム記憶部12と、前記各情報から表示手段2内に配置された事象発生表示部21を点灯表示させるための点灯制御部13および後述する経路誘導制御部14、スクロール制御部15とから構成されている。
【0011】
前記経路誘導制御部14は、前記事象発生場所を迂回する道路が多数格納された経路変換テーブル14aと、該経路変換テーブル14aにおいて算出した道路に対する非優先経路情報を基に、迂回路を格納した経路誘導変換テーブル14bとから構成されている。
【0012】
前記スクロール制御部15は、各迂回路に対するスクロールの波の速さを記憶する表示経路記憶部15aと、前記車速検出器より計測した車速を基に、スクロールの波の速さを変換するための車速情報変換部15bとから構成されている。なお、16は後述する図2、図3のフローチャートの動作を制御するためのCPUである。
【0013】
次に、前記したシステムブロック図に基づいて図2、図3の動作を説明する。
例えば、事故による通行止が発生した場合を想定する。交通管理センター等に設置された交通量監視手段に対して事故による通行止の事象発生場所を入力すると(ステップS1)、制御プログラム記憶部12により、CPU16は事故発生場所に赤色×印を点滅表示すると共に通行止区間に赤色×印を点灯表示する。また、事象発生場所を避けるための迂回路を経路変換テーブル14aを用いて算出する(ステップS2)。
【0014】
例えば、図4に示すような道路地図が地図型情報表示板に記載されているとすると、道路B2 で事故により渋滞が発生した場合には、点灯制御部13によって事象発生表示部21のLEDを点灯表示させると共に、経路変換テーブル14aにおいて道路算出処理が行われる。例えば、図4に示す道路B2 に渋滞が発生している場合には、図4に示すような道路B2 に関係しない複数の道路(A1 ,A2 ,A3 ,B1 ,C1 ,C2 ,D1 ,E1 ,E2 )が算出される。
【0015】
次に、前記算出された道路における交通安全と円滑化を基に設定した通行量を制限することが望ましい非優先経路情報を入力すると(ステップS3)、前記したステップS2で算出した複数の道路から前記非優先経路情報を参照して経路誘導変換テーブル14bを用いて迂回路を算出する(ステップS4)。
【0016】
その結果、道路C1 を通る道が近道ではあるが、例えば、スクールゾーンや深夜の騒音公害の非優先経路情報がある場合には、経路誘導変換テーブル14bは他の迂回路であるE3 ,E2 ,E1 ,D1 ,A2 ,A1 (第1候補の迂回路)やE3 ,E2 ,C2 ,D2 ,D1 ,A2 ,A1 (第2候補の迂回路)の経路を算出し、その算出結果を表示経路記憶部15aに記憶する。
【0017】
次いで、ステップS4で算出され表示経路記憶部15aに記憶された第1、第2候補の迂回路を走行する車両の平均速度が、前記情報入力部11より車速情報として入力される(ステップS5)。そして、ステップS5に入力された車速に応じて前記2つの迂回路の経路誘導表示部22のLEDを進行方向に向かって順次点灯するスクロール表示を行う(ステップS6)。
【0018】
図3のフローチャートは前記スクロール表示を行うためのサブルーチンを示しており、以下、その詳細について説明する。
前記車速情報判別部15は選択された内の第1候補の迂回路を走行する車両の平均速度を基にスクロールの波の速さを判別する(ステップS11)。すなわち、スクロールの波の速さを遅くするか速くするかの判別は、予め設定した所定車速n(例えば、50Km/h )として設定した場合、前記情報入力部11により車速α(Km/h )がα>nの場合にはスクロールの波の速さを速くする(ステップS12)。
【0019】
一方、前記したステップS11においてα≦nの場合にはスクロールの波の速さを遅くする(ステップS13)。そして、これらの波の速さ情報は表示経路記憶部15aに各迂回路に対するスクロールの波の速さとして記憶される(ステップS14)と共に、表示手段2の経路誘導表示部22のLEDの表示において、迂回路の平均速度が速ければスクロールの波の速さを速くし、平均速度が遅ければスクロールの波の速さを遅くするように制御する。
【0020】
次いで、全ての迂回路のスクロールの波の速さが決まったか否かの判定を行い、全てのスクロールの波の速さが決まっていないと判断した場合、この実施の形態にあっては第2候補の迂回路が存在するので、第2候補の迂回路のスクロールの波の速さを決めるステップS11〜S14の動作を行う(ステップS15)。
【0021】
そして、全ての迂回路におけるスクロールの波の速さが決まったと判断した場合には、前記した第1、第2候補の迂回路を表示経路記憶部15aに記憶した波の速さでスクロール表示させ(ステップS16)、サブルーチンの動作は終了する。
【0022】
ここで、例えば、第2の迂回路のスクロールの波の速さが速く、第1の迂回路のスクロールの波の速さが遅く表示された場合には、遠回りの迂回路であってもスムーズに流れている道路を利用したいと考える運転手は第2の迂回路に選択し、最短経路を利用したいと考える運転手は第1の迂回路を選択することとなるため、交通の流れを分散させることができる。
【0023】
なお、前記した実施の形態にあっては、選択された迂回路の表示方法として平均速度を加味した2つの異なるスクロール速度によって表示する場合について説明したが、スクロール速度については、平均速度と比例して無段階に表示してもよいし、交通の流れをより強調して印象付けるために傾斜のある速度変化を採用してもよい。また、同様の効果が期待できる簡易的な表示として迂回路を速度変化のある点滅によって行ってもよい。また、迂回路を表示するためのLED等の表示灯の色としては、スムーズな交通の流れを心理的に直感し得る緑色の他に、通常の表示板に対する使用が比較的少ないことによる誘目性が高く、かつ、安全であることを認識させることに効果のある青緑色や水色など青色系の色彩を用いることが好ましい。なお、迂回路区間が混雑した場合においては、混雑を示す橙色を用いて、ゆっくりとしたスクロール表示を行えば通過に時間を要することが認識されやすい。
【0024】
【発明の効果】
本発明は前記したように、事故、通行止や渋滞等の事象が発生した場合に、該事象を地図型情報表示板の道路上で点灯表示すると共に、かつ、前記事象発生場所を避ける迂回路が格納されている経路変換テーブルから少なくとも1つの迂回路を選択し、該選択された迂回路を点滅表示することで、運転者は点滅表示された迂回路に従い走行することで容易に希望する行く先に到達することができる。
【0025】
また、前記経路変換テーブルによって選択された迂回路の表示をスクロール表示すると共に、該スクロール表示は迂回路を走行する車両の平均速度に応じてスクロールの波の速さを異ならしめるように制御するので、運転者はスクロールの波の速さによって、迂回路の進行方向と走行の容易さを把握することができるため、運転者を最適な経路に効果的に誘導することが可能となる。
【0026】
さらに、前記経路変換テーブルによって選択された迂回路に対して、非優先経路情報が存在する場合には、経路誘導変換テーブルに記憶されている他の候補の迂回路を選択するようにしたので、道路環境および交通の安全を考慮した迂回路が表示されて一層安全で円滑な交通流で誘導することができる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地図型情報表示板における迂回路誘導表示方法を実施するためのシステムブロック図である。
【図2】同上のシステムブロックによる動作を示すフローチャートである。
【図3】同上におけるサブルーチンであるスクロール表示制御を示すフローチャートである。
【図4】地図型情報表示板に表示される道路地図を模した説明図である。
【符号の説明】
1 制御手段
11 情報入力部
12 制御プログラム記憶部
13 点灯制御部
14 経路誘導制御部
14a 経路変換テーブル
14b 経路誘導変換テーブル
15 スクロール制御部
15a 表示経路記憶部
15b 車速情報変換部
2 表示手段
21 事象発生表示部
22 経路誘導表示部
Claims (2)
- 事故や通行止、渋滞等の事象が発生した場合に、該事象を地図型情報表示板の道路上で点滅表示すると共に、該事象発生場所を避けて迂回路が格納されている経路変換テーブルからその時点で適した少なくとも2つの迂回路を選択し、該選択された少なくとも2つの迂回路の表示をスクロール表示すると共に、該スクロール表示は各迂回路を走行する車両の平均速度に応じてスクロールの波の速さを異ならしめるように制御することを特徴とする地図型情報表示板における迂回路誘導表示方法。
- 前記経路変換テーブルによって選択された迂回路に対して、非優先経路情報が存在する場合には、経路誘導変換テーブルで算出された他の迂回路の経路を選択するようにしたことを特徴とする請求項1記載の地図型情報表示板における迂回路誘導表示方法。
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